JP3457583B2 - 落石防護柵 - Google Patents
落石防護柵Info
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- JP3457583B2 JP3457583B2 JP22146399A JP22146399A JP3457583B2 JP 3457583 B2 JP3457583 B2 JP 3457583B2 JP 22146399 A JP22146399 A JP 22146399A JP 22146399 A JP22146399 A JP 22146399A JP 3457583 B2 JP3457583 B2 JP 3457583B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大規模の落石にも
対応可能な落石防護柵に関する。
対応可能な落石防護柵に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、山間部等の斜面地に設けられた道
路、鉄道、家屋等の施設に対し、落石による被害を未然
に防止するための手段としては、例えば図6に示すよう
に、山腹にH形鋼等の支柱61を所定の間隔を隔てて立
設して、各支柱61間に鉄鋼製のワイヤーロープ62と
金網63とを横架して壁面を形成した落石防止柵60が
用いられている。
路、鉄道、家屋等の施設に対し、落石による被害を未然
に防止するための手段としては、例えば図6に示すよう
に、山腹にH形鋼等の支柱61を所定の間隔を隔てて立
設して、各支柱61間に鉄鋼製のワイヤーロープ62と
金網63とを横架して壁面を形成した落石防止柵60が
用いられている。
【0003】しかしながら、図6に示す落石防止柵60
における落石の運動エネルギーを吸収するメカニズム
は、鉄鋼製のワイヤーロープ62および金網63からな
る壁面と、H形鋼等の支柱61とが変形することに基づ
くものであって、これらのいずれもが剛性部材であるこ
とから、変形により得られる吸収エネルギーが4〜6t
f・m程度と低い。
における落石の運動エネルギーを吸収するメカニズム
は、鉄鋼製のワイヤーロープ62および金網63からな
る壁面と、H形鋼等の支柱61とが変形することに基づ
くものであって、これらのいずれもが剛性部材であるこ
とから、変形により得られる吸収エネルギーが4〜6t
f・m程度と低い。
【0004】従って、例えば直径が1.5m(重量約5
t程度)を超える比較的大規模の岩石が数m程度落下す
る事故が生じた場合には、上記の落石防止柵では支えき
れない問題があった。
t程度)を超える比較的大規模の岩石が数m程度落下す
る事故が生じた場合には、上記の落石防止柵では支えき
れない問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、大規模な落石
にも対応可能な落石防護柵として、特開平7−5431
6号公報には、間隔をおいて立設した支柱間に多段的に
鉄鋼製のロープ材を横架し、落石等による衝撃を受けた
場合には前記ロープ材を緩衝装置によってスライドさせ
ることで落石による衝撃を吸収する衝撃吸収柵が開示さ
れている。
にも対応可能な落石防護柵として、特開平7−5431
6号公報には、間隔をおいて立設した支柱間に多段的に
鉄鋼製のロープ材を横架し、落石等による衝撃を受けた
場合には前記ロープ材を緩衝装置によってスライドさせ
ることで落石による衝撃を吸収する衝撃吸収柵が開示さ
れている。
【0006】しかしながら、上記公報に開示の衝撃吸収
柵では、一旦落石が生じると、落石の衝撃によって塑性
変形を受けた箇所のロープ材だけでなく、ロープ材をス
ライドさせるための緩衝装置等、広い範囲で多数の部品
を取り換える必要が生じる。しかも、個々のロープ材の
全長が長く、かつロープ材の取付け装置や前記緩衝装置
の構造が複雑であることから、取換え作業が困難である
という問題もある。
柵では、一旦落石が生じると、落石の衝撃によって塑性
変形を受けた箇所のロープ材だけでなく、ロープ材をス
ライドさせるための緩衝装置等、広い範囲で多数の部品
を取り換える必要が生じる。しかも、個々のロープ材の
全長が長く、かつロープ材の取付け装置や前記緩衝装置
の構造が複雑であることから、取換え作業が困難である
という問題もある。
【0007】また、上記公報に開示の衝撃吸収柵では、
緩衝装置によるロープ材のスライドと、支柱の変形とに
よって最大50tf・mもの吸収エネルギーを得ること
ができるものの、前述のように、5t程度の岩石が通常
十数mもの距離を落下した上で落石防護柵と衝突するこ
とを考慮すると、50tf・m程度の吸収エネルギーで
はなお不十分である。
緩衝装置によるロープ材のスライドと、支柱の変形とに
よって最大50tf・mもの吸収エネルギーを得ること
ができるものの、前述のように、5t程度の岩石が通常
十数mもの距離を落下した上で落石防護柵と衝突するこ
とを考慮すると、50tf・m程度の吸収エネルギーで
はなお不十分である。
【0008】一方、大規模な落石にも対応可能な落石防
護柵としては、鉄鋼製のリング同士を連続して繋ぐこと
により形成されたネットを、同じく鉄鋼製のロープで懸
吊し、主にこのネットで落石の運動エネルギーを吸収さ
せる、いわゆるリングネット防護棚も知られている。
護柵としては、鉄鋼製のリング同士を連続して繋ぐこと
により形成されたネットを、同じく鉄鋼製のロープで懸
吊し、主にこのネットで落石の運動エネルギーを吸収さ
せる、いわゆるリングネット防護棚も知られている。
【0009】このリングネット防護棚によれば、リング
自体の変形と、リングを懸吊するロープのスライドとに
よって最大150tf・mもの吸収エネルギーを得るこ
とができる。
自体の変形と、リングを懸吊するロープのスライドとに
よって最大150tf・mもの吸収エネルギーを得るこ
とができる。
【0010】しかしながら、上記リングネット防護棚
も、一旦落石が生じると、落石による衝撃で塑性変形を
受けたリングを取り換える必要が生じるが、この場合、
個々のリングを取り換えるのが困難であって、広い範囲
で、かつリングネット全体を取り換えなければならな
い。
も、一旦落石が生じると、落石による衝撃で塑性変形を
受けたリングを取り換える必要が生じるが、この場合、
個々のリングを取り換えるのが困難であって、広い範囲
で、かつリングネット全体を取り換えなければならな
い。
【0011】さらに、上記公報に開示の衝撃吸収柵や上
記リングネット防護棚は、いずれもその構造が複雑で、
部品数も多いことから、塑性変形を受けた後の取り換え
作業のみならず、建造作業自体も複雑で、困難な作業を
伴う。また、修理、保全等のメンテナンスにおけるコス
トも高くなるという問題もある。
記リングネット防護棚は、いずれもその構造が複雑で、
部品数も多いことから、塑性変形を受けた後の取り換え
作業のみならず、建造作業自体も複雑で、困難な作業を
伴う。また、修理、保全等のメンテナンスにおけるコス
トも高くなるという問題もある。
【0012】そこで本発明の目的は、十分な衝撃吸収能
を有するとともに、施工およびメンテナンスが容易で、
安価な落石防護柵を提供することである。
を有するとともに、施工およびメンテナンスが容易で、
安価な落石防護柵を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていく
なかで、間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維で強
化された可撓性プラスチックからなる壁面材を横架した
ときは、驚くべきことに、比較的大規模の落石にも十分
に対応可能な吸収エネルギーを有する落石防護柵を得る
ことができるという全く新たな事実を見出し、さらに検
討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていく
なかで、間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維で強
化された可撓性プラスチックからなる壁面材を横架した
ときは、驚くべきことに、比較的大規模の落石にも十分
に対応可能な吸収エネルギーを有する落石防護柵を得る
ことができるという全く新たな事実を見出し、さらに検
討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明に係る第1の落石防護柵
は、間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維によって
強化された可撓性プラスチックの帯状部材を多段的に横
架したものであることを特徴とする。
は、間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維によって
強化された可撓性プラスチックの帯状部材を多段的に横
架したものであることを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る第2の落石防護柵は、
間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維によって強化
された可撓性プラスチックの網状部材を横架したもので
あることを特徴とする。
間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維によって強化
された可撓性プラスチックの網状部材を横架したもので
あることを特徴とする。
【0016】上記第1および第2の落石防護柵では、当
該柵を構成する部材のうち支柱のみが剛性部材であっ
て、主に落石の衝撃を吸収する壁面材には、強度や変形
性能に優れた化学繊維で補強された可撓性プラスチック
の帯状部材または網状部材が用いられる。
該柵を構成する部材のうち支柱のみが剛性部材であっ
て、主に落石の衝撃を吸収する壁面材には、強度や変形
性能に優れた化学繊維で補強された可撓性プラスチック
の帯状部材または網状部材が用いられる。
【0017】上記壁面材は、前述のように強度や変形性
能に優れた化学繊維で補強された可撓性プラスチックの
帯状部材または網状部材であって、それ自身が十分な強
度を有することに加えて、壁面材自体が大きく伸びるこ
とによっても落石の衝撃エネルギーを吸収することがで
きるため、壁面材全体として極めて高い吸収エネルギー
を有する。
能に優れた化学繊維で補強された可撓性プラスチックの
帯状部材または網状部材であって、それ自身が十分な強
度を有することに加えて、壁面材自体が大きく伸びるこ
とによっても落石の衝撃エネルギーを吸収することがで
きるため、壁面材全体として極めて高い吸収エネルギー
を有する。
【0018】しかも、かかる壁面材は、従来の落石防護
柵に用いられている鉄鋼製のロープや金網等に比べてコ
ストが低く、加えて、鉄鋼製のロープ等に比べて軽量で
あることから、建造時の搬入等、施工時の作業性が良好
である。
柵に用いられている鉄鋼製のロープや金網等に比べてコ
ストが低く、加えて、鉄鋼製のロープ等に比べて軽量で
あることから、建造時の搬入等、施工時の作業性が良好
である。
【0019】また、この壁面材は、従来の鉄鋼製のロー
プや金網とは異なり、耐蝕性に優れた可撓性プラスチッ
クからなることから、防錆等の処理が不要で、経時的な
劣化が少ない。
プや金網とは異なり、耐蝕性に優れた可撓性プラスチッ
クからなることから、防錆等の処理が不要で、経時的な
劣化が少ない。
【0020】さらに、本発明に係る落石防護柵によれ
ば、落石の運動エネルギーを吸収することによって壁面
材に変形が生じたとしても、基本的に塑性変形を受けた
壁面材(前記帯状部材または網状部材)のみを支柱から
取り外し、当該箇所に新たな壁面材を取付けるだけで、
落石防護柵を再度使用することができる。しかも、本発
明によれば、壁面材自体の構成が簡易であることから、
壁面材の取り換え作業も簡易であり、落石防護柵の広い
範囲に亘って壁面材を取り換える必要もない。
ば、落石の運動エネルギーを吸収することによって壁面
材に変形が生じたとしても、基本的に塑性変形を受けた
壁面材(前記帯状部材または網状部材)のみを支柱から
取り外し、当該箇所に新たな壁面材を取付けるだけで、
落石防護柵を再度使用することができる。しかも、本発
明によれば、壁面材自体の構成が簡易であることから、
壁面材の取り換え作業も簡易であり、落石防護柵の広い
範囲に亘って壁面材を取り換える必要もない。
【0021】従って、防護柵の取替え工事に伴う負担が
軽減され、たとえ前記壁面材を取り換えるとしても、前
述のように壁面材が軽量であることから、取換え作業等
のメンテナンスを容易に行うことができる。
軽減され、たとえ前記壁面材を取り換えるとしても、前
述のように壁面材が軽量であることから、取換え作業等
のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0022】上記第1の落石防護柵においては、化学繊
維によって強化された可撓性プラスチックからなる縦子
を設けることができる。この場合、第2の落石防護柵と
同様に壁面材が網状となることから、吸収エネルギーを
より一層向上させることができる。
維によって強化された可撓性プラスチックからなる縦子
を設けることができる。この場合、第2の落石防護柵と
同様に壁面材が網状となることから、吸収エネルギーを
より一層向上させることができる。
【0023】以上のように、上記本発明に係る落石防護
柵によれば、中規模落石から大規模落石に至るまで、落
石の運動エネルギーに対して極めて高いエネルギー吸収
作用を果たし、落石に対する十分な緩衝作用を発揮す
る。それゆえ、本発明に係る落石防護柵は、当該落石防
護柵の下方にある道路、鉄道、家屋等の設備に対する落
石被害を未然に防ぐ作用が顕著である。なお、本発明に
係る落石防護柵は、柵の下方にある道路、鉄道、家屋等
の設備を落石の被害から防護するだけでなく、倒木の落
下や雪崩れ等による被害をも防護し得る。
柵によれば、中規模落石から大規模落石に至るまで、落
石の運動エネルギーに対して極めて高いエネルギー吸収
作用を果たし、落石に対する十分な緩衝作用を発揮す
る。それゆえ、本発明に係る落石防護柵は、当該落石防
護柵の下方にある道路、鉄道、家屋等の設備に対する落
石被害を未然に防ぐ作用が顕著である。なお、本発明に
係る落石防護柵は、柵の下方にある道路、鉄道、家屋等
の設備を落石の被害から防護するだけでなく、倒木の落
下や雪崩れ等による被害をも防護し得る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る落石防護柵に
ついてより詳細に説明する。
ついてより詳細に説明する。
【0025】〔第1の落石防護柵〕本発明に係る第1の
落石防護柵は、例えば図1に示すように、間隔をおいて
立設された支柱11間に、化学繊維によって強化された
可撓性プラスチックの帯状部材12を多段的に横架した
ものである。
落石防護柵は、例えば図1に示すように、間隔をおいて
立設された支柱11間に、化学繊維によって強化された
可撓性プラスチックの帯状部材12を多段的に横架した
ものである。
【0026】この帯状部材12は、複数本の高強度化学
繊維13を無端ベルト状に成形し、かつその表面に可撓
性を有するプラスチック14を被覆したものである。こ
のように帯状部材12自体が輪状となっていることによ
り、落石防護柵の施工時には当該帯状部材12を支柱1
1間に架けるだけでよく、簡易な方法で落石防護柵10
を得ることができる。また、壁面材が実質上二重に形成
されることになり、吸収エネルギーをより一層高めるこ
ともできる。
繊維13を無端ベルト状に成形し、かつその表面に可撓
性を有するプラスチック14を被覆したものである。こ
のように帯状部材12自体が輪状となっていることによ
り、落石防護柵の施工時には当該帯状部材12を支柱1
1間に架けるだけでよく、簡易な方法で落石防護柵10
を得ることができる。また、壁面材が実質上二重に形成
されることになり、吸収エネルギーをより一層高めるこ
ともできる。
【0027】上記第1の落石防護柵は、例えば図2に示
すように、帯状部材22の端部25のみを輪状としたも
のであってもよい。この場合も、図1に示す場合と同様
に、帯状部材22を支柱11間に架けるだけの簡易な方
法で落石防護柵20を得ることができる。
すように、帯状部材22の端部25のみを輪状としたも
のであってもよい。この場合も、図1に示す場合と同様
に、帯状部材22を支柱11間に架けるだけの簡易な方
法で落石防護柵20を得ることができる。
【0028】上記帯状部材12および帯状部材22は、
いずれもボルトやクリップ等を用いることで帯状部材を
無端ベルト状としたり、あるいは端部を輪状に形成した
りすることも可能であるが、落石の衝撃や落石の荷重に
よって壁面材を伸張させ、これによって落石の衝撃を吸
収させることを考慮すると、ボルトやクリップを用いる
のは好ましいものではない。そこで、帯状部材を作製す
る際にあらかじめ無端ベルト状にあるいは端部を輪状に
成形しておくのが好ましい。
いずれもボルトやクリップ等を用いることで帯状部材を
無端ベルト状としたり、あるいは端部を輪状に形成した
りすることも可能であるが、落石の衝撃や落石の荷重に
よって壁面材を伸張させ、これによって落石の衝撃を吸
収させることを考慮すると、ボルトやクリップを用いる
のは好ましいものではない。そこで、帯状部材を作製す
る際にあらかじめ無端ベルト状にあるいは端部を輪状に
成形しておくのが好ましい。
【0029】さらに、上記第1の落石防護柵は、例えば
図3に示すように、多段的に横架された帯状部材32
に、化学繊維によって強化された可撓性プラスチックか
らなる縦子33を設けたものであってもよい。
図3に示すように、多段的に横架された帯状部材32
に、化学繊維によって強化された可撓性プラスチックか
らなる縦子33を設けたものであってもよい。
【0030】かかる縦子としては、図1または2に示す
落石防護柵における帯状部材と同様のものを用いること
ができ、例えば多段的に横架された帯状部材32のうち
最下段32aと最上段32bのものをそれぞれ支柱11
間に横架する前に、あらかじめ縦子となる帯状部材33
を最下段32aと最上段32bの帯状部材に通しておく
ことで、最終的に図3に示すような格子状の壁面材を有
する落石防護柵30を得ることができる。格子状の壁面
材を形成する際に、格子の形状は平織り、あや織り等の
種々の形状に設定することができる。
落石防護柵における帯状部材と同様のものを用いること
ができ、例えば多段的に横架された帯状部材32のうち
最下段32aと最上段32bのものをそれぞれ支柱11
間に横架する前に、あらかじめ縦子となる帯状部材33
を最下段32aと最上段32bの帯状部材に通しておく
ことで、最終的に図3に示すような格子状の壁面材を有
する落石防護柵30を得ることができる。格子状の壁面
材を形成する際に、格子の形状は平織り、あや織り等の
種々の形状に設定することができる。
【0031】縦子となる帯状部材は、ボルトを用いるこ
とで支柱11間に横架された帯状部材と一体化させるこ
とも可能であるが、落石の衝撃や落石の荷重によって壁
面材を伸張させ、これによって落石の衝撃を吸収させる
ことを考慮すると、ボルトを用いた一体化は好ましくも
のではない。従って、図2に示す落石防護柵における帯
状部材と同様に、帯状部材を作製する際にあらかじめ縦
子となる帯状部材33の端部35を輪状としておくのが
好ましい。
とで支柱11間に横架された帯状部材と一体化させるこ
とも可能であるが、落石の衝撃や落石の荷重によって壁
面材を伸張させ、これによって落石の衝撃を吸収させる
ことを考慮すると、ボルトを用いた一体化は好ましくも
のではない。従って、図2に示す落石防護柵における帯
状部材と同様に、帯状部材を作製する際にあらかじめ縦
子となる帯状部材33の端部35を輪状としておくのが
好ましい。
【0032】〔第2の落石防護柵〕本発明に係る第2の
落石防護柵は、例えば図4および5に示すように、間隔
をおいて立設された支柱11間に、化学繊維によって強
化された可撓性プラスチックの網状部材42,52を横
架したものである。
落石防護柵は、例えば図4および5に示すように、間隔
をおいて立設された支柱11間に、化学繊維によって強
化された可撓性プラスチックの網状部材42,52を横
架したものである。
【0033】図4に示す網状部材42は、(a) 複数本の
高強度化学繊維を無端ベルト状に成形し、かつその表面
に可撓性を有するプラスチックを被覆して得られた無端
ベルト状の帯状部材を複数並列し、各々の帯状部材間
を、可撓性を有するプラスチックにて適宜連結して、全
体を網目状の部材としたもの、あるいは(b) 複数本の高
強度化学繊維を、無端ベルト状の横糸と、当該横糸中に
所定の間隔で挿入された縦糸とからなる織物とし、その
表面に可撓性を有するプラスチックを被覆したものであ
る。
高強度化学繊維を無端ベルト状に成形し、かつその表面
に可撓性を有するプラスチックを被覆して得られた無端
ベルト状の帯状部材を複数並列し、各々の帯状部材間
を、可撓性を有するプラスチックにて適宜連結して、全
体を網目状の部材としたもの、あるいは(b) 複数本の高
強度化学繊維を、無端ベルト状の横糸と、当該横糸中に
所定の間隔で挿入された縦糸とからなる織物とし、その
表面に可撓性を有するプラスチックを被覆したものであ
る。
【0034】一方、図5に示す網状部材52は、高強度
化学繊維が無端ベルト状に成形されたものではなく、端
部のみ輪状に成形されたものであるほかは、上記(a) お
よび(b) に示す網状部材42と同様である。
化学繊維が無端ベルト状に成形されたものではなく、端
部のみ輪状に成形されたものであるほかは、上記(a) お
よび(b) に示す網状部材42と同様である。
【0035】図4および5に示す網状部材を用いれば、
いずれも無端ベルト状の網状部材42をあるいは網状部
材52の端部をそれぞれ支柱11間に架けるだけの簡易
な方法で落石防護柵40,50を得ることができる。
いずれも無端ベルト状の網状部材42をあるいは網状部
材52の端部をそれぞれ支柱11間に架けるだけの簡易
な方法で落石防護柵40,50を得ることができる。
【0036】〔帯状部材および網状部材〕本発明に用い
られる、化学繊維によって強化された可撓性プラスチッ
クの帯状部材および網状部材(以下、帯状部材と網状部
材とをまとめて「可撓性プラスチック部材」という。)
は、複数本の化学繊維を可撓性プラスチックで被覆した
ものである。
られる、化学繊維によって強化された可撓性プラスチッ
クの帯状部材および網状部材(以下、帯状部材と網状部
材とをまとめて「可撓性プラスチック部材」という。)
は、複数本の化学繊維を可撓性プラスチックで被覆した
ものである。
【0037】この可撓性プラスチック部材には、落石に
よる衝撃を十分に吸収するために、優れた耐力と伸びと
が要求される。
よる衝撃を十分に吸収するために、優れた耐力と伸びと
が要求される。
【0038】(化学繊維)可撓性プラスチック部材の補
強材として用いられる化学繊維には、可撓性プラスチッ
ク部材の引張強さ等の強度を高めることとともに、落石
の衝撃に応じて自在に変形できるように、可撓性プラス
チック部材に十分な伸びを付与することも求められる。
強材として用いられる化学繊維には、可撓性プラスチッ
ク部材の引張強さ等の強度を高めることとともに、落石
の衝撃に応じて自在に変形できるように、可撓性プラス
チック部材に十分な伸びを付与することも求められる。
【0039】本発明に用いられる化学繊維は、十分な引
張強度や伸び率を有するほかは特に限定されるものでは
なく、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポ
リプロピレン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニ
ロン繊維等の化学繊維を用いることができる。
張強度や伸び率を有するほかは特に限定されるものでは
なく、例えばポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポ
リプロピレン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニ
ロン繊維等の化学繊維を用いることができる。
【0040】落石防護柵の吸収エネルギーは、化学繊維
の伸び率に比例して大きくなることから、伸び率ができ
る限り大きな化学繊維が好適に用いられるものの、落石
防護柵の立地条件等に応じてその伸び率は制限を受ける
場合がある。すなわち、例えば落石防護柵から道路、家
屋等の施設までの距離が短い場合には、たとえ吸収エネ
ルギーが小さくなるとしても、落石によって伸張した落
石防護柵の壁面材(可撓性プラスチック部材)が道路、
家屋等と接触することのないように、化学繊維の伸び率
を制限する必要が生じる。
の伸び率に比例して大きくなることから、伸び率ができ
る限り大きな化学繊維が好適に用いられるものの、落石
防護柵の立地条件等に応じてその伸び率は制限を受ける
場合がある。すなわち、例えば落石防護柵から道路、家
屋等の施設までの距離が短い場合には、たとえ吸収エネ
ルギーが小さくなるとしても、落石によって伸張した落
石防護柵の壁面材(可撓性プラスチック部材)が道路、
家屋等と接触することのないように、化学繊維の伸び率
を制限する必要が生じる。
【0041】(可撓性プラスチック)化学繊維を被覆す
る可撓性プラスチックとしては、前記化学繊維と同様
に、優れた強度と十分な伸びとが要求される。具体的に
は、本発明に使用する化学繊維の種類によっても好適な
樹脂の種類が異なるため、特に限定されるものではない
が、一般に、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピ
レン、ナイロン等の、可撓性を有する従来公知の種々の
プラスチックを用いることができる。
る可撓性プラスチックとしては、前記化学繊維と同様
に、優れた強度と十分な伸びとが要求される。具体的に
は、本発明に使用する化学繊維の種類によっても好適な
樹脂の種類が異なるため、特に限定されるものではない
が、一般に、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピ
レン、ナイロン等の、可撓性を有する従来公知の種々の
プラスチックを用いることができる。
【0042】上記可撓性プラスチックには、紫外線吸収
剤、着色剤等を配合することができる。特に、落石防護
柵は屋外において、とりわけ日光の照射が多いところで
用いられるものであることから、帯状部材に紫外線吸収
剤を配合し、その光劣化を防止するのが好ましい。
剤、着色剤等を配合することができる。特に、落石防護
柵は屋外において、とりわけ日光の照射が多いところで
用いられるものであることから、帯状部材に紫外線吸収
剤を配合し、その光劣化を防止するのが好ましい。
【0043】(可撓性プラスチック部材)本発明に使用
可能な可撓性プラスチック部材の具体例としては、 ・繊維補強されたプラスチックベルト〔前田工繊(株)
製の「TTFシリーズ」、複数本の高強度ポリエステル
繊維をポリエチレン樹脂で被覆したもの、引張強さ10
tf、伸び15%〕、 ・ポリエステル繊維製の多重織物〔同社製のストレッチ
マット「ELシリーズ」〕 ・高強度ポリエステル繊維「テトロン(R) 」製の平織り
・多重織物〔同社製のテイジン(R) 土木シート「Tシリ
ーズ」〕(テトロン(R) およびテイジン(R) はいずれも
帝人(株)の登録商標)等が挙げられる。
可能な可撓性プラスチック部材の具体例としては、 ・繊維補強されたプラスチックベルト〔前田工繊(株)
製の「TTFシリーズ」、複数本の高強度ポリエステル
繊維をポリエチレン樹脂で被覆したもの、引張強さ10
tf、伸び15%〕、 ・ポリエステル繊維製の多重織物〔同社製のストレッチ
マット「ELシリーズ」〕 ・高強度ポリエステル繊維「テトロン(R) 」製の平織り
・多重織物〔同社製のテイジン(R) 土木シート「Tシリ
ーズ」〕(テトロン(R) およびテイジン(R) はいずれも
帝人(株)の登録商標)等が挙げられる。
【0044】〔支柱〕支柱には、例えば鋼管、H形鋼等
の、従来公知の種々のものを用いることができるが、中
でも、端部が輪状に、あるいは全体が無端ベルト状に形
成された可撓性プラスチック部材を固定する際の操作性
の観点から、鋼管を用いるのが好ましい。また、強度上
の観点からは、内部が空洞となっている鋼管を用いるの
が好ましい。
の、従来公知の種々のものを用いることができるが、中
でも、端部が輪状に、あるいは全体が無端ベルト状に形
成された可撓性プラスチック部材を固定する際の操作性
の観点から、鋼管を用いるのが好ましい。また、強度上
の観点からは、内部が空洞となっている鋼管を用いるの
が好ましい。
【0045】支柱間隔は特に限定されるものではなく、
通常想定され得る落石の大きさ、あるいは可撓性プラス
チック部材の長さ等に応じて設定される。なお、一般
に、支柱間隔が広いほど可撓性プラスチック部材の柔軟
性が高まり、落石の運動エネルギーを可撓性プラスチッ
ク部材の伸びによって吸収する効果を十分に発揮させる
ことができる。
通常想定され得る落石の大きさ、あるいは可撓性プラス
チック部材の長さ等に応じて設定される。なお、一般
に、支柱間隔が広いほど可撓性プラスチック部材の柔軟
性が高まり、落石の運動エネルギーを可撓性プラスチッ
ク部材の伸びによって吸収する効果を十分に発揮させる
ことができる。
【図1】本発明に係る落石防護柵の一実施形態を示す斜
視図である。
視図である。
【図2】本発明に係る落石防護柵の他の実施形態を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図3】本発明に係る落石防護柵のさらに他の実施形態
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る落石防護柵のさらに他の実施形態
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る落石防護柵のさらに他の実施形態
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図6】同図(a) は従来の落石防護柵を示す前面図であ
って、同図(b) はその側面図である。
って、同図(b) はその側面図である。
10,20,30,40,50 落石防護柵
11 支柱
12,22,32 帯状部材
33 縦子
42,52 網状部材
Claims (3)
- 【請求項1】間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維
によって強化された可撓性プラスチックの帯状部材を多
段的に横架した落石防護柵。 - 【請求項2】化学繊維によって強化された可撓性プラス
チックからなる縦子を設けた請求項1記載の落石防護
柵。 - 【請求項3】間隔をおいて立設した支柱間に、化学繊維
によって強化された可撓性プラスチックの網状部材を横
架した落石防護柵。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22146399A JP3457583B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 落石防護柵 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22146399A JP3457583B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 落石防護柵 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001049625A JP2001049625A (ja) | 2001-02-20 |
JP3457583B2 true JP3457583B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=16767122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22146399A Expired - Fee Related JP3457583B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 落石防護柵 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3457583B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW533256B (en) * | 2001-06-04 | 2003-05-21 | Yugen Kaisha Yoshida Kozo Deza | Shock absorbing fence and shock absorbing method thoerof |
JP4874925B2 (ja) * | 2007-10-10 | 2012-02-15 | 新日本製鐵株式会社 | 落石等の防止柵 |
KR20170008310A (ko) * | 2014-11-28 | 2017-01-23 | 가부시키가이샤 프로텍 엔지니어링 | 유구조의 방호 구조체 |
JP7450996B1 (ja) | 2023-06-16 | 2024-03-18 | ベルテクス株式会社 | 防護柵 |
-
1999
- 1999-08-04 JP JP22146399A patent/JP3457583B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001049625A (ja) | 2001-02-20 |
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