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JP3299473B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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Publication number
JP3299473B2
JP3299473B2 JP14084597A JP14084597A JP3299473B2 JP 3299473 B2 JP3299473 B2 JP 3299473B2 JP 14084597 A JP14084597 A JP 14084597A JP 14084597 A JP14084597 A JP 14084597A JP 3299473 B2 JP3299473 B2 JP 3299473B2
Authority
JP
Japan
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deviation
value
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circuit
Prior art date
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JP14084597A
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JPH10318004A (ja
Inventor
博 佐藤
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
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Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユニシアジェックス filed Critical 株式会社ユニシアジェックス
Priority to JP14084597A priority Critical patent/JP3299473B2/ja
Publication of JPH10318004A publication Critical patent/JPH10318004A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンの吸気バルブ、排気バルブの開閉タイミングを可
変に制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の運転状態
に応じて吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミング
を可変に制御するようにしたバルブタイミング制御装置
は、例えば特開平7−332118号公報等によって知
られている。
【0003】この種のバルブタイミング制御装置は、ク
ランクシャフトとカムシャフトとの回転位相に位相差を
生じさせる回転位相可変手段と、前記バルブタイミング
を内燃機関の運転状態に対応して変化させるように、該
回転位相可変手段を作動させるための目標値を設定する
目標値設定手段と、前記クランクシャフトとカムシャフ
トとの位相差から前記回転位相可変手段の作動状態を検
出する作動検出手段と、前記目標値設定手段による目標
値と該作動検出手段による検出値とを用いて前記回転位
相可変手段をフィードバック制御する制御手段とから構
成されている。
【0004】そして、従来技術によるバルブタイミング
制御装置では、回転位相可変手段を作動させるための目
標値を目標値設定手段から出力し、回転位相可変手段の
現在の作動状態に応じた検出値を作動検出手段から出力
し、これらの目標値と検出値との偏差を求めている。そ
して、従来技術によるバルブタイミング制御装置では、
この偏差が減少するように制御手段で回転位相可変手段
を駆動させることにより、エンジンの吸気バルブや排気
バルブの開閉タイミングを前記目標値に対応して可変に
制御するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、クランクシャフトが予め決められた所定の
回転位相となったときに、クランク角センサ等によって
クランクシャフトの回転位相を検出すると共に、カムシ
ャフトが予め決められた所定の回転位相となったとき
に、カム角センサ等によってカムシャフトの回転位相を
検出し、作動検出手段では、これらのクランクシャフト
の回転位相とカムシャフトの回転位相とに基づき、回転
位相可変手段の作動状態を演算により求めるようにして
いる。そして、作動検出手段からの検出値は、カムシャ
フトとクランクシャフトとの回転位相が検出された後、
次なるそれぞれの回転位相が検出されるまでの間は、更
新されることなく前回の値に保持されたままとなり、目
標値が変更されない限り目標値と検出値との偏差も一定
の値に保たれる。
【0006】しかし、作動検出手段の検出値が一定の値
に保持されている間も、回転位相可変手段は偏差を減少
させるべく作動しているから、次なる検出値が演算さ
れ、検出値が更新されるときには、目標値を越えて回転
位相可変手段が駆動してしまうことがある。このよう
に、回転位相可変手段が過大に動作し、目標値を越える
ようなオーバーシュートが発生すると、回転位相可変手
段が目標値付近でほぼ停止状態となるまでに要する時間
が増大し、回転位相可変手段の応答性が低下するという
問題がある。
【0007】特に、内燃機関の低回転域にあっては、カ
ムシャフトとクランクシャフトとの回転位相が検出され
るまでの時間間隔が長くなり、検出値を更新させる前,
後において検出値の変化量が大きくなる可能性が生じ、
検出値の更新時に偏差が急変することがある。このた
め、内燃機関の回転数が低回転域となったときには、回
転位相可変手段が過大に動作し易くなり、オーバーシュ
ートが発生し易いという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は内燃機関が低回転域で駆動して
いるときでも、オーバーシュートが発生するのを防止で
きると共に、回転位相可変手段を滑らかに作動させフィ
ードバック制御の信頼性や安定性を向上できるようにし
た内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、内燃機関のバルブタイミングを可変に
制御するため、該内燃機関のクランクシャフトとカムシ
ャフトとの回転位相に位相差を生じさせる回転位相可変
手段と、該回転位相可変手段を作動させ前記バルブタイ
ミングを前記内燃機関の運転状態に対応して変化させる
ための目標値を設定する目標値設定手段と、前記クラン
クシャフトとカムシャフトとの位相差から前記回転位相
可変手段の作動状態を検出する作動検出手段と、前記目
標値設定手段による目標値と該作動検出手段による検出
値とを用いて前記回転位相可変手段をフィードバック制
御する制御手段とからなる内燃機関のバルブタイミング
制御装置に適用される。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記制御手段は、前記目標値設定手段による目
標値と前記作動検出手段による検出値との偏差を演算す
る偏差演算手段と、前記作動検出手段による検出値が更
新されたか否かを判定する検出時点判定手段と、該検出
時点判定手段により前記検出値が更新されたと判定する
までの間、前記偏差演算手段による偏差よりも実偏差に
近い値となる予測偏差を演算する予測偏差演算手段と、
前記検出時点判定手段により前記検出値が更新されたと
判定したときには、前記回転位相可変手段をフィードバ
ック制御する制御信号を前記偏差演算手段による偏差に
従って設定し、前記検出時点判定手段により前記検出値
が更新されたと判定するまでの間は、前記回転位相
手段をフィードバック制御する制御信号を前記予測偏差
演算手段による予測偏差に従って設定する制御信号設定
手段とからなる。
【0011】これにより、検出時点判定手段は検出値が
更新されたか否かを判別し、予測偏差演算手段は、検出
時点判定手段により検出値が更新されたと判定するまで
の間、偏差演算手段による偏差よりも実偏差に近い値と
なる予測偏差を演算し、予測偏差を回転位相可変手段の
作動状態と目標値との実偏差に近い値にすることができ
る。
【0012】そして、制御信号設定手段は、検出時点判
定回路によって検出値が更新されたと判定したときに
は、偏差演算手段による偏差を用いて回転位相可変手段
をフィードバック制御し、回転位相可変手段の作動状態
を目標値に近付けることができる。また、制御信号設定
手段は、検出時点判定回路によって検出値が更新された
と判定するまでの間は、予測偏差演算手段による予測偏
差を用いて回転位相可変手段をフィードバック制御し、
回転位相可変手段の作動状態と目標値との実偏差を検出
することができない間でも、回転位相可変手段を実偏差
に近い予測偏差を減少させるべく作動させることができ
る。
【0013】従って、制御信号設定手段は、偏差演算手
段による偏差と予測偏差演算手段による予測偏差とに基
づき回転位相可変手段をフィードバック制御するから、
検出値が更新されたときに、偏差が急激に変化するのを
防止でき、回転位相可変手段を滑らかに作動させること
ができる。また、制御信号設定手段は、検出値が更新さ
れるまでの間でも、実偏差に近い値を用いて制御信号を
設定するから、検出値が更新されるまでの間に、回転位
相可変手段の作動状態が目標値に近付き、実偏差が小さ
い値となるときには、予測偏差も小さい値となり、回転
位相可変手段を徐々に停止させることができる。
【0014】また、請求項2の発明では、前記予測偏差
演算手段は、前記作動検出手段による検出値が更新され
るまで、前記偏差演算手段による偏差を減少させる方向
に向けて前記目標値から変化した変化量よりも小さい
定値分だけ順次加減算する構成としている。
【0015】これにより、予測偏差演算手段は、偏差演
算手段による偏差を減少させる方向に向けて目標値から
変化した変化量よりも小さい一定値分だけ順次加減算
し、偏差よりも零に近い値となる予測偏差を演算するこ
とができる。このため、検出値が更新されるまでの間
に、回転位相可変手段の作動状態が目標値に近付き、実
偏差の絶対値が減少するのに伴い、予測偏差の絶対値を
減少させることができ、予測偏差演算手段は、実偏差に
近い値となる予測偏差を演算することができる。
【0016】また、請求項3の発明では、前記予測偏差
演算手段は、予測偏差が減少するに従って段階的に減少
する補正値を設定する補正値設定回路が接続され、前記
作動検出手段による検出値が更新されるまで、前記偏差
演算手段による偏差を減少させる方向に向けて予測偏差
を該補正値設定回路による補正値分だけ順次加減算する
構成としている。
【0017】ここで、実偏差の絶対値が大きく、回転位
相可変手段の作動状態が目標値から離れているときに
は、回転位相可変手段の作動量が大きいから、実偏差の
絶対値は単位時間当りより大きく減少する。このため、
予測偏差演算手段は、回転位相可変手段の作動状態が目
標値から離れているときには、補正値設定回路が設定す
大きな値の補正値を用い、偏差演算手段による偏差に
対して予測偏差の絶対値をより大きく減少させることが
でき、予測偏差を実偏差に近付けることができる。
【0018】また、実偏差の絶対値が小さく、回転位相
可変手段の作動状態が目標値に近いときには、回転位相
可変手段の作動量が小さいから、実偏差の絶対値は単位
時間当り僅かに減少する。このため、予測偏差演算手段
は、回転位相可変手段の作動状態が目標値に近いときに
は、補正値設定回路が設定する小さい値の補正値を用
い、偏差演算手段による偏差に対して予測偏差の絶対値
を僅かに減少させることができ、予測偏差を実偏差に近
付けることができる。
【0019】さらに、請求項4の発明では、前記制御信
号設定手段は、前記検出時点判定手段により前記検出値
が更新されたと判定したときに、前記偏差演算手段によ
って演算した偏差に対する比例演算を行い、前記検出値
が更新されたと判定するまでの間は、前記予測偏差演算
手段によって偏差を減少させる方向に向けて演算した
測偏差に対する比例演算を行う比例演算手段を備える構
成としている。
【0020】これにより、制御信号設定手段は、検出時
点判定手段によって検出値が更新されたと判定したとき
には、偏差演算手段による偏差が更新されているから、
比例演算手段によって演算した偏差を用いて比例演算を
行い、偏差に対する比例演算値に対応して回転位相可変
手段を作動させることができる。
【0021】また、制御信号設定手段は、検出時点判定
手段によって検出値が更新されたと判定するまでの間
は、偏差演算手段による偏差が不確かな値となっている
から、比例演算手段は、予測偏差演算手段によって偏差
を減少させる方向に向けて演算し、より実偏差に近い値
となった予測偏差を用いて比例演算を行い、予測偏差に
対する比例演算値に対応して回転位相可変手段を作動さ
せることができる。
【0022】このため、制御信号設定手段は、回転位相
可変手段の作動状態が目標値から離れているときには、
回転位相可変手段をより大きく作動させる制御信号を設
定することができ、回転位相変手段を速やかに目標値に
向って作動させることができる。一方、制御信号設定手
段は、回転位相可変手段の作動状態が目標値に近付いた
ときには、回転位相可変手段を僅かに作動させる制御信
号を設定することができ、回転位相変手段を目標値付近
でほぼ停止させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0024】ここで、図1ないし図13は本発明の第1
の実施例による内燃機関のバルブタイミング制御装置を
自動車用エンジンに適用した場合を例に挙げて示してい
る。
【0025】図において、1は内燃機関としてのエンジ
ン本体(図示せず)に回転可能に設けられた出力軸とし
てのクランクシャフトを示し、その一端側には小径プー
リ1Aが一体に取付けられている。また、クランクシャ
フト1には、その回転位相αを検出するために後述のク
ランク角センサ39が設けられている。
【0026】2はクランクシャフト1の回転駆動力を後
述のカムシャフト4側に伝達するドライブシャフトで、
該ドライブシャフト2はエンジン本体側に中心O1 −O
1 周囲で回転可能に設けられ、該ドライブシャフト2の
大径プーリ2Aは、例えばタイミングベルト3を介して
クランクシャフト1の小径プーリ1Aに連結され、クラ
ンクシャフト1が2回転する間にドライブシャフト2が
1回転する構成となっている。
【0027】4はエンジンの各気筒に設けられた吸気バ
ルブ(図示せず)を開,閉させるためのカムシャフト
で、該カムシャフト4は後述の偏心ディスク9等を介し
てドライブシャフト2に連結され、ドライブシャフト2
と共に前記エンジン本体側に中心O1 −O1 周囲で回転
可能に設けられている。そして、カムシャフト4はドラ
イブシャフト2と共にクランクシャフト1により回転駆
動され、その回転位相βが各気筒の吸気行程に応じて定
まる所定の回転位相となったときに、カム4A,4A,
…によって前記各吸気バルブをそれぞれ開,閉させる。
【0028】5はドライブシャフト2を偏心ディスク9
に連結する連結アームで、該連結アーム5はドライブシ
ャフト2の他端側に設けられ、ドライブシャフト2と一
体的に回転する。また、連結アーム5には径方向に延び
る係合溝5Aが形成され、該係合溝5Aには偏心ディス
ク9の係合ピン9Aが係合されている。
【0029】6はカムシャフト4の一端側に設けられた
他の連結アームで、該連結アーム6には径方向に延びる
係合溝6Aが形成され、該係合溝6Aには偏心ディスク
9の係合ピン9Bが係合されている。
【0030】7は前記各吸気バルブの開,閉タイミング
を変化させる回転位相可変手段としての偏心機構を示
し、該偏心機構7は後述のディスクホルダ8、偏心ディ
スク9およびコントロールシャフト10等から構成され
ている。
【0031】そして、偏心機構7は偏心ディスク9の中
心O2 −O2 をカムシャフト4の中心O1 −O1 に対し
て偏心量εだけ偏心させることにより、該カムシャフト
4の回転位相βを図7に示す如く、クランクシャフト1
の回転位相αに対して相対変化させ、これらの回転位相
α,βの間に後述の数1による位相差Φを生じさせるも
のである。
【0032】8は偏心ディスク9が回転可能に収容され
るディスクホルダで、該ディスクホルダ8は図2に示す
如く、一端側がエンジン本体側に固定ピン8Aを介して
揺動可能に取付けられた環状部8Bと、該環状部8Bの
他端側に一体形成された一対の係合爪8C,8Cとから
構成されている。
【0033】9はドライブシャフト2をカムシャフト4
に連結する偏心ディスクを示し、該偏心ディスク9は一
側面に突出形成された係合ピン9Aと、他側面に突出形
成された係合ピン9Bとを有し、該係合ピン9A,9B
は図1に示す如く偏心ディスク9の中心O2 −O2 を挟
んで互いに径方向で対向する位置に配設されている。
【0034】また、偏心ディスク9はディスクホルダ8
の環状部8B内に中心O2 −O2 の周囲で回転可能とな
るように収容され、係合ピン9A,9Bが連結アーム
5,6の係合溝5A,6A内に摺動可能に係合されてい
る。これにより、ドライブシャフト2とカムシャフト4
とは、連結アーム5,6および偏心ディスク9を介して
互いに連結され、この状態で偏心ディスク9は連結アー
ム5,6の間でカムシャフト4(ドライブシャフト2)
の径方向に相対変位可能となっている。
【0035】10は偏心ディスク9を偏心させるための
コントロールシャフトで、該コントロールシャフト10
は、図2に示す如くエンジン本体側に中心O3 −O3 の
周囲で回転可能に設けられ、コントロールシャフト10
の一端側には円形のカム10Aが偏心して設けられてい
る。そして、カム10Aはディスクホルダ8の各係合爪
8C間に摺動可能に配設され、コントロールシャフト1
0は連結アーム11を介して油圧シリンダ12に連結さ
れている。
【0036】11はコントロールシャフト10を油圧シ
リンダ12のロッド12Cに連結する連結アームで、該
連結アーム11はコントロールシャフト10の他端側に
設けられ、コントロールシャフト10と一体的に回転す
る。また、連結アーム11には径方向に延びる係合溝1
1Aが形成され、該係合溝11Aにはロッド12Cの係
合ピン12Fが係合されている。
【0037】12はコントロールシャフト10を回動さ
せるリニア型のアクチュエータとしての油圧シリンダを
示し、該油圧シリンダ12は、図4に示すようにシリン
ダ12Aと、該シリンダ12A内に摺動可能に設けられ
たピストン12Bと、一端側が該ピストン12Bに固着
され、他端側がシリンダ12A外に突出したロッド12
Cとから構成されている。そして、油圧シリンダ12
は、管路13A,13Bを介してタンク14と共に液圧
源となる油圧ポンプ15に接続され、ピストン12Bに
よって画成された2つの油室12D,12Eに管路13
A,13Bを介して圧油が給排されることにより、ロッ
ド12Cを矢示A,B方向に伸縮させるものである。
【0038】また、ロッド12Cには係合ピン12Fが
突出して設けられ、該係合ピン12Fは連結アーム11
の係合溝11A内に摺動可能に係合されている。そし
て、前記コントロールシャフト10は、油圧シリンダ1
2のロッド12Cが矢示A,B方向に摺動変位すること
によって回動されると共に、コントロールシャフト10
はカム10Aを介してディスクホルダ8を偏心ディスク
9と共に固定ピン8Aを中心にして矢示C,D方向に揺
動させる。
【0039】16は制御弁機構としての制御弁装置、1
7は該制御弁装置16の本体部を構成するスプール弁
で、該スプール弁17は略筒状の弁ケーシング18を有
し、該弁ケーシング18の内周側には後述のスプール2
4が摺動可能に挿嵌されるスプール摺動穴18Aが形成
されている。また、弁ケーシング18にはスプール摺動
穴18Aの軸方向に離間してポンプポート19、タンク
ポート20および一対の流出入ポート21,22が設け
られ、弁ケーシング18の一端側端部には、ドレンポー
ト23が設けられている。
【0040】ここで、ポンプポート19は油圧ポンプ1
5に接続され、タンクポート20はタンク14に接続さ
れている。そして、流出入ポート21は油圧シリンダ1
2の給排口12Gに接続され、流出入ポート22は油圧
シリンダ12の給排口12Hに接続されている。また、
流出入ポート21,22は、例えば図5に示すように長
方形をなす矩形ポートとして形成され、ドレンポート2
3はタンク14に接続されている。
【0041】24は弁ケーシング18のスプール摺動穴
18A内に変位可能に設けられたスプールであり、該ス
プール24には、2個のランド24A,24Bが設けら
れ、ランド24Aは流出入ポート21を開,閉すると共
に、ランド24Bは流出入ポート22を開,閉するもの
である。そして、該スプール24は後述する電磁アクチ
ュエータ27によりコントロールユニット28から出力
されるPWM信号のデューティ比に比例して矢示E,F
方向に摺動変位される。また、スプール24の一端側と
弁ケーシング18との間には、ドレンポート23に連通
するばね室25が形成され、該ばね室25内には、スプ
ール24を矢示F方向に常時付勢するばね26が設けら
れている。
【0042】ここで、スプール24が中立位置にあると
きは、スプール24のランド24Aは図5に示す如く流
出入ポート21を完全に閉塞すると共に、ランド24B
は流出入ポート22を完全に閉塞する。そして、スプー
ル24はランド24A,24Bの幅寸法が、流出入ポー
ト21,22よりも一定寸法δだけ大きく形成され、ポ
ート閉塞時の安定性を確保するようになっている。この
ため、スプール24のランド24A,24Bと弁ケーシ
ング18の流出入ポート21,22との間には、スプー
ル24を中立位置で僅かに摺動変位させても、流出入ポ
ート21,22が開口しない一定幅の不感帯(寸法δに
対応)が形成されている。
【0043】27はスプール24を駆動変位させる電磁
アクチュエータを示し、該電磁アクチュエータ27は電
磁比例ソレノイドからなり、弁ケーシング18の他端側
に取付けられたケース27Aと、該ケース27A内に設
けられたコイル部27Bと、該コイル部27Bの内周側
に変位可能に設けられた駆動ロッド27Cとから構成さ
れている。
【0044】そして、制御弁装置16は弁ケーシング1
8、スプール24および電磁アクチュエータ27等から
なり、油圧シリンダ12に給排すべき圧油の流量と方向
とを可変に制御する。即ち、制御弁装置16は電磁アク
チュエータ27によってスプール24を弁ケーシング1
8のスプール摺動穴18A内で摺動変位させ、流出入ポ
ート21,22を連通、遮断させることにより、ポンプ
ポート19を介した油圧ポンプ15からの圧油を油圧シ
リンダ12に供給すると共に、油圧シリンダ12内の圧
油をタンクポート20やドレンポート23を介してタン
ク14側に排出させるものである。
【0045】28は後述のクランク角センサ39とカム
位置センサ40と共に制御手段を構成するコントロール
ユニットを示し、該コントロールユニット28は例えば
マイクロコンピュータ等により構成され、該コントロー
ルユニット28にはROM、RAM等からなる記憶部2
8Aが設けられると共に、電磁アクチュエータ27の駆
動制御を行うものである。
【0046】そして、該コントロールユニット28内に
は、図6に示すように後述する偏差演算回路29、予測
偏差演算回路30、制御信号設定回路31、検出時点判
定回路36、目標値設定回路37および作動量演算回路
38が設けられている。また、コントロールユニット2
8の記憶部28Aには、図9に示すようなスプール弁制
御処理用のプログラムが格納されると共に、比例演算の
利得となる定数Kp 、予測偏差e2 を演算するための一
定値a、検出フラグF等が予め格納されている。また、
該コントロールユニット28の入力側には、クランク角
センサ39およびカム位置センサ40等が接続され、出
力側はスプール弁17の電磁アクチュエータ27等に接
続されている。
【0047】ここで、検出フラグFは後述の検出時点判
定回路36により検出値yが更新されたと判定したとき
に1(F=1)に設定され、検出値yが更新されたと判
定されるまでの間は零(F=0)に設定されるものであ
る。
【0048】29は偏差演算手段としての偏差演算回路
で、該偏差演算回路29は目標値設定回路37からの目
標値rと作動量演算回路38からの検出値yとの偏差
(r−y)を演算し、偏差e1 (e1 =r−y)を出力
する。
【0049】30は予測偏差演算手段としての予測偏差
演算回路で、該予測偏差演算回路30は、偏差演算回路
29からの偏差e1 が入力され、偏差e1 に対応する偏
差演算値e0 を用いて後述の予測偏差演算処理を行うこ
とによって予測偏差e2 を演算する。ここで、偏差演算
値e0 は、検出時点判定回路36により検出値yが更新
されたと判定したときには、偏差e1 に等しい値とな
り、検出時点判定回路36により検出値yが更新された
と判定するまでの間は、予測偏差演算回路30によって
予測偏差e2 が演算される毎に、新たな予測偏差e2 に
等しい値に順次更新されていく。
【0050】これにより、予測偏差演算回路30は、検
出時点判定回路36により検出値yが更新されたと判定
するまでの間、偏差演算回路29からの偏差e1 (偏差
演算値e0 )に対して予め決められた値だけ変化した予
測偏差e2 を演算する。そして、予測偏差演算回路30
は、予測偏差e2 を制御信号設定回路31に出力してい
る。
【0051】31は出力信号設定手段としての制御信号
設定回路で、該制御信号設定回路31は、比例演算回路
32、中立位置設定回路33、加算演算回路34、PW
M変換回路35から構成され、偏差e1 と予測偏差e2
を用いて偏心機構7を制御するための制御信号を出力す
る。
【0052】32は比例演算手段としての比例演算回路
で、該比例演算回路32は、偏差演算値e0 と定数Kp
との積(e0 ×Kp )を演算し、偏差演算値e0 に比例
する比例演算値u1 (u1 =e0 ×Kp )を出力する。
【0053】これにより、比例演算回路32は、検出時
点判定回路36により検出値yが更新されたと判定した
ときに、偏差演算回路29からの偏差e1 に比例する比
例演算値u1 (u1 =e1 ×Kp )を出力し、検出時点
判定回路36により検出値yが更新されたと判定するま
での間は、予測偏差e2 に比例する比例演算値u1 (u
1 =e2 ×Kp )を出力する。
【0054】33はスプール24の中立位置を設定する
中立位置設定回路で、該中立位置設定回路33はスプー
ル24を中立位置に保持するために、例えば50%のデ
ューティ比に対応した一定の中立位置設定値u2 を常時
出力する。
【0055】34は比例演算値u1 と中立位置設定値u
2 とを加算した加算演算値uを出力する加算演算回路、
35は該加算演算回路34から出力される加算演算値u
に基づき制御信号としてのパルス幅変調信号(PWM信
号)を出力するPWM変換回路を示し、該PWM変換回
路35は加算演算値uに基づいてPWM信号のデューテ
ィ比を決定し、このデューティ比に対応して変換された
PWM信号を制御弁装置16の電磁アクチュエータ27
に向けて出力する。
【0056】36はクランク角センサ39とカム位置セ
ンサ40とに接続された検出時点判定手段としての検出
時点判定回路で、該検出時点判定回路36は図10に示
す如く、クランク角センサ39から出力される基準信号
S1 とカム位置センサ40から出力される基準信号S2
とに基づき後述の作動量演算回路38による検出値yが
更新されたと判定したときに検出フラグFを1(F=
1)に設定し、これ以外のときには検出フラグFを零
(F=0)に設定するものである。
【0057】37はエンジンの回転数N等により最適な
バルブタイミングを算出する目標値設定手段としての目
標値設定回路で、該目標値設定回路37は最適なバルブ
タイミングに対応したコントロールシャフト10の目標
回動角を目標値rとして出力するものである。
【0058】38はクランク角センサ39とカム位置セ
ンサ40と共に作動検出手段を構成する作動量演算回路
で、該作動量演算回路38はクランク角センサ39から
の第1の基準信号S1 とカム位置センサ40からの第2
の基準信号S2 とに基づきコントロールシャフト10の
実回動角θ(図3参照)を検出値yとして算出する。
【0059】ここで、クランク角センサ39は、図7に
示すようにクランクシャフト1に隣接して設けられ、ク
ランクシャフト1の回転位相αが所定の回転位相となっ
たときにこれを検出し、図8に示す如く第1の基準信号
S1 を出力する。
【0060】また、カム位置センサ40はカムシャフト
4側に設けられ、カムシャフト4の回転位相βが所定の
回転位相となったときにこれを検出し、図8に示すよう
に第2の基準信号S2 を出力するものである。そして、
カム位置センサ40は、クランク角センサ39とカム位
置センサ40とはカムシャフト4が1回転する間に1回
だけ各基準信号S1 ,S2 を出力するように構成されて
いる。
【0061】ここで、偏心機構7によりクランクシャフ
ト1とカムシャフト4との間に位相差Φが生じると、カ
ム位置センサ40の第2の基準信号S2 が図8中にS2
′として示す如く、クランク角センサ39の第1の基
準信号S1 から例えば時間ΔT分だけ遅れて出力され
る。これにより、作動量演算回路38は各基準信号S1
,S2 ′の間の時間ΔTとエンジンの回転数Nに基づ
いて位相差Φを下記数1に示す関係から演算する(但
し、kは定数)。
【0062】
【数1】Φ=k×ΔT×N
【0063】また、作動量演算回路38は位相差Φに基
づいて検出値yとしてのコントロールシャフト10の実
回動角θ(図3参照)を算出する。これにより、コント
ロールユニット28は、目標値設定回路37から出力さ
れる目標値rに検出値yが一致するように油圧シリンダ
12を作動させ、コントロールシャフト10をフィード
バック制御する。
【0064】本実施例による内燃機関のバルブタイミン
グ制御装置は上述の如き構成を有するもので、次に、そ
の作動について説明する。
【0065】まず、エンジンによりクランクシャフト1
が回転駆動されると、この回転駆動力はタイミングベル
ト3を介してドライブシャフト2に伝達される。これに
より、ドライブシャフト2に連結された偏心ディスク9
は、ディスクホルダ8内で図3中の矢示G方向に回転
し、この回転駆動力が偏心ディスク9の係合ピン9Bと
連結アーム6とを介してカムシャフト4に伝達されると
共に、カムシャフト4はその回転位相βが所定の回転位
相となったときに前記各吸気バルブを開,閉させる。
【0066】そして、吸気バルブの開閉タイミングを変
えるときには、コントロールユニット28内の目標値設
定回路37から最適なバルブタイミングに対応したコン
トロールシャフト10の目標回動角を目標値rとして出
力する。これにより、コントロールユニット28は、目
標値rにコントロールシャフト10の実回動角θが一致
するように、図2に示す如く油圧シリンダ12のロッド
12Cを矢示A,B方向に進退させる。このとき、ロッ
ド12Cに連結アーム11等を介して係合するコントロ
ールシャフト10は矢示C,D方向に回動し、図3に示
す如く偏心ディスク9が連結アーム5,6間でカムシャ
フト4の径方向に相対変位すると共に、その中心O2 −
O2 がカムシャフト4の中心O1 −O1 から偏心量εだ
け偏心する。
【0067】この結果、カムシャフト4の回転位相βと
クランクシャフト1の回転位相αとの間には位相差Φが
生じ、カムシャフト4により開閉される吸気バルブの開
閉タイミングが位相差Φに応じて変化するから、この位
相差Φを所望の値に変えることによって、吸気バルブの
開閉タイミングを適切に制御できる。
【0068】次に、図9を参照してコントロールユニッ
ト28によるバルブタイミング制御処理について説明す
る。
【0069】まず、ステップ1では、中立位置設定回路
33から出力される中立位置設定値u2 を読込み、ステ
ップ2では、目標値設定回路37によりエンジンの回転
数N等に基づいて目標値rを演算する。このとき、目標
値rは、最適なバルブタイミングに対応したコントロー
ルシャフト10の目標回動角に対応している。
【0070】次に、ステップ3では、図10に示す検出
値y演算処理を行い、検出値yを演算する。即ち、作動
量演算回路38は、前記第1の基準信号S1 と第2の基
準信号S2 とに基づき実際のコントロールシャフト10
の実回動角θを検出値yとして演算する。
【0071】次に、ステップ4では、検出時点判定回路
36により検出フラグFが1(F=1)か否かを判定
し、ステップ4で「YES」と判定したときには、検出
値yが更新されているから、ステップ5に移り、偏差演
算回路29によって目標値rと検出値yとを用いて偏差
e1 (e1 =r−y)を演算する。そして、次なるステ
ップ6では、検出フラグFを零(F=0)に設定すると
共に、ステップ7に移って、偏差演算値e0 として偏差
演算回路29からの偏差e1 (e0 =e1 )を設定す
る。
【0072】一方、ステップ4で「NO」と判定したと
きには、検出値yが更新されるまでの間であるから、ス
テップ8に移り、図11に示す予測偏差e2 の演算処理
を行い、偏差e1 に対して予め決めれらた値だけ変化し
た予測偏差e2 を演算する。そして、次なるステップ9
では、偏差演算値e0 として予測偏差演算回路30から
の予測偏差e2 (e0 =e2 )を設定する。
【0073】次に、ステップ10では、記憶部28Aか
ら定数Kp を読出し、定数Kp と偏差演算値e0 との積
(Kp ×e0 )を演算することによって、偏差e1 、予
測偏差e2 とに比例する比例演算値u1 (u1 =Kp ×
e0 )を演算する。
【0074】次に、ステップ11では、比例演算値u1
と中立位置設定値u2 との加算演算を行い、PWM信号
のデューティ比に対応した加算演算値u(u=u1 +u
2 )を演算する。
【0075】そして、ステップ12では加算演算値uを
これに対応したデューティ比のPWM信号に変換し、こ
のPWM信号を電磁アクチュエータ27に出力して、ス
プール24を摺動変位させる。これにより、油圧シリン
ダ12に供給される圧油が制御され、コントロールシャ
フト10は偏差演算値e0 を減少させる方向に回動する
と共に、最適なバルブタイミングでエンジンを駆動する
ことができる。
【0076】次に、検出時点判定回路36および作動量
演算回路38による検出値yの演算処理について図10
を参照して説明する。
【0077】まず、ステップ21では、クランク角セン
サ39からの第1の基準信号S1 が検出されたか否かを
判定し、「YES」と判定したときには、ステップ22
に移って第1の基準信号S1 と第2の基準信号S2 との
間の時間を計測するためのタイマTを零(T=0)と
し、ステップ23に移る。
【0078】一方、ステップ21で「NO」と判定した
ときには、ステップ23に移ってカム位置センサ40か
らの第2の基準信号S2 が検出されたか否かを判定し、
ステップ23で「NO」と判定したときには非検出時点
であるから、ステップ27に移って検出フラグFを零
(F=0)に設定すると共に、ステップ28でリターン
する。
【0079】また、ステップ23で「YES」と判定し
たときには、検出値yが更新される検出時点であるか
ら、ステップ24に移って検出フラグFを1(F=1)
に設定すると共に、ステップ25で第1の基準信号S1
と第2の基準信号S2 との間の時間ΔTをタイマTの値
に設定する。そして、ステップ26では、時間ΔTとエ
ンジンの回転数Nとに基づき作動量演算回路38は数1
の式からクランクシャフト1とカムシャフト4との位相
差Φを算出する共に、位相差Φに対応したコントロール
シャフト10の実回動角θを算定し、検出値yを更新す
る。
【0080】次に、予測偏差e2 を演算する予測偏差e
2 演算処理について図11を参照しつつ説明する。
【0081】まず、ステップ31では、前回の偏差演算
値e0 が正の値(e0 >0)か否かを判定する。そし
て、ステップ31で「YES」と判定したときには、偏
差演算値e0 が正の値であるから、ステップ32に移っ
て偏差演算値e0 に対して予め決められた一定値aを減
算し(e0 −a)、偏差演算値の絶対値 |e0|を減少さ
せるべく予測偏差e2 を演算する(e2 =e0 −a)と
共に、ステップ35に移ってリターンする。
【0082】ここで、一定値aは、例えばエンジンの回
転数N、目標値rが前回の目標値(以下、前回値r0 と
する。)から変化したときの変化量(r−r0 )等によ
って決定される一定の正の数値である。このため、一定
値aは、例えば変化量(r−r0 )よりも小さい値とし
て変化量の10%程度の値に設定されている。
【0083】また、ステップ31で「NO」と判定した
ときには、ステップ33に移って前回の偏差演算値e0
が負の値(e0 <0)か否かを判定する。そして、ステ
ップ33で「YES」と判定したときには、偏差演算値
e0 が負の値であるから、ステップ34に移って偏差演
算値e0 に対して一定値aを加算し(e0 +a)、偏差
演算値の絶対値 |e0|を減少させるべく予測偏差e2 を
演算する(e2 =e0+a)。そして、次なるステップ
35に移ってリターンする。
【0084】一方、ステップ33で「NO」と判定した
ときには、前回の偏差演算値e0 は零(e0 =0)であ
るから、ステップ35に移ってリターンする。
【0085】次に、予測偏差演算回路30、検出時点判
定回路36の作用について図12を参照しつつ詳述す
る。ここで、図12は検出値y、予測偏差e2 と時間と
の関係を示している。また、目標値rは図12中に一点
鎖線で示す特性線46のように一定の値に変更されたも
のとし、コントロールユニット28は例えば10ms程
度の時間間隔でPWM信号を出力するものとする。
【0086】このとき、常に偏差演算回路29による偏
差e1 に基づきバルブタイミングを制御する場合を比較
例として図13に示す。まず、目標値rが前回値r0 か
らステップ状に変化すると、油圧シリンダ12のロッド
12Cが摺動変位し、コントロールシャフト10の実回
動角θが変化する。これにより、クランクシャフト1の
回転位相αとカムシャフト4の回転位相βとの間の位相
差Φが変化すると共に、実回動角θは実線で示す特性線
42のように変化する。
【0087】しかし、検出値yは、クランク角センサ3
9からの第1の基準信号S1 とカム位置センサ40から
の第2の基準信号S2 とに基づき演算されるため、検出
値yは点線で示す特性線43に示すように階段状に時間
変化する。また、偏差e1 も目標値rと検出値yとの差
値として演算されるから、特性線44に示すように階段
状に時間変化する。このとき、各基準信号S1 ,S2 が
出力されるまでの一定時間τ1 はエンジンの回転数Nに
依存し、例えば回転数Nが1000rpmでは60ms
程度になる。
【0088】このように、検出値yが算出されてから次
なる検出値yに更新されるまでの間、特性線45に示す
コントロールシャフト10の実回動角θと目標値rとの
実偏差との間にずれが生じる傾向にある。しかし、コン
トロールユニット28は、不確かな検出値yに基づき油
圧シリンダ12等を制御しなければならず、検出値yが
更新されるまでの間にコントロールシャフト10が過大
に回動し、実回動角θが目標値rを越えるオーバーシュ
ートが発生することがある。
【0089】このため、コントロールシャフト10が目
標値r付近で実質的に停止するまでにより長い時間が必
要となり、コントロールシャフト10が目標値rに収束
するまでに要する時間が増加する傾向がある。
【0090】また、検出値yが更新されたときには偏差
e1 が大きく変化するから、コントロールシャフト10
は、急激な回動、停止をし易く、バルブタイミングを滑
らかに変化させることができない傾向にある。
【0091】これに対し、本実施例では、検出時点判定
回路36により検出値yが更新されたと判定したときに
は、偏差演算回路29からの偏差e1 を用いてPWM信
号を設定し、検出時点判定回路36により検出値yが更
新されたと判定するまでの間は、予測偏差演算回路30
からの予測偏差e2 を用いてPWM信号を設定する構成
としている。
【0092】また、予測偏差演算回路30は、検出時点
判定回路36により検出値yが更新されたと判定するま
での間、実際のコントロールシャフト10の実回動角θ
と目標値rとの実偏差に近い値となる予測偏差e2 を演
算している。即ち、予測偏差演算回路30は、予測偏差
e2 として前回の偏差演算値e0 に一定値aを加算ある
いは減算した値(e2 =e0 ±a)を演算する。
【0093】このため、予測偏差演算回路30は、検出
時点判定回路36により検出値yが更新されたと判定す
るまでの間、偏差e1 に対して一定値a分だけ順次加減
算することができる。そして、予測偏差演算回路30
は、検出値yが更新されるまでの間でもコントロールシ
ャフト10の実回動角θの変化を予測し、実際のコント
ロールシャフト10の実回動角θと目標値rとの実偏差
に近い予測偏差e2 を演算することができる。
【0094】これにより、図12中の特性線46の如く
目標値rが前回値r0 からステップ状に変化すると、検
出値yは点線で示す特性線47のように階段状に変化す
る。このとき、偏差演算値e0 は、検出値yが更新され
たときには、偏差e1 に一致する。
【0095】一方、検出値yが更新されるまでの間は、
偏差演算値e0 は、コントロールユニット28の演算周
期である例えば10ms程度毎に一定値a分が減算さ
れ、徐々に零に近付いていく。このようにして、偏差演
算値e0 は、実線で示す特性線48のように時間の経過
と共に徐々に減少する。また、偏差演算値e0 は、特性
線49に示す実偏差に近い値となり、コントロールシャ
フト10の実回動角θは、図12中の特性線50に示す
ように徐々に目標値rに近付く。
【0096】従って、本実施例では、コントロールシャ
フト10が過剰に作動するオーバーシュートが発生する
のを防止することができ、コントロールシャフト10を
より高い応答性をもって作動させ、速やかに目標値r付
近まで回動し実質的な停止状態にすることができる。ま
た、コントロールシャフト10を滑らかに回動させるこ
とができ、バルブタイミングが急に変化するのを防止す
ることができる。
【0097】かくして、本実施例によれば、スプール弁
17を制御するコントロールユニット28内に予測偏差
演算回路30と検出時点判定回路36とを設け、予測偏
差演算回路30は、検出時点判定回路36により検出値
yが更新されたと判定するまでの間、偏差e1 に対して
予め決められた値だけ変化した予測偏差e2 を演算する
から、検出値yが更新されるまでの間も、コントロール
シャフト10の実回動角θと目標値rとの実偏差に近い
値となる予測偏差e2 を用いてコントロールシャフト1
0を回動させることができる。
【0098】また、検出値yが更新されるまでの間も、
実偏差に近い値の予測偏差e2 に基づきコントロールシ
ャフト10を回動させるから、コントロールシャフト1
0が目標値rを越えて過大に回動するのを防止すること
ができ、オーバーシュートの発生を防止し、コントロー
ルシャフト10の応答性を高めることができる。そし
て、コントロールシャフト10を円滑に回動させること
ができると共に、バルブタイミングを滑らかに変化させ
ることができる。
【0099】また、偏心機構7によってクランクシャフ
ト1とカムシャフト4との位相差Φを高い応答性をもっ
て可変に制御でき、エンジンの運転状態に対応したバル
ブタイミング制御を実現できると共に、適切な吸気や排
気が行われ、エンジンの運転性能が向上できる。
【0100】一方、予測偏差演算回路30は、検出値y
が更新されるまで、偏差e1 に対して予測偏差e2 を一
定値a分だけ順次加減算する構成としたから、予測偏差
演算回路30は、検出値rが更新されるまでの間でもコ
ントロールシャフト10の実回動角θの変化を予測し、
予測偏差e2 を徐々に零に近付けることができ、予測偏
差e2 を実偏差に近付けることができる。
【0101】さらに、制御信号設定回路31には、比例
演算回路32を設けたから、比例演算回路32は、検出
時点判定回路36により検出値yが更新されたと判定し
たときに、偏差演算回路29からの偏差e1 に対する比
例演算を行い、検出時点判定回路36により検出値yが
更新されたと判定するまでの間は、予測偏差演算回路3
0からの予測偏差e2 に対する比例演算を行うことがで
きる。
【0102】そして、偏差e1 、予測偏差e2 に比例し
た比例演算値u1 の基づきPWM信号を設定するから、
コントロールシャフト10の実回動角θと目標値rとが
離れているときには、より大きくコントロールシャフト
10を回動させ、コントロールシャフト10の実回動角
θが目標値rに近付いたときには、コントロールシャフ
ト10を僅かに回動させることができ、コントロールシ
ャフト10を速やかに目標値r付近まで回動させて実質
的な停止状態にすることができる。
【0103】次に、図14ないし図16は本発明の第2
の実施例を示し、本実施例の特徴は、偏差e1 に対して
予測偏差e2 を段階的に減少する補正値b分だけ順次加
減算する構成としたことにある。なお、本実施例では、
前記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0104】61は図14に示すように予測偏差演算回
路62に接続された補正値設定回路を示し、該補正値設
定回路61は、偏差演算値の絶対値 |e0|に応じて補正
値bを可変に設定する。このため、補正値設定回路61
は、偏差演算値の絶対値 |e0|と補正値bとの関係が図
15に示す特性線63となるように、偏差演算値の絶対
値 |e0|に応じて補正値bの値を、例えば0,b1 ,b
2 ,b3 の4つの異なる値にそれぞれ設定する。
【0105】62は予測偏差演算手段としての予測偏差
演算回路を示し、該予測偏差演算回路62は、第1の実
施例による予測偏差演算回路30とほぼ同様に構成され
ている。このため、予測偏差演算回路62は、検出時点
判定回路36により検出値yが更新されたと判定される
までの間に、偏差e1 に対して予測偏差e2 を補正値b
分だけ順次加減算すべく、偏差演算値e0 に対して補正
値b分だけ順次加減算(e0 ±a)する。そして、予測
偏差e2 をコントロールシャフト10の実回動角θと目
標値rとの実偏差に近い値にすべく予測偏差e2 を演算
する(e2 =e0 ±a)。
【0106】しかし、補正値bは、補正値設定回路61
によってその値が0,b1 ,b2 ,b3 に段階的に減少
すべく可変に設定されるから、予測偏差演算回路62
は、偏差演算値の絶対値 |e0|が大きいときには、予測
偏差e2 の値がより大きく減少し、偏差演算値の絶対値
|e0|が小さいときには、予測偏差e2 の値はほとんど
変化しなくなる。
【0107】次に、予測偏差演算回路62および検出時
点判定回路36の作用について図16を参照しつつ詳述
する。
【0108】まず、目標値rが特性線64に示すように
前回値r0 からステップ状に変化すると、油圧シリンダ
12のロッド12Cが摺動変位し、コントロールシャフ
ト10の実回動角θが変化する。これにより、クランク
シャフト1の回転位相αとカムシャフト4の回転位相β
との間の位相差Φが変化すると共に、実回動角θは実線
で示す特性線65のように変化する。
【0109】このとき、検出値yは、例えばエンジンの
回転数Nが1000rpmでは60ms程度の時間間隔
毎に更新され、点線で示す特性線66に示すように階段
状に時間変化する。
【0110】そして、予測偏差e2 は、コントロールユ
ニット28の演算周期である例えば10ms程度毎に補
正値bが減算され、実線で示す特性線67のように時間
の経過と共に徐々に減少する。ここで、コントロールシ
ャフト10を回動させるためのPWM信号は予測偏差e
2 に比例して設定されるから、コントロールシャフト1
0は、偏差演算値の絶対値 |e0|が大きいときには、よ
り大きく回動し、小さいときには、微小に回動する。
【0111】一方、補正値bは偏差演算値の絶対値 |e
0|が大きいときには、大きな値に設定され、小さいとき
には、より小さな値に設定されるから、実際のコントロ
ールシャフト10の実回動角θの変化に対応させること
ができる。このため、検出値yが更新されるまでの間で
も予測偏差e2 は、特性線68に示すコントロールシャ
フト10の実回動角θと目標値rとの実偏差に近い値と
なると共に、コントロールシャフト10は、予測偏差e
2 が零に近付くのに従って徐々に停止することができ
る。
【0112】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果が得られ
るが、特に本実施例によれば、補正値bを偏差演算値の
絶対値 |e0|に応じて可変に設定する構成としたから、
偏差演算値の絶対値 |e0|が大きくコントロールシャフ
ト10がより大きく回動するときや、偏差演算値の絶対
値 |e0|が小さくコントロールシャフト10が微小に回
動するときでも、コントロールシャフト10の実回動角
θと目標値rとの実偏差に近い値となる予測偏差e2 を
演算することできる。
【0113】そして、予測偏差e2 が零に近付くに従っ
てコントロールシャフト10を徐々に停止させることが
できるから、オーバーシュートが発生するのを防止する
ことができると共に、コントロールシャフト10を速や
かに目標値r付近で実質的な停止状態にすることができ
る。
【0114】次に、図17は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例の特徴は、制御信号設定手段として補償演
算回路と積分演算回路とを備える構成としたことにあ
る。なお、本実施例では、前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】71はスプール弁17の不感帯を補償する
ための補償演算回路で、該補償演算回路71は、不感帯
の一定寸法δに対応した補償演算値u3 を出力すること
によって不感帯補償を行っている。このため、補償演算
回路71は、例えば偏差演算値e0 が正の値(e0 >
0)のときには、スプール24を矢示E方向に不感帯の
一定寸法δ分だけ変位させるための補償演算値u3 を出
力し偏差演算値e0 が正の値(e0 <0)のときには、
スプール24を矢示F方向に不感帯の一定寸法δ分だけ
変位させるための補償演算値u3 を出力すると共に、偏
差演算値e0 が零(e0 =0)のときには、補償演算値
u3 を零(u3 =0)にする。
【0116】72は偏差演算値e0 に対する積分演算を
行う積分演算回路を示し、該積分演算回路72は、スプ
ール弁17の中立位置にずれが生じたときに、このずれ
を補償するための積分演算値u4 を出力するものであ
る。
【0117】73は比例演算回路32からの比例演算値
u1 、中立位置設定回路33からの中立位置設定値u2
、補償演算回路71からの補償演算値u3 、積分演算
回路72からの積分演算値u4 を加算する加算演算回路
で、該加算演算回路73は、PWM信号のデューティ比
に対応した加算演算値u(u=u1 +u2 +u3 +u
4)を出力する。
【0118】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果が得られ
るが、特に本実施例によれば、補償演算回路71と積分
演算回路72とを設けたから、補償演算回路71によっ
てスプール弁17の不感帯を補償しつつ制御弁装置16
を作動させることができ、バルブタイミングを滑らかに
変化させることができると共に、電磁アクチュエータ2
7のコイル部27Bが加熱されること等によってスプー
ル弁17の中立位置にずれが生じたときでも、積分演算
回路72によってこの中立位置のずれを補償することが
でき、コントロールシャフト10を目標値r付近で確実
に停止状態にすることができる。
【0119】なお、前記各実施例では、スプール24を
比例ソレノイド等の電磁アクチュエータ27によって摺
動変位させるものとしたが、本発明はこれに限らず、比
例ソレノイドに代わってリニア型のステッピングモータ
を用いてもよい。
【0120】また、前記各実施例ではクランク角センサ
39とカム位置センサ40とからエンジンの1回転当り
に1回の各基準信号S1 ,S2 を出力させるものとして
述べたが、本発明はこれに限らず、例えばエンジンの1
回転当りに2回以上の各基準信号S1 ,S2 をクランク
角センサ39とカム位置センサ40とからそれぞれ出力
させる構成としてもよい。
【0121】また、前記各実施例では、偏差e1 に対応
した偏差演算値e0 を用いて予測偏差演算回路30(6
2)によって偏差e1 に対して予め決められた値だけ変
化した予測偏差e2 を演算する構成としたが、検出値y
の予測値を算出して、この予測値から予測偏差を求める
構成としてもよい。
【0122】また、前記第3の実施例では、制御信号設
定回路31を比例演算回路32、中立位置設定回路3
3、補償演算回路71、積分演算回路72、加算演算回
路73およびPWM変換回路35から構成するものとし
たが、積分演算回路を除く構成としてもよい。この場
合、中立位置設定回路による中立位置設定値、比例演算
回路による比例演算値、補償演算回路による補償演算値
とを加算し、この加算演算値に基づきPWM信号を設定
してもよい。
【0123】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、予測偏差演算手段は、検出時点判定手段により検
値が更新されるまでの間に、偏差よりも実偏差に近い
値となる予測偏差を演算するから、検出値が更新される
までの間も、実際の回転位相可変手段の作動状態と目標
値との実偏差に近い値となる予測偏差を演算することが
できる。また、予測偏差に基づき回転位相可変手段を作
動させるから、回転位相可変手段が目標値を越えて過大
に作動するのを防止することができ、オーバーシュート
の発生を防止し、回転位相可変手段の応答性を高めるこ
とができると共に、回転位相可変手段を微小時間毎に細
かく制御でき、その作動を円滑化することができる。
【0124】そして、回転位相可変手段によってクラン
クシャフトとカムシャフトとの位相差を高い応答性をも
って可変に制御でき、エンジンの運転状態に対応したバ
ルブタイミング制御を実現することができると共に、適
切な吸気や排気が行われ、エンジンの運転性能が向上で
きる。
【0125】また、請求項2の発明によれば、予測偏差
演算回路は、検出値が更新されるまで、偏差演算手段に
よる偏差を減少させる方向に向けて予測偏差を目標値が
前回の目標値から変化した変化量よりも小さい一定値分
だけ順次加減算する構成としたから、予測偏差演算回路
は、検出値が更新されるまでの間でも回転位相可変手段
の作動状態を予測し、予測偏差を徐々に零に近付けると
共に、回転位相可変手段の作動状態と目標値との実偏差
に近い値となる予測偏差を演算することができる。
【0126】また、請求項3の発明によれば、補正値設
定回路によって予測偏差が減少するに従って段階的に減
少する補正値を設定すると共に、予測偏差演算手段は、
偏差を減少させる方向に向けて予測偏差を補正値分だけ
順次加減算する構成としたから、回転位相可変手段の作
動量実偏差に近い値となる予測偏差に応じて変化させ
るときでも、予測偏差が零に近付くに従って補正値を段
階的に減少させることができ、予測偏差をより実偏差に
近付けることができる。
【0127】そして、予測偏差が零に近付くに従って回
転位相可変手段を徐々に停止させることができるから、
オーバーシュートが発生するのを防止することができる
と共に、回転位相可変手段を速やかに目標値付近で実質
的な停止状態にすることがでる。
【0128】さらに、請求項4の発明によれば、制御信
号設定回路には偏差と予測偏差とに対して選択的に比例
演算を行う比例演算手段を備える構成としたから、検出
値が更新されたときには、偏差を用いて回転位相可変手
段を制御し、検出値が更新されるまでの間は、偏差を減
少させる方向に向けて演算することによって実偏差に近
い値となった予測偏差を用いて回転位相可変手段を制御
することができる。また、実偏差が大きいときには、よ
り大きく回転位相可変手段を作動させ、実偏差が小さい
ときには、回転位相可変手段を僅かに作動させることが
でき、回転位相可変手段を速やかに目標値まで回動させ
て実質的な停止状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるエンジンのバルブ
タイミング制御装置に設けるクランクシャフトおよびカ
ムシャフト等を示す一部破断の正面図である。
【図2】図1中のクランクシャフトおよびディスクホル
ダ等を油圧シリンダと共に示す斜視図である。
【図3】偏心ディスクをコントロールシャフト等と共に
示す図1中の矢示 III−III 方向からみた断面図であ
る。
【図4】油圧シリンダおよび制御弁装置等を示す断面図
である。
【図5】弁ケーシングのポートとランドとの関係を示す
図4中の矢示V−V方向からみた拡大断面図である。
【図6】図4中に示すコントロールユニット等の制御ブ
ロック図である。
【図7】クランクシャフト、カムシャフト、クランク角
センサおよびカム位置センサ等を示す説明図である。
【図8】クランク角センサおよびカム位置センサから出
力される基準信号を示す特性線図である。
【図9】コントロールユニットによるバルブタイミング
制御処理を示す流れ図である。
【図10】図9中の検出値演算処理を示す流れ図であ
る。
【図11】図9中の予測偏差演算処理を示す流れ図であ
る。
【図12】第1の実施例によるコントロールシャフトを
回動させるときの検出値、偏差演算値の変化特性を示す
特性線図である。
【図13】偏差に基づきコントロールシャフトを回動さ
せるときの検出値、偏差の変化特性を比較例として示す
特性線図である。
【図14】第2の実施例によるコントロールユニット等
の制御ブロック図である。
【図15】第2の実施例による偏差演算値の絶対値と変
化量との関係を示す特性線図である。
【図16】第2の実施例によるコントロールシャフトを
回動させるときの検出値、偏差演算値の変化特性を示す
特性線図である。
【図17】第3の実施例によるコントロールユニット等
の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 4 カムシャフト 7 偏心機構(回転位相可変手段) 10 コントロールシャフト 16 制御弁装置 28 コントロールユニット(制御手段) 29 偏差演算回路(偏差演算手段) 30,62 予測偏差演算回路(予測偏差演算手段) 31 制御信号設定回路(制御信号設定手段) 32 比例演算回路 36 検出時点判定回路(検出時点判定手段) 37 目標値設定回路(目標値設定手段) 38 作動量演算回路 39 クランク角センサ 40 カム位置センサ 61 補正値設定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F02D 41/04 320 F02D 45/00 335

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブタイミングを可変に制
    御するため、該内燃機関のクランクシャフトとカムシャ
    フトとの回転位相に位相差を生じさせる回転位相可変手
    段と、前記バルブタイミングを前記内燃機関の運転状態
    に対応して変化させるように、該回転位相可変手段を作
    動させるための目標値を設定する目標値設定手段と、前
    記クランクシャフトとカムシャフトとの位相差から前記
    回転位相可変手段の作動状態を検出する作動検出手段
    と、前記目標値設定手段による目標値と該作動検出手段
    による検出値とを用いて前記回転位相可変手段をフィー
    ドバック制御する制御手段とからなる内燃機関のバルブ
    タイミング制御装置において、 前記制御手段は、前記目標値設定手段による目標値と前
    記作動検出手段による検出値との偏差を演算する偏差演
    算手段と、 前記作動検出手段による検出値が更新されたか否かを判
    定する検出時点判定手段と、 該検出時点判定手段により前記検出値が更新されたと判
    定するまでの間、前記偏差演算手段による偏差よりも実
    偏差に近い値となる予測偏差を演算する予測偏差演算手
    段と、 前記検出時点判定手段により前記検出値が更新されたと
    判定したときには、前記回転位相可変手段をフィードバ
    ック制御する制御信号を前記偏差演算手段による偏差に
    従って設定し、前記検出時点判定手段により前記検出値
    が更新されたと判定するまでの間は、前記回転位相
    手段をフィードバック制御する制御信号を前記予測偏差
    演算手段による予測偏差に従って設定する制御信号設定
    手段とから構成したことを特徴とする内燃機関のバルブ
    タイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記予測偏差演算手段は、前記作動検出
    手段による検出値が更新されるまで、前記偏差演算手段
    による偏差を減少させる方向に向けて予測偏差を前記目
    標値が前回の目標値から変化した変化量よりも小さい
    定値分だけ順次加減算する構成としてなる請求項1に記
    載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記予測偏差演算手段は、予測偏差が減
    少するに従って段階 的に減少する補正値を設定する補正
    値設定回路が接続され、前記作動検出手段による検出値
    が更新されるまで、前記偏差演算手段による偏差を減少
    させる方向に向けて予測偏差を該補正値設定回路による
    補正値分だけ順次加減算する構成としてなる請求項1に
    記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御信号設定手段は、前記検出時点
    判定手段により前記検出値が更新されたと判定したとき
    に、前記偏差演算手段によって演算した偏差に対する比
    例演算を行い、前記検出値が更新されたと判定するまで
    の間は、前記予測偏差演算手段によって偏差を減少させ
    る方向に向けて演算した予測偏差に対する比例演算を行
    う比例演算手段を備える構成としてなる請求項1,2ま
    たは3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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