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JP3339702B2 - シリケートオリゴマーの製造方法 - Google Patents

シリケートオリゴマーの製造方法

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JP3339702B2
JP3339702B2 JP13637992A JP13637992A JP3339702B2 JP 3339702 B2 JP3339702 B2 JP 3339702B2 JP 13637992 A JP13637992 A JP 13637992A JP 13637992 A JP13637992 A JP 13637992A JP 3339702 B2 JP3339702 B2 JP 3339702B2
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silicate
group
hydrolysis
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oligomer
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JP13637992A
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JPH05306338A (ja
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昌朗 大谷
隆之 太田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリケートオリゴマー
の製造方法に関するものであり、詳しくは、各種の樹脂
に対して優れた相溶性を有するシリケートオリゴマーの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の樹脂の物性改善剤とし
て、シリケートオリゴマーの利用が試みられている。し
かしながら、従来公知のシリケートオリゴマーは、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、
エポキシ、フェノール等の樹脂に対する相溶性が不十分
である。従って、従来公知のシリケートオリゴマーは、
樹脂中に均一に分散させることが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、各種の樹脂に対
して優れた相溶性を有するシリケートオリゴマーの製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、官能基を有し且つGPCで測定したポリスチレンサ
イズ換算分子量が500〜100000であるシリケー
トオリゴマーの製造方法であって、アルキル基の炭素数
が1〜4のテトラアルキルシリケート又はそれを部分加
水分解して得られるオリゴマーと下記の化学式[化2]
([化1]と同じ)で示される官能性アルキルシリケー
トとを共加水分解するに当たり、官能性アルキルシリケ
ートの加水分解生成物にアルキル基の炭素数が1〜4の
テトラアルキルシリケート又はそれを部分加水分解して
得られるオリゴマーを添加して重縮合または加水分解を
行なうことを特徴とするシリケートオリゴマーの製造方
法に存する。
【化2】 (式中、R1 は官能基、R2 は炭素数1〜10のアルキ
ル基またはアルコキシアルキル基、R3 は官能基または
アルキル基、mは1〜3の整数、nは0又は1の整数を
表す)
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるシリケートオリゴマーは、官能基を有し且つGP
Cで測定したポリスチレンサイズ換算分子量が500〜
100000である。
【0006】上記のシリケートオリゴマーにおいて、官
能基としては、反応性を有する官能基であれば特に制限
はないが、エポキシ基を有する基、ビニル基、メルカプ
ト基、アミノ基の群から選ばれた1種の官能基が好まし
い。特に好ましい官能基は、エポキシ基を有する基、ビ
ニル基、メルカプト基であり、最も好ましい官能基は、
エポキシ基を有する基またはビニル基である。
【0007】上記の分子量は、次の条件下にGPC測定
を行い、得られた保持時間を基にし、ポリスチレンにつ
いて既知の保持時間と分子量の関係から求めたポリスチ
レンサイズ換算分子量である。 分離カラム: 以下の3種類のポリスチレンゲル充填カラム(東洋ソー
ダ(株)製)を順次に3本連結して使用した。 「TSK GEL G−1000H」 「TSK GEL G−2000H」 「TSK GEL G−4000H」 流出液 :テトラヒドロフラン(1ml/分) 流出温度 :40℃
【0008】本来、保持時間は、分子の大きさ(寸法)
によって決まるものであり、分子量とは直接関係がな
い。しかしながら、同一系統分子構造の中では分子量と
分子の大きさはほぼ比例する。そこで、本発明において
は、シリケートオリゴマーの分子量を規定するために、
ポリスチレンサイズ換算分子量を採用している。
【0009】本発明におけるシリケートオリゴマーは、
基本的には、アルキル基の炭素数が1〜4のテトラアル
キルシリケート又はそれを部分加水分解して得られるオ
リゴマー(以下、両者をまとめて「テトラアルキルシリ
ケート等」と略記する)と官能性アルキルシリケートと
を共加水分解することによって製造することが出来る。
すなわち、テトラアルキルシリケート等と官能性アルキ
ルシリケートとは、加水分解により生じるシラノール基
の脱水縮合反応によって結合し、その結果、高分子量で
あって官能基を有するシリケートオリゴマーが生成す
る。
【0010】テトラアルキルシリケートは、化学式:S
i(OR4 4 で示される化合物であり、本発明におい
ては、化学式中のR4 が、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素数が1〜4
のアルキル基であるテトラアルキルシリケートが好適に
使用される。上記のテトラアルキルシリケートの具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等
が挙げられる。
【0011】アルキルシリケートオリゴマーとしては、
上記のテトラアルキルシリケートを40〜60%の割合
で加水分解して得られるオリゴマーが好適に使用され
る。加水分解にて生成するアルキルシリケートオリゴマ
ーの全てが線状化合物であると仮定した場合、理論的に
は、加水分解率50%で分子量が無限大となりゲル化す
る筈であるが、実際には、環状シリケートオリゴマーも
生成するために、50%よりも高い加水分解率のオリゴ
マーも安定に得ることが出来る。勿論、40%より低い
加水分解率のオリゴマーを使用することも出来る。
【0012】また、上記の加水分解時に50重量%以下
の割合でトリアルコキシシランを併用することも可能で
ある。なお、上記の加水分解率とは、アルコキシ基の加
水分解率を指し、従って、加水分解が理論的に進行した
場合は、原料のテトラアルコキシシラン(又はこれとト
リアルコキシシラン)と使用する水の当量比で表すこと
が出来る。
【0013】本発明において、官能性アルキルシリケー
トとしては、下記の化学式[化3]([化1]と同じ)
で示される化合物を使用する。
【0014】
【化3】
【0015】上記の化学式[化3]中、R1 は官能基、
2 は炭素数1〜10のアルキル基またはアルコキシア
ルキル基、R3 は官能基またはアルキル基、mは1〜3
の整数、nは0又は1の整数を表す。上記のR1 又はR
3 における官能基としては、エポキシ基、ビニル基、メ
ルカプト基、アミノ基の群から選ばれた少なくとも1種
の基を含む官能基が好ましい。特に好ましい官能基は、
エポキシ基を含む官能基、ビニル基を含む官能基、メル
カプト基を含む官能基である。そして、エポキシ基を含
む官能基としてはグリシドキシアルキル基、エポキシシ
クロアルキル基、ビニル基を含む官能基としてはビニル
基それ自体、ビニルアルキル基、メルカプト基を含む官
能基としてはメルカプトアルキル基が好適であり、これ
らのアルキル基部分の炭素数は1〜5の範囲とされる。
【0016】上記のR2 は、炭素数1〜5のアルキル基
またはアルコキシアルキル基(この場合の炭素数は、R
OR−における両Rの合計炭素数を意味する)が好まし
い。そして、斯かるアルキル基またはアルコキシアルキ
ル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、メト
キシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル
基、メトキシイソプロピル基、メトキシブチル基、エト
キシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル
基、エトキシイソプロピル基、プロポキシメチル基、プ
ロポキシエチル基などが挙げられる。
【0017】官能性アルキルシリケートの具体例として
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリ(2−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチジ(2−メトキシ−エトキシ)シラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルエチルジ(2−メトキシ
−エトキシ)シラン、β(3、4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β(3、4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0018】その他の官能性アルキルシリケートの具体
例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメプロポキシシラン、ビニル
トリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポ
キシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルト
リ(2−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリプロ
ポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリブトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0019】本発明において、共加水分解とは、テトラ
アルキルシリケート等と官能性アルキルシリケートとの
加水分解とが並行的に行なわれる加水分解を意味する。
従って、本発明における共加水分解には、テトラアルキ
ルシリケートと官能性アルキルシリケートとを共存させ
て両者の加水分解を同時に開始する態様の他、一方の加
水分解を開始させ、その加水分解が終了する前に他方を
添加して加水分解を続行させる態様を含む。
【0020】しかしながら、テトラアルキルシリケート
等と官能性アルキルシリケートとの加水分解を同時に開
始する態様の場合、または、アルキルシリケートを先に
加水分解する態様の場合は、テトラアルキルシリケート
のみの加水分解がより多く進み、未反応の官能性アルキ
ルシリケートの残存量が多くなったり、白色微粉がシリ
ケートオリゴマー中に含まれたり、時として反応系全体
がゲル化することがある。
【0021】本発明においては、上記の官能性アルキル
シリケートの加水分解生成物にテトラアルキルシリケー
ト等を添加して重縮合または加水分解を行なうことが重
要である。すなわち、テトラアルキルシリケート等は、
4官能化合物であるため、その加水分解が終了した場合
は、シラノール基同志の脱水縮合反応によるゲル化物を
生じ易い。これに対して、上記の官能性アルキルシリケ
ートは、3官能以下の化合物であるため、その加水分解
が終了しても比較的安定にシラノール基が残存する。そ
して、斯かるシラノール基は、テトラアルキルシリケー
ト又はそれを部分加水分解して得られるオリゴマーと反
応して脱アルコール反応を行い、シリケートオリゴマー
を生成する。また、水を加えて加水分解を行うことによ
ってもシリケートオリゴマーが生成する。
【0022】加水分解におけるテトラアルキルシリケー
ト等と官能性アルキルシリケート(又は官能性アルキル
シリケートの加水分解生成物)の使用割合は、シリケー
トオリゴマーに導入せんとする官能基の量によって適宜
決定される。しかしながら、例えば、樹脂に対する相溶
性が十分なシリケートオリゴマーを得るためには、官能
性アルキルシリケート(又は官能性アルキルシリケート
の加水分解生成物)の使用割合は、官能性アルキルシリ
ケートの量として、テトラアルキルシリケート等に対し
て0.1〜 20倍モルの範囲から選択するのが好まし
い。
【0023】そして、加水分解は、官能性アルキルシリ
ケートの官能基を保護し得る条件下に実施する必要があ
る。斯かる加水分解の具体的条件は、官能基の種類によ
って適宜選択される。しかしながら、いずれの場合も、
溶剤の存在下に加水分解を行なうのが好ましい。そし
て、溶剤としては、共加水分解の場合、水のみならず官
能性アルキルシリケートも溶解し得る溶媒が好適に使用
される。斯かる溶媒としては、具体的には、テトラヒド
ロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン
等が挙げられる。
【0024】溶剤の最少使用量は、官能性アルキルシリ
ケートの種類によって異なる。すなわち、例えば、ビニ
ルシラン等の自己重合性の高い官能性アルキルシリケー
トの場合は、多量の溶剤を使用しないと生成するシリケ
ートオリゴマー中に固形粉末が生成して混入する恐れが
あるが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン等の自己重合性の低い官能性アルキルシリケー
トの場合は少量の溶剤を使用するだけで固形分の生成を
防止することが出来る。従って、溶剤の使用量は、官能
性アルキルシリケートの自己重合性の程度を考慮して決
定されるが、本発明のシリケートオリゴマーを透明な状
態で得る場合は、通常、全シリケート成分に対して0.
5〜50倍重量部の範囲から選択するのがよい。
【0025】触媒としては、塩酸、燐酸、硫酸、パラト
ルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの酸性化合
物、3級アミン、3級アンモニウム塩、4級アンモニウ
ム塩の塩基性化合物が使用される。好ましい触媒は酸性
化合物である。そして、シリケートオリゴマーの保存安
定性および硬化速度を広範囲に制御する場合は、シリケ
ートオリゴマー中から容易に除くことの出来る塩酸を使
用するのが最も好ましい。通常、触媒の使用量は、全シ
リケート成分に対して5×10-6〜1×10-2重量倍の
範囲から適宜選ばれる。
【0026】水の使用量は、アルキルシリケート及び官
能性アルキルシリケートの種類によって適宜選択する必
要がある。すなわち、水の使用量が余りにも少ない場合
は、官能性アルキルシリケートの加水分解が十分進行せ
ず、シリケートオリゴマー中に未反応物が多く残存する
ようになる。一方、水の使用量が余りにも多い場合は、
早期にゲル化し、アルキルシリケート等と官能性アルキ
ルシリケートとの高分子化反応が困難になることがあ
る。一般に、水の使用量は、官能性アルキルシリケート
に対して0.1〜4当量倍の範囲から適宜選ばれる。
【0027】加水分解の温度および時間は、加水分解の
態様、官能性アルキルシリケートの種類などによって著
しく異なるために一概には規定し得ない。しかしなが
ら、例えば、官能性アルキルシリケートの加水分解を開
始した後にアルキルシリケートを添加して加水分解を続
行する態様においては、官能性アルキルシリケートのア
ルコキシ基がメチルの場合には20℃で30分以上、ブ
チル基の場合には溶剤の沸点で1時間以上還流すること
により、アルキルシリケート等と官能性アルキルシリケ
ートとの高分子化反応に必要なシラノール基を十分生成
させることが出来る。そして、この場合は、アルキルシ
リケートを添加して還流し、シラノール基とアルキルシ
リケートを反応させ、その後、溶剤を流出させながら重
合を進行させて本発明の高分子量のオリゴマーを生成さ
せる。
【0028】本発明におけるシリケートオリゴマーの分
子量は、加水分解の割合を制御することにより容易に調
節することが出来る。そして、本発明においては、シリ
ケートオリゴマーの分子量は、ポリスチレンサイズ換算
分子量として、500〜100000、好ましくは、1
000〜50000の範囲にする必要がある。分子量が
100000を超える場合は、取り扱いが困難となる。
【0029】本発明におけるシリケートオリゴマーは、
従来の未変性シリケートに比べて各種の樹脂に対する相
溶性が優れているため、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ、フェノール等
の樹脂に混合して樹脂の物理的機械的性質を変えるため
に使用することが出来る。
【0030】特に、エポキシ基を含む官能基を有するシ
リケートオリゴマーの場合は、エポキシ樹脂を始め、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレ
タン等の樹脂に好適であり、ビニル基を含む官能基を有
するシリケートオリゴマーの場合は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂に好適であり、
メルカプト基を含む官能基を有するシリケートオリゴマ
ーの場合は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリウレタン、エポキシ、フェノール等の樹脂に
好適である。
【0031】また、シリカ、クレー、ガラス、タルク、
カオリン、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、アルミニ
ウム粉末などの無機質材料の表面を処理して無機質と樹
脂との接着性を改善し、長期にその性能を高度に維持す
るためのプライマーとしても使用できる。更にまた、本
発明におけるシリケートオリゴマーは、単独でも使用可
能であるが、シリケートオリゴマー中の官能基を利用
し、官能基を起点としてグラフト重合体に変換して使用
することも可能である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の例におい
て、シリケートオリゴマーの分子量は、本分に記載した
GPCの条件に従って分子量分布を測定して分子量を求
めた。
【0033】実施例1 先ず、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2
36g(1モル、3当量)をテトラヒドロフラン(以
下、「THF」と略記する)500gに溶解し、得られ
た溶液に0.35%塩酸水溶液54g(6当量)を添加
して混合し、20℃で1時間放置して加水分解を行なっ
た。次いで、上記の反応液にポリメトキシシロキサン
(三菱化成製品「M−51」:テトラメトキシシランを
50%加水分解した製品)450gを添加して2時間還
流を行なった。その後、150℃まで温度を上げてTH
Fを流出させ、無色透明のシリケートオリゴマー液体を
得た。
【0034】上記のシリケートオリゴマーは、主に50
0〜100000の分子量成分から成り、主ピークは1
0000と5000にあった。また、テトラアンモニウ
ムブロマイド−過塩素酸法でエポキシ等量を測定した結
果、609g/eqであり、この値は、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランの使用量から計算される
理論値と略一致しており、上記の反応ではエポキシ基の
開裂は起こっていないことが確認された。なお、原料の
ポリメトキシシロキサン(「M−51」)は、分子量4
00を中心とするオリゴマーである。
【0035】実施例2 先ず、ビニルトリメトキシシラン148g(1モル、3
当量)をTHF500gに溶解し、得られた溶液に0.
35%塩酸水溶液36g(4当量)を添加して混合し、
20℃で1時間放置して加水分解を行なった。次いで、
上記の反応液にポリメトキシシロキサン(「M−5
1」)450gを添加して2時間還流を行なった。その
後、150℃まで温度を上げてTHFを流出させ、微褐
色透明のシリケートオリゴマー液体を得た。上記のシリ
ケートオリゴマーは、主に500〜100000の分子
量成分から成り、主ピークは10000と5000にあ
った。
【0036】実施例3 先ず、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン220g(1モル、3当量)をTHF500gに溶解
し、得られた溶液に0.35%塩酸水溶液72g(8当
量)を添加して混合し、20℃で1時間放置して加水分
解を行なった。次いで、上記の反応液にポリメトキシシ
ロキサン(「M−51」)450gを添加して2時間還
流を行なった。その後、150℃まで温度を上げてTH
Fを流出させ、無色透明のシリケートオリゴマー液体を
得た。上記のシリケートオリゴマーは、主に500〜1
00000の分子量成分から成り、主ピークは1000
0と5000にあった。
【0037】実施例4 先ず、β(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン245g(1モル、3当量)をTHF5
00gに溶解し、得られた溶液に0.35%塩酸水溶液
54g(6当量)を添加して混合し、20℃で1時間放
置して加水分解を行なった。次いで、上記の反応液にポ
リメトキシシロキサン(「M−51」)450gを添加
して2時間還流を行なった。その後、150℃まで温度
を上げてTHFを流出させ、無色透明のシリケートオリ
ゴマー液体を得た。上記のシリケートオリゴマーは、主
に500〜100000の分子量成分から成り、主ピー
クは10000と5000にあった。
【0038】実施例5 先ず、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2
36g(1モル、3当量)をTHF500gに溶解し、
得られた溶液に0.35%塩酸水溶液63g(7当量)
を添加して混合し、20℃で1時間放置して加水分解を
行なった。次いで、上記の反応液にポリメトキシシロキ
サン(三菱化成製品「M−41」 :テトラメトキシシランを40%加水分解した製品)4
50gを添加して2時間還流を行なった。その後、15
0℃まで温度を上げてTHFを流出させ、無色透明のシ
リケートオリゴマー液体を得た。上記のシリケートオリ
ゴマーは、主に500〜100000の分子量成分から
成り、主ピークは10000と5000にあった。
【0039】実施例6 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン236g
(1モル、3当量)をTHF500gに溶解し、得られ
た溶液に0.35%塩酸水溶液54g(6当量)を添加
して混合し、20℃で1時間放置して加水分解を行なっ
た。次いで、上記の反応液にポリメトキシシロキサン
(三菱化成製品「M−60」 :テトラメトキシシランを60%加水分解した製品)4
50gを添加して2時間還流を行なった。その後、15
0℃まで温度を上げてTHFを流出させ、無色透明のシ
リケートオリゴマー液体を得た。上記のシリケートオリ
ゴマーは、主に500〜100000の分子量成分から
成り、主ピークは10000と5000にあった。
【0040】実施例7 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン236g
(1モル、3当量)をTHF500gに溶解し、得られ
た溶液に0.35%塩酸水溶液63g(7当量)を添加
して混合し、20℃で1時間放置して加水分解を行なっ
た。次いで、上記の反応液にテトラブトキシシランを6
0%加水分解したオリゴマーを500gを添加して10
時間還流を行なった。その後、150℃まで温度を上げ
てTHFを流出させ、無色透明のシリケートオリゴマー
液体を得た。上記のシリケートオリゴマーは、主に50
0〜100000の分子量成分から成り、主ピークは1
0000と5000にあった。
【0041】実施例8 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン236g
(1モル、3当量)をTHF500gに溶解し、得られ
た溶液に0.35%塩酸水溶液63g(7当量)を添加
して混合し、1時間還流して加水分解を行なった。次い
で、上記の反応液にテトラエトキシシランを50%加水
分解したオリゴマー500gを添加して4時間還流を行
なった。その後、150℃まで温度を上げてTHFを流
出させ、無色透明のシリケートオリゴマー液体を得た。
上記のシリケートオリゴマーは、主に500〜1000
00の分子量成分から成り、主ピークは10000と5
000にあった。
【0042】比較例1 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン236g
(1モル、3当量)をTHF500gに溶解し、得られ
た溶液に0.35%塩酸水溶液54g(6当量)とポリ
メトキシシロキサン(「M−51」)450gとを添加
し2時間還流して加水分解を行なった。その後、150
℃まで温度を上げTHFを流出させた。THFの流出初
期は透明な液体が生成した。その後、THFが無くなる
につれて白色の固体が生成してきた。そして、最終的に
は、白色微粉を含むシリケートオリゴマー液体を得た。
上記の固体生成物は、主に500〜100000の分子
量成分から成り、主ピークは10000と5000にあ
った。
【0043】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、各種の樹
脂に対して優れた相溶性を有するシリケートオリゴマー
が提供され、斯かるシリケートオリゴマーは、例えば、
各種の樹脂の物性改善剤、各種の無機質材料の表面改質
剤として好適に使用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 77/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基を有し且つGPCで測定したポリ
    スチレンサイズ換算分子量が500〜100000であ
    るシリケートオリゴマーの製造方法であって、アルキル
    基の炭素数が1〜4のテトラアルキルシリケート又はそ
    れを部分加水分解して得られるオリゴマーと下記の化学
    式[化1]で示される官能性アルキルシリケートとを共
    加水分解するに当たり、官能性アルキルシリケートの加
    水分解生成物にアルキル基の炭素数が1〜4のテトラア
    ルキルシリケート又はそれを部分加水分解して得られる
    オリゴマーを添加して重縮合または加水分解を行なうこ
    とを特徴とするシリケートオリゴマーの製造方法。 【化1】 (式中、R1 は官能基、R2 は炭素数1〜10のアルキ
    ル基またはアルコキシアルキル基、R3 は官能基または
    アルキル基、mは1〜3の整数、nは0又は1の整数を
    表す)
  2. 【請求項2】 溶剤の存在下に加水分解を行なう請求項
    1に記載のシリケートオリゴマーの製造方法。
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