JP3433761B2 - 半導体量子細線の製造方法 - Google Patents
半導体量子細線の製造方法Info
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Description
に関するものである。
導体デバイスの実現をめざして、半導体量子細線に関す
る研究が進展している。一般に、半導体量子細線は、化
合物半導体基板上に基板と材料あるいは組成の異なる薄
膜を形成したもので、その膜厚および膜幅が100nm
以下という極めて微細な化合物半導体層を埋め込んだ構
造であるため、半導体材料への微細加工技術と分子層あ
るいは原子層を制御する結晶成長技術を利用した製造方
法が検討されている。半導体量子細線の従来例として、
GaAs基板上に形成されたGaAs量子細線の構造を
図11に示す。これは予めV溝を形成したGaAs基板
1上に、有機金属気相成長法による成長層の厚さ方向と
横方向との成長速度の差を利用して、V溝底部に3角形
あるいは三日月状の断面形状を有する量子細線5を実現
するものである。この量子細線の製造工程を図12に示
す。はじめに、(001)GaAs基板上にV溝を形成
する。これは基板上にストライプ状のエッチングマスク
を外1方向に配したのち、化学エッチングにより(11
1)A面が側面に現れたV溝8を形成する(a)。V溝
8の大きさ(幅)は約2μmである。次に、有機金属気
相成長法によって、AlGaAs層2(b)、GaAs
層3(c)、AlGaAs層4を順次成長する(d)。
ここでGaAs層3の成長においてはGaAs層3はV
溝側壁にほとんど成長せず、V溝底部のみ成長するため
GaAs量子細線5が形成される。
方法には次のような欠点がある。まず、V溝を利用する
ために断面形状が3角あるいは三日月状の量子細線のみ
しか得られないことである。このため、量子細線は縦方
向の厚みに比べて横幅が大きくなるため、横方向の量子
効果が縦方向の量子効果に比べて弱くなる。また、量子
細線の横幅及び厚みをそれぞれ単独に制御することが不
可能であり、所望の横幅あるいは厚さの量子細線を実現
できないことである。
量子細線の横幅の微細化と制御性の向上を図ることがで
きる半導体量子細線の製造方法を提供することにある。
に、本発明の半導体量子細線の製造方法は、V溝加工し
た(001)化合物半導体基板の該V溝側の表面に該V
溝を埋没するように有機金属気相成長法により第一の化
合物半導体からなる量子障壁薄膜を前記基板に対して垂
直な(110)面または垂直に近い傾きを持つ高指数面
が現れる成長条件を用いて成長して、前記基板の面に対
して垂直な(110)面または垂直に近い傾きを持つ高
指数面を有する結晶面を側壁に持つU字形状の溝を該V
溝の位置に形成する第一の工程と、第二の化合物半導体
からなる量子井戸薄膜を前記U字形状の溝の底部に形成
する第二の工程と、前記第一の化合物半導体と同一また
は異種の化合物半導体からなる量子障壁薄膜を該量子井
戸薄膜を形成したU字形状の溝を埋没するように形成す
る第三の工程とを含む構成を有している。
半導体障壁薄膜の結晶成長において、基板に対して垂直
な(110)面あるいは垂直に近い傾きを持つ結晶面が
現れる成長条件を用いることによりU字形状の溝を形成
する。このU字形状の溝幅の制御により量子細線の横幅
の制御を行う。続いて第二層目の半導体量子井戸薄膜の
結晶成長でU字形状の溝内に形成する量子細線の厚さの
制御を行う。このため、本発明は量子細線の横幅および
厚みを独立に制御可能であるため、任意の縦横比を有す
る量子細線を実現することができる。さらに、縦方向
(基板の厚さ方向)に量子細線を多重に積層した多重量
子細線を実現することができる。
る。 (実施例1)化合物半導体材料としてGaAsを基板と
し、Alx Ga1-x As層に埋め込まれたGaAsの量
子細線の製造について説明する。本発明により製造され
た量子細線の基板構造を図1に示す。ここで、量子細線
は5の部分である。本発明の製造工程を図2に示す。以
下順次説明する。 (1) はじめに、従来の方法と同様に(001)Ga
As基板1にストライプ状のエッチング用マスクを外2
方向に配し、化学エッチングによりV溝9を形成する
(a)。ただし、このV溝の大きさは、後述するように
従来の十分の一以下である。
を620℃、成長圧力を76Torrとして有機金属気相成
長法により、V溝9を埋没するようにAlx Ga1-x A
s層6の成長を行い、V溝6の中央部に位置するAlx
Ga1-x As層6内にU字形状の溝10を形成する。原
料は、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチ
ルガリウム(TMGa)およびアルシン(AsH3 )を
使用した。このU字形状の溝10の形成は成長条件に依
存する。図3にU字形状の溝の形成について、基板のV
溝9の大きさW(幅)とAl組成xとの関係を示す。図
3において、×印は従来と同様にV字形状の溝の形成を
示し、〇印はU字形状の溝10の形成を示している。U
字形状の溝10の形成は、基板のV溝の大きさ(幅)が
0.01μm〜0.20μmの範囲で、かつ、Alx G
a1-x As層のAlの組成xが0.7〜1.0の範囲の
み可能である。この成長条件では、基板に垂直な(11
0)面または垂直に近い傾きを持つ高指数面がV溝の側
壁に現れ、U字形状の溝10が形成される(b)。 (3)U字形状の溝10へのGaAs層3および5の成
長を行う(c)。この時、Ga原子の多くは表面を拡散
し、ステップおよびキンク密度の多いU溝底部に取り込
まれる。従って、(110)側壁面上および(001)
Alx Ga1-x As層6の表面上ではほとんどGaAs
層の成長が生じず、U字形状の溝10の底部にGaAs
層5の量子細線を選択的に成長することができる。Ga
Asの量子細線の横幅は前記(2)の工程におけるAl
x Ga1-x As層6の成長条件により制御することがで
き、量子細線の厚さはこのGaAs層5の成長時間によ
り制御可能となる。 (4) 続いて、Alx Ga1-x As層7を成長する
(d)。以上の製造工程でGaAs量子細線5を四方向
からGaAsよりポテンシャルエネルギーの高い、Al
x Ga1-x As層6,7で閉じ込めることができる。
に示す。走査型電子顕微鏡(SEM)による観察例であ
り、観察倍率は15万倍である。70nmのV溝幅のG
aAs基板上にAlx Ga1-x As層で埋め込まれた矩
形形状のGaAs量子細線が実現されている。この観察
例では、Alx Ga1-x As層6のAlの濃度は1.0
であり、すなわちGaAs量子細線はAlAs層で埋め
込まれている。
GaAs量子細線を図5に示す。観察倍率は15万倍で
ある。100nmのV溝幅のGaAs基板上にAlx G
a1-x As層で埋め込まれた三日月形状のGaAs量子
細線が実現されている。このような三日月形状の量子細
線ではその幅や高さを独立に制御することができないこ
とがわかる。
を評価するために、フォトルミネッセンス(PL)によ
る測定例を図6に示す。PL法は製造した量子細線基板
に単色光を入射し、その発光を観測するもので、波長を
掃引することにより半導体材料を評価することができ
る。PL測定での基板温度は15Kであり、量子細線の
幅は19nm、その高さは14nmである。波長793
nmにおいて急峻なピークを観測することができ、その
半値全幅は19mevであり、量子細線からの発光であ
ることがわかる。量子細線のPL偏光特性を図7に示
す。これは観測したPL強度について、量子細線に平行
な直線偏光成分と垂直な直線偏光分との比をPL偏光度
とし、量子細線の断面形状の比すなわち横幅(a)と厚
さ(b)との比(a/b)との関係を示したものであ
る。図7より、a/b比の低下にともない偏光度が高く
なることを示している。すなわち、この高い偏光度は量
子細線による電子の横および厚さ方向の2次元的な閉じ
込めが強いということを示している。本発明による断面
形状が矩形の量子細線(a/b=1)では偏光度が30
%を越えており、従来の断面形状が三日月状の量子細線
に比べて3倍以上の顕著な特性を示している。
積層した多重量子細線の実施例について述べる。図2に
示した実施例1の製造工程において、U字形状の溝を形
成後に、GaAs層5およびAlx Ga1-x As層7の
成長工程(c)および(d)を複数回繰り返すことによ
り、U字形状の溝に量子細線を積層した。図8,図9は
多重量子細線を示したもので、図8は断面構造図、図9
は製造した多重量子細線のSEMによる観察像である。
幅が約30nmで深さが約100nmのU字形状のAl
x Ga1-x As層6の溝内に、GaAs層5の量子細線
が2層積層していることがわかる。製造した多重量子細
線のPL特性を図10に示す。測定温度は15Kであ
る。波長が750nmおよび780nmにおいて二つの
PL強度ピークが観測され、二つの量子細線からの発光
が分離して観測された。本実施例では二つの量子細線を
積層した例を示したが、本発明の製造方法では基板の厚
さ方向に複数の量子細線を実現することが可能であり、
さらにその量子細線の高さ(厚さ)を所望の値に制御す
ることができるために、例えば高さの異なる量子細線を
複数個配置した高さ変調の多重量子細線なども実現する
ことができる。
用いた有機金属結晶成長法において、基板に対して垂直
または垂直に近い結晶面を壁面に有するU字形状の溝を
形成することにより、矩形あるいは矩形に近い断面形状
を有する量子細線を製造することができること、さらに
この溝の横幅およびこの溝内に埋め込まれる量子細線の
厚さを量子閉じ込め効果が生じる20nm以下の大きさ
の領域において、原子層単位で制御することが可能であ
る。本発明の実施例では、Alx Ga1-x As層/Ga
As層系材料で説明したが、GaInP/GaAs,G
aInAs/InP等の III−V族半導体およびその混
晶系、ZnSe/GaAs等のII−VI族半導体およびそ
の混晶系によっても実現することができる。
て、量子閉じ込め効果が生じる20nm以下の領域にお
いて、量子細線の縦横両方向の大きさを分子層あるいは
原子層単位で制御することができるため、超高発光効率
の量子細線レーザあるいは超高速の量子細線トランジス
タを実現することができる。
断面図である。
ある。
る。
ある。
である。
る。
断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 V溝加工した(001)化合物半導体基
板の該V溝側の表面に該V溝を埋没するように有機金属
気相成長法により第一の化合物半導体からなる量子障壁
薄膜を前記基板に対して垂直な(110)面または垂直
に近い傾きを持つ高指数面が現れる成長条件を用いて成
長して、前記基板の面に対して垂直な(110)面また
は垂直に近い傾きを持つ高指数面を有する結晶面を側壁
に持つU字形状の溝を該V溝の位置に形成する第一の工
程と、 第二の化合物半導体からなる量子井戸薄膜を前記U字形
状の溝の底部に形成する第二の工程と、 前記第一の化合物半導体と同一または異種の化合物半導
体からなる量子障壁薄膜を該量子井戸薄膜を形成したU
字形状の溝を埋没するように形成する第三の工程とを含
む半導体量子細線の製造方法。 - 【請求項2】 溝の幅が0.2μmから0.01μmで
あるようにV溝加工した(001)GaAs基板の該V
溝側の表面に該V溝を埋没するように有機金属気相成長
法によりAlの組成xが0.7から1.0のAl x Ga
1-x Asである第一の化合物半導体からなる量子障壁薄
膜を成長して前記基板の面に対して垂直な(110)面
または垂直に近い傾きを有する高指数面を有する結晶面
を側壁に持つU字形状の溝を該V溝の位置に形成する第
一の工程と、 第二の化合物半導体からなる量子井戸薄膜を前記U字形
状の溝の底部に形成する第二の工程と、 前記第一の化合物半導体と同一または異種の化合物半導
体からなる量子障壁薄膜を該量子井戸薄膜を形成したU
字形状の溝を埋没するように形成する第三の工程とを含
む半導体量子細線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19771593A JP3433761B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 半導体量子細線の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0738078A JPH0738078A (ja) | 1995-02-07 |
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JP3669491B2 (ja) | 2001-03-29 | 2005-07-06 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 負性抵抗電界効果素子 |
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