JP3402638B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの他にモ−タ
を利用して駆動を行なうようにした車両の駆動装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】最近の車両においては、4輪駆動車が増
加する傾向にあるが、重量低減等のために、左右前輪と
左右後輪とのうちいずれか一方をエンジンにより駆動す
る主駆動輪とすると共に、他方の車輪をモ−タにより駆
動する補助駆動輪とするようにしたものがある。特開平
2−120136号公報には、駆動力の互いに異なる2
つのモ−タを用いて、変速機の変速段に応じて、作動さ
れるモ−タの種類や数を変更するもの、つまりモ−タに
よる補助駆動力を変更するものが提案されている。 【0003】特開昭57−74222号公報には、左右
2つの油圧モ−タ(油圧シリンダ)に対する油圧供給の
分配が、左右の補助駆動輪に加わる路面負荷に応じて自
動的に行なわれるようにして、差動装置の機能を付加し
たものが提案されている。 【0004】特開昭63−38031号公報には、左右
2つの電気モ−タを用いたもので、車速が大きくなるほ
ど発電電圧を大きくしてモ−タの発生トルクが一定とな
るようにすると共に、マニュアルスイッチによってモ−
タによる駆動実行と駆動停止とを切換選択し得るように
したものが提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、モ−タによ
る駆動補助を行なうということは、路面に対する駆動力
の伝達を効果的に行なう上で好ましい反面、モ−タの駆
動エネルギが最終的にはエンジンに依存するため、燃費
向上の点からは好ましくない。また、2輪駆動状態と4
輪駆動状態とでは、直進安定性や旋回特性等の車両特性
に相違を生じることが多い。 【0006】上述のような観点から、あらかじめ設定し
た所定条件を満足した場合のみ、例えば加速時等の必要
最小限の領域に限って、モ−タを駆動することが考えら
れる。この一方、車両は、前進走行のみならず、後退走
行も行なわれるのが普通である。したがって、後退走行
のときにどのような領域でモ−タ駆動を行なうかという
ことが、前進走行時のモ−タ駆動領域の設定と合せて、
この種の車両における有用性を高める点で重要となる。 【0007】したがって、本発明の目的は、モ−タによ
って補助駆動輪の駆動を行なう領域の設定を、前進時と
後退時を含めて全体としてより適切になし得るようにし
た車両の駆動装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては、次のような構成としてある。す
なわち、左右前輪と左右後輪とのいずれか一方の車輪
が、変速機および差動装置を介してエンジンにより駆動
される主駆動輪とされ、他方の車輪が各々左右独立して
モ−タにより駆動される補助駆動輪とされ、車両前進時
において所定の条件でモータを前進方向に駆動する正駆
動を行うと共に、減速時に該正駆動を禁止するようにし
た車両であって、車両前進時の正駆動時に、少なくとも
アクセル開度と変速機の変速段とをパラメータとする所
定条件に基づいて目標車速を決定して、該決定された目
標車速と実際の車輪速との差に基づいてモータによる駆
動補助が必要か否かを判断し、補助駆動が必要と判断さ
れたときに該目標車速となるように前進方向へのモータ
の駆動力を発生させる一方、補助駆動が不要と判断され
たときにモータの補助駆動を禁止するように制御する第
1制御手段と、車両の後退時には、前記所定条件にかか
わりなく常に、車両の後退走行を補助する方向に前記左
右のモ−タに独立して駆動力を発生させる第2制御手段
と、を備えた構成としてある。 【0009】 【発明の効果】本発明によれば、走行時間が長くなる前
進時には、アクセル開度と変速機の変速段に関する所定
条件に基づいて目標車速を決定して、この目標車速と実
際の車輪速との差に基づいてモータによる補助駆動が必
要と判断されたときには、目標車速となるように車両の
前進方向へのモータ駆動力を発生させて補助駆動を行う
ように制御する一方、補助駆動が不要と判断されたとき
はモータによる補助駆動を禁止するように制御するの
で、モータによる前進走行の補助を効果的に行いつつ、
不必要なモータの駆動補助をなくして燃費向上の上でも
好ましいものとなる。また、後退時には、モ−タにより
車両の後退走行を常に補助して、後退時の確実な走行を
確保することができる。そして、後退時は、走行時間も
極めて短くかつ車速も低いので、後退時に常にモ−タを
駆動したとしても、燃費や車両の特性への悪影響という
ことは何等問題とならないものとなる。さらに、後退時
には、車庫入れや駐車時等ハンドルが大きく操作される
ことも多いが、左右のモータを個々独立して駆動制御す
るので、ハンドルが大きく操作された場合にも十分に対
応できるものとなる。 【0010】 【実施例】油圧系統等の説明(図1) 図1において、1FLは左前輪、1FRは右前輪、1R
Lは左後輪、1RRは右後輪である。車体前方にはエン
ジン2が配置され、該エンジン2の駆動力つまり発生ト
ルクは、クラッチ3、前進5段、後進1段の手動変速機
4を介して、差動装置5へ伝達される。そして、差動装
置5からは、左駆動シャフト6Lを介して左前輪1FL
へエンジン駆動力が伝達され、右駆動シャフト6Rを介
して右前輪1FRへエンジン駆動力が伝達される。 【0011】操舵輪となる左右前輪1FL、1FR同士
は、タイロッド等のステアリングリンク7によって連係
され、このステアリングリンク7とハンドル8とが、ラ
ックアンドピニオン機構9を介して連係されている。 【0012】左右の後輪1RL、1RRは、エンジン2
とは別途独立して、左右一対の油圧式モ−タML、MR
によって駆動されるようになっている。すなわち、左後
輪1RLは、左駆動シャフト11Lを介して左モ−タM
Lにより駆動され、右後輪1RRは右駆動シャフト11
Rを介して右モ−タMRによって駆動されるようになっ
ている。このモ−タMLつまり左駆動シャフト11L
と、モ−タMRつまり右駆動シャフト11Rとは互いに
分断されていて、左右個々独立して駆動可能となってい
る。そして、左右の駆動シャフト11Lと11Rとは、
油圧式のクラッチ12によって断続可能とされている。 【0013】モ−タML(MR)は、タ−ビン式(羽根
車式)とされて、第1接続口La(Ra)と第2接続口
Lb(Rb)とを有し、La(Ra)からLb(Rb)
へと高圧の油液が流れたときに前進方向の回転となり、
これとは逆方向に高圧の油液の流れのときは後退方向の
回転とされる。そして、モ−タMLとMRとは互いに同
一仕様とされて、その最大発生トルクの合計値は、エン
ジン2の最大発生トルクの1/3〜1/2程度とされて
いる。なお、実施例では、モ−タML、MRによる後輪
駆動は後述する所定条件下においてのみ実行されるもの
である。すなわち、エンジン2により左右前輪1FL、
1FRが駆動されているときでも、左右後輪1RL、1
RRはモ−タML、MRによって駆動されない場合もあ
る。 【0014】Pは油圧発生源としてのポンプで、このポ
ンプPは、容量可変型とされて、エンジン2の出力軸2
aによって、駆動プ−リ13、ベルト14、被動プ−リ
15を介して駆動される。リザ−バタンク16からポン
プPによって汲み上げられた高圧の油液は、チェック弁
17が接続された高圧ライン18へ吐出される。この高
圧ライン18からは、チェック弁10あるいは32が接
続された互いに並列な第1および第2の油圧供給ライン
31Aおよび31Bが導出されている。また、リザ−バ
タンク16からは、解放ライン23が導出されている。
さらに、モ−タML(MR)の各接続口La、Lb(R
a、Rb)からは、互いに並列なライン20L、21L
(20R、21R)が導出されている。 【0015】左モ−タMLのライン20Lと21Lと
が、切換弁VVA、互いに並列なライン19、19Lと
ライン22、22Lおよび切換弁VVB・L、VVE・
Lを利用して、第1供給ライン31Aと解放ライン23
に対して選択的に接続可能とされている。同様に、右モ
−タMRのライン20Rと21Rとが、切換弁VVA、
互いに並列なライン19、19Rとライン22、22
R、および切換弁VVB・R、VVE・Rを利用して、
第1供給ライン31Aと解放ライン23に対して選択的
に接続可能とされている。 【0016】前記第2の共通供給ライン31Bには、前
記チェック弁32の下流側において切換弁VVIが、さ
らに下流側において分流弁34が接続されている。分流
弁VVIにより2本に分岐された一方の分岐供給ライン
33Lが、前記ライン19Lに連なり、他方の分岐供給
ライン33Rが前記ライン19Rに連なっている。 【0017】高圧ライン18には、高圧の油圧を貯留し
ておくためのアキュムレ−タ41が接続されている。こ
の高圧ライン18に対しては、ライン20L(20R)
が、通路42L(42R)によって接続されている。こ
の通路42L(42R)には、チェック弁43L(43
R)、切換弁VVF・L(VVF・R)が接続されてい
る。通路43Lと43Rとは、互いに並列で、前述の各
弁VVA、VVB・L(VVB・R)、VVE・L(V
VE・R)、VVI、分流弁34等をバイパスしてい
る。 【0018】前記ライン20L(20R)とライン21
L(21R)とが、連通路51L(51R)によって連
通され、この連通路51L(51R)には、可変オリフ
ィスVVC・L(VVC・R)が接続されている。 【0019】前記クラッチ12断続用のアクチュエ−タ
が符号61によって示される。このアクチュエ−タ61
用の供給ライン62が高圧ライン18に対して、また排
出ライン63が解放ライン23に対して、切換弁VVJ
を利用して選択的に接続可能とされると共に、当該切換
弁VVJによって両ライン62と63とが共に遮断され
た状態をとり得るようになっている。 【0020】左右の各モ−タMLとMR同士は、連通路
71によって接続されて、この連通路71には開閉弁V
VDが接続されている。前記解放ライン23は、高圧ラ
イン18に対して、チェック弁17よりも上流側(ポン
プP側)においてロ−ド・アンロ−ド弁VVHを介して
接続されると共に、チェック弁17よりも下流側におい
て安全弁VVGを介して接続されている。 【0021】制御モ−ドの説明(表1) 本実施例においては、後述するように合計8種類の制御
モ−ドを有し、各モ−ドが実行されるときの前述した各
弁の作動状態をまとめて次の表1に示してある。この表
において、左右を識別する符号「L」と「R」の表示は
省略してある。なお、表1に示されないロ−ド・アンロ
−ド弁VVHは、高圧ライン18の圧力が下限値と上限
値との間での所定圧範囲となるように開閉制御されるも
のである。 【0022】 【表1】【0023】表1に示された各制御モ−ドにおいて、主
要な作用をはたす弁の作動状態を具体的に説明すると、
次の通りである。 (1)統合モ−ド 統合モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとが同一回転数となるようにモ−タML、MRの
駆動制御を行なうもので、正駆動(駆動補助)と逆駆動
(制動)との2種類ある。この統合モ−ドにおいては、
クラッチ12が締結され(切換弁VVJがライン62を
開きライン63を閉じた状態)、切換弁VVB・L(V
VB・R)、VVE・L(VVE・R)およびVVIの
作動態様は図1に示す状態とされる。この状態で、切換
弁VVAを制御して、正駆動あるいは逆駆動に応じた油
圧供給方向の切換(モ−タML、MRの正転、逆転の方
向設定)と、モ−タML、MRに対する供給流量が制御
される(第1供給ライン31Aを利用した油圧供給)。
なお、逆駆動においては、後述する油圧ロックモ−ドよ
りも大きい減速を得るものであるが、当然のことなが
ら、後輪1RL、1RRが車両の進行方向に対して逆方
向に回転するような大きな駆動力を与えるものではな
い。 【0024】(2)独立モ−ド 独立モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとがそれぞれ個々独立して設定される目標回転数
となるようにモ−タML、MRの駆動制御を行なうもの
で、統合モ−ドの場合と同様に正駆動と逆駆動との2種
類ある。この独立モ−ドにおいては、クラッチ12が締
結解除される(切換弁VVJがライン62を閉じライン
63を開いた状態)。切換弁VVE・L(VVE・R)
の作動態様は図1に示す状態とされるが、切換弁VVA
は中央切換位置とされて第1供給ライン31Aが遮断さ
れる。切換弁VVIは開位置とされて、第2供給ライン
31Bを利用した油圧供給態様とされる。この状態で、
切換弁VVB・L(VVB・R)を制御して、正駆動あ
るいは逆駆動に応じた油圧供給方向の切換(モ−タM
L、MRの正転、逆転の方向設定)と、モ−タML、M
Rに対する供給流量が制御される。 【0025】(3)LSDモ−ド LSDモ−ドは、差動制限機能を得るもので、切換弁V
VB・LおよびVVB・Rはライン20L、21L(2
0R、21R)を共に閉じて、モ−タML、MRに対す
る油圧の給排を完全に遮断した状態とされる。そして、
開閉弁VVDが開かれて、両モ−タMLとMRとの各閉
じられた左右の油圧経路内同士を連通して、左右のモ−
タMLとMRとの間で大きな回転差を生じてしまうのを
防止する。このLSDモ−ドでは、可変オリフィスVV
C・L(VVC・R)は全閉とされている。なお、この
LSDモードは本発明とは直接関係のない事項なので、
これ以上詳細な説明は省略する。 【0026】(4)油圧ロックモ−ド 油圧ロックモ−ドは、通路抵抗つまり可変オリフィスV
VC・L(VVC・R)の絞り抵抗を利用した減速力を
得るものである。この油圧ロックモ−ドでは、切換弁V
VB・L、VVB・Rが中央切換位置にあって、ライン
20L、21L、20R、21Rが遮断され、かつ開閉
弁VVDが閉じられている。そして、可変オリフィスV
VC・L、VVC・Rが開かれる。この状態では、油液
は、モ−タML(MR)の回転に応じて、可変オリフィ
スVVC・L(VVC・R)を含んで形成される閉じら
れた閉油圧回路を循環されることになるが、循環中に油
液が通過する可変オリフィスVVC・L(VVC・R)
の絞り抵抗が、車両への減速力を与えることになる。そ
して、可変オリフィスVVC・LおよびVVC・Rの開
度は、車両の減速度が大きいほど小さくなるように制御
される(減速度に応じた可変オリフィスVVC・L、V
VC・Rの開度設定を、図3のステップE37に例示し
てある)。なお、クラッチ12は、締結状態でも、締結
解除状態のいずれでもよい。 【0027】(5)蓄圧モ−ド 蓄圧モ−ドは、走行中に、車両つまり後輪1RL、1R
Rによって駆動されるモ−タML、MRをポンプとして
機能させて、アキュムレ−タ41に蓄圧させるものであ
る。この蓄圧モ−ドでは、ライン21L(21R)がリ
ザ−バタンク16に連通される一方、開閉弁VVF・L
(VVF・R)が開となって、リザ−バタンク16内の
油液がモ−タML(MR)により汲み上げられて、アキ
ュムレ−タ41に蓄圧される。 【0028】(6)停車モ−ド 停車モ−ドは、パ−キングブレ−キが作動していない状
態において、車両を停止させるようにモ−タML、MR
を駆動制御するものである(車速が目標車速0となるよ
うに、モ−タML、MRの駆動を制御する)。この場
合、油圧供給のラインは第2供給ライン31Bが利用さ
れ、油圧の給排制御は、切換弁VVB・L(VVB・
R)を利用して行なわれる。 【0029】(7)駐車モ−ド 駐車モ−ドは、パ−キングブレ−キが作動した状態にお
いて、駐車状態を維持しようとする作用を高めるもので
ある。すなわち、駐車モ−ドでは、切換弁VVB・L
(VVB・R)が中央切換位置の閉位置とされて油圧の
給排ラインが遮断されると共に、クラッチ12が締結さ
れる。 【0030】(8)F/Sモ−ド F/Sモ−ドは、フェイルセ−フモ−ドであり、何等か
の異常があったとき、例えば高圧ラインが異常に高圧と
なったとき、モ−タML、MRが正常に駆動されなくな
ったとき、ある弁が固着してしまったとき、さらには油
温が所定温度以上に高くなってしまたとき等には、安全
弁VVGが開かれて、高圧ライン18の油圧が解放され
る。 【0031】制御系統の説明(図2) 図2は、本発明における制御系統を示すものである。図
中U1、U2はそれぞれマイクロコンピュ−タを利用し
て構成された制御ユニットで、制御ユニットU1が前述
した各弁VVA等の制御を行なうメイン制御ユニットで
ある。また、制御ユニットU2はABS制御(アンチロ
ックブレ−キ制御)用である。また、S1〜S10は、
それぞれセンサあるいはスイッチである。 【0032】センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1R
Rの回転速度つまり車輪速を個々独立して検出するもの
であり、各センサS1〜S4で検出された車輪速は、制
御ユニットU2から制御ユニットU1へ伝送される。セ
ンサS5は、車速を検出するもので、実施例では対地車
速を検出するものとなっている(絶対車速の検出)。セ
ンサS6は、変速機4の変速位置つまりギア位置を検出
するものである。センサS7は、エンジン回転数を検出
するものである。センサS8はハンドル舵角を検出する
ものである。センサS9はアクセル開度を検出するもの
である。センサS10はブレ−キペダルの踏込み量を検
出するものである。 【0033】各センサあるいはスイッチS5〜S10の
信号は、制御ユニットU1に入力されて、制御ユニット
U1は、前述した各弁VVA〜VVJを制御する。勿
論、制御ユニットU2は、ブレ−キ時に車輪がロックす
るのを防止するためのもので、制御ユニットU2から
は、各車輪のブレ−キを個々独立して調整するためのブ
レ−キ液圧調整手段81に対して制御信号が出力され
る。制御ユニットU2から制御ユニットU1へは、セン
サS1〜S4で検出された車輪速信号が伝送されるが、
センサS1〜S4からの信号は制御ユニットU1へ直接
入力させるようにしてもよい。 【0034】フロ−チャ−トの説明(図3) 次に、図3以下のフロ−チャ−トを参照しつつ、制御ユ
ニットU1の制御内容について説明するが、以下の説明
でE、Zはそれぞれステップを示す。先ず、図3のE2
1において、各センサ等からの信号が読込まれた後、E
22において、後退走行時であるか否かが判別される。
この判別は、例えば、変速機4の変速位置が後退変速段
を選択されているか状態であるか否かをみることにより
行なわれる。E22の判別でYESのときのときは、E
23において、後述する独立モ−ドでの正駆動が行なわ
れる。 【0035】E22の判別でNOのときは、E24にお
いて、前進走行時であるか否かが判別される。この判別
は、変速機4の変速位置が、前進変速段を選択されてい
る状態であるか否かをみることにより行なわれる。E2
4の判別でNOのときは、変速機4がニュ−トラル位置
にあるときであり、このときはそのままリタ−ンされ
る。E24の判別でYESのときのときは、前進時にお
ける制御内容となるE26以降の制御が適宜行なわれ
る。なお、E24の判別をなくして、変速機4がニュ−
トラルのときも前進時であるとみなして、E26以下の
処理を行なうようにしてもよい。 【0036】E26では、現在直進中であるか否かが判
別される。この直進であるか否かの判別は、実施例で
は、ハンドル舵角と車速とにより横Gを演算して、この
横Gが所定値以下のときに直進時である判定するように
してある。 【0037】E26の判別でYESのときは、E27〜
E39の処理が行なわれる。そして、最終的に、統合モ
−ドでの正駆動(E28)および逆駆動(E35)、蓄
圧モ−ド(E33、E39)あるいは油圧ロックモ−ド
(E31、E37)を行なう制御条件が満足されたか否
かが判定される。 【0038】なお、加速の度合および減速の度合は既知
の種々の手法によりなし得る。例えば、加速の度合は、
アクセルの踏込み速度の大きさ、アクセル踏込み量の増
大量、車速を微分して得られる車体加速度等のいずれか
1つあるいは任意の複数の組み合わせによって知ること
ができる。また、減速の度合は、例えば、アクセル解放
速度の大きさ、ブレ−キ踏込み速度の大きさ、ブレ−キ
踏込み量の増大量、車速を微分して得られる車体減速度
等のいずれか1つあるいは任意の複数の組み合わせによ
って知ることができる。ただし、実施例では、少なくと
もアクセルの戻し速度が早いとき(アクセル解放速度は
早いとき)は、油圧ロックモ−ドとするための緩減速以
上の減速であると判定するようにしてある。 【0039】図3のE26の判別でNOのときは、図4
の処理が行なわれるが、この図4は旋回時を前提したも
のとなる。そして、最終的に、独立モ−ドでの正駆動
(E42)と逆駆動(E44)あるいはLSDモ−ド
(E45)を行なう制御条件が満足したか否かが判定さ
れる。 【0040】フロ−チャ−トの説明(図5) 図5は、独立モ−ドでの正駆動制御の詳細を示す。な
お、統合モ−ドでの正駆動制御は、左右後輪について同
じ目標車速を与える点および切換弁VVAによる制御と
なる点において異なるのみで、独立モ−ドでの正駆動制
御と実質的に同じように行なわれる。先ず、Z1におい
て、デ−タ入力された後、Z2において、アクセル開度
と変速機4の変速位置とをパラメ−タとして、目標車速
VTRが設定される。 【0041】次いで、Z3において、目標車速VTRか
ら左後輪1RLの実際の車輪速VBLを差い引いた値
が、所定速度V1よりも大きいか否かが判別される。こ
のZ3の判別でNOのときのときは、正駆動による駆動
補助は必要ない状態であるとして、Z13において、左
後輪の正駆動が中止される。上記Z3、Z13の処理
は、右後輪1RRについても、左後輪1RLと別個独立
して行なわれる。なお、上記所定速度V1は、加速に十
分なスリップ量を示す速度に設定されるが、一定値でも
よく、車速VAが大きいほど大きくなるように可変の値
として設定することもできる。Z3の判別がYESのと
きは、Z4においてアクセルが全閉であるか否かが判別
され、Z4の判別でYESのときのときも、モ−タM
L、MRを利用した駆動補助は必要のない状態であると
して、Z13に移行する(この場合は、左右後輪1R
L、1RR同時に正駆動中止)。 【0042】Z4の判別でNOのときのときは、Z5に
おいて、車速VAとハンドル舵角とに基づいて、車体に
作用する横Gが演算される。この後、Z6において、補
正係数k1、k2が設定される。そして、Z7におい
て、右旋回であるか否かが判別される。このZ7の判別
でYESのときのときは、Z9において、左後輪1RL
の目標車輪速VTRLが、Z2で決定された目標車速V
TRに対して補正係数k1を乗算することにより算出さ
れ、同様に、右後輪1RRの目標車輪速VTRRが、目
標車速VTRに対して補正係数k2を乗算することによ
り算出される。 【0043】Z7の判別でNOのときは、Z8におい
て、左右後輪1RL、1RRの各目標車輪速が算出され
る。このZ6〜Z9の処理は、つまるところ、旋回外輪
側の目標車輪速を大きく、旋回内輪側の目標車輪速を遅
くする処理に相当する。ただし、直進時には、Z7の判
別でNOとなってZ8へ移行されるが、このときは、補
正係数が1とされているので(横Gが0あるいはほぼ0
である)、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速は互い
に等しくされる。 【0044】Z8あるいはZ9の後は、Z10におい
て、目標車輪速VTRL(VTRR)から後輪1RL
(1RR)の実際の車輪速VBL(VBR)を差い引い
た値に応じて、モ−タML(MR)に供給する油液量Q
が決定される。この油液量Qは、左右のモ−タML、M
Rに対して個々独立して決定されるものである。そし
て、Z11において、決定された油液量Qを実現するよ
うに、切換弁VVB・L、VVB・Rが個々独立して制
御される。 【0045】Z12においては、車速VAから、左後輪
1RLの実際の車輪速VBLを差し引いた値が、所定速
度「−V2」よりも小さいか否かが判別される。このZ
12の判別は、つまるところ、左後輪1RLの実際の車
輪速VBLが、車速VAに比して大き過ぎるか否かの判
別となるもので、Z12の判別でYESのときは、Z1
3において、後輪が所定スリップ値を維持するように、
供給流量Qを小さくする補正が行なわれる。なお、Z1
2、Z13の処理は、右後輪1RRについても同様に行
なわれる。Z12の判別でNOのときのときは、Z13
を経ることなくリタ−ンされる。 【0046】統合モ−ドでの正駆動制御においては、Z
5〜Z9の処理が不用になり、Z2で決定された目標車
速VTRが、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速VT
RL、VTRRとなる。また、Z11での流量Qを実現
するために、切換弁VVAが利用される。 【0047】フロ−チャ−トの説明(図6) 図6は、独立モ−ドでの逆駆動の詳細を示す。なお、統
合モ−ドでの正駆動制御は、流量調整に用いられる切換
弁が独立モ−ド時に用いられる切換弁と相違するのみで
あり、その他は独立モ−ドでの正駆動制御と同じように
行なわれる。先ず、Z21においてデ−タ入力された
後、Z22において、逆駆動フラグが1であるか否かが
判別される。このZ22の判別でNOのときのときは、
Z30において、ハンドル舵角と車速VAとをパラメ−
タとして設定された領域のどこに現在状態があるかの確
認が行なわれる。この後、Z31において、現在の状態
がZ30に示す領域中ハッチングを施したC領域にある
か否かが判別される。このZ31の判別でYESのとき
のときは、Z32において逆駆動フラグが1にセットさ
れた後Z21に戻り、Z31の判別でNOのときは、Z
32を経ることなくZ21に戻る。 【0048】Z32を経たときは、Z22の判別がYE
Sとなり、このときは、Z23において、現在ABS制
御中であるか否かが判別される。このZ23の判別でN
Oのときのときは、Z24において、ブレ−キ踏込み量
が大きいか否かが判別される。このZ25の判別でNO
のときのときは、Z25において、車速VAが所定値V
3以下の低車速時であるか否かが判別される。 【0049】Z25の判別でNOのときのときは、Z2
6において、車速VAと変速機4の変速位置とをパラメ
−タとして、モ−タML、MRに対する供給流量Qが決
定される。この後、Z27において、Z26で決定され
た流量Qが左右のモ−タML、MRに供給されるよう
に、切換弁VVB・L、VVB・Rが制御される。Z2
7の後、Z28、Z29の処理が行なわれるが、この処
理は、図9のZ12、Z13の処理に対応しており、逆
駆動力が大きくなり過ぎるのを補正する処理となる。 【0050】前記Z23、Z24、Z25のいずれかの
判別でYESのときは、Z33において逆駆動制御が中
止された後、Z34において逆駆動フラグが0にリセッ
トされる。なお、統合モ−ドでの逆駆動制御は、Z26
で決定された流量Qを実現する切換弁として、VVAが
利用される。 【0051】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)前進走行時に、逆駆動を行なわないようにしてもよ
い。 (2)左右後輪1RL、1RRをエンジン2により駆動
し、左右前輪1FL、1FRをモ−タML、MRにより
駆動するようにしてもよい。 (3)モ−タML、MRは電動式であってもよい。 (4)モ−タは左右独立して設けることなく、左右共通の
1つのみとしてもよい(旋回時にもモ−タによる補助駆
動を行なうときは、差動装置が設けられる)。 (5)ABS制御実行中は逆駆動を禁止してもよく、この
場合はABS制御実行中であることを示すABS信号が
制御ユニットU1へ伝送される。 (6)車両の前進時に、モ−タによる正駆動領域を路面μ
に応じて変更(拡大、縮小)してもよく、例えば緩加速
時でもモ−タによる正駆動を行なうようにしてもよく、
この場合は、路面μを示すμ信号を、制御ユニットU2
からU1へ伝送するようにしてもよく、あるいは別途設
けたμセンサからの信号を制御ユニットU1へ直接入力
させるようにしてもよい。
を利用して駆動を行なうようにした車両の駆動装置に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】最近の車両においては、4輪駆動車が増
加する傾向にあるが、重量低減等のために、左右前輪と
左右後輪とのうちいずれか一方をエンジンにより駆動す
る主駆動輪とすると共に、他方の車輪をモ−タにより駆
動する補助駆動輪とするようにしたものがある。特開平
2−120136号公報には、駆動力の互いに異なる2
つのモ−タを用いて、変速機の変速段に応じて、作動さ
れるモ−タの種類や数を変更するもの、つまりモ−タに
よる補助駆動力を変更するものが提案されている。 【0003】特開昭57−74222号公報には、左右
2つの油圧モ−タ(油圧シリンダ)に対する油圧供給の
分配が、左右の補助駆動輪に加わる路面負荷に応じて自
動的に行なわれるようにして、差動装置の機能を付加し
たものが提案されている。 【0004】特開昭63−38031号公報には、左右
2つの電気モ−タを用いたもので、車速が大きくなるほ
ど発電電圧を大きくしてモ−タの発生トルクが一定とな
るようにすると共に、マニュアルスイッチによってモ−
タによる駆動実行と駆動停止とを切換選択し得るように
したものが提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、モ−タによ
る駆動補助を行なうということは、路面に対する駆動力
の伝達を効果的に行なう上で好ましい反面、モ−タの駆
動エネルギが最終的にはエンジンに依存するため、燃費
向上の点からは好ましくない。また、2輪駆動状態と4
輪駆動状態とでは、直進安定性や旋回特性等の車両特性
に相違を生じることが多い。 【0006】上述のような観点から、あらかじめ設定し
た所定条件を満足した場合のみ、例えば加速時等の必要
最小限の領域に限って、モ−タを駆動することが考えら
れる。この一方、車両は、前進走行のみならず、後退走
行も行なわれるのが普通である。したがって、後退走行
のときにどのような領域でモ−タ駆動を行なうかという
ことが、前進走行時のモ−タ駆動領域の設定と合せて、
この種の車両における有用性を高める点で重要となる。 【0007】したがって、本発明の目的は、モ−タによ
って補助駆動輪の駆動を行なう領域の設定を、前進時と
後退時を含めて全体としてより適切になし得るようにし
た車両の駆動装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては、次のような構成としてある。す
なわち、左右前輪と左右後輪とのいずれか一方の車輪
が、変速機および差動装置を介してエンジンにより駆動
される主駆動輪とされ、他方の車輪が各々左右独立して
モ−タにより駆動される補助駆動輪とされ、車両前進時
において所定の条件でモータを前進方向に駆動する正駆
動を行うと共に、減速時に該正駆動を禁止するようにし
た車両であって、車両前進時の正駆動時に、少なくとも
アクセル開度と変速機の変速段とをパラメータとする所
定条件に基づいて目標車速を決定して、該決定された目
標車速と実際の車輪速との差に基づいてモータによる駆
動補助が必要か否かを判断し、補助駆動が必要と判断さ
れたときに該目標車速となるように前進方向へのモータ
の駆動力を発生させる一方、補助駆動が不要と判断され
たときにモータの補助駆動を禁止するように制御する第
1制御手段と、車両の後退時には、前記所定条件にかか
わりなく常に、車両の後退走行を補助する方向に前記左
右のモ−タに独立して駆動力を発生させる第2制御手段
と、を備えた構成としてある。 【0009】 【発明の効果】本発明によれば、走行時間が長くなる前
進時には、アクセル開度と変速機の変速段に関する所定
条件に基づいて目標車速を決定して、この目標車速と実
際の車輪速との差に基づいてモータによる補助駆動が必
要と判断されたときには、目標車速となるように車両の
前進方向へのモータ駆動力を発生させて補助駆動を行う
ように制御する一方、補助駆動が不要と判断されたとき
はモータによる補助駆動を禁止するように制御するの
で、モータによる前進走行の補助を効果的に行いつつ、
不必要なモータの駆動補助をなくして燃費向上の上でも
好ましいものとなる。また、後退時には、モ−タにより
車両の後退走行を常に補助して、後退時の確実な走行を
確保することができる。そして、後退時は、走行時間も
極めて短くかつ車速も低いので、後退時に常にモ−タを
駆動したとしても、燃費や車両の特性への悪影響という
ことは何等問題とならないものとなる。さらに、後退時
には、車庫入れや駐車時等ハンドルが大きく操作される
ことも多いが、左右のモータを個々独立して駆動制御す
るので、ハンドルが大きく操作された場合にも十分に対
応できるものとなる。 【0010】 【実施例】油圧系統等の説明(図1) 図1において、1FLは左前輪、1FRは右前輪、1R
Lは左後輪、1RRは右後輪である。車体前方にはエン
ジン2が配置され、該エンジン2の駆動力つまり発生ト
ルクは、クラッチ3、前進5段、後進1段の手動変速機
4を介して、差動装置5へ伝達される。そして、差動装
置5からは、左駆動シャフト6Lを介して左前輪1FL
へエンジン駆動力が伝達され、右駆動シャフト6Rを介
して右前輪1FRへエンジン駆動力が伝達される。 【0011】操舵輪となる左右前輪1FL、1FR同士
は、タイロッド等のステアリングリンク7によって連係
され、このステアリングリンク7とハンドル8とが、ラ
ックアンドピニオン機構9を介して連係されている。 【0012】左右の後輪1RL、1RRは、エンジン2
とは別途独立して、左右一対の油圧式モ−タML、MR
によって駆動されるようになっている。すなわち、左後
輪1RLは、左駆動シャフト11Lを介して左モ−タM
Lにより駆動され、右後輪1RRは右駆動シャフト11
Rを介して右モ−タMRによって駆動されるようになっ
ている。このモ−タMLつまり左駆動シャフト11L
と、モ−タMRつまり右駆動シャフト11Rとは互いに
分断されていて、左右個々独立して駆動可能となってい
る。そして、左右の駆動シャフト11Lと11Rとは、
油圧式のクラッチ12によって断続可能とされている。 【0013】モ−タML(MR)は、タ−ビン式(羽根
車式)とされて、第1接続口La(Ra)と第2接続口
Lb(Rb)とを有し、La(Ra)からLb(Rb)
へと高圧の油液が流れたときに前進方向の回転となり、
これとは逆方向に高圧の油液の流れのときは後退方向の
回転とされる。そして、モ−タMLとMRとは互いに同
一仕様とされて、その最大発生トルクの合計値は、エン
ジン2の最大発生トルクの1/3〜1/2程度とされて
いる。なお、実施例では、モ−タML、MRによる後輪
駆動は後述する所定条件下においてのみ実行されるもの
である。すなわち、エンジン2により左右前輪1FL、
1FRが駆動されているときでも、左右後輪1RL、1
RRはモ−タML、MRによって駆動されない場合もあ
る。 【0014】Pは油圧発生源としてのポンプで、このポ
ンプPは、容量可変型とされて、エンジン2の出力軸2
aによって、駆動プ−リ13、ベルト14、被動プ−リ
15を介して駆動される。リザ−バタンク16からポン
プPによって汲み上げられた高圧の油液は、チェック弁
17が接続された高圧ライン18へ吐出される。この高
圧ライン18からは、チェック弁10あるいは32が接
続された互いに並列な第1および第2の油圧供給ライン
31Aおよび31Bが導出されている。また、リザ−バ
タンク16からは、解放ライン23が導出されている。
さらに、モ−タML(MR)の各接続口La、Lb(R
a、Rb)からは、互いに並列なライン20L、21L
(20R、21R)が導出されている。 【0015】左モ−タMLのライン20Lと21Lと
が、切換弁VVA、互いに並列なライン19、19Lと
ライン22、22Lおよび切換弁VVB・L、VVE・
Lを利用して、第1供給ライン31Aと解放ライン23
に対して選択的に接続可能とされている。同様に、右モ
−タMRのライン20Rと21Rとが、切換弁VVA、
互いに並列なライン19、19Rとライン22、22
R、および切換弁VVB・R、VVE・Rを利用して、
第1供給ライン31Aと解放ライン23に対して選択的
に接続可能とされている。 【0016】前記第2の共通供給ライン31Bには、前
記チェック弁32の下流側において切換弁VVIが、さ
らに下流側において分流弁34が接続されている。分流
弁VVIにより2本に分岐された一方の分岐供給ライン
33Lが、前記ライン19Lに連なり、他方の分岐供給
ライン33Rが前記ライン19Rに連なっている。 【0017】高圧ライン18には、高圧の油圧を貯留し
ておくためのアキュムレ−タ41が接続されている。こ
の高圧ライン18に対しては、ライン20L(20R)
が、通路42L(42R)によって接続されている。こ
の通路42L(42R)には、チェック弁43L(43
R)、切換弁VVF・L(VVF・R)が接続されてい
る。通路43Lと43Rとは、互いに並列で、前述の各
弁VVA、VVB・L(VVB・R)、VVE・L(V
VE・R)、VVI、分流弁34等をバイパスしてい
る。 【0018】前記ライン20L(20R)とライン21
L(21R)とが、連通路51L(51R)によって連
通され、この連通路51L(51R)には、可変オリフ
ィスVVC・L(VVC・R)が接続されている。 【0019】前記クラッチ12断続用のアクチュエ−タ
が符号61によって示される。このアクチュエ−タ61
用の供給ライン62が高圧ライン18に対して、また排
出ライン63が解放ライン23に対して、切換弁VVJ
を利用して選択的に接続可能とされると共に、当該切換
弁VVJによって両ライン62と63とが共に遮断され
た状態をとり得るようになっている。 【0020】左右の各モ−タMLとMR同士は、連通路
71によって接続されて、この連通路71には開閉弁V
VDが接続されている。前記解放ライン23は、高圧ラ
イン18に対して、チェック弁17よりも上流側(ポン
プP側)においてロ−ド・アンロ−ド弁VVHを介して
接続されると共に、チェック弁17よりも下流側におい
て安全弁VVGを介して接続されている。 【0021】制御モ−ドの説明(表1) 本実施例においては、後述するように合計8種類の制御
モ−ドを有し、各モ−ドが実行されるときの前述した各
弁の作動状態をまとめて次の表1に示してある。この表
において、左右を識別する符号「L」と「R」の表示は
省略してある。なお、表1に示されないロ−ド・アンロ
−ド弁VVHは、高圧ライン18の圧力が下限値と上限
値との間での所定圧範囲となるように開閉制御されるも
のである。 【0022】 【表1】【0023】表1に示された各制御モ−ドにおいて、主
要な作用をはたす弁の作動状態を具体的に説明すると、
次の通りである。 (1)統合モ−ド 統合モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとが同一回転数となるようにモ−タML、MRの
駆動制御を行なうもので、正駆動(駆動補助)と逆駆動
(制動)との2種類ある。この統合モ−ドにおいては、
クラッチ12が締結され(切換弁VVJがライン62を
開きライン63を閉じた状態)、切換弁VVB・L(V
VB・R)、VVE・L(VVE・R)およびVVIの
作動態様は図1に示す状態とされる。この状態で、切換
弁VVAを制御して、正駆動あるいは逆駆動に応じた油
圧供給方向の切換(モ−タML、MRの正転、逆転の方
向設定)と、モ−タML、MRに対する供給流量が制御
される(第1供給ライン31Aを利用した油圧供給)。
なお、逆駆動においては、後述する油圧ロックモ−ドよ
りも大きい減速を得るものであるが、当然のことなが
ら、後輪1RL、1RRが車両の進行方向に対して逆方
向に回転するような大きな駆動力を与えるものではな
い。 【0024】(2)独立モ−ド 独立モ−ドは、後に詳述するように、左右後輪1RLと
1RRとがそれぞれ個々独立して設定される目標回転数
となるようにモ−タML、MRの駆動制御を行なうもの
で、統合モ−ドの場合と同様に正駆動と逆駆動との2種
類ある。この独立モ−ドにおいては、クラッチ12が締
結解除される(切換弁VVJがライン62を閉じライン
63を開いた状態)。切換弁VVE・L(VVE・R)
の作動態様は図1に示す状態とされるが、切換弁VVA
は中央切換位置とされて第1供給ライン31Aが遮断さ
れる。切換弁VVIは開位置とされて、第2供給ライン
31Bを利用した油圧供給態様とされる。この状態で、
切換弁VVB・L(VVB・R)を制御して、正駆動あ
るいは逆駆動に応じた油圧供給方向の切換(モ−タM
L、MRの正転、逆転の方向設定)と、モ−タML、M
Rに対する供給流量が制御される。 【0025】(3)LSDモ−ド LSDモ−ドは、差動制限機能を得るもので、切換弁V
VB・LおよびVVB・Rはライン20L、21L(2
0R、21R)を共に閉じて、モ−タML、MRに対す
る油圧の給排を完全に遮断した状態とされる。そして、
開閉弁VVDが開かれて、両モ−タMLとMRとの各閉
じられた左右の油圧経路内同士を連通して、左右のモ−
タMLとMRとの間で大きな回転差を生じてしまうのを
防止する。このLSDモ−ドでは、可変オリフィスVV
C・L(VVC・R)は全閉とされている。なお、この
LSDモードは本発明とは直接関係のない事項なので、
これ以上詳細な説明は省略する。 【0026】(4)油圧ロックモ−ド 油圧ロックモ−ドは、通路抵抗つまり可変オリフィスV
VC・L(VVC・R)の絞り抵抗を利用した減速力を
得るものである。この油圧ロックモ−ドでは、切換弁V
VB・L、VVB・Rが中央切換位置にあって、ライン
20L、21L、20R、21Rが遮断され、かつ開閉
弁VVDが閉じられている。そして、可変オリフィスV
VC・L、VVC・Rが開かれる。この状態では、油液
は、モ−タML(MR)の回転に応じて、可変オリフィ
スVVC・L(VVC・R)を含んで形成される閉じら
れた閉油圧回路を循環されることになるが、循環中に油
液が通過する可変オリフィスVVC・L(VVC・R)
の絞り抵抗が、車両への減速力を与えることになる。そ
して、可変オリフィスVVC・LおよびVVC・Rの開
度は、車両の減速度が大きいほど小さくなるように制御
される(減速度に応じた可変オリフィスVVC・L、V
VC・Rの開度設定を、図3のステップE37に例示し
てある)。なお、クラッチ12は、締結状態でも、締結
解除状態のいずれでもよい。 【0027】(5)蓄圧モ−ド 蓄圧モ−ドは、走行中に、車両つまり後輪1RL、1R
Rによって駆動されるモ−タML、MRをポンプとして
機能させて、アキュムレ−タ41に蓄圧させるものであ
る。この蓄圧モ−ドでは、ライン21L(21R)がリ
ザ−バタンク16に連通される一方、開閉弁VVF・L
(VVF・R)が開となって、リザ−バタンク16内の
油液がモ−タML(MR)により汲み上げられて、アキ
ュムレ−タ41に蓄圧される。 【0028】(6)停車モ−ド 停車モ−ドは、パ−キングブレ−キが作動していない状
態において、車両を停止させるようにモ−タML、MR
を駆動制御するものである(車速が目標車速0となるよ
うに、モ−タML、MRの駆動を制御する)。この場
合、油圧供給のラインは第2供給ライン31Bが利用さ
れ、油圧の給排制御は、切換弁VVB・L(VVB・
R)を利用して行なわれる。 【0029】(7)駐車モ−ド 駐車モ−ドは、パ−キングブレ−キが作動した状態にお
いて、駐車状態を維持しようとする作用を高めるもので
ある。すなわち、駐車モ−ドでは、切換弁VVB・L
(VVB・R)が中央切換位置の閉位置とされて油圧の
給排ラインが遮断されると共に、クラッチ12が締結さ
れる。 【0030】(8)F/Sモ−ド F/Sモ−ドは、フェイルセ−フモ−ドであり、何等か
の異常があったとき、例えば高圧ラインが異常に高圧と
なったとき、モ−タML、MRが正常に駆動されなくな
ったとき、ある弁が固着してしまったとき、さらには油
温が所定温度以上に高くなってしまたとき等には、安全
弁VVGが開かれて、高圧ライン18の油圧が解放され
る。 【0031】制御系統の説明(図2) 図2は、本発明における制御系統を示すものである。図
中U1、U2はそれぞれマイクロコンピュ−タを利用し
て構成された制御ユニットで、制御ユニットU1が前述
した各弁VVA等の制御を行なうメイン制御ユニットで
ある。また、制御ユニットU2はABS制御(アンチロ
ックブレ−キ制御)用である。また、S1〜S10は、
それぞれセンサあるいはスイッチである。 【0032】センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1R
Rの回転速度つまり車輪速を個々独立して検出するもの
であり、各センサS1〜S4で検出された車輪速は、制
御ユニットU2から制御ユニットU1へ伝送される。セ
ンサS5は、車速を検出するもので、実施例では対地車
速を検出するものとなっている(絶対車速の検出)。セ
ンサS6は、変速機4の変速位置つまりギア位置を検出
するものである。センサS7は、エンジン回転数を検出
するものである。センサS8はハンドル舵角を検出する
ものである。センサS9はアクセル開度を検出するもの
である。センサS10はブレ−キペダルの踏込み量を検
出するものである。 【0033】各センサあるいはスイッチS5〜S10の
信号は、制御ユニットU1に入力されて、制御ユニット
U1は、前述した各弁VVA〜VVJを制御する。勿
論、制御ユニットU2は、ブレ−キ時に車輪がロックす
るのを防止するためのもので、制御ユニットU2から
は、各車輪のブレ−キを個々独立して調整するためのブ
レ−キ液圧調整手段81に対して制御信号が出力され
る。制御ユニットU2から制御ユニットU1へは、セン
サS1〜S4で検出された車輪速信号が伝送されるが、
センサS1〜S4からの信号は制御ユニットU1へ直接
入力させるようにしてもよい。 【0034】フロ−チャ−トの説明(図3) 次に、図3以下のフロ−チャ−トを参照しつつ、制御ユ
ニットU1の制御内容について説明するが、以下の説明
でE、Zはそれぞれステップを示す。先ず、図3のE2
1において、各センサ等からの信号が読込まれた後、E
22において、後退走行時であるか否かが判別される。
この判別は、例えば、変速機4の変速位置が後退変速段
を選択されているか状態であるか否かをみることにより
行なわれる。E22の判別でYESのときのときは、E
23において、後述する独立モ−ドでの正駆動が行なわ
れる。 【0035】E22の判別でNOのときは、E24にお
いて、前進走行時であるか否かが判別される。この判別
は、変速機4の変速位置が、前進変速段を選択されてい
る状態であるか否かをみることにより行なわれる。E2
4の判別でNOのときは、変速機4がニュ−トラル位置
にあるときであり、このときはそのままリタ−ンされ
る。E24の判別でYESのときのときは、前進時にお
ける制御内容となるE26以降の制御が適宜行なわれ
る。なお、E24の判別をなくして、変速機4がニュ−
トラルのときも前進時であるとみなして、E26以下の
処理を行なうようにしてもよい。 【0036】E26では、現在直進中であるか否かが判
別される。この直進であるか否かの判別は、実施例で
は、ハンドル舵角と車速とにより横Gを演算して、この
横Gが所定値以下のときに直進時である判定するように
してある。 【0037】E26の判別でYESのときは、E27〜
E39の処理が行なわれる。そして、最終的に、統合モ
−ドでの正駆動(E28)および逆駆動(E35)、蓄
圧モ−ド(E33、E39)あるいは油圧ロックモ−ド
(E31、E37)を行なう制御条件が満足されたか否
かが判定される。 【0038】なお、加速の度合および減速の度合は既知
の種々の手法によりなし得る。例えば、加速の度合は、
アクセルの踏込み速度の大きさ、アクセル踏込み量の増
大量、車速を微分して得られる車体加速度等のいずれか
1つあるいは任意の複数の組み合わせによって知ること
ができる。また、減速の度合は、例えば、アクセル解放
速度の大きさ、ブレ−キ踏込み速度の大きさ、ブレ−キ
踏込み量の増大量、車速を微分して得られる車体減速度
等のいずれか1つあるいは任意の複数の組み合わせによ
って知ることができる。ただし、実施例では、少なくと
もアクセルの戻し速度が早いとき(アクセル解放速度は
早いとき)は、油圧ロックモ−ドとするための緩減速以
上の減速であると判定するようにしてある。 【0039】図3のE26の判別でNOのときは、図4
の処理が行なわれるが、この図4は旋回時を前提したも
のとなる。そして、最終的に、独立モ−ドでの正駆動
(E42)と逆駆動(E44)あるいはLSDモ−ド
(E45)を行なう制御条件が満足したか否かが判定さ
れる。 【0040】フロ−チャ−トの説明(図5) 図5は、独立モ−ドでの正駆動制御の詳細を示す。な
お、統合モ−ドでの正駆動制御は、左右後輪について同
じ目標車速を与える点および切換弁VVAによる制御と
なる点において異なるのみで、独立モ−ドでの正駆動制
御と実質的に同じように行なわれる。先ず、Z1におい
て、デ−タ入力された後、Z2において、アクセル開度
と変速機4の変速位置とをパラメ−タとして、目標車速
VTRが設定される。 【0041】次いで、Z3において、目標車速VTRか
ら左後輪1RLの実際の車輪速VBLを差い引いた値
が、所定速度V1よりも大きいか否かが判別される。こ
のZ3の判別でNOのときのときは、正駆動による駆動
補助は必要ない状態であるとして、Z13において、左
後輪の正駆動が中止される。上記Z3、Z13の処理
は、右後輪1RRについても、左後輪1RLと別個独立
して行なわれる。なお、上記所定速度V1は、加速に十
分なスリップ量を示す速度に設定されるが、一定値でも
よく、車速VAが大きいほど大きくなるように可変の値
として設定することもできる。Z3の判別がYESのと
きは、Z4においてアクセルが全閉であるか否かが判別
され、Z4の判別でYESのときのときも、モ−タM
L、MRを利用した駆動補助は必要のない状態であると
して、Z13に移行する(この場合は、左右後輪1R
L、1RR同時に正駆動中止)。 【0042】Z4の判別でNOのときのときは、Z5に
おいて、車速VAとハンドル舵角とに基づいて、車体に
作用する横Gが演算される。この後、Z6において、補
正係数k1、k2が設定される。そして、Z7におい
て、右旋回であるか否かが判別される。このZ7の判別
でYESのときのときは、Z9において、左後輪1RL
の目標車輪速VTRLが、Z2で決定された目標車速V
TRに対して補正係数k1を乗算することにより算出さ
れ、同様に、右後輪1RRの目標車輪速VTRRが、目
標車速VTRに対して補正係数k2を乗算することによ
り算出される。 【0043】Z7の判別でNOのときは、Z8におい
て、左右後輪1RL、1RRの各目標車輪速が算出され
る。このZ6〜Z9の処理は、つまるところ、旋回外輪
側の目標車輪速を大きく、旋回内輪側の目標車輪速を遅
くする処理に相当する。ただし、直進時には、Z7の判
別でNOとなってZ8へ移行されるが、このときは、補
正係数が1とされているので(横Gが0あるいはほぼ0
である)、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速は互い
に等しくされる。 【0044】Z8あるいはZ9の後は、Z10におい
て、目標車輪速VTRL(VTRR)から後輪1RL
(1RR)の実際の車輪速VBL(VBR)を差い引い
た値に応じて、モ−タML(MR)に供給する油液量Q
が決定される。この油液量Qは、左右のモ−タML、M
Rに対して個々独立して決定されるものである。そし
て、Z11において、決定された油液量Qを実現するよ
うに、切換弁VVB・L、VVB・Rが個々独立して制
御される。 【0045】Z12においては、車速VAから、左後輪
1RLの実際の車輪速VBLを差し引いた値が、所定速
度「−V2」よりも小さいか否かが判別される。このZ
12の判別は、つまるところ、左後輪1RLの実際の車
輪速VBLが、車速VAに比して大き過ぎるか否かの判
別となるもので、Z12の判別でYESのときは、Z1
3において、後輪が所定スリップ値を維持するように、
供給流量Qを小さくする補正が行なわれる。なお、Z1
2、Z13の処理は、右後輪1RRについても同様に行
なわれる。Z12の判別でNOのときのときは、Z13
を経ることなくリタ−ンされる。 【0046】統合モ−ドでの正駆動制御においては、Z
5〜Z9の処理が不用になり、Z2で決定された目標車
速VTRが、左右後輪1RL、1RRの目標車輪速VT
RL、VTRRとなる。また、Z11での流量Qを実現
するために、切換弁VVAが利用される。 【0047】フロ−チャ−トの説明(図6) 図6は、独立モ−ドでの逆駆動の詳細を示す。なお、統
合モ−ドでの正駆動制御は、流量調整に用いられる切換
弁が独立モ−ド時に用いられる切換弁と相違するのみで
あり、その他は独立モ−ドでの正駆動制御と同じように
行なわれる。先ず、Z21においてデ−タ入力された
後、Z22において、逆駆動フラグが1であるか否かが
判別される。このZ22の判別でNOのときのときは、
Z30において、ハンドル舵角と車速VAとをパラメ−
タとして設定された領域のどこに現在状態があるかの確
認が行なわれる。この後、Z31において、現在の状態
がZ30に示す領域中ハッチングを施したC領域にある
か否かが判別される。このZ31の判別でYESのとき
のときは、Z32において逆駆動フラグが1にセットさ
れた後Z21に戻り、Z31の判別でNOのときは、Z
32を経ることなくZ21に戻る。 【0048】Z32を経たときは、Z22の判別がYE
Sとなり、このときは、Z23において、現在ABS制
御中であるか否かが判別される。このZ23の判別でN
Oのときのときは、Z24において、ブレ−キ踏込み量
が大きいか否かが判別される。このZ25の判別でNO
のときのときは、Z25において、車速VAが所定値V
3以下の低車速時であるか否かが判別される。 【0049】Z25の判別でNOのときのときは、Z2
6において、車速VAと変速機4の変速位置とをパラメ
−タとして、モ−タML、MRに対する供給流量Qが決
定される。この後、Z27において、Z26で決定され
た流量Qが左右のモ−タML、MRに供給されるよう
に、切換弁VVB・L、VVB・Rが制御される。Z2
7の後、Z28、Z29の処理が行なわれるが、この処
理は、図9のZ12、Z13の処理に対応しており、逆
駆動力が大きくなり過ぎるのを補正する処理となる。 【0050】前記Z23、Z24、Z25のいずれかの
判別でYESのときは、Z33において逆駆動制御が中
止された後、Z34において逆駆動フラグが0にリセッ
トされる。なお、統合モ−ドでの逆駆動制御は、Z26
で決定された流量Qを実現する切換弁として、VVAが
利用される。 【0051】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)前進走行時に、逆駆動を行なわないようにしてもよ
い。 (2)左右後輪1RL、1RRをエンジン2により駆動
し、左右前輪1FL、1FRをモ−タML、MRにより
駆動するようにしてもよい。 (3)モ−タML、MRは電動式であってもよい。 (4)モ−タは左右独立して設けることなく、左右共通の
1つのみとしてもよい(旋回時にもモ−タによる補助駆
動を行なうときは、差動装置が設けられる)。 (5)ABS制御実行中は逆駆動を禁止してもよく、この
場合はABS制御実行中であることを示すABS信号が
制御ユニットU1へ伝送される。 (6)車両の前進時に、モ−タによる正駆動領域を路面μ
に応じて変更(拡大、縮小)してもよく、例えば緩加速
時でもモ−タによる正駆動を行なうようにしてもよく、
この場合は、路面μを示すμ信号を、制御ユニットU2
からU1へ伝送するようにしてもよく、あるいは別途設
けたμセンサからの信号を制御ユニットU1へ直接入力
させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる油圧系統の一例を示す図。
【図2】制御系統の一例を示す図。
【図3】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図4】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図5】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図6】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
U1:制御ユニット(モ−タ制御用)
U2:制御ユニット(ABS制御用)
P:ポンプ
ML、MR:モ−タ
1FL、1FR:前輪
1RL、1RR:後輪
2:エンジン
4:変速機
5:差動装置
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭60−64035(JP,A)
特開 昭64−77401(JP,A)
実開 平4−76527(JP,U)
実公 昭48−8821(JP,Y1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60K 17/356
B60K 17/04
F16H 61/40
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】左右前輪と左右後輪とのいずれか一方の車
輪が、変速機および差動装置を介してエンジンにより駆
動される主駆動輪とされ、他方の車輪が各々左右独立し
てモ−タにより駆動される補助駆動輪とされ、車両前進
時において所定の条件でモータを前進方向に駆動する正
駆動を行うと共に、減速時に該正駆動を禁止するように
した車両であって、 車両前進時の正駆動時に、少なくともアクセル開度と変
速機の変速段とをパラメータとする所定条件に基づいて
目標車速を決定して、該決定された目標車速と実際の車
輪速との差に基づいてモータによる駆動補助が必要か否
かを判断し、補助駆動が必要と判断されたときに該目標
車速となるように前進方向へのモータの駆動力を発生さ
せる一方、補助駆動が不要と判断されたときにモータの
補助駆動を禁止するように制御する第1制御手段と、 車両の後退時には、前記所定条件にかかわりなく常に、
車両の後退走行を補助する方向に前記左右のモ−タに独
立して駆動力を発生させる第2制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35580992A JP3402638B2 (ja) | 1992-12-19 | 1992-12-19 | 車両の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35580992A JP3402638B2 (ja) | 1992-12-19 | 1992-12-19 | 車両の駆動装置 |
Publications (2)
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---|---|
JPH06183280A JPH06183280A (ja) | 1994-07-05 |
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ID=18445865
Family Applications (1)
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JP35580992A Expired - Fee Related JP3402638B2 (ja) | 1992-12-19 | 1992-12-19 | 車両の駆動装置 |
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---|---|---|---|---|
JP4291823B2 (ja) | 2006-02-08 | 2009-07-08 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
1992
- 1992-12-19 JP JP35580992A patent/JP3402638B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06183280A (ja) | 1994-07-05 |
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