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JP3316823B2 - 電動車両の制動装置 - Google Patents

電動車両の制動装置

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Publication number
JP3316823B2
JP3316823B2 JP22639194A JP22639194A JP3316823B2 JP 3316823 B2 JP3316823 B2 JP 3316823B2 JP 22639194 A JP22639194 A JP 22639194A JP 22639194 A JP22639194 A JP 22639194A JP 3316823 B2 JP3316823 B2 JP 3316823B2
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JP
Japan
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braking
hydraulic pressure
hydraulic
regenerative braking
wheels
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JP22639194A
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直泰 榎本
昌基 安藤
治美 大堀
真吾 浦馬場
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
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Publication date
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気自動車等の電動エ
ネルギーによって車両を駆動する電動車両の制動装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に電気自動車の場合には、走行の
ために利用できるエネルギーはバッテリーに充電された
電力だけであり、バッテリーに充電されている電力は限
られているので、1回の充電で走行できる距離を長くす
るには、走行等で消費するエネルギーを有効に利用する
必要がある。したがって、電気自動車においては回生制
動を用いることが非常に有効的である。即ち、制動時に
車両の運動エネルギーにより車輪に連結された電気モー
タを駆動し、電気モータが発電した電力をバッテリーに
戻すようにすれば、エネルギーの無駄な消費を減らすこ
とができる。
【0003】しかしながら、回生制動には限界、例え
ば、所定速度以下になるとその能力が低下したり、バッ
テリーが満充電の時等の限界があるため、回生制動限界
以上では油圧ブレーキで補うようにし、油圧ブレーキが
回生制動と併用して使用される。
【0004】特に、自動車の制動装置においては、従来
より、理想制動力配分と呼称される特性曲線になるべく
近づくように、前輪側制動力と後輪側制動力との配分が
決定されている。しかし、電気自動車の場合、従動輪の
油圧ブレーキの配分が大きいと、回生制動によるエネル
ギー回収の効率が低下する。
【0005】そこで、回生制動によるエネルギー回収効
率を高めるために、特別な回生優先モードを設けて、前
輪側制動力と後輪側制動力との配分を理想制動力配分と
は異なる特性に設定することが提案されている。
【0006】例えば、特開平5−161210号公報の
技術では、必要とする制動力が比較的小さい領域では全
ての油圧ブレーキを遮断して回生制動だけを実施する回
生優先モードを設けている。また、特開平5−1612
12号公報の技術では、通常は回生優先モードとし、路
面の摩擦係数が小さく車輪のロックが検出されたときに
は、理想制動力に従う通常モードに移行する自動制御を
行っている。また、特開平5−161213号公報で
は、ブレーキペダルの踏力またはその増加率に基づい
て、回生優先モードと通常モードとの切替えを自動的に
行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記公報に
掲載の技術において、回生優先モードで油圧ブレーキ力
を遮断する際には、ブレーキペダルの踏込みストローク
に応じた油圧を発生するマスタシリンダと、各車輪の近
傍に配置されたホイールシリンダとの間の油の流路に介
挿されたオン/オフ弁が閉じ、このオン/オフ弁が閉じ
たままで、ブレーキペダルがある程度踏込まれると、マ
スタシリンダの油圧は踏込みストロークに応じて増大す
る。このとき、ホイールシリンダの油圧は低い状態に維
持されるので、両者の間に大きな差圧が生じる。このよ
うな状態で、回生優先モードから通常モードに切替える
ときには、前記オン/オフ弁を介してホイールシリンダ
の油圧がマスタシリンダの油圧に近づくまで、オン/オ
フ弁を介してホイールシリンダに油が一気に流れる。こ
のため、ブレーキペダルの急激な踏込み、油激音の発
生、ステップ状の急減速によるGショック等が生じる。
結果として、制動フィーリングが悪いし、車両に不安定
な挙動が生じ易い。
【0008】特に、回生優先モードから通常モードに切
替えるには、何らかの手段を用いてホイールシリンダの
油圧上昇を緩やかにする必要がある。但し、前輪または
後輪のホイールシリンダの油圧上昇速度が遅すぎると、
後輪または前輪がロックした場合にブレーキペダルを強
く踏込んでも車両全体に加わる制動力が早く増大しない
ので、制動が遅れ制動距離が長くなる可能性がある。
【0009】そこで、本発明は、マスタシリンダとホイ
ールシリンダとの間の油の流路に介在するオン/オフ弁
を閉状態から開状態に切替えるときに、ブレーキペダル
の急激な沈込み、油激音の発生、ステップ状の急減速に
よるGショック等が生じるのを抑制するとともに、それ
によって車両の制動距離が長くなるのを防止する電動車
両の制動装置の提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するため、請求項1にかかる電動車両の制動装置は、
電気エネルギーを蓄える車上バッテリーと、前記車上バ
ッテリーからの電力により車輪を駆動する電気駆動手段
と、前記車輪の回転に伴なって前記電気駆動手段が発生
する電力を前記車上バッテリーに回生する回生制動手段
と、ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生する液
圧発生手段と、前記液圧発生手段が発生する液圧に応じ
て車輪に制動力を与える液圧制動手段と、前記液圧発生
手段から液圧制動手段への液圧の伝達を制御する弁手段
と、車輪の回生制動条件を識別する回生制動条件検出手
段と、前記回生制動条件検出手段の出力によって回生制
動手段による制動動作から液圧制動手段による制動動作
への切替えを行う切替制御手段とを具備し、前記切替制
御手段は、車両の速度が低いときに、前記回生制動手段
による制動動作から液圧制動手段による制動動作への切
替えを行うとき、前輪側または後輪側のうち一方の切替
えを行うものである
【0011】請求項にかかる電動車両の制動装置の前
記切替制御手段は、前記液圧発生手段の発生液圧が低い
ときに、前記回生制動手段による制動動作から液圧制動
手段による制動動作への切替えを行うとき、前輪側また
は後輪側のうち一方の切替えを行うものである。
【0012】請求項にかかる電動車両の制動装置の前
記切替制御手段は、車両の速度が低いときに、前記回生
制動手段による制動動作から液圧制動手段による制動動
作への切替えを行うとき、後輪のみ切替えを行うもので
ある。
【0013】請求項にかかる電動車両の制動装置の前
記切替制御手段は、前記液圧発生手段の発生液圧が低い
ときに、前記回生制動手段による制動動作から液圧制動
手段による制動動作への切替えを行うとき、後輪のみ切
替えを行うものである。
【0014】
【作用】請求項1においては、回生制動手段による制動
動作から液圧制動手段による制動動作への切替えを行う
とき、ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生する
液圧発生手段からその液圧に応じて車輪に制動力を与え
る液圧制動手段に対して、前記液圧発生手段から液圧制
動手段への液圧の伝達を制御する弁手段は、同時に前輪
及び後輪側の液圧制動手段を作動させると、その液圧制
動手段の容積が2倍になり、ブレーキペダルの抗力が急
変するから、前輪及び後輪のうち一方を先に切替えを行
った後、他方を後に切替えを行う。このとき、車両の速
度が低いときに、前記回生制動手段による制動動作から
液圧制動手段による制動動作への切替えを行うとき、前
輪側または後輪側のうち一方の切替えを行う。
【0015】請求項の発明においては、請求項1の発
明において、前記液圧発生手段の発生液圧が低いとき
に、前記回生制動手段による制動動作から液圧制動手段
による制動動作への切替えを行うとき、前輪側または後
輪側のうち一方の切替えを行う。
【0016】請求項の発明においては、車両の速度が
低い場合に、前記回生制動手段による制動動作から液圧
制動手段による制動動作への切替えを行うとき、後輪の
み切替えを行う。
【0017】請求項の発明においては、液圧発生手段
の発生液圧が低い場合に、前記回生制動手段による制動
動作から液圧制動手段による制動動作への切替えを行う
とき、後輪のみ切替えを行う。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】図1は本発明の実施例の電動車両の制御装
置の駆動系及び制動系の主要部の構成図である。また、
図2は図1のモータECUの主要部の構成を示すブロッ
ク図である。なお、この実施例においては、前輪Frが
駆動輪、後輪Rrが従動輪になっている。
【0020】図1において、駆動源である電気モータ2
の駆動軸は、変速機(T/M)25を介して、前輪Fr
の車軸に連結されている。なお、図1においては、前輪
Frの1輪と後輪Rrの1輪は省略されているが、実施
例の自動車は4輪車である。各車輪近傍には、それぞ
れ、油圧制動のためのホイールシリンダ(W/C)5が
配設されている。前輪Frは駆動輪であるため、電気モ
ータ2による回生制動も可能になっている。
【0021】まず、図1の実施例の主に油圧系統につい
て説明する。
【0022】ブレーキペダル21の踏込みストロークに
応じた油圧が、ブレーキマスタシリンダ(M/C)4の
出力として発生し、前輪側の配管61と後輪側の配管6
2に供給される。前輪側の配管61と前輪側のホイール
シリンダ5(Fr)の配管63とを接続する流路には、
リリーフ弁6、チェック弁29、バイパス弁7及び初期
圧カット弁51が並列に介挿されている。また、配管6
1には圧力センサ11が設置してあり、配管63には圧
力センサ12が設置してある。
【0023】配管62と後輪側のホイールシリンダ5
(Rr)側の配管64とを結ぶ流路には、リリーフ弁5
6,チェック弁54,バイパス弁53,初期圧カット弁
55,及びバイパス弁52が並列に介挿されている。バ
イパス弁52には前輪Frの故障時に後輪Rrの減圧を
解除する役割がある。また、配管64とホイールシリン
ダ5(Rr)との間には、プロポーショニングバルブ2
3が接続されている。
【0024】リリーフ弁6は、配管61の油圧が配管6
3の油圧よりも所定以上高い時に開き、機械的に配管6
1と配管63の差圧を一定に制御する。チェック弁29
は、通常は閉じているが、何らかの原因により配管61
の油圧よりも配管63の油圧が高くなったとき開き、配
管63の油圧を配管61に逃すように制御する。バイパ
ス弁7は電磁弁であり、通常は閉状態であるが、主とし
て電気系統に故障が生じたときに開制御されて、配管6
1の油圧と配管63の油圧を同一にする。初期圧カット
弁51は、配管61の油圧が非常に小さいときに開き、
油圧が所定以上になると(ホイールシリンダ5(Fr)
への初期圧印加が完了すると)閉じる。
【0025】同様にリリーフ弁56は、配管62の油圧
が配管64の油圧よりも所定以上高いときに開き、機械
的に配管62と配管64の差圧を一定に制御する。チェ
ック弁54は通常は閉じているが、何らかの原因により
配管62の油圧よりも配管64の油圧が高くなったとき
開き、配管64の油圧を配管62に逃すように制御す
る。バイパス弁53は電磁弁であり、通常は閉状態であ
るが、主として電気系統に故障が生じたときに、開制御
されて、配管62の油圧と配管64の油圧を同一にす
る。初期圧カット弁55は、配管61の油圧が非常に小
さいときに開き、油圧が所定以上になると(ホイールシ
リンダ5(Rr)への初期圧印加が完了すると)閉じ
る。バイパス弁52は通常閉であるが、配管61に比べ
て配管62の油圧が所定以上高くなったときに開く。な
お、通常は、配管61の油圧と配管62の油圧とは同一
になる。
【0026】また、プロポーショニングバルブ23はマ
スタシリンダ4側の入側油圧が所定圧以下のときには、
ホイールシリンダ5(Rr)側の出側油圧を入側油圧と
同一にし、入側油圧が前記所定圧を越えているときに
は、入側と出側を分離して、入側油圧の変化に対する出
側油圧の変化の比率をそれまでより抑えるように動作す
る。プロポーショニングバルブ23を設けることによ
り、油圧制動による前後輪の制動力配分を、理想配分線
に近づけることができる。
【0027】ブレーキベダル21の近傍には、ブレーキ
ペダル21の踏込みの有無を検出するブレーキスイッチ
22が配設されている。ポテンショメータ28は、図示
しないアクセルペダルと連結されており、アクセルペダ
ルの踏込みストロークを検出する。また、各車輪の近傍
には、各々車輪速度を検出する車輪速センサ57,58
が設置されている。
【0028】次に、電気系統について説明する。
【0029】この実施例で使用している電気モータ2は
誘導モータであり、回転子には永久磁石により磁極が形
成されており、固定子には3相の巻線が配設されてい
る。固定子の3相の巻線に交流を印加することにより、
回転磁界が発生し、回転子を回転駆動することができ
る。また、車輪の回転によって電気モータ2の回転子が
回転しているときには、その回転を止める方向の磁界を
固定子の巻線で発生することにより、始動をかけること
ができ、このとき固定子の巻線で発生する起電力を電源
に回収する(回生制動する)ことができる。電気モータ
2の内部には、回転子の磁極の位置を検出する磁極位置
検出器2aが配設されている。
【0030】電気モータ2を制御するための電気回路と
して、モータECU(電子制御ユニット)27とブレー
キECU26が備わっている。モータECU27とブレ
ーキECU26は、各々内部にマイクロコンピュータを
有しており、前者は主として電気モータ2の駆動に関す
る制御を実施し、後者は油圧制動及び回生制動に関する
制御を実施する。また、両者のマイクロコンピュータは
互いに接続されており、互いの情報が交換自在になって
いる。
【0031】モータECU27の主要部の構成を図2を
用いて説明する。
【0032】図2において、モータECU27にはイン
バータINVを有しており、インバータINVの3本の
出力ラインL1 ,L2 及びL3 が電気モータ2の各巻線
と接続されている。インバータINVの電源ラインLP
及びLMは、車上バッテリー1のプラス及びマイナスの
端子にそれぞれ接続されている。例えば、車上バッテリ
ー1は鉛蓄電池を使用すればよいが、この鉛蓄電池と並
列に大容量コンデンサやサブバッテリー等を接続しても
よい。
【0033】このインバータINVは、6個のスイッチ
ング用出力トランジスタQ1 ,Q2,Q3 ,Q4 ,Q5
及びQ6 を有しており、上側のトランジスタQ1 ,Q3
及びQ5 の少なくとも1つと、下側のトランジスタQ2
,Q4 及びQ6 の少なくとも1つをオンとすることに
より、車上バッテリー1から電気モータ2の各巻線に電
流を流すことができる。但し、トランジスタQ1 とQ2
、Q3 とQ4 、Q5 とQ6 は同時にオンしない。
【0034】トランジスタQ1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 ,Q
5 及びQ6 の制御端子には、それぞれドライバDV1 ,
DV2 ,DV3 ,DV4 ,DV5 及びDV6 の出力が接
続されており、これらのドライバDV1 〜DV6 の入力
端子は、マイクロコンピュータCPUの出力ポートと各
々接続されている。即ち、マイクロコンピュータCPU
がトランジスタQ1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 ,Q5 及びQ6
のオン/オフを制御することにより、電気モータ2の各
巻線の通電を制御する。
【0035】電気モータ2を連続的に回転させるために
は、その回転子の磁極の位置に合わせて、その回転子を
駆動する方向に、固定子巻線が形成する各磁極の位置を
順次に移動させる必要があるので、マイクロコンピュー
タCPUは、電気モータ2に内蔵された磁極位置検出器
2aからの信号に基づいて、ドライバDV1 〜DV6に
印加する制御信号のタイミングを決定している。
【0036】また、ドライバDV1 〜DV6 に印加する
制御信号のタイミングを調整することにより、電気モー
タ2の回転に対して制動をかけることもできる。この制
動の際、電気モータ2は発電機として機能するので、そ
の固定子巻線に電力が誘起するが、この電力は車上バッ
テリー1に回収される。
【0037】即ち、固定子巻線が発生する逆起電力によ
って、出力ラインL1 の電圧が電源ラインLPよりも高
くなると、出力ラインL1 からダイオードD1 を介して
電源ラインLPに電流が流れ、また出力ラインL1 の電
圧が電源ラインLMよりも低くなると、出力ラインL1
からダイオードD2 を介して電源ラインLMから電流が
流れ、車上バッテリー1が充電される。同様に、出力ラ
インL2 の電圧が電源ラインLPよりも高くなると、出
力ラインL2 からダイオードD3 を介して電源ラインL
Pに電流が流れ、また出力ラインL2 の電圧が電源ライ
ンLMよりも低くなると、出力ラインL2 からダイオー
ドD4 を介して電源ラインLMから電流が流れ、車上バ
ッテリー1が充電される。更に、出力ラインL3 の電圧
が電源ラインLPよりも高くなると、出力ラインL3 か
らダイオードD5 を介して電源ラインLPに電流が流
れ、また出力ラインL3 の電圧が電源ラインLMよりも
低くなると、出力ラインL3 からダイオードD6 を介し
て電源ラインLMから電流が流れ、車上バッテリー1が
充電される。
【0038】更に、図1を参照して詳述する。
【0039】モータECU27は、ポテンショメータ2
8が出力する信号により、アクセルペダルの踏込量を検
出し、この踏込量に応じて、電気モータ2の駆動量(回
転速度)を制御する。また、回生制動をブレーキECU
26が指示するときには、その指示に従って、電気モー
タ2の制動量を制御する。前述のインバータINVのト
ランジスタQ1 ,Q2 ,Q3 ,Q4 ,Q5 及びQ6 の制
御端子に印加する信号のパルス幅を調整することによっ
て、電気モータ2の駆動トルク及び制動量が調整され
る。
【0040】ブレーキECU26には、圧力センサ11
からの信号、圧力センサ12からの信号、ブレーキスイ
ッチ22からの信号、変速機25からの信号、及び電気
モータ2からの信号が印加される。ブレーキECU26
は、入力されるこれらの信号に基づいて、制動制御を行
い、回生制動のための情報をモータECU27に出力す
るとともに、油圧制動のために必要に応じてバイパス弁
7及びバイパス弁53をオン/オフ制御する。
【0041】ブレーキECU26に備わったマイクロコ
ンピュータの主要動作の部分を図3乃至図5に示すもの
である。図3は図1の主に回生制動条件に関する制御動
作を示すフローチャート、図4は図1の主に回生制動中
止に関する制御動作を示すフローチャート、図5は図1
の主にスリップ率に関する制御動作を示すフローチャー
ト、図6は本実施例における制動油流量−ホイールシリ
ンダとの関係を示す特性図である。
【0042】まず、電源がオンすると、ステップS1で
初期化を実施し、ステップS2に進み、ステップS2で
はイグニッションスイッチ(IG SW)の状態を判定
し、オフの間は待機し、オンになると次のステップS3
に進みフラグFAを判定し、ステップS4ではフラグF
Bを判定する。そして、フラグFA,FBが共に“0”
のとき(リセットのときorフラグが立っていないと
き)にはステップS5に進み、フラグFAが“0”でフ
ラグFBが“0”でないときにはステップS6に進み、
フラグFAが“0”でないときにはステップS7に進
む。
【0043】なお、ここで、フラグFAを“1”とする
(セットとするorフラグを立てる)ことはバイパス弁
7、バイパス弁53を操作することなく、回生制動条件
を判断するための記憶であり、フラグFBを立てること
はバイパス弁7を閉じ、フラグFBを下ろすことはバイ
パス弁53を閉じるという動作のための記憶であり、フ
ラグFBは後輪Rrのみのバイパス弁53を開としたと
き立ち、フラグFAは前輪Fr及び後輪Rrのバイパス
弁7、バイパス弁53を開としたとき立つ。
【0044】ステップS5ではバイパス弁53を閉じ
(通電オン)、次のステップS6でバイパス弁7を閉じ
る(通電オン)。バイパス弁7を閉じることにより、マ
スタシリンダ4の出力の油圧が所定以上(ΔPr:リリ
ーフ弁6により定まる)になるまでは、ホイールシリン
ダ5(Fr)には初期圧以外の油圧が印加されない。ま
た、バイパス弁53を閉じることにより、マスタシリン
ダ4の出力の油圧が所定以上(ΔPr:リリーフ弁56
により定まる)になるまでは、ホイールシリンダ5(R
r)には初期圧以外の油圧が印加されない。
【0045】ステップS7では、電気モータ2の状態を
検出する。具体的には、電気モータ2の故障の有無、電
気モータ2の現在の回転数(rpm)、電気モータ2の
温度、モータの電圧及び電流、インバータのスイッチン
グ情報を入力する。次のステップS8で車上バッテリー
1の状態を検出する。具体的には、車上バッテリー1の
故障の有無、車上バッテリー1の放電深度及び車上バッ
テリー1の温度情報等を入力する。ステップS9では、
変速機25の状態(変速位置)を検出する。
【0046】ステップS10では、上記ステップS7乃
至ステップS9等で入力した情報に基づいて、回生制動
を実施するための条件が満たされているか否かを識別す
る。この実施例においては、次の全ての条件を満たす場
合に『回生制動可』とする。
【0047】a.モータ及びインバータ共に故障してい
ない。 b.モータ及びインバータの電圧が正常に作動する所定
範囲内。 c.モータ及びインバータの電流が正常に作動する所定
範囲内。 d.モータ及びインバータの温度が共に正常に作動する
所定範囲内。 e.モータの回転数がシャフト、ベアリング、ギアが耐
える範囲内。 f.バッテリーの電圧が所定範囲内(モータ、インバー
タを正常に動作させるだけの電圧,かつ電気分解しない
電圧)。 g.バッテリーの電流がその許容電流範囲内。 h.バッテリーの放電深度が充電可能な範囲内。 i.バッテリー温度が正常に動作する範囲内。 j.変速機の変速位置がバックまたはニュートラル以
外。
【0048】次に、ステップS11では、圧力センサ1
1が検出したマスタシリンダ圧Pmの情報を入力し、ス
テップS12で圧力センサ12が検出したホイールシリ
ンダ圧Pwの情報を入力し、ステップS13でマスタシ
リンダ圧Pmとホイールシリンダ圧Pwとを比較し、P
m=PwならステップS14で回生禁止状態であるかを
判定し、回生禁止状態であるときステップS15に進
み、そうでなければステップS2に戻る。即ち、Pm=
Pwのときとしては、ブレーキベダル21を踏込んでい
ないとき、またはバイパス弁7及びバイパス弁53が開
となった状態にあることを意味し、Pm=Pwのときは
必ずしも回生禁止状態とは限定できない。
【0049】ステップS14ではステップS10の識別
結果を判定し、停止または力行のときで回生禁止状態な
らステップS15に進む。ステップS15ではフラグF
Bをクリアし、ステップS16でバイパス弁53を開き
(通電オフ)、ステップS17でバイパス弁7を開き
(通電オフ)、ステップS18でフラグFAを“1”に
して(セットor立て)ステップS2に戻る。ステップ
S16及びステップS17でバイパス弁7及びバイパス
弁53を開くことにより、マスタシリンダ4の出力の油
圧がそのままホイールシリンダ5(Rr)及び配管6
4、及びホイールシリンダ5(Fr)及び配管63に印
加される。
【0050】ステップS13でマスタシリンダ圧Pmと
ホイールシリンダ圧Pwとを比較し、Pm=Pwでない
とき、ステップS20でステップS10における識別結
果をみて、ステップS10の結果が『回生制動可』でな
い場合、即ち、回生制動動作中に故障等によって回生動
作を禁止すべき条件に適合したときには、『回生中止』
とみなし、ステップS21に進む。即ち、ステップS2
0以降のルーチンでは回生制動中に回生制動を停止する
ルーチンである。ステップS10の結果が『回生制動
可』のときには、図4のステップS31に進む。
【0051】ステップS21では回生制動の中止指令を
モータECU27に出力し、まず、ステップS22でフ
ラグFBをリセットし、この回生制動の中止により、リ
リーフ弁6によって配管61と配管63との間に差圧
(ΔPr)が生じるから、また、リリーフ弁56によっ
て配管62と配管64との間に差圧(ΔPr)が生じる
から、リセットする。この回生制動の中止に応じて、リ
リーフ弁6による配管61と配管63との間の差圧(Δ
Pr)及びリリーフ弁56による配管62と配管64と
の間の差圧(ΔPr)を解消してマスターシリンダ圧P
mをホイールシリンダ5へ減圧せずに導く必要がある。
このとき、前輪側と後輪側の差圧を同時に解消すると、
前輪側と後輪側の両方のホイールシリンダ5へマスター
シリンダ4から油が流れ、ブレーキペダル21の急激な
沈み込みが発生するおそれがあるため、前輪側と後輪側
の差圧解消を時間差を以て行う。まず、ステップS23
で先にバイパス弁7を開とし、ステップS24で前輪F
r側の圧力センサ12によってホイールシリンダ圧Pw
の変化を監視し、バイパス弁7の開によりホイールシリ
ンダ圧Pwの増圧を検出し、前輪Frのホイールシリン
ダ5(Fr)の動作まで待って、ステップS25で圧力
センサ11が検出したマスタシリンダ圧Pmの情報を入
力し、また、圧力センサ12が検出したホイールシリン
ダ圧Pwの情報を入力し、ステップS26でマスタシリ
ンダ圧Pmとホイールシリンダ圧Pwとを比較し、Pm
=PwならステップS27に進む。即ち、差圧がなくな
るまで待ってステップS27に進む。ステップS27で
バイパス弁53を開とし、後輪側の差圧を解消させ、こ
の後、ステップS28でフラグFAを立ててステップS
2に戻る。
【0052】即ち、このステップS20乃至ステップS
28のルーチンでは、回生制動制御中に回生制動を中止
するとき、回生制動力がなくなるので、早く油圧制動力
を上昇させる必要性があり、まず、先に前輪Fr側のバ
イパス弁7を開とし、それによってホイールシリンダ圧
Pwの増圧をみて、前輪Frのホイールシリンダ5(F
r)の動作状態を判定し、序で、後輪Rr側のバイパス
弁53を開とし、後輪Rrのホイールシリンダ5(R
r)を動作状態とするものである。このように、前輪F
r側のバイパス弁7を開とした後に後輪Rr側のバイパ
ス弁53を開とする。モータは前輪Fr側に付いてお
り、前輪Fr側が回生を行っているため、回生中止時の
前輪制動力の不足分をこの制御により速やかに補える。
また、後輪Rrの制動を遅くすることにより操縦安定性
を高め、後輪Rr側のバイパス弁53を後に開として、
後輪Rrがロックされてスピン等が発生しないようにす
る。
【0053】なお、上記実施例では、前輪Fr側の切替
えが終了したことを確認してから後輪Rr側の切替えに
入っている。この代わりに、後輪Rr側の切替えを前輪
Fr側の切替えより所定時間遅れて行うようにしてもよ
い。
【0054】図4のステップS31では、現在の電気モ
ータ2の回転速度が400rpm以下であるか判定し、
回転速度が400rpm以下のとき、ステップS32で
マスタシリンダ圧Pmが50Kg/cm2 以上であるか
判定し、Pmが50Kg/cm2 以上のとき、車速が遅
く回生制動の領域を逸脱しているから、更に、マスタシ
リンダ圧Pmの大きさを判定し、マスタシリンダ圧Pm
が大きいとき、急速制動を駆けるべき、ステップS33
で回生制動の中止指令をモータECU27に出力する。
そして、ステップS34でフラグFBをリセットし、こ
の回生制動の中止により、ステップS35で先にバイパ
ス弁7を開とし、ステップS36で前輪Fr側の圧力セ
ンサ12によってホイールシリンダ圧Pwの変化を監視
し、バイパス弁7の開によりホイールシリンダ圧Pwの
増圧を検出し、前輪Frのホイールシリンダ5(Fr)
の動作まで待って、ステップS37で圧力センサ11が
検出したマスタシリンダ圧Pmの情報を入力し、また、
圧力センサ12が検出したホイールシリンダ圧Pwの情
報を入力し、ステップS38でマスタシリンダ圧Pmと
ホイールシリンダ圧Pwとを比較し、Pm=Pwならス
テップS39に進む。即ち、差圧がなくなるまで待って
ステップS39に進み、ステップS39ではバイパス弁
53を開とし、後輪Rr側の差圧を解消させ、この後、
ステップS40でフラグFAを立ててステップS2に戻
る。
【0055】即ち、このステップS33乃至ステップS
40のルーチンは、前述のステップS21乃至ステップ
S28のルーチンと同一処理を行っている。
【0056】なお、上記実施例では、前輪Fr側の切替
えが終了したことを確認してから後輪Rr側の切替えに
入っている。この代わりに、後輪Rr側の切替えを前輪
Fr側の切替えより所定時間遅れて行うようにしてもよ
い。
【0057】ステップS32でマスタシリンダ圧Pmが
50Kg/ cm2 以上でないと判定したとき、ステップ
S41で回生制動の中止指令をモータECU27に出力
する。そして、ブレーキ力が小さくてよいから、ブレー
キショックを小さくするために、前輪Fr側の差圧より
も小さく設定した後輪Rr側のみを開とするように、ス
テップS42でフラグFAをリセットし、ステップS4
3でバイパス弁53を開とし、ステップS44で圧力セ
ンサ11が検出したマスタシリンダ圧Pmの情報を入力
し、ステップS45で圧力センサ11が検出したマスタ
シリンダ圧Pmを基に、後輪Rr側のホイールシリンダ
圧Pwrを推定し、ステップS46でマスタシリンダ圧
Pmと推定したホイールシリンダ圧Pwrとを比較し、
Pm=PwrならステップS47に進む。即ち、差圧が
なくなるまで待って、ステップS47でフラグFBを1
にセットして、ステップS2に戻る。
【0058】なお、この際のステップS46によるマス
タシリンダ圧Pmのホイールシリンダ圧Pwrの推定
は、図6に示す制動油流量−ホイールシリンダとの関係
を示す特性図のように、ホイールシリンダ圧Pwは流
量、即ち、マスタシリンダ圧Pmとホイールシリンダ圧
Pwの差圧ΔPと時間の関数となることから、それによ
って推定ホイールシリンダ圧Pwrを得ることができ
る。
【0059】ところで、本実施例では、部品点数を少な
くするために、後輪Rr側の圧力センサを省略している
が、本発明を実施する場合には、圧力センサで直接計測
してもよいし、或いは、必ずしも正確な圧力を判定する
必要性がないから、本実施例のように推定によって決定
してもよい。
【0060】図4のステップS31で現在の電気モータ
2の回転速度が400rpm以下でないと判定したと
き、回生制動に入る。まず、図5のステップS50でフ
ラグFA及びフラグFBを0にクリアし、ステップS5
1で圧力センサ11が検出したマスタシリンダ圧Pmの
情報を入力し、ステップS52で圧力センサ12が検出
したホイールシリンダ圧Pwの情報を入力する。更に、
ステップS53でマスタシリンダ圧Pmとホイールシリ
ンダ圧Pwの差圧ΔPを計算し、ステップS54で予め
定めた関数f(ΔP)に差圧ΔPをパラメータとして代
入して計算し、その計算結果を回生制動量Mとする。ス
テップS55でこの回生制動量Mと回生制動指令をモー
タECU27に与え、回生制動を実施する。そして、ス
テップS56で車輪速センサ57の出力を判定して前輪
Frの車輪速度Vwを検出し、更に、車体の走行速度V
oと車輪速度Vwに基づいて前輪Frのスリップ率Sを
計算する。即ち、S=(Vo−Vw)/Voとしてスリ
ップ率Sを求める。
【0061】次の、ステップS57では、ステップS5
6で求めたスリップ率Sをしきい値Sref =3%と比較
する。S>3%でないとき、ステップS2の処理に入
り、スリップ率Sがしきい値Sref =3%より大のと
き、前輪Frのロック回避及び制動力確保のために、ス
テップS58で後輪Rr側のバイパス弁53を開とし、
ステップS59で圧力センサ11が検出したマスタシリ
ンダ圧Pmの情報を入力し、ステップS60で圧力セン
サ11が検出したマスタシリンダ圧Pmを基に、後輪R
r側のホイールシリンダ圧Pwrを推定し、ステップS
61でマスタシリンダ圧Pmと推定したホイールシリン
ダ圧Pwrとを比較し、Pm>PwrならステップS6
2に進む。即ち、差圧がなくなるまで待ち、ステップS
62でフラグFBをセットしてステップS2に戻る。
【0062】このように、この実施例のステップS20
乃至ステップS28、ステップS33乃至ステップS3
9のルーチンでは、ブレーキペダル21が踏込まれてい
る回生制動中にその回生制動を中止するとき、まず、先
に前輪Fr側のバイパス弁7を開とし、それによってホ
イールシリンダ圧Pwの増圧を確認して、前輪Frのホ
イールシリンダ5(Fr)の動作状態を判定し、序で、
後輪Rr側のバイパス弁53を開とし、後輪Rrのホイ
ールシリンダ5(Rr)を動作状態とするものである。
このように、前輪Fr側のバイパス弁7を開とした後に
後輪Rr側のバイパス弁53を開とすることによって、
モータは前輪Fr側に付いており、前輪Fr側が回生を
行っているため、回生中止時の前輪制動力の不足分をこ
の制御により速やかに補える。また、後輪Rrの制動を
遅くし、前輪Frのみの制動とすることにより操縦安定
性を高め、また、後輪Rr側のバイパス弁53を後に開
とすることにより後輪Rrが先行ロックされてスピン等
が発生しないようにしている。
【0063】即ち、図7に示す本発明の実施例の電動車
両の制御装置の時間−ペダルストローク及びペダル踏力
との関係を示す特性図のうち、従来例(a)のように、
前輪Frのホイールシリンダ5(Fr)及び後輪Rr側
のホイールシリンダ5(Rr)を同時にバイパス弁7,
53を開とすると、前輪Frのホイールシリンダ5(F
r)と後輪Rr側のホイールシリンダ5(Rr)の断面
積が2倍となり、ペダルストロークが大きくなり、ま
た、ペダル踏力が大きく変化し、ブレーキペダルの急激
な沈み込み、Gショックの発生が伴なう。しかし、本実
施例(b)によれば、前輪Frのホイールシリンダ5
(Fr)を動作させた後に後輪Rr側のホイールシリン
ダ5(Rr)を動作させるものであるから、バイパス弁
7とバイパス弁53が順次動作し、前輪Frのホイール
シリンダ5(Fr)と後輪Rr側のホイールシリンダ5
(Rr)の断面積の変化が少なくなり、ペダルストロー
クが小さくなり、また、ペダル踏力の変化が小さくな
り、ブレーキペダルの急激な沈み込み、Gショックの発
生が小さくなったり、それらがなくなったりする。当然
ながら、ブレーキペダルの急激な沈み込み、Gショック
の発生の他に、油激音の発生、車輌の不安定な挙動など
の不都合が生じることがない。
【0064】また、一般に、車輪速度の減速度が小さい
ときには、車輪がロックする(車輪速度が0になる)ま
での時間が長く、車輪速度の減速度が大きいときには、
車輪がロックするまでの時間が短いことから、本実施例
においては、ステップS31及びステップS32及びス
テップS41乃至ステップS47に示すように、長い時
間をかけて油圧を変化させ、車輪がロックするまでの時
間を長くし、ブレーキペダルの急激な沈込み、油激音の
発生、Gショックの発生、車輌の不安定な挙動等の不都
合を回避するのに効果的である。
【0065】上記実施例においては車輪の速度及びブレ
ーキペダルの沈込みによって、前輪Frのホイールシリ
ンダ5(Fr)を動作させた後に後輪Rr側のホイール
シリンダ5(Rr)を動作させるものであるが、本発明
を実施する場合には、回転減速度の大きさに応じてバイ
パス弁の開閉のデューティ比を変化させるようにした
り、車輪の回転減速度の代わりに車輪のロック状態を検
出するようにし、車輪のロック状態に応じてバイパス弁
の開閉のデューティ比を変化させるようにしてもよい。
例えば、車輪のロックが発生したとき、または発生しそ
うな段階で油圧を速やかに変化させるとよい。また、車
輪の回転減速度の代わりに車輪のスリップ状態を検出す
るようにし、車輪のスリップ状態に応じてバイパス弁の
開閉のデューティ比を変化させるようにしてもよい。ま
た、車輪のスリップ量が大きいとき油圧を速やかに変化
させるとよい。更に、車輪の回転減速度の代わりにブレ
ーキ踏力を検出するようにし、ブレーキ踏力が大きい、
そして、ブレーキ踏力の変化率が高いときに油圧を速や
かに変化させるようにしてもよい。何れにせよ、本発明
を実施する場合には、前輪Frのホイールシリンダ5
(Fr)を動作させた後に後輪Rr側のホイールシリン
ダ5(Rr)を動作させるようにすればよい。
【0066】上記実施例の電動車両の制動装置は、電気
エネルギーを蓄える車上バッテリー1と、車上バッテリ
ー1からの電力により前輪Fr及び/または後輪Rrの
車輪を駆動する電気モータ2からなる電気駆動手段と、
前輪Fr及び/または後輪Rrの車輪の回転に伴なって
電気モータ2からなる電気駆動手段が発生する電力を車
上バッテリー1に回生するインバータINV及びマイク
ロコンピュータCPU等からなる回生手段と、ブレーキ
ペダル21の操作量に応じた液圧を発生するマスタシリ
ンダ4からなる液圧発生手段と、マスタシリンダ4から
なる液圧発生手段が発生する液圧に応じて前輪Fr及び
/または後輪Rrの車輪に制動力を与えるホイールシリ
ンダ5(Fr)及びホイールシリンダ5(Rr)からな
る液圧制動手段と、マスタシリンダ4からなる液圧発生
手段からホイールシリンダ5(Fr)及びホイールシリ
ンダ5(Rr)からなる液圧制動手段への液圧の伝達を
制御するリリーフ弁6,56、バイパス弁7,53等か
らなる弁手段と、前輪Fr及び/または後輪Rrの車輪
の回生制動条件を識別するステップS7乃至ステップS
10からなる回生制動条件検出手段と、前記回生制動条
件検出手段の出力によって回生制動手段による制動動作
から液圧制動手段による制動動作への切替えを行うステ
ップS20及びステップS33からなる切替制御手段と
を具備する電動車両の制動装置において、ステップS2
0及びステップS33からなる前記切替制御手段は、前
記回生制動手段による制動動作から液圧制動手段による
制動動作への切替えを行うとき、前輪Fr側を先に切替
えを行った後、後輪Rr側を後に切替えを行うものであ
る。
【0067】したがって、前輪Frのホイールシリンダ
5(Fr)及び後輪Rr側のホイールシリンダ5(R
r)を同時にバイパス弁7,53を開とすると、前輪F
rのホイールシリンダ5(Fr)と後輪Rr側のホイー
ルシリンダ5(Rr)の断面積が2倍となり、ペダルス
トロークが大きくなり、また、ペダル踏力が大きく変化
し、ブレーキペダルの急激な沈み込み、Gショックの発
生が伴なう。しかし、本実施例によれば、前輪Frのホ
イールシリンダ5(Fr)を動作させた後に後輪Rr側
のホイールシリンダ5(Rr)を動作させるものである
から、バイパス弁7とバイパス弁53が順次動作し、前
輪Frのホイールシリンダ5(Fr)と後輪Rr側のホ
イールシリンダ5(Rr)の断面積の変化が少なくな
り、ペダルストロークが小さくなり、また、ペダル踏力
の変化が小さくなり、ブレーキペダルの急激な沈み込
み、Gショックの発生が小さくなり、または、それらが
なくなったりする。当然ながら、ブレーキペダルの急激
な沈み込み、Gショックの発生の他に、油激音の発生、
車輌の不安定な挙動などの不都合が生じることがない。
【0068】また、前輪Frのみの制動とすることによ
り操縦安定性を高め、また、後輪Rr側のバイパス弁5
3を後に開とすることにより後輪Rrがロックされてス
ピン等が発生しないようになる。
【0069】ところで、本発明を実施する場合の電気エ
ネルギーを蓄える車上バッテリー1は、充放電ができる
二次電池であればよい。
【0070】また、本発明を実施する場合の車上バッテ
リー1からの電力により前輪Fr及び/または後輪Rr
の車輪を駆動する電気モータ2からなる電気駆動手段
は、各車輪に電気モータを配設したものでもよいし、前
輪Fr及び/または後輪Rrに電気モータを配設したも
のでもよい。
【0071】そして、本発明を実施する場合の回生手段
は、前輪Fr及び/または後輪Rrの車輪の回転に伴な
って電気モータ2からなる電気駆動手段が発生する電力
を車上バッテリー1に回生するインバータINV及びマ
イクロコンピュータCPU等からなるものであるが、本
発明を実施する場合には、インバータINV及びマイク
ロコンピュータCPU等の構成に限定されるものではな
く、電気モータに対して外部から回転力を与えたとき発
電制動を行うものであればよい。
【0072】更に、本実施例の回生制動条件検出手段
は、前輪Fr及び/または後輪Rrの車輪の回生制動条
件を識別するステップS7乃至ステップS10からなる
ものであるが、本発明を実施する場合には、前輪Fr及
び/または後輪Rrの車輪の回生制動条件を識別する回
生制動条件が検出できればよい。
【0073】更にまた、本実施例の切替制御手段は、回
生制動条件検出手段の出力によって回生制動手段による
制動動作から液圧制動手段による制動動作への切替えを
行うステップS20及びステップS33からなるもので
あるが、本発明を実施する場合には、回生制動手段によ
る制動動作から液圧制動手段による制動動作への切替え
を行うものであればよく、また、必ずしも全制御時にこ
の順序で行うことを意味するものではない。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
にかかる電動車両の制動装置は、回生制動手段による制
動動作から液圧制動手段による制動動作への切替えを行
うとき、ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生す
る液圧発生手段からその液圧に応じて車輪に制動力を与
える液圧制動手段に対して、前記液圧発生手段から液圧
制動手段への液圧の伝達を制御する弁手段は、車両が低
速のときには、前輪側または後輪側の一方のみ切替えを
行うので、ブレーキペダルの急激な沈み込み変化の発
生、油激音の発生、ステップ状の急減速によるGショッ
ク等の発生をより抑制できる。また、一方のみの切替え
でも、ブレーキ操作量が少なくて液圧制動手段の発生液
圧が低いときには、制動力が少なくてもよいため、問題
ない。また、この状態は、通常走行中に発生する可能性
が高いので、効果も大きい。
【0075】請求項の発明によれば、ブレーキ操作量
が少なくて液圧制動手段の発生液圧が低いときには、前
輪側または後輪側の一方のみ切替えを行うので、ブレー
キペダルの急激な沈み込み変化の発生、油激音の発生、
ステップ状の急減速によるGショック等の発生をより抑
制できる。また、一方のみの切替えでも、ブレーキ操作
量が少なくて液圧制動手段の発生液圧が低いときには、
制動力が少なくてもよいため、問題ない。また、この状
態は、通常走行中に発生する可能性が高いので、効果も
大きい。
【0076】請求項及び請求項の発明によれば、更
に、後輪のみ切替えを行うので、車両においては、制動
時の荷重は前輪側が大きく、後輪側は少なくなるので、
後輪側に対して前輪側の差圧を大きくするが、この為、
差圧を解消する際には、後輪側のみ差圧を解消する場合
に比べて前輪側のみ差圧を解消する方が、液圧制動手段
から流れる油量が大きくなる。特に、請求項の発明に
よれば、後輪のみ切替えを行うので、ブレーキペダルの
急激な沈み込み変化の発生、油激音の発生、ステップ状
の急減速によるGショック等の発生をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例の電動車両の制御装置
の駆動系及び制動系の主要部の構成図である。
【図2】 図2は図1のモータECUの主要部の構成を
示すブロック図である。
【図3】 図3は図1の主に回生制動条件に関する制御
動作を示すフローチャートである。
【図4】 図4は図1の主に回生制動中止に関する制御
動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5は図1の主にスリップ率に関する制御動
作を示すフローチャートである。
【図6】 図6は本発明の実施例の電動車両の制御装置
の制動油流量−ホイールシリンダとの関係を示す特性図
である。
【図7】 図7は本発明の実施例の電動車両の制御装置
の時間−ペダルストローク及びペダル踏力との関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 車上バッテリー 2 電気モータ 4 マスタシリンダ 5(Fr) ホイールシリンダ 5(Rr) ホイールシリンダ 6,56 リリーフ弁 7,53 バイパス弁 21 ブレーキペダル 26 ブレーキECU 27 モータECU Fr 前輪 Rr 後輪 INV インバータ CPU マイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦馬場 真吾 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 長馬 望 (56)参考文献 特開 平6−153313(JP,A) 特開 平5−161210(JP,A) 特開 平5−161211(JP,A) 特開 平7−203602(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 7/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気エネルギーを蓄える車上バッテリー
    と、 前記車上バッテリーからの電力により車輪を駆動する電
    気駆動手段と、 前記車輪の回転に伴なって前記電気駆動手段が発生する
    電力を前記車上バッテリーに回生する回生制動手段と、 ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生する液圧発
    生手段と、 前記液圧発生手段が発生する液圧に応じて車輪に制動力
    を与える液圧制動手段と、 前記液圧発生手段から液圧制動手段への液圧の伝達を制
    御する弁手段と、 車輪の回生制動条件を識別する回生制動条件検出手段
    と、 前記回生制動条件検出手段の出力によって回生制動手段
    による制動動作から液圧制動手段による制動動作への切
    替えを行う切替制御手段とを具備する電動車両の制動装
    置において、 前記切替制御手段は、前記回生制動手段による制動動作
    から液圧制動手段による制動動作への切替えを行うと
    き、 車両の速度が低いときに、前記回生制動手段による
    制動動作から液圧制動手段による制動動作への切替えを
    行うとき、前輪側または後輪側のうち一方の切替えを行
    うことを特徴とする電動車両の制動装置。
  2. 【請求項2】 電気エネルギーを蓄える車上バッテリー
    と、 前記車上バッテリーからの電力により車輪を駆動する電
    気駆動手段と、 前記車輪の回転に伴なって前記電気駆動手段が発生する
    電力を前記車上バッテリーに回生する回生制動手段と、 ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生する液圧発
    生手段と、 前記液圧発生手段が発生する液圧に応じて車輪に制動力
    を与える液圧制動手段と、 前記液圧発生手段から液圧制動手段への液圧の伝達を制
    御する弁手段と、 車輪の回生制動条件を識別する回生制動条件検出手段
    と、 前記回生制動条件検出手段の出力によって回生制動手段
    による制動動作から液圧 制動手段による制動動作への切
    替えを行う切替制御手段とを具備する電動車両の制動装
    置において、 前記切替制御手段は、前記回生制動手段による制動動作
    から液圧制動手段による制動動作への切替えを行うと
    き、 前記液圧発生手段の発生液圧が低いときに、前記回
    生制動手段による制動動作から液圧制動手段による制動
    動作への切替えを行うとき、前輪側または後輪側のうち
    一方の切替えを行うことを特徴とする電動車両の制動装
    置。
  3. 【請求項3】 電気エネルギーを蓄える車上バッテリー
    と、 前記車上バッテリーからの電力により車輪を駆動する電
    気駆動手段と、 前記車輪の回転に伴なって前記電気駆動手段が発生する
    電力を前記車上バッテリーに回生する回生制動手段と、 ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生する液圧発
    生手段と、 前記液圧発生手段が発生する液圧に応じて車輪に制動力
    を与える液圧制動手段と、 前記液圧発生手段から液圧制動手段への液圧の伝達を制
    御する弁手段と、 車輪の回生制動条件を識別する回生制動条件検出手段
    と、 前記回生制動条件検出手段の出力によって回生制動手段
    による制動動作から液圧制動手段による制動動作への切
    替えを行う切替制御手段とを具備する電動車両の制動装
    置において、 前記切替制御手段は、 車両の速度が低いときに、前記回
    生制動手段による制動動作から液圧制動手段による制動
    動作への切替えを行うとき、後輪のみ切替えを行うこと
    特徴とする電動車両の制動装置。
  4. 【請求項4】 電気エネルギーを蓄える車上バッテリー
    と、 前記車上バッテリーからの電力により車輪を駆動する電
    気駆動手段と、 前記車輪の回転に伴なって前記電気駆動手段が発生する
    電力を前記車上バッテリーに回生する回生制動手段と、 ブレーキペダルの操作量に応じた液圧を発生する液圧発
    生手段と、 前記液圧発生手段が発生する液圧に応じて車輪に制動力
    を与える液圧制動手段と、 前記液圧発生手段から液圧制動手段への液圧の伝達を制
    御する弁手段と、 車輪の回生制動条件を識別する回生制動条件検出手段
    と、 前記回生制動条件検出手段の出力によって回生制動手段
    による制動動作から液圧制動手段による制動動作への切
    替えを行う切替制御手段とを具備する電動車両の制動装
    置において、 前記切替制御手段は、 前記液圧発生手段の発生液圧が低
    いときに、前記回生制動手段による制動動作から液圧制
    動手段による制動動作への切替えを行うとき、後輪のみ
    切替えを行うことを特徴とする電動車両の制動装置。
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