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JP3312782B2 - 硬化性ビニル重合体の製造方法 - Google Patents

硬化性ビニル重合体の製造方法

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JP3312782B2
JP3312782B2 JP17442593A JP17442593A JP3312782B2 JP 3312782 B2 JP3312782 B2 JP 3312782B2 JP 17442593 A JP17442593 A JP 17442593A JP 17442593 A JP17442593 A JP 17442593A JP 3312782 B2 JP3312782 B2 JP 3312782B2
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浩一 奥村
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、硬化性ビニル重
合体の製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、酸価および二重結合当量
を任意に設定できる、反応性に優れた新規な硬化性ビニ
ル重合体の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】高分子工業の著しい発展に伴い、多種多
様な高分子材料が広範囲にわたって用いられるようにな
ってきている。特に近年、工業製品の高機能化、高性能
化に伴ってより優れた高分子材料の開発が進められてい
る。
【0004】そのような材料の中で、分子内に複数個の
二重結合を有する反応性オリゴマーあるいはポリマー
は、熱硬化性、光硬化性樹脂として、またそれ以外の反
応性樹脂として広範囲な工業的用途を有し、様々な分野
から検討、開発が行われてきている。
【0005】その中でも、特に側鎖に炭素−炭素二重結
合を有するような硬化性樹脂は、主鎖に炭素−炭素二重
結合およびエステル結合を有する不飽和ポリエステル樹
脂のような硬化性樹脂と比べて物性上優れた性能を有す
るために、その用途が各方面に拡大しつつある。
【0006】上記のような側鎖に炭素−炭素二重結合を
有するような樹脂は、側鎖に炭素−炭素二重結合を有し
ていない樹脂の官能基に二重結合を有する化合物を付加
させることによって製造されている。
【0007】例えば、特開昭62−158,710号
公報、特開昭62−285,903号公報、および特開
昭63−11,930号公報に示されている、α、β−
不飽和カルボン酸無水物−ビニル化合物共重合体を骨格
とする樹脂の側鎖の酸無水物基および/またはカルボキ
シル基を不飽和アルコールによってエステル化した化合
物、特開平3−280,059号公報などに示されて
いる、側鎖にカルボキシル基を有するメタクリル酸エス
テル共重合体にグリシジルメタクリレートを反応させて
得られる化合物などがあげられる。
【0008】また、昨今の環境問題への関心の高まりか
ら、有機溶媒を必要としない水溶性樹脂が注目されつつ
ある。本重合体においても、側鎖にカルボキシル基を導
入することにより、樹脂の水溶化を図ることができると
考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
のα、β−不飽和カルボン酸無水物−ビニル化合物共重
合体の酸無水物基を不飽和アルコールでエステル化した
だけの化合物はフリーのカルボキシル基が残っており、
そのために酸価が高い。
【0010】さりとて、不飽和アルコールを用いてカル
ボキシル基の大部分を脱水エステル化により封鎖する
と、酸価を低下させることはできるが、硬化性が過大と
なる。一方二重結合を有していない化合物を用いてカル
ボキシル基の大部分をエステル化により封鎖すると、酸
価を低下させることはできるが、硬化性は付与されな
い。すなわち、このような手段では、酸価と硬化性との
バランスをコントロールすることができない。
【0011】また、上記の側鎖にカルボキシル基を有
するメタクリル酸エステル共重合体にグリシジルメタク
リレートを反応させて得られる化合物は、側鎖の二重結
合がメタクリル基であるために、アクリル基に比較して
反応性が落ちる。グリシジルメタクリレートに代わり、
グリシジルアクリレートを使用するとしても、グリシジ
ルアクリレートは非常に不安定で、工業レベルでの使用
は困難である。
【0012】さらに、この方法で多くの二重結合やカル
ボキシル基を有する硬化性樹脂を得ようとすれば、グリ
シジルメタクリレートを付加させる以前のベースとなる
重合体が、必然的に多くのカルボキシル基を有する、言
い換えれば酸価の非常に高いものでなければならない。
【0013】そうなれば、使用できる溶媒の種類が限定
されてしまうことになる。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、カル
ボキシル基および水酸基を有する、ベースとなるビニル
重合体に、エチレン性不飽和結合としてアクリル基を有
する、保存安定性の高い脂環式エポキシ化合物を付加さ
せ、その後多塩基酸無水物を付加させることによって、
酸価および二重結合量を任意に設定でき、反応性に優れ
た新規な硬化性ビニル重合体を見出だし、本発明を完成
させた。
【0015】すなわち、本発明は 「(a)1級水酸基およびカルボキシル基を有するビニル
重合体に (b)一般式(1) [RはHまたはCH3] で表されるエポキシシクロヘキサンメタノールのアクリ
ル酸エステルおよび/またはエポキシシクロヘキサンメ
タノールのメタクリル酸エステルを開環付加し、さら
に、該1級水酸基および該カルボキシル基と該アクリル
酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル中のエ
ポキシ基の開環で生じ、シクロヘキサン環に結合した2
級水酸基に(c)多塩基酸無水物を付加することを特徴と
する側鎖に二重結合およびカルボキシル基を有する硬化
性ビニル重合体の製造方法」である。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】まず、本発明の製造方法における一方の出
発原料である(a)カルボキシル基および水酸基を有する
ビニル重合体について説明する。
【0018】(a)としては(d)カルボキシル基を有するモ
ノエチレン性不飽和単量体および(e)水酸基を有するモ
ノエチレン性不飽和単量体および(f)その他のエチレン
性不飽和単量体の共重合体を含む。
【0019】(d)としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらの
中で、メタクリル酸および/またはアクリル酸を使用す
ると、重合性が良好なので好ましい。
【0020】(e)としては、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシペンチル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキル、
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、ア
クリル酸2−ヒドロキシペンチル等のアクリル酸ヒドロ
キシアルキル、一般式(2) で表されるカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートおよびカプロラクトン変性2−ヒドロキシ
エチルアクリレート等があげられる。
【0021】その中でも、カプロラクトン変性2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートおよびカプロラクトン変性
2−ヒドロキシエチルアクリレートがとくに好ましい。
なぜなら、これらを共重合体させた樹脂は、主鎖から離
れたところに水酸基を有するからで、このような水酸基
は主鎖に近い水酸基に比べ反応性が高い。
【0022】(f)としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸
アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘ
キシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アルリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸
N−メチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチ
ルアミノメチル等のメタクリル酸アミノアルキル、アク
リル酸N−メチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジ
メチルアミノエチル等のアクリル酸アミノアルキル、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチ
レン系単量体、酢酸ビニルなどがあげられる。
【0023】これらの単量体は任意に選択することがで
きるため、これらを成分とする樹脂に様々な性能を付与
させることができる。
【0024】例えば、ラクトン変性2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートまたはラクトン変性2−ヒドロキシエ
チルアクリレートを使用すると、ガラス転移点が低く、
可とう性の高い樹脂が得られる。
【0025】これらの単量体の配合比は、最終的に得ら
れる硬化性ビニル重合体に付与したい二重結合の量や、
設定酸価などによって自由に決められるが、好ましく
は、これらを成分とする樹脂の酸価が75〜600、特
に好ましくは120〜400になるように決定する。樹
脂の酸価が75より小さい時には、これに導入されるエ
チレン性不飽和結合を有するエポキシ化合物の量が少な
くなり、硬化性樹脂としての満足すべき性質が得られな
い。また600より高い場合には使用できる溶媒が限定
される。
【0026】上記のような樹脂と反応させうるエポキシ
化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、エポキシ
シクロヘキサンメタノールのメタクリル酸またはアクリ
ル酸エステル、3,4−エポキシ-2-ヒドロキシアルキ
ルカルボン酸アリルエステル、1−ビニル−3,4−エ
ポキシシクロヘキサン等をあげることができる。
【0027】本発明では、貯蔵安定性、反応性等の見地
から、エポキシシクロヘキサンメタノールのアクリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステルを用いることを特
徴としているが、上記のようなエポキシ化合物と混合さ
せて使用してもよい。
【0028】これらのエポキシ化合物の使用量は、目的
とする硬化性ビニル重合体に付与したい二重結合の量や
設定したい酸価、すなわち残存させたいカルボキシル基
の量をどの程度にするかによって自由に決めることがで
きる。エポキシ化合物は、目的とする硬化性ビニル重合
体1kgにつき二重結合の量が1.0モル〜3.5モル
になるように使用することが好ましい。
【0029】エポキシ化合物の使用量が少ないと充分な
硬化性が得られず、逆に多すぎると硬化性が高すぎて取
扱いが難しくなる。ビニル重合体に付加させる多塩基酸
無水物としては、芳香族多塩基酸無水物や脂肪族多塩基
酸無水物がある。芳香族多塩基酸無水物としては、たと
えば無水フタル酸、無水トリメリット酸などがある。ま
た、脂肪族多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水
フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸
などがあげられる。
【0030】つぎにこのような硬化性ビニル重合体を得
るための反応について説明する。目的とする硬化性ビニ
ル重合体は、まずカルボキシル基および1級水酸基を有
するビニル重合体(以後ベースポリマーIと呼ぶ)を合
成し、その後、エチレン性不飽和結合を有するエポキシ
化合物を開環付加し(以後ベースポリマーIIと呼ぶ)、
さらに多塩基酸無水物を付加させて得られる。
【0031】ベースポリマーIの合成方法は特に制限は
なく、前述のような樹脂が得られれば良いが、反応の行
いやすさなどから適当な反応溶媒中での重合(溶液重
合)が好ましい。溶液重合は、例えば、反応器に溶媒、
重合開始剤を混合し、50〜150℃に加熱後、モノマ
ー、重合開始剤の混合液を2〜5時間で滴下し、2〜1
0時間熟成して行う。
【0032】溶媒はモノマーおよびポリマーを溶解する
ものであれば特に制限はないが、エポキシ基や酸無水物
基に対して不活性であることが望ましい。
【0033】例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、2−
プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサンなど
のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、エチレン
グリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノ
アセテート、ジプロピレングリコールモノアセテートな
どのエステル類、エチレングリコールモノアルキルエー
テル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル
類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテルなどのジエチレングリコールジアル
キルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエー
テルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキル
エーテルアセテート類、ジメチルフォルムアミド、ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類、四塩化炭素、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素などが用いられる。こ
れらの溶媒は単独で、または混合して使用してもよい。
【0034】重合開始剤は通常のラジカル重合開始剤を
用いることができ、たとえば、2,2'−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2´−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)などのアゾ系、ラウロイルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ビス(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、などの
過酸化物系を単独あるいは混合して使用する。ベースポ
リマーIの分子量は、合成温度、使用する開始剤の量お
よび種類、モノマーや重合開始剤の滴下速度、溶媒の種
類および量などによって決まる。これらの分子量は、エ
ポキシ化合物、および酸無水物を付加させた後の硬化性
ビニル重合体が、数平均分子量で1,000〜50,0
00になるようにすることが好ましい。分子量が高すぎ
ると作業性が低下し、分子量が低すぎると、硬化後充分
な性能が得られない。
【0035】エポキシ化合物の開環付加によるベースポ
リマーIIの合成は、ベースポリマーI、エポキシ化合
物、溶媒、開環付加触媒、場合によっては重合禁止剤を
混合し、50〜150℃で行う。50℃以下では反応に
時間がかかり生産性が悪くなる。
【0036】150℃以上では反応中にゲル化が起こり
やすくなる。
【0037】このような、エチレン性不飽和結合を有す
るエポキシ化合物の付加反応は、不飽和結合の架橋反応
によるゲル化を防ぐために、分子状酸素含有ガス存在下
で行うことが望ましい。
【0038】エポキシ基の、カルボキシル基への開環付
加を促進する触媒としては、ジメチルベンジルアミン、
トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ト
リ−n−オクチルアミンなどの3級アミン、テトラメチ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
ブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドなど
の4級アンモニウム塩、テトラメチル尿素などのアルキ
ル尿素、テトラメチルグアニジンなどのアルキルグアニ
ジンなどをあげることができる。上記のような触媒は単
独で使用しても混合して使用してもよい。これらの触媒
はエポキシ化合物に対して0.01〜10重量%、好ま
しくは0.5〜3.0重量%用いるのが良い。0.01
重量%より少ない場合は触媒効果が低く、10重量%を
越える量を加える必要はない。
【0039】前述したように、使用するエポキシ化合物
の中でも、反応性および貯蔵安定性の見地からエポキシ
シクロヘキサンメタノールのアクリル酸エステルが最も
好ましい。なぜなら、高反応性二重結合であるアクリル
基を有しているために、このエポキシ化合物を開環付加
させて得られた硬化性樹脂は高反応性になるからであ
る。
【0040】またさらに、この化合物が脂環式エポキシ
基を有しているために、グリシジルタイプのエポキシ化
合物に比べて貯蔵安定性が高く、工業的に使用すること
が容易であるからである。さらに脂環式エポキシ基はカ
ルボキシル基との反応が比較的穏やかに進行するために
急激な反応による温度上昇なども起りにくいからであ
る。
【0041】ベースポリマーIIに、さらに多塩基酸無水
物を付加させることによって目的とする硬化性ビニル重
合体が得られる。多塩基酸無水物の付加は、ベースポリ
マーII、溶媒、重合禁止剤、触媒等に酸無水物を混合
し、50〜150℃で0.1〜10時間反応させること
によって行われる。
【0042】前述のエポキシ化合物を付加後の反応溶液
に酸無水物を投入する方法が最も容易で好ましい。反応
は、エポキシ化合物付加によって導入した側鎖の二重結
合が反応することによっておこる架橋を防ぐ目的から、
分子状酸素含有ガス存在下で行うことが好ましい。
【0043】これらの酸無水物の付加は樹脂中の1級水
酸基または2級水酸基のいずれでもよい。目的とする硬
化性ビニル重合体の酸価や二重結合の量は、ベースポリ
マーIのカルボキシル基の量、それに開環付加させるエ
ポキシの量や酸無水物の量によって任意に設定すること
ができる。
【0044】以上のようにして得られた硬化性ビニル重
合体は、酸価および二重結合量が任意に設定でき、反応
性に優れた硬化性樹脂である。
【0045】
【発明の効果】次に実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0046】実施例1 攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導
入管を備えた1リットル容セパラブルフラスコに、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル300.00gおよ
びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート[日
本油脂(株)製パーブチルO]4.30gを仕込み、9
0℃に昇温後、メタクリル酸48.98g、カプロラク
トン変性2−ヒドロキシメタクリレート[ダイセル化学
工業(株)製PlaccelFM1]58.56gをビ
ス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカー
ボネート[日本油脂(株)製パーロイルTCP]4.3
0gと共にジエチレングリコールジメチルエーテル中に
2時間かけて滴下し、さらに4時間熟成することによっ
て、カルボキシル基および水酸基を有する樹脂溶液を得
た。反応はN2気流下で行った。
【0047】次に樹脂溶液にエポキシシクロヘキサンメ
タノールのアクリル酸エステル[ダイセル化学(株)製
サイクロマーA200]55.98g、テトラメチルグ
アニジン1.68g、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.47gを加え、90℃に昇温し、撹拌することに
よってエポキシの開環付加反応を行った。
【0048】反応は空気気流下で行った。ガスクロマト
グラフィー(以下GCと省略する)で、残存するエポキ
シシクロヘキサンメタノールのアクリル酸エステルを測
定することによって反応を追跡し、7時間後、エポキシ
シクロヘキサンメタノールのアクリル酸エステルが0.
1%以下になったためにこの時点を反応終点とした。こ
の時点での樹脂溶液のオキシラン酸素濃度は0.10%
であり、GC結果と合わせて、エポキシの付加反応が起
ったことを示している。
【0049】続いてテトラヒドロ無水フタル酸[新日本
理化(株)リカシッドTH]36.48gを加え、90
℃で撹拌することによって酸無水物の付加反応を行っ
た。反応は空気気流化で行った。4時間後、GC分析に
よって残存するテトラヒドロ無水フタル酸が0.1%と
なったために、この点を反応終点とした。以上のように
して目的とする樹脂溶液を得た。
【0050】得られた樹脂の固形分の酸価は142、数
平均分子量は2332であった。得られた樹脂のIRス
ペクトルチャートを図1に、GPCチャートを図2に示
す。
【0051】このようにして得られた樹脂は1%Na2
CO3水溶液への溶解性が良好であった。なお、エポキ
シ化合物の使用量は、得られた硬化性樹脂の二重結合量
が、樹脂1kgにつき1.54モルとなるように決定し
た。
【0052】なお、本文中の酸価の単位は全てKOHmg
/gである。
【0053】<IRチャート> 3497cm-1 OH基の吸収 1728cm-1 カルボニル基の吸収 1635cm-1 ビニル基の吸収 1452cm-1 シクロヘキサン環の吸収
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた樹脂のIRスペクト
ルチャートである。
【図2】図2は実施例1で得られた樹脂のGPCチャー
トである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1級水酸基およびカルボキシル基を有
    するビニル重合体に (b)一般式(1) [RはHまたはCH3] で表されるエポキシシクロヘキサンメタノールのアクリ
    ル酸エステルおよび/またはエポキシシクロヘキサンメ
    タノールのメタクリル酸エステルを開環付加し、さら
    に、該1級水酸基および該カルボキシル基と該アクリル
    酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル中のエ
    ポキシ基の開環で生じ、シクロヘキサン環に結合した2
    級水酸基に(c)多塩基酸無水物を付加することを特徴と
    する側鎖に二重結合およびカルボキシル基を有する硬化
    性ビニル重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 1級水酸基およびカルボキシル基を有す
    るビニル重合体が(d)カルボキシル基を有するモノエチ
    レン性不飽和単量体および(e)水酸基を有するモノエチ
    レン性不飽和単量体の中から選ばれるいずれか少なくと
    も一つ、および必要に応じて、(f)その他のエチレン性
    不飽和単量体の共重合体である請求項1記載の硬化性ビ
    ニル重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基を有するモノエチレン性
    不飽和単量体がメタクリル酸および/またはアクリル酸
    である請求項2記載の硬化性ビニル重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 水酸基を有するモノエチレン性不飽和単
    量体がカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリ
    レートおよび/または、カプロラクトン変性2−ヒドロ
    キシエチルメタクリレートである請求項2記載の硬化性
    ビニル重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 多塩基酸無水物がテトラヒドロ無水フタ
    ル酸である請求項1から4のいずれかに記載の硬化性ビ
    ニル重合体の製造方法。
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