JP3468685B2 - カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 - Google Patents
カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法Info
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- JP3468685B2 JP3468685B2 JP07224398A JP7224398A JP3468685B2 JP 3468685 B2 JP3468685 B2 JP 3468685B2 JP 07224398 A JP07224398 A JP 07224398A JP 7224398 A JP7224398 A JP 7224398A JP 3468685 B2 JP3468685 B2 JP 3468685B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、難燃性に優
れた機能性材料として有用な新規カルボラン含有ケイ素
系重合体及びその製造方法に関するものである。
れた機能性材料として有用な新規カルボラン含有ケイ素
系重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐熱性、難燃性に優れたケイ
素系重合体が開発されている。また、高分子反応により
重合体を架橋させる方法で高分子量化、機械強度の向上
が試みられている〔Organometallics, 15, 75(1996) 〕
が、耐熱性、難燃性は必ずしも十分なものではなかっ
た。一方、カルボラン含有ケイ素系重合体についてはい
くつか知られており、例えば、J. Macromol. Sci. -Re
v. Macromol. Chem., C17(2), 173-208 (1979) には、
ポリ(ドデカカルボラン−シロキサン)について報告さ
れている。
素系重合体が開発されている。また、高分子反応により
重合体を架橋させる方法で高分子量化、機械強度の向上
が試みられている〔Organometallics, 15, 75(1996) 〕
が、耐熱性、難燃性は必ずしも十分なものではなかっ
た。一方、カルボラン含有ケイ素系重合体についてはい
くつか知られており、例えば、J. Macromol. Sci. -Re
v. Macromol. Chem., C17(2), 173-208 (1979) には、
ポリ(ドデカカルボラン−シロキサン)について報告さ
れている。
【0003】また、特表平8−505649号公報に
は、有機ホウ素ポリマーが開示されており、カルボラン
を導入することによりシロキサンポリマーの熱安定性が
向上することが報告されている。しかしながら、上記有
機ホウ素ポリマーはアセチレン基含有ジリチオ塩と両末
端クロロ基含有カルボランシロキサンとの反応から得ら
れるものであり、モノマーからカルボラン含有ケイ素系
化合物を合成するのに数段階を要するため、簡便な方法
ではなかった。
は、有機ホウ素ポリマーが開示されており、カルボラン
を導入することによりシロキサンポリマーの熱安定性が
向上することが報告されている。しかしながら、上記有
機ホウ素ポリマーはアセチレン基含有ジリチオ塩と両末
端クロロ基含有カルボランシロキサンとの反応から得ら
れるものであり、モノマーからカルボラン含有ケイ素系
化合物を合成するのに数段階を要するため、簡便な方法
ではなかった。
【0004】また、上記従来の有機ホウ素ポリマー以外
に、カルボラン含有ケイ素系重合体は殆ど知られておら
ず、耐熱性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重合
体の開発が期待されている。
に、カルボラン含有ケイ素系重合体は殆ど知られておら
ず、耐熱性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重合
体の開発が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性及び難燃性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重
合体及びその製造方法を提供することにある。
性及び難燃性に優れた新規なカルボラン含有ケイ素系重
合体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、反応性二重
結合基を側鎖に含有するケイ素系重合体とシリル置換カ
ルボラン誘導体とを複合化させることを試みた。二重結
合とシリル基との反応は非常に効率がよく、重合体中に
カルボランを簡便に導入することができる。また、重合
体の側鎖に反応性の二重結合が結合するため、効率的に
より多くのカルボランを導入することができ、重合体の
耐熱性及び難燃性の一層の向上が期待できる。
結合基を側鎖に含有するケイ素系重合体とシリル置換カ
ルボラン誘導体とを複合化させることを試みた。二重結
合とシリル基との反応は非常に効率がよく、重合体中に
カルボランを簡便に導入することができる。また、重合
体の側鎖に反応性の二重結合が結合するため、効率的に
より多くのカルボランを導入することができ、重合体の
耐熱性及び難燃性の一層の向上が期待できる。
【0007】請求項1記載の発明(以下、本発明1とい
う)のカルボラン含有ケイ素系重合体は、一般式(1)
及び/もしくは一般式(2)で表されるカルボラン含有
ユニットと、一般式(4)〜(7)で表されるユニット
の組合わせからなる炭化水素基と一般式(14)で表さ
れるフェニルメチルシリレン基とからなり、重量平均分
子量が500以上であることを特徴とする。
う)のカルボラン含有ケイ素系重合体は、一般式(1)
及び/もしくは一般式(2)で表されるカルボラン含有
ユニットと、一般式(4)〜(7)で表されるユニット
の組合わせからなる炭化水素基と一般式(14)で表さ
れるフェニルメチルシリレン基とからなり、重量平均分
子量が500以上であることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明(以下、本発明2とい
う)のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法は、本
発明1のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法であ
って、一般式(4)〜(7)で表されるユニットの組合
わせからなる炭化水素基と一般式(14)で表されるフ
ェニルメチルシリレン基と一般式(8)で表されるシリ
レン基とからなるケイ素系重合体における一般式(8)
中の二重結合と、一般式(9)又は(10)で表される
シリル置換カルボラン誘導体とを反応させることを特徴
とする。
う)のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法は、本
発明1のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法であ
って、一般式(4)〜(7)で表されるユニットの組合
わせからなる炭化水素基と一般式(14)で表されるフ
ェニルメチルシリレン基と一般式(8)で表されるシリ
レン基とからなるケイ素系重合体における一般式(8)
中の二重結合と、一般式(9)又は(10)で表される
シリル置換カルボラン誘導体とを反応させることを特徴
とする。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】本発明1のカルボラン含有ケイ素系重合体
は、一般式(1)及び/もしくは一般式(2)で表され
るカルボラン含有ユニットと、一般式(4)〜(7)で
表されるユニットの組合わせからなる炭化水素基と一般
式(14)で表されるフェニルメチルシリレン基とから
なる。
は、一般式(1)及び/もしくは一般式(2)で表され
るカルボラン含有ユニットと、一般式(4)〜(7)で
表されるユニットの組合わせからなる炭化水素基と一般
式(14)で表されるフェニルメチルシリレン基とから
なる。
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】
【化14】
【0014】
【化15】
【0015】式(1)、(2)中、R1 は、ケイ素原子
に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は
炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。R2 は、ケイ素原子に結合
した炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜30
のアリーレン基を表わすが、必ずしも必要はなく、な い
場合はケイ素原子に直接CH 2 −CH 2 が結合する。R
3 は、カルボランの炭素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基
又は一般式(3)で表されるケイ素化合物を表す。CB
xHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカル
ボランを表し、x,x’は3〜16の整数を表す。式
(4)、(5)中、R5 は、炭素原子に結合した水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30の
アリール基を表し、それぞれ同一であっても異なってい
てもよい。式(7)中、R6 は、炭素数6〜30のアリ
ーレン基を表す。
に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は
炭素数6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。R2 は、ケイ素原子に結合
した炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜30
のアリーレン基を表わすが、必ずしも必要はなく、な い
場合はケイ素原子に直接CH 2 −CH 2 が結合する。R
3 は、カルボランの炭素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基
又は一般式(3)で表されるケイ素化合物を表す。CB
xHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物であるカル
ボランを表し、x,x’は3〜16の整数を表す。式
(4)、(5)中、R5 は、炭素原子に結合した水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30の
アリール基を表し、それぞれ同一であっても異なってい
てもよい。式(7)中、R6 は、炭素数6〜30のアリ
ーレン基を表す。
【0016】
【化16】
【0017】式(3)中、R4 は、ケイ素原子に結合し
た水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6
〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異
なっていてもよい。
た水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6
〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異
なっていてもよい。
【0018】上記R1 〜R4 で表される炭化水素基の炭
素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくな
り、耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くな
ると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそ
れぞれ限定される。
素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすくな
り、耐熱性が低下するため、また、芳香族の場合多くな
ると溶媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲にそ
れぞれ限定される。
【0019】上記R1 、R3 、R4 で表されるアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
【0020】上記R1 、R3 、R4 で表されるアリール
基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル
基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル
基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0021】上記R2 で表されるアルキレン基として
は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン
基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシ
レン基、ドデシレン基、トリシレン基、テトラデシレン
基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシ
レン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシ
レン基等が挙げられる。
は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン
基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシ
レン基、ドデシレン基、トリシレン基、テトラデシレン
基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシ
レン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシ
レン基等が挙げられる。
【0022】上記R2 で表されるアリーレン基として
は、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシレン基、
ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントラセニレン
基等が挙げられる。
は、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシレン基、
ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントラセニレン
基等が挙げられる。
【0023】上記CBxHx’Cで表されるカルボラン
としては、例えば、ドデカカルボラン、デカカルボラ
ン、ヘプタカルボラン、ヘキサカルボラン、ペンタカル
ボラン等が挙げられる。
としては、例えば、ドデカカルボラン、デカカルボラ
ン、ヘプタカルボラン、ヘキサカルボラン、ペンタカル
ボラン等が挙げられる。
【0024】上記R1 〜R4 で表される炭化水素基及び
CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、以後に
ついても同様の成分が挙げられる。
CBxHx’Cで表されるカルボランとしては、以後に
ついても同様の成分が挙げられる。
【0025】上記一般式(4)〜(7)で表されるユニ
ットの組合わせからなる炭化水素基としては、以下に示
すものが挙げられる。
ットの組合わせからなる炭化水素基としては、以下に示
すものが挙げられる。
【0026】
【化17】
【0027】上記R5 で表されるアルキル基、アリール
基としては、上記R1 と同様のアルキル基、アリール基
が挙げられ、以下についても同様である。また、上記R
6 で表されるアリーレン基としては、上記R2 と同様の
アリーレン基が挙げられ、以下についても同様である。
基としては、上記R1 と同様のアルキル基、アリール基
が挙げられ、以下についても同様である。また、上記R
6 で表されるアリーレン基としては、上記R2 と同様の
アリーレン基が挙げられ、以下についても同様である。
【0028】上記(4)〜(7)の組合わせからなる炭
化水素基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基、メチルメチレン基、メチルエチ
レン基、ジメチルメチレン基、ジメチルエチレン基、ビ
ニレン基、ブチレン−1,3−ジエン基、エチニレン
基、ジエチニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、
ナフタレニレン基、プロピレン−1−エン基、ブチレン
−2−エン基、ペンチレン−1,4−ジエン基、プロピ
レン−1−イン基、ブチレン−2−イン基、ペンチレン
−1,4−ジイン基、メチレンフェニレン基、1,4−
ジメチレンベンゼン基、ジフェニレンメタン基、ビニレ
ンフェニレン基、1,4−ジビニレンベンゼン基、1,
2−ジフェニレンビニレン基、エチニレンフェニレン
基、1,4−ジエチニレンベンゼン基、ジフェニレンア
セチレン基等が挙げられる。
化水素基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基、メチルメチレン基、メチルエチ
レン基、ジメチルメチレン基、ジメチルエチレン基、ビ
ニレン基、ブチレン−1,3−ジエン基、エチニレン
基、ジエチニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、
ナフタレニレン基、プロピレン−1−エン基、ブチレン
−2−エン基、ペンチレン−1,4−ジエン基、プロピ
レン−1−イン基、ブチレン−2−イン基、ペンチレン
−1,4−ジイン基、メチレンフェニレン基、1,4−
ジメチレンベンゼン基、ジフェニレンメタン基、ビニレ
ンフェニレン基、1,4−ジビニレンベンゼン基、1,
2−ジフェニレンビニレン基、エチニレンフェニレン
基、1,4−ジエチニレンベンゼン基、ジフェニレンア
セチレン基等が挙げられる。
【0029】本発明1のケイ素系重合体の重量平均分子
量は、小さくなると十分な耐熱性が得られなくなるた
め、500以上に限定される。重量平均分子量の上限
は、特に限定されないが、大きくなり過ぎると溶解性が
低下し、成形体を得ることが困難になるため、500万
以下が好ましい。
量は、小さくなると十分な耐熱性が得られなくなるた
め、500以上に限定される。重量平均分子量の上限
は、特に限定されないが、大きくなり過ぎると溶解性が
低下し、成形体を得ることが困難になるため、500万
以下が好ましい。
【0030】次に、本発明2について説明する。本発明
2のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法では、一
般式(4)〜(7)で表されるユニットの組合わせから
なる炭化水素基と一般式(14)で表されるフェニルメ
チルシリレン基と一般式(8)で表されるシリレン基と
からなるケイ素系重合体における一般式(8)中の二重
結合と、一般式(9)又は(10)で表されるシリル置
換カルボラン誘導体とを反応させることにより、本発明
1のカルボラン含有ケイ素系重合体が得られる。
2のカルボラン含有ケイ素系重合体の製造方法では、一
般式(4)〜(7)で表されるユニットの組合わせから
なる炭化水素基と一般式(14)で表されるフェニルメ
チルシリレン基と一般式(8)で表されるシリレン基と
からなるケイ素系重合体における一般式(8)中の二重
結合と、一般式(9)又は(10)で表されるシリル置
換カルボラン誘導体とを反応させることにより、本発明
1のカルボラン含有ケイ素系重合体が得られる。
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】式中、R1 は、ケイ素原子に結合した水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30
のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なって
いてもよい。R3 は、カルボランの炭素原子に結合した
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜3
0のアリール基又は一般式(3)で表されるケイ素化合
物を表す。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化
合物であるカルボランを表し、x,x’は3〜16の整
数を表す。R5 は、炭素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール
基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。R6 は、炭素数6〜30のアリーレン基を表す。R
7 は、ケイ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキレ
ン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表わすが、必
ずしも必要はなく、ない場合はケイ素原子に直接二重結
合基が結合する。
原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30
のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なって
いてもよい。R3 は、カルボランの炭素原子に結合した
水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜3
0のアリール基又は一般式(3)で表されるケイ素化合
物を表す。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化
合物であるカルボランを表し、x,x’は3〜16の整
数を表す。R5 は、炭素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール
基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。R6 は、炭素数6〜30のアリーレン基を表す。R
7 は、ケイ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキレ
ン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表わすが、必
ずしも必要はなく、ない場合はケイ素原子に直接二重結
合基が結合する。
【0037】
【化23】
【0038】式中、R4 は、ケイ素原子に結合した水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30
のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なって
いてもよい。
原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30
のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なって
いてもよい。
【0039】上記(4)〜(7)の組合わせからなる炭
化水素基の具体例としては、本発明1と同様のものが挙
げられる。
化水素基の具体例としては、本発明1と同様のものが挙
げられる。
【0040】上記一般式(8)で表されるシリレン基と
しては、例えば、メチルビニルシリレン、エチルビニル
シリレン、プロピルビニルシリレン、ブチルビニルシリ
レン、ペンチルビニルシリレン、ヘキシルビニルシリレ
ン、フェニルビニルシリレン、トリルビニルシリレン、
キシリルビニルシリレン、メチルアリルシリレン、エチ
ルアリルシリレン、プロピルアリルシリレン、ブチルア
リルシリレン、ペンチルアリルシリレン、ヘキシルアリ
ルシリレン、フェニルアリルシリレン、トリルアリルシ
リレン、キシリルアリルシリレン、メチルプロペニルシ
リレン、エチルプロペニルシリレン、プロピルプロペニ
ルシリレン、ブチルプロペニルシリレン、ペンチルプロ
ペニルシリレン、ヘキシルプロペニルシリレン、フェニ
ルプロペニルシリレン、トリルプロペニルシリレン、キ
シリルプロペニルシリレン、メチルブテニルシリレン、
エチルブテニルシリレン、プロピルブテニルシリレン、
ブチルブテニルシリレン、ペンチルブテニルシリレン、
ヘキシルブテニルシリレン、フェニルブテニルシリレ
ン、トリルブテニルシリレン、キシリルブテニルシリレ
ン等が挙げられる。
しては、例えば、メチルビニルシリレン、エチルビニル
シリレン、プロピルビニルシリレン、ブチルビニルシリ
レン、ペンチルビニルシリレン、ヘキシルビニルシリレ
ン、フェニルビニルシリレン、トリルビニルシリレン、
キシリルビニルシリレン、メチルアリルシリレン、エチ
ルアリルシリレン、プロピルアリルシリレン、ブチルア
リルシリレン、ペンチルアリルシリレン、ヘキシルアリ
ルシリレン、フェニルアリルシリレン、トリルアリルシ
リレン、キシリルアリルシリレン、メチルプロペニルシ
リレン、エチルプロペニルシリレン、プロピルプロペニ
ルシリレン、ブチルプロペニルシリレン、ペンチルプロ
ペニルシリレン、ヘキシルプロペニルシリレン、フェニ
ルプロペニルシリレン、トリルプロペニルシリレン、キ
シリルプロペニルシリレン、メチルブテニルシリレン、
エチルブテニルシリレン、プロピルブテニルシリレン、
ブチルブテニルシリレン、ペンチルブテニルシリレン、
ヘキシルブテニルシリレン、フェニルブテニルシリレ
ン、トリルブテニルシリレン、キシリルブテニルシリレ
ン等が挙げられる。
【0041】上記一般式(10)で表されるシリル置換カ
ルボラン誘導体としては、例えば、ジメチルシリルカル
ボラン、ジエチルシリルカルボラン、ジプロピルシリル
カルボラン、ジブチルシリルカルボラン、ジペンチルシ
リルカルボラン、ジヘキシルシリルカルボラン、ジフェ
ニルシリルカルボラン、ジトリルシリルカルボラン、ジ
キシリルシリルカルボラン、ジビフェニルシリルカルボ
ラン、ジナフチルシリルカルボラン、ジアントラセニル
シリルカルボラン、メチルエチルシリルカルボラン、メ
チルプロピルシリルカルボラン、メチルブチルシリルカ
ルボラン、メチルペンチルシリルカルボラン、メチルヘ
キシルシリルカルボラン、エチルプロピルシリルカルボ
ラン、エチルブチルシリルカルボラン、エチルペンチル
シリルカルボラン、エチルヘキシルシリルカルボラン、
プロピルブチルシリルカルボラン、プロピルペンチルシ
リルカルボラン、プロピルヘキシルシリルカルボラン、
ブチルペンチルシリルカルボラン、ブチルヘキシルシリ
ルカルボラン、ペンチルヘキシルシリルカルボラン、メ
チルフェニルシリルカルボラン、エチルフェニルシリル
カルボラン、プロピルフェニルシリルカルボラン、ブチ
ルフェニルシリルカルボラン、ペンチルフェニルシリル
カルボラン、ヘキシルフェニルシリルカルボラン等が挙
げられる。
ルボラン誘導体としては、例えば、ジメチルシリルカル
ボラン、ジエチルシリルカルボラン、ジプロピルシリル
カルボラン、ジブチルシリルカルボラン、ジペンチルシ
リルカルボラン、ジヘキシルシリルカルボラン、ジフェ
ニルシリルカルボラン、ジトリルシリルカルボラン、ジ
キシリルシリルカルボラン、ジビフェニルシリルカルボ
ラン、ジナフチルシリルカルボラン、ジアントラセニル
シリルカルボラン、メチルエチルシリルカルボラン、メ
チルプロピルシリルカルボラン、メチルブチルシリルカ
ルボラン、メチルペンチルシリルカルボラン、メチルヘ
キシルシリルカルボラン、エチルプロピルシリルカルボ
ラン、エチルブチルシリルカルボラン、エチルペンチル
シリルカルボラン、エチルヘキシルシリルカルボラン、
プロピルブチルシリルカルボラン、プロピルペンチルシ
リルカルボラン、プロピルヘキシルシリルカルボラン、
ブチルペンチルシリルカルボラン、ブチルヘキシルシリ
ルカルボラン、ペンチルヘキシルシリルカルボラン、メ
チルフェニルシリルカルボラン、エチルフェニルシリル
カルボラン、プロピルフェニルシリルカルボラン、ブチ
ルフェニルシリルカルボラン、ペンチルフェニルシリル
カルボラン、ヘキシルフェニルシリルカルボラン等が挙
げられる。
【0042】上記一般式(9)で表されるシリル置換カ
ルボラン誘導体としては、例えば、m−ビス(ジメチル
シリル)カルボラン、m−ビス(ジエチルシリル)カル
ボラン、m−ビス(ジプロピルシリル)カルボラン、m
−ビス(ジブチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジペ
ンチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジヘキシルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(ジフェニルシリル)カルボ
ラン、m−ビス(ジトリルシリル)カルボラン、m−ビ
ス(ジキシリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジビフ
ェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジナフチルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(ジアントラセニルシリル)
カルボラン、m−ビス(メチルエチルシリル)カルボラ
ン、m−ビス(メチルプロピルシリル)カルボラン、m
−ビス(メチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス
(メチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチ
ルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルプロ
ピルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルブチルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(エチルペンチルシリル)カ
ルボラン、m−ビス(エチルヘキシルシリル)カルボラ
ン、m−ビス(プロピルブチルシリル)カルボラン、m
−ビス(プロピルペンチルシリル)カルボラン、m−ビ
ス(プロピルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス
(ペンチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(メ
チルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルフ
ェニルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルフェニ
ルシリル)カルボラン、m−ビス(ブチルフェニルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(ペンチルフェニルシリル)
カルボラン、m−ビス(ヘキシルフェニルシリル)カル
ボラン、及びこれらのo−、p−異性体等が挙げられ
る。
ルボラン誘導体としては、例えば、m−ビス(ジメチル
シリル)カルボラン、m−ビス(ジエチルシリル)カル
ボラン、m−ビス(ジプロピルシリル)カルボラン、m
−ビス(ジブチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジペ
ンチルシリル)カルボラン、m−ビス(ジヘキシルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(ジフェニルシリル)カルボ
ラン、m−ビス(ジトリルシリル)カルボラン、m−ビ
ス(ジキシリルシリル)カルボラン、m−ビス(ジビフ
ェニルシリル)カルボラン、m−ビス(ジナフチルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(ジアントラセニルシリル)
カルボラン、m−ビス(メチルエチルシリル)カルボラ
ン、m−ビス(メチルプロピルシリル)カルボラン、m
−ビス(メチルブチルシリル)カルボラン、m−ビス
(メチルペンチルシリル)カルボラン、m−ビス(メチ
ルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルプロ
ピルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルブチルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(エチルペンチルシリル)カ
ルボラン、m−ビス(エチルヘキシルシリル)カルボラ
ン、m−ビス(プロピルブチルシリル)カルボラン、m
−ビス(プロピルペンチルシリル)カルボラン、m−ビ
ス(プロピルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス
(ペンチルヘキシルシリル)カルボラン、m−ビス(メ
チルフェニルシリル)カルボラン、m−ビス(エチルフ
ェニルシリル)カルボラン、m−ビス(プロピルフェニ
ルシリル)カルボラン、m−ビス(ブチルフェニルシリ
ル)カルボラン、m−ビス(ペンチルフェニルシリル)
カルボラン、m−ビス(ヘキシルフェニルシリル)カル
ボラン、及びこれらのo−、p−異性体等が挙げられ
る。
【0043】本発明2の製造方法において反応に使用さ
れる触媒としては、例えば、塩化白金酸、ヘキサロジウ
ムヘキサデカカルボニル、ビス(ジビニルテトラメチル
ジシロキサン)白金等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。触媒の使用量は、少なすぎると反応
が十分進行せず、多すぎると合成後の重合体中に残存し
易くなり、残存によって耐熱性が低下するため、一般式
(8)及び一般式(4)〜(7)で表されるケイ素系重
合体の構成単位に対して0.001〜20mol%が好
ましく、より好ましくは0.01〜10mol%であ
る。
れる触媒としては、例えば、塩化白金酸、ヘキサロジウ
ムヘキサデカカルボニル、ビス(ジビニルテトラメチル
ジシロキサン)白金等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。触媒の使用量は、少なすぎると反応
が十分進行せず、多すぎると合成後の重合体中に残存し
易くなり、残存によって耐熱性が低下するため、一般式
(8)及び一般式(4)〜(7)で表されるケイ素系重
合体の構成単位に対して0.001〜20mol%が好
ましく、より好ましくは0.01〜10mol%であ
る。
【0044】上記反応に使用されるケイ素系重合体とシ
リル置換カルボラン誘導体のモル比は、カルボランの導
入量が少なくなると得られる重合体の耐熱性及び難燃性
があまり向上しないため、ケイ素系重合体:シリル置換
カルボラン誘導体=1:0.01〜20が好ましく、よ
り好ましくは1:0.1〜10である。
リル置換カルボラン誘導体のモル比は、カルボランの導
入量が少なくなると得られる重合体の耐熱性及び難燃性
があまり向上しないため、ケイ素系重合体:シリル置換
カルボラン誘導体=1:0.01〜20が好ましく、よ
り好ましくは1:0.1〜10である。
【0045】上記反応に使用される溶媒は極性、無極性
いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロ
フランなどの非プロトン性溶媒である。上記溶媒の使用
量は、ケイ素系重合体の構成単位の濃度で0.01〜5
0mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5
mol/Lである。
いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロ
フランなどの非プロトン性溶媒である。上記溶媒の使用
量は、ケイ素系重合体の構成単位の濃度で0.01〜5
0mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5
mol/Lである。
【0046】上記反応は室温から溶媒の沸点の間で行う
ことが好ましい。また、この反応は空気中または不活性
ガス雰囲気下のいずれでも可能であるが、好ましくはア
ルゴンガス又は窒素ガス雰囲気下である。
ことが好ましい。また、この反応は空気中または不活性
ガス雰囲気下のいずれでも可能であるが、好ましくはア
ルゴンガス又は窒素ガス雰囲気下である。
【0047】上記反応の反応時間は、短かくなるとカル
ボランの導入反応が十分進行せず、得られる重合体の耐
熱性が向上せず、逆に長くなると架橋等の副反応が進行
して溶媒に溶けなくなり取り扱いが困難になり、また、
耐熱性が低下するため、1〜72時間が好ましい。反応
終了後、ケイ素系重合体の精製方法としては、再沈殿法
又はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)による分取等が挙げられる。
ボランの導入反応が十分進行せず、得られる重合体の耐
熱性が向上せず、逆に長くなると架橋等の副反応が進行
して溶媒に溶けなくなり取り扱いが困難になり、また、
耐熱性が低下するため、1〜72時間が好ましい。反応
終了後、ケイ素系重合体の精製方法としては、再沈殿法
又はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)による分取等が挙げられる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。
る。
【0049】(実施例1)
アルゴン置換した還流管及び滴下ロート還流管付1Lの
4つ口フラスコに1,4−ジエチニルベンゼン15.1
4g(120.0mmol)を入れ、テトラヒドロフラ
ン500mLに溶解した。フラスコをドライアイス・メ
タノール浴で冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサ
ン溶液(1.6mol/L)150mLを45分かけて
滴下し1時間撹拌した。次いで、フェニルビニルジクロ
ロシラン12.19g(60.0mmol)及びメチル
フェニルジクロロシラン11.47g(60.0mmo
l)のテトラヒドロフラン混合溶液120mLを30分
かけて滴下し室温で24時間撹拌した。得られた反応液
を塩化アンモニウム飽和水溶液500mL中に投入して
数分撹拌後、テトラヒドロフラン層を分離した。水層を
ジエチルエーテルで3回抽出後、有機層を合わせて無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。有機溶媒を濃縮してメタ
ノール1.8L中に投入した後沈殿を濾別することによ
り、黄白色の粉末(重合体)としてポリ(1,4−ジエ
チニルベンゼン・フェニルビニルシリレン・メチルフェ
ニルシリレン)21.75gを得た。
4つ口フラスコに1,4−ジエチニルベンゼン15.1
4g(120.0mmol)を入れ、テトラヒドロフラ
ン500mLに溶解した。フラスコをドライアイス・メ
タノール浴で冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサ
ン溶液(1.6mol/L)150mLを45分かけて
滴下し1時間撹拌した。次いで、フェニルビニルジクロ
ロシラン12.19g(60.0mmol)及びメチル
フェニルジクロロシラン11.47g(60.0mmo
l)のテトラヒドロフラン混合溶液120mLを30分
かけて滴下し室温で24時間撹拌した。得られた反応液
を塩化アンモニウム飽和水溶液500mL中に投入して
数分撹拌後、テトラヒドロフラン層を分離した。水層を
ジエチルエーテルで3回抽出後、有機層を合わせて無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。有機溶媒を濃縮してメタ
ノール1.8L中に投入した後沈殿を濾別することによ
り、黄白色の粉末(重合体)としてポリ(1,4−ジエ
チニルベンゼン・フェニルビニルシリレン・メチルフェ
ニルシリレン)21.75gを得た。
【0050】アルゴン置換した還流管付500mLの3
つ口フラスコに、上記ポリ(1,4−ジエチニルベンゼ
ン・フェニルビニルシリレン・メチルフェニルシリレ
ン)10.02g(20.0mmol)を入れ、トルエ
ン300mlに溶解した後50℃に昇温し、0.10m
molの触媒〔ビス(ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン)白金〕{Pt [CH2 =CHSi (CH3)2 OSi
(CH3)2 CH=CH2]2 }のトルエン溶液を入れ、1
0分間撹拌した。次いで、1,7−ビス(ジメチルシリ
ル)ドデカカルボラン2.61g(10.2mmol)
のトルエン溶液25mlを滴下後、オイルバスの温度を
120℃に昇温し、10時間加熱還流した。さらに、反
応溶液を減圧留去した後メタノール2L中に投入した。
得られた沈殿物を濾別し、黄白色の粉末(重合体)1
1.2gを得た。この重合体の重量平均分子量はポリス
チレン換算で41,200であった。
つ口フラスコに、上記ポリ(1,4−ジエチニルベンゼ
ン・フェニルビニルシリレン・メチルフェニルシリレ
ン)10.02g(20.0mmol)を入れ、トルエ
ン300mlに溶解した後50℃に昇温し、0.10m
molの触媒〔ビス(ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン)白金〕{Pt [CH2 =CHSi (CH3)2 OSi
(CH3)2 CH=CH2]2 }のトルエン溶液を入れ、1
0分間撹拌した。次いで、1,7−ビス(ジメチルシリ
ル)ドデカカルボラン2.61g(10.2mmol)
のトルエン溶液25mlを滴下後、オイルバスの温度を
120℃に昇温し、10時間加熱還流した。さらに、反
応溶液を減圧留去した後メタノール2L中に投入した。
得られた沈殿物を濾別し、黄白色の粉末(重合体)1
1.2gを得た。この重合体の重量平均分子量はポリス
チレン換算で41,200であった。
【0051】上記で実施例1の黄白色の粉末について測
定された、 1 H−NMRスペクトル(ブルカー社製「D
RX300」で測定)を図1に、IRスペクトル(バイ
オラッド製「FTS135システム」で測定)を図2に
それぞれ示した。
定された、 1 H−NMRスペクトル(ブルカー社製「D
RX300」で測定)を図1に、IRスペクトル(バイ
オラッド製「FTS135システム」で測定)を図2に
それぞれ示した。
【0052】図1では、0.7〜4ppmにかけてカル
ボランに基づくプロトンのピークがみられる。また、
0.07〜0.6ppmにケイ素原子に結合したメチル
基、メチレン基のプロトンのピークが、7〜8ppmに
はフェニル基のプロトンのピークがそれぞれ確認され
た。また、図2では、2594cm-1にカルボランに起
因する吸収がみられ、これらのことから実施例1で得ら
れた重合体は、式(12)で表されるカルボラン含有ケ
イ素系重合体であることを確認した。
ボランに基づくプロトンのピークがみられる。また、
0.07〜0.6ppmにケイ素原子に結合したメチル
基、メチレン基のプロトンのピークが、7〜8ppmに
はフェニル基のプロトンのピークがそれぞれ確認され
た。また、図2では、2594cm-1にカルボランに起
因する吸収がみられ、これらのことから実施例1で得ら
れた重合体は、式(12)で表されるカルボラン含有ケ
イ素系重合体であることを確認した。
【0053】
【化24】
【0054】(比較例1)
アルゴン置換した還流管付100mlの2つ口フラスコ
にポリ(1,3−ジエチニルベンゼン・フェニルビニル
シラン)0.51g(2.0mmol)を入れ、テトラ
ヒドロフラン10mlに溶解した後、反応液を55℃に
昇温し、触媒(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.005
g(0.01mmol)のイソプロパノール溶液1mL
を入れ、10分間撹拌した。次いで、1,4−ビス(ジ
メチルシリル)ベンゼン0.19g(1.0mmol)
のテトラヒドロフラン溶液5mLを滴下後、オイルバス
の温度を75℃に昇温し、10時間加熱還流した。次
に、反応溶液を室温まで冷却し、メタノール500ml
中に投入した。得られた沈殿物を濾別し、黄白色の粉末
(重合体)0.478gを得た。
にポリ(1,3−ジエチニルベンゼン・フェニルビニル
シラン)0.51g(2.0mmol)を入れ、テトラ
ヒドロフラン10mlに溶解した後、反応液を55℃に
昇温し、触媒(H2 PtCl6 ・6H2 O)0.005
g(0.01mmol)のイソプロパノール溶液1mL
を入れ、10分間撹拌した。次いで、1,4−ビス(ジ
メチルシリル)ベンゼン0.19g(1.0mmol)
のテトラヒドロフラン溶液5mLを滴下後、オイルバス
の温度を75℃に昇温し、10時間加熱還流した。次
に、反応溶液を室温まで冷却し、メタノール500ml
中に投入した。得られた沈殿物を濾別し、黄白色の粉末
(重合体)0.478gを得た。
【0055】得られた重合体について、実施例1と同様
の 1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定
を行い、式(13)で表されるケイ素系重合体であるこ
とを確認した。
の 1H−NMRスペクトル測定及びIRスペクトル測定
を行い、式(13)で表されるケイ素系重合体であるこ
とを確認した。
【0056】
【化25】
【0057】上記実施例1及び比較例1で得られた重合
体の熱重量分析をセイコー電子社製「SSC5200シ
ステム」を使用して測定し、測定結果を図3に示した。
また、空気雰囲気下での5重量%分解温度(Td5)、及
び800℃での重量残存率(W800)を表1に示した。
体の熱重量分析をセイコー電子社製「SSC5200シ
ステム」を使用して測定し、測定結果を図3に示した。
また、空気雰囲気下での5重量%分解温度(Td5)、及
び800℃での重量残存率(W800)を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】表1から実施例1のカルボラン含有ケイ素
系重合体は、耐熱性に非常に優れた材料であることがわ
かる。
系重合体は、耐熱性に非常に優れた材料であることがわ
かる。
【0060】
【発明の効果】本発明のケイ素系重合体は、上述の通り
であり、耐熱性に優れており、宇宙・航空材料、建築材
料などに好適に用いられる。
であり、耐熱性に優れており、宇宙・航空材料、建築材
料などに好適に用いられる。
【図1】実施例1のケイ素系重合体の 1H−NMRスペ
クトルである。
クトルである。
【図2】実施例1のケイ素系重合体のIRスペクトルで
ある。
ある。
【図3】実施例1及び比較例1のケイ素系重合体の熱分
解曲線である。
解曲線である。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平11−1561(JP,A)
特開 平11−240956(JP,A)
特開 平11−240957(JP,A)
特開 昭50−44299(JP,A)
特開 平5−262878(JP,A)
特開 平6−49430(JP,A)
特開 平6−172712(JP,A)
特公 昭44−2240(JP,B1)
特表 平8−505649(JP,A)
特表 平8−507795(JP,A)
特表 平10−509750(JP,A)
米国特許3388090(US,A)
米国特許3388091(US,A)
米国特許5552505(US,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 77/00 - 77/62
C08G 79/00 - 79/14
CA(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(1)及び/もしくは一般式
(2)で表されるカルボラン含有ユニットと、一般式
(4)〜(7)で表されるユニットの組合わせからなる
炭化水素基と一般式(14)で表されるフェニルメチル
シリレン基とからなり、重量平均分子量が500以上で
あることを特徴とするカルボラン含有ケイ素系重合体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 〔式中、R1 は、ケイ素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール
基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。R2 は、ケイ素原子に結合した炭素数1〜20のア
ルキレン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を表わす
が、必ずしも必要はなく、ない場合はケイ素原子に直接
CH 2 −CH 2 が結合する。R3 は、カルボランの炭素
原子に結合した水素原子、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜30のアリール基又は一般式(3)で表
されるケイ素化合物を表す。CBxHx’Cは、2価の
かご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、x,
x’は3〜16の整数を表す。R5は、炭素原子に結合
した水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数
6〜30のアリール基を表し、それぞれ同一であっても
異なっていてもよい。R6 は、炭素数6〜30のアリー
レン基を表す〕 【化5】 (式中、R4 は、ケイ素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール
基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い) - 【請求項2】 一般式(4)〜(7)で表されるユニッ
トの組合わせからなる炭化水素基と一般式(14)で表
されるフェニルメチルシリレン基と一般式(8)で表さ
れるシリレン基とからなるケイ素系重合体における一般
式(8)中の二重結合と、一般式(9)又は(10)で
表されるシリル置換カルボラン誘導体とを反応させるこ
とを特徴とする請求項1記載のカルボラン含有ケイ素系
重合体の製造方法。 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 〔式中、R1 は、ケイ素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール
基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。R3 は、カルボランの炭素原子に結合した水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のア
リール基又は一般式(3)で表されるケイ素化合物を表
す。CBxHx’Cは、2価のかご状のホウ素化合物で
あるカルボランを表し、x,x’は3〜16の整数を表
す。R5 は、炭素原子に結合した水素原子、炭素数1〜
20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R6
は、炭素数6〜30のアリーレン基を表す。R7 は、ケ
イ素原子に結合した炭素数1〜20のアルキレン基又は
炭素数6〜30のアリーレン基を表わすが、必ずしも必
要はなく、ない場合はケイ素原子に直接二重結合基が結
合する。 【化11】 (式中、R4 は、ケイ素原子に結合した水素原子、炭素
数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール
基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07224398A JP3468685B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07224398A JP3468685B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269270A JPH11269270A (ja) | 1999-10-05 |
JP3468685B2 true JP3468685B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=13483667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07224398A Expired - Fee Related JP3468685B2 (ja) | 1998-03-20 | 1998-03-20 | カルボラン含有ケイ素系重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3468685B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016030743A (ja) * | 2014-07-29 | 2016-03-07 | 国立大学法人 東京大学 | キラルケイ素化合物及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-03-20 JP JP07224398A patent/JP3468685B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11269270A (ja) | 1999-10-05 |
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