JP3380858B2 - 無機質系成形品の製造方法 - Google Patents
無機質系成形品の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、例えば、建築材料、産
業用の構造材や部材などとして好適に用いられる無機質
系成形品の製造方法に関し、詳しくは、従来から汎用さ
れている無機質系材料であるセメント系材料又は珪酸カ
ルシウム系材料と比べて、強度、耐水性、耐熱衝撃性、
寸法安定性に優れた無機質系成形品を得るための製造方
法に関する。
業用の構造材や部材などとして好適に用いられる無機質
系成形品の製造方法に関し、詳しくは、従来から汎用さ
れている無機質系材料であるセメント系材料又は珪酸カ
ルシウム系材料と比べて、強度、耐水性、耐熱衝撃性、
寸法安定性に優れた無機質系成形品を得るための製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築材料や、不燃性が要求される
用途での構造材又は部材として、セメント板、珪酸カル
シウム板等が広く使用されている。しかしながら、セメ
ント系材料及び珪酸カルシウム系材料は、これらの材料
の硬化には水が関与しているために水和水を含有してい
る。したがって、水和水が気化する温度以上の高温にセ
メント系材料及び珪酸カルシウム系材料が曝されると、
クラックが入って寸法が大きく変化したり、強度が著し
く低下することがある。
用途での構造材又は部材として、セメント板、珪酸カル
シウム板等が広く使用されている。しかしながら、セメ
ント系材料及び珪酸カルシウム系材料は、これらの材料
の硬化には水が関与しているために水和水を含有してい
る。したがって、水和水が気化する温度以上の高温にセ
メント系材料及び珪酸カルシウム系材料が曝されると、
クラックが入って寸法が大きく変化したり、強度が著し
く低下することがある。
【0003】そのような高温においても耐性のある無機
質系の材料として、リン酸及び/又はリン酸塩と各種金
属化合物とを含有する硬化性組成物や、その硬化性組成
物を硬化させて得た無機質系材料が提案されている。ま
た、この無機質系材料を強化材で補強した各種の成形
品、構造材及び建築材料も提案されている。
質系の材料として、リン酸及び/又はリン酸塩と各種金
属化合物とを含有する硬化性組成物や、その硬化性組成
物を硬化させて得た無機質系材料が提案されている。ま
た、この無機質系材料を強化材で補強した各種の成形
品、構造材及び建築材料も提案されている。
【0004】例えば、特開昭47−2424号公報で
は、中性リン酸マグネシウム、アルカリ土類金属の酸化
物、シリカ、シリカ以外の酸性酸化物及び無機繊維から
構成されている密度が0.9g/cc以下であり、融点
が1500℃以上であり、また、使用限界温度が120
0℃以上である半合成の熱絶縁性の耐火材料が提案され
ている。
は、中性リン酸マグネシウム、アルカリ土類金属の酸化
物、シリカ、シリカ以外の酸性酸化物及び無機繊維から
構成されている密度が0.9g/cc以下であり、融点
が1500℃以上であり、また、使用限界温度が120
0℃以上である半合成の熱絶縁性の耐火材料が提案され
ている。
【0005】また、特開昭51−2727号公報では、
リン酸又は(及び)リン酸塩と、アルミニウム又は(及
び)アルミニウム化合物と、周期律表第IIA族の金属及
び/又は周期律表第IIA族の金属化合物の三系列成分を
混合反応させて得られる組成物を適量の水とともに又は
そのままで、セメント補強材、充填剤等と混合し製板し
て得られた生板状物を硬化させる無機質建築用板の製法
が提案されている。
リン酸又は(及び)リン酸塩と、アルミニウム又は(及
び)アルミニウム化合物と、周期律表第IIA族の金属及
び/又は周期律表第IIA族の金属化合物の三系列成分を
混合反応させて得られる組成物を適量の水とともに又は
そのままで、セメント補強材、充填剤等と混合し製板し
て得られた生板状物を硬化させる無機質建築用板の製法
が提案されている。
【0006】また、特開昭55−51768号公報で
は、(a)アルミナ、シリカ、又は両者の少なくとも一
つを主成分とする天然物又は組成物、或いは、ガラス
と、(b)リン酸又はその塩との混合物からなる無機質
成形材料に、上限が750℃である焼成温度に耐え得る
補強材を添加した低温焼成無機組成物が提案されてお
り、その補強材としてガラス繊維、ロックウール、金属
繊維、カーボン繊維、及び、これらの混合物が挙げられ
ている。
は、(a)アルミナ、シリカ、又は両者の少なくとも一
つを主成分とする天然物又は組成物、或いは、ガラス
と、(b)リン酸又はその塩との混合物からなる無機質
成形材料に、上限が750℃である焼成温度に耐え得る
補強材を添加した低温焼成無機組成物が提案されてお
り、その補強材としてガラス繊維、ロックウール、金属
繊維、カーボン繊維、及び、これらの混合物が挙げられ
ている。
【0007】また、特開昭55−95667号公報で
は、ガラス繊維強化材、銅−クロム−リン酸バインダー
又はアルミニウム−クロム−リン酸バインダー、及び、
活性中和ドープ剤としてのカオリンとマグネシウム含有
無機エクステンダーとの粉状混合物からなる構造材料が
提案されている。
は、ガラス繊維強化材、銅−クロム−リン酸バインダー
又はアルミニウム−クロム−リン酸バインダー、及び、
活性中和ドープ剤としてのカオリンとマグネシウム含有
無機エクステンダーとの粉状混合物からなる構造材料が
提案されている。
【0008】また、特公昭59−3958号公報には、
無機質皮膜形成材を主剤とし、これに対して適量の速効
性硬化剤及び遅効性硬化剤を混合した水性スラリー状混
合物を、紙、織布、不織布、マット等の定形繊維基材に
含浸塗布した後、硬化させる可撓性無機質不燃成形体の
製造法が開示されており、無機質皮膜形成剤としてリン
酸アルミニウム、ポリリン酸アルミニウム等のリン酸金
属塩等が、その硬化剤として酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、珪酸カル
シウム等が、繊維基材としてガラス繊維等が挙げられて
いる。
無機質皮膜形成材を主剤とし、これに対して適量の速効
性硬化剤及び遅効性硬化剤を混合した水性スラリー状混
合物を、紙、織布、不織布、マット等の定形繊維基材に
含浸塗布した後、硬化させる可撓性無機質不燃成形体の
製造法が開示されており、無機質皮膜形成剤としてリン
酸アルミニウム、ポリリン酸アルミニウム等のリン酸金
属塩等が、その硬化剤として酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、珪酸カル
シウム等が、繊維基材としてガラス繊維等が挙げられて
いる。
【0009】また、特開昭60−228142号公報で
は、少なくとも一種類の層材料の少なくとも一層からな
り、該層材料の各層が、金属酸化物、珪酸カルシウム及
びリン酸からなる組成物の反応から得られた耐水性リン
酸塩接着材料によって、隣接層に接着されている被接着
複合構造物が提案されており、層材料の例として織布、
不織布及びチョップドガラス繊維等が挙げられている。
は、少なくとも一種類の層材料の少なくとも一層からな
り、該層材料の各層が、金属酸化物、珪酸カルシウム及
びリン酸からなる組成物の反応から得られた耐水性リン
酸塩接着材料によって、隣接層に接着されている被接着
複合構造物が提案されており、層材料の例として織布、
不織布及びチョップドガラス繊維等が挙げられている。
【0010】更に、特公昭61−58420号公報に
は、マグネシウム塩、水溶性リン酸化物成分及び酸化マ
グネシウムからなり、粘度が約700〜15000cp
sである反応性の水性スラリーに、スラリー重量の2〜
40%のミクロファイバー充填剤を混合する充填無機塑
性セメントの製造方法が開示されている。
は、マグネシウム塩、水溶性リン酸化物成分及び酸化マ
グネシウムからなり、粘度が約700〜15000cp
sである反応性の水性スラリーに、スラリー重量の2〜
40%のミクロファイバー充填剤を混合する充填無機塑
性セメントの製造方法が開示されている。
【0011】上記の従来技術におけるリン酸及び/又は
リン酸塩と各種金属化合物とを含有する硬化性組成物で
は、リン酸又はリン酸塩とその硬化剤である金属化合物
との反応が組成物を調合した直後から始まって進行する
ので、硬化剤の種類によっては、硬化性組成物のポット
ライフが短くなる場合がある。また、調合してから経過
する時間が長くなるにつれて硬化性組成物のゲル化が進
行してその粘度が高くなり、硬化性組成物と繊維状の強
化材とを複合させる際に強化材への組成物の含浸が不十
分となり、硬化性組成物を硬化させて得られた成形品の
機械的強度が低くなる場合がある。
リン酸塩と各種金属化合物とを含有する硬化性組成物で
は、リン酸又はリン酸塩とその硬化剤である金属化合物
との反応が組成物を調合した直後から始まって進行する
ので、硬化剤の種類によっては、硬化性組成物のポット
ライフが短くなる場合がある。また、調合してから経過
する時間が長くなるにつれて硬化性組成物のゲル化が進
行してその粘度が高くなり、硬化性組成物と繊維状の強
化材とを複合させる際に強化材への組成物の含浸が不十
分となり、硬化性組成物を硬化させて得られた成形品の
機械的強度が低くなる場合がある。
【0012】また、上記硬化性組成物の硬化の過程にお
いては、水硬性であるセメント系材料又は珪酸カルシウ
ム系材料とは異なり、所望の形状に成形する際に組成物
が流動するために必要な水のほとんどは、組成物の硬化
に寄与せず、余剰水として外部に放出される。この場
合、硬化性組成物の表面部又はその近傍に存在する水は
比較的容易に、しかも得られる成形品の組織にボイド等
の欠陥を与えずに放出される。
いては、水硬性であるセメント系材料又は珪酸カルシウ
ム系材料とは異なり、所望の形状に成形する際に組成物
が流動するために必要な水のほとんどは、組成物の硬化
に寄与せず、余剰水として外部に放出される。この場
合、硬化性組成物の表面部又はその近傍に存在する水は
比較的容易に、しかも得られる成形品の組織にボイド等
の欠陥を与えずに放出される。
【0013】しかし、硬化性組成物の反応、硬化が速い
場合には、内部の水が気化して放出される前に表面部だ
けが先に硬化してしまって、組成物の内部に水が残存し
てしまう。硬化性組成物の反応及び硬化を完了させるた
めには加熱する必要があり、この加熱によって内部に残
存している水が気化しても、外部へは極めて放出され難
いので、気化した水が気泡をつくって組成物の内部にボ
イドを形成したり、硬化が完了していない組成物を膨張
させたり、クラックを発生させたりして、成形品の機械
的強度や外観等を損なう場合がある。
場合には、内部の水が気化して放出される前に表面部だ
けが先に硬化してしまって、組成物の内部に水が残存し
てしまう。硬化性組成物の反応及び硬化を完了させるた
めには加熱する必要があり、この加熱によって内部に残
存している水が気化しても、外部へは極めて放出され難
いので、気化した水が気泡をつくって組成物の内部にボ
イドを形成したり、硬化が完了していない組成物を膨張
させたり、クラックを発生させたりして、成形品の機械
的強度や外観等を損なう場合がある。
【0014】硬化性組成物におけるリン酸又はリン酸塩
と各種金属化合物との反応を抑制して、上記の問題点を
解決し、また、成形品を得る際の作業性や成形性を改善
することを目的に、特開平4−317403号公報に
は、硬化性組成物に有機液体緩衝剤を添加することが開
示されており、また、有機液体緩衝剤としてカルボン酸
類、アミン類、尿素等が挙げられている。
と各種金属化合物との反応を抑制して、上記の問題点を
解決し、また、成形品を得る際の作業性や成形性を改善
することを目的に、特開平4−317403号公報に
は、硬化性組成物に有機液体緩衝剤を添加することが開
示されており、また、有機液体緩衝剤としてカルボン酸
類、アミン類、尿素等が挙げられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−317403号公報に開示された技術において有機
液体緩衝剤として使用されるカルボン酸類及びアミン類
は、硬化性組成物の硬化を完了させるための加熱では気
化又は分解しないので、硬化した組成物、即ち成形品の
内部に残存する。成形品の内部にカルボン酸類が残存し
ている場合には、成形品の耐水性が低くなるという問題
がある。また、成形品の内部にアミン類が残存している
場合には、成形品が例えば400℃以上の高温に曝され
ると、炭化したアミン類が成形品の内部に残ることによ
って、理由はよくわからないが成形品の強度が著しく低
下するので、成形品が本来有すべき耐熱性を損なうとい
う問題がある。
4−317403号公報に開示された技術において有機
液体緩衝剤として使用されるカルボン酸類及びアミン類
は、硬化性組成物の硬化を完了させるための加熱では気
化又は分解しないので、硬化した組成物、即ち成形品の
内部に残存する。成形品の内部にカルボン酸類が残存し
ている場合には、成形品の耐水性が低くなるという問題
がある。また、成形品の内部にアミン類が残存している
場合には、成形品が例えば400℃以上の高温に曝され
ると、炭化したアミン類が成形品の内部に残ることによ
って、理由はよくわからないが成形品の強度が著しく低
下するので、成形品が本来有すべき耐熱性を損なうとい
う問題がある。
【0016】更に、特開平4−317403号公報に開
示された硬化性組成物においては、リン酸1モルに対し
て有機液体緩衝剤0.25〜1モルを添加しており、こ
のモル比を有機液体緩衝剤の種類毎に重量比に換算する
と、リン酸(濃度100%換算)100部に対して有機
液体緩衝剤15〜155部程度を添加していることに相
当する。このように、リン酸に対して比較的多量に有機
液体緩衝剤を使用した場合には、得られた成形品の中に
有機物が多く残存しているので、成形品の耐熱性が低下
するという問題がある。
示された硬化性組成物においては、リン酸1モルに対し
て有機液体緩衝剤0.25〜1モルを添加しており、こ
のモル比を有機液体緩衝剤の種類毎に重量比に換算する
と、リン酸(濃度100%換算)100部に対して有機
液体緩衝剤15〜155部程度を添加していることに相
当する。このように、リン酸に対して比較的多量に有機
液体緩衝剤を使用した場合には、得られた成形品の中に
有機物が多く残存しているので、成形品の耐熱性が低下
するという問題がある。
【0017】また、上記したような量比で有機液体緩衝
剤として尿素を使用した場合には、硬化性組成物を硬化
させるために加熱した際に、尿素が分解して発生するア
ンモニアや二酸化炭素の量が多くなるので、成形品にボ
イドができてしまって、得られた成形品の機械的強度等
が低くなるという問題がある。
剤として尿素を使用した場合には、硬化性組成物を硬化
させるために加熱した際に、尿素が分解して発生するア
ンモニアや二酸化炭素の量が多くなるので、成形品にボ
イドができてしまって、得られた成形品の機械的強度等
が低くなるという問題がある。
【0018】したがって、本発明の目的は、高強度で、
優れた耐水性、耐熱性、耐熱衝撃性、寸法安定性を有す
る無機質系成形品を得るための、その製造方法を提供す
ることにある。
優れた耐水性、耐熱性、耐熱衝撃性、寸法安定性を有す
る無機質系成形品を得るための、その製造方法を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の無機質系成形品の製造方法は、酸性リン酸
金属塩100質量部、その硬化剤80〜200質量部、
及び尿素0.1〜10質量部を含有する硬化性組成物を
得る工程、前記硬化性組成物100質量部と無機質強化
材5〜100質量部とを複合させて成形用材料を得る工
程、前記成形用材料を所望の形状に成形して半硬化材料
を得る工程、並びに、前記半硬化材料を120℃以上の
温度で加熱して硬化を完了させる工程を含むことを特徴
とするものである。
め、本発明の無機質系成形品の製造方法は、酸性リン酸
金属塩100質量部、その硬化剤80〜200質量部、
及び尿素0.1〜10質量部を含有する硬化性組成物を
得る工程、前記硬化性組成物100質量部と無機質強化
材5〜100質量部とを複合させて成形用材料を得る工
程、前記成形用材料を所望の形状に成形して半硬化材料
を得る工程、並びに、前記半硬化材料を120℃以上の
温度で加熱して硬化を完了させる工程を含むことを特徴
とするものである。
【0020】本発明の好ましい態様においては、前記成
形用材料を所望の形状に成形する前に、その水分含有量
が5〜10質量%となるように調整する工程を更に含む
ことが好ましい。
形用材料を所望の形状に成形する前に、その水分含有量
が5〜10質量%となるように調整する工程を更に含む
ことが好ましい。
【0021】また、前記硬化剤が、金属水酸化物、塩基
性金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有す
る複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種であ
って、かつ、平均粒子径5μm以下のものを硬化剤全体
の30質量%以上含むことが好ましい。
性金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有す
る複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種であ
って、かつ、平均粒子径5μm以下のものを硬化剤全体
の30質量%以上含むことが好ましい。
【0022】また、前記硬化剤が、金属水酸化物、塩基
性金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有す
る複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種であ
って、かつ、平均粒子径20μm以上のものを硬化剤全
体の0.1〜10質量%含むことが好ましい。
性金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有す
る複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種であ
って、かつ、平均粒子径20μm以上のものを硬化剤全
体の0.1〜10質量%含むことが好ましい。
【0023】更に、前記無機質強化材が、無機質繊維又
はウィスカであることが好ましい。更にまた、前記無機
質繊維が、エポキシ樹脂を含有する表面処理剤を付与さ
れたガラス繊維又はカーボン繊維であることが好まし
い。
はウィスカであることが好ましい。更にまた、前記無機
質繊維が、エポキシ樹脂を含有する表面処理剤を付与さ
れたガラス繊維又はカーボン繊維であることが好まし
い。
【0024】本発明の無機質系成形品の製造方法によれ
ば、酸性リン酸金属塩及びその硬化剤を含有する硬化性
組成物に尿素を添加することにより、酸性リン酸金属塩
とその硬化剤との反応を抑制して組成物の粘度の上昇を
抑えて、無機質強化材中でも無機質繊維への硬化性組成
物の含浸が容易かつ良好になるので、得られる成形品の
機械的強度が低くなることがない。
ば、酸性リン酸金属塩及びその硬化剤を含有する硬化性
組成物に尿素を添加することにより、酸性リン酸金属塩
とその硬化剤との反応を抑制して組成物の粘度の上昇を
抑えて、無機質強化材中でも無機質繊維への硬化性組成
物の含浸が容易かつ良好になるので、得られる成形品の
機械的強度が低くなることがない。
【0025】また、尿素によって酸性リン酸金属塩とそ
の硬化剤との反応が抑制されているので、硬化性組成物
を加熱して硬化させる際においても、組成物の表面部と
内部とでは反応の度合いに大きな差ができず、表面部だ
けが先に硬化することがない。したがって、加熱によっ
て気化した内部の水が容易に外部へ放出されるので、組
成物の硬化の途中でクラックが発生したり、得られた成
形品の内部にボイドができたりすることがない。
の硬化剤との反応が抑制されているので、硬化性組成物
を加熱して硬化させる際においても、組成物の表面部と
内部とでは反応の度合いに大きな差ができず、表面部だ
けが先に硬化することがない。したがって、加熱によっ
て気化した内部の水が容易に外部へ放出されるので、組
成物の硬化の途中でクラックが発生したり、得られた成
形品の内部にボイドができたりすることがない。
【0026】また、本発明においては、硬化性組成物と
無機質強化材とを複合した成形用材料を所望の形状に成
形して得た半硬化材料を、120℃以上の温度で加熱し
て硬化を完了させるので、硬化性組成物に添加された尿
素は、この温度でアンモニアと二酸化炭素とに分解して
外部へ放出され、得られた成形品の中に残らない。した
がって、カルボン酸類やアミン類を組成物の反応を抑制
する成分として用いた場合に起る、その成分が残存して
成形品へ悪影響を及ぼすようなことはない。なお、尿素
の分解で生じたアンモニアの一部が酸性リン酸金属塩に
補足されることによって、得られた成形品の耐熱性や耐
水性が向上する。
無機質強化材とを複合した成形用材料を所望の形状に成
形して得た半硬化材料を、120℃以上の温度で加熱し
て硬化を完了させるので、硬化性組成物に添加された尿
素は、この温度でアンモニアと二酸化炭素とに分解して
外部へ放出され、得られた成形品の中に残らない。した
がって、カルボン酸類やアミン類を組成物の反応を抑制
する成分として用いた場合に起る、その成分が残存して
成形品へ悪影響を及ぼすようなことはない。なお、尿素
の分解で生じたアンモニアの一部が酸性リン酸金属塩に
補足されることによって、得られた成形品の耐熱性や耐
水性が向上する。
【0027】また、本発明においては、酸性リン酸金属
塩100質量部に対して尿素0.1〜10質量部を用い
るので、尿素の量比が比較的小さく、半硬化材料の加熱
時に尿素が分解して発生するアンモニアと二酸化炭素の
量が少ないので、得られた成形品にボイドができず、そ
の強度低下もない。
塩100質量部に対して尿素0.1〜10質量部を用い
るので、尿素の量比が比較的小さく、半硬化材料の加熱
時に尿素が分解して発生するアンモニアと二酸化炭素の
量が少ないので、得られた成形品にボイドができず、そ
の強度低下もない。
【0028】更に、硬化性組成物と無機質強化材とを上
記の特定の割合で複合させたことにより、従来品に比べ
て、非常に優れた機械的強度、耐水性、耐熱性、寸法安
定性が付与され、建築材料、あるいは産業上の耐熱性が
要求される様々な構造材や部材等に使用することが可能
となる。
記の特定の割合で複合させたことにより、従来品に比べ
て、非常に優れた機械的強度、耐水性、耐熱性、寸法安
定性が付与され、建築材料、あるいは産業上の耐熱性が
要求される様々な構造材や部材等に使用することが可能
となる。
【0029】本発明の好ましい態様においては、成形用
材料を所望の形状に成形する前に、その水分含有量が5
〜10質量%となるように調整する工程を更に含むの
で、成形用材料の取扱い性が良好となり、後に続く工程
において、水の急激な気化による成形品が膨張すること
もない。
材料を所望の形状に成形する前に、その水分含有量が5
〜10質量%となるように調整する工程を更に含むの
で、成形用材料の取扱い性が良好となり、後に続く工程
において、水の急激な気化による成形品が膨張すること
もない。
【0030】また、硬化剤として金属水酸化物、塩基性
金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有する
複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種を使用
し、かつ、平均粒子径5μm以下のものが硬化剤全体の
30質量%以上含まれるようにすれば、得られる成形品
のマトリックスが緻密になって、成形品の機械的強度が
良好になる。
金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有する
複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種を使用
し、かつ、平均粒子径5μm以下のものが硬化剤全体の
30質量%以上含まれるようにすれば、得られる成形品
のマトリックスが緻密になって、成形品の機械的強度が
良好になる。
【0031】更に、硬化剤として金属水酸化物、塩基性
金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有する
複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種を使用
し、かつ、平均粒子径20μm以上のものが硬化剤全体
の0.1〜10質量%含まれるようにすれば、硬化性組
成物に含まれる水が気化した際に放出されやすくなるの
で、成形品にボイドができることがない。
金属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有する
複合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種を使用
し、かつ、平均粒子径20μm以上のものが硬化剤全体
の0.1〜10質量%含まれるようにすれば、硬化性組
成物に含まれる水が気化した際に放出されやすくなるの
で、成形品にボイドができることがない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下の記載において、特に断りが
ない限り、「部」なる単位は「質量部」を意味し、また、
「%」なる単位は「質量百分率」を意味する。
ない限り、「部」なる単位は「質量部」を意味し、また、
「%」なる単位は「質量百分率」を意味する。
【0033】本発明において硬化性組成物とは、酸性リ
ン酸金属塩、その硬化剤、尿素、及びその他の成分を所
定の比率で含有するものをいう。また、本発明におい
て、マトリックスとは、主として酸性リン酸金属塩とそ
の硬化剤とが反応・硬化した部分を意味し、無機質強化
材を除いた部分を意味する。
ン酸金属塩、その硬化剤、尿素、及びその他の成分を所
定の比率で含有するものをいう。また、本発明におい
て、マトリックスとは、主として酸性リン酸金属塩とそ
の硬化剤とが反応・硬化した部分を意味し、無機質強化
材を除いた部分を意味する。
【0034】本発明において使用される酸性リン酸金属
塩とは、リン原子に結合した水酸基を少なくとも1個有
するリン酸金属塩のことであり、第一リン酸金属塩(リ
ン酸二水素金属塩)、セスキリン酸金属塩及び第二リン
酸金属塩(リン酸水素金属塩)等の総称である。第一リ
ン酸金属塩としては、第一リン酸アルミニウム、第一リ
ン酸マグネシウム、第一リン酸亜鉛等が好ましく用いら
れ、これらの中でも水に対する溶解性が良く、また、経
済性も良好な点から第一リン酸アルミニウムを用いるこ
とがより好ましい。第一リン酸アルミニウムは、水溶液
だけではなく固形状のものも市販されているので、水溶
液と固形物とを組み合わせることで硬化性組成物の硬化
前における水分調整が容易となる。
塩とは、リン原子に結合した水酸基を少なくとも1個有
するリン酸金属塩のことであり、第一リン酸金属塩(リ
ン酸二水素金属塩)、セスキリン酸金属塩及び第二リン
酸金属塩(リン酸水素金属塩)等の総称である。第一リ
ン酸金属塩としては、第一リン酸アルミニウム、第一リ
ン酸マグネシウム、第一リン酸亜鉛等が好ましく用いら
れ、これらの中でも水に対する溶解性が良く、また、経
済性も良好な点から第一リン酸アルミニウムを用いるこ
とがより好ましい。第一リン酸アルミニウムは、水溶液
だけではなく固形状のものも市販されているので、水溶
液と固形物とを組み合わせることで硬化性組成物の硬化
前における水分調整が容易となる。
【0035】また、セスキリン酸金属塩としてはセスキ
リン酸アルミニウムを、第二リン酸金属塩としては、第
二リン酸アルミニウム、第二リン酸鉄等を用いることが
できる。尚、このセスキリン酸金属塩及び第二リン酸金
属塩は、第一リン酸金属塩とは異なり水に対する溶解性
が乏しいので、セスキリン酸金属塩又は第二リン酸金属
塩を水に分散させた水分散液として用いることが好まし
い。
リン酸アルミニウムを、第二リン酸金属塩としては、第
二リン酸アルミニウム、第二リン酸鉄等を用いることが
できる。尚、このセスキリン酸金属塩及び第二リン酸金
属塩は、第一リン酸金属塩とは異なり水に対する溶解性
が乏しいので、セスキリン酸金属塩又は第二リン酸金属
塩を水に分散させた水分散液として用いることが好まし
い。
【0036】上記酸性リン酸金属塩は、硬化性組成物を
成形加工する際の流動性が良好となり、かつ、得られた
成形品の組織を緻密にすることができるという点から、
固形分が40〜90%の水溶液又は水分散液として用い
ることが好ましく、50〜70%の水溶液又は水分散液
として用いることがより好ましい。更に、酸性リン酸金
属塩には前述のように種々のものがあるので、これらの
中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。
成形加工する際の流動性が良好となり、かつ、得られた
成形品の組織を緻密にすることができるという点から、
固形分が40〜90%の水溶液又は水分散液として用い
ることが好ましく、50〜70%の水溶液又は水分散液
として用いることがより好ましい。更に、酸性リン酸金
属塩には前述のように種々のものがあるので、これらの
中から1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。
【0037】本発明において、上記酸性リン酸金属塩の
硬化剤としては、以下に例示される金属水酸化物、塩基
性金属酸化物、塩基性金属酸化物を成分として含有する
複合酸化物、又は水和金属塩化物等の金属化合物を使用
することができ、これらの中から1種を単独で、又は2
種以上を組み合わせて使用することができる。これらの
硬化剤は、酸性リン酸金属塩と混合・加熱することによ
り、反応・硬化して無機質系成形品のマトリックスを形
成する。
硬化剤としては、以下に例示される金属水酸化物、塩基
性金属酸化物、塩基性金属酸化物を成分として含有する
複合酸化物、又は水和金属塩化物等の金属化合物を使用
することができ、これらの中から1種を単独で、又は2
種以上を組み合わせて使用することができる。これらの
硬化剤は、酸性リン酸金属塩と混合・加熱することによ
り、反応・硬化して無機質系成形品のマトリックスを形
成する。
【0038】金属水酸化物としては水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を、塩基
性金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム等を、塩基性金属酸化
物を成分として含有する複合酸化物としては珪酸カルシ
ウム(ウオラストナイト)、アルミン酸カルシウム(ア
ルミナセメント)、カオリナイト、コーディエライト
(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、マグネサイ
ト、タルク等を、水和金属塩化物としては水和塩化アル
ミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化マグネシウム六
水和物等を例示することができる。
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を、塩基
性金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム等を、塩基性金属酸化
物を成分として含有する複合酸化物としては珪酸カルシ
ウム(ウオラストナイト)、アルミン酸カルシウム(ア
ルミナセメント)、カオリナイト、コーディエライト
(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、マグネサイ
ト、タルク等を、水和金属塩化物としては水和塩化アル
ミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化マグネシウム六
水和物等を例示することができる。
【0039】上記の硬化剤は、酸性リン酸金属塩100
部(固形分として)に対して80〜200部を使用す
る。硬化剤の使用量が80部未満では、硬化性組成物を
成形、加熱、硬化して得られた無機質系成形品に酸性リ
ン酸金属塩が残存してしまい、十分な機械的強度が得ら
れないばかりか、成形品の耐水性を損なう場合がある。
一方、硬化剤の使用量が200部を超えると、硬化剤に
対して酸性リン酸金属塩が少なくなり、成形品のマトリ
ックスが粗になり、十分な機械的強度が得られない。酸
性リン酸金属塩100部に対して、上記硬化剤を100
〜180部使用することがより好ましい。
部(固形分として)に対して80〜200部を使用す
る。硬化剤の使用量が80部未満では、硬化性組成物を
成形、加熱、硬化して得られた無機質系成形品に酸性リ
ン酸金属塩が残存してしまい、十分な機械的強度が得ら
れないばかりか、成形品の耐水性を損なう場合がある。
一方、硬化剤の使用量が200部を超えると、硬化剤に
対して酸性リン酸金属塩が少なくなり、成形品のマトリ
ックスが粗になり、十分な機械的強度が得られない。酸
性リン酸金属塩100部に対して、上記硬化剤を100
〜180部使用することがより好ましい。
【0040】上記した硬化剤の中でも、金属水酸化物、
塩基性金属酸化物又は塩基性金属酸化物を成分として含
有する複合酸化物を用いる場合においては、平均粒子径
が5μm以下のものが硬化剤全体の30%以上含まれて
いることが好ましい。平均粒子径が5μm以下の硬化剤
が30%以上含まれていると、得られた成形品のマトリ
ックスが緻密になって、強化材とマトリックスとの接着
が良好となり、成形品の機械的強度が良好となる。しか
し、平均粒子径が5μm以下の硬化剤が30%未満であ
ると、得られた成形品のマトリックスの緻密さに欠ける
場合がある。
塩基性金属酸化物又は塩基性金属酸化物を成分として含
有する複合酸化物を用いる場合においては、平均粒子径
が5μm以下のものが硬化剤全体の30%以上含まれて
いることが好ましい。平均粒子径が5μm以下の硬化剤
が30%以上含まれていると、得られた成形品のマトリ
ックスが緻密になって、強化材とマトリックスとの接着
が良好となり、成形品の機械的強度が良好となる。しか
し、平均粒子径が5μm以下の硬化剤が30%未満であ
ると、得られた成形品のマトリックスの緻密さに欠ける
場合がある。
【0041】また、硬化剤としての金属水酸化物、塩基
性金属酸化物又は塩基性金属酸化物を成分として含有す
る複合酸化物では、平均粒子径が20μm以上のものが
硬化剤全体の0.1〜10%含まれていることが好まし
い。平均粒子径が20μm以上の硬化剤が0.1〜10
%含まれていると、硬化性組成物に含まれている水が気
化した際に外部へ放出されやすくなって、気化した水が
放出され難いことが原因となるマトリックスの膨張又は
ボイドの発生を抑制することができるので、得られる無
機質系成形品の機械的強度が良好になる。平均粒子径が
20μm以上の硬化剤は、少量でも含まれていることで
その効果を得られるが、硬化剤全体に対して10%を超
えて含まれていると、得られる成形品のマトリックスが
緻密でなくなる場合がある。
性金属酸化物又は塩基性金属酸化物を成分として含有す
る複合酸化物では、平均粒子径が20μm以上のものが
硬化剤全体の0.1〜10%含まれていることが好まし
い。平均粒子径が20μm以上の硬化剤が0.1〜10
%含まれていると、硬化性組成物に含まれている水が気
化した際に外部へ放出されやすくなって、気化した水が
放出され難いことが原因となるマトリックスの膨張又は
ボイドの発生を抑制することができるので、得られる無
機質系成形品の機械的強度が良好になる。平均粒子径が
20μm以上の硬化剤は、少量でも含まれていることで
その効果を得られるが、硬化剤全体に対して10%を超
えて含まれていると、得られる成形品のマトリックスが
緻密でなくなる場合がある。
【0042】本発明においては、硬化性組成物に含有さ
れる酸性リン酸金属塩とその硬化剤との高い反応性を抑
制するために、尿素を使用する。
れる酸性リン酸金属塩とその硬化剤との高い反応性を抑
制するために、尿素を使用する。
【0043】硬化剤と混合する前の酸性リン酸金属塩
へ、又は、酸性リン酸金属塩とその硬化剤とを混合した
直後の混合物へ、尿素を添加することにより、尿素の二
つのアミノ基と酸性リン酸金属塩の水酸基とが相互作用
を起こし、酸性リン酸金属塩とその硬化剤との反応が抑
制されて、硬化性組成物の粘度の上昇が抑えられる。そ
の結果、硬化性組成物の流動性が損なわれないので、繊
維状の強化材への含浸及び所望の形状への成形が容易と
なる。
へ、又は、酸性リン酸金属塩とその硬化剤とを混合した
直後の混合物へ、尿素を添加することにより、尿素の二
つのアミノ基と酸性リン酸金属塩の水酸基とが相互作用
を起こし、酸性リン酸金属塩とその硬化剤との反応が抑
制されて、硬化性組成物の粘度の上昇が抑えられる。そ
の結果、硬化性組成物の流動性が損なわれないので、繊
維状の強化材への含浸及び所望の形状への成形が容易と
なる。
【0044】また、尿素は120℃くらいの温度までは
分解せず、それ以上の温度に加熱されると分解を開始す
る。したがって、硬化性組成物の硬化を完了させるため
に加熱する場合であっても、硬化性組成物に含まれる水
分の大部分が気化して外部へ放出されるまで、尿素が酸
性リン酸金属塩とその硬化剤との反応を抑えているの
で、硬化性組成物の表面部だけが硬化してしまうことが
なく、内部の水の気化による膨張やクラックの発生が抑
えられ、得られる無機質系成形品の機械的強度や外観等
が損なわれることはない。
分解せず、それ以上の温度に加熱されると分解を開始す
る。したがって、硬化性組成物の硬化を完了させるため
に加熱する場合であっても、硬化性組成物に含まれる水
分の大部分が気化して外部へ放出されるまで、尿素が酸
性リン酸金属塩とその硬化剤との反応を抑えているの
で、硬化性組成物の表面部だけが硬化してしまうことが
なく、内部の水の気化による膨張やクラックの発生が抑
えられ、得られる無機質系成形品の機械的強度や外観等
が損なわれることはない。
【0045】更に、本発明においては、硬化性組成物と
無機質強化材とを複合した成形用材料を所望の形状に成
形して得た半硬化材料を、120℃以上の温度で加熱し
て硬化を完了させるので、この温度であれば、熱によっ
て尿素がアンモニアと二酸化炭素とに分解して外部に放
出されて、無機質系成形品に残存することはない。した
がって、無機質系成形品が400℃以上の高温に曝され
た際においても、硬化性組成物にアミン類等を添加した
場合のような、有機物が無機質系成形品中で炭化して残
存して、無機質系成形品の電気特性や強度を損なうこと
はない。
無機質強化材とを複合した成形用材料を所望の形状に成
形して得た半硬化材料を、120℃以上の温度で加熱し
て硬化を完了させるので、この温度であれば、熱によっ
て尿素がアンモニアと二酸化炭素とに分解して外部に放
出されて、無機質系成形品に残存することはない。した
がって、無機質系成形品が400℃以上の高温に曝され
た際においても、硬化性組成物にアミン類等を添加した
場合のような、有機物が無機質系成形品中で炭化して残
存して、無機質系成形品の電気特性や強度を損なうこと
はない。
【0046】更にまた、尿素の熱分解で生じたアンモニ
アの一部は、硬化性組成物に含有される酸性リン酸金属
塩に補足されて、硬化性組成物の硬化を促進するので、
得られる無機質系成形品の耐熱性や耐水性が向上する。
アの一部は、硬化性組成物に含有される酸性リン酸金属
塩に補足されて、硬化性組成物の硬化を促進するので、
得られる無機質系成形品の耐熱性や耐水性が向上する。
【0047】本発明においては、酸性リン酸金属塩10
0部(固形分として)に対して尿素0.1〜10部を使
用する。尿素の使用量が0.1部未満であると、尿素の
反応抑制効果は不十分であり、一方、尿素の使用量が1
0部を超えると、硬化性組成物を硬化させるために加熱
した際に、尿素が分解して発生するアンモニアや二酸化
炭素の量が多くなるので、無機質系成形品中にボイドが
できてしまって、その機械的強度等が低くなる。なお、
尿素の使用量は、酸性リン酸金属塩100部に対して
0.5〜8部であることがより好ましい。
0部(固形分として)に対して尿素0.1〜10部を使
用する。尿素の使用量が0.1部未満であると、尿素の
反応抑制効果は不十分であり、一方、尿素の使用量が1
0部を超えると、硬化性組成物を硬化させるために加熱
した際に、尿素が分解して発生するアンモニアや二酸化
炭素の量が多くなるので、無機質系成形品中にボイドが
できてしまって、その機械的強度等が低くなる。なお、
尿素の使用量は、酸性リン酸金属塩100部に対して
0.5〜8部であることがより好ましい。
【0048】本発明において使用する無機質強化材とし
ては、従来の無機質系材料で用いられている強化材と同
様なものを使用することができ、中でも、無機質繊維や
ウィスカを用いることが好ましい。特に、汎用性がある
ことから無機質繊維を使用することが好ましい。上記無
機質繊維としてはガラス繊維、セラミック繊維、カーボ
ン繊維等を、ウィスカとしてはホウ酸アルミニウムウィ
スカ等を使用することができる。
ては、従来の無機質系材料で用いられている強化材と同
様なものを使用することができ、中でも、無機質繊維や
ウィスカを用いることが好ましい。特に、汎用性がある
ことから無機質繊維を使用することが好ましい。上記無
機質繊維としてはガラス繊維、セラミック繊維、カーボ
ン繊維等を、ウィスカとしてはホウ酸アルミニウムウィ
スカ等を使用することができる。
【0049】上記ガラス繊維のガラス組成としては、A
ガラス、Eガラス、ECRガラス、Sガラス、ARガラ
ス等を例示することができる。上記セラミック繊維とし
てはアルミナ繊維、珪素−アルミナ繊維、窒化珪素繊維
等を例示することができる。
ガラス、Eガラス、ECRガラス、Sガラス、ARガラ
ス等を例示することができる。上記セラミック繊維とし
てはアルミナ繊維、珪素−アルミナ繊維、窒化珪素繊維
等を例示することができる。
【0050】上記無機質繊維は、短繊維及び長繊維の何
れの形態でも使用することができ、マット、織布、不織
布、ペーパー等の形態に加工した無機質繊維も含めて、
各種の形態の無機質繊維を硬化性組成物の加工方法や成
形品の用途等に合わせて、適宜選択して用いることがで
きる。なお、無機質繊維としては、コストが安く、汎用
されているEガラス組成のガラス繊維を用いることが特
に好ましい。Eガラス組成のガラス繊維は、ミルドファ
イバーやチョップドストランドのような短繊維、ヤーン
やロービングのような連続繊維、マット、織布、不織布
等に加工した形態のものを使用することができる。
れの形態でも使用することができ、マット、織布、不織
布、ペーパー等の形態に加工した無機質繊維も含めて、
各種の形態の無機質繊維を硬化性組成物の加工方法や成
形品の用途等に合わせて、適宜選択して用いることがで
きる。なお、無機質繊維としては、コストが安く、汎用
されているEガラス組成のガラス繊維を用いることが特
に好ましい。Eガラス組成のガラス繊維は、ミルドファ
イバーやチョップドストランドのような短繊維、ヤーン
やロービングのような連続繊維、マット、織布、不織布
等に加工した形態のものを使用することができる。
【0051】上記無機質強化材は、質及び形態を適宜選
択して1種を単独で使用し、又は、2種以上を併用する
ことができる。無機質強化材は、硬化性組成物100部
(固形分として)に対して5〜100部を使用する。無
機質強化材の使用量が5部未満であると、無機質系成形
品の機械的強度が不十分となり、一方、無機質強化材の
使用量が100部を超えると、強化材に対して組成物が
不足するのでマトリックスが粗となり、やはり無機質系
成形品の機械的強度が不十分となる。なお、無機質強化
材の使用量は、硬化性組成物100部に対して15〜8
0部であることがより好ましい。
択して1種を単独で使用し、又は、2種以上を併用する
ことができる。無機質強化材は、硬化性組成物100部
(固形分として)に対して5〜100部を使用する。無
機質強化材の使用量が5部未満であると、無機質系成形
品の機械的強度が不十分となり、一方、無機質強化材の
使用量が100部を超えると、強化材に対して組成物が
不足するのでマトリックスが粗となり、やはり無機質系
成形品の機械的強度が不十分となる。なお、無機質強化
材の使用量は、硬化性組成物100部に対して15〜8
0部であることがより好ましい。
【0052】上記無機質強化材の内、アルミナ繊維、珪
素−アルミナ繊維及びウィスカ等は、硬化性組成物に含
有される酸性リン酸金属塩と反応することができ、マト
リックスとの濡れ性又は接着性が比較的良好であるため
に表面処理は必ずしも要しないが、これらを除いた上記
無機質強化材、特にガラス繊維及びカーボン繊維は、酸
性リン酸金属塩との反応性が比較的低いため、エポキシ
樹脂を含有する表面処理剤を付与されていることが好ま
しい。エポキシ樹脂は酸性リン酸金属塩との相溶性が良
く、また、酸性リン酸金属塩と容易に反応するので、ガ
ラス繊維及びカーボン繊維にエポキシ樹脂を含有する表
面処理剤を付与することによりマトリックスとガラス繊
維等との濡れ性及び接着性が向上し、得られる成形品の
機械的強度等が良好となる。
素−アルミナ繊維及びウィスカ等は、硬化性組成物に含
有される酸性リン酸金属塩と反応することができ、マト
リックスとの濡れ性又は接着性が比較的良好であるため
に表面処理は必ずしも要しないが、これらを除いた上記
無機質強化材、特にガラス繊維及びカーボン繊維は、酸
性リン酸金属塩との反応性が比較的低いため、エポキシ
樹脂を含有する表面処理剤を付与されていることが好ま
しい。エポキシ樹脂は酸性リン酸金属塩との相溶性が良
く、また、酸性リン酸金属塩と容易に反応するので、ガ
ラス繊維及びカーボン繊維にエポキシ樹脂を含有する表
面処理剤を付与することによりマトリックスとガラス繊
維等との濡れ性及び接着性が向上し、得られる成形品の
機械的強度等が良好となる。
【0053】表面処理剤に使用するエポキシ樹脂として
は、芳香族ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂
肪族ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂肪族ポ
リグリシジルエステル系エポキシ樹脂等を使用すること
ができる。特に制限はないが、硬化性組成物を硬化させ
るために加熱するので、表面処理剤の耐熱性という観点
から、芳香族ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を
用いることが好ましく、その中でも、フェノールノボラ
ックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
を用いることが特に好ましい。
は、芳香族ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂
肪族ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂肪族ポ
リグリシジルエステル系エポキシ樹脂等を使用すること
ができる。特に制限はないが、硬化性組成物を硬化させ
るために加熱するので、表面処理剤の耐熱性という観点
から、芳香族ポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を
用いることが好ましく、その中でも、フェノールノボラ
ックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
を用いることが特に好ましい。
【0054】また、上記表面処理剤が含有するエポキシ
樹脂以外の成分については、特に制限がないが、硬化性
組成物を硬化させるために加熱するので、エポキシ樹脂
以外の成分は熱可塑性ではないことが好ましい。なぜな
らば、熱可塑性の成分を使用すると、加熱硬化時に無機
質強化材に付与された表面処理剤が流動して、硬化性組
成物と無機質強化材との界面での接着を損なう場合があ
る。表面処理剤のエポキシ樹脂以外の成分として好まし
いものは、エポキシ架橋ポリ酢酸ビニル、又は、ウレタ
ン架橋ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
樹脂以外の成分については、特に制限がないが、硬化性
組成物を硬化させるために加熱するので、エポキシ樹脂
以外の成分は熱可塑性ではないことが好ましい。なぜな
らば、熱可塑性の成分を使用すると、加熱硬化時に無機
質強化材に付与された表面処理剤が流動して、硬化性組
成物と無機質強化材との界面での接着を損なう場合があ
る。表面処理剤のエポキシ樹脂以外の成分として好まし
いものは、エポキシ架橋ポリ酢酸ビニル、又は、ウレタ
ン架橋ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
【0055】上記表面処理剤は、表面処理剤を付与され
た無機質強化材の質量を基準にして、固形分として0.
5〜1.5%を付与することが好ましい。表面処理剤の
付与量が0.5%未満であると、硬化性組成物と無機質
強化材と濡れ性又は接着性を向上させる効果が十分でな
く、一方、表面処理剤の付与量が1.5%を超えても、
界面での接着性に対する改良効果が付与量の割には観察
されず、反って不経済となる。
た無機質強化材の質量を基準にして、固形分として0.
5〜1.5%を付与することが好ましい。表面処理剤の
付与量が0.5%未満であると、硬化性組成物と無機質
強化材と濡れ性又は接着性を向上させる効果が十分でな
く、一方、表面処理剤の付与量が1.5%を超えても、
界面での接着性に対する改良効果が付与量の割には観察
されず、反って不経済となる。
【0056】本発明においては、無機質系成形品の軽量
化や低コスト化を図ったり、成形品に意匠性を付与した
りするために、硬化性組成物に各種添加剤を添加するこ
とも可能である。このような添加剤としては軽量骨材、
充填剤、顔料等を使用することができる。軽量骨材とし
てはシラスバルーン、ガラスバルーン、パーライト等
を、充填剤としては酸性酸化物を主成分とする珪砂、シ
リカフューム、ガラス粉、クレイ等を、顔料としては酸
化チタン、酸化亜鉛、フタロシアニン、弁柄、マピコ等
を例示することができる。これらの材料は、それぞれの
目的に合わせて適宜選択し、適当量を使用すれば良い。
化や低コスト化を図ったり、成形品に意匠性を付与した
りするために、硬化性組成物に各種添加剤を添加するこ
とも可能である。このような添加剤としては軽量骨材、
充填剤、顔料等を使用することができる。軽量骨材とし
てはシラスバルーン、ガラスバルーン、パーライト等
を、充填剤としては酸性酸化物を主成分とする珪砂、シ
リカフューム、ガラス粉、クレイ等を、顔料としては酸
化チタン、酸化亜鉛、フタロシアニン、弁柄、マピコ等
を例示することができる。これらの材料は、それぞれの
目的に合わせて適宜選択し、適当量を使用すれば良い。
【0057】本発明の無機質系成形品の製造方法におけ
る各工程については、特に制限されないが、以下のよう
に具体例を示すことができる。
る各工程については、特に制限されないが、以下のよう
に具体例を示すことができる。
【0058】第1工程:酸性リン酸金属塩水溶液、その
硬化剤及び尿素を混合して、硬化性組成物を得る。この
際、必要に応じて各種添加剤を添加する。
硬化剤及び尿素を混合して、硬化性組成物を得る。この
際、必要に応じて各種添加剤を添加する。
【0059】第2工程:第1工程で得られた硬化性組成
物と無機質強化材とを複合させて、次工程で所望の形状
に成形するための成形用材料を得る。なお、硬化性組成
物と無機質強化材とを複合させる方法としては、以下の
〜に例示する方法の中から、次工程で採用する成形
法や得られる無機質系成形品の用途等によって、適宜選
択することができるが、これらの方法に限定されるもの
ではない。
物と無機質強化材とを複合させて、次工程で所望の形状
に成形するための成形用材料を得る。なお、硬化性組成
物と無機質強化材とを複合させる方法としては、以下の
〜に例示する方法の中から、次工程で採用する成形
法や得られる無機質系成形品の用途等によって、適宜選
択することができるが、これらの方法に限定されるもの
ではない。
【0060】マット状の無機質強化材を使用し、硬化
性組成物の浴中にマット状強化材を浸漬しつつ引き抜き
ながら、組成物をマット状強化材に含浸、付着させる方
法。
性組成物の浴中にマット状強化材を浸漬しつつ引き抜き
ながら、組成物をマット状強化材に含浸、付着させる方
法。
【0061】硬化性組成物を予めある程度粘度の高い
状態にしておき、樹脂フィルム等のキャリア材の表面に
塗布し、塗布された組成物の上に、ロービングを所定の
長さにカットしつつ、又は、予めカットしてあるチョッ
プドストランドを撒き、その上からキャリア材を介して
圧縮装置で圧縮して強化材に含浸させる方法。
状態にしておき、樹脂フィルム等のキャリア材の表面に
塗布し、塗布された組成物の上に、ロービングを所定の
長さにカットしつつ、又は、予めカットしてあるチョッ
プドストランドを撒き、その上からキャリア材を介して
圧縮装置で圧縮して強化材に含浸させる方法。
【0062】ガラス繊維強化プラスチックを製造する
際に採用されているような、ハンドレイアップ法やスプ
レーアップ法にて、プラスチック(樹脂)に換えて硬化
性組成物を用いる方法。
際に採用されているような、ハンドレイアップ法やスプ
レーアップ法にて、プラスチック(樹脂)に換えて硬化
性組成物を用いる方法。
【0063】無機質強化材として、ウィスカ、又は、
ミルドファイバーやチョップドストランドのような短繊
維状の無機質繊維を使用し、ニーダー等の分散混合機を
用いて硬化性組成物と無機質強化材と混練させる方法。
ミルドファイバーやチョップドストランドのような短繊
維状の無機質繊維を使用し、ニーダー等の分散混合機を
用いて硬化性組成物と無機質強化材と混練させる方法。
【0064】なお、上記の方法においては、硬化性組
成物と無機質強化材である無機質繊維との複合を、所望
の形状の金型の上で行い、成形用材料の成形も併せて行
うことが好ましい。
成物と無機質強化材である無機質繊維との複合を、所望
の形状の金型の上で行い、成形用材料の成形も併せて行
うことが好ましい。
【0065】第3工程:必須ではないが、次工程までの
成形用材料の取扱い性を良好にし、かつ、成形や硬化を
完了させる際に気化する水分の量を抑えて、内部の水の
急激な気化による成形品の膨張を防ぐ目的で、成形用材
料が含有する水分の量を成形用材料に対して5〜10%
になるように調整する。ただし、第1工程で硬化性組成
物を得る際、その水分量を低減することが可能であれ
ば、この工程を必要としない。また、第2工程のの方
法で硬化性組成物と無機質繊維の複合及び成形を行った
場合には、硬化性組成物中の水分のほとんどが気化する
まで乾燥させた後、脱型することが好ましい。上記の範
囲に成形用材料の水分を調整するには、80〜110℃
の温度で2〜8時間加熱して乾燥させることが好まし
い。
成形用材料の取扱い性を良好にし、かつ、成形や硬化を
完了させる際に気化する水分の量を抑えて、内部の水の
急激な気化による成形品の膨張を防ぐ目的で、成形用材
料が含有する水分の量を成形用材料に対して5〜10%
になるように調整する。ただし、第1工程で硬化性組成
物を得る際、その水分量を低減することが可能であれ
ば、この工程を必要としない。また、第2工程のの方
法で硬化性組成物と無機質繊維の複合及び成形を行った
場合には、硬化性組成物中の水分のほとんどが気化する
まで乾燥させた後、脱型することが好ましい。上記の範
囲に成形用材料の水分を調整するには、80〜110℃
の温度で2〜8時間加熱して乾燥させることが好まし
い。
【0066】第4工程:成形用材料を、得られる成形品
の用途等によって適宜設定した、板状、波板状、凹凸形
等の所望の形状に成形して半硬化材料を得る。なお、成
形用材料の成形は、有型プレス装置、平板プレス装置、
ベルトプレス装置、ロールプレス装置等の、加圧のみ又
は加圧と加熱とを同時にできる装置によって行うことが
できる。なお、第2工程のの方法で得られる成形用材
料は、ガラス繊維強化プラスチックを製造する際に採用
されているようなトランスファー成形法によって成形が
可能である。
の用途等によって適宜設定した、板状、波板状、凹凸形
等の所望の形状に成形して半硬化材料を得る。なお、成
形用材料の成形は、有型プレス装置、平板プレス装置、
ベルトプレス装置、ロールプレス装置等の、加圧のみ又
は加圧と加熱とを同時にできる装置によって行うことが
できる。なお、第2工程のの方法で得られる成形用材
料は、ガラス繊維強化プラスチックを製造する際に採用
されているようなトランスファー成形法によって成形が
可能である。
【0067】第5工程:前工程で得た半硬化材料が含有
する酸性リン酸金属塩とその硬化剤とを完全に反応さ
せ、硬化を完了させて無機質系成形品を得る。この際、
尿素が分解して外部へ放出されるように、120℃以上
の温度まで半硬化材料を加熱する必要がある。120〜
200℃の加熱機中で、おおよそ1〜8時間加熱するこ
とが好ましい。半硬化材料を120℃未満の温度で加熱
した場合には、尿素が半硬化材料の内部に残って反応を
阻害するので、硬化が不完全となって、得られる成形品
の耐水性や機械的強度が不十分となる。
する酸性リン酸金属塩とその硬化剤とを完全に反応さ
せ、硬化を完了させて無機質系成形品を得る。この際、
尿素が分解して外部へ放出されるように、120℃以上
の温度まで半硬化材料を加熱する必要がある。120〜
200℃の加熱機中で、おおよそ1〜8時間加熱するこ
とが好ましい。半硬化材料を120℃未満の温度で加熱
した場合には、尿素が半硬化材料の内部に残って反応を
阻害するので、硬化が不完全となって、得られる成形品
の耐水性や機械的強度が不十分となる。
【0068】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって更に詳細に
説明する。表1に示すように各原料を配合した硬化性組
成物と、表2に示すように各原料を配合した表面処理剤
を必要に応じて付与した無機質強化材とを、表3及び表
4で示した比率で複合して、実施例1〜16及び比較例
1〜11の無機質系成形品のサンプルを製造した。
説明する。表1に示すように各原料を配合した硬化性組
成物と、表2に示すように各原料を配合した表面処理剤
を必要に応じて付与した無機質強化材とを、表3及び表
4で示した比率で複合して、実施例1〜16及び比較例
1〜11の無機質系成形品のサンプルを製造した。
【0069】なお、上記の表面処理剤は、それを付与さ
れた無機質強化材の質量を基準にして、固形分として1
%付着しているように表面処理を施した。
れた無機質強化材の質量を基準にして、固形分として1
%付着しているように表面処理を施した。
【0070】実施例1〜13、比較例1〜6、比較例1
0及び比較例11の無機質系成形品のサンプルの製造に
は、無機質強化材として、無機質繊維のチョップドスト
ランドを使用し、以下に示す方法によって、硬化性組成
物と無機質繊維とを複合した成形用材料を板状に成形
し、硬化させて無機質系成形品を得た。
0及び比較例11の無機質系成形品のサンプルの製造に
は、無機質強化材として、無機質繊維のチョップドスト
ランドを使用し、以下に示す方法によって、硬化性組成
物と無機質繊維とを複合した成形用材料を板状に成形
し、硬化させて無機質系成形品を得た。
【0071】まず、酸性リン酸金属塩とその硬化剤と尿
素とをデイゾルバーによって混合して硬化性組成物を得
た。次いで、キャリア材であるPET(ポリエチレンテ
レフタレート)樹脂フィルムの表面に上記硬化性組成物
を塗布し、その上にチョップした無機質繊維を撒き、更
にその上に上記硬化性組成物を表面に塗布したPET樹
脂フィルムを、組成物を塗布した面が無機質繊維に接す
るように載置した後、これをメッシュベルトプレス装置
で挟みつつ圧縮して無機質繊維に硬化性組成物を含浸さ
せて両者を複合させ、シート状の成形用材料とした。こ
の成形用材料を温度80℃の乾燥機で加熱乾燥させ、成
形用材料が含有する水分量が成形用材料に対して5%程
度となるように調整した。この成形用材料を平板プレス
装置を用いて、温度120℃、圧力3.43MPa、加
圧時間5分間の条件で加圧成形し、板状の半硬化材料を
得た。こうして得られた半硬化材料を温度200℃の加
熱機中で、1時間加熱して硬化を完了させた後、自然冷
却して無機質系成形品を得た。但し、比較例11におい
てのみ、半硬化材料を100℃で1時間加熱して硬化さ
せた。
素とをデイゾルバーによって混合して硬化性組成物を得
た。次いで、キャリア材であるPET(ポリエチレンテ
レフタレート)樹脂フィルムの表面に上記硬化性組成物
を塗布し、その上にチョップした無機質繊維を撒き、更
にその上に上記硬化性組成物を表面に塗布したPET樹
脂フィルムを、組成物を塗布した面が無機質繊維に接す
るように載置した後、これをメッシュベルトプレス装置
で挟みつつ圧縮して無機質繊維に硬化性組成物を含浸さ
せて両者を複合させ、シート状の成形用材料とした。こ
の成形用材料を温度80℃の乾燥機で加熱乾燥させ、成
形用材料が含有する水分量が成形用材料に対して5%程
度となるように調整した。この成形用材料を平板プレス
装置を用いて、温度120℃、圧力3.43MPa、加
圧時間5分間の条件で加圧成形し、板状の半硬化材料を
得た。こうして得られた半硬化材料を温度200℃の加
熱機中で、1時間加熱して硬化を完了させた後、自然冷
却して無機質系成形品を得た。但し、比較例11におい
てのみ、半硬化材料を100℃で1時間加熱して硬化さ
せた。
【0072】また、実施例14〜16及び比較例7〜9
の無機質系成形品のサンプルの製造には、無機質強化材
として、平均繊維長20μmのホウ酸アルミニウムウィ
スカ、又は、平均繊維長300μmのEガラスのミルド
ファイバーを使用し、以下に示す方法によって、硬化性
組成物と無機質繊維とを複合した成形用材料を板状に成
形し、硬化させて無機質系成形品を得た。
の無機質系成形品のサンプルの製造には、無機質強化材
として、平均繊維長20μmのホウ酸アルミニウムウィ
スカ、又は、平均繊維長300μmのEガラスのミルド
ファイバーを使用し、以下に示す方法によって、硬化性
組成物と無機質繊維とを複合した成形用材料を板状に成
形し、硬化させて無機質系成形品を得た。
【0073】まず、固形状の酸性リン酸金属塩、その硬
化剤、尿素、無機質強化材及び少量の水をニーダーを用
いて混練して、硬化性組成物と無機質強化材とが混練さ
れた成形用材料を得た。なお、配合する水の量は、得ら
れた成形用材料が自然に放置した状態で流動を起こさな
い程度に、ニーダーでの混練の具合を見つつ適宜調節し
た。この成形用材料を平板プレス装置を用いて、温度8
0℃、圧力3.43MPa、加圧時間2分間の条件で加
圧成形し、板状の半硬化材料を得た。こうして得られた
半硬化材料を温度80℃の乾燥機で8時間乾燥させた
後、温度200℃の加熱機で1時間加熱して硬化を完了
させて、自然冷却して無機質系成形品を得た。
化剤、尿素、無機質強化材及び少量の水をニーダーを用
いて混練して、硬化性組成物と無機質強化材とが混練さ
れた成形用材料を得た。なお、配合する水の量は、得ら
れた成形用材料が自然に放置した状態で流動を起こさな
い程度に、ニーダーでの混練の具合を見つつ適宜調節し
た。この成形用材料を平板プレス装置を用いて、温度8
0℃、圧力3.43MPa、加圧時間2分間の条件で加
圧成形し、板状の半硬化材料を得た。こうして得られた
半硬化材料を温度80℃の乾燥機で8時間乾燥させた
後、温度200℃の加熱機で1時間加熱して硬化を完了
させて、自然冷却して無機質系成形品を得た。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】更に、比較例12としてガラス繊維強化石
こうボード、比較例13として石綿スレート板、比較例
14として化粧石綿スレート板、比較例15として耐ア
ルカリガラス繊維強化コンクリート板をサンプルとして
用いた。
こうボード、比較例13として石綿スレート板、比較例
14として化粧石綿スレート板、比較例15として耐ア
ルカリガラス繊維強化コンクリート板をサンプルとして
用いた。
【0079】試験例
以下に示す方法によって、実施例1〜16及び比較例1
〜15のサンプルを評価した。その結果を表5及び表6
に示す。 ・厚さ、嵩比重:JIS A 5430の方法 ・曲げ強度:JIS A 1408の方法(常態、温度
300℃の雰囲気で24時間加熱した後、及び、15℃
の水に24時間浸漬した後にて測定した。) ・吸水率:サンプルを15℃の水に24時間浸漬するこ
とで増加した重量と、浸漬する前の重量との比率を算出
した。 ・寸法変化率:サンプルを温度60℃の空気中にて24
時間加熱し、次に温度15℃の水に24時間浸漬し、続
いて温度105℃の空気中にて24時間加熱した後、常
温まで自然冷却した。これらの加熱及び浸漬を行う前と
後とでのサンプルの長さの変化をコンタクトゲージで測
定し、変化量の元の寸法に対する比率を算出した。 ・表面状態:サンプルを温度400℃の雰囲気で1時間
加熱した後、その表面状態を目視により観察し、クラッ
クや反り等が発生したか否かを確認した。
〜15のサンプルを評価した。その結果を表5及び表6
に示す。 ・厚さ、嵩比重:JIS A 5430の方法 ・曲げ強度:JIS A 1408の方法(常態、温度
300℃の雰囲気で24時間加熱した後、及び、15℃
の水に24時間浸漬した後にて測定した。) ・吸水率:サンプルを15℃の水に24時間浸漬するこ
とで増加した重量と、浸漬する前の重量との比率を算出
した。 ・寸法変化率:サンプルを温度60℃の空気中にて24
時間加熱し、次に温度15℃の水に24時間浸漬し、続
いて温度105℃の空気中にて24時間加熱した後、常
温まで自然冷却した。これらの加熱及び浸漬を行う前と
後とでのサンプルの長さの変化をコンタクトゲージで測
定し、変化量の元の寸法に対する比率を算出した。 ・表面状態:サンプルを温度400℃の雰囲気で1時間
加熱した後、その表面状態を目視により観察し、クラッ
クや反り等が発生したか否かを確認した。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】表5及び表6から分かるように、本発明の
製造方法によって得られた実施例1〜16の無機質系成
形品は、比較例1〜11の無機質系成形品に比べて、曲
げ強度が高く、吸水率及び寸法変化率が小さい。また、
比較例12〜15のガラス繊維強化石こうボード、石綿
スレート板、化粧石綿スレート板及び耐アルカリガラス
繊維強化コンクリート板においては、吸水率や寸法変化
率が極めて大きく、高温で加熱した際にクラックが発生
するが、本発明による実施例1〜16の無機質系成形品
は、吸水率や寸法変化率が小さく、高温で加熱しても表
面状態には変化がない。
製造方法によって得られた実施例1〜16の無機質系成
形品は、比較例1〜11の無機質系成形品に比べて、曲
げ強度が高く、吸水率及び寸法変化率が小さい。また、
比較例12〜15のガラス繊維強化石こうボード、石綿
スレート板、化粧石綿スレート板及び耐アルカリガラス
繊維強化コンクリート板においては、吸水率や寸法変化
率が極めて大きく、高温で加熱した際にクラックが発生
するが、本発明による実施例1〜16の無機質系成形品
は、吸水率や寸法変化率が小さく、高温で加熱しても表
面状態には変化がない。
【0083】硬化性組成物に尿素を添加しなかった比較
例3、8及び9においては、評価できるような成形品を
得ることができないか、成形品が得られたとしても、各
実施例品と比較して曲げ強度が低く吸水率が大きいも
の、即ち、機械的強度や耐水性が劣ったものであった。
このことから、尿素を添加した効果が分かる。
例3、8及び9においては、評価できるような成形品を
得ることができないか、成形品が得られたとしても、各
実施例品と比較して曲げ強度が低く吸水率が大きいも
の、即ち、機械的強度や耐水性が劣ったものであった。
このことから、尿素を添加した効果が分かる。
【0084】また、酸性リン酸金属塩100部に対して
0.1〜10部を超える範囲で硬化性組成物へ尿素を添
加した場合(比較例4)には、成形品にボイドが極めて
多かったことから、尿素の分解によって発生したアンモ
ニアと二酸化炭素が多すぎたことが分かる。
0.1〜10部を超える範囲で硬化性組成物へ尿素を添
加した場合(比較例4)には、成形品にボイドが極めて
多かったことから、尿素の分解によって発生したアンモ
ニアと二酸化炭素が多すぎたことが分かる。
【0085】また、120℃未満の温度で半硬化材料を
加熱した場合(比較例11)の成形品は、実施例2の成
形品と比べて曲げ強度が低く、吸水率が大きい。このこ
とから、半硬化材料の加熱温度が低いと、尿素が残って
硬化を阻害してしまうことが分かる。
加熱した場合(比較例11)の成形品は、実施例2の成
形品と比べて曲げ強度が低く、吸水率が大きい。このこ
とから、半硬化材料の加熱温度が低いと、尿素が残って
硬化を阻害してしまうことが分かる。
【0086】また、尿素ではなくシュウ酸を反応抑制成
分として用いた場合(比較例10)の成形品は、実施例
2の成形品と比べて水に浸漬した後の曲げ強度が低く、
吸水率が大きい、即ち耐水性に劣っている。このことか
ら、尿素ではなくカルボン酸類を反応抑制成分として使
用した場合には、それが成形品中に残存して悪影響を及
ぼすことが分かる。
分として用いた場合(比較例10)の成形品は、実施例
2の成形品と比べて水に浸漬した後の曲げ強度が低く、
吸水率が大きい、即ち耐水性に劣っている。このことか
ら、尿素ではなくカルボン酸類を反応抑制成分として使
用した場合には、それが成形品中に残存して悪影響を及
ぼすことが分かる。
【0087】また、酸性リン酸金属塩100部に対して
80〜200部を外れる範囲で硬化剤を使用した場合
(比較例5、6)や、硬化性組成物100部に対して5
〜100部を外れる範囲で無機質強化材を使用した場合
(比較例1、2、7)には、評価できるような成形品を
得ることができないか、得られた成形品の曲げ強度が低
い、即ち成形品の機械的強度が不十分となることが分か
る。
80〜200部を外れる範囲で硬化剤を使用した場合
(比較例5、6)や、硬化性組成物100部に対して5
〜100部を外れる範囲で無機質強化材を使用した場合
(比較例1、2、7)には、評価できるような成形品を
得ることができないか、得られた成形品の曲げ強度が低
い、即ち成形品の機械的強度が不十分となることが分か
る。
【0088】更に、平均粒子径5μm以下の硬化剤を硬
化剤全体に対して30%以上含ませた実施例2等と、平
均粒子径5μm以下の硬化剤を使用しなかった実施例1
3とを比較すると、前者の方が曲げ強度が高い。このこ
とから、平均粒子径5μm以下の硬化剤を硬化剤全体に
対して30%以上使用すると、成形品のマトリックスが
緻密になって、成形品の機械的強度が向上することが分
かる。
化剤全体に対して30%以上含ませた実施例2等と、平
均粒子径5μm以下の硬化剤を使用しなかった実施例1
3とを比較すると、前者の方が曲げ強度が高い。このこ
とから、平均粒子径5μm以下の硬化剤を硬化剤全体に
対して30%以上使用すると、成形品のマトリックスが
緻密になって、成形品の機械的強度が向上することが分
かる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、硬化性組成物に尿素を特定量で添加したので、加熱
硬化の最中に組成物が膨張したり、得られた成形品にボ
イドができたり、成形品の耐水性が低下したりすること
がない。
は、硬化性組成物に尿素を特定量で添加したので、加熱
硬化の最中に組成物が膨張したり、得られた成形品にボ
イドができたり、成形品の耐水性が低下したりすること
がない。
【0090】また、本発明の製造方法によって得られた
無機質系成形品は、従来のものに比べて、優れた機械的
強度、耐水性、寸法安定性及び耐熱性を有しているの
で、建築材料や、産業用の構造材又は部材等に使用する
ことが可能である。例えば,加熱プレス成形装置の断熱
板、住宅等の建築物の内装材や外装材、又は,住宅のリ
フォーム用外装材等として使用できる。
無機質系成形品は、従来のものに比べて、優れた機械的
強度、耐水性、寸法安定性及び耐熱性を有しているの
で、建築材料や、産業用の構造材又は部材等に使用する
ことが可能である。例えば,加熱プレス成形装置の断熱
板、住宅等の建築物の内装材や外装材、又は,住宅のリ
フォーム用外装材等として使用できる。
【0091】更に、本発明の製造方法によって得られた
無機質系成形品と他の材料とを積層一体化した成形品と
したうえで使用することも可能である。積層する他の材
料としては、例えば,発泡ポリスチレン樹脂等の発泡樹
脂の板、メラミン樹脂シート等の合成樹脂製の化粧シー
ト、木材、又は、コンクリート板を挙げることができ
る。無機質系成形品と他の材料とを積層一体化する場合
には、無機質系成形品と他の材料とを接着剤を用いて接
合する方法や、成形用材料と上記の他の材料とを積層し
た状態で加圧成形して半硬化材料とし、この半硬化材料
を加熱して硬化を完了させると同時に、半硬化材料に含
有される硬化性組成物の接着力によって他の材料と接合
する方法を、製品の用途や選択する他の材料の質等によ
って適宜選択する。
無機質系成形品と他の材料とを積層一体化した成形品と
したうえで使用することも可能である。積層する他の材
料としては、例えば,発泡ポリスチレン樹脂等の発泡樹
脂の板、メラミン樹脂シート等の合成樹脂製の化粧シー
ト、木材、又は、コンクリート板を挙げることができ
る。無機質系成形品と他の材料とを積層一体化する場合
には、無機質系成形品と他の材料とを接着剤を用いて接
合する方法や、成形用材料と上記の他の材料とを積層し
た状態で加圧成形して半硬化材料とし、この半硬化材料
を加熱して硬化を完了させると同時に、半硬化材料に含
有される硬化性組成物の接着力によって他の材料と接合
する方法を、製品の用途や選択する他の材料の質等によ
って適宜選択する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C04B 24/12 C04B 24/12 Z
// C04B 103:24 103:24
111:27 111:27
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 28/34
C04B 12/02
C04B 14/38
C04B 14/42
C04B 22/06
C04B 24/12
Claims (6)
- 【請求項1】 酸性リン酸金属塩100質量部、その硬
化剤80〜200質量部、及び尿素0.1〜10質量部
を含有する硬化性組成物を得る工程、前記硬化性組成物
100質量部と無機質強化材5〜100質量部とを複合
させて成形用材料を得る工程、前記成形用材料を所望の
形状に成形して半硬化材料を得る工程、並びに、前記半
硬化材料を120℃以上の温度で加熱して硬化を完了さ
せる工程を含むことを特徴とする無機質系成形品の製造
方法。 - 【請求項2】 前記成形用材料を所望の形状に成形する
前に、その水分含有量が5〜10質量%となるように調
整する工程を更に含む請求項1記載の無機質系成形品の
製造方法。 - 【請求項3】 前記硬化剤が、金属水酸化物、塩基性金
属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有する複
合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種であっ
て、かつ、平均粒子径5μm以下のものを硬化剤全体の
30質量%以上含む請求項1又は2記載の無機質系成形
品の製造方法。 - 【請求項4】 前記硬化剤が、金属水酸化物、塩基性金
属酸化物及び塩基性金属酸化物を成分として含有する複
合金属酸化物の中から選ばれる少なくとも一種であっ
て、かつ、平均粒子径20μm以上のものを硬化剤全体
の0.1〜10質量%含む請求項1〜3のいずれか一つ
に記載の無機質系成形品の製造方法。 - 【請求項5】 前記無機質強化材が、無機質繊維又はウ
ィスカである請求項1〜4のいずれか一つに記載の無機
質系成形品の製造方法。 - 【請求項6】 前記無機質繊維が、エポキシ樹脂を含有
する表面処理剤を付与されたガラス繊維又はカーボン繊
維である請求項5記載の無機質系成形品の製造方法。
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