JP3438307B2 - Snメッキ銅合金板 - Google Patents
Snメッキ銅合金板Info
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Description
期間使用することができる端子、コネクタ、リレー、ブ
スバーなど電気・電子回路部品を製造するためのSnメ
ッキ銅合金板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、端子、コネクタ、リレー、ブスバ
ーなど電気・電子回路部品を製造するには、Fe:1.
5〜3.5重量%、Sn:0.02〜0.15重量%を
含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を
有する銅合金板(特公昭45−10621号公報参
照)、Fe:1.5〜3.5重量%、P:0.01〜
0.15重量%、Zn:0.03〜2.0重量%を含有
し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有す
る銅合金板(特公昭45−10623号公報参照)など
の銅合金板にSnメッキを施したSnメッキ銅合金板を
プレス加工、打抜き加工、曲げ加工などの金属加工を施
すことにより作製される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】近年、自動車のエンジ
ン回りにも前記端子、コネクタ、リレー、ブスバーなど
電気・電子回路部品が取り付けられるようになってき
た。しかし、自動車のエンジン回りは高温多湿な過酷な
環境下にあるために、従来のSnメッキ銅合金板で作製
された端子、コネクタ、リレー、ブスバーなど電気・電
子回路部品を長期間使用すると、Snメッキ銅合金板の
銅合金板に含まれるCuがSnメッキ層に拡散してSn
メッキ層表面に析出し、この析出したCuが酸化して接
触抵抗が増加する、などの課題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる観点から、高温多湿な環境下で長期間使用しても
接触抵抗が増加することのない端子、コネクタ、リレ
ー、ブスバーなど電気・電子回路部品を作製することの
できるSnメッキ銅合金板を得るべく研究を行った結
果、Fe:1.5〜2.5重量%、P:0.002〜
0.15重量%、Zn:0.05〜2.0重量%、S
n:0.2〜1.2重量%、Al:0.002〜0.5
重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からな
る組成を有する銅合金板にSnメッキを施してなるSn
メッキ銅合金板は、高温多湿な環境下に長期間さらされ
てもCuがSnメッキ層に拡散しにくくなり、したがっ
てSnメッキ層表面が酸化されにくくなり、接触抵抗の
増加が抑制されるという知見を得たのである。 【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、Fe:1.5〜2.5重量%、P:
0.002〜0.15重量%、Zn:0.05〜2.0
重量%、Sn:0.2〜1.2重量%、Al:0.00
2〜0.5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不
純物からなる組成を有する銅合金板にSnメッキを施し
てなるSnメッキ銅合金板に特徴を有するものである。 【0006】この発明のSnメッキ銅合金板が従来のS
nメッキ銅合金板に比べてCuがSnメッキ層に拡散浸
透しにくい理由として、Al:0.002〜0.5重量
%を含有した銅合金板を使用したことによるものと考え
られる。 【0007】この発明のSnメッキ銅合金板は、Fe:
1.5〜2.5重量%、P:0.002〜0.15重量
%、Zn:0.05〜2.0重量%、Sn:0.2〜
1.2重量%、Al:0.002〜0.5重量%を含有
し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有す
る銅合金板に通常のSnメッキを施すことにより製造さ
れる。 【0008】つぎに、この発明のSnメッキ銅合金板を
構成する銅合金板の成分組成を上記のごとく限定した理
由について説明する。 【0009】(a) Fe Feは、導電率を大幅に低下させることなく微細分散す
る鉄および鉄隣化物の形成によって銅合金板の強度を向
上させる作用があるが、その含有量が1.5重量%未満
ではその効果が十分でなく、一方、2.5重量%を越え
て含有すると、導電率が低下するようになると共に、素
地中に鉄の大きな析出物が形成され、Snメッキの耐熱
剥離性が著しく低下するので好ましくない。したがっ
て、Feの含有量は、1.5〜2.5重量%に定めた。
一層好ましい範囲は、1.8〜2.3重量%である。 【0010】(b) P Pは、脱酸作用があるほか、微細に分散する鉄隣化物の
形成によってCu合金の強度および耐熱性を向上させる
作用があるが、その含有量が0.002重量%未満では
その効果が十分でなく、一方、0.15重量%を越えて
含有すると熱間圧延性を低下させると共に、Snメッキ
の耐熱剥離性を損なうことになって好ましくない。した
がって、Pの含有量は、0.002〜0.15重量%に
定めた。一層好ましい範囲は、0.005〜0.05重
量%である。 【0011】(c) Zn Znは、Pと同様に脱酸作用があるほか、はんだ耐熱剥
離性を向上させる作用があるが、その含有量が0.05
重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、2重量%
を越えて含有すると導電率が低下し、応力腐食割れ感受
性も高くなるところから、Znの含有量は0.05〜2
重量%に定めた。一層好ましい範囲は、0.1〜0.5
重量%である。 【0012】(d) Sn Snは、素地に固溶して、強度、ばね性を高め、かつ析
出する鉄および鉄隣化物を微細化し、もって比較的高い
温度環境下での耐熱クリープ性(耐応力緩和性)を向上
させる作用、並びにSnメッキの耐熱剥離性を向上させ
る作用があるが、その含有量が0.2重量%未満ではそ
の効果が十分でなく、一方、1.2重量%を越えて含有
すると導電率が低下するので好ましくない。したがって
Snの含有量は、0.2〜1.2重量%に定めた。一層
好ましい範囲は、0.3〜0.8重量%である。 【0013】(e) Al Alは、素地に固溶して、強度を向上させると共に、比
較的高い温度環境下で、銅合金板のCuがSnメッキ層
に拡散することを抑制してSnメッキ表面の接触抵抗の
増加を抑制する作用があるが、その含有量が0.002
重量%未満ではその効果が十分でなく、一方、0.5重
量%を越えて含有すると導電率の低下が著しくなるとと
もに、Snメッキの耐熱剥離性が低下するので好ましく
ない。したがってAlの含有量は、0.002〜0.5
重量%に定めた。一層好ましい範囲は、0.005〜
0.1重量%である。 【0014】 【実施例】通常の低周波誘導炉を用い、大気中、木炭被
覆下でそれぞれ表1および表2に示される成分組成のC
u合金を溶製し、半連続鋳造法により厚さ:100m
m、幅:350mm、長さ:1600mmの寸法を有す
るCu合金鋳塊を製造した。これらCu合金鋳塊を温
度:950℃で熱間圧延して厚さ:10mmの熱延板と
し、この熱延板を水冷したのち、上下表面を0.5mm
づつ面削して厚さ:9mmとし、さらに両側端部を3m
mづつ面削した。この面削した熱延板を冷間圧延と焼鈍
を繰り返し行い、1mmの冷延板とし、続いてこの冷延
板に温度:500℃、3時間保持の時効処理を施したの
ち、ロールバフ研磨を施して表面の酸化膜および汚れを
除去した状態で圧下率:60%の最終仕上げ冷間圧延し
て厚さ:0.4mmの条とし、続いて酸洗いすることに
よって銅合金条a〜vを作製した。 【0015】得られた銅合金条a〜vに、通常の条件で
厚さ:1.5μmのSn電気メッキを施したのち、加熱
リフロー処理することにより、本発明Snメッキ銅合金
条1〜18、比較Snメッキ銅合金条1〜2および従来
Snメッキ銅合金条1〜2を製造した。これら本発明S
nメッキ銅合金条1〜18、比較Snメッキ銅合金条1
〜2および従来Snメッキ銅合金条1〜2について、下
記のSnメッキの耐熱剥離性および接触抵抗を測定し、
その結果を表1および表2に示した。 【0016】Snメッキ耐熱剥離試験 本発明Snメッキ銅合金条1〜18、比較Snメッキ銅
合金条1〜2および従来Snメッキ銅合金条1〜2か
ら、それぞれ幅:50mm、長さ:100mmの寸法の
試験片を採取し、これを温度:150℃、500時間加
熱し、加熱後の試験片より幅:10mm、長さ:50m
mの寸法の試験片を切り出し、180°曲げて密着し、
再び180°曲げ戻し、この曲げ部近傍におけるSnメ
ッキ剥離の有無を10倍の視野にて観察することにより
評価した。 【0017】接触抵抗試験 本発明Snメッキ銅合金条1〜18、比較Snメッキ銅
合金条1〜2および従来Snメッキ銅合金条1〜2か
ら、それぞれ幅:40mm、長さ:40mmの寸法の試
験片を採取し、これを先端金メッキした直径:3mm、
先端の曲率半径が1.5mmのプローブを用い、荷重:
300gで接触抵抗を測定し、さらに前記試験片を温
度:150℃、500時間加熱した後の試験片の接触抵
抗を同様にして測定し、加熱前後の接触抵抗の差を接触
抵抗の増加量として求め、電気・電子回路部品用Snメ
ッキ銅合金板としての良否を評価した。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】【0020】表1および表2に示される結果から、本発
明Snメッキ銅合金条1〜18は従来Snメッキ銅合金
条1〜2に比べて、いずれもSnメッキの耐熱剥離性は
ほぼ同等であるが、本発明Snメッキ銅合金条1〜18
は従来Snメッキ銅合金条1〜2に比べて、特に加熱前
後の接触抵抗の増加量が少ないところから表面腐食が少
なく、したがって、電気・電子回路部品を製造するため
のSnメッキ銅合金板として優れていることが分かる。 【0021】 【発明の効果】上述のように、この発明のSnメッキ銅
合金板で作製された端子、コネクタ、リレー、ブスバー
など電気・電子回路部品は、接触抵抗の増加量が少ない
ところから、自動車のエンジン回りなどの過酷な環境下
でも交換すること無く長期に亘って使用することがで
き、産業上優れた効果をもたらすものである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 Fe:1.5〜2.5重量%、P:0.
002〜0.15重量%、Zn:0.05〜2.0重量
%、Sn:0.2〜1.2重量%、Al:0.002〜
0.5重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物
からなる組成を有する銅合金板にSnメッキを施してな
ることを特徴とするSnメッキ銅合金板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08393094A JP3438307B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | Snメッキ銅合金板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08393094A JP3438307B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | Snメッキ銅合金板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07268511A JPH07268511A (ja) | 1995-10-17 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP08393094A Expired - Fee Related JP3438307B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | Snメッキ銅合金板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1994
- 1994-03-30 JP JP08393094A patent/JP3438307B2/ja not_active Expired - Fee Related
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