JP3371344B2 - クリップ - Google Patents
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- JP3371344B2 JP3371344B2 JP22404194A JP22404194A JP3371344B2 JP 3371344 B2 JP3371344 B2 JP 3371344B2 JP 22404194 A JP22404194 A JP 22404194A JP 22404194 A JP22404194 A JP 22404194A JP 3371344 B2 JP3371344 B2 JP 3371344B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種用途に使用される
雌雄ツーピース型クリップの改良に関するものである。
雌雄ツーピース型クリップの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種クリップとして、例えば、
実開昭58−86912号公報・特開昭62−2401
4号公報や実開昭62−56810号公報等に示すもの
が存する。これら従来のクリップは、主として、自動車
トリムを車体パネルに固定するために提案されたもの
で、多少の構造上の相違を有するが、基本的には、いず
れのものも、合成樹脂で別体に成形された雌部材と雄部
材の2部品からなり、前者の雌部材は、上端縁にフラン
ジ部を延設した中空胴部自体の内面に環状又は対向する
ロック突起をそのまま直に形成し、同中空胴部の外面に
パネルの取付孔に係止する係止脚片又は係止肩を形成す
る構成となっており、後者の雄部材は、トリムを保持す
る頭部を画成するフランジ部下面に上記雌部材の中空胴
部内に嵌入されてそのロック突起に係合する軸部を形成
する構成となっている。
実開昭58−86912号公報・特開昭62−2401
4号公報や実開昭62−56810号公報等に示すもの
が存する。これら従来のクリップは、主として、自動車
トリムを車体パネルに固定するために提案されたもの
で、多少の構造上の相違を有するが、基本的には、いず
れのものも、合成樹脂で別体に成形された雌部材と雄部
材の2部品からなり、前者の雌部材は、上端縁にフラン
ジ部を延設した中空胴部自体の内面に環状又は対向する
ロック突起をそのまま直に形成し、同中空胴部の外面に
パネルの取付孔に係止する係止脚片又は係止肩を形成す
る構成となっており、後者の雄部材は、トリムを保持す
る頭部を画成するフランジ部下面に上記雌部材の中空胴
部内に嵌入されてそのロック突起に係合する軸部を形成
する構成となっている。
【0003】そして、実際にトリムをパネルに固定する
場合には、雌部材の中空胴部をパネルの取付孔側に係着
する一方、雄部材の頭部でトリムを保持しながら、該雄
部材の軸部を上記雌部材の中空胴部内に嵌入すると、中
空胴部の内面に形成されているロック突起と当該軸部の
先端とが凹凸係合するので、これにより、トリムがパネ
ルに固定されることとなる。
場合には、雌部材の中空胴部をパネルの取付孔側に係着
する一方、雄部材の頭部でトリムを保持しながら、該雄
部材の軸部を上記雌部材の中空胴部内に嵌入すると、中
空胴部の内面に形成されているロック突起と当該軸部の
先端とが凹凸係合するので、これにより、トリムがパネ
ルに固定されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来クリップ
の下では、一見すると、極めて構造が簡単な雌部材と雄
部材の2部品を用いるだけで、トリムをパネルに固定で
きる利点を有しているようにも思われるが、実際の成形
に際して、雌部材の中空胴部の内面にロック突起を形成
する場合には、金型の構造上、その離型時に無理抜きを
しなければならないので、当該ロック突起が容易に変形
してしまう恐れを十分に有していた。この為、従来クリ
ップにあっては、雌部材の中空胴部の内面に対して、設
計図通りのロック突起を正確に形成することが頗る困難
となって、雄部材の軸部に対する必要な係合力が得られ
ずに、トリムが不用意にガタついたり、最悪の場合に
は、雄部材が雌部材から簡単に離脱してしまうことは言
うまでもないが、雄部材と雌部材の位置関係を正確に規
制することもできなくなってしまう種々の問題点が招来
されている。
の下では、一見すると、極めて構造が簡単な雌部材と雄
部材の2部品を用いるだけで、トリムをパネルに固定で
きる利点を有しているようにも思われるが、実際の成形
に際して、雌部材の中空胴部の内面にロック突起を形成
する場合には、金型の構造上、その離型時に無理抜きを
しなければならないので、当該ロック突起が容易に変形
してしまう恐れを十分に有していた。この為、従来クリ
ップにあっては、雌部材の中空胴部の内面に対して、設
計図通りのロック突起を正確に形成することが頗る困難
となって、雄部材の軸部に対する必要な係合力が得られ
ずに、トリムが不用意にガタついたり、最悪の場合に
は、雄部材が雌部材から簡単に離脱してしまうことは言
うまでもないが、雄部材と雌部材の位置関係を正確に規
制することもできなくなってしまう種々の問題点が招来
されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、斯る従来クリ
ップの抱える種々の問題点を有効に解決するために開発
されたもので、請求項1記載の発明は、雌部材と雄部材
の2部品からなり、雌部材は、中空胴部の内側にロック
突起を形成し、同中空胴部の外側にパネルの取付孔に係
止する係止手段を形成し、雄部材は、上記雌部材の中空
胴部内に嵌入されてそのロック突起に係合する軸部を有
するクリップを前提として、少なくとも、上記雌部材の
中空胴部の対向する側壁を二重の筒構造となして、該二
重の筒構造の内側壁を縦スリットを介して撓み可能に分
割すると共に、その各内面に上記ロック突起を一体に形
成する一方、雄部材の下面側に当該内側壁の上端部を受
け入れるロック凹溝を形成する構成を採用した。請求項
2記載の発明は、請求項1を前提として、雄部材は、分
割された複数の拡開軸片を有する第一部品と、軸部を有
する第二部品とを備え、第二部品の軸部を第一部品の中
央開口から各拡開軸片の内部に差し込んで、当該各拡開
軸片を拡開させてロック突起に係合させる構成を採用し
た。請求項3記載の発明は、請求項1を前提として、雌
部材は、中空胴部の上端縁にフランジ部を有し、二重の
筒構造は、該フランジ部と一体に連続する外側壁と、該
外側壁との間に撓み空間を画成する内側壁とから成り、
内側壁は、上記二重の筒構造以外の側壁と連続的に繋が
っている構成を採用した。
ップの抱える種々の問題点を有効に解決するために開発
されたもので、請求項1記載の発明は、雌部材と雄部材
の2部品からなり、雌部材は、中空胴部の内側にロック
突起を形成し、同中空胴部の外側にパネルの取付孔に係
止する係止手段を形成し、雄部材は、上記雌部材の中空
胴部内に嵌入されてそのロック突起に係合する軸部を有
するクリップを前提として、少なくとも、上記雌部材の
中空胴部の対向する側壁を二重の筒構造となして、該二
重の筒構造の内側壁を縦スリットを介して撓み可能に分
割すると共に、その各内面に上記ロック突起を一体に形
成する一方、雄部材の下面側に当該内側壁の上端部を受
け入れるロック凹溝を形成する構成を採用した。請求項
2記載の発明は、請求項1を前提として、雄部材は、分
割された複数の拡開軸片を有する第一部品と、軸部を有
する第二部品とを備え、第二部品の軸部を第一部品の中
央開口から各拡開軸片の内部に差し込んで、当該各拡開
軸片を拡開させてロック突起に係合させる構成を採用し
た。請求項3記載の発明は、請求項1を前提として、雌
部材は、中空胴部の上端縁にフランジ部を有し、二重の
筒構造は、該フランジ部と一体に連続する外側壁と、該
外側壁との間に撓み空間を画成する内側壁とから成り、
内側壁は、上記二重の筒構造以外の側壁と連続的に繋が
っている構成を採用した。
【0006】
【作用】依って、本発明にあって、雌部材の中空胴部に
ロック突起を形成する場合には、従来の如く、離型時に
無理抜きしなくとも、二重の筒構造により画成される撓
み空間を積極的に利用することにより、縦スリットで分
割されている内側壁の上端部側を外側に撓ませながら、
金型を容易に引き抜くことが可能となるので、これによ
り、内側壁の内面に設計図通りのロック突起を正確に形
成することが可能となると共に、例え、当該内側壁が縦
スリットで分割されていても、雄部材の軸部が雌部材の
中空胴部内に嵌入された状態では、内側壁の上端部が雄
部材のロック凹溝内に完全に受け入れられて、内側壁の
上端部側が外方に撓むことを確実に阻止できるので、仮
に、雄部材に抜け方向の外力が加わって、内側壁の上端
部側が外方に押圧されても、雄部材が雌部材から離脱す
る心配も全くない。
ロック突起を形成する場合には、従来の如く、離型時に
無理抜きしなくとも、二重の筒構造により画成される撓
み空間を積極的に利用することにより、縦スリットで分
割されている内側壁の上端部側を外側に撓ませながら、
金型を容易に引き抜くことが可能となるので、これによ
り、内側壁の内面に設計図通りのロック突起を正確に形
成することが可能となると共に、例え、当該内側壁が縦
スリットで分割されていても、雄部材の軸部が雌部材の
中空胴部内に嵌入された状態では、内側壁の上端部が雄
部材のロック凹溝内に完全に受け入れられて、内側壁の
上端部側が外方に撓むことを確実に阻止できるので、仮
に、雄部材に抜け方向の外力が加わって、内側壁の上端
部側が外方に押圧されても、雄部材が雌部材から離脱す
る心配も全くない。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図示する各実施例に基づいて
詳述する。第一実施例に係るクリップは、トランクルー
ムで使用されるガードネットのフックを引っ掛けるホル
ダーをパネル側に固定するクリップとして開発されたも
ので、基本的には、やはり、合成樹脂で別体に成形され
た雌部材1と雄部材11の2部品からなる。
詳述する。第一実施例に係るクリップは、トランクルー
ムで使用されるガードネットのフックを引っ掛けるホル
ダーをパネル側に固定するクリップとして開発されたも
ので、基本的には、やはり、合成樹脂で別体に成形され
た雌部材1と雄部材11の2部品からなる。
【0008】そして、前者の雌部材1は、その前提にお
いては、従来と同様に、図1に示す如く、上端縁にフラ
ンジ部3を延設した有底状の中空胴部2を備え、該中空
胴部2の内側にロック突起4を形成し、同中空胴部2の
外側にパネルの取付孔に係止する係止手段たる係止脚片
5を形成するものであるが、特徴とするところは、以下
の構成を付与した点にある。即ち、第一実施例では、有
底状の中空胴部2を成形する場合に、内面にロック突起
4を一体に形成して上方に突出する環状の内側壁2Aに
加え、該内側壁2Aの対向する部位のみに外側壁2Bを
一定の撓み空間6をおいて並設して、中空胴部2を部分
的に二重の筒構造となすと共に、上記内側壁2Aの上端
から中間に至る範囲に4本の縦スリット7を開設して、
当該内側壁2Aの上端部側を撓み可能に四分割する一
方、外側壁2Bの存在しない対向する部位に、パネルの
取付孔の孔縁に係止する上記一対の係止脚片5を一体に
立ち上げ形成する構成となしている。
いては、従来と同様に、図1に示す如く、上端縁にフラ
ンジ部3を延設した有底状の中空胴部2を備え、該中空
胴部2の内側にロック突起4を形成し、同中空胴部2の
外側にパネルの取付孔に係止する係止手段たる係止脚片
5を形成するものであるが、特徴とするところは、以下
の構成を付与した点にある。即ち、第一実施例では、有
底状の中空胴部2を成形する場合に、内面にロック突起
4を一体に形成して上方に突出する環状の内側壁2Aに
加え、該内側壁2Aの対向する部位のみに外側壁2Bを
一定の撓み空間6をおいて並設して、中空胴部2を部分
的に二重の筒構造となすと共に、上記内側壁2Aの上端
から中間に至る範囲に4本の縦スリット7を開設して、
当該内側壁2Aの上端部側を撓み可能に四分割する一
方、外側壁2Bの存在しない対向する部位に、パネルの
取付孔の孔縁に係止する上記一対の係止脚片5を一体に
立ち上げ形成する構成となしている。
【0009】従って、この第一実施例の雌部材1の成形
に際して、その内側壁2Aの内面にロック突起4を一体
に形成する場合には、従来の如く、離型時に無理抜きし
なくとも、外側壁2Bとの間に画成される撓み空間6と
係止脚片5との間に画成される空間8を積極的に利用す
ることにより、縦スリット7で四分割されている内側壁
2Aの上端部側を外側に十分に撓ませながら、金型を簡
単に引き抜くことが可能となるので、ロック突起4が変
形する心配が全くなくなって、第一実施例の下では、設
計図通りのロック突起4を正確に形成することが可能と
なる。
に際して、その内側壁2Aの内面にロック突起4を一体
に形成する場合には、従来の如く、離型時に無理抜きし
なくとも、外側壁2Bとの間に画成される撓み空間6と
係止脚片5との間に画成される空間8を積極的に利用す
ることにより、縦スリット7で四分割されている内側壁
2Aの上端部側を外側に十分に撓ませながら、金型を簡
単に引き抜くことが可能となるので、ロック突起4が変
形する心配が全くなくなって、第一実施例の下では、設
計図通りのロック突起4を正確に形成することが可能と
なる。
【0010】又、後者の雄部材11は、図2に示す如
く、リング状の第一部品12とピン状の第二部品13と
を備え、第一部品12は、その両側部に半円弧状を呈す
る先のホルダー14を回転可能に支承し、中央開口15
の口縁に縦スリット16を介して分割された複数の拡開
軸片17を形成すると共に、該各拡開軸片17の同心円
上の下面に上記内側壁2Aの上端部を受け入れるロック
凹溝18を環状に連続して形成し、第二部品13は、頭
部19の下面に上記第一部品12の中央開口15から各
拡開軸片17の内部に差し込まれる軸部20を一体に形
成して、該軸部20の下端側に先細りガイド部21を形
成し、中間側に大径な拡大部22を形成する構成となし
ている。
く、リング状の第一部品12とピン状の第二部品13と
を備え、第一部品12は、その両側部に半円弧状を呈す
る先のホルダー14を回転可能に支承し、中央開口15
の口縁に縦スリット16を介して分割された複数の拡開
軸片17を形成すると共に、該各拡開軸片17の同心円
上の下面に上記内側壁2Aの上端部を受け入れるロック
凹溝18を環状に連続して形成し、第二部品13は、頭
部19の下面に上記第一部品12の中央開口15から各
拡開軸片17の内部に差し込まれる軸部20を一体に形
成して、該軸部20の下端側に先細りガイド部21を形
成し、中間側に大径な拡大部22を形成する構成となし
ている。
【0011】依って、斯る構成の雌雄ツーピース型クリ
ップを用いて、トランクルームパネルPの所定個所にガ
ードネットのフック(図示せず)を引っ掛けるホルダー
14を固定する場合には、雌部材1の中空胴部2をその
フランジ部3と係止脚片5を介してパネルPの取付孔H
に係着する一方、上記第一部品12の中央開口15から
各拡開軸片17の内部に第二部品13の軸部20を差し
込んで、合体状態に組み込まれた雄部材11を得る。但
し、この合体状態にある雄部材11は、図3に示す如
く、第一部品12の各拡開軸片17の下端から第二部品
13の先細りガイド部21を突出させるに留めて、未
だ、各拡開軸片17を外方に拡開させないものとする。
ップを用いて、トランクルームパネルPの所定個所にガ
ードネットのフック(図示せず)を引っ掛けるホルダー
14を固定する場合には、雌部材1の中空胴部2をその
フランジ部3と係止脚片5を介してパネルPの取付孔H
に係着する一方、上記第一部品12の中央開口15から
各拡開軸片17の内部に第二部品13の軸部20を差し
込んで、合体状態に組み込まれた雄部材11を得る。但
し、この合体状態にある雄部材11は、図3に示す如
く、第一部品12の各拡開軸片17の下端から第二部品
13の先細りガイド部21を突出させるに留めて、未
だ、各拡開軸片17を外方に拡開させないものとする。
【0012】そして、後は、この状態のまま、雄部材1
1側の拡開軸片17と軸部20を雌部材1の中空胴部2
内に嵌入した後、第二部品13の頭部19を下方に押圧
して、その軸部20を各拡開軸片17の内部に更に押し
込むと、今度は、図4・図5に示す如く、軸部20の押
し込みにより、各拡開軸片17の下端が当該軸部20の
大径な拡大部22に当接しながら外方に拡開して、その
各外面を中空胴部2の内側壁2Aに形成されているロッ
ク突起4に強制的に係合させるので、これにより、雄部
材11が雌部材1側に固定されると同時に、ホルダー1
4がトランクルームパネルP側に固定されることとな
る。
1側の拡開軸片17と軸部20を雌部材1の中空胴部2
内に嵌入した後、第二部品13の頭部19を下方に押圧
して、その軸部20を各拡開軸片17の内部に更に押し
込むと、今度は、図4・図5に示す如く、軸部20の押
し込みにより、各拡開軸片17の下端が当該軸部20の
大径な拡大部22に当接しながら外方に拡開して、その
各外面を中空胴部2の内側壁2Aに形成されているロッ
ク突起4に強制的に係合させるので、これにより、雄部
材11が雌部材1側に固定されると同時に、ホルダー1
4がトランクルームパネルP側に固定されることとな
る。
【0013】又、このホルダー14の固定状態にあって
は、図示する如く、内側壁2Aの上端部が雄部材11を
構成する第一部品12のロック凹溝18内に完全に受け
入れられて、当該内側壁2Aの上端部側が外方に撓むこ
とを確実に阻止することとなるので、仮に、雄部材11
に抜け方向の外力が加わって、内側壁2Aの上端部側が
外方に押圧されても、ロック突起4に対する拡開軸片1
7の係合状態が解除されることが決してない。従って、
例え、内側壁2Aが縦スリット7で分割されていても、
これに起因して、雄部材11に対する係合力が低下する
心配が全くなくなる訳である。
は、図示する如く、内側壁2Aの上端部が雄部材11を
構成する第一部品12のロック凹溝18内に完全に受け
入れられて、当該内側壁2Aの上端部側が外方に撓むこ
とを確実に阻止することとなるので、仮に、雄部材11
に抜け方向の外力が加わって、内側壁2Aの上端部側が
外方に押圧されても、ロック突起4に対する拡開軸片1
7の係合状態が解除されることが決してない。従って、
例え、内側壁2Aが縦スリット7で分割されていても、
これに起因して、雄部材11に対する係合力が低下する
心配が全くなくなる訳である。
【0014】尚、この第一実施例にあっては、既述した
如く、雌部材1の中空胴部2の対向する部位のみを二重
の筒構造となしたものであるが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、図6に示す如く、内側壁2Aの全周
に対して、外側壁2Bを一定の撓み空間6をおいて並設
して、中空胴部2の全体を二重の筒構造となすことも実
施に応じ任意であるが、この場合には、パネルPの取付
孔Hに対する係止手段として、外側壁2Bの外面に係止
肩9を形成することが好ましい。
如く、雌部材1の中空胴部2の対向する部位のみを二重
の筒構造となしたものであるが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、図6に示す如く、内側壁2Aの全周
に対して、外側壁2Bを一定の撓み空間6をおいて並設
して、中空胴部2の全体を二重の筒構造となすことも実
施に応じ任意であるが、この場合には、パネルPの取付
孔Hに対する係止手段として、外側壁2Bの外面に係止
肩9を形成することが好ましい。
【0015】次に、第二実施例に係るクリップを説明す
ると、当該第二実施例のものは、自動車トリム24を車
体パネルPに固定するクリップとして開発されたもの
で、雌雄の部材1・11の基本構成に関しては、図7に
示す如く、上記した第一実施例のものをそのまま踏襲す
るが、異なるところは、雄部材11を構成する第一部品
12側に、雌部材1のフランジ部3と共働してトリム2
4を挾持する段部23を追加した点にある。
ると、当該第二実施例のものは、自動車トリム24を車
体パネルPに固定するクリップとして開発されたもの
で、雌雄の部材1・11の基本構成に関しては、図7に
示す如く、上記した第一実施例のものをそのまま踏襲す
るが、異なるところは、雄部材11を構成する第一部品
12側に、雌部材1のフランジ部3と共働してトリム2
4を挾持する段部23を追加した点にある。
【0016】依って、斯る第二実施例の雌雄ツーピース
型クリップを用いて、トリム24をパネルPに固定する
場合には、第一実施例と同様に、雌部材1の中空胴部2
をそのフランジ部3と係止脚片5を介してパネルPの取
付孔Hに係着する一方、上記の要領で、第一部品12と
第二部品13とを組み込んで、雄部材11の合体状態を
得た後、雌部材1側の内側壁2Aとトリム24の通孔2
5を一致させながら、雄部材11の拡開軸片17と軸部
20を当該通孔25を経て雌部材1の中空胴部2内に嵌
入して、同様に、第二部品13の軸部20を各拡開軸片
17内に更に押し込むと、やはり、図示する如く、この
軸部20の押し込みにより、各拡開軸片17の下端が軸
部20の大径な拡大部22に当接しながら外方に拡開し
て、その外面を中空胴部2の内側壁2Aに形成されてい
るロック突起4に係合させるので、これにより、今度
は、雄部材11が雌部材1に固定されると同時に、トリ
ム24が上記段部23とフランジ部3を介してパネルP
側に固定されることとなる。
型クリップを用いて、トリム24をパネルPに固定する
場合には、第一実施例と同様に、雌部材1の中空胴部2
をそのフランジ部3と係止脚片5を介してパネルPの取
付孔Hに係着する一方、上記の要領で、第一部品12と
第二部品13とを組み込んで、雄部材11の合体状態を
得た後、雌部材1側の内側壁2Aとトリム24の通孔2
5を一致させながら、雄部材11の拡開軸片17と軸部
20を当該通孔25を経て雌部材1の中空胴部2内に嵌
入して、同様に、第二部品13の軸部20を各拡開軸片
17内に更に押し込むと、やはり、図示する如く、この
軸部20の押し込みにより、各拡開軸片17の下端が軸
部20の大径な拡大部22に当接しながら外方に拡開し
て、その外面を中空胴部2の内側壁2Aに形成されてい
るロック突起4に係合させるので、これにより、今度
は、雄部材11が雌部材1に固定されると同時に、トリ
ム24が上記段部23とフランジ部3を介してパネルP
側に固定されることとなる。
【0017】尚、この第二実施例にあっても、内側壁2
Aの上端部が雄部材11を構成する第一部品12のロッ
ク凹溝18内に完全に受け入れられて、当該内側壁2A
の上端部側が外方に撓むことを確実に阻止することとな
るので、例え、雄部材11に抜け方向の外力が加わっ
て、内側壁2Aの上端部側が外方に押圧されても、ロッ
ク突起4に対する拡開軸片17の係合状態が解除される
ことは決してない。
Aの上端部が雄部材11を構成する第一部品12のロッ
ク凹溝18内に完全に受け入れられて、当該内側壁2A
の上端部側が外方に撓むことを確実に阻止することとな
るので、例え、雄部材11に抜け方向の外力が加わっ
て、内側壁2Aの上端部側が外方に押圧されても、ロッ
ク突起4に対する拡開軸片17の係合状態が解除される
ことは決してない。
【0018】又、本発明に係るクリップは、上記第一実
施例や第二実施例に示す用途のクリップに限定されるも
のではなく、具体的には図示しないが、特に、シール性
と強い係合力が要求される孔塞ぎ用のボタンクリップと
して利用することも可能であるし、且つ、第二実施例の
クリップにおける雌部材1を、第一実施例の変形、即
ち、全周を二重の筒構造としたものに応用できることも
可能であるし、更には、雄部材11を第一部品12と第
二部品13とで構成せずに、従来と同様に、雄部材11
を一体物として構成することも十分に可能である。
施例や第二実施例に示す用途のクリップに限定されるも
のではなく、具体的には図示しないが、特に、シール性
と強い係合力が要求される孔塞ぎ用のボタンクリップと
して利用することも可能であるし、且つ、第二実施例の
クリップにおける雌部材1を、第一実施例の変形、即
ち、全周を二重の筒構造としたものに応用できることも
可能であるし、更には、雄部材11を第一部品12と第
二部品13とで構成せずに、従来と同様に、雄部材11
を一体物として構成することも十分に可能である。
【0019】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、上記構成の採用
により、雌部材の中空胴部の内側にロック突起を形成す
る場合にも、従来の如く、離型時に無理抜きしなくと
も、二重の筒構造により画成される撓み空間を利用する
ことにより、縦スリットで分割されている内側壁の上端
部側を外側に撓ませながら、金型を簡単に引き抜くこと
が可能となるので、本発明の下では、設計図通りのロッ
ク突起が正確に形成できることとなった。従って、雄部
材の軸部に対する必要な係合力が得られなくなったり、
雄部材と雌部材の位置関係を正確に規制できなくなって
しまうことが解消できることとなる。
により、雌部材の中空胴部の内側にロック突起を形成す
る場合にも、従来の如く、離型時に無理抜きしなくと
も、二重の筒構造により画成される撓み空間を利用する
ことにより、縦スリットで分割されている内側壁の上端
部側を外側に撓ませながら、金型を簡単に引き抜くこと
が可能となるので、本発明の下では、設計図通りのロッ
ク突起が正確に形成できることとなった。従って、雄部
材の軸部に対する必要な係合力が得られなくなったり、
雄部材と雌部材の位置関係を正確に規制できなくなって
しまうことが解消できることとなる。
【0020】その上、本発明にあって、内側壁が縦スリ
ットで撓み可能に分割されていると雖も、雄部材の軸部
が雌部材の中空胴部内に嵌入された状態では、内側壁の
上端部が雄部材側のロック凹溝内に完全に受け入れられ
て、当該内側壁の上端部側が外方に撓むことを確実に阻
止できるので、仮に、雄部材に抜け方向の外力が加わっ
て、内側壁の上端部側が外方に押圧されても、ロック突
起と軸部の係合状態は確実に維持されて、雄部材が雌部
材から離脱する心配も解消できることとなる。
ットで撓み可能に分割されていると雖も、雄部材の軸部
が雌部材の中空胴部内に嵌入された状態では、内側壁の
上端部が雄部材側のロック凹溝内に完全に受け入れられ
て、当該内側壁の上端部側が外方に撓むことを確実に阻
止できるので、仮に、雄部材に抜け方向の外力が加わっ
て、内側壁の上端部側が外方に押圧されても、ロック突
起と軸部の係合状態は確実に維持されて、雄部材が雌部
材から離脱する心配も解消できることとなる。
【図1】本発明の第一実施例に係るクリップの雌部材を
示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A
線断面図、(C)は(A)のB−B線断面図、(D)は
底面図である。
示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A
線断面図、(C)は(A)のB−B線断面図、(D)は
底面図である。
【図2】第一実施例に係るクリップの雄部材を一部断面
して示す分解正面図である。
して示す分解正面図である。
【図3】雄部材の合体状態を示す正面図である。
【図4】フック引っ掛け用ホルダーをパネルに固定した
状態を一方向から示す断面図である。
状態を一方向から示す断面図である。
【図5】同ホルダーをパネルに固定した状態を他方向か
ら示す断面図である。
ら示す断面図である。
【図6】第一実施例の雌部材に関する応用例を示すもの
で、(A)は平面図、(B)は(A)のC−C線断面
図、(C)は(A)のD−D線断面図、(D)は底面図
である。
で、(A)は平面図、(B)は(A)のC−C線断面
図、(C)は(A)のD−D線断面図、(D)は底面図
である。
【図7】(A)は第二実施例に係るクリップを用いて、
トリムをパネルに固定した状態を一方向から示す断面
図、(B)は他方向から示す断面図である。
トリムをパネルに固定した状態を一方向から示す断面
図、(B)は他方向から示す断面図である。
1 雌部材
2 中空胴部
2A 中空胴部の内側壁
2B 中空胴部の外側壁
4 ロック突起
5 係止脚片(係止手段)
6 撓み空間
7 縦スリット
9 係止肩(係止手段)
11 雄部材
12 第一部品
13 第二部品
14 ホルダー
17 拡開軸片
18 ロック凹溝
20 軸部
24 トリム
P パネル
H 取付孔
Claims (3)
- 【請求項1】 雌部材と雄部材の2部品からなり、雌部
材は、中空胴部の内側にロック突起を形成し、同中空胴
部の外側にパネルの取付孔に係止する係止手段を形成
し、雄部材は、上記雌部材の中空胴部内に嵌入されてそ
のロック突起に係合する軸部を有するクリップにおい
て、少なくとも、上記雌部材の中空胴部の対向する側壁
を二重の筒構造となして、該二重の筒構造の内側壁を縦
スリットを介して撓み可能に分割すると共に、その各内
面に上記ロック突起を一体に形成する一方、雄部材の下
面側に当該内側壁の上端部を受け入れるロック凹溝を形
成したことを特徴とするクリップ。 - 【請求項2】 雄部材は、分割された複数の拡開軸片を
有する第一部品と、軸部を有する第二部品とを備え、第
二部品の軸部を第一部品の中央開口から各拡開軸片の内
部に差し込んで、当該各拡開軸片を拡開させてロック突
起に係合させることを特徴とする請求項1記載のクリッ
プ。 - 【請求項3】 雌部材は、中空胴部の上端縁にフランジ
部を有し、二重の筒構造は、該フランジ部と一体に連続
する外側壁と、該外側壁との間に撓み空間を画成する内
側壁とから成り、内側壁は、上記二重の筒構造以外の側
壁と連続的に繋がっていることを特徴とする請求項1記
載のクリップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22404194A JP3371344B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | クリップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22404194A JP3371344B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | クリップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0868412A JPH0868412A (ja) | 1996-03-12 |
JP3371344B2 true JP3371344B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=16807675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22404194A Expired - Fee Related JP3371344B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | クリップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3371344B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101978425B1 (ko) * | 2018-05-21 | 2019-09-03 | 주식회사 에이티에스 | 패스너 조립체 및 패스너 조립체를 이용한 고정 방법 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP22404194A patent/JP3371344B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0868412A (ja) | 1996-03-12 |
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Legal Events
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