JP3424025B2 - 高分子分散型液晶素子の製造方法 - Google Patents
高分子分散型液晶素子の製造方法Info
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Description
子の製造方法に関するものである。
ているTN型やSTN型の液晶素子に比べて非常に明る
い表示が得られる高分子分散型液晶素子が注目されてい
る。図10は従来の高分子分散型液晶素子の断面図、図
11はその一部分の拡大図であり、この高分子分散型液
晶素子は、表示用の透明電極3,4を設けた一対の透明
基板1,2を枠状のシール材5を介して接合し、この両
基板1,2間に、液晶/高分子複合膜6を設けた構成と
なっている。
すように、透明な高分子層7中に液晶8を分散を分散さ
せたもので、前記液晶8としては一般に、誘電異方性が
正のネマティック液晶が用いられており、さらに、この
液晶8には二色性染料が添加されている。図11におい
て、8aは液晶の分子を示し、8bは前記二色性染料の
分子を示している。
高分子複合膜6での光の散乱と透過とを利用して表示す
るものであり、この複合膜6の高分子層7中に分散して
いる液晶8の液晶分子8aは、電界が印加されていない
状態では図11のようにランダムな方向を向いており、
同様に染料分子8bもランダムな方向を向いているた
め、この無電界状態では、液晶素子に入射した光が、前
記複合膜6を通る際に、高分子層7と液晶8との界面お
よび液晶8の光散乱作用により散乱されるとともに、そ
の散乱光のうちの二色性染料の吸収波長域の光が前記二
色性染料によって吸収され、表示が二色性染料の色に着
色された着色表示となる。
を印加すると、その電界によって液晶分子8aが立上り
配向し、それに連れて染料分子8bも立上り配向するた
め、この電界印加状態では、液晶素子に入射した光が、
複合膜6での光散乱作用をほとんど受けることなく、ま
た二色性染料による吸収もほとんど受けることなく複合
膜6を透過し、表示がほぼ無彩色の明表示となる。
TN型やSTN型の液晶素子に必要不可欠な偏光板が不
要であり、したがって偏光板での光吸収による光量ロス
が無いから、非常に明るい表示が得られる。
に、その裏面に反射板(図示せず)を配置して反射型素
子として使用されており、この反射型素子においては、
その表面側から入射した光が液晶/高分子複合膜6を通
って反射板で反射され、再び前記複合膜6を通って表面
側に出射するため、無電界部を通る光が二重に散乱され
るとともに二色性染料で吸収されて、着色表示がより鮮
明になる。
対の基板1,2をシール材5を介して接合した後、この
両基板1,2間に、光によって重合反応する高分子材料
と二色性染料を含む液晶との混合溶液を真空注入法によ
り充填して混合溶液の層を設け、この混合溶液に、いず
れか一方の基板の外面側から光(紫外線)を照射して、
前記高分子材料を光重合させる方法で製造されている。
を照射すると、モノマーあるいはオリゴマーの状態にあ
る高分子材料が、その二重結合が解けることによってラ
ジカル化し、隣り合う分子のラジカルが互いに結合し合
うラジカル重合反応により高分子となって、この高分子
材料のポリマー化により、液晶が二色性染料とともに相
分離する。
は、図11のようなスポンジのような断面をもち、この
高分子層7の各隙間部に、二色性染料を含む液晶8が閉
じ込められて、上述した構造の液晶/高分子複合膜6が
形成される。なお、この複合膜の形成方法は、一般に光
重合相分離法と呼ばれている。
分散型液晶素子の液晶/高分子複合膜6の光散乱性は、
この複合膜6中の液晶溜まり(液晶8が閉じ込められて
いる部分)の大きさおよび分布状態(単位体積当たりの
分布数)によって異なるため、良好な光散乱性をもつ複
合膜6を形成するには、混合溶液への光の照射を、高分
子材料が適度な大きさおよび分布状態の液晶だまりを形
成して光重合するように照射光量を選んで行なうことが
望まれる。
造方法では、混合溶液への照射光のうちのかなりの量の
光が二色性染料によって吸収されてしまうため、混合溶
液への照射光を効率よく高分子材料の光重合に利用する
ことができなかった。
を、二色性染料での光吸収を見込んである程度多くして
いるが、混合溶液への照射光量を多くすると、二色性染
料に吸収される光量も多くなって二色性染料が劣化して
しまうため、照射光量をむやみに多くすることには問題
があり、したがって、従来の製造方法では、高分子材料
を適度な大きさおよび分布状態の液晶だまりを形成する
ように光重合させて良好な光散乱性をもつ液晶/高分子
複合膜を形成することはできなかった。
く高分子材料の光重合に利用して、混合溶液への照射光
量を多くすることなく良好な光散乱性をもつ液晶/高分
子複合膜を形成することができる、高分子分散型液晶素
子の製造方法を提供することを目的としたものである。
液晶素子の製造方法は、一対の基板間もしくは一方の基
板上に、光により重合反応する高分子材料と二色性染料
を含む液晶との混合溶液の層を設け、その二色性染料の
分子を所定方向にほぼ一様に配向させた状態で、前記混
合溶液に、偏光板を介して、次の1,2,3のいずれか
の条件で光を照射し、前記高分子材料を光重合させて液
晶/高分子複合膜を形成することを特徴とするものであ
る。
の吸収軸に対して直交する方向と前記偏光板を透過した
直線偏光の偏光方向とのなす角ψと、前記偏光板の透過
率χとが、 χ>(π/2) sinψ を満たし、かつ、前記二色性染料の二色性比κが、 κ>(χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π) であること。
の吸収軸に対して直交する方向と前記偏光板を透過した
直線偏光の偏光方向とのなす角ψと、前記偏光板の透過
率χとが、 χ>[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) を満たし、かつ、前記二色性染料の二色性比κが、 κ<(χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π) であること。
の吸収軸に対して直交する方向と前記偏光板を透過した
直線偏光の偏光方向とのなす角ψと、前記偏光板の透過
率χとが、 χ≧(π/2) sinψ χ≧[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) を満たすこと。
方向にほぼ一様に配向された二色性染料の分子長軸方向
の吸収軸に対してほぼ垂直な方向から入射させるのが望
ましい。また、上記1,2,3の条件は、いずれも、二
色性染料が、正の二色性を有するp型の二色性染料であ
る場合に成立する。
と二色性染料を含む液晶との混合溶液の層の二色性染料
の分子を所定方向にほぼ一様に配向させておき、その状
態で前記混合溶液に、偏光板を介して、上記1,2,3
のいずれかの条件で光を照射すると、二色性染料による
光吸収が少なくなり、相対的に高分子材料に照射される
光を多くさせ、相対的に二色性染料による光吸収を少な
くさせる。
混合溶液への照射光を効率よく高分子材料の光重合に利
用して、混合溶液への照射光量を多くすることなく良好
な光散乱性をもつ液晶/高分子複合膜を形成することが
できるとともに、二色性染料の光吸収による劣化を抑制
することもできる。
照して説明する。図1は一対の基板間に設けた混合溶液
に光を照射している状態の断面図であり、この実施例で
は、次のようにして高分子分散型液晶素子を製造する。
た一対の透明基板(例えばガラス基板)11,12の電
極形成面上にそれぞれ、液晶の分子および二色性染料の
分子を一方向に配向させる配向処理を施す。
上にポリイミド等からなる水平配向膜14,15を形成
し、その膜面を一方向にラビングすることによって行な
う。なお、上基板11側の配向膜14と、下基板12側
の配向膜15とは互いに平行でかつ逆方向にラビングす
る。
1,12をその電極形成面を互いに対向させて配置し、
この両基板11,2の外周縁部を図示しないシール材を
介して接合して液晶素子を組立てる。なお、この液晶素
子は例えば単純マトリックス型のものであり、図におい
て下基板12側の電極14は走査電極、上基板11側の
電極13は信号電極である。
ル材で囲まれた領域に、前記シール材の一部を欠落させ
て形成しておいた注入口から、光によって重合反応する
高分子材料と二色性染料を含む液晶21との混合溶液2
0を真空注入法により充填して、基板11,12間に前
記混合溶液20の層を設ける。
が正のネマティック液晶を用い、この液晶21に添加す
る二色性染料には、正の二色性を有するp型の二色性染
料を用いる。
方向に光吸収の遷移モーメントを有するものであり、分
子長軸方向の吸収軸と、それに対して直交する方向との
うち、分子長軸方向の吸収軸に沿う偏光成分の光の吸光
度が、前記直交する方向に沿う偏光成分の光の吸光度よ
りも常に大きいという特性をもっている。
(可視光域中のある波長域の光を吸収する特性をもった
着色液晶)、例えば、赤橙色のアゾ系液晶染料、黄色の
アゾキシ系液晶染料等であってもよい。
充填すると、この混合溶液20中の液晶21の液晶分子
21aおよび二色性染料の分子21bが、両基板11,
12の配向膜15,16に施されている配向処理によ
り、図1に示したように、基板11,12面(配向膜1
5,16面)に対し若干チルトした状態で、前記配向処
理の方向にほぼ一様に配向する。
20に、一方の基板、例えば上基板11の外面側から、
偏光板17を介して、後述する条件で光(紫外線)を照
射し、前記高分子材料を光重合させて液晶/高分子複合
膜を形成する。
すると、混合溶液20の高分子材料が光により重合反応
し、液晶21が二色性染料とともに相分離して、液晶/
高分子複合膜が形成される。
分散型液晶素子の断面図であり、形成された液晶/高分
子複合膜22は、スポンジのような断面をもつようにポ
リマー化した高分子層23の各隙間部に、二色性染料を
含む液晶21が閉じ込められた構造をなしている。
は配向処理が施されているが、上記高分子材料を光重合
させて複合膜22を形成すると、高分子層23の各隙間
部に二色性染料を含む液晶21が閉じ込められるため、
配向膜15,16に施した配向処理による配向規制力が
液晶21に及ばなくなり、液晶分子21aおよび染料分
子21bが図2のようなランダムな配向状態になる。
配向膜15,16に接している部分もあるため、その部
分では、配向膜15,16上の液晶分子21aおよび染
料分子21bが前記配向処理の方向に配向した状態にな
るが、このような配向状態は、複合膜22と配向膜1
5,16との界面付近にできるだけであり、複合膜22
全体で見れば、そのほとんどの領域において液晶分子2
1aおよび染料分子21bがランダムな配向状態にな
る。
分子分散型液晶素子の製造において混合溶液20に光を
照射する際に用いられるものであり、製造された高分子
分散型液晶素子には偏光板はない。
おける混合溶液20への光の照射条件を説明する。図3
は、上記混合溶液20中の染料分子21bの吸収軸と上
記偏光板17を透過した直線偏光の偏光方向とを光の照
射方向(混合溶液20の層に対してほぼ垂直な方向)か
ら見た図であり、図において、LP は二色性染料の分子
長軸方向の吸収軸、LH は前記分子長軸方向の吸収軸L
P に対して直交する方向の軸(以下、短軸方向の軸とい
う)、ψは二色性染料の短軸方向の軸LH と偏光板17
を透過した直線偏光の偏光方向とのなす角を示してい
る。
射は、次の1,2,3のいずれかの条件で行なう。 [条件1]上記二色性染料の短軸方向の軸LH と偏光板
17を透過した直線偏光の偏光方向とのなす角ψと、前
記偏光板17の透過率χとが、 χ>(π/2) sinψ を満たし、かつ、前記二色性染料の二色性比κが、 κ>(χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π) であること。
LH と偏光板17を透過した直線偏光の偏光方向とのな
す角ψと、前記偏光板17の透過率χとが、 χ>[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) を満たし、かつ、前記二色性染料の二色性比κが、 κ<(χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π) であること。
LH と偏光板17を透過した直線偏光の偏光方向とのな
す角ψと、前記偏光板17の透過率χとが、 χ≧(π/2) sinψ χ≧[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) を満たすこと。
bの長軸方向吸収軸LP は、分子長軸Oに対して若干斜
めにずれており、染料分子21bは配向膜15,16の
配向処理方向に分子長軸Oが向いた状態で配向するた
め、上記偏光板17の透過軸の向き、つまり混合溶液2
0に入射させる直線偏光の偏光方向は、前記配向処理方
向に、染料分子21bの長軸Oと長軸方向吸収軸LP と
のずれ角を加味して設定する。
所定方向にほぼ一様に配向された二色性染料の分子長軸
方向の吸収軸LP に対してほぼ垂直な方向から入射させ
るのが望ましい。ただし、基板11,12面に対する染
料分子21bのチルト角は極く小さいため、照射光は、
基板11,12面に対してほぼ垂直な方向から入射させ
てもよい。
材料と二色性染料を含む液晶との混合溶液20の層の二
色性染料の分子21bを所定方向にほぼ一様に配向させ
ておき、その状態で前記混合溶液に、偏光板17を介し
て、上記1,2,3のいずれかの条件で光を照射する
と、高分子材料に照射される光量が多くなり、相対的
に、二色性染料による光吸収が少なくなる。
液20への照射光を効率よく高分子材料の光重合に利用
して、混合溶液20への照射光量を多くすることなく良
好な光散乱性をもつ液晶/高分子複合膜22を形成する
ことができる。
料の光吸収を、従来の製造方法と比較して説明すると、
従来の製造方法では、混合溶液中の二色性染料の分子が
ランダムな方向を向いている状態で前記混合溶液に無偏
光の光を照射しているため、各染料分子の光吸収は、そ
の染料分子の向きによって異なる。
の染料分子の向きを示しており、基板面に対して垂直な
方向から混合溶液に光を照射したときの各染料分子の光
吸収量は、二色性染料の分子長軸方向の吸収軸LP に沿
う偏光成分の光に対する吸収度をAP 、短軸方向の軸L
H に沿う偏光成分の光に対する吸収度をAH とすると、
次の通の式で表される。
いる染料分子の1分子当たりの光吸収量は、 AP cosθ+AH である。
(基板面と平行)、すなわちθ=0°のときの染料分子
の1分子当たりの光吸収量は、最大値 AP +AH (吸収量最大) となり、また、基板面に対する傾き角が90°(基板面
に垂直)、すなわちθ=90°のときの染料分子の1分
子当たりの光吸収量は、最小値 AH (吸収量最少) となる。
ち所定角θの染料分子の存在比は、θの値によらずほぼ
一定であるので、従来の製造方法における混合溶液中の
二色性染料の吸光量の平均値は、
液中の染料分子21bを所定方向にほぼ一様に水平配向
させた状態で、前記混合溶液に、直線偏光させた光を照
射しているため、図3のように染料分子21bの短軸方
向の吸収軸LH に対して角度ψずれた偏光方向の直線偏
光を照射したときの二色性染料の1分子当たりの吸光量
は、 AP sinψ+AH cosψ … (2) となる。
子材料に照射される光の強度を、従来の製造方法と比較
して説明すると、図5は、上記実施例の製造方法におけ
る高分子材料への光照射経路と、従来の製造方法におけ
る高分子材料への光照射経路とを示す模式図であり、
(a)は実施例の製造方法における光照射経路、(b)
は従来の製造方法における光照射経路を示している。
強度比をP(単位W)とし、従来の製造方法における高
分子材料への照射光の強度比をP1 、実施例の製造方法
における高分子材料への照射光の強度比をP2 とする
と、従来の製造方法では、二色性染料の吸光量の平均値
が上記式(1) で表される値であるため、高分子材料への
照射光の強度比P1 を、 P1 =P/[(2/π)AP +AH )] とすれば、上記実施例の製造方法では、光源ランプから
の光のうち、偏光板を透過した光だけが混合溶液に入射
するが、二色性染料の吸光量が上記式(2) で表される値
であるため、偏光板を透過した光の強度をχPとする
と、高分子材料への照射光の強度比P2 は、 P2 =χP/(AP sinψ+AH cosψ) と表すことができる。
材料への照射光の強度比P1 と、実施例の製造方法にお
ける高分子材料への照射光の強度比P2 との比P1 :P
2 は、 P/[(2/π)AP +AH ]:χP/(AP sinψ+
AH cosψ)… (3) である。
料への照射光の強度P2が、従来の製造方法における高
分子材料への照射光の強度P1 より大きければ、実施例
の製造方法の方が従来の製造方法に比べて、高分子材料
に照射される光量を多くできる。
く高分子材料の光重合に利用できる条件は、上記式(3)
と式(4) より、 χ[(2/π)AP +AH ]/(AP sinψ+AH cos
ψ)>1 … (5) となる。
いずれも正の値(AP >0,AH >0)であり、また、
二色性染料の短軸方向の吸収軸LH と偏光板17を透過
した直線偏光の偏光方向とのなす角ψは0°〜90°の
範囲(0°≦ψ≦90°)であって、 sinψ≧0, cos
ψ≧0であるから、上記式(5) を展開すると、 AP sinψ+AH cosψ<χ[(2/π)AP +AH ] よって、 AP ( sinψ−2χ/π)+AH ( cosψ−χ)<0
… (6) となる。
ンプの光量を増大することなく、高分子材料に、より多
くの光量光を照射することができる。ところで、二色性
染料の吸収度AP ,AH はいずれも正の値であるが、 s
inψ−(2χ/π)と cosψ−χの値は、次の (I)〜(I
V)のいずれかである。
χ/π)と cosψ−χが上記(I) の関係にある場合、上
記式(6) は、 AP /AH ≧(χ− cosψ)/( sinψ−2π/π)
… (7) となる。
ψ−(2χ/π)=0のとき、分子がχ− cosψ>0で
あれば、上記式(6) は、AP /AH がどのような値で
も、つまり、いかなる吸収度の二色性染料においても成
立する。
0のとき、分子が sinψ−(2χ/π)<0であれば、
上記式(6) は、AP /AH がどのような値でも、つま
り、いかなる吸収度の二色性染料においても成立する。
で、かつ、 sinψ−(2χ/π)<0のときであるが、
このとき、 (χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π)=a(χ,ψ) とすると、 a(χ,ψ)≦0 …(8) となる。
料、すなわち二色性比κ(κ=AP/AH )が常に1よ
り大きい染料であるため、AP /AH の値は常に1より
大、つまり、 AP /AH >1 …(9) となるので、上記式(7) および式(8) は、χ,ψの値に
かかわらず、常に式(9)を満たす。
1より大であれば、そのAP /AHの値がどのような二
色性染料であっても、上記式(7) は、χ,ψの値にかか
わらず成立する。
(2χ/π)≦0でかつ cosψ−χ<0、または sinψ
−(2χ/π)<0でかつ cosψ−χ≦0のときは、二
色性染料がどのような二色性比κをもつ染料であって
も、従来の製造方法に比べて、高分子材料に照射される
光量が多くなり、相対的に、二色性染料による光吸収が
少なくなる。
が上記(II)の関係にある場合、上記式(6) は、 AP /AH <a(χ,ψ) …(10) となる。
P /AH >1であるため、上記式(10)が成立するには、
a(χ,ψ)が最低でも1より大であること、つまり、 1<a(χ,ψ) …(11) であることが条件となる。
(12)を同時に満足することが必要であり、したがって、
sinψ−(2χ/π)>0でかつ cosψ−χ<0のとき
は、二色性染料のAP /AH の値がAP /AH <a
(χ,ψ)であるときに、従来の製造方法に比べて、高
分子材料に照射される光量が多くなり、相対的に、二色
性染料による光吸収が少なくなる。
が上記(III) の関係にある場合、上記式(6) は、 AP /AH >a(χ,ψ) …(13) となる。
H >1)でも、上記式(13)は成立する。
−(2χ/π)<0でかつ cosψ−χ>0のときは、1
≧a(χ,ψ)であれば、二色性染料がどのような二色
性比κをもつ染料であっても、従来の製造方法に比べ
て、高分子材料に照射される光量が多くなり、相対的
に、二色性染料による光吸収が少なくなる。
(χ,ψ)であるときは、二色性染料のAP /AH の値
がAP /AH >a(χ,ψ)で、かつχ<[π/(π+
2)]( sinψ+ cosψ)あるときに、従来の製造方法
に比べて、高分子材料に照射される光量が多くなり、相
対的に、二色性染料による光吸収が少なくなる。
が上記(IV)の関係にある場合は、上記式(6) は成立しな
い。以上をまとめると、従来の製造方法よりも混合溶液
への照射光を効率よく高分子材料の光重合に利用できる
効果が得られるのは、0<χ<1,0≦ψ≦π/2,A
P >0,AH >0,AP /AH >1において、 イ.χ≧π/2 sinψ,χ≧ cosψで、AP /AH の値
は問わない。
2)]( sinψ+ cosψ)で、かつ、AP /AH <(χ
− cosψ)/( sinψ−2χ/π) ハ.χ>π/2 sinψ,χ≧[π/(π+2)]( sin
ψ+ cosψ)で、AP /AH の値は問わない。
( sinψ+ cosψ)で、かつ、AP /AH >(χ− cos
ψ)/( sinψ−2χ/π)である。
収軸LH と偏光板17を透過した直線偏光の偏光方向と
のなす角ψをとり、縦軸に前記偏光板17の透過率χを
とって、上記条件イ,ロ,ハ,ニのψとχの範囲を示し
た図である。
範囲および二色性比において、上述した[条件1]を含
有している。すなわち、図7では上記[条件1]におけ
るψとχの範囲を示しており、図において斜線を施した
領域が条件イ+ハ+ニに含まれている。なお、この領域
は、ψ=0の線上を含むが、χ=1およびχ=(π/
2) sinψの線上は含まない。
囲のうち、条件イとハはAP /AHの値を問わない範囲
であるのに対して、条件ニはAP /AH >(χ− cos
ψ)/( sinψ−2χ/π)であることを条件とする範
囲であるが、上記[条件1]のように、二色性染料の二
色性比κ(κ=AP /AH )がκ>(χ− cosψ)/
(sinψ−2χ/π)であれば、ψとχの値が条件イ,
ハ,ニのいずれの範囲であっても、上述した効果が得ら
れる。
件イ+ロ+ハは、ψとχの値および二色性比において、
上述した[条件2]を含有している。図8は上記[条件
2]におけるψとχの範囲を示しており、図において斜
線を施した領域が条件イ+ロ+ハに含まれている。な
お、この領域は、ψ=0およびψ=π/2の線上を含
み、χ=1およびχ=[π/(π+2)]( sinψ+ c
osψ)の線上は含まない。
囲のうち、条件イとハはAP /AHの値を問わない範囲
であるのに対して、条件ロはAP /AH <(χ− cos
ψ)/( sinψ−2χ/π)であることを条件とする範
囲であるが、上記[条件2]のように、二色性染料の二
色性比κ(κ=AP /AH )がκ<(χ− cosψ)/
(sinψ−2χ/π)であれば、ψとχの値が条件イ,
ロ,ハのいずれの範囲であっても、上述した効果が得ら
れる。
条件イとハは、ψとχの値がAP /AH の値を問わない
範囲である点で共通している。そこで、この条件イとハ
を1つの範囲としてみると、その範囲は、上述した[条
件3]、つまり、 χ≧(π/2) sinψ と、 χ≧[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) との両方を満たす範囲である。
囲を示しており、上記条件イ,ハのψとχの値は図9の
斜線を施した領域内にある。なお、この領域は、χ=
(π/2) sinψおよびχ=[π/(π+2)]( sin
ψ+ cosψ)の線上とψ=0の線上を含み、χ=1の線
上は含まない。ただし、χ=(π/2) sinψと、χ=
[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ)との2つの式は
同時には成立しないため、前記領域には、χ=(π/
2) sinψの線と、χ=[π/(π+2)]( sinψ+
cosψ)の線との交点は含まれない。
は、いずれもAP /AH の値を問わない範囲であるた
め、上記[条件3]では、二色性染料の二色性比κ(κ
=AP /AH )がどのような値であっても、上述した効
果が得られる。
1],[条件2],[条件3]のいずれによっても、混
合溶液20への照射光を効率よく高分子材料の光重合に
利用することができるのであり、したがって、混合溶液
20への照射光量を多くすることなく、良好な光散乱性
をもつ液晶/高分子複合膜22を形成することができ
る。
12をシール材を介して接合して液晶素子を組立てた後
に、両基板11,12間に混合溶液20を注入充填し
て、その混合溶液20への光照射により液晶/高分子複
合膜22を形成しているが、前記複合膜は、液晶素子を
組立てる前に一方の基板上に形成してもよい。
子および二色性染料の分子を一方向に配向させる配向処
理を施した後、この一方の基板上に混合溶液を塗布して
混合溶液層を設け、この混合溶液に上記[条件1],
[条件2],[条件3]のいずれかで光を照射して液晶
/高分子複合膜を形成し、その後に、前記複合膜の上に
他方の基板(例えば樹脂フィルムからなる基板)を設け
て液晶素子を組立てればよい。
方法は、一対の基板間もしくは一方の基板上に、光によ
り重合反応する高分子材料と二色性染料を含む液晶との
混合溶液の層を設け、その二色性染料の分子を所定方向
にほぼ一様に配向させた状態で、前記混合溶液に、偏光
板を介して、前記二色性染料の分子長軸方向の吸収軸に
対して直交する方向と前記偏光板を透過した直線偏光の
偏光方向とのなす角ψと、前記偏光板の透過率χとが、
χ>(π/2) sinψを満たし、かつ、前記二色性染料
の二色性比κが、κ>(χ−cosψ)/( sinψ−2χ
/π)である条件、または、前記ψとχとが、χ>[π
/(π+2)]( sinψ+ cosψ)を満たし、かつ、前
記二色性染料の二色性比κが、κ<(χ− cosψ)/
( sinψ−2χ/π)である条件、または、前記ψとχ
とが、χ≧(π/2) sinψとχ≧[π/(π+2)]
(sinψ+ cosψ)とを満たす条件、で光を照射し、前
記高分子材料を光重合させて液晶/高分子複合膜を形成
するものであるから、前記混合溶液への照射光を効率よ
く高分子材料の光重合に利用して、混合溶液への照射光
量を多くすることなく良好な光散乱性をもつ液晶/高分
子複合膜を形成することができる。
けた混合溶液に光を照射している状態の断面図。
した直線偏光の偏光方向とを光の照射方向から見た図。
の向きを示す図。
射経路と、従来の製造方法における高分子材料への光照
射経路とを示す模式図。
率よく高分子材料の光重合に利用できるψとχの範囲を
示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】一対の基板間に、高分子層中に二色性染料
を含む液晶を分散させてなる液晶/高分子複合膜を設け
た高分子分散型液晶素子の製造方法であって、 一対の基板間もしくは一方の基板上に、光により重合反
応する高分子材料と二色性染料を含む液晶との混合溶液
の層を設け、その二色性染料の分子を所定方向にほぼ一
様に配向させた状態で、前記混合溶液に、偏光板を介し
て、 前記二色性染料の分子長軸方向の吸収軸に対して直交す
る方向と前記偏光板を透過した直線偏光の偏光方向との
なす角ψと、前記偏光板の透過率χとが、 χ>(π/2) sinψ を満たし、 かつ、前記二色性染料の二色性比κが、 κ>(χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π) である条件で光を照射し、前記高分子材料を光重合させ
て液晶/高分子複合膜を形成することを特徴とする高分
子分散型液晶素子の製造方法。 - 【請求項2】一対の基板間に、高分子層中に二色性染料
を含む液晶を分散させてなる液晶/高分子複合膜を設け
た高分子分散型液晶素子の製造方法であって、 一対の基板間もしくは一方の基板上に、光により重合反
応する高分子材料と二色性染料を含む液晶との混合溶液
の層を設け、その二色性染料の分子を所定方向にほぼ一
様に配向させた状態で、前記混合溶液に、偏光板を介し
て、 前記二色性染料の分子長軸方向の吸収軸に対して直交す
る方向と前記偏光板を透過した直線偏光の偏光方向との
なす角ψと、前記偏光板の透過率χとが、 χ>[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) を満たし、 かつ、前記二色性染料の二色性比κが、 κ<(χ− cosψ)/( sinψ−2χ/π) である条件で光を照射し、前記高分子材料を光重合させ
て液晶/高分子複合膜を形成することを特徴とする高分
子分散型液晶素子の製造方法。 - 【請求項3】一対の基板間に、高分子層中に二色性染料
を含む液晶を分散させてなる液晶/高分子複合膜を設け
た高分子分散型液晶素子の製造方法であって、 一対の基板間もしくは一方の基板上に、光により重合反
応する高分子材料と二色性染料を含む液晶との混合溶液
の層を設け、その二色性染料の分子を所定方向にほぼ一
様に配向させた状態で、前記混合溶液に、偏光板を介し
て、 前記二色性染料の分子長軸方向の吸収軸に対して直交す
る方向と前記偏光板を透過した直線偏光の偏光方向との
なす角ψと、前記偏光板の透過率χとが、 χ≧(π/2) sinψ χ≧[π/(π+2)]( sinψ+ cosψ) を満たす条件で光を照射し、前記高分子材料を光重合さ
せて液晶/高分子複合膜を形成することを特徴とする高
分子分散型液晶素子の製造方法。 - 【請求項4】混合溶液に照射する光は、所定方向にほぼ
一様に配向された二色性染料の分子長軸方向の吸収軸に
対してほぼ垂直な方向から入射させることを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1つに記載の高分子分散型液晶
素子の製造方法。 - 【請求項5】二色性染料は、正の二色性を有するp型染
料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つ
に記載の高分子分散型液晶素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32073594A JP3424025B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 高分子分散型液晶素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32073594A JP3424025B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 高分子分散型液晶素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08179286A JPH08179286A (ja) | 1996-07-12 |
JP3424025B2 true JP3424025B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=18124724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32073594A Expired - Fee Related JP3424025B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 高分子分散型液晶素子の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3424025B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6939587B1 (en) | 1999-09-03 | 2005-09-06 | Kent State University | Fabrication of aligned crystal cell/film by simultaneous alignment and phase separation |
EP1221066A2 (en) * | 1999-09-03 | 2002-07-10 | Kent State University | Fabrication of aligned liquid crystal cell/film by simultaneous alignment and phase separation |
JP5966329B2 (ja) * | 2011-03-30 | 2016-08-10 | Jsr株式会社 | 液晶表示素子の製造方法 |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP32073594A patent/JP3424025B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08179286A (ja) | 1996-07-12 |
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