JP3315434B2 - 体積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用いた液晶光学素子 - Google Patents
体積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用いた液晶光学素子Info
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Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
- Holo Graphy (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子化合物による体
積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用
いた液晶光学素子に関する。
積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用
いた液晶光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】体積ホログラム光学フィルムとして、樹
脂フィルム中に屈折率の異なる層が層状に積層されたも
のが知られている。これは、例えば光硬化性化合物に一
直線上にない2方向から位相の揃った光線をあてて、干
渉を生じさせ、層状に屈折率の異なる層が積層されるよ
うにして製造されている。
脂フィルム中に屈折率の異なる層が層状に積層されたも
のが知られている。これは、例えば光硬化性化合物に一
直線上にない2方向から位相の揃った光線をあてて、干
渉を生じさせ、層状に屈折率の異なる層が積層されるよ
うにして製造されている。
【0003】この体積ホログラム光学フィルムは、その
ピッチ(屈折率の高い部分と隣接の屈折率の高い部分と
の間隔)によって定まる特定波長を選択的に透過した
り、選択的に反射したりする。このため、ヘッドアップ
ディスプレイやハイマウントストップランプ、立体3次
元表示等に使用が検討されている。
ピッチ(屈折率の高い部分と隣接の屈折率の高い部分と
の間隔)によって定まる特定波長を選択的に透過した
り、選択的に反射したりする。このため、ヘッドアップ
ディスプレイやハイマウントストップランプ、立体3次
元表示等に使用が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、体積ホログラ
ム光学フィルムの製造に用いられる光硬化性化合物で
は、一直線上にない2方向から位相の揃った光線をあて
て、それらの2つの光線の干渉を利用して光硬化性化合
物を層状に硬化させても、わずかな屈折率差しか発現し
ないという問題点があった。このため、体積ホログラム
として使用した場合、光の回折効率が悪く、層の数を多
くせざるを得ないものであり、回折効率を向上させるこ
とが望まれていた。
ム光学フィルムの製造に用いられる光硬化性化合物で
は、一直線上にない2方向から位相の揃った光線をあて
て、それらの2つの光線の干渉を利用して光硬化性化合
物を層状に硬化させても、わずかな屈折率差しか発現し
ないという問題点があった。このため、体積ホログラム
として使用した場合、光の回折効率が悪く、層の数を多
くせざるを得ないものであり、回折効率を向上させるこ
とが望まれていた。
【0005】従来の体積ホログラム光学フィルムの構造
は、少なくとも1つおきに層と層の屈折率が異なるよう
にする。このため、1層毎に材料組成を変えたり、少な
くとも一方の層に微小な空隙を包含させたりしていた。
このため、全体として均一なホログラムを得ようとする
と、隣接する2層の屈折率差を大きくできない。もし、
隣接する層の屈折率差を大きくしようとすると、全体の
均一性が悪くなるという問題点があった。
は、少なくとも1つおきに層と層の屈折率が異なるよう
にする。このため、1層毎に材料組成を変えたり、少な
くとも一方の層に微小な空隙を包含させたりしていた。
このため、全体として均一なホログラムを得ようとする
と、隣接する2層の屈折率差を大きくできない。もし、
隣接する層の屈折率差を大きくしようとすると、全体の
均一性が悪くなるという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のような
課題を解決するためになされたものであり、
課題を解決するためになされたものであり、
【0007】高分子化合物からなる体積ホログラム光学
フィルムの製造方法であって、重合反応可能な液晶性を
示す材料を含む光硬化性の未硬化物に、2方向から位相
の揃った光線をあてて、それらの2つの光線の干渉を利
用して光硬化性の未硬化物を層状に硬化させる工程と、
次いで全体の硬化を完了する工程とを有し、その一方の
工程でのみ外場を印加するか、両工程で異なる外場を印
加することにより、その内部で屈折率が周期的に変化す
る層構造を有する体積ホログラム光学フィルムを製造す
ることを特徴とする体積ホログラム光学フィルムの製造
方法を提供する。
フィルムの製造方法であって、重合反応可能な液晶性を
示す材料を含む光硬化性の未硬化物に、2方向から位相
の揃った光線をあてて、それらの2つの光線の干渉を利
用して光硬化性の未硬化物を層状に硬化させる工程と、
次いで全体の硬化を完了する工程とを有し、その一方の
工程でのみ外場を印加するか、両工程で異なる外場を印
加することにより、その内部で屈折率が周期的に変化す
る層構造を有する体積ホログラム光学フィルムを製造す
ることを特徴とする体積ホログラム光学フィルムの製造
方法を提供する。
【0008】また、2回の硬化工程のいずれにおいても
硬化を生じない液晶を含有する上記の体積ホログラム光
学フィルムの製造方法、及び、架橋性モノマーを含有す
る上記の体積ホログラム光学フィルムの製造方法を提供
する。
硬化を生じない液晶を含有する上記の体積ホログラム光
学フィルムの製造方法、及び、架橋性モノマーを含有す
る上記の体積ホログラム光学フィルムの製造方法を提供
する。
【0009】また、上記の製造方法で製造された体積ホ
ログラム光学フィルムを電極付の基板間に挟持してなる
液晶光学素子を提供する。
ログラム光学フィルムを電極付の基板間に挟持してなる
液晶光学素子を提供する。
【0010】本発明の体積ホログラム光学フィルムの場
合、外場を印加されて硬化させられた部分では、そのフ
ィルムの内部で特定の方向に沿って反応により硬化させ
られた液晶性を示す材料が配列する傾向がある。外場を
印加しないで硬化させられた部分では、液晶性を示す材
料はほぼ特定の方向に沿って配列しない。この配列状況
の差により、屈折率が繰り返し変化し、その特定な方向
に垂直な面では屈折率がほぼ一定となる層構造を有して
いる。
合、外場を印加されて硬化させられた部分では、そのフ
ィルムの内部で特定の方向に沿って反応により硬化させ
られた液晶性を示す材料が配列する傾向がある。外場を
印加しないで硬化させられた部分では、液晶性を示す材
料はほぼ特定の方向に沿って配列しない。この配列状況
の差により、屈折率が繰り返し変化し、その特定な方向
に垂直な面では屈折率がほぼ一定となる層構造を有して
いる。
【0011】本発明においては、従来の体積ホログラム
光学フィルムと異なり、隣接する2層間で配向状態を変
えている。このため、隣接する2層の屈折率差を大きく
することができる。しかも、材料としては、これらの層
は本質的には同じであるため、全体としての均一性が良
い。
光学フィルムと異なり、隣接する2層間で配向状態を変
えている。このため、隣接する2層の屈折率差を大きく
することができる。しかも、材料としては、これらの層
は本質的には同じであるため、全体としての均一性が良
い。
【0012】図1は、本発明により製造された体積ホロ
グラム光学フィルムの例の断面図である。図1におい
て、1は体積ホログラム光学フィルムを表しており、屈
折率の高い層1A、1C、1E、1G・・・と、屈折率
の低い層1B、1D、1F・・・とが積層されている。
この図ではわかりやすくするために、屈折率の高い層と
屈折率の低い層とが完全に分離した状態で表されている
が、通常は徐々に屈折率が変化している。
グラム光学フィルムの例の断面図である。図1におい
て、1は体積ホログラム光学フィルムを表しており、屈
折率の高い層1A、1C、1E、1G・・・と、屈折率
の低い層1B、1D、1F・・・とが積層されている。
この図ではわかりやすくするために、屈折率の高い層と
屈折率の低い層とが完全に分離した状態で表されている
が、通常は徐々に屈折率が変化している。
【0013】この屈折率の高い層と屈折率の低い層とが
組み合わさって1ピッチ(p)となっている。具体的に
は、屈折率の高い層1Aと、屈折率の低い層1Bを挟ん
で隣接している屈折率の高い層1Cとの間が1ピッチ
(p)となる。
組み合わさって1ピッチ(p)となっている。具体的に
は、屈折率の高い層1Aと、屈折率の低い層1Bを挟ん
で隣接している屈折率の高い層1Cとの間が1ピッチ
(p)となる。
【0014】本発明のうち上記製造方法においては、液
晶性を示す材料がそれ自身で又は他の材料との重合反応
により高分子化する際に、その分子配列に差がついた2
つの層ができる。そして、一方の層又は両方の層で樹脂
の主鎖又は側鎖がある単位で特定の配列を持つ。これに
より、一方の層と他方の層との間で異なる屈折率が設け
られる。層として形成される配列状態として、具体的に
は、ミクロ的にみれば秩序だった配列を示しても、マク
ロ的にみればほぼランダムに配列している状態に近いも
のと、ある特定の方向にほぼ平行に近い配列をした状態
に近いものとがある。なお、この配列の特定の方向が異
なるようにされてもよい。この配列の差により、屈折率
に差がつく。
晶性を示す材料がそれ自身で又は他の材料との重合反応
により高分子化する際に、その分子配列に差がついた2
つの層ができる。そして、一方の層又は両方の層で樹脂
の主鎖又は側鎖がある単位で特定の配列を持つ。これに
より、一方の層と他方の層との間で異なる屈折率が設け
られる。層として形成される配列状態として、具体的に
は、ミクロ的にみれば秩序だった配列を示しても、マク
ロ的にみればほぼランダムに配列している状態に近いも
のと、ある特定の方向にほぼ平行に近い配列をした状態
に近いものとがある。なお、この配列の特定の方向が異
なるようにされてもよい。この配列の差により、屈折率
に差がつく。
【0015】本発明によれば上記の構成をとることによ
り、屈折率差を大きく取り、回折効率を向上することが
できる。
り、屈折率差を大きく取り、回折効率を向上することが
できる。
【0016】従来の光硬化性化合物による体積ホログラ
ム光学フィルムに対し、本発明の体積ホログラム光学フ
ィルムは同様に光硬化性化合物を用いているが、その中
に重合反応性があり液晶性を示す材料を含めている。こ
のため、2方向から位相の揃った光線をあてて、それら
の2つの光線の干渉を利用して光硬化性の未硬化物を層
状に硬化させる第1の工程と、次いで全体の硬化を完了
する第2の工程との一方の工程でのみ外場を印加する
か、両工程で異なる外場を印加することにより、高分子
化時にその分子の配列に差をつけることができる。
ム光学フィルムに対し、本発明の体積ホログラム光学フ
ィルムは同様に光硬化性化合物を用いているが、その中
に重合反応性があり液晶性を示す材料を含めている。こ
のため、2方向から位相の揃った光線をあてて、それら
の2つの光線の干渉を利用して光硬化性の未硬化物を層
状に硬化させる第1の工程と、次いで全体の硬化を完了
する第2の工程との一方の工程でのみ外場を印加する
か、両工程で異なる外場を印加することにより、高分子
化時にその分子の配列に差をつけることができる。
【0017】本発明では、この分子配列の差から生じる
屈折率差を利用するため、ホログラムの層間の屈折率差
を大きくすることができる。
屈折率差を利用するため、ホログラムの層間の屈折率差
を大きくすることができる。
【0018】本発明では、屈折率の異なる層によって回
折効果が発現する。この場合、どの波長の光を回折の対
象にするかは、フィルムの材料の屈折率、層構造のピッ
チで定まる。例えば、屈折率が1.5程度の樹脂材料を
用いる場合には、約300nmの波長の紫外から、約1
500nmの波長の近赤外までの間で、回折効果を発現
するためには、50〜500nm程度のピッチ(p)の
層構造とすればよい。なお、高次の回折を使用すること
も考えられる。このため、層構造のピッチ(屈折率の高
い層と隣接する屈折率の高い層との距離)は、50〜5
00nm程度のピッチの層構造とすればよい。
折効果が発現する。この場合、どの波長の光を回折の対
象にするかは、フィルムの材料の屈折率、層構造のピッ
チで定まる。例えば、屈折率が1.5程度の樹脂材料を
用いる場合には、約300nmの波長の紫外から、約1
500nmの波長の近赤外までの間で、回折効果を発現
するためには、50〜500nm程度のピッチ(p)の
層構造とすればよい。なお、高次の回折を使用すること
も考えられる。このため、層構造のピッチ(屈折率の高
い層と隣接する屈折率の高い層との距離)は、50〜5
00nm程度のピッチの層構造とすればよい。
【0019】また、特定の波長の光のみ回折させたい場
合には、ピッチを一定にすればよい。これにより、特定
の波長のみを透過したり、反射したりするようにでき
る。これにより、ヘッドアップディスプレイ、ハイマウ
ントストップランプ、立体3次元表示等の反射層や透過
層として利用できる。
合には、ピッチを一定にすればよい。これにより、特定
の波長のみを透過したり、反射したりするようにでき
る。これにより、ヘッドアップディスプレイ、ハイマウ
ントストップランプ、立体3次元表示等の反射層や透過
層として利用できる。
【0020】また、ある範囲の波長域の光を回折させた
い場合には、ピッチをその波長域の範囲に合わせて変え
ればよい。これにより、特定の波長域を透過したり、反
射したりするようにできる。これにより、近赤外線のみ
を反射する熱線反射ガラス等に応用できる。
い場合には、ピッチをその波長域の範囲に合わせて変え
ればよい。これにより、特定の波長域を透過したり、反
射したりするようにできる。これにより、近赤外線のみ
を反射する熱線反射ガラス等に応用できる。
【0021】本発明では、高分子化される反応時に、液
晶性を示す材料の配列に差がつく。例えば、重合反応性
があり正の誘電率異方性を有する液晶性を示す材料を光
硬化性の未硬化物に含めて使用した場合、電場を印加し
ながら重合すると、この液晶性を示す材料は電場に平行
に配列する。電場を印加しなければ、界面になる基板に
特別な配向処理をしない限り、通常はマクロ的に見れば
ほぼランダムに配列する。このため、高分子化される反
応時に電場等の外場の状況により、高分子化合物中で液
晶性を示す材料の分子(主鎖又は側鎖)は配列状態が異
なることになる。
晶性を示す材料の配列に差がつく。例えば、重合反応性
があり正の誘電率異方性を有する液晶性を示す材料を光
硬化性の未硬化物に含めて使用した場合、電場を印加し
ながら重合すると、この液晶性を示す材料は電場に平行
に配列する。電場を印加しなければ、界面になる基板に
特別な配向処理をしない限り、通常はマクロ的に見れば
ほぼランダムに配列する。このため、高分子化される反
応時に電場等の外場の状況により、高分子化合物中で液
晶性を示す材料の分子(主鎖又は側鎖)は配列状態が異
なることになる。
【0022】しかし、未硬化物は硬化前には、必ずしも
液晶性を示すことを要さず、硬化時に外場の影響で、配
列が定まるものであればよい。この未硬化物である硬化
性化合物は全てが液晶性を示す化合物でもよいが、他の
特性を満足するために非液晶性の化合物を混合して用い
ることが多い。
液晶性を示すことを要さず、硬化時に外場の影響で、配
列が定まるものであればよい。この未硬化物である硬化
性化合物は全てが液晶性を示す化合物でもよいが、他の
特性を満足するために非液晶性の化合物を混合して用い
ることが多い。
【0023】本発明ではこのようにして、配列が異なる
ことによる屈折率が異なる層が積層される。この屈折率
差は理想的には、2つの層間で屈折率n 1 がn 2 に急激
に変化するものであるが、実際の体積ホログラム光学フ
ィルムでは、通常徐々に屈折率が変化している。このた
め、その屈折率の高い層の中の最大値をn 1 、屈折率の
低い層の中の最小値をn 2 とし、屈折率差ΔnをΔn=
n 1 −n 2 で表す。本発明では、この屈折率差Δnは、
回折効率と回折光の半値幅に関連するので、大きい程よ
く、例えば、この層間の屈折率差を0.02以上とし、
好ましくは0.05以上とする。
ことによる屈折率が異なる層が積層される。この屈折率
差は理想的には、2つの層間で屈折率n 1 がn 2 に急激
に変化するものであるが、実際の体積ホログラム光学フ
ィルムでは、通常徐々に屈折率が変化している。このた
め、その屈折率の高い層の中の最大値をn 1 、屈折率の
低い層の中の最小値をn 2 とし、屈折率差ΔnをΔn=
n 1 −n 2 で表す。本発明では、この屈折率差Δnは、
回折効率と回折光の半値幅に関連するので、大きい程よ
く、例えば、この層間の屈折率差を0.02以上とし、
好ましくは0.05以上とする。
【0024】この層の数は、所望の回折効率によって決
まるが、ピッチ(屈折率の高い層と低い層とを1組にし
て1ピッチとする)にしておおむね10〜100程度で
ある。屈折率差Δnが0.2程度の場合、30ピッチ積
層することにより、回折効率はほぼ90%を超える。屈
折率差Δnが0.1程度の場合には、同程度の回折効率
を得るためには、約60ピッチ程度積層する必要があ
る。
まるが、ピッチ(屈折率の高い層と低い層とを1組にし
て1ピッチとする)にしておおむね10〜100程度で
ある。屈折率差Δnが0.2程度の場合、30ピッチ積
層することにより、回折効率はほぼ90%を超える。屈
折率差Δnが0.1程度の場合には、同程度の回折効率
を得るためには、約60ピッチ程度積層する必要があ
る。
【0025】本発明では、この層構造は、フィルム面に
平行であってもよいし、フィルム面に対して特定の角度
傾斜していてもよい。フィルム面に平行に近い場合、反
射型の体積ホログラムになる。この層構造はフィルム面
に沿って形成される。
平行であってもよいし、フィルム面に対して特定の角度
傾斜していてもよい。フィルム面に平行に近い場合、反
射型の体積ホログラムになる。この層構造はフィルム面
に沿って形成される。
【0026】例えば、図1の体積ホログラム光学フィル
ムに対して、斜め上方2Aから光を入射させた場合、ピ
ッチと屈折率によって決まる特定波長の光が逆の斜め上
方2Bに反射される。このため、ヘッドアップディスプ
レイ、ハイマウントストップランプ、赤外線反射窓等に
利用される。
ムに対して、斜め上方2Aから光を入射させた場合、ピ
ッチと屈折率によって決まる特定波長の光が逆の斜め上
方2Bに反射される。このため、ヘッドアップディスプ
レイ、ハイマウントストップランプ、赤外線反射窓等に
利用される。
【0027】層の方向が異なる体積ホログラム光学フィ
ルム(フィルム面に層1A〜1Gが垂直)では、特定波
長の光が2Aから図の下面方向へ抜けることにより、フ
ィルム面を透過する。このため、カラーフィルターを用
いないカラー表示的な使用が可能になる。また、レーザ
ー光の立体像からの反射光と参照光のホログラムをこの
体積ホログラム光学フィルムに作り込めば、立体3次元
表示ができる。
ルム(フィルム面に層1A〜1Gが垂直)では、特定波
長の光が2Aから図の下面方向へ抜けることにより、フ
ィルム面を透過する。このため、カラーフィルターを用
いないカラー表示的な使用が可能になる。また、レーザ
ー光の立体像からの反射光と参照光のホログラムをこの
体積ホログラム光学フィルムに作り込めば、立体3次元
表示ができる。
【0028】本発明に用いる光硬化性の未硬化物は、少
なくとも一部に硬化時に液晶性を示す材料を含む。この
液晶性を示す材料は、光硬化時にそれ自体又は他の材料
と重合反応して高分子化するものであればよい。本発明
における光硬化性の未硬化物は、均質溶液になるものが
好ましい。一般的には、樹脂を形成する光硬化性のモノ
マー、オリゴマーが使用されるが、光硬化性の材料であ
ればケイ素やチタン等の無機物でも使用でき、必要に応
じて加熱工程を併用してもよい。混合物が均質溶液にな
るものは、均質なものができやすいので好ましい。
なくとも一部に硬化時に液晶性を示す材料を含む。この
液晶性を示す材料は、光硬化時にそれ自体又は他の材料
と重合反応して高分子化するものであればよい。本発明
における光硬化性の未硬化物は、均質溶液になるものが
好ましい。一般的には、樹脂を形成する光硬化性のモノ
マー、オリゴマーが使用されるが、光硬化性の材料であ
ればケイ素やチタン等の無機物でも使用でき、必要に応
じて加熱工程を併用してもよい。混合物が均質溶液にな
るものは、均質なものができやすいので好ましい。
【0029】ここで重要な点は、本発明では光硬化性の
未硬化物は、重合反応性のある液晶性を示す化合物を含
んでいれば、他の材料は通常の光硬化性の化合物でよい
点であり、通常の体積ホログラムに用いられるような特
殊な材料を必要としないことである。
未硬化物は、重合反応性のある液晶性を示す化合物を含
んでいれば、他の材料は通常の光硬化性の化合物でよい
点であり、通常の体積ホログラムに用いられるような特
殊な材料を必要としないことである。
【0030】本発明に用いられる重合反応可能な液晶性
を示す化合物は、それ自身が光硬化するか、又は、他の
光硬化性の未硬化物と反応して高分子化するものであれ
ばよい。その液晶相もネマチック液晶相、スメクチック
液晶相が使用でき、重合時に外場の印加により異なる配
列状態を生じそれにより異なる屈折率を生じるものであ
れば使用できる。
を示す化合物は、それ自身が光硬化するか、又は、他の
光硬化性の未硬化物と反応して高分子化するものであれ
ばよい。その液晶相もネマチック液晶相、スメクチック
液晶相が使用でき、重合時に外場の印加により異なる配
列状態を生じそれにより異なる屈折率を生じるものであ
れば使用できる。
【0031】架橋性モノマーは、分子内に少なくとも2
個の2重結合、特にはアクリロイル基又はアクリロイル
オキシ基を有するものが好ましい。また、熱重合可能な
液晶モノマー、非重合性の液晶、溶媒、未硬化物の溶液
に可溶なポリマーや液晶ポリマー等を用いてもよい。こ
れらは相互に溶解性のあることが好ましい。特に、低分
子量の非重合性の液晶は、外場に対する応答速度を大き
くするので、外場印加のオンオフによりホログラム性を
変化させる場合には、このような目的には添加した方が
よい。
個の2重結合、特にはアクリロイル基又はアクリロイル
オキシ基を有するものが好ましい。また、熱重合可能な
液晶モノマー、非重合性の液晶、溶媒、未硬化物の溶液
に可溶なポリマーや液晶ポリマー等を用いてもよい。こ
れらは相互に溶解性のあることが好ましい。特に、低分
子量の非重合性の液晶は、外場に対する応答速度を大き
くするので、外場印加のオンオフによりホログラム性を
変化させる場合には、このような目的には添加した方が
よい。
【0032】液晶モノマーとして、外場を印加しない時
に重合するモノマーは熱重合性でもよく、その例として
は末端にエポキシ基を有するシアノビフェニル系液晶モ
ノマーがある。しかし、一般には光重合性を有するもの
が外場の印加時にも非印加時にも兼用できるので好まし
い。その例としては、一方の末端にアクリロイルオキシ
基(CH 2 =CX−CO−O−、XはH、F又はCH
3 )を持つものや、シアノビフェニル系、安息香酸フェ
ニルエステル系の液晶モノマーがある。このほか、これ
に粘度調整剤、着色剤、色素等の添加剤を添加してもよ
い。
に重合するモノマーは熱重合性でもよく、その例として
は末端にエポキシ基を有するシアノビフェニル系液晶モ
ノマーがある。しかし、一般には光重合性を有するもの
が外場の印加時にも非印加時にも兼用できるので好まし
い。その例としては、一方の末端にアクリロイルオキシ
基(CH 2 =CX−CO−O−、XはH、F又はCH
3 )を持つものや、シアノビフェニル系、安息香酸フェ
ニルエステル系の液晶モノマーがある。このほか、これ
に粘度調整剤、着色剤、色素等の添加剤を添加してもよ
い。
【0033】図2は、本発明の体積ホログラム光学フィ
ルムを電極付の基板間に挟持した液晶光学素子の正面図
である。図2において、体積ホログラム光学フィルム1
は、電極3Aを設けた基板4Aと、電極3Bを設けた基
板4Bとに挟持されている。この図では示されていない
が、体積ホログラム光学フィルム1の端にシールを形成
してもよい。
ルムを電極付の基板間に挟持した液晶光学素子の正面図
である。図2において、体積ホログラム光学フィルム1
は、電極3Aを設けた基板4Aと、電極3Bを設けた基
板4Bとに挟持されている。この図では示されていない
が、体積ホログラム光学フィルム1の端にシールを形成
してもよい。
【0034】この体積ホログラム光学フィルムが、未重
合の液晶を含んでいるか硬化物自体が液晶性を有してい
る場合には、上下の電極3A、3B間に電圧を印加する
ことにより電場が発生し、液晶の配向が変わり、屈折率
が変化する。これにより、ホログラムの特性を変えるこ
とができる。これにより通常の表示や記憶性の表示をす
ることが可能になる。
合の液晶を含んでいるか硬化物自体が液晶性を有してい
る場合には、上下の電極3A、3B間に電圧を印加する
ことにより電場が発生し、液晶の配向が変わり、屈折率
が変化する。これにより、ホログラムの特性を変えるこ
とができる。これにより通常の表示や記憶性の表示をす
ることが可能になる。
【0035】本発明の製造方法を説明する。本発明で
は、液晶性を示す材料を含む光硬化性の未硬化物に、2
方向から位相の揃った光線をあてて、それらの2つの光
線の干渉を利用して光硬化性の未硬化物を層状に硬化さ
せる第1の工程と、次いで全体の硬化を完了する第2の
工程とを有する。このいずれかの工程中に、電場、磁場
等の液晶性を示す材料を特定方向に配列させる外場を印
加する。両工程に夫々異なる外場を印加してもよい。こ
れにより、その内部で屈折率が周期的に変化する層構造
を有する体積ホログラム光学フィルムを製造できる。
は、液晶性を示す材料を含む光硬化性の未硬化物に、2
方向から位相の揃った光線をあてて、それらの2つの光
線の干渉を利用して光硬化性の未硬化物を層状に硬化さ
せる第1の工程と、次いで全体の硬化を完了する第2の
工程とを有する。このいずれかの工程中に、電場、磁場
等の液晶性を示す材料を特定方向に配列させる外場を印
加する。両工程に夫々異なる外場を印加してもよい。こ
れにより、その内部で屈折率が周期的に変化する層構造
を有する体積ホログラム光学フィルムを製造できる。
【0036】この場合、図1の2Aと2Dの2方向から
位相の揃った光を照射すれば、図1のような配列状態の
差による屈折率の異なる層構造を形成できる。この層構
造を90°ずらして垂直な方向にしたいのであれば、2
Aと2Cの2方向から光を照射すればよい。この位相の
揃った光の供給方法としては、例えばシングルモードの
レーザー光を、ビームエキスパンダーを用いて広がった
平行光として用いればよい。
位相の揃った光を照射すれば、図1のような配列状態の
差による屈折率の異なる層構造を形成できる。この層構
造を90°ずらして垂直な方向にしたいのであれば、2
Aと2Cの2方向から光を照射すればよい。この位相の
揃った光の供給方法としては、例えばシングルモードの
レーザー光を、ビームエキスパンダーを用いて広がった
平行光として用いればよい。
【0037】外場を印加せずに硬化を行うと、光硬化が
始まり硬化物が形成してくる。液晶性を示す材料は外場
の影響を受けなければ、マクロ的に見て一般的には特定
の配列を生ぜずに反応して高分子化する。
始まり硬化物が形成してくる。液晶性を示す材料は外場
の影響を受けなければ、マクロ的に見て一般的には特定
の配列を生ぜずに反応して高分子化する。
【0038】一方、外場を印加しつつ硬化を行うと、外
場により強制的に配列させられた液晶性を示す材料の分
子がその状態で反応し、高分子化する。通常は一方の工
程時にのみ、外場を印加すればよいが、2つの工程の両
方に異なる外場をかけて、異なる配列状態としてもよ
い。
場により強制的に配列させられた液晶性を示す材料の分
子がその状態で反応し、高分子化する。通常は一方の工
程時にのみ、外場を印加すればよいが、2つの工程の両
方に異なる外場をかけて、異なる配列状態としてもよ
い。
【0039】これにより、層間に液晶性を示す材料の分
子配列状態に差を生じ、これが屈折率差となり、ホログ
ラムとして機能する。本発明では、光硬化性の未硬化物
が均質溶液になるものが好ましい。この方法によれば、
均質な体積ホログラム光学フィルムが得られやすい。
子配列状態に差を生じ、これが屈折率差となり、ホログ
ラムとして機能する。本発明では、光硬化性の未硬化物
が均質溶液になるものが好ましい。この方法によれば、
均質な体積ホログラム光学フィルムが得られやすい。
【0040】硬化工程の電場の印加を逆にして、最初に
電場を印加せずに2方向から光を照射して硬化させ、2
番目の工程で電場を印加して硬化させてもよい。また、
電場の代わりに、液晶性を示す化合物を配列させうる他
の外場として磁場を用いても可能である。もっとも、電
場の印加が一番簡便であり、生産性が良い。
電場を印加せずに2方向から光を照射して硬化させ、2
番目の工程で電場を印加して硬化させてもよい。また、
電場の代わりに、液晶性を示す化合物を配列させうる他
の外場として磁場を用いても可能である。もっとも、電
場の印加が一番簡便であり、生産性が良い。
【0041】また、2つの工程で、外場を2つの異なる
方向から与えて、夫々の層で液晶性を示す化合物の配列
方向を変えることもできる。また、使用は限定される
が、フィルム厚みが薄く、ホログラム層をフィルム表面
に対し、垂直に設けてなる体積ホログラム光学フィルム
が可能である。この場合、フィルム硬化時に、その表面
に接触させる板に特定方向に液晶性を示す化合物を配列
させる表面処理を施して、その影響で特定方向の配列を
形成する製法も可能である。
方向から与えて、夫々の層で液晶性を示す化合物の配列
方向を変えることもできる。また、使用は限定される
が、フィルム厚みが薄く、ホログラム層をフィルム表面
に対し、垂直に設けてなる体積ホログラム光学フィルム
が可能である。この場合、フィルム硬化時に、その表面
に接触させる板に特定方向に液晶性を示す化合物を配列
させる表面処理を施して、その影響で特定方向の配列を
形成する製法も可能である。
【0042】また、外場を部分的に印加したり、第1工
程を部分的に行うことにより、全体を同じホログラムに
せずに、部分的にホログラム性を持たせることもでき
る。また、照射レーザー波長や外場の強さや方向を部分
的に変え、部分的にホログラム特性を変えることもでき
る。
程を部分的に行うことにより、全体を同じホログラムに
せずに、部分的にホログラム性を持たせることもでき
る。また、照射レーザー波長や外場の強さや方向を部分
的に変え、部分的にホログラム特性を変えることもでき
る。
【0043】高分子化された際の液晶性を示す化合物の
分子の配列の差により生じる屈折率の差、2つの光線の
照射時間、放置時間、液晶性を示す材料の含有量等を適
宜選択することにより、この屈折率差を所望の値とする
ことができる。
分子の配列の差により生じる屈折率の差、2つの光線の
照射時間、放置時間、液晶性を示す材料の含有量等を適
宜選択することにより、この屈折率差を所望の値とする
ことができる。
【0044】本発明の体積ホログラム光学フィルムは、
前述のように従来の体積ホログラム光学フィルムと同じ
ような用途に使用できる。具体的には、ヘッドアップデ
ィスプレイ、ハイマウントストップランプ、赤外線反射
窓、立体3次元表示等がある。また、その使い方も窓等
のガラス面やプラスチック面に貼り付けて使用してもよ
いし、積層ガラス内や合わせガラス内に封じ込めて使用
してもよい。また、液晶光学素子にして使用することに
よりホログラム性を可変にすることもできる。
前述のように従来の体積ホログラム光学フィルムと同じ
ような用途に使用できる。具体的には、ヘッドアップデ
ィスプレイ、ハイマウントストップランプ、赤外線反射
窓、立体3次元表示等がある。また、その使い方も窓等
のガラス面やプラスチック面に貼り付けて使用してもよ
いし、積層ガラス内や合わせガラス内に封じ込めて使用
してもよい。また、液晶光学素子にして使用することに
よりホログラム性を可変にすることもできる。
【0045】
【実施例】実施例1 未硬化物として、末端にシアノビフェニリル基を有する
アクリル系の液晶モノマーと末端に安息香酸フェニルエ
ステル系の置換基を有するアクリル系の液晶モノマーと
アクリル系の非液晶モノマーとウレタン系非液晶アクリ
ルオリゴマーと、光反応開始剤と増感色素とを混合して
得た溶液をプラスチックフィルムの上に供給し、他のプ
ラスチックフィルムを重ねて溶液の厚さを約10μmと
した。
アクリル系の液晶モノマーと末端に安息香酸フェニルエ
ステル系の置換基を有するアクリル系の液晶モノマーと
アクリル系の非液晶モノマーとウレタン系非液晶アクリ
ルオリゴマーと、光反応開始剤と増感色素とを混合して
得た溶液をプラスチックフィルムの上に供給し、他のプ
ラスチックフィルムを重ねて溶液の厚さを約10μmと
した。
【0046】露光用光源として、アルゴンレーザー(波
長514.5nm)を用い、ビームエキスパンダーで平
行光線とし、この平行光線を鏡を用いて2つの光束にし
た後、図1の2Aと2Dの2方向から溶液層に照射し
た。その際、磁場を上下間に印加して硬化させた。その
後、磁場を取り去り、全体を紫外線をあてて硬化を完了
させて、体積ホログラム光学フィルムを製造した。この
体積ホログラム光学フィルムは、緑の反射を持ってお
り、分光測定を行ったところ、540nm付近に反射帯
が見られた。
長514.5nm)を用い、ビームエキスパンダーで平
行光線とし、この平行光線を鏡を用いて2つの光束にし
た後、図1の2Aと2Dの2方向から溶液層に照射し
た。その際、磁場を上下間に印加して硬化させた。その
後、磁場を取り去り、全体を紫外線をあてて硬化を完了
させて、体積ホログラム光学フィルムを製造した。この
体積ホログラム光学フィルムは、緑の反射を持ってお
り、分光測定を行ったところ、540nm付近に反射帯
が見られた。
【0047】実施例2 実施例1の溶液を、ITO電極付のプラスチックフィル
ム基板上に流延し、その上にもう1枚のITO電極付の
プラスチックフィルム基板を重ねあわせ、レーザー光照
射時にのみ電極間に50Vの電圧を印加し、電場が印加
された状態で露光した。その後、電場を印加せずに全体
に紫外線をあてて硬化を完了させた。この体積ホログラ
ム光学フィルムは、実施例1と同様に緑の反射を持って
おり、分光測定を行ったところ、540nm付近に反射
帯が見られた。
ム基板上に流延し、その上にもう1枚のITO電極付の
プラスチックフィルム基板を重ねあわせ、レーザー光照
射時にのみ電極間に50Vの電圧を印加し、電場が印加
された状態で露光した。その後、電場を印加せずに全体
に紫外線をあてて硬化を完了させた。この体積ホログラ
ム光学フィルムは、実施例1と同様に緑の反射を持って
おり、分光測定を行ったところ、540nm付近に反射
帯が見られた。
【0048】実施例3 実施例1の溶液に、さらに非重合性の液晶組成物「E−
8」を加えた溶液を用いて、実施例2と同様にして体積
ホログラム光学フィルムを製造した。この体積ホログラ
ム光学フィルムは、実施例2と同様に緑の反射を持って
おり、分光測定を行ったところ、540nm付近に反射
帯が見られた。
8」を加えた溶液を用いて、実施例2と同様にして体積
ホログラム光学フィルムを製造した。この体積ホログラ
ム光学フィルムは、実施例2と同様に緑の反射を持って
おり、分光測定を行ったところ、540nm付近に反射
帯が見られた。
【0049】この体積ホログラム光学フィルムの電極付
の基板間に100Vの電圧を印加したところ、緑の反射
が減少した。
の基板間に100Vの電圧を印加したところ、緑の反射
が減少した。
【0050】実施例4 実施例3と同様にして体積ホログラム光学フィルムを製
造した。ただし、電場をレーザー光照射時には印加しな
いで、全体に紫外線を照射する時に電場を印加して、体
積ホログラム光学フィルムを製造した。この体積ホログ
ラム光学フィルムは、実施例3と同様に緑の反射を持っ
ており、分光測定を行ったところ、540nm付近に反
射帯が見られた。
造した。ただし、電場をレーザー光照射時には印加しな
いで、全体に紫外線を照射する時に電場を印加して、体
積ホログラム光学フィルムを製造した。この体積ホログ
ラム光学フィルムは、実施例3と同様に緑の反射を持っ
ており、分光測定を行ったところ、540nm付近に反
射帯が見られた。
【0051】
【発明の効果】本発明の体積ホログラム光学フィルム
は、層間の屈折率差を大きくすることが容易であり、少
ない層数で回折効率の高い体積ホログラム光学フィルム
が得られやすい。特に、隣接する2層の材料は本質的に
同じでよく、分子配列に差があるので、全体としての均
一性が良く、製造しやすい。また、使用する光硬化性の
未硬化物として、液晶性を示す材料以外は、通常の光硬
化性化合物が使用できるという利点もある。
は、層間の屈折率差を大きくすることが容易であり、少
ない層数で回折効率の高い体積ホログラム光学フィルム
が得られやすい。特に、隣接する2層の材料は本質的に
同じでよく、分子配列に差があるので、全体としての均
一性が良く、製造しやすい。また、使用する光硬化性の
未硬化物として、液晶性を示す材料以外は、通常の光硬
化性化合物が使用できるという利点もある。
【0052】体積ホログラム光学フィルムの層の方向を
フィルム面に平行にしたり、ある角度傾斜させることに
より、種々の特性の体積ホログラム光学フィルムが容易
に得られる。
フィルム面に平行にしたり、ある角度傾斜させることに
より、種々の特性の体積ホログラム光学フィルムが容易
に得られる。
【0053】本発明は、本発明の効果を損しない範囲内
で種々の応用が可能である。
で種々の応用が可能である。
【図1】本発明の体積ホログラム光学フィルムの概念を
説明するための断面図
説明するための断面図
【図2】本発明の体積ホログラム光学フィルムを用いた
液晶光学素子の正面図
液晶光学素子の正面図
1:体積ホログラム光学フィルム 1A、1C、1E、1G:屈折率の高い層 1B、1D、1F:屈折率の低い層 2A、2B、2C、2D:光の方向 3A、3B:電極 4A、4B:基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 里村 利光 (56)参考文献 特開 平5−72509(JP,A) 特開 平4−355424(JP,A) 特開 平5−80310(JP,A) 特開 平5−173196(JP,A) 特開 平6−281815(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/32 G03H 1/00 - 1/30 G02F 1/13
Claims (5)
- 【請求項1】高分子化合物からなる体積ホログラム光学
フィルムの製造方法であって、重合反応可能な液晶性を
示す材料を含む光硬化性の未硬化物に、2方向から位相
の揃った光線をあてて、それらの2つの光線の干渉を利
用して光硬化性の未硬化物を層状に硬化させる工程と、
次いで全体の硬化を完了する工程とを有し、その一方の
工程でのみ外場を印加するか、両工程で異なる外場を印
加することにより、その内部で屈折率が周期的に変化す
る層構造を有する体積ホログラム光学フィルムを製造す
ることを特徴とする体積ホログラム光学フィルムの製造
方法。 - 【請求項2】2回の硬化工程のいずれにおいても硬化を
生じない液晶を含有する請求項1に記載の体積ホログラ
ム光学フィルムの製造方法。 - 【請求項3】架橋性モノマーを含有する請求項1又は2
に記載の体積ホログラム光学フィルムの製造方法。 - 【請求項4】請求項1、2又は3に記載の製造方法で製
造された体積ホログラム光学フィルム。 - 【請求項5】請求項4に記載の体積ホログラム光学フィ
ルムを電極付の基板間に挟持してなる液晶光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15406292A JP3315434B2 (ja) | 1991-04-27 | 1992-04-24 | 体積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用いた液晶光学素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12529791 | 1991-04-27 | ||
JP3-125297 | 1991-04-27 | ||
JP15406292A JP3315434B2 (ja) | 1991-04-27 | 1992-04-24 | 体積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用いた液晶光学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05181403A JPH05181403A (ja) | 1993-07-23 |
JP3315434B2 true JP3315434B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=26461765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15406292A Expired - Fee Related JP3315434B2 (ja) | 1991-04-27 | 1992-04-24 | 体積ホログラム光学フィルム、その製造方法及びそれを用いた液晶光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3315434B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2293249A (en) * | 1994-09-09 | 1996-03-20 | Sharp Kk | Polarisation sensitive device and a method of manufacture thereof |
US6304312B1 (en) * | 1996-01-23 | 2001-10-16 | Asahi Glass Company Ltd. | Optical head, method of manufacturing the same, and diffraction element suitable therefor |
WO1997027519A1 (en) * | 1996-01-29 | 1997-07-31 | Foster-Miller, Inc. | Optical components containing complex diffraction gratings and methods for the fabrication thereof |
JPH1048605A (ja) * | 1996-08-07 | 1998-02-20 | Fuji Xerox Co Ltd | 調光素子およびその製造方法 |
US5773178A (en) * | 1996-09-13 | 1998-06-30 | Japan Synthetic Rubber Co, Ltd. | Process for producing a patterned anisotropic polymeric film |
WO1999024852A1 (fr) * | 1997-10-16 | 1999-05-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Dispositif de separation de la polarisation d'elements d'hologramme, dispositif d'eclairage par polarisation et affichage d'image |
GB0516711D0 (en) | 2005-08-15 | 2005-09-21 | Isis Innovation | Optical element and method of production |
FR2890396B1 (fr) * | 2005-09-08 | 2009-01-23 | Centre Nat Rech Scient | Procede d'elaboration d'un materiau a cristaux liquides a taux de reflexion accru |
TWI540400B (zh) * | 2011-06-06 | 2016-07-01 | Seereal Technologies Sa | And a method and a device for generating a thin body grating stack and a beam combiner for a monolithic display |
-
1992
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