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JP3445262B2 - 圧電体の製造方法、圧電体、超音波探触子、超音波診断装置および非破壊検査装置 - Google Patents

圧電体の製造方法、圧電体、超音波探触子、超音波診断装置および非破壊検査装置

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JP3445262B2
JP3445262B2 JP2001357398A JP2001357398A JP3445262B2 JP 3445262 B2 JP3445262 B2 JP 3445262B2 JP 2001357398 A JP2001357398 A JP 2001357398A JP 2001357398 A JP2001357398 A JP 2001357398A JP 3445262 B2 JP3445262 B2 JP 3445262B2
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piezoelectric body
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piezoelectric precursor
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清英 雨宮
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Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R17/00Piezoelectric transducers; Electrostrictive transducers
    • HELECTRICITY
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、診断、治療、非破
壊検査などで利用される圧電体の製造方法、圧電体、超
音波探触子、超音波診断装置および非破壊検査装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超音波探触子は、図24に
示すように、短軸方向で中央部が薄く、端部に行くに従
って厚みが順次厚く変化していく圧電体1と、超音波を
効率よく送信あるいは受信するために圧電体1の厚み変
化に合わせて中央部で薄く、端部で厚くなるように形成
された音響整合層2と、短軸方向に関して1点の固定焦
点で超音波を収束させるために設けられた音響レンズ3
と、圧電体1の背面で音響的なダンピング作用を行う背
面負荷材4とを備え、圧電体1の振動によって励起され
る超音波の周波数スペクトラムは、圧電体1の厚みによ
って変化し、厚みが薄くなるほど高周波側にシフトする
ものであった(特開昭58-29455号公報)。
【0003】ここで、前述のように厚みが順次変化して
いく圧電体1は、中央部の薄い部分は高周波で振動し、
端部に行くほど低周波で振動するようになる。また、高
い周波数で振動している中央部は実効的な口径が小さ
く、端部の周波数が低くなるにつれて実効的な口径が大
きくなっていく。従って、図24に示す超音波探触子を用
いた超音波診断装置などの非破壊検査装置では、高い周
波数成分を取り出すと近距離で細い超音波ビームを形成
することができ、逆に低い周波数成分を取り出すと遠距
離で細い超音波ビームが形成できるため、取り出す周波
数成分を段階的に変化させて、近距離から遠距離に渡っ
て細い超音波ビームを形成し、方位分解能を向上させる
ものであった。
【0004】また、この種の圧電体の製造方法は、図25
に示すように円板状の研削砥石5により研削加工するも
のであった(特開平7-107595号公報)。ここで、研削砥
石5は、圧電体1と同じ幅を有しており、その形状は研
削加工することで所望の厚み分布を有する圧電体1が加
工できるような形状となっている。また、研削砥石5
は、実際の加工時に、平板形状である圧電体1の底面と
平行なx軸と平行な軸を回転軸として回転しながら、図
中y軸方向に移動して加工するものである。
【0005】さらに、この種の圧電体の製造方法は、図
26に示すように回転軸を中心に回転する研削砥石5のエ
ッジを、圧電体1表面に接触するように傾け、図中のx
軸方向に沿って圧電体1の一端から加工を開始し、研削
砥石5が逆端まで移動する間に、圧電体1が所望の厚み
分布を持つ形状になるよう、図中のz軸方向における研
削砥石5の位置を制御するものであった(特開平7-1075
95号公報)。ここで、前述の加工を図中のy軸方向に沿
って移動しながら繰り返し、圧電体1のy軸方向長さ全
体にわたって加工を実施する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の超音波探触子では、例えば超音波診断装置に
用いる場合に使用周波数が数MHz程度となり、この使
用周波数を圧電体の厚み共振周波数で発生させると、例
えばPZTなどの圧電セラミクスを研削加工した圧電体
を用いた場合に、厚みが数百μmのオーダになるため
に、圧電体の厚みの薄い部分での破損の可能性が非常に
高いという問題があった。
【0007】さらに、従来の超音波探触子では、圧電振
動子を構成する圧電体の厚みが不均一であるために、圧
電体の厚み方向の上下面に存在する電極間の距離も不均
一となるという問題があった。この電極間に電圧をかけ
て圧電体の分極処理を施す場合に、電極間距離の不均一
に伴ってかかる電界強度も不均一となり、分極の状態に
ばらつきが生じてしまう。また、分極時には、特に中央
部の薄い部分には端部よりも大きな電界がかかるため、
歪み量も大きく、場合によっては圧電体の割れを引き起
こすおそれがある。さらに、実際の使用に際して超音波
探触子を駆動する場合も圧電体の厚み分布による電界強
度分布は発生するため、同様に歪み量の分布によって圧
電体の割れなどの破損のおそれがある。
【0008】また、従来の圧電体の製造方法では、研削
加工をしているために、厚みの薄い部分での加工が困難
であるという問題があった。さらに、使用周波数が数十
MHzなどの高周波になればなるほど、加工の困難度合
いは増す。また、圧電体の厚みを変化させるのみなら
ず、幅を不均一にするような場合に側面の形状変化が必
要となるが、前述の数百μmの厚みの側面部分に加工を
施すとすれば、研削砥石などの加工具も数百μm以下の
微細なものが必要であるし、加工の困難度も非常に高
い。加えて、微細加工であるために加工精度の確保も難
しく、同一形状を精度よく安定させて複数作製すること
もまた困難である。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、厚み分布を有する同一形状の圧電体
を精度よく複数作製し、この圧電体を用いて信頼性の高
い超音波診断などを実現するための圧電体の製造方法、
圧電体、超音波探触子および超音波診断装置を提供する
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電体の製造方
法は、圧電材料を含む圧電前駆材から所定の圧電前駆材
体を形成する第1の工程と、前記圧電前駆材体を型押し
成形する第2の工程とを有する圧電体の製造方法であっ
て、第1の工程で、前記圧電体の厚み分布に応じて複数
のシート状圧電前駆材を積層するものである。この方法
により、微細な研削加工などの困難な機械加工をするこ
となく、厚み分布を有する圧電体を容易に形成できるこ
ととなる。また、型押しによる成形であるために、同一
形状を精度を安定させて複数作製できることとなる。
さらに、所望の圧電体の厚みに柔軟に対応できることと
なる。
【0011】
【0012】また、本発明の圧電体の製造方法は、前記
第1の工程で、前記圧電体の厚み分布に応じてシート状
圧電前駆材および貫通穴を有するシート状圧電前駆材を
積層するものである。この方法により、所望の圧電体の
厚みおよび形状に柔軟に対応できることとなる。
【0013】また、本発明の圧電体の製造方法は、前記
貫通穴の大きさ、形状のいずれかが異なる複数のシート
状圧電前駆材を積層するものである。この方法により、
所望の圧電体の厚みおよび形状に柔軟に対応できること
となる。ここで、好ましくは前記貫通穴の大きさ、形状
のいずれかが異なる複数のシート状圧電前駆材を積層す
る。
【0014】さらに、本発明の圧電体の製造方法は、表
面が非平面状で裏面が平面状の第1の圧電体と、表裏と
も平面状で表裏面にそれぞれ電極を設けた平板状の第2
の圧電体とを製造する工程と、前記第1の圧電体の裏面
と前記第2の圧電体の表面とを接合する工程とを有する
ものである。この方法により、電極間にかかる電界強度
を一定にすることができ、分極時にはばらつきを抑えた
均一な分極を実現することが可能であるとともに、分極
時および使用時の圧電体の歪み量の分布をなくして、圧
電体の割れなどの破損を未然に防ぐこととなる。
【0015】本発明の圧電体は、圧電材料を含む圧電前
駆材からなる圧電前駆材体を型押し成形した圧電体であ
って、前記圧電前駆材体が、前記圧電体の厚み分布に応
じて積層された複数のシート状圧電前駆材からなる構成
を有している。この構成により、研削加工などの困難な
機械加工をすることなく、厚み分布を有する圧電体を形
成できることとなる。また、型押しによる成形であるた
めに、同一形状を精度よく、安定させて複数作製できる
こととなる。さらに圧電体が所望の厚みになるように積
層することで、圧電体の厚み分布に柔軟に対応できるこ
ととなる。
【0016】
【0017】また、本発明の圧電体は、前記圧電前駆材
体が、前記圧電体の厚み分布に応じて積層された複数の
シート状圧電前駆材からなり、この複数のシート状圧電
前駆材に、貫通穴を有するシート状圧電前駆材を含む構
成を有している。この構成により、所望の圧電体の厚み
および形状に柔軟に対応できることとなる。
【0018】また、本発明の圧電体は、前記複数のシー
ト状圧電前駆材に、前記貫通穴の大きさ、形状のいずれ
かが異なる複数のシート状圧電前駆材を含む構成を有し
ている。この構成により、所望の圧電体の厚みおよび形
状に柔軟に対応できることとなる。ここで、好ましくは
前記貫通穴の大きさ、形状のいずれかが異なる複数のシ
ート状圧電前駆材を設ける。
【0019】さらに、本発明の圧電体は、前記複数のシ
ート状圧電前駆材が積層された圧電前駆材体に、一定の
電極間距離を保つように複数の電極層を形成した構成を
有している。この構成により、電極間にかかる電界強度
を一定にすることができ、分極時には均一な分極が可能
であるとともに、分極時および使用時の歪み量の分布を
なくして、圧電体の割れなどの破損を未然に防ぐことと
なる。
【0020】本発明の超音波探触子は、請求項5乃至8
のいずれかに記載の圧電体を設けた構成を有している。
この構成により、困難な機械加工を施さずに押し型の形
状転写によって作製した圧電体を用いるため、圧電体に
確認困難な微細な割れなどの発生を抑え、安定した超音
波探触子特性が確保できると同時に、押し型の形状を転
写する圧電体は同一形状を安定して複数製造することに
適しているために、それを用いることで超音波探触子の
特性の個体差を抑制することとなる。また、厚みが一定
でないにも拘わらず、電極間距離が一定である圧電体
は、均一な分極状態を実現することで安定した超音波の
送受信特性を実現できることとなる。また、駆動時の歪
み量の分布もないために、圧電体の微細な割れなどの発
生を防ぎ、安定した超音波探触子特性を維持することと
なる。
【0021】本発明の超音波診断装置は、請求項9に記
載の超音波探触子を設けた構成を有している。この構成
により、特性が安定していて個体差のない超音波探触子
を用いることで、信頼性の高い超音波診断ができること
となる。
【0022】本発明の非破壊検査装置は、請求項9に記
載の超音波探触子を設けた構成を有している。この構成
により、特性が安定していて個体差のない超音波探触子
を用いることで、信頼性の高い非破壊検査ができること
となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。 [第1の実施の形態]図1に示すように、本発明の第1
の実施の形態の圧電体1の製造方法は、圧電材料を含む
圧電前駆材6から所定の圧電前駆材積層体7(圧電前駆
材体)を形成する圧電前駆材成形工程および圧電前駆材
積層工程(第1の工程)と、圧電前駆材積層体7を型押
し成形する加圧工程(第2の工程)とを有するものであ
る。
【0024】本実施の形態の圧電体1は、片面は平面で
もう一方の片面は凹面の湾曲形状を有し、中央から端に
いくにつれて厚みが厚くなる形状を有しており、超音波
診断装置(図22に示す)や非破壊検査装置(図23に示
す)で用いる超音波探触子(図20に示す)を構成するも
のである。
【0025】また、圧電体1の製造工程には、圧電セラ
ミクス粉末などの圧電材料からシート状の圧電前駆材6
を成形する圧電前駆材成形工程(図示せず)と、こうし
て得られたシート状の圧電前駆材6を積層する圧電前駆
材積層工程(図1(a)、(b)に示す)と、こうして得られ
た圧電前駆材積層体7を型押しする加圧工程(図1(c)
、(d)に示す)と、こうして所望の形状になるよう、加
圧された圧電前駆材積層体7aを焼成する焼成工程(図
1(e)に示す)が含まれる。
【0026】図1において、圧電前駆材6は、柔軟性を
有すると同時に、加圧力などの力を加えたときにその力
を吸収して変形することが可能である。また、前記加圧
工程で用いる押し型8は、例えば鉄などの金属材料から
成り、圧電前駆材6が積層された圧電前駆材積層体7に
圧力をかけてプレスし、作製された圧電前駆材積層体8
が所望の不均一な厚みになるようにその形状を転写する
ために用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体
1が所望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みな
どを考慮した形状を有する。
【0027】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、圧電前駆材6を得る。
【0028】前記圧電前駆材積層工程では、図1(a)に
示すように、まずシート状の圧電前駆材6を、焼成まで
済んだ最終段階において所望の厚みが出せるように、予
め圧電前駆材6のシート厚みと積層枚数を考慮した上で
積層し、図1(b)に示す圧電前駆材積層体7を形成す
る。なお積層時に、必要に応じて圧力および熱を加え
る。
【0029】前記加圧工程では、図1(c)に示すように
圧電前駆材積層体7に、所望の厚み分布を形状転写によ
って形成することができる、例えば鉄などの金属からな
る押し型8を用いて、圧電前駆材積層体7の厚み方向に
圧力をかけて押すことによって、図1(d)に示すような
厚みが不均一である圧電前駆材積層体7aを作製する。
【0030】前記焼成工程では、この圧電前駆材積層体
7aを焼成することにより、研削加工などの機械的な加
工をすることなく、所望の不均一厚みを有する圧電体1
を製造することができる。また、押し型8の形状を転写
しているので、形状の安定した圧電体1を複数作製する
ことができる。
【0031】以上のように、本発明の第1の実施の形態
の圧電体1の製造方法は、圧電材料を含む圧電前駆材6
から所定の圧電前駆材積層体7を形成する圧電前駆材成
形工程および圧電前駆材積層工程と、圧電前駆材積層体
7を型押し成形する加圧工程とを有しているので、研削
加工などの困難な機械加工をすることなく、厚み分布を
有する圧電体を形成できる。すなわち、厚みの薄いシー
ト状の圧電前駆材6を積層して圧電前駆材積層体7を作
製するので、圧電前駆材6の積層数を変えることで様々
な圧電体1の厚みに柔軟に対応することができる。ま
た、型押しによる成形であるために、同一形状を精度よ
く安定させて複数作製できる。
【0032】また、本発明の第1の実施の形態の圧電体
1は、圧電材料を含む圧電前駆材6からなる圧電前駆材
積層体7aを型押し成形した構成を有しているので、厚
み分布を有し、寸法精度がよくて作製の容易な圧電体を
実現できる。
【0033】なお、本実施の形態ではシート状の圧電前
駆材6を積層して圧電前駆材積層体7を作製する場合に
ついて説明したが、本発明はこのほかに、1層で所望の
厚みになるような圧電前駆材6を用いても同様の効果が
得られるものである。さらに、圧電前駆材6を積層して
圧電前駆材積層体7を形成する手間がなくなる。
【0034】また、本実施の形態では圧電体1の最終的
な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から端
にいくにつれて厚みが厚くなる場合について説明した
が、本発明はこのほかに凸面あるいは凹凸面などの任意
形状であっても、押し型8の形状を所望の形状に適宜変
えることによって同様の効果が得られるものである。
【0035】さらに、本実施の形態では、四角形の板状
の圧電体1を形成する場合について説明したが、本発明
はこのほかに円板形状などの任意形状であっても、圧電
前駆材6の形状および押し型2の形状を所望の形状に適
宜変えることによって同様の効果が得られるものであ
る。
【0036】また、本実施の形態では、図1(c)に示す
ように圧電前駆材積層体7の前後左右に何もない状態で
加圧する場合について説明したが、本発明はこのほか
に、図2に示すように押し型8と同様に例えば鉄などの
金属材料からなる拘束壁9を前後左右に設けることによ
っても同様の効果が得られるものである。さらに、加圧
時の圧電前駆材積層体7の前後左右への極端な広がりを
防ぐことができる。
【0037】[第2の実施の形態]図3は、本発明の第
2の実施の形態の圧電体の製造方法を示す。これは第1
の実施の形態とは、圧電前駆材成形工程および圧電前駆
材積層工程(第1の工程)で、さらに圧電体1の厚み分
布に応じて複数の圧電前駆材6(シート状圧電前駆材)
を積層する点が相違している。この方法によれば、圧電
前駆材6を所望の厚みに適宜積層することで、所望の圧
電体1の厚み分布に柔軟に対応できるという効果も得ら
れる。
【0038】本実施の形態の圧電体1は、片面は平面で
もう一方の片面は凹面の湾曲形状を有し、中央から端に
いくにつれて厚みが厚くなる形状を有しており、超音波
診断装置(図22に示す)や非破壊検査装置(図23に示
す)で用いる超音波探触子(図20に示す)を構成するも
のである。
【0039】また、圧電体1の製造工程には、第1の実
施の形態に準じ、圧電セラミクス粉末などの圧電材料か
らシート状の圧電前駆材6を成形する圧電前駆材成形工
程(図示せず)と、こうして得られたシート状の圧電前
駆材6を積層する圧電前駆材積層工程(図3(a)、(b)に
示す)と、こうして得られた圧電前駆材積層体7を型押
しする加圧工程(図3(c) 、(d)に示す)と、こうして
所望の形状になるよう、加圧された圧電前駆材積層体7
aを焼成する焼成工程(図3(e)に示す)などが含まれ
る。
【0040】図3において、圧電前駆材6は、前述のよ
うに圧電材料、結合剤などからなり、柔軟性を有すると
同時に加圧力などの力を加えたときにその力を吸収して
変形可能なものである。また、押し型8は、例えば鉄な
どの金属材料から成り、圧電前駆材積層体7に圧力をか
けてプレスし、作製された圧電前駆材積層体7aが所望
の不均一な厚みになるようにその形状を転写するために
用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体1が所
望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みなどを考
慮した形状を有する。
【0041】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、さらに必要に応じて幅サイズが異なるように加工
調整した圧電前駆材6を得る。
【0042】前記圧電前駆材積層工程では、図3(a)に
示すように、まずシート状の圧電前駆材6を、焼成まで
済んだ最終段階において所望の厚みが出せるように、予
め圧電前駆材6のシート厚みの変化と積層枚数を考慮し
た上で積層する。ここでは、圧電体1の両端部が中央部
に比べて厚い形状となるように製造するために、上層に
行くほど幅を狭く加工調整した圧電前駆材6を、両端部
それぞれに積層して図3(b)に示す圧電前駆材積層体7
を形成する。なお、第1の実施の形態に準じ、積層時
に、必要に応じて圧力および熱を加える。
【0043】前記加圧工程では、第1の実施の形態に準
じ、例えば鉄などの金属からなる押し型8を用いて、図
3(c)に示すように圧電前駆材積層体7の厚み方向に圧
力をかけ、図3(d)に示すような厚みが不均一である圧
電前駆材積層体7aを作製する。ここでは、前記圧電前
駆材積層工程で、図3(b)に示すように圧電前駆材積層
体7の形状を最終的な厚み分布を有する圧電体1の形状
に近づけているので、押し型8による加圧時の加圧力を
抑えることができ、加圧による不必要かつ不良な変形お
よび圧電前駆材積層体7a内部の残留応力を低下させる
ことが可能であると同時に、圧電前駆材6の変形だけで
は賄えないような厚み分布の大きい場合(厚みの薄い部
分と厚い部分の差が大きい場合)に有利である。
【0044】前記焼成工程では、第1の実施の形態に準
じて圧電前駆材積層体7aを焼成することにより、研削
加工などの機械的な加工をすることなく、所望の不均一
厚みを有する圧電体1を製造することができる。また、
押し型8の形状を転写しているので、形状の安定した圧
電体1を複数作製することができる。
【0045】以上のように、本発明の第2の実施の形態
の圧電体1は、圧電体1の厚み分布に応じて積層された
複数の圧電前駆材6(シート状圧電前駆材)からなる圧
電前駆材積層体7a(前駆材)を設けているので、所望
の厚み分布を精度よく実現できる。すなわち、厚みの薄
いシート状の圧電前駆材6を積層して圧電前駆材積層体
7を作製するので、圧電前駆材6の積層数を変えること
で様々な圧電体1の厚みに柔軟に対応することができ
る。
【0046】なお、本実施の形態では圧電体1の最終的
な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から端
にいくにつれて厚みが厚くなる場合について説明した
が、本発明はこのほかに片面が凸形状であっても、凹凸
形状を有する面であっても、厚みの厚い部分に選択的に
圧電前駆材6の積層数を増やして厚み分布を変更するこ
とで、圧電体1の形状を制限せずに同様の効果が得られ
るものである。
【0047】また、本実施の形態では、四角形の板状の
圧電体1を形成する場合について説明したが、本発明は
このほかに円板形状などの任意形状であっても、圧電前
駆材6の形状および押し型2の形状を所望の形状に適宜
変えることによって同様の効果が得られるものである。
【0048】さらに、本実施の形態では、上層に行くほ
ど幅を狭くなるように加工調整した圧電前駆材6を積層
して、より最終形状に近い形状で圧電前駆材積層体7を
形成した場合について説明したが、本発明はこのほか
に、図4に示すように前記最終形状両端の厚みの厚い部
分に同一幅または同一形状の圧電前駆材6を積層して圧
電前駆材積層体7を形成することによって同様の効果が
得られるものである。さらに、圧電前駆材6を異なる幅
に加工調整する手間を省くことができ、厚みの厚い部分
に選択的に積層数を増やせば、各圧電前駆材6の形状お
よび形状変化に制限はない。
【0049】[第3の実施の形態]図5は、本発明の第
3の実施の形態の圧電体の製造方法を示す。これは第1
の実施の形態とは、さらに圧電体1の厚み分布に応じて
圧電前駆材6(シート状圧電前駆材)および貫通穴を有
する圧電前駆材6を積層する点が相違している。この方
法によれば、所望の圧電体1の厚みおよび形状に柔軟に
対応できるという効果も得られる。
【0050】本実施の形態の圧電体1は、片面は平面で
もう一方の片面は凹面の湾曲形状を有し、中央から端に
いくにつれて厚みが厚くなる形状を有しており、超音波
診断装置(図22に示す)や非破壊検査装置(図23に示
す)で用いる超音波探触子(図20に示す)を構成するも
のである。
【0051】また、圧電体1の製造工程には、第1の実
施の形態に準じ、圧電セラミクス粉末などの圧電材料か
らシート状の圧電前駆材6を成形する圧電前駆材成形工
程(図示せず)と、こうして得られたシート状の圧電前
駆材6を必要に応じて型抜きし、矩形窓状の貫通穴を設
ける型抜き工程(図示せず)と、こうして得られた窓枠
状の圧電前駆材6およびシート状の圧電前駆材6を積層
する圧電前駆材積層工程(図5(a)、(b)に示す)と、こ
うして得られた圧電前駆材積層体7Aの前後の縁部を断
裁する縁切り工程と(図5(c)に示す)、こうして得ら
れた圧電前駆材積層体7を型押しする加圧工程(図5
(d)、(e)に示す)と、こうして所望の形状になるよう、
加圧された圧電前駆材積層体7aを焼成する焼成工程
(図5(f)に示す)などが含まれる。
【0052】図5において、圧電前駆材6は、前述のよ
うに圧電材料、結合剤などからなり、柔軟性を有すると
同時に加圧力などの力を加えたときにその力を吸収して
変形可能なものである。また、押し型8は、例えば鉄な
どの金属材料から成り、圧電前駆材積層体7に圧力をか
けてプレスし、作製された圧電前駆材積層体7aが所望
の不均一な厚みになるようにその形状を転写するために
用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体1が所
望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みなどを考
慮した形状を有する。
【0053】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、圧電前駆材6を得る。
【0054】前記型抜き工程では、シート状の圧電前駆
材6に対し、必要に応じて型抜きなどの加工を施し、異
なるサイズに調整した貫通穴(矩形)を穿設する。
【0055】前記圧電前駆材積層工程では、図5(a)に
示すように、まずシート状および窓枠状の圧電前駆材6
を、焼成まで済んだ最終段階において所望の厚みが出せ
るように、予め圧電前駆材6のシート厚みの変化と積層
枚数を考慮した上で積層する。ここでは、圧電体1の両
端部が中央部に比べて厚い形状となるように製造するた
めに、上層に行くほど窓枠の幅が狭くなるように、すな
わち貫通穴が大きくなるように加工調整した圧電前駆材
6を、同一厚み位置の両端に同時に積層して図5(b)に
示す圧電前駆材積層体7Aを形成する。なお、第1の実
施の形態に準じ、積層時に、必要に応じて圧力および熱
を加える。
【0056】ここで、圧電前駆材6の外縁を同一形状
(同一サイズ)として、貫通穴を空ける際の位置精度を
正確にし、圧電前駆材6を揃えて重ねることで、両端の
厚みの厚い圧電前駆材6部分の位置ずれを抑えて積層す
ることができる。あるいは、圧電前駆材6の形状が同一
でなくても、各圧電前駆材6に隣り合う二つの縁で直角
を少なくとも一箇所形成し、その直角に対して貫通穴の
位置決めを行い、積層するすべての圧電前駆材6の直角
部分を揃えて重ねることで、位置ずれを抑制して積層す
ることができる。また、圧電前駆材6の貫通穴の幅方向
の大きさを変化させ、厚み変化に準じて圧電前駆材6の
幅を順次変化させて積層することにより(ここでは、貫
通穴の幅方向の大きさの小さいものから大きいものへと
変化させて積層することにより)、中央部から端部にい
くにつれて順に厚くなっていく形状の圧電前駆材積層体
7Aを形成することができる。
【0057】前記縁切り工程では、前記加圧工程に進む
前に、貫通穴を設けた圧電前駆材6を積層したことによ
って発生する不要部分を切断する。なお、圧電前駆材積
層体7Aの厚みの薄い部分が極端に薄いために、前記不
要部分を切断すると必要な形状を維持できず、圧電前駆
材積層体7Aの全体が湾曲してしまうような場合には、
前記不要部分を切断せずにこれを補強部分として利用す
ることも可能である。この場合には、前記加圧工程終了
後または前記焼成工程終了後に前記不要部分を除去すれ
ばよい。
【0058】前記加圧工程では、第1の実施の形態に準
じ、例えば鉄などの金属からなる押し型8を用いて、図
5(d)に示すように圧電前駆材積層体7の厚み方向に圧
力をかけ、図5(e)に示すような厚みが不均一である圧
電前駆材積層体7aを作製する。ここでは、前記縁切り
工程で、図5(c)に示すように圧電前駆材積層体7の形
状を最終的な厚み分布を有する圧電体1の形状に近づけ
ているので、押し型8による加圧時の加圧力を抑えるこ
とができ、加圧による不必要かつ不良な変形および圧電
前駆材積層体7a内部の残留応力を低下させることが可
能であると同時に、圧電前駆材6の変形だけでは賄えな
いような厚み分布の大きい場合(厚みの薄い部分と厚い
部分の差が大きい場合)に有利である。
【0059】前記焼成工程では、第1の実施の形態に準
じて圧電前駆材積層体7aを焼成することにより、研削
加工などの機械的な加工をすることなく、所望の不均一
厚みを有する圧電体1を製造することができる。また、
押し型8の形状を転写しているので、形状の安定した圧
電体1を複数作製することができる。
【0060】以上のように、本発明の第3の実施の形態
の圧電体1は、圧電体1の厚み分布に応じて積層された
複数の圧電前駆材6(圧電前駆材積層体7a:シート状
圧電前駆材)からなり、この複数の圧電前駆材6に貫通
穴を有するものを含むので、所望の圧電体の厚みおよび
形状を精度よく実現できる。
【0061】また、本発明の第3の実施の形態の圧電体
1の製造方法は、貫通穴の大きさ、形状のいずれかが異
なる複数の圧電前駆材6を積層しているので、所望の圧
電体の厚みおよび形状に柔軟に対応できる。
【0062】なお、本実施の形態では圧電体1の最終的
な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から端
にいくにつれて厚みが厚くなる場合について説明した
が、本発明はこのほかに片面が凸形状であっても、凹凸
形状を有する面であっても、厚みの厚い部分に選択的に
圧電前駆材6の積層数が増えるように、圧電前駆材6に
設けた貫通穴の位置や大きさ、数を制御して厚み分布を
変更することで、圧電体1の形状を制限せずに同様の効
果が得られるものである。
【0063】また、本実施の形態では圧電体1の最終的
な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から両
端(2方向)にいくにつれて厚みが厚くなるために不要
な縁部分を除去する場合について説明したが、本発明は
このほかに、圧電体1の最終的な形状として図6
(a)、(b)または図7(a)、(b)に示すように中心
部から縁部にいくに従い、厚みが厚くなるような形状に
適用すると、不要な縁部分が発生せず、縁部分を除去す
る縁切り工程も不要となる。
【0064】さらに、本実施の形態では上層に行くほど
貫通穴の幅方向の大きな圧電前駆材6を積層して、より
最終形状に近い形状の圧電前駆材積層体7Aを形成した
場合について説明したが、本発明はこのほかに、圧電体
1の最終形状が実現できるのであれば、図8に示すよう
に貫通穴を異なる幅に加工調整する手間を省いて同一形
状の貫通穴を形成した圧電前駆材6(図8(a)に示す)
を積層して圧電前駆材積層体7A(図8(b)に示す)を
形成してもよく、厚みの厚い部分に選択的に積層数が増
えるように、圧電前駆材6に設けた貫通穴の位置や大き
さ、数を制御して厚み分布を変更することで、圧電体1
の形状を制限せずに同様の効果が得られるものである。
【0065】[第4の実施の形態]図9は、本発明の第
4の実施の形態の圧電体の製造方法を示す。これは第1
の実施の形態とは、さらに圧電前駆材積層体7を型押し
する方向が圧電前駆材6の積層方向に対して垂直方向で
ある点が相違している。この方法によれば、不均一な幅
の圧電体を微細な機械加工などの困難な機械加工をする
ことなく形成できるという効果も得られる。
【0066】本実施の形態の圧電体1は、厚み方向の中
央部の幅が狭く、上下に行くに従って幅が広くなる形状
を有しており、超音波診断装置(図22に示す)や非破壊
検査装置(図23に示す)で用いる超音波探触子(図20に
示す)を構成するものである。
【0067】また、圧電体1の製造工程には、第1の実
施の形態に準じ、圧電セラミクス粉末などの圧電材料か
らシート状の圧電前駆材6を成形する圧電前駆材成形工
程(図示せず)と、こうして得られたシート状の圧電前
駆材6を積層する圧電前駆材積層工程(図9(a)、(b)に
示す)と、こうして得られた圧電前駆材積層体7を上下
左右方向から型押しする加圧工程(図9(c)に示す)
と、こうして所望の形状になるよう、加圧された圧電前
駆材積層体7aを焼成する焼成工程(図9(d)、(e)に示
す)などが含まれる。
【0068】図9において、圧電前駆材6は、前述のよ
うに圧電材料、結合剤などからなり、柔軟性を有すると
同時に加圧力などの力を加えたときにその力を吸収して
変形可能なものである。また、押し型8は、例えば鉄な
どの金属材料から成り、圧電前駆材積層体7に圧力をか
けてプレスし、作製された圧電前駆材積層体7aが所望
の不均一な厚みになるようにその形状を転写するために
用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体1が所
望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みなどを考
慮した形状を有する。
【0069】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、圧電前駆材6を得る。
【0070】前記圧電前駆材積層工程では、第1の実施
の形態に準じ、図9(a)に示すシート状の圧電前駆材6
を、焼成まで済んだ最終段階において所望の厚みが出せ
るように、予め圧電前駆材6のシート厚みと積層枚数を
考慮した上で積層し、図9(b)に示す圧電前駆材積層体
7を形成する。なお積層時に、必要に応じて圧力および
熱を加える。
【0071】前記加圧工程では、図9(c)に示すように
圧電前駆材積層体7を、加圧に必要な固さを有しかつ加
工しやすい、例えばアルミや真鍮などの金属材料からな
る押し型8を用いてプレスする。ここでは、圧電前駆材
積層体7に当接する面を平面とした上下の押し型8に加
えて、左右からも圧電前駆材積層体7との当接面の中央
部が凸形状を有した押し型8をあてて加圧することで、
図9(d)に示すように側面の中央部で幅が狭く、上下に
行くに従って幅が広くなるような不均一な幅を有する圧
電前駆材積層体7aを形成する。このように、薄い圧電
体1の側面部分に加工ツールを直接当てて加工する代わ
りに、加工しやすい金属材料を押し型8として所望な形
状に加工を施してその形状を転写することで、圧電体1
の破損を防ぐことができると同時に、形状精度の安定し
た圧電板1を複数個作製するのに適した製造方法を実現
できる。
【0072】前記焼成工程では、この圧電前駆材積層体
7aを焼成することにより、研削加工などの機械的な加
工をすることなく、所望の不均一厚みを有する圧電体1
を製造することができる。また、押し型8の形状を転写
しているので、前述のように形状の安定した圧電体1を
複数作製することができる。
【0073】なお、本実施の形態では圧電体1の形状と
して厚み方向の中央部の幅が狭く、上下にいくに従って
幅が広くなるような形状を作製する場合について説明し
たが、本発明はこのほかに、左右から押し当てる押し型
8を所望の不均一幅を有するような形状に加工して用い
ても同様の効果が得られるものである。さらに、幅方向
の不均一などのような形状であっても作製可能となる。
【0074】また、本実施の形態では圧電体1の左右の
幅が不均一な場合の製造工程について説明したが、本発
明はこのほかに、前後の幅が不均一であっても、あるい
は前後左右両方の幅が不均一であっても、押し型8の押
し当てる位置を前後にしたり、あるいは前後と左右の両
方から押し型8で加圧したり適宜選択することで、同様
の効果が得られるものである。
【0075】また、本実施の形態では上下の押し型8は
平面で平らに押すのみで、厚み方向には厚み分布がない
場合について説明したが、本発明はこのほかに、上下の
押し型8の形状を適宜変更することで、厚み方向にも厚
み分布を持たせた圧電体1を製造する場合についても同
様の効果が得られるものである。
【0076】また、本実施の形態では上下左右に押し型
8を当てて前後には何も当てない場合について説明した
が、図10に示すように、押し型3と同様に例えばアルミ
や真鍮などの金属材料からなる拘束壁9を前後に設けて
も同様の効果が得られるものである。さらに、前後方向
から加圧することにより、加圧時の圧電前駆材積層体7
の前後への極端な広がりを防ぐことができる。
【0077】また、本実施の形態では同一形状の圧電前
駆材6を積層して作製した圧電前駆材積層体7の左右か
ら押し型8を押し当てて成型する場合について説明した
が、図11(a)に示すように、予め横幅(左右方向の長
さ)の異なる圧電前駆材6を積層し、図11(b)に示す最
終的な圧電体1の形状に近い圧電前駆材積層体7を作製
してから加圧成型しても同様の効果が得られるものであ
る。このように、一定の幅を有さない圧電体1を成形す
る場合に、幅の狭い部分に相当する圧電前駆材6の幅を
狭くして積層することで、不均一な幅の圧電体の作製に
対して、幅方向の寸法精度がよくなり、また幅方向の寸
法変化に柔軟に対応できる。さらに、押し型8による加
圧力が抑制され、加圧時の不必要かつ不良な変形や圧電
前駆材積層体7a内部の残留応力を低下させることがで
きる。
【0078】[第5の実施の形態]図12に示すように、
本発明の第5の実施の形態の圧電体1は、複数の圧電前
駆材6(シート状圧電前駆材)が積層された圧電前駆材
積層体7(圧電前駆材体)に、一定の電極間距離を保つ
ように外部電極10および内部電極11(複数の電極層)を
形成したものである。
【0079】図12において、圧電体1は、例えば圧電セ
ラミクスによって形成され、図12の左右方向に関して中
央部の厚みが薄く、そこから両端部にいくに従って厚み
が厚くなる形状を有している。外部電極10は、例えば焼
き付け銀や金スパッタ膜などからなり、平板状の底面に
施される。内部電極11は、圧電体1内部に底面の外部電
極10とほぼ平行になるように施され、その片側には電気
的な接続が取りやすいように側面および底面に回り込ま
せている回し込み電極12が設けられている。ここで、回
し込み電極12と外部電極10は導通しないように所望の間
隔を明けて設置する。
【0080】なお、従来の圧電体では、この圧電体の上
下に露出している面上に電極が施されるのが一般的であ
り、図12に示す形状の圧電体の場合には、上面はちょう
ど凹面形状に沿って電極が施され、底面には平板状の電
極が形成されることになる。つまり二つの電極間距離は
一定ではなく、圧電体1中央部では電極間距離は狭くな
り、そこから両端部にいくに従って二つの電極間距離が
広がるため、分極処理時あるいは実際の使用時に圧電体
にかかる電界強度が一定ではなく、図12の左右方向の分
極状態にばらつきが生じる。また、両端の厚い部分に比
べ、中央部の薄い部分に強い電界がかかるために歪みが
大きくなり、この歪みに耐えられず、場合によっては圧
電体の薄い部分に微細な割れ(マイクロクラック)が発
生するおそれもある。
【0081】これに対し、図12に示す圧電体1は、外部
電極10と内部電極11の間の距離が一定であるため、分極
処理時あるいは実際の使用時においても、場所毎の電界
強度分布は発生しないために均一な分極状態を実現で
き、かつ圧電体1の微細な割れ(マイクロクラック)の
発生の原因となるような歪み分布を抑制することができ
るものである。
【0082】ここで、図13に本実施の形態の圧電体の製
造方法を示す。本実施の形態の圧電体1は二つの圧電体
1a、1bからなり、上側の圧電体1aは上面が凹面形
状、下面が平板形状を有している。下側の圧電体1bは
上下面ともに平板形状で厚みが一定であり、下面に外部
電極10を、上面に内部電極11を施している。さらに、電
気的な接続が容易なように、内部電極11に接続して右側
面および下面に回り込ませた回し込み電極12を設けてあ
る。なお、回し込み電極12と外部電極10は、導通しない
ように所望の間隔を明けて設置する。上側の圧電体1a
と下側の圧電体1bを、例えばエポキシ系接着剤や銀ペ
ーストなどで接合することで本実施の形態の圧電体1を
製造することができる。
【0083】以上のように、本発明の第5の実施の形態
の圧電体1は、複数の圧電前駆材6が積層された圧電前
駆材積層体7に、一定の電極間距離を保つように外部電
極10および内部電極11を形成しているので、電極間にか
かる電界強度を一定に保ち、均一な分極を実現できる。
【0084】また、本発明の第5の実施の形態の圧電体
1の製造方法は、表面が非平面状で裏面が平面状の第1
の圧電体1aと、表裏とも平面状で表裏面にそれぞれ外
部電極10、内部電極11および回し込み電極12(電極)を
設けた平板状の第2の圧電体1bとを製造する工程と、
第1の圧電体1aの裏面と第2の圧電体1bの表面とを
接合する工程とを有しているので、電極間にかかる電界
強度を一定に保ち、均一な分極を実現できる。また、分
極時および使用時の圧電体1の歪み量の分布をなくし
て、圧電体1の微細な割れなどの破損を未然に防ぐこと
ができる。
【0085】[第6の実施の形態]図14は、本発明の第
6の実施の形態の圧電体の製造方法を示す。これは第5
の実施の形態とは、圧電材料と結合材を混合した、少な
くとも2層以上の圧電前駆材6間に、少なくとも1層以
上の内部電極11を形成する点が相違している。この方法
によれば、厚み分布を有する同一形状の圧電体を容易か
つ精度よく形成できるという効果も得られる。また、均
一な分極を実現するとともに圧電体の破損を未然に防ぐ
という効果が得られる。
【0086】本実施の形態の圧電体1は、第5の実施の
形態に準じ、厚み方向の中央部の幅が狭く、上下に行く
に従って幅が広くなる形状を有しており、さらに平板状
の底面に外部電極10を設け、圧電体1内部に外部電極10
とほぼ平行になるように内部電極11を設け、この内部電
極11から圧電体1の片側側面および底面に回し込み電極
12を設けたものである。
【0087】また、圧電体1の製造工程には、第1の実
施の形態に準じ、圧電セラミクス粉末などの圧電材料か
らシート状の圧電前駆材6を成形する圧電前駆材成形工
程(図示せず)と、こうして得られたシート状の圧電前
駆材6(複数の圧電前駆材6の1枚には内部電極11が形
成されている)を積層する圧電前駆材積層工程(図14
(a)、(b)に示す)と、こうして得られた圧電前駆材積層
体7を上下方向から型押しする加圧工程(図14(c)に示
す)と、こうして所望の形状になるよう、加圧された圧
電前駆材積層体7aを焼成する焼成工程(図14(d)、(e)
に示す)と、こうして得られた圧電体1に外部電極10お
よび回し込み電極12をさらに設ける電極形成工程(図14
(f)に示す)とが含まれる。
【0088】図14において、圧電前駆材6は、前述のよ
うに圧電材料、結合剤などからなり、柔軟性を有すると
同時に加圧力などの力を加えたときにその力を吸収して
変形可能なものである。また、押し型8は、例えば鉄な
どの金属材料から成り、圧電前駆材積層体7に圧力をか
けてプレスし、作製された圧電前駆材積層体7aが所望
の不均一な厚みになるようにその形状を転写するために
用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体1が所
望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みなどを考
慮した形状を有する。
【0089】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、圧電前駆材6を得る。
【0090】前記圧電前駆材積層工程では、第1の実施
の形態に準じ、前記焼成工程まで済んだ最終段階におい
て所望の厚みが出るように、予め圧電前駆材6のシート
厚みと積層枚数を考慮した上で圧電前駆材6を積層する
のであるが、その際に、例えば白金ペーストなど、圧電
前駆材6の焼成時の高温に耐えられるような電極材料か
らなる内部電極11を圧電前駆材6の表面に設ける(図14
(a)に示す)。また、内部電極11を設ける圧電前駆材6
の位置は、焼成後の最終形状で厚み方向に所望の位置に
内部電極11がくるように考慮する必要がある。また、圧
電前駆材6の表面上での内部電極11の位置や大きさは、
最終的に内部電極11と図示しない信号線を電気的に接続
して電気信号を取り出すことを考慮して決定する必要が
ある。図14では、図中、右側面から信号線を取り出すこ
とを考慮して予め内部電極11を圧電前駆材6上で右寄り
に設置し、かつ左側から不必要に内部電極11がはみ出す
などして電気的なショートなどの予期せぬ問題が発生す
ることを予め防ぐために、左側の縁に内部電極11を配置
しないようにしている。
【0091】前記加圧工程では、図14(c)に示すように
圧電前駆材積層体7を、加圧に必要な固さを有しかつ加
工しやすい、例えばアルミや真鍮などの金属材料からな
る押し型8を用いてプレスする。ここでは、圧電前駆材
積層体7に当接する面を平面とした上下の押し型8を当
てて加圧することで、図14(d)に示すように側面の中央
部で幅が狭く、上下に行くに従って幅が広がり、さらに
底面にほぼ平行な内部電極11が設けられた圧電前駆材積
層体7aを形成する。このように薄い圧電体1の側面部
分に、加工しやすい金属材料を押し型8として所望な形
状に加工を施してその形状を転写することで、圧電体1
の破損を防ぐことができると同時に、形状精度の安定し
た圧電板1を複数個作製するのに適した製造方法を実現
できる。
【0092】前記焼成工程では、前述の圧電前駆材積層
体7aを焼成することにより、研削加工などの機械的な
加工をすることなく、所望の不均一厚みを有する圧電体
1を製造することができる。また、押し型8の形状を転
写しているので、前述のように形状の安定した圧電体1
を複数作製することができる。
【0093】前記電極形成工程では、図14(f)に示すよ
うに、焼成後の圧電体1の平板状の底面に例えば焼き付
け銀や金スパッタ膜などから成る外部電極10を設ける。
さらに、内部電極11との電気的な接続を容易にするため
に、圧電体1Aの右側面で内部電極11と接続し、その接
続位置から前記右側面を通じて底面まで回り込むように
回し込み電極12を設ける。この回し込み電極12は、所望
の形状の圧電体1に例えば焼き付け銀や金スパッタ膜な
どの電極材料で形成する。
【0094】なお、本実施の形態では圧電体1Aの最終
的な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から
端にいくにつれて厚みが厚くなる場合について説明した
が、本発明はこのほかに片面が凸形状であっても、凹凸
形状を有する面であっても、押し型8の形状を所望の形
状に適宜変更することで、圧電体1Aの形状を制限せず
に同様の効果が得られるものである。
【0095】また、本実施の形態では、四角形の板状の
圧電体1を形成する場合について説明したが、本発明は
このほかに円板形状などの任意形状であっても、圧電前
駆材6の形状および押し型8の形状を所望の形状に適宜
変えることによって同様の効果が得られるものである。
【0096】さらに、本実施の形態では、前記加圧工程
で圧電前駆材積層体7の上下方向から加圧しているが、
本発明はこのほかに例えば鉄などの金属材料からなる拘
束壁9(図2に示す)を設けることで、さらに加圧時の
圧電前駆材積層体7の前後左右方向への極端な広がりを
防ぐことができるものである。
【0097】[第7の実施の形態]図15は、本発明の第
7の実施の形態の圧電体の製造方法を示す。これは第6
の実施の形態とは、圧電材料と結合材を混合し、圧電体
1Aの厚みの厚い部分について選択的に多数積層した、
少なくとも2層以上の圧電前駆材6間に、少なくとも1
層以上の内部電極11を形成する点が相違している。この
方法によれば、圧電前駆材6の積層数を変更することで
厚み分布を有する圧電体の厚みに柔軟に対応できるとい
う効果も得られる。また、均一な分極を実現するととも
に圧電体の破損を未然に防ぐという効果が得られる。
【0098】本実施の形態の圧電体1は、第5の実施の
形態に準じ、厚み方向の中央部の幅が狭く、上下に行く
に従って幅が広くなる形状を有しており、さらに平板状
の底面に外部電極10を設け、圧電体1内部に外部電極10
とほぼ平行になるように内部電極11を設け、この内部電
極11から圧電体1の片側側面および底面に回し込み電極
12を設けたものである。
【0099】また、圧電体1の製造工程には、第1の実
施の形態に準じ、圧電セラミクス粉末などの圧電材料か
らシート状の圧電前駆材6を成形する圧電前駆材成形工
程(図示せず)と、こうして得られたシート状の圧電前
駆材6(複数の圧電前駆材6の1部には内部電極11が形
成されている)を積層する圧電前駆材積層工程(図15
(a)、(b)に示す)と、こうして得られた圧電前駆材積層
体7を上下方向から型押しする加圧工程(図15(c)に示
す)と、こうして所望の形状になるよう、加圧された圧
電前駆材積層体7aを焼成する焼成工程(図15(d)、(e)
に示す)と、こうして得られた圧電体1に外部電極10お
よび回し込み電極12をさらに設ける電極形成工程(図15
(f)に示す)とが含まれる。
【0100】図15において、圧電前駆材6は、前述のよ
うに圧電材料、結合剤などからなり、柔軟性を有すると
同時に加圧力などの力を加えたときにその力を吸収して
変形可能なものである。また、押し型8は、例えば鉄な
どの金属材料から成り、圧電前駆材積層体7に圧力をか
けてプレスし、作製された圧電前駆材積層体7aが所望
の不均一な厚みになるようにその形状を転写するために
用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体1、1
Aが所望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みな
どを考慮した形状を有する。
【0101】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、さらに必要に応じて幅サイズが異なるように加工
調整した圧電前駆材6を得る。
【0102】前記圧電前駆材積層工程では、第1の実施
の形態に準じ、前記焼成工程まで済んだ最終段階におい
て所望の厚みが出るように、予め圧電前駆材6のシート
厚みと積層枚数を考慮した上で、上層に行くほど幅が狭
くなるように加工調整した圧電前駆材6を積層するので
あるが、その際に、例えば白金ペーストなど、圧電前駆
材6の焼成時の高温に耐えられるような電極材料からな
る内部電極11を圧電前駆材6の表面に設ける(図15(a)
に示す)。また、内部電極11を設ける圧電前駆材6の位
置は、焼成後の最終形状で厚み方向に所望の位置に内部
電極11がくるように考慮する必要がある。また、圧電前
駆材6の表面上での内部電極11の位置や大きさは、最終
的に内部電極11と図示しない信号線を電気的に接続して
電気信号を取り出すことを考慮して決定する必要があ
る。図15では、図中、右側面から信号線を取り出すこと
を考慮して予め内部電極11を圧電前駆材6上で右寄りに
設置し、かつ左側から不必要に内部電極11がはみ出して
電気的なショートなどの予期せぬ問題が発生することを
予め防ぐために、左側の縁に内部電極11を配置しないよ
うにしている。
【0103】前記加圧工程では、図15(c)に示すように
圧電前駆材積層体7を、加圧に必要な固さを有しかつ加
工しやすい、例えばアルミや真鍮などの金属材料からな
る押し型8を用いてプレスする。ここでは、圧電前駆材
積層体7に当接する面を平面とした上下の押し型8を当
てて加圧することで、図15(d)に示すように側面の中央
部で幅が狭く、上下に行くに従って幅が広がり、さらに
底面にほぼ平行な内部電極11が設けられた圧電前駆材積
層体7aを形成する。このように、薄い圧電前駆材積層
体7aの側面部分に、加工しやすい金属材料を押し型8
として所望な形状に加工を施してその形状を転写するこ
とで、圧電体1の破損を防ぐことができると同時に、形
状精度の安定した圧電体1を複数個作製するのに適した
製造方法を実現できる。
【0104】前記焼成工程では、前述の圧電前駆材積層
体7aを焼成することにより、研削加工などの機械的な
加工をすることなく、所望の不均一厚みを有する圧電体
1を製造することができる。また、押し型8の形状を転
写しているので、前述のように形状の安定した圧電体1
を複数作製することができる。
【0105】前記電極形成工程では、図15(f)に示すよ
うに、焼成後の圧電体1の平板状の底面に例えば焼き付
け銀や金スパッタ膜などから成る外部電極10を設ける。
さらに、内部電極11との電気的な接続を容易にするため
に、圧電体1の右側面で内部電極11と接続し、その接続
位置から前記右側面を通じて底面まで回り込むように回
し込み電極12を設ける。この回し込み電極12は、所望の
形状の圧電体1に例えば焼き付け銀や金スパッタ膜など
の電極材料で形成する。
【0106】以上のように、本実施の形態では厚みの薄
いシート状の圧電前駆材6を積層して圧電前駆材積層体
7を作製するので、圧電前駆材6の積層数を変えること
で様々な圧電体1Aの厚みに柔軟に対応することができ
る。
【0107】なお、本実施の形態では圧電体1Aの最終
的な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から
端にいくにつれて厚みが厚くなる場合について説明した
が、本発明はこのほかに片面が凸形状であっても、凹凸
形状を有する面であっても、厚みの厚い部分に選択的に
圧電前駆材6の積層数を増やして厚み分布を変更するこ
とで、圧電体1Aの形状を制限せずに同様の効果が得ら
れるものである。
【0108】さらに、本実施の形態では、四角形の板状
の圧電体1を形成する場合について説明したが、本発明
はこのほかに円板形状などの任意形状であっても、圧電
前駆材6の形状および押し型8の形状を所望の形状に適
宜変えることによって同様の効果が得られるものであ
る。
【0109】また、本実施の形態では、上層に行くほど
幅が狭くなるように加工調整した圧電前駆材6を積層し
て、より最終形状に近い形状で圧電前駆材積層体7を形
成した場合について説明したが、本発明はこのほかに、
図16(a)、(b)に示すように前記最終形状の両端の厚みの
厚い部分に、同一幅または同一形状の圧電前駆材6を積
層して圧電前駆材積層体7を形成することによっても同
様の効果が得られるものである。さらに、圧電前駆材6
を異なる幅に加工調整する手間を省くことができ、厚み
の厚い部分に選択的に積層数を増やせば、各圧電前駆材
6の形状および形状変化に制限はない。
【0110】[第8の実施の形態]図17は、本発明の第
8の実施の形態の圧電体の製造方法を示す。これは第7
の実施の形態とは、少なくとも1層以上の平板状の圧電
前駆材6と、貫通穴の大きさが異なる少なくとも2層以
上の圧電前駆材6を形成し、これらの圧電前駆材6から
なる圧電前駆材積層間に、少なくとも1層以上の内部電
極11を形成する点が相違している。この方法によれば、
所望の圧電体1、1Aの厚みおよび形状に柔軟に対応で
きるという効果も得られる。また、均一な分極を実現す
るとともに圧電体の破損を未然に防ぐという効果が得ら
れる。
【0111】本実施の形態の圧電体1は、第5の実施の
形態に準じ、厚み方向の中央部の幅が狭く、上下に行く
に従って幅が広くなる形状を有しており、さらに平板状
の底面に外部電極10を設け、圧電体1内部に外部電極10
とほぼ平行になるように内部電極11を設け、この内部電
極11から圧電体1の片側側面および底面に回し込み電極
12を設けたものである。
【0112】また、圧電体1の製造工程には、第1の実
施の形態に準じ、圧電セラミクス粉末などの圧電材料か
らシート状の圧電前駆材6を成形する圧電前駆材成形工
程(図示せず)と、こうして得られたシート状の圧電前
駆材6を必要に応じて型抜きし、矩形窓状の貫通穴を設
ける型抜き工程(図示せず)と、こうして得られた窓枠
状の圧電前駆材6およびシート状の圧電前駆材6(複数
の圧電前駆材6の1部には内部電極11が形成されてい
る)を積層する圧電前駆材積層工程(図17(a)、(b)に示
す)と、こうして得られた圧電前駆材積層体7の前後の
縁部(不要部分)を断裁する縁切り工程(図17(c)に示
す)と、こうして得られた圧電前駆材積層体7を上下方
向から型押しする加圧工程(図17(d)に示す)と、こう
して所望の形状になるよう、加圧された圧電前駆材積層
体7aを焼成する焼成工程(図17(e)、(f)に示す)と、
こうして得られた圧電体1に外部電極10および回し込み
電極12をさらに設ける電極形成工程(図17(g)に示す)
とが含まれる。
【0113】図17において、圧電前駆材6は、前述のよ
うに圧電材料、結合剤などからなり、柔軟性を有すると
同時に加圧力などの力を加えたときにその力を吸収して
変形可能なものである。また、押し型8は、例えば鉄な
どの金属材料から成り、圧電前駆材積層体7に圧力をか
けてプレスし、作製された圧電前駆材積層体7aが所望
の不均一な厚みになるようにその形状を転写するために
用いるもので、最終的に焼成して得られた圧電体1Aが
所望の不均一厚みを有するように、焼成時の縮みなどを
考慮した形状を有する。
【0114】前記圧電前駆材成形工程では、例えばPZ
Tなどの圧電セラミクス粉末からなる圧電材料と、結合
剤(必要ならば可塑剤などを含む)とを混合して溶媒に
溶かしたものを、ドクターブレード法などにより数十ミ
クロンから数百ミクロンオーダーの厚みのシート状に成
形し、圧電前駆材6を得る。
【0115】前記型抜き工程では、シート状の圧電前駆
材6に対し、必要に応じて型抜きなどの加工を施し、異
なるサイズに調整した貫通穴(矩形)を設ける。
【0116】前記圧電前駆材積層工程では、図17(a)に
示すように、まずシート状および窓枠状の圧電前駆材6
を、焼成まで済んだ最終段階において所望の厚みが出せ
るように、予め圧電前駆材6のシート厚みの変化と積層
枚数を考慮した上で積層する。なお、前述のように、複
数の圧電前駆材6の1部には内部電極11が形成されてい
る。ここでは、圧電体1の両端部が中央部に比べて厚い
形状となるように製造するために、上層に行くほど窓枠
状の貫通穴の幅を狭く加工調整した圧電前駆材6を、同
一厚み位置の両端に同時に積層して図17(b)に示す圧電
前駆材積層体7Aを形成する。なお、第1の実施の形態
に準じ、積層時に、必要に応じて圧力および熱を加え
る。
【0117】ここで、圧電前駆材6の外縁を同一形状
(同一サイズ)として、貫通穴を空ける際の位置精度を
正確にし、圧電前駆材6を揃えて重ねることで、両端の
厚みの厚い圧電前駆材6部分の位置ずれを抑えて積層す
ることができる。あるいは、圧電前駆材6の形状が同一
でなくても、各圧電前駆材6に隣り合う二つの縁で直角
を少なくとも一箇所形成し、その直角に対して貫通穴の
位置決めを行い、積層するすべての圧電前駆材6の直角
部分を揃えて重ねることで、位置ずれを抑制して積層す
ることができる。また、圧電前駆材6の貫通穴の幅方向
の大きさを変化させ、厚み変化に準じて圧電前駆材6の
幅を順次変化させて積層することにより(ここでは、貫
通穴の幅方向の大きさの小さいものから大きいものへと
変化させて積層することにより)、中央部から端部にい
くにつれて順に厚くなっていく形状の圧電前駆材積層体
7Aを形成することができる。
【0118】前記縁切り工程では、前記加圧工程に進む
前に、貫通穴を設けた圧電前駆材6を積層したことによ
って発生する不要部分を切り落とす。なお、圧電前駆材
積層体7Aの厚みの薄い部分が極端に薄いために、前記
不要部分を切断すると必要な形状を維持できず、圧電前
駆材積層体7Aの全体が湾曲してしまうような場合に
は、前記不要部分を切断せずにこれを補強部分として利
用することも可能である。この場合には、前記加圧工程
終了後または前記焼成工程終了後に前記不要部分を除去
すればよい。
【0119】前記加圧工程では、第1の実施の形態に準
じ、例えば鉄などの金属からなる押し型8を用いて、図
17(d)に示すように圧電前駆材積層体7の厚み方向に圧
力をかけ、図17(e)に示すような厚みが不均一である圧
電前駆材積層体7aを作製する。ここでは、前記縁切り
工程で、図17(c)に示すように圧電前駆材積層体7の形
状を最終的な厚み分布を有する圧電体1の形状に近づけ
ているので、押し型8による加圧時の加圧力を抑えるこ
とができ、加圧による不必要かつ不良な変形および圧電
前駆材積層体7a内部の残留応力を低下させることが可
能であると同時に、圧電前駆材6の変形だけでは賄えな
いような厚み分布の大きい場合(厚みの薄い部分と厚い
部分の差が大きい場合)に有利である。
【0120】前記焼成工程では、第1の実施の形態に準
じて圧電前駆材積層体7aを焼成することにより、研削
加工などの機械的な加工をすることなく、所望の不均一
厚みを有する圧電体1を製造することができる。また、
押し型8の形状を転写しているので、形状の安定した圧
電体1を複数作製することができる。
【0121】前記電極形成工程では、焼成工程終了後の
圧電体1の平板状の底面に、例えば焼き付け銀や金スパ
ッタ膜などからなる外部電極10を設ける。さらに、内部
電極11との電気的な接続を容易とするために、圧電体1
の右側面で内部電極11と接続し、その接続位置から側面
を通じて底面まで回り込んだ回し込み電極12を設ける。
例えば、焼き付け銀や金スパッタ膜などの電極材料で回
し込み電極12を形成することにより、所望の形状の圧電
体1Aを作製する。
【0122】なお、本実施の形態では圧電体1Aの最終
的な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央から
端にいくにつれて厚みが厚くなる場合について説明した
が、本発明はこのほかに片面が凸形状であっても、凹凸
形状を有する面であっても、厚みの厚い部分に選択的に
圧電前駆材6の積層数が増えるように、圧電前駆材6に
設けた貫通穴の位置や大きさ、数を制御して厚み分布を
変更することで、圧電体1Aの形状を制限せずに同様の
効果が得られるものである。
【0123】また、本実施の形態では圧電体1、1Aの
最終的な形状として片面に凹面の湾曲形状を有し、中央
から両端(2方向)にいくにつれて厚みが厚くなるため
に不要な縁部分を除去する場合について説明したが、本
発明はこのほかに、圧電体1、1Aの最終的な形状とし
て中心部から縁部にいくに従い、厚みが厚くなるような
形状(図6、図7に示す)に適用すると、不要な縁部分
が発生せず、縁部分を除去する工程も不要となる。
【0124】また、本実施の形態では上層に行くほど貫
通穴の幅方向の大きな圧電前駆材6を積層して、より最
終形状に近い形状の圧電前駆材積層体7を形成した場合
について説明したが、本発明はこのほかに、圧電体1、
1Aの最終形状が実現できるのであれば、図18に示すよ
うに貫通穴を異なる幅に加工調整する手間を省いて同一
形状の貫通穴を形成した圧電前駆材6(図18(a)に示
す)を積層して圧電前駆材積層体7A(図18(b)に示
す)を形成してもよく、厚みの厚い部分に選択的に積層
数が増えるように、圧電前駆材6に設けた貫通穴の位置
や大きさ、数を制御して厚み分布を変更することで、圧
電体1Aの形状を制限せずに同様の効果が得られるもの
である。
【0125】さらに、前述の各実施の形態(図12から図
18に示す)では、内部電極11の一方端を側面および底面
まで回し込むことで、回し込み電極12に接続した場合に
ついて説明したが、本発明はこのほかに回し込み電極12
を側面のみに設け、あるいは回し込み電極12を設けずに
側面表面に現れる内部電極11と直接電気的に接続する構
成とするなど、内部にある電極との電気的な接続が可能
であれば、圧電体1、1Aの構成を制限せずに同様の効
果が得られるものである。
【0126】また、前述の各実施の形態(図12から図18
に示す)では、内部電極11が1層の場合について説明し
たが、本発明はこのほかに図19に示すように内部電極11
を所望の厚み位置に複数層設置する場合に適用しても同
様の効果が得られるものである。
【0127】[第9の実施の形態]図20に示すように、
本発明の第9の実施の形態の超音波探触子は、前述の第
1の実施の形態から第4の実施の形態のいずれかに示す
圧電体1Cを設けたものである。
【0128】図20において、音響整合層2は、超音波を
効率よく送信あるいは受信するために設けられている。
背面負荷材4は、圧電体1Cの背面で音響的なダンピン
グ作用を行う。圧電体1Cの下面の外部電極10と電気的
に接続されている、例えばFPCなどからなる信号線13
は、図示しない超音波診断装置や非破壊検査装置などの
装置本体と図示しないケーブルを介して接続されてい
る。圧電体1Cの上面の外部電極10と電気的に接続され
ている、例えば銅箔などからなるアース線14は、やはり
図示しない超音波診断装置や非破壊検査装置などの装置
本体と図示しないケーブルを介して接続されている。
【0129】以上のように、本発明の第9の実施の形態
の超音波探触子は、第1の実施の形態から第4の実施の
形態のいずれかに示す圧電体1を設けているので、超音
波探触子の特性の個体差を抑制できる。すなわち、本実
施の形態の超音波探触子は、困難な機械加工を施さずに
押し型の形状転写によって作製した圧電体1Cを用いる
ため、圧電体に確認困難な微細な割れなどが発生する可
能性を抑え、安定した超音波探触子特性が確保できると
同時に、押し型の形状を転写する圧電体は同一形状を安
定して複数製造することに適しており、それを用いるこ
とで超音波探触子の特性の個体差を抑制することができ
る。
【0130】なお、本実施の形態では音響整合層2が1
層の場合について説明したが、本発明はこのほかに音響
整合層2が複数層の場合にも同様の効果が得られるもの
である。
【0131】また、本実施の形態では圧電体1下面の外
部電極10bと信号線13を接続し、上面の外部電極10aと
アース線14とを接続した場合について説明したが、本発
明はこのほかに接続順を逆にした場合にも同様の効果が
得られるものである。
【0132】さらに、本実施の形態では従来技術で示し
た音響レンズ3(図24に示す)が無い超音波探触子につ
いて説明したが、本発明はこのほかに音響レンズがある
超音波探触子についても同様の効果が得られるものであ
る。
【0133】[第10の実施の形態]図21は本発明の第10
の実施の形態の超音波探触子の概略図を示す。これは、
第9の実施の形態とは、第5乃至第8の実施の形態のい
ずれかに示す圧電体1Aを設けた点が相違している。こ
の構成によれば、安定した超音波の送受信特性を実現
し、また駆動時の歪み量の分布もないために、圧電体1
Aの微細な割れなどの発生を防ぎ、安定した特性を維持
できるという効果も得られる。以下、第9の実施の形態
と同一の構成要素には同一符号を付与して説明を省略す
る。
【0134】図21において、アース線14は、圧電体1A
の内部電極11に接続された回し込み電極12と圧電体1A
の下面で電気的に接続されている。ここでは、外部電極
10と内部電極11がほぼ平行に配置されており、分極にば
らつきがない圧電体1Aを用いている。
【0135】なお、本実施の形態では音響整合層2が1
層の場合について説明したが、本発明はこのほかに、音
響整合層2を複数層にしても同様の効果が得られるもの
である。
【0136】また、本実施の形態では圧電体1A下面の
外部電極10と信号線13を接続し、圧電体1A内で外部電
極10上方の内部電極11とアース線14を接続した場合につ
いて説明したが、本発明はこれとは逆に、外部電極10と
アース線14を接続し、内部電極11と信号線13を接続して
も同様の効果が得られるものである。
【0137】さらに、本実施の形態では超音波探触子に
従来の技術で示した音響レンズ3(図24に示す)が無い
場合について説明したが、本発明はこのほかに、超音波
探触子に音響レンズを設けても同様の効果が得られるも
のである。
【0138】[第11の実施の形態]図22に示すように、
本発明の第11の実施の形態の超音波診断装置16は、第9
の実施の形態(図20に示す)と第10の実施の形態(図21
に示す)のいずれかの超音波探触子15を設けたものであ
る。ここで、超音波探触子15と超音波診断装置16の本体
とは有線で接続されている。
【0139】以上のように、本発明の本発明の第11の実
施の形態の超音波診断装置16は、第9の実施の形態およ
び第10の実施の形態のいずれかの超音波探触子15を設け
ているので、特性が安定して個体差がないという超音波
探触子15の長所を活かして、安定した信頼性の高い超音
波診断を行うことができる。
【0140】なお、本実施の形態では超音波探触子15と
超音波診断装置16の本体とを有線で接続した場合につい
て説明したが、本発明は有線接続のほかに、無線による
遠隔操作などを用いても同様の効果が得られるものであ
る。
【0141】[第12の実施の形態]図23に示すように、
本発明の第12の実施の形態の非破壊検査装置17は、第9
の実施の形態(図20に示す)と第10の実施の形態(図21
に示す)のいずれかに示す超音波探触子15を設けたもの
である。ここで、超音波探触子15と非破壊検査装置17の
本体とは有線で接続されている。
【0142】以上のように、本発明の本発明の第12の実
施の形態の非破壊検査装置17は、第9の実施の形態およ
び第10の実施の形態のいずれかに示す超音波探触子15を
設けているので、特性が安定して個体差がないという超
音波探触子15の長所を活かして、安定した信頼性の高い
非破壊検査を行うことができる。
【0143】なお、本実施の形態では超音波探触子15と
非破壊検査装置17の本体とを有線で接続した場合につい
て説明したが、本発明は有線接続のほかに、無線による
遠隔操作などを用いても同様の効果が得られるものであ
る。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は圧電材料
と結合材を混合した圧電前駆材を所望の形状になるよう
に型押しすることにより、厚み分布を有し、寸法精度が
よいという優れた効果を有する圧電体を提供することが
できるものである。また、本発明は圧電材料と結合材を
混合した圧電前駆材を所望の形状になるように型押しす
ることにより、研削加工などの複雑な機械加工を要せず
に厚み分布を有する圧電体を精度よく複数作製できると
いう優れた効果を有する圧電体の製造方法を提供するこ
とができるものである。さらに、本発明は圧電体の厚み
分布に応じて複数のシート状圧電前駆材を積層すること
により、所望の圧電体の厚みに柔軟に対応できるという
優れた効果を有する圧電体の製造方法を提供することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図2】本発明の第1の実施の形態の他の加圧工程(前
後左右の拘束壁を用いる場合)を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態の他の圧電前駆材積
層工程(厚み部分に同一形状の圧電前駆材を積層する場
合)を示す図
【図5】本発明の第3の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図6】本発明の他の実施の形態の圧電体の製造工程
(縁切り工程を省く場合)を適用可能な圧電体の形状を
示す図
【図7】本発明の他の実施の形態の圧電体の製造工程
(縁切り工程を省く場合)を適用可能な圧電体の形状を
示す図
【図8】本発明の第3の実施の形態の他の圧電前駆材積
層工程(同一形状の貫通穴を有する圧電前駆材を積層す
る場合)を示す図
【図9】本発明の第4の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図10】本発明の第4の実施の形態の他の加圧工程(上
下および前後左右から加圧する場合)を示す図
【図11】本発明の第4の実施の形態の他の圧電前駆材積
層工程(幅方向の厚み分布を予め設ける場合)を示す図
【図12】本発明の第5の実施の形態の圧電体を示す概略
【図13】本発明の第5の実施の形態の圧電体の製造方法
(接合)を示す図
【図14】本発明の第6の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図15】本発明の第7の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図16】本発明の第7の実施の形態の他の圧電前駆材積
層工程(厚み部分に同一形状の圧電前駆材を積層する場
合)を示す図
【図17】本発明の第8の実施の形態の圧電体の製造工程
を示す図
【図18】本発明の第8の実施の形態の他の圧電前駆材積
層工程(同一形状の貫通穴を有する圧電前駆材を積層す
る場合)を示す図
【図19】本発明の第8の実施の形態の圧電体(2層の内
部電極を有する場合)を示す概略図
【図20】本発明の第9の実施の形態の超音波探触子を示
す概略図
【図21】本発明の第10の実施の形態の超音波探触子を示
す概略図
【図22】本発明の第11の実施の形態の超音波診断装置を
示す概念図
【図23】本発明の第12の実施の形態の非破壊検査装置を
示す概念図
【図24】従来の超音波探触子の概略図
【図25】従来の超音波探触子に用いる圧電体の製造方法
を示す図
【図26】従来の超音波探触子に用いる圧電体の他の製造
方法を示す図
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1a、1b 圧電体 2 音響整合層 3 音響レンズ 4 背面負荷材 5 研削砥石 6 圧電前駆材 7、7a 圧電前駆材積層体(圧電前駆材体) 8 押し型 9 拘束壁 10、10a、10b 外部電極 11 内部電極 12 回し込み電極 13 信号線 14 アース線 15 超音波探触子(超音波プローブ) 16 超音波診断装置(本体) 17 非破壊検査装置(本体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−56981(JP,A) 特開 昭57−89400(JP,A) 実開 昭56−147698(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 31/00 330 A61B 8/00 G01N 29/24 H04R 17/00 330

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料を含む圧電前駆材から所定の圧
    電前駆材体を形成する第1の工程と、前記圧電前駆材体
    を型押し成形する第2の工程とを有する圧電体の製造方
    法であって、 第1の工程で、前記圧電体の厚み分布に応じて複数のシ
    ート状圧電前駆材を積層する ことを特徴とする圧電体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程で、前記圧電体の厚み分
    布に応じてシート状圧電前駆材および貫通穴を有するシ
    ート状圧電前駆材を積層することを特徴とする請求項1
    に記載の圧電体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記貫通穴の大きさ、形状のいずれかが
    異なる複数のシート状圧電前駆材を積層することを特徴
    とする請求項2に記載の圧電体の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面が非平面状で裏面が平面状の第1の
    圧電体と、表裏とも平面状で表裏面にそれぞれ電極を設
    けた平板状の第2の圧電体とを製造する工程と、前記第
    1の圧電体の裏面と前記第2の圧電体の表面とを接合す
    る工程とを有することを特徴とする圧電体の製造方法。
  5. 【請求項5】 圧電材料を含む圧電前駆材からなる圧電
    前駆材体を型押し成形した圧電体であって、 前記圧電前駆材体が、前記圧電体の厚み分布に応じて積
    層された複数のシート状圧電前駆材からなる ことを特徴
    とする圧電体。
  6. 【請求項6】 前記圧電前駆材体が、前記圧電体の厚み
    分布に応じて積層された複数のシート状圧電前駆材から
    なり、この複数のシート状圧電前駆材に、貫通穴を有す
    るシート状圧電前駆材を含むことを特徴とする請求項5
    に記載の圧電体。
  7. 【請求項7】 前記複数のシート状圧電前駆材に、前記
    貫通穴の大きさ、形状のいずれかが異なる複数のシート
    状圧電前駆材を含むことを特徴とする請求項6に記載の
    圧電体。
  8. 【請求項8】 前記複数のシート状圧電前駆材が積層さ
    れた圧電前駆材体に、一定の電極間距離を保つように複
    数の電極層を形成したことを特徴とする請求項5乃至7
    のいずれかに記載の圧電体。
  9. 【請求項9】 請求項5乃至8のいずれかに記載の圧電
    体を設けたことを特徴とする超音波探触子
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の超音波探触子を設け
    ことを特徴とする超音波診断装置
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の超音波探触子を設け
    ことを特徴とする非破壊検査装置
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