JP3355957B2 - 耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼 - Google Patents
耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼Info
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Landscapes
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- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として鉄塔用鋼
材として用いられる非調質高強度鋼に関する。
材として用いられる非調質高強度鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、使用鋼材の重量低減を目的とした
高強度鋼材が様々な分野で積極的に使用されるようにな
ってきた。送電用鉄塔向け鋼材にもこのような傾向が現
れてきており、現在引張強さが590MPa級の鋼材が
用いられている。また、大型送電鉄塔は、山中に建設さ
れることが多く、資材の運搬におけるコスト低減のため
更なる高張力化が求められている。鉄塔用鋼材は建設さ
れた後にメンテナンスフリーとするため、溶融亜鉛メッ
キが施される。鉄塔用の形鋼(例えば等辺等厚山形鋼)
は溶接施工をすることなく鉄塔とすることが可能である
ため、母材のメッキ割れ感受性が重要視されるが、69
0MPa以上の高強度形鋼ではメッキ時に形鋼のボルト
接合のための穴開け部からのメッキ割れが生じ高強度化
の大きな妨げとなっている。
高強度鋼材が様々な分野で積極的に使用されるようにな
ってきた。送電用鉄塔向け鋼材にもこのような傾向が現
れてきており、現在引張強さが590MPa級の鋼材が
用いられている。また、大型送電鉄塔は、山中に建設さ
れることが多く、資材の運搬におけるコスト低減のため
更なる高張力化が求められている。鉄塔用鋼材は建設さ
れた後にメンテナンスフリーとするため、溶融亜鉛メッ
キが施される。鉄塔用の形鋼(例えば等辺等厚山形鋼)
は溶接施工をすることなく鉄塔とすることが可能である
ため、母材のメッキ割れ感受性が重要視されるが、69
0MPa以上の高強度形鋼ではメッキ時に形鋼のボルト
接合のための穴開け部からのメッキ割れが生じ高強度化
の大きな妨げとなっている。
【0003】溶融メッキされる高強度鋼に関しては、従
来より特開昭58−84959号、特開昭59−113
16号等の技術が提案されてきたが、いずれも溶接部に
おいて発生する割れを防止する鋼材に関するものであ
り、ボルト穴加工部からの割れを防止する高強度鋼に関
しての知見は少ないのが現状である。
来より特開昭58−84959号、特開昭59−113
16号等の技術が提案されてきたが、いずれも溶接部に
おいて発生する割れを防止する鋼材に関するものであ
り、ボルト穴加工部からの割れを防止する高強度鋼に関
しての知見は少ないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を根本的に解決するためのものであり、母材の耐溶融亜
鉛メッキ割れ特性に優れた非調質型高張力鋼を提供する
ものである。
を根本的に解決するためのものであり、母材の耐溶融亜
鉛メッキ割れ特性に優れた非調質型高張力鋼を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するためになされたもので、 (1)重量比でC:0.08〜0.20%と,Si:
0.60%以下と,Mn:1.0〜2.0%と,Nb:
0.1%以下と、V:0.1%以下と、Ti:0.2%
以下と、Cu:2.0%以下,Ni:2.0%以下,C
r:1.0%以下及びMo:1.0%以下の群から選択
された一種又は二種以上と,残部Fe及び不可避不純物
からなり、Nb+0.5V+Ti≧0.08%であるこ
とを特徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調
質高強度鋼。 (2)重量比でC:0.08〜0.20%と,Si:
0.60%以下と,Mn:1.0〜2.0%と,Nb:
0.1%以下と、V:0.1%以下と、Ti:0%と、
Cu:2.0%以下,Ni:2.0%以下,Cr:1.
0%以下及びMo:1.0%以下の群から選択された一
種又は二種以上と,残部Fe及び不可避不純物からな
り、Nb+0.5V+Ti≧0.08%であることを特
徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強
度鋼。 (3)重量比でさらにCa:0.004%以下を含有す
ることを特徴とする(1)または(2)に記載の耐溶融
亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼。
成するためになされたもので、 (1)重量比でC:0.08〜0.20%と,Si:
0.60%以下と,Mn:1.0〜2.0%と,Nb:
0.1%以下と、V:0.1%以下と、Ti:0.2%
以下と、Cu:2.0%以下,Ni:2.0%以下,C
r:1.0%以下及びMo:1.0%以下の群から選択
された一種又は二種以上と,残部Fe及び不可避不純物
からなり、Nb+0.5V+Ti≧0.08%であるこ
とを特徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調
質高強度鋼。 (2)重量比でC:0.08〜0.20%と,Si:
0.60%以下と,Mn:1.0〜2.0%と,Nb:
0.1%以下と、V:0.1%以下と、Ti:0%と、
Cu:2.0%以下,Ni:2.0%以下,Cr:1.
0%以下及びMo:1.0%以下の群から選択された一
種又は二種以上と,残部Fe及び不可避不純物からな
り、Nb+0.5V+Ti≧0.08%であることを特
徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強
度鋼。 (3)重量比でさらにCa:0.004%以下を含有す
ることを特徴とする(1)または(2)に記載の耐溶融
亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、0.11C−0.
25Siを基本成分として、Mn,Nb,V,Ti添加
量を変化させ、さらにCaを添加した鋼を含め、熱間圧
延により等辺等厚山形鋼とし、それより採取した試験片
(図2参照)を用い、常温引張強度とメッキ浴中引張の
伸びとの関係における添加元素の影響を検討した。
25Siを基本成分として、Mn,Nb,V,Ti添加
量を変化させ、さらにCaを添加した鋼を含め、熱間圧
延により等辺等厚山形鋼とし、それより採取した試験片
(図2参照)を用い、常温引張強度とメッキ浴中引張の
伸びとの関係における添加元素の影響を検討した。
【0007】その結果、Nb+0.5V+Ti値によっ
て両者の関係が一義的に整理され、ボルト穴加工等がさ
れる高強度鋼においては、Nb+0.5V+Ti≧0.
08を満足させる必要のあることを知見した。(一般的
に溶融亜鉛メッキ浴中で伸びが20%以上の場合、ボル
ト穴加工部での割れは防止できるとされている。) すなわち、図1中に示すように、Nb+0.5V+Ti
添加量が0.06%の場合、メッキ浴中引張における伸
びは低く、高強度鋼では伸びが20%以下になるが、
0.08%を越えるようになると、高強度鋼においても
メッキ浴中引張における伸びは20%を越えるようにな
り、さらにTiもしくはCa又はTi−Caの複合添加
で伸びが増大することを把握した。(なお、式において
含有しない元素は0として計算する。) 以下、添加成分の限定理由を説明する。
て両者の関係が一義的に整理され、ボルト穴加工等がさ
れる高強度鋼においては、Nb+0.5V+Ti≧0.
08を満足させる必要のあることを知見した。(一般的
に溶融亜鉛メッキ浴中で伸びが20%以上の場合、ボル
ト穴加工部での割れは防止できるとされている。) すなわち、図1中に示すように、Nb+0.5V+Ti
添加量が0.06%の場合、メッキ浴中引張における伸
びは低く、高強度鋼では伸びが20%以下になるが、
0.08%を越えるようになると、高強度鋼においても
メッキ浴中引張における伸びは20%を越えるようにな
り、さらにTiもしくはCa又はTi−Caの複合添加
で伸びが増大することを把握した。(なお、式において
含有しない元素は0として計算する。) 以下、添加成分の限定理由を説明する。
【0008】C:0.08〜0.20% Cは強度を高めるのに必須の元素である。0.08%未
満では高強度を得るのが困難で、0.20%を越えると
鋼の靱性が著しく劣化するため、0.08%以上、0.
20%以下に限定した。
満では高強度を得るのが困難で、0.20%を越えると
鋼の靱性が著しく劣化するため、0.08%以上、0.
20%以下に限定した。
【0009】Si:0.60%以下 Siはメッキ後の外観状況と関係しており、0.6%を
越えるとメッキ焼けが発生しやすくなる。よって、0.
6%以下に限定した。
越えるとメッキ焼けが発生しやすくなる。よって、0.
6%以下に限定した。
【0010】Mn:1.0〜2.0% Mnは強度、靱性の面から必須の元素であるが、1.0
%未満では高強度を得るのが困難で、2.0%を越える
と焼き入れ性が高くなり粗いベイナイトが生成し、靱性
が著しく劣化するため、Mn:1.0%以上2.0%以
下に限定した。 P:不可避不純物レベル Pは粒界に偏析し、靱性を劣化するが、現状の精錬技術
で十分に低減されているため、上限値は限定しないが、
低いほど望ましい。 S:不可避不純物レベル Sは主に介在物の形態で鋼中に存在し、脆化により材質
の劣化を引き起こすが、現状の精錬技術では十分に低減
されているため、上限値は限定しないが、低いほど望ま
しい。 Cu:2.0%以下 Cuは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、2.
0%を越えて添加した場合にはCu割れが発生しやす
い。よって2.0%以下に限定した。 Ni:2.0%以下 Niは鋼の強度上昇ならびに靱性向上に有効な元素であ
るが、経済性を考慮し、2.0%以下に限定した。 Cr:1.0%以下 Crは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を越えて添加すると鋼の靱性を劣化させるため、
1.0%以下に限定した。 Mo:1.0%以下 Moは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を越えて添加すると鋼の靱性を著しく劣化させるた
め、1.0%以下に限定した。 Ti:0.2%以下 Tiは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高め、ま
た耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた性質を示すため有
効な元素であるが、0.2%を越えて添加すると析出物
が粗くなり、鋼の靱性が著しく劣化するため、0.2%
以下を必要に応じて添加できるものとした。 Nb:0.1%以下、V:0.1%以下 Nb、Vは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高め
るのに有効な元素であるが、0.1%を越えて添加する
と鋼の靱性を著しく劣化するため、いずれも0.1%以
下に限定した。 Nb+0.5V+Ti≧0.08% Ti,Nb,Vはいずれも析出強化により鋼の強度を高
めるのに有効な元素であるが、高強度鋼としての強度を
有し、耐溶融亜鉛メッキ割れに優れた特性を示すために
は、Nb+0.5V+Ti≧0.08%の添加が必要で
あるため、上記値に限定した。 Ca:0.004%以下 Caは添加することで耐溶融亜鉛メッキ割れ特性を著し
く改善することができる元素である。しかし、0.00
4%を越えて添加すると、Ca−O−Sのクラスターが
発生し、鋼の清浄性が低下してしまう。従って、Caを
0.004%以下に限定した。 Al:Alは本発明においては脱酸のために添加する場
合もあり、その場合は通常の添加量(0.005〜0.
60%)とする。型鋼などでSi脱酸においては不可避
不純物として扱う。 B:不可避不純物レベル Bは鋼の焼き入れ性を著しく向上させる一方、溶接部の
耐溶融亜鉛メッキ割れ性を著しく劣化させるため、溶接
され場合には2ppm以下に管理されている。本発明鋼
は原則として溶接施工を対象とせず、ボルト穴加工程度
であり、Bの上限値5ppm程度の管理とする。しか
し、低いほど望ましい。
%未満では高強度を得るのが困難で、2.0%を越える
と焼き入れ性が高くなり粗いベイナイトが生成し、靱性
が著しく劣化するため、Mn:1.0%以上2.0%以
下に限定した。 P:不可避不純物レベル Pは粒界に偏析し、靱性を劣化するが、現状の精錬技術
で十分に低減されているため、上限値は限定しないが、
低いほど望ましい。 S:不可避不純物レベル Sは主に介在物の形態で鋼中に存在し、脆化により材質
の劣化を引き起こすが、現状の精錬技術では十分に低減
されているため、上限値は限定しないが、低いほど望ま
しい。 Cu:2.0%以下 Cuは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、2.
0%を越えて添加した場合にはCu割れが発生しやす
い。よって2.0%以下に限定した。 Ni:2.0%以下 Niは鋼の強度上昇ならびに靱性向上に有効な元素であ
るが、経済性を考慮し、2.0%以下に限定した。 Cr:1.0%以下 Crは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を越えて添加すると鋼の靱性を劣化させるため、
1.0%以下に限定した。 Mo:1.0%以下 Moは鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、1.
0%を越えて添加すると鋼の靱性を著しく劣化させるた
め、1.0%以下に限定した。 Ti:0.2%以下 Tiは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高め、ま
た耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた性質を示すため有
効な元素であるが、0.2%を越えて添加すると析出物
が粗くなり、鋼の靱性が著しく劣化するため、0.2%
以下を必要に応じて添加できるものとした。 Nb:0.1%以下、V:0.1%以下 Nb、Vは微量の添加で析出強化により鋼の強度を高め
るのに有効な元素であるが、0.1%を越えて添加する
と鋼の靱性を著しく劣化するため、いずれも0.1%以
下に限定した。 Nb+0.5V+Ti≧0.08% Ti,Nb,Vはいずれも析出強化により鋼の強度を高
めるのに有効な元素であるが、高強度鋼としての強度を
有し、耐溶融亜鉛メッキ割れに優れた特性を示すために
は、Nb+0.5V+Ti≧0.08%の添加が必要で
あるため、上記値に限定した。 Ca:0.004%以下 Caは添加することで耐溶融亜鉛メッキ割れ特性を著し
く改善することができる元素である。しかし、0.00
4%を越えて添加すると、Ca−O−Sのクラスターが
発生し、鋼の清浄性が低下してしまう。従って、Caを
0.004%以下に限定した。 Al:Alは本発明においては脱酸のために添加する場
合もあり、その場合は通常の添加量(0.005〜0.
60%)とする。型鋼などでSi脱酸においては不可避
不純物として扱う。 B:不可避不純物レベル Bは鋼の焼き入れ性を著しく向上させる一方、溶接部の
耐溶融亜鉛メッキ割れ性を著しく劣化させるため、溶接
され場合には2ppm以下に管理されている。本発明鋼
は原則として溶接施工を対象とせず、ボルト穴加工程度
であり、Bの上限値5ppm程度の管理とする。しか
し、低いほど望ましい。
【0011】
【実施例】表1に実施例を示す。本発明鋼は、熱間圧延
(例えばスラブ加熱温度1100〜1350℃、圧延終
了温度850℃以下)により製造されるが、実施例では
いずれの鋼も等辺等厚山形鋼に圧延した。表中のメッキ
割れの有無の項は、圧延した山形鋼に実際の施工と同様
に、接合用ボルトの穴開け加工を施した後に溶融亜鉛メ
ッキ浴中に浸漬し、穴開け加工部から割れが発生するか
どうかを確認した結果である。1−3は低Cのため、強
度が低目となっている。また、1−12はNb+V+T
iが0.08%に足りないため、強度レベルは690M
Pa級であるが、穴開け加工部に割れが発生している。
1−5,1−7,1−8,1−9,1−10,1−1
1,1−13,1−14,1−15はそれぞれSi,M
n,Cu,Ni,Cr,Mo,Ti,Nb,Vの添加量
が高く、強度が810MPa以上と高すぎるため、割れ
が生じている。1−16はCa添加量が高く、鋼の清浄
性が劣るため、強度は690MPaレベルであるが割れ
が発生している。一方、1−1,1−2,1−6,1−
17,1−18,1−19,1−20は供試鋼の成分が
全て本発明の範囲を満たしているため、強度が690M
Pa以上と高く、割れの発生も認められない。
(例えばスラブ加熱温度1100〜1350℃、圧延終
了温度850℃以下)により製造されるが、実施例では
いずれの鋼も等辺等厚山形鋼に圧延した。表中のメッキ
割れの有無の項は、圧延した山形鋼に実際の施工と同様
に、接合用ボルトの穴開け加工を施した後に溶融亜鉛メ
ッキ浴中に浸漬し、穴開け加工部から割れが発生するか
どうかを確認した結果である。1−3は低Cのため、強
度が低目となっている。また、1−12はNb+V+T
iが0.08%に足りないため、強度レベルは690M
Pa級であるが、穴開け加工部に割れが発生している。
1−5,1−7,1−8,1−9,1−10,1−1
1,1−13,1−14,1−15はそれぞれSi,M
n,Cu,Ni,Cr,Mo,Ti,Nb,Vの添加量
が高く、強度が810MPa以上と高すぎるため、割れ
が生じている。1−16はCa添加量が高く、鋼の清浄
性が劣るため、強度は690MPaレベルであるが割れ
が発生している。一方、1−1,1−2,1−6,1−
17,1−18,1−19,1−20は供試鋼の成分が
全て本発明の範囲を満たしているため、強度が690M
Pa以上と高く、割れの発生も認められない。
【0012】
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、鉄塔、橋梁などでボル
ト穴加工部等がなされた後、溶融亜鉛メッキが施されて
も割れを防止する鋼材を提供することができる。
ト穴加工部等がなされた後、溶融亜鉛メッキが施されて
も割れを防止する鋼材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼材の常温強度TS(MPa)とメッキ浴中引
張試験の伸び(y)との関係を示す図。
張試験の伸び(y)との関係を示す図。
【図2】溶融亜鉛中における母材の引張試験片を示す
図。
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−87802(JP,A) 特開 平9−125191(JP,A) 特開 平5−117808(JP,A) 特開 昭59−113161(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60
Claims (3)
- 【請求項1】重量比でC:0.08〜0.20%と,S
i:0.60%以下と,Mn:1.0〜2.0%と,N
b:0.1%以下と、V:0.1%以下と、Ti:0.
2%以下と、Cu:2.0%以下,Ni:2.0%以
下,Cr:1.0%以下及びMo:1.0%以下の群か
ら選択された一種又は二種以上と,残部Fe及び不可避
不純物からなり、Nb+0.5V+Ti≧0.08%で
あることを特徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れ
た非調質高強度鋼。 - 【請求項2】重量比でC:0.08〜0.20%と,S
i:0.60%以下と,Mn:1.0〜2.0%と,N
b:0.1%以下と、V:0.1%以下と、Ti:0%
と、Cu:2.0%以下,Ni:2.0%以下,Cr:
1.0%以下及びMo:1.0%以下の群から選択され
た一種又は二種以上と,残部Fe及び不可避不純物から
なり、Nb+0.5V+Ti≧0.08%であることを
特徴とする耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高
強度鋼。 - 【請求項3】重量比でさらにCa:0.004%以下を
含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐
溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25022596A JP3355957B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25022596A JP3355957B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1096053A JPH1096053A (ja) | 1998-04-14 |
JP3355957B2 true JP3355957B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=17204709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25022596A Expired - Fee Related JP3355957B2 (ja) | 1996-09-20 | 1996-09-20 | 耐溶融亜鉛メッキ割れ特性に優れた非調質高強度鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3355957B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107385339B (zh) * | 2017-07-26 | 2019-08-27 | 河钢股份有限公司邯郸分公司 | 一种低成本高强钢q690d及其中温回火生产方法 |
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1996
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