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JP2001254639A - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ特性制御装置

Info

Publication number
JP2001254639A
JP2001254639A JP2000065033A JP2000065033A JP2001254639A JP 2001254639 A JP2001254639 A JP 2001254639A JP 2000065033 A JP2000065033 A JP 2000065033A JP 2000065033 A JP2000065033 A JP 2000065033A JP 2001254639 A JP2001254639 A JP 2001254639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
valve
control
target value
learning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000065033A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Sanpei
和久 三瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000065033A priority Critical patent/JP2001254639A/ja
Publication of JP2001254639A publication Critical patent/JP2001254639A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】3次元カムを有して構成されるバルブリフト量
可変機構を通じてのリフト量保持制御をより好適に行
う。 【解決手段】電子制御ユニット(ECU)130によっ
て、エンジン11の運転状態にあったバルブリフト量が
目標値VLAとして算出される。吸気バルブ20のバル
ブ特性は、カムシャフト22の変位量を検出することに
より、検出値VLRとして検出される。ECU130に
よって、検出値VLAと目標値VLRとに基づいて、バ
ルブリフト量可変機構(22a,36)の制御量が駆動
デューティ比DVLとして算出され、該駆動デューティ
比DVLによってバルブリフト量可変機構(22a,3
6)が制御される。検出値VLRの変化量が「0」とな
っても、同検出値VLRと目標値VLAとの間に差が存
在する場合には、その時の駆動デューティ比DVLを保
持指令値KVLとして学習更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関のバルブ特
性制御装置に係り、詳しくは3次元カムを有して構成さ
れるバルブリフト量可変機構を備えた内燃機関のバルブ
特性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の各異なった運転条件下におい
てもその機関特性を好適に維持すべく、同機関の運転状
態に応じて機関バルブのバルブタイミングやバルブリフ
ト量等、そのバルブ特性を可変とする機構が従来より知
られている。
【0003】そして近年、上記バルブリフト量を可変と
する機構としては、カムシャフトを軸方向に変位可能に
設計し、カムシャフトに設けられたカムのカム山をその
軸方向の一端から他端へ連続的に変化するように形成し
た、いわゆる3次元カムを用いたものも提案されてい
る。このような3次元カムを用いたバルブリフト量可変
機構によれば、機関の運転状態に応じて、例えば油圧駆
動式のアクチュエータによりカムシャフトをその軸方向
に変位させることで、同バルブリフト量を連続的に変化
させることができるようになる。
【0004】一方、こうした3次元カムを有して構成さ
れるバルブリフト量可変機構を制御する装置としては、
例えば特開平11−72031号公報に記載された装置
が知られている。この装置では、吸気系のカムシャフト
に対して、その軸線方向へ直線状に延びる基準用被検出
部と同軸線方向に螺旋状に延びる移動量用被検出部との
2種の被検出部をそれぞれ設けるとともに、その近傍に
は、同カムシャフトの回転に伴う上記各被検出部の通過
に対応してパルスを発生する電磁ピックアップを設け
て、可変制御されるバルブリフト量を監視するようにし
ている。
【0005】すなわちこの場合、カムシャフトがその軸
線方向に移動することにより、上記基準用被検出部の通
過に対応して電磁ピックアップから発生されるパルスに
対する上記移動量用被検出部の通過に対応して同電磁ピ
ックアップから発生されるパルスの発生タイミングが変
化する。そこで、この発生タイミングの変化を監視する
ことで、カムシャフトの軸線方向への変位位置、すなわ
ちバルブリフト量を正確に検出することができるように
なる。そして同装置では、この検出されるバルブリフト
量が機関運転状態に応じて算出される同バルブリフト量
について目標値に収束されるように、カムシャフトの変
位位置をフィードバック制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記装置
によれば、バルブリフト量が正確に監視、検出されつ
つ、その検出される値をもとにしたバルブリフト量可変
機構のフィードバック制御が行われる。
【0007】ところで、上記検出されるバルブリフト量
が目標値に達した後、そのリフト量を維持するために
は、カムシャフトの変位位置を保持する保持制御が行わ
れる。ただし、カムシャフトの軸方向への変位を油圧駆
動式のアクチュエータによって行う同従来の装置にあっ
ては、この保持制御に際しての以下のような問題も無視
できないものとなっている。
【0008】すなわち通常、上記油圧駆動式のアクチュ
エータを構成する油圧制御弁等の出力特性には公差や経
時変化が含まれている。また、同出力特性は、機関運転
状態によっても異なる。すなわち、ポンプにより得られ
る油圧が、機関の回転速度や暖機状態に応じて異なるよ
うになり、その油圧の違いが、アクチュエータ各部材の
出力特性を変えてしまうようになる。このため、このよ
うな状況の中で上記保持制御を行ったとしても、油圧制
御弁に対する制御指令値とその実際の出力特性とが必ず
しも正確に対応するとは限らず、場合によっては、保持
位置にずれを生じたり、上記フィードバック制御に伴う
制御ハンチング等をも起こしかねないものとなってい
る。
【0009】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、3次元カムを有して構成されるバル
ブリフト量可変機構を通じてのリフト量保持制御をより
好適に行うことのできる内燃機関のバルブ特性制御装置
を提供することにある。
【0010】また本発明の目的は、上記保持制御に対
し、極めて望ましいかたちで学習制御の適合を図ること
のできる内燃機関のバルブ特性制御装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の発明は、カムプロフィールがカム軸方向に連
続的に変化する3次元カムが設けられたカムシャフトを
有し、油圧供給手段からの油圧供給に基づく同カムシャ
フトのカム軸方向への変位位置に応じて機関バルブのバ
ルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構と、
機関の運転状態に応じて前記バルブリフト量の目標値を
算出する目標値算出手段と、前記バルブリフト量を検出
する検出手段と、前記検出手段によって検出される検出
値が前記目標値算出手段によって算出される目標値近傍
となったときのバルブリフト量が保持されるように、前
記油圧供給手段による油圧供給を制御する保持制御手段
と、前記検出値がある状態を継続するとき、同検出値と
そのときの目標値とを比較して前記保持制御手段の制御
指令値を評価し、その評価に基づいて該制御指令値を修
正するための学習制御を行う学習制御手段とを備えるこ
とをその要旨とする。
【0012】上記構成によれば、保持制御手段に対する
制御指令値、すなわち保持指令値の評価のもとにこれを
学習更新するようにしたことで、油圧供給系の出力特性
に公差や経時変化等が含まる場合であっても、同保持指
令値として常に適切な値を得ることができるようにな
る。また、こうして適切な保持指令値に絶えず学習更新
されることで、保持制御に速やかに移行可能ともなる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記学習制御手段は、前記バルブリフト量
が相対的に小さくなる方向に前記バルブリフト量可変機
構を制御するための制御指令値をその学習初期値として
記憶する初期値記憶手段を備えて構成されることをその
要旨とする。
【0014】最初に開始された学習が一旦完了するまで
の間、または故障復帰後に学習が一旦完了するまでの間
で、保持制御の結果が不良となりバルブリフトが一時的
に過大な状態となることがある。そしてその場合には、
一時的に燃焼室における混合気の燃焼が不安定となり、
失火やエンジンストールの発生に至ることもある。
【0015】この点、上記構成によれば、保持指令値の
学習初期値として、バルブリフト量が相対的に小さくな
るようにバルブリフト量可変機構を制御するための指令
値を初期値記憶手段に確保するようにしたことで、この
問題を回避できるようになる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、当該機関の温度が所定温度以上の
ときにのみ、前記学習制御手段による学習値の更新を許
可する学習値更新許可手段を更に備えることをその要旨
とする。
【0017】機関温度(例えば油温や水温)に対する実
際の保持指令値は、低温側と高温側とで高く、中間温度
領域では低くなる傾向にある。この点、上記構成によれ
ば、学習制御による保持指令値の学習更新が、当該機関
の機関温度が所定温度以上のときにのみ許容されるた
め、所定温度以上、すなわち高温側でのみその学習更新
が許容された保持指令値は、低温側においてもその実際
の保持指令値と近似したものとなる。したがって、次回
の始動時又は冷間時において用いられる保持指令値も適
正な値となる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の発明において、前記算出されるバルブリ
フト量の目標値が前記バルブリフト量可変機構の可変限
度近傍となるとき、前記学習制御手段による学習値の更
新を禁止する禁止手段を更に備えることをその要旨とす
る。
【0019】バルブリフト可変機構の可変限界近傍にお
いては、機構上の制約から同機構が一旦動かなくなるこ
とがある。しかも、各バルブリフト量可変機構にはそれ
ぞれ個体差が存在するために、かかるバルブリフト量の
制御幅にバラツキが生じ得る。したがって、同可変限界
近傍においては、学習制御手段によって適切でない保持
指令値が学習されてしまうおそれがある。
【0020】この点、上記構成によれば、バルブリフト
量可変機構の可変限度近傍において、学習制御手段によ
る学習値の更新を禁止する禁止手段を設けることで、上
述した問題を回避することができるようになる。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の発明において、前記算出されるバルブリ
フト量の目標値が前記バルブリフト量可変機構の可変限
度近傍となるとき、前記学習制御手段による学習値の更
新を制限する制限手段を更に備えることをその要旨とす
る。
【0022】バルブリフト可変機構の可変限界近傍にお
いて学習制御手段による学習が適切なものでなくなるお
それがあることは上述したとおりであるが、上記構成に
よれば、バルブリフト量可変機構の可変限度近傍におい
て、学習制御手段による学習値の更新を制限する制限手
段を設けることで、こうした問題を回避しつつ学習制御
を行うことができるようになる。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の発明において、前記学習制御手段は、当
該機関の冷間域と温間域との各別の温度域において各別
に学習値の更新を行うものであり、その中間の温度域に
ついては、それら学習値の補間を行うことをその要旨と
する。
【0024】リフト量可変アクチュエータの作動に油圧
駆動式のアクチュエータを用いる場合には、作動油の温
度によってその粘性係数が変化するなどの理由から、保
持指令値も当該機関の温度によって異なったものとな
る。
【0025】この点、上記構成によれば、学習制御手段
による保持指令値の修正を、当該機関の冷間域と当該機
関の温間域とに分けて行うようにすることで、同冷間域
と温間域とでバルブリフト量制御を好適に行うことがで
きるようになる。また、上記冷間域と前記温間域との中
間の領域における保持指令値として、上記2つの領域に
おける保持指令値を補間した値を算出することで、この
中間領域においてもバルブリフト量制御を好適に行うこ
とができる。
【0026】請求項7記載の発明は、カムプロフィール
がカム軸方向に連続的に変化する3次元カムが設けられ
たカムシャフトを有し、第1の油圧供給手段からの油圧
供給に基づく同カムシャフトのカム軸方向への変位位置
に応じて機関バルブのバルブリフト量を可変とするバル
ブリフト量可変機構と、第2の油圧供給手段からの油圧
供給に基づく前記カムシャフトと機関出力軸との相対回
転位相の変更に応じて前記機関バルブのバルブタイミン
グを可変とするバルブタイミング可変機構と、機関の運
転状態に応じて前記バルブリフト量の目標値を算出する
第1の目標値算出手段と、前記バルブリフト量を検出す
る第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出
される第1検出値が前記目標値算出手段によって算出さ
れる目標値近傍となったときのバルブリフト量が保持さ
れるように、前記油圧供給手段による油圧供給を制御す
る第1の保持制御手段と、前記第1検出値がある状態を
継続するとき、同第1検出値とそのときの目標値とを比
較して前記第1の保持制御手段の制御指令値を評価し、
その評価に基づいて該制御指令値を修正するための学習
制御を行う第1の学習制御手段と、機関の運転状態に応
じて前記バルブタイミングの目標値を算出する第2の目
標値算出手段と、前記バルブタイミングを検出する第2
の検出手段と、前記第2の検出手段によって検出される
第2検出値が前記第2の目標値算出手段によって算出さ
れる目標値近傍となったときのバルブタイミングが保持
されるように、前記油圧供給手段による油圧供給を制御
する第2の保持制御手段と、前記第2検出値がある状態
を継続するとき、同第2検出値とそのときの目標値とを
比較して前記第2の保持制御手段の制御指令値を評価
し、その評価に基づいて該制御指令値を修正するための
学習制御を行う第2の学習制御手段とを備え、前記バル
ブリフト量可変機構の学習制御時には前記バルブタイミ
ング可変機構を固定制御し、前記バルブタイミング可変
機構の学習制御時には前記バルブリフト量可変機構を固
定制御することをその要旨とする。
【0027】通常、上記可変動弁機構によれば、請求項
1に記載した3次元カムを用いた可変動弁機構と、上記
構成にてバルブタイミングを可変とするバルブタイミン
グ可変機構とを組み合わせて用いる場合には、上記保持
指令値の学習制御を正確に行うことが困難となることが
ある。
【0028】この点、上記構成によれば、上記2つの機
構の保持指令値の学習制御を行う際、学習制御の対象と
ならない側の機構を強制的に固定制御することで、これ
ら各機構の保持指令値の学習制御を正確に行うことがで
きるようになる。
【0029】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記バルブリフト量可変機構の学習制御時
における前記バルブタイミング可変機構の固定制御は、
前記バルブタイミングの最遅角側にて行われ、前記バル
ブタイミング可変機構の学習制御時における前記バルブ
リフト量可変機構の固定制御は、前記バルブリフト量の
最低リフト側にて行われることをことをその要旨とす
る。
【0030】上記構成によれば、バルブリフト量可変機
構の学習制御時にバルブタイミングを最遅角側にて、ま
た、バルブタイミング可変機構の学習制御時にバルブリ
フト量を最低リフト量側にて、固定制御することで、学
習制御時にバルブオーバーラップ量が過大になることを
好適に回避することができるようになる。
【0031】請求項9記載の発明は、カムプロフィール
がカム軸方向に連続的に変化する3次元カムが設けられ
たカムシャフトを有し、第1の油圧供給手段からの油圧
供給に基づく同カムシャフトのカム軸方向への変位位置
に応じて機関バルブのバルブリフト量を可変とするバル
ブリフト量可変機構と、第2の油圧供給手段からの油圧
供給に基づく前記カムシャフトと機関出力軸との相対回
転位相の変更に応じて前記機関バルブのバルブタイミン
グを可変とするバルブタイミング可変機構と、機関の運
転状態に応じて前記バルブリフト量の目標値を算出する
第1の目標値算出手段と、前記バルブリフト量を検出す
る第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出
される第1検出値が前記目標値算出手段によって算出さ
れる目標値近傍となったときのバルブリフト量が保持さ
れるように、前記油圧供給手段による油圧供給を制御す
る第1の保持制御手段と、前記第1検出値がある状態を
継続するとき、同第1検出値とそのときの目標値とを比
較して前記第1の保持制御手段の制御指令値を評価し、
その評価に基づいて該制御指令値を修正するための学習
制御を行う第1の学習制御手段と、機関の運転状態に応
じて前記バルブタイミングの目標値を算出する第2の目
標値算出手段と、前記バルブタイミングを検出する第2
の検出手段と、前記第2の検出手段によって検出される
第2検出値が前記第2の目標値算出手段によって算出さ
れる目標値近傍となったときのバルブタイミングが保持
されるように、前記油圧供給手段による油圧供給を制御
する第2の保持制御手段と、前記第2検出値がある状態
を継続するとき、同第2検出値とそのときの目標値とを
比較して前記第2の保持制御手段の制御指令値を評価
し、その評価に基づいて該制御指令値を修正するための
学習制御を行う第2の学習制御手段とを備え、前記第1
の学習制御手段による学習制御が正常になされることを
条件に前記第2の学習制御手段による学習制御を行うこ
とをその要旨とする。
【0032】上記構成によれば、バルブリフト量可変機
構の学習制御が優先して実行されることで、同バルブリ
フト量可変機構を通じた保持制御についての早期の安定
化が図られるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関のバルブ
特性制御装置を具体化した一実施形態について図1〜図
8に従って説明する。
【0034】図1には内燃機関として直列4気筒の車載
用ガソリンエンジン(以下、単に「エンジン」という)
11が示されている。エンジン11は、往復移動するピ
ストン12が設けられたシリンダブロック13と、シリ
ンダブロック13の下側に設けられたオイルパン13a
と、シリンダブロック13の上側に設けられたシリンダ
ヘッド14とを備えている。
【0035】このエンジン11の下部には出力軸である
クランクシャフト15が回転可能に支持され、同クラン
クシャフト15にはコンロッド16を介してピストン1
2が連結されている。そして、ピストン12の往復移動
は、コンロッド16によって、クランクシャフト15の
回転へと変換されるようになっている。また、ピストン
12の上側には燃焼室17が設けられ、この燃焼室17
には吸気通路18および排気通路19が接続されてい
る。そして、吸気通路18と燃焼室17とは吸気バルブ
20により連通・遮断され、排気通路19と燃焼室17
とは排気バルブ21により連通・遮断されるようになっ
ている。
【0036】一方、シリンダヘッド14には、吸気側カ
ムシャフト22および排気側カムシャフト23が平行に
設けられている。吸気側カムシャフト22は回転可能か
つ軸方向へ移動可能にシリンダヘッド14上に支持され
ており、排気側カムシャフト23は回転可能であるが軸
方向には移動不可能にシリンダヘッド14上に支持され
ている。
【0037】吸気側カムシャフト22の一端部には、タ
イミングプーリ24aを備えたバルブタイミング可変ア
クチュエータ24が設けられ、他端部には吸気側カムシ
ャフト22を軸方向へ移動させるためのリフト量可変ア
クチュエータ22aが設けられている。また、排気側カ
ムシャフト23の一端部にはタイミングプーリ25が取
り付けられている。このタイミングプーリ25およびバ
ルブタイミング可変アクチュエータ24のタイミングプ
ーリ24aは、タイミングベルト26を介して、クラン
クシャフト15に取り付けられたプーリ15aに連結さ
れている。そして、駆動側回転軸としてのクランクシャ
フト15の回転がタイミングベルト26を介して、従動
側回転軸としての吸気側カムシャフト22および排気側
カムシャフト23に伝達されることによって、それら吸
気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23が
クランクシャフト15の回転に同期して回転するように
なっている。
【0038】吸気側カムシャフト22には、吸気バルブ
20の上端に当接する吸気カム27が設けられ、排気側
カムシャフト23には、排気バルブ21の上端に当接す
る排気カム28が設けられている。そして、吸気側カム
シャフト22が回転すると、吸気カム27により吸気バ
ルブ20が開閉駆動され、排気側カムシャフト23が回
転すると、排気カム28により排気バルブ21が開閉駆
動されるようになっている。
【0039】ここで、排気カム28のカムプロフィール
は排気側カムシャフト23の軸方向に対して一定となっ
ているが、吸気カム27のカムプロフィールは、図2に
示すごとく吸気側カムシャフト22の軸方向に連続的に
変化している。すなわち、吸気カム27は前述した3次
元カムとして構成されている。
【0040】そして、吸気側カムシャフト22が矢印A
方向へ移動すると、吸気カム27による吸気バルブ20
のバルブリフト量が徐々に大きくなるとともに、吸気バ
ルブ20の開弁時間が徐々に長くなる。また、矢印A方
向とは逆方向に吸気側カムシャフト22が移動すると、
吸気カム27による吸気バルブ20のバルブリフト量が
徐々に小さくなるとともに、吸気バルブ20の開弁時間
が徐々に短くなる。したがって、吸気側カムシャフト2
2をその軸方向へ移動させることにより、吸気バルブ2
0の開弁時間およびバルブリフト量の調整を行うことが
できる。
【0041】なお、本実施形態にかかるバルブリフト量
可変機構は、上記リフト量可変アクチュエータ22a及
び、第1のオイルコントロールバルブ(OCV)36を
備えて構成される。
【0042】次に、吸気側カムシャフト22をその軸方
向へ移動させるためのリフト量可変アクチュエータ22
a、および、そのリフト量可変アクチュエータ22aを
油圧により駆動するための給油構造について図3に基づ
き説明する。
【0043】図3に示すように、リフト量可変アクチュ
エータ22aは、筒状をなすシリンダチューブ31と、
シリンダチューブ31内に設けられたピストン32と、
シリンダチューブ31の両端開口部を塞ぐように設けら
れた一対のエンドカバー33とから構成されている。こ
のシリンダチューブ31はシリンダヘッド14に固定さ
れている。
【0044】ピストン32には一方のエンドカバー33
を貫通した補助シャフト33aを介して吸気側カムシャ
フト22が連結されている。なお補助シャフト33aと
吸気側カムシャフト22との間は転がり軸受33bが介
在し、リフト量可変アクチュエータ22aは、回転する
吸気側カムシャフト22を補助シャフト33aと転がり
軸受33bとを介して回転軸方向に円滑に駆動できるよ
うにしている。
【0045】シリンダチューブ31内は、ピストン32
により第1圧力室31aおよび第2圧力室31bに区画
されている。 第1圧力室31aには、一方のエンドカ
バー33に形成された第1給排通路34が接続され、第
2圧力室31bには、他方のエンドカバー33に形成さ
れた第2給排通路35が接続されている。
【0046】そして、第1給排通路34または第2給排
通路35を介して、第1圧力室31aと第2圧力室31
bとに対し選択的に作動油を供給すると、ピストン32
は吸気側カムシャフト22の軸方向へ移動する。このピ
ストン32の移動に伴い、吸気側カムシャフト22もそ
の軸方向へ移動する。
【0047】第1給排通路34および第2給排通路35
は、第1のオイルコントロールバルブ36に接続されて
いる。この第1のオイルコントロールバルブ36には供
給通路37および排出通路38が接続されている。そし
て、供給通路37はクランクシャフト15の回転に伴っ
て駆動されるオイルポンプPを介して前記オイルパン1
3aに接続されており、排出通路38はオイルパン13
aに直接接続されている。
【0048】第1のオイルコントロールバルブ36はケ
ーシング39を備え、ケーシング39には、第1給排ポ
ート40、第2給排ポート41、第1排出ポート42、
第2排出ポート43、および供給ポート44が設けられ
ている。これら第1給排ポート40には第2給排通路3
5が接続され、第2給排ポート41には第1給排通路3
4が接続されている。更に、供給ポート44には上記供
給通路37が接続され、第1排出ポート42および第2
排出ポート43には上記排出通路38が接続されてい
る。また、ケーシング39内には、4つの弁部45を有
してコイルスプリング46および電磁ソレノイド47に
よりそれぞれ逆の方向に付勢されるスプール48が設け
られている。
【0049】そして、電磁ソレノイド47の消磁状態に
おいては、スプール48がコイルスプリング46の弾性
力によりケーシング39の一端側(図3における右側)
に配置されて、第1給排ポート40と第1排出ポート4
2とが連通し、第2給排ポート41と供給ポート44と
が連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動
油が供給通路37、第1のオイルコントロールバルブ3
6および第1給排通路34を介して、第1圧力室31a
へ供給される。また、第2圧力室31b内にあった作動
油が第2給排通路35、第1のオイルコントロールバル
ブ36および排出通路38を介してオイルパン13a内
へ戻される。その結果、ピストン32および吸気側カム
シャフト22が矢印Aと逆方向へ移動する。
【0050】一方、電磁ソレノイド47が励磁されたと
きには、スプール48がコイルスプリング46の弾性力
に抗してケーシング39の他端側(図3において左側)
に配置されて、第2給排ポート41が第2排出ポート4
3と連通し、第1給排ポート40が供給ポート44と連
通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が
供給通路37、第1のオイルコントロールバルブ36お
よび第2給排通路35を介して第2圧力室31bへ供給
される。また、第1圧力室31a内にあった作動油が第
1給排通路34、第1のオイルコントロールバルブ36
および排出通路38を介してオイルパン13a内に戻さ
れる。その結果、ピストン32および吸気側カムシャフ
ト22が矢印A方向へ移動する。
【0051】更に、電磁ソレノイド47への給電を制御
し、スプール48をケーシング39の中間に位置させる
と、第1給排ポート40および第2給排ポート41が閉
塞され、それら給排ポート40,41を通じての作動油
の移動が禁止される。この状態では、第1圧力室31a
および第2圧力室31bに対して作動油の給排が行われ
ず、第1圧力室31aおよび第2圧力室31b内に作動
油が充填保持されて、ピストン32および吸気側カムシ
ャフト22が固定される。
【0052】次に、吸気バルブ20の開閉タイミングを
調整するための上記バルブタイミング可変アクチュエー
タ24について図4に基づき詳しく説明する。図4に示
すように、バルブタイミング可変アクチュエータ24は
タイミングプーリ24aを備える。このタイミングプー
リ24aは吸気側カムシャフト22が貫通する筒部51
と、筒部51の外周面から突出する円板部52と、円板
部52の外周面に設けられた複数の外歯53とを備えて
いる。上記タイミングプーリ24aの筒部51は、シリ
ンダヘッド14の軸受部14aに回転可能に支持されて
いる。そして、吸気側カムシャフト22は、その軸方向
へ摺動して移動できるように筒部51を貫通している。
【0053】また、吸気側カムシャフト22の先端部を
覆うように設けられたインナギヤ54が、ボルト55に
より固定されている。このインナギヤ54は図5に示す
ごとく、斜歯の大径ギヤ部54aと、同じく斜歯の小径
ギヤ部54bとが2段に形成された構成をなしている。
【0054】更に、インナギヤ54の小径ギヤ部54b
には、斜歯の外歯56aと同じく斜歯の内歯56bとを
備えたサブギヤ56が、その内歯56bにて、図4に示
すごとく噛み合わされている。この噛み合せの際には、
インナギヤ54とサブギヤ56との間にリング状のスプ
リングワッシャ57が配置され、サブギヤ56をインナ
ギヤ54から離すように軸方向に付勢している。なお、
インナギヤ54とサブギヤ56との外径は同一であり、
それぞれその斜歯の斜度は、以下に説明するベーンロー
タ61の対応する箇所に設けられたヘリカルスプライン
61bに結合可能な斜度となっている。
【0055】タイミングプーリ24aの円板部52に
は、複数のボルト58(ここでは4本のボルト)によ
り、ハウジング59と、ハウジング59の内部の内、後
述する第1圧力室70および第2圧力室71とを密閉す
るカバー60とが取り付けられている。なお、カバー6
0の中心には、後述する円筒状空間61cを開放して吸
気側カムシャフト22の軸方向への摺動を円滑に行うた
めの穴部60aが設けられている。
【0056】図6に、上記ボルト58、カバー60およ
びボルト55を取り外してハウジング59の内部を図4
において左から見た状態を示す。なお、図4のバルブタ
イミング可変アクチュエータ24は、図6におけるB−
B線での断面状態を示している。
【0057】同図6に示されるように、ハウジング59
は、内周面59aから中心方向に向かって突出する複数
の壁部62,63,64,65(ここでは4つ)を備え
ている。そして、その壁部62,63,64,65の先
端面に対して、外周面61aにて接する円盤状のベーン
ロータ61が回動可能に配置されている。
【0058】円盤状のベーンロータ61の中心部には円
筒状空間61c(図4)が形成されており、特に本実施
形態にあって、その内周面全体には、吸気側カムシャフ
ト22の軸方向に対して所定の捩れ角を持つヘリカルス
プライン61bが形成されている。斜歯からなる前述し
たインナギヤ54の大径ギヤ部54aとサブギヤ56の
外歯56aとは共にこのヘリカルスプライン61bに噛
み合わされている。このヘリカルスプライン61bの捩
れ角については、後にその角度設定態様並びに作用につ
いての詳細な説明を行う。
【0059】一方、これも斜歯からなる前述したサブギ
ヤ56の内歯56bとインナギヤ54の小径ギヤ部54
bとの噛み合わせと、スプリングワッシャ57との作用
によれば、インナギヤ54の大径ギヤ部54aとサブギ
ヤ56の外歯56aとは相対的に逆方向に回動する付勢
力を生じるようになる。このため、ヘリカルスプライン
61bとギヤ54,56との間のバックラッシュが吸収
され、ベーンロータ61に対してインナギヤ54を高精
度に配置することができると共に、その打音も抑制され
るようになる。
【0060】また、円盤状のベーンロータ61は、その
外周面61aに、壁部62,63,64,65の間の空
間に突出して、先端をハウジング59の内周面59aに
接しているベーン66,67,68,69を備えてい
る。これらのベーン66,67,68,69が壁部6
2,63,64,65間の空間を区画することにより、
第1圧力室70と第2圧力室71とを形成している。
【0061】上述した構成のバルブタイミング可変アク
チュエータ24において、エンジンの駆動によりクラン
クシャフト15が回転し、その回転がタイミングベルト
26を介してタイミングプーリ24aに伝達されると、
タイミングプーリ24aおよび吸気側カムシャフト22
が、調整されている回転位相差状態で一体に回転する。
この吸気側カムシャフト22の回転に伴なって吸気バル
ブ20(図1)が開閉駆動されることは、前述したとお
りである。
【0062】そして、エンジン11の駆動時に、第1圧
力室70および第2圧力室71に対する油圧制御によ
り、ハウジング59に対してベーンロータ61を回転方
向に相対的に回動させると、すなわち吸気側カムシャフ
ト22をクランクシャフト15に対し進角する側に回転
位相差の調整制御を行うと、吸気バルブ20の開閉タイ
ミングは早くなる。
【0063】また、逆に、ハウジング59に対してベー
ンロータ61を回転方向とは逆方向に相対的に回動させ
ると、すなわち吸気側カムシャフト22をクランクシャ
フト15に対し遅角する側に回転位相差の調整制御を行
うと、吸気バルブ20の開閉タイミングは遅くなる。
【0064】なお、吸気バルブ20は、通常、エンジン
11の低回転時に開閉タイミングが遅らされ、エンジン
11の高回転時には開閉タイミングが早められる。これ
はエンジン11の低回転時にはエンジン回転の安定を図
るとともに、エンジン11の高回転時には燃焼室17へ
の混合ガスの吸入効率を向上させるためである。
【0065】次に、バルブタイミング可変アクチュエー
タ24にあって、吸気バルブ20の開閉タイミングを調
整するための、ハウジング59とベーンロータ61間の
回転位相差を油圧制御する構造について説明する。
【0066】図6に示されるように、ハウジング59の
内部に突出する各壁部62〜65の第1圧力室70側に
は、それぞれ進角用油路開口部80が開口し、各壁部6
2〜65の第2圧力室71側には、それぞれ遅角用油路
開口部81が開口している。また、進角用油路開口部8
0に接する各壁部62〜65の内で円板部52(図4)
側には、ベーン66〜69が進角用油路開口部80を塞
いでいても、ベーンロータ61が進角方向に回動する油
圧を与えることができるように、凹部62a〜65aが
設けられている。同様に、遅角用油路開口部81に接す
る各壁部62〜65の内で円板部52(図4)側には、
ベーン66〜69が遅角用油路開口部81を塞いでいて
も、ベーンロータ61が遅角方向に回動する油圧を与え
ることができるように、凹部62b〜65bが設けられ
ている。
【0067】一方、図4に示されるように、各進角用油
路開口部80は、円板部52内の進角制御油路84、筒
部51内の進角制御油路86,88により、筒部51の
一方の外周溝51aに接続されている。また、各遅角用
油路開口部81は、円板部52内の遅角制御油路85、
筒部51内の遅角制御油路87,89により、筒部51
の他方の外周溝51bに接続されている。
【0068】また、筒部51内の遅角制御油路87から
分岐した潤滑油路90は筒部51の内周面51cに設け
られた幅広の内周溝91に接続している。このことによ
り、遅角制御油路87内を流れる作動油を、筒部51の
内周面51cと吸気側カムシャフト22の端部外周面2
2bに潤滑油として導く。
【0069】筒部51の一方の外周溝51aは、シリン
ダヘッド14内の進角制御油路92を介して第2のオイ
ルコントロールバルブ94に接続され、筒部51の他方
の外周溝51bはシリンダヘッド14内の遅角制御油路
93を介して第2のオイルコントロールバルブ94に接
続されている。
【0070】第2のオイルコントロールバルブ94に
は、供給通路95および排出通路96が接続されてい
る。そして、供給通路95は第1のオイルコントロール
バルブ36にて用いたと同一のオイルポンプPを介して
オイルパン13aに接続しており、排出通路96はオイ
ルパン13aに直接接続している。したがって、オイル
ポンプPは、オイルパン13aから二つの供給通路3
7,95へ作動油を送り出すようになっている。
【0071】第2のオイルコントロールバルブ94は第
1のオイルコントロールバルブ36と同様に構成され、
ケーシング102、第1給排ポート104、第2給排ポ
ート106、弁部107、第1排出ポート108、第2
排出ポート110、供給ポート112、コイルスプリン
グ114、電磁ソレノイド116、およびスプール11
8を備えている。そして、第1給排ポート104にはシ
リンダヘッド14内の遅角制御油路93が接続され、第
2給排ポート106にはシリンダヘッド14内の進角制
御油路92が接続されている。また、供給ポート112
には供給通路95が接続され、第1排出ポート108お
よび第2排出ポート110には排出通路96が接続され
ている。
【0072】したがって、電磁ソレノイド116の消磁
状態においては、スプール118がコイルスプリング1
14の弾性力によりケーシング102の一端側(図4に
おいて右側)に配置されて、第1給排ポート104と第
1排出ポート108とが連通し、第2給排ポート106
が供給ポート112と連通する。この状態では、オイル
パン13a内の作動油が、供給通路95、第2のオイル
コントロールバルブ94、進角制御油路92、外周溝5
1a、進角制御油路88、進角制御油路86、進角制御
油路84、進角用油路開口部80、および凹部62a,
63a,64a,65aを介して、バルブタイミング可
変アクチュエータ24の第1圧力室70へ供給される。
また、バルブタイミング可変アクチュエータ24の第2
圧力室71内にあった作動油は、凹部62b,63b,
64b,65b、遅角用油路開口部81、遅角制御油路
85、遅角制御油路87、遅角制御油路89、外周溝5
1b、遅角制御油路93、第2のオイルコントロールバ
ルブ94、および排出通路96を介してオイルパン13
a内へ戻される。その結果、ベーンロータ61がハウジ
ング59に対して進角方向へ相対回動し、前述したよう
に吸気バルブ20の開閉タイミングが早められる。
【0073】一方、電磁ソレノイド116が励磁された
ときには、スプール118がコイルスプリング114の
弾性力に抗してケーシング102の他端側(図4におい
て左側)に配置されて、第2給排ポート106が第2排
出ポート110と連通し、第1給排ポート104が供給
ポート112と連通する。この状態では、オイルパン1
3a内の作動油が、供給通路95、第2のオイルコント
ロールバルブ94、遅角制御油路93、外周溝51b、
遅角制御油路89、遅角制御油路87、遅角制御油路8
5、遅角用油路開口部81、および凹部62b,63
b,64b,65bを介してバルブタイミング可変アク
チュエータ24の第2圧力室71へ供給される。また、
バルブタイミング可変アクチュエータ24の第1圧力室
70内にあった作動油は、凹部62a,63a,64
a,65a、進角用油路開口部80、進角制御油路8
4、進角制御油路86、進角制御油路88、外周溝51
a、進角制御油路92、第2のオイルコントロールバル
ブ94、および排出通路96を介してオイルパン13a
内へ戻される。その結果、ベーンロータ61がハウジン
グ59に対して遅角方向へ相対回動し、前述したように
吸気バルブ20の開閉タイミングが遅くされる。
【0074】更に、電磁ソレノイド116への給電を制
御し、スプール118をケーシング102の中間に位置
させると、第1給排ポート104および第2給排ポート
106が閉塞され、それら給排ポート104,106を
通じての作動油の移動が禁止される。この状態では、バ
ルブタイミング可変アクチュエータ24の第1圧力室7
0あるいは第2圧力室71に対して作動油の給排が行わ
れず、第1圧力室70および第2圧力室71内には作動
油が充填保持されて、ベーンロータ61はハウジング5
9に対する相対回動は停止する。その結果、吸気バルブ
20の開閉タイミングは、ベーンロータ61が固定され
たときの状態に保持される。
【0075】なお、本実施形態のバルブタイミング可変
機構は、バルブタイミング可変アクチュエータ24や、
第2のオイルコントロールバルブ(OCV)94を備え
て構成される。
【0076】上述したリフト量可変機構及びバルブタイ
ミング可変機構にあっては、それぞれOCV36及びO
CV94が電子制御ユニット(以下「ECU」という)
130を通じて駆動制御され、その制御により吸気バル
ブ20の開閉特性が変更される。このECU130は図
1に示されるように、CPU132、ROM133、R
AM134およびバックアップRAM135等を備える
論理演算回路として構成されている。
【0077】ここで、ROM133は各種制御プログラ
ムや、その各種制御プログラムを実行する際に参照され
るテーブルやマップ等が記憶されるメモリである。CP
U132はROM133に記憶された各種制御プログラ
ムに基づいて制御に必要な演算処理を実行する。また、
RAM134はCPU132での演算結果や各センサか
ら入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであ
り、バックアップRAM135はエンジン11の停止時
に保存すべきデータを記憶する不揮発性のメモリであ
る。そして、CPU132、ROM133、RAM13
4およびバックアップRAM135は、バス136を介
して互いに接続されるとともに、外部入力回路137お
よび外部出力回路138と接続されている。
【0078】外部入力回路137には、水温センサ12
7、図示しない吸気圧センサ及びスロットルセンサ等、
エンジン11の運転状態を検出するための各種センサ
と、クランク角センサ123およびカム角センサ126
が接続されている。また、外部出力回路138には、O
CV36およびOCV94が接続されている。
【0079】本実施形態では、こうした構成のECU1
30を通じて、吸気バルブ20のバルブ特性制御が行わ
れるが、特に、前述したヘリカルスプライン61bの捩
れ角の設定により、図2に例示した3次元カムを用いる
場合であっても、吸気側カムシャフト22を軸方向に変
位させたときに、吸気バルブ20の開弁時期は一定で、
閉弁時期のみが変化するようにしている。
【0080】これにより、リフト量可変アクチュエータ
とバルブタイミング可変アクチュエータ24とを組み合
わせてよりきめ細かなバルブ特性制御を行おうとした
際、生ずる次の問題を回避するようにしている。すなわ
ち、バルブタイミングを正確に決定するためには、同バ
ルブタイミング可変アクチュエータ24を制御するだけ
では不十分で、リフト特性を決める上記リフト量可変ア
クチュエータ22aの作動状況をも考慮する必要が生
じ、それらアクチュエータによる制御量の適合が煩雑と
なるという問題である。
【0081】そこで、本実施形態においては、上述した
ヘリカルスプライン61bを用い、その捩れ角を上述し
たバルブリフト量が最大のときの吸気弁の開弁時期とバ
ルブリフト量が最小のときの吸気弁の開弁時期とのクラ
ンク角度差に設置することによって、上記問題を回避す
るようにしている。
【0082】これにより、吸気バルブ20のバルブ特性
制御において、同吸気バルブ20の開弁時期制御に関し
てはバルブタイミング可変機構を、また同吸気バルブ2
0のバルブリフト量に関してはバルブリフト量可変機構
を、それぞれ独立に制御することで、それらバルブ特性
を所望の値に制御することができる。
【0083】ところで、上記ECU130によるバルブ
リフト量可変機構及びバルブタイミング可変機構の制御
にかかるバルブ特性は、上述したカム角センサ126及
びクランク角センサ123の検出結果に基づいて算出さ
れる。ここで、吸気側カムシャフト22の軸線方向への
吸気カム27の移動位置、及び、クランクシャフト15
に対する吸気側カムシャフト22の相対回転位相の変化
量を検出するための構造について、図1及び図7及び図
8を用いて説明する。
【0084】図1に示すように、クランクシャフト15
において、プーリ15aと反対側の端部の外周面には、
磁性体からなる一対のクランク側被検出部123aが突
設され、そのクランクシャフト15の端部の近傍にはク
ランク角センサ123が設けられている。又、吸気側カ
ムシャフト22において、バルブタイミング可変アクチ
ュエータ24と反対側の端部の外周面には、これも磁性
体からなる一対の基準用被検出部126a及び一つの移
動量用被検出部126bが突設され、その吸気側カムシ
ャフト22の端部の近傍にはカム角センサ126が設け
られている。
【0085】上記一対のクランク側被検出部123aは
図7(a),(b)に示すようにクランクシャフト15
の軸線方向へ直線状に延び、それらクランク側被検出部
123aにおけるクランクシャフト15の軸線を中心と
した角度間隔は180°となっている。そして、クラン
クシャフト15が回転すると、一対のクランク側被検出
部123aは、クランク角センサ123に対しクランク
シャフト15の回転方向へすれ違う。クランク側被検出
部123aとクランク角センサ123とがすれ違うと、
クランク角センサ123には電流が誘起され、それがパ
ルス信号として同センサ123から出力されるようにな
る。
【0086】又、図8(a),(b)に示すように、上
記一対の基準用被検出部126aは吸気側カムシャフト
22の軸線方向へ直線状に延び、それら基準用被検出部
126aにおける吸気側カムシャフト22の軸線を中心
とした角度間隔は180°となっている。吸気側カムシ
ャフト22の外周面において、一対の基準用被検出部1
26aの間に対応する位置には移動量用被検出部126
bが設けられ、同移動量用被検出部126bは吸気側カ
ムシャフト22の軸線方向へ螺旋状に延びている。そし
て、吸気側カムシャフト22が回転すると、一対の基準
用被検出部126a及び一つの移動量用被検出部126
bは、カム角センサ126に対し吸気側カムシャフト2
2の回転方向へすれ違う。カム角センサ126と基準用
被検出部126a及び移動量用被検出部126bとがす
れ違うと、カム角センサ126には電流が誘起され、そ
れがパルス信号として同センサ126から出力されるよ
うになる。
【0087】次に、本実施形態におけるバルブ特性制御
装置の電気的構成を図1を参照して説明する。このバル
ブ特性制御装置にあっては、上記第1のOCV36及び
第2のOCV94が電子制御ユニット(以下「ECU」
という)130を通じて駆動制御され、その制御により
吸気バルブ20の開閉特性が変更される。このECU1
30は、ROM133、CPU132、RAM134及
びバックアップRAM135等を備える理論演算回路と
して構成されている。
【0088】ここで、ROM133は各種制御プログラ
ムや、その各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されるメモリである。CPU132は
ROM133に記憶された各種制御プログラムに基づい
て所望される演算処理を実行する。又、RAM135は
CPU132での演算結果や各センサから入力されたデ
ータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップ
RAM135はエンジン11の停止時に保存すべきデー
タを記憶する不揮発性のメモリである。そして、ROM
133、CPU132、RAM134及びバックアップ
RAM135は、バス136を介して互いに接続される
とともに、外部入力回路137及び外部出力回路138
と接続されている。
【0089】外部入力回路137には、図示しない、エ
ンジン11の回転数NEを検出する回転数センサ、同エ
ンジン11の吸気圧PMを検出する吸気圧センサ、エン
ジン11の水温TAを検出する水温センサ及びスロット
ルセンサ等、エンジン11の運転状態を検出するための
各種センサと、上記クランク角センサ123及びカム角
センサ126が接続されている。又、外部出力回路13
8には、前記第1のOCV36及び第2のOCV94が
接続されている。
【0090】本実施形態では、こうした構成のECU1
30を通じて、吸気バルブ20のバルブ特性制御が行わ
れる。即ち、ECU130は、エンジン11の運転状態
を検出するための図示しない各種センサからの検出信号
に基づき第2のOCV94を駆動制御し、吸気バルブ2
0がエンジン11の運転状態に適した開閉タイミング
(目標値VVA)となるようバルブタイミング可変アク
チュエータ24を作動させる。又、ECU130は上記
各種センサからの検出信号に基づき第1のOCV36を
駆動制御し、吸気バルブ20の開弁時間及びバルブリフ
ト量がエンジン11の運転状態に適した値(目標値VL
A)となるようにリフト量可変アクチュエータ22aを
作動させる。
【0091】一方、ECU130は、クランク角センサ
123及びカム角センサ126からのパルス信号を入力
する。即ち、クランクシャフト15の回転に同期して、
クランク角センサ123は一対のクランク側被検出部1
23aに対応した等間隔のパルスP1を発生する。又、
吸気側カムシャフト22の回転に同期して、カム角セン
サ126は一対の基準用被検出部126aに対応したパ
ルスP2と、一つの移動量用被検出部126bに対応し
たパルスP3を発生する。
【0092】そして、ECU130において、上記パル
スP1とパルスP2とに基づいて、吸気バルブ20の開
閉タイミングが検出され(検出値VVR)、また、上記
パルスP2とパルスP3とに基づいて、吸気バルブ20
のリフト量が検出される(検出値VLR)。このよう
に、バルブタイミング可変アクチュエータ24及びリフ
ト量可変アクチュエータ22aの制御にかかる実際のバ
ルブ特性を検出することで、これをそれぞれ目標値VV
A、VLAに収束させるフィードバック制御が行われ
る。
【0093】このバルブ特性制御のうち、バルブタイミ
ング可変アクチュエータ24の制御に関しては、例え
ば、特開平8−338271号公報に記載された学習制
御を用いることができる。
【0094】次に、本発明にかかるバルブ特性制御を適
用した、本実施形態におけるリフト量可変アクチュエー
タ22aの制御態様について説明する。上述したよう
に、ECU130は、エンジン11の運転状態を上記各
種センサからの検出信号として供給され、これらに基づ
いて、バルブリフト量がエンジン11の運転状態に適し
た値(目標値VLA)となるようにリフト量可変アクチ
ュエータ22aを作動させるべく、その制御指令値を算
出する。この制御指令値が、リフト量可変アクチュエー
タ22aを駆動する駆動デューティ比DVLである。
【0095】この駆動デューティ比DVLと、同駆動デ
ューティ比DVLによるリフト量可変アクチュエータ2
2aの動作速度、すなわち吸気側カムシャフト22の速
度との関係を図9に示す。
【0096】図9に示されるように、駆動デューティ比
DVLがある値KVL0を有するときに、吸気側カムシ
ャフト22の変位速度が「0」となり、リフト量可変機
構が保持制御される。そして、この値KVL0を境に、
駆動デューティ比DVLが同KVL0よりも大きな値に
されると、リフト量可変アクチュエータ22aにより、
カムシャフト22が図1のA方向に変位されるため、吸
気バルブ20は高リフト側へシフトしていく。
【0097】一方、駆動デューティ比DVLが同値KV
L0よりも小さな値に設定されると、リフト量可変アク
チュエータ22aにより、カムシャフト22が図1のA
方向と逆方向に変位されるため、吸気バルブ20は低リ
フト側へシフトしていく。
【0098】このような事情から、本実施形態において
は、リフト量可変アクチュエータ22aの変位速度が
「0」となる駆動デューティ比DVL(図9では値KV
L0)を保持指令値KVLとして設定するようにしてい
る。また、その都度の駆動デューティ比DVLを以下の
式(1)にて設定するようにしている。 DVL=(VLA−VLR)×K+KVL …(1) 上記式(1)によれば、検出値VLRが目標値VLAよ
り小さいときには、高リフト量側への制御を行うべく、
駆動デューティ比DVLが保持指令値KVLよりも大き
く設定される。ここでは、上記目標値VLAと検出値V
LRとの差(VLA−VLR)に係数項Kを乗算したも
のだけ保持指令値KVLより大きな値が、駆動デューテ
ィ比DVLとして設定されるようにしている。
【0099】一方、検出値VLRが目標値VLAより大
きいときには、低リフト量側への制御を行うべく、駆動
デューティ比DVLが保持指令値KVLよりも値(VL
A−VLR)×Kだけ小さく設定される。
【0100】このように駆動デューティ比DVLが設定
されることで、吸気バルブ20のバルブリフト量を目標
値VLAに近づけるべく制御がなされる。そして、吸気
バルブのバルブリフト量の検出値VLRが、目標値VL
Aに近似すると、リフト量可変アクチュエータ22aを
上記保持指令値KVLに基づいて保持制御することで、
バルブリフト量がその値にて保持される。
【0101】ところで、吸気バルブ20のバルブリフト
量の検出値VLRが目標値VLAに近似したときに、速
やかに保持制御に移行するためには、上記値KVL0を
保持指令値KVLとして設定しておくことが好ましい。
この値KVL0を保持指令値KVLとして設定すること
で、吸気バルブ20のバルブリフト量の制御を可変制御
から速やかに保持制御に移行させることができる。
【0102】しかし、課題のところでも述べたように、
この値KVL0は、その油圧供給系も含むリフト量可変
アクチュエータ22aとしての公差や経時変化等によっ
て変化するために、この値KVL0を保持指令値KVL
の固定値として設定しておくと、実際の制御に際して保
持位置にずれを生じたり、あるいは上記フィードバック
制御に伴う制御ハンチング等が生じたりする懸念があ
る。そこで本実施形態においては、バルブリフト量の検
出値VLRの変化量が「0」、且つ駆動デューティ比D
VLの変化量が「0」であるときには、その目標値VL
Aと検出値VLRとの偏差が必ずしも「0」でなくと
も、その偏差が上記公差や経時変化に起因するものとし
て、上記駆動デューティ比DVLを、新たな保持指令値
KVLとして更新する学習制御を行うことにしている。
【0103】ここで、本実施形態にかかる学習制御態様
について図10のタイムチャートに基づいて説明する。
この例においては、保持指令値KVLが、上記公差ある
いは経時変化等に起因して、適切な値KVL0から離れ
た図9に示す値WKVLに設定されている例を示す。ま
ず時刻t1において、検出値VLRは目標値VLAより
も小さいために、駆動デューティ比DVLを算出する式
(1)において、同駆動デューティ比DVLは、保持指
令値KVL(ここではWKVL )より大きな値に設定
される。このため、吸気バルブ20のリフト量は、高リ
フト側へ制御されるようになり、検出値VLRが目標値
VLAに近づいていく。
【0104】しかし、保持指令値KVLが値WKVLに
設定されているために、時刻t2においては、検出値V
LRが目標値VLAよりも小さいにもかかわらず、リフ
ト量が保持制御されるようになる。すなわち、式(1)
において、値(VLA−VLR)×Kにこのずれの生じ
ている保持指令値WKVLを加算したものが、値KVL
0に等しくなったために、リフト量が保持制御されるよ
うになる。
【0105】そこで本実施形態では、時刻t2〜時刻t
3までの期間、検出値VLRと駆動デューティ比DVL
とが不変であることを確認すると、現在の駆動デューテ
ィ比DVLを保持指令値KVLとして更新する。これに
より、式(1)で示される駆動デューティ比DVLは、
値(VLA−VLR)×Kだけ保持指令値KVLより大
きな値となることから、吸気バルブ20のリフト量は、
再度、高リフト側へ制御されるようになる。こうして、
検出値VLRが目標値VLAに近づくように制御されて
いく。
【0106】このように学習制御を行い保持指令値KV
Lを都度更新することで、吸気バルブ20のバルブリフ
ト量が好適に制御されるようになる。ところで、こうし
た学習制御によって適切な保持指令値KVLに更新され
るまでの過渡的な期間、上記保持指令値KVLの値が適
切な値でない場合には、吸気バルブ20のバルブリフト
量が目標値VLAからかなり離れたものとなることがあ
る。そして、かかる目標値VLAからのずれに関して
は、過度にリフト量が大きくなる場合が、失火やエンジ
ンストールを招くおそれがあるために、特に深刻であ
る。
【0107】そこで、実施形態においては更に、吸気バ
ルブ20のバルブリフト量が相対的に小さくなるような
駆動デューティ比DVLの値を、保持指令値KVLの初
期値KVLIとして記憶するようにしている。
【0108】そして、以下の条件(c1)〜(c3)を
満たすときには、保持指令値KVLを初期値KVLIに
て初期化して、バルブリフト量可変機構のバルブ特性制
御を行うようにしている。 (c1)エンジン11が初めて運転状態に入る場合。 (c2)新しいバッテリに交換された後にエンジン11
が初めに運転される場合。 (c3)バルブリフト量可変機構が故障から復帰し正常
時の制御が可能となった場合。
【0109】すなわち、上記条件(c1)〜(c3)の
いずれか一つでも満たす場合には、保持指令値KVLが
適切な値からかなり離れている可能性があり、その場
合、学習制御によって適切な保持指令値KVLに更新さ
れるまでの過渡的な期間は、上記初期値KVLIを保持
指令値KVLとして設定するようにしている。
【0110】次に、こうした学習制御を取り入れた本実
施形態のバルブ特性制御の制御手順について、図11及
び図12に基づいて説明する。図11及び図12は、本
実施形態の学習制御手順及びバルブリフト量制御手順を
示すルーチンである。このルーチンは、例えば、所定の
時間割り込み等によってECU130により周期的に実
行される。
【0111】これら制御手順に際してはまず、ステップ
100において、ECU130にエンジン11の運転状
態を示す各種パラメータ、すなわち水温TA、吸気圧P
M、回転数NE等と上記リフト量の検出値VLRとが読
み込まれる。そしてステップ110において、上記パラ
メータTA、PM、NE等から、例えばマップ演算によ
って吸気バルブ20のリフト量の目標値VLAが算出さ
れる。
【0112】続くステップ120では、エンジン11が
上記条件(c1)乃至(c3)のいずれか一つでも満た
されているか否かが判断される。そして、この論理和条
件が満たされている場合には、ステップ130へ移行す
る。同ステップ130では、上述した理由に基づき、バ
ルブリフト量が相対的に小さくなるような初期値KVL
Iにて保持指令値KVLを初期化する。
【0113】一方、ステップ120において、上記条件
(c1)乃至(c3)のいずれも満たされていない場
合、又は上記ステップ130における初期化を終えた後
は、ステップ140(図12)へ移行する。
【0114】このステップ140では、上記目標値VL
Aと上記検出値VLRとの差の絶対値が所定値αと比較
される。そして、同目標値VLAと検出値VLRとの差
の絶対値がα以下である場合には、ステップ190に移
行し、先の式(1)に基づいて駆動デューティ比DVL
が算出される。
【0115】一方、ステップ140において、同目標値
VLAと検出値VLRの差の絶対値がαより大きい場合
には、ステップ160に移行する。このステップ160
においては、検出値VLRが継続した状態にあるか否か
(検出値の変化量ΔVLR=「0」であるか否か)が判
断される。そして、検出値VLRが変化する状態にある
場合には、リフト量制御が目標値VLAに向かって制御
される過渡的な時期であるとして、その適切な駆動デュ
ーティ比DVLを算出すべくステップ190に移行す
る。
【0116】一方、ステップ160において、検出値V
LRが固定されていると判断されたときには、ステップ
170に移行する。このステップ170では、駆動デュ
ーティ比DVLが変化していないか否か(駆動デューテ
ィ比の変化量ΔDVL=「0」であるか否か)が判断さ
れる。そして、駆動デューティ比DVLが変化している
場合には、これもリフト量制御が目標値VLAに向かっ
て制御される過渡的な時期であるとして、その適切な駆
動デューティ比DVLを算出すべくステップ190に移
行する。
【0117】また、ステップ170において、駆動デュ
ーティ比DVLが変化していないと判断されると、ステ
ップ181に移行する。この時点では、リフト量の検出
値VLRが目標値VLAに収束しておらず、且つリフト
量制御が目標値VLAに向かって制御される過渡的な時
期にもないことが、ステップ140〜ステップ170の
判定条件からわかっている。したがって、保持指令値K
VLが適切でない可能性が高いと判断できる。そこでこ
の場合は、この保持指令値KVLを学習更新することと
なるが、本実施形態では、この学習更新の実行に際し、
ステップ181及びステップ182にかかる次の制限を
設けるようにしている。
【0118】まず、保持制御にかかるデューティ比DV
Lの値(保持指令値KVL)は、エンジン11の温度に
よって変化する。すなわち、保持指令値KVLは、低温
側と高温側とで高く、その中間の温度領域では低いとい
う性質がある。したがって、前回の運転時において、エ
ンジン11が中間の温度領域にあるときに学習制御によ
って保持指令値KVLを更新した場合、次の運転時にお
いて冷間始動が行われると、前回更新された保持指令値
KVLに基づいてバルブ特性制御が行われるために、顕
著な制御誤差が生じるおそれがある。そこで、本実施形
態においては、ステップ181において、エンジン11
の温度TAが所定温度β以上か否かを判断し、同温度T
Aが所定温度β以上のときにのみステップ183にかか
る学習制御による保持指令値KVLの学習更新を行うよ
うにしている。換言すれば、上記温度TAが所定温度β
未満となるときには、学習更新を禁止するようにしてい
る。
【0119】また、バルブリフト量可変機構によるリフ
ト量の制御幅には制限が存在する。そして、リフト量制
御にかかる目標値VLAが、バルブリフト量可変機構の
制御限界の近傍となる場合には、バルブリフト量可変機
構が機構上の制約をうけて一旦動かなくなることがあ
る。しかも、この制約には各可変機構の個体差等に起因
したバラツキが生じ得る。したがって、目標値VLAが
バルブリフト量可変機構の制御限界の近傍となる場合に
おいて、上述した理由からバルブリフト量可変機構が一
旦動かなくなる場合に、保持指令値KVLが不適切な値
に更新されてしまう懸念がある。そこで、本実施形態に
おいては、ステップ182において、目標値VLAがこ
の制御限界(可変限界)近傍か否かを判断し、同目標値
VLAがリフト量可変機構の制御限界の近傍にあるとき
にも、学習更新を禁止するようにしている。
【0120】本実施形態ではこのように、上記ステップ
181及びステップ182の条件がクリアされる場合に
のみ、ステップ183にかかる学習更新が実行され、そ
れ以外の場合には、保持指令値KVLの更新は行われず
にステップ190へ移行する。
【0121】ステップ190においては上述のように先
の式(1)に基づいて駆動デューティ比DVLが算出さ
れ、ステップ200へ移行する。このステップ200に
おいては、ステップ190において算出された駆動デュ
ーティ比DVLに基づいてOCV36を制御した上で、
このルーチンを一旦終了する。
【0122】以上説明した態様、手順にて学習制御、並
びにバルブ特性制御を行う本実施形態のバルブ特性制御
装置によれば、以下のような効果が得られるようにな
る。 (1)検出値VLRがある値にて継続状態にある場合、
目標値VLAと検出値VLRとの比較を行うことで、保
持指令値KVLが適切なものか否かを判断することがで
きる。そして、同目標値VLAと検出値VLRとが近似
していない場合には、この保持指令値KVLが適切なも
のでないとして、これを修正することができる。このた
め、バルブリフト量を正確に制御することが可能とな
り、且つ所望のリフト量へ速やかに移行させることがで
きる。
【0123】(2)吸気バルブ20のバルブリフト量が
相対的に小さくなるようバルブリフト量可変機構を制御
するための制御値を、保持指令値KVLの初期値KVL
Iとして設定することで、学習制御が開始される以前の
保持指令値KVLが適切でないことに起因する失火やエ
ンジンストール等の不都合を回避することができる。
【0124】(3)エンジン11の水温TAが所定温度
β以上であるときにのみ、保持指令値KVLの学習更新
を行うようにしたことで、保持指令値KVLが冷間始動
時や高温時と大きく異なる傾向にある中間の温度領域に
おいて、同保持指令値KVLが更新されることがなくな
る。したがって、中間の温度領域において保持指令値K
VLを更新し、その後冷間始動したときにバルブ特性制
御に顕著な制御誤差が生ずる懸念を回避することができ
る。
【0125】(4)バルブリフト量の目標値VLAが、
リフト量可変機構の制御限界近傍となるときに、保持指
令値KVLの更新を禁止することで、リフト量可変機構
が機構上の制約を受けて一旦動かなくなった場合に、不
適切な保持指令値KVLを学習するという問題を回避す
ることができる。
【0126】なお、以上説明した本実施形態は以下のよ
うに変更して実施してもよい。 ・上記実施形態においては、上記条件(c1)〜(c
3)を満たす場合に、保持指令値KVLを指定の初期値
KVLIに初期化したが、この初期化の条件については
適宜変更してもよい。
【0127】・上記実施形態においては、図11のステ
ップ182に示したように、目標値VLAがリフト量可
変限界近傍にあるとき、学習制御を禁止することとした
が、これに代え、学習制御を制限を加えながら許容する
ようにしてもよい。このようにすることで、目標値VL
Aがリフト量可変限界近傍にあるときにも、必要に応じ
て保持指令値KVLを更新することができる。
【0128】・上記実施形態においては、図11のステ
ップ181に示したように、エンジン11の温度(水
温、油温等も含む)TAが所定温度β未満のとき、学習
制御を禁止したが、この発明にかかる装置にとって同処
理は必須ではない。
【0129】・また、上記学習制御に際しては、エンジ
ン11の冷間域と温間域との各別の温度域において各別
に保持指令値KVLの更新を行い、その中間の温度域に
ついては、それら学習値の補間を行うようにしてもよ
い。すなわちこの場合には、図13に示すように、先の
図12のステップ170において「YES」と判断され
た後、この新たなステップ184として上記温度TAの
温度域判断を行う。そして、同温度TAが冷間域あるい
は温間域にある旨判断される場合には、それぞれステッ
プ183aあるいはステップ183bの態様で、そのと
きの駆動デューティ比DVLを冷間域保持指令値KVL
(A)あるいは温間域保持指令値KVL(B)として学
習する。また、同温度TAが中間域にある場合には、そ
れら保持指令値KVL(A)及び保持指令値(B)を補
間して中間域保持指令値KVL(C)を求める。そし
て、それら学習した、あるいは求めた学習値に基づくそ
れぞれステップ190a〜190cの演算を実行して、
そのときどきの駆動デューティ比DVLを求めることと
なる。
【0130】・上記実施形態においては、検出値VLR
が目標値VLAに収束せずに、検出値VLRの値が一定
となることで、保持指令値KVLが適切な値に設定され
ていないと判断することとしたが、こういった現象は、
保持指令値KVLの設定に問題がある場合のみならず、
バルブリフトが何らかの理由で固定されるような故障に
よっても生じ得る。この場合、上記実施形態にかかる学
習制御によって誤った学習がなされてしまう懸念があ
る。したがって、検出値VLRが目標値VLAに収束せ
ずに、検出値VLRの値が一定となった場合には、バル
ブリフト量可変機構にかかる異常の有無を判断する処理
を行ってもよい。例えば、検出値VLRと目標値VLA
との間に隔たりがある状態が所定期間続き、且つ検出値
VLRが大きな変化を所定期間にわたって示さないとき
に、バルブリフト量可変機構にかかる異常と判断するな
どすればよい。また、この異常の有無の判断方法として
は、任意の方法を採用することができる。
【0131】・上記実施形態においては、バルブリフト
量可変機構にかかる学習制御時についてのバルブタイミ
ング可変機構の動作態様に関して何らの制限も設けなか
ったが、バルブリフト量可変機構にかかる学習制御時に
バルブタイミング可変機構が作動制御されると、リフト
量の検出値VLRの検出精度が低下する懸念があること
などから、バルブリフト量可変機構の学習制御時におい
ては、バルブタイミング可変機構を固定制御するなどし
てもよい。更にこの際、バルブタイミング可変機構を最
遅角の開閉タイミングにて固定制御することとすれば、
リフト量可変機構の保持学習制御中に、オーバーラップ
量が過大になることを好適に回避することができる。ま
た逆に、バルブタイミング可変機構の学習制御時にバル
ブリフト量可変機構を固定制御してもよい。そしてこの
際も、リフト量可変機構を最小リフト量にて固定制御す
ることとすれば、バルブタイミング可変機構の保持学習
制御中にオーバーラップ量が過大になることを好適に回
避することができる。更に、バルブリフト量可変機構の
学習制御が正常になされることを条件に、バルブタイミ
ング可変機構の学習制御を開始するように設定してもよ
い。このように、バルブリフト量可変機構の学習制御が
優先して実行されることで、同バルブリフト量可変機構
を通じた保持制御についての早期の安定化が図られるよ
うになる。
【0132】・上記実施形態においては、カム角センサ
126並びに、基準用被検出部126a及び移動量用被
検出部126bを通じて、バルブリフト量を検出する構
成としたが、このバルブリフト量を検出する手段はこれ
に限らず任意である。
【0133】・上記実施形態においては、カムシャフト
22とバルブタイミング可変アクチュエータ24とをヘ
リカルスプライン61bによって係合させたが、ストレ
ートスプラインを用いてもよい。この場合においても、
リフト量可変機構及びバルブタイミング可変機構のいず
れか一方を固定制御しつつ、他方の機構の動作態様をモ
ニタすることで、学習制御を正確に行うことができる。
【0134】・上記実施形態においては、リフト量可変
機構及びバルブタイミング可変機構を吸気系に設けたが
排気系に設けてもよく、吸気系と排気系の両方に設けて
もよい。
【0135】・上記実施形態においては、バルブリフト
量可変機構とバルブタイミング可変機構とを併用したエ
ンジンに対して、バルブリフト量可変機構の学習制御を
いかに行うかについて主に言及したが、同学習制御は、
バルブリフト量可変機構のみを備えるエンジンについて
も同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関のバルブ特性制御装置
を具体化した一実施形態の斜視図。
【図2】同実施形態における吸気側カムシャフトに用い
られる吸気カムの形状を説明する斜視図。
【図3】バルブリフト量可変アクチュエータの構成説明
図。
【図4】バルブタイミング可変アクチュエータの構成説
明図。
【図5】バルブタイミング可変アクチュエータに用いら
れるインナギヤ及びサブギヤの形状を示す斜視図。
【図6】バルブタイミング可変アクチュエータの内部構
成説明図。
【図7】同実施形態におけるクランク角度検出手段につ
いての斜視図。
【図8】同実施形態におけるカム角度検出手段について
の斜視図。
【図9】駆動デューティ比とリフト量可変アクチュエー
タ22aの変位速度との関係を示すグラフ。
【図10】同実施形態にかかる学習制御の一例を示すタ
イミングチャート。
【図11】同実施形態のバルブリフト量制御手順を示す
フローチャート。
【図12】同実施形態のバルブリフト量制御手順を示す
フローチャート。
【図13】同実施形態の変形例のバルブリフト量制御手
順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…可変動弁機構、20…吸気バルブ、21…排気バ
ルブ、22…吸気側カムシャフト、22a…リフト量可
変アクチュエータ、22b…吸気側カムシャフトの端部
外周面、24…バルブタイミング可変アクチュエータ、
24a…タイミングプーリ、26…タイミングベルト、
27…吸気カム、28…排気カム、31…シリンダチュ
ーブ、31a…第1圧力室、31b…第2圧力室、32
…ピストン、33…エンドカバー、33a…補助シャフ
ト、33b…軸受、34…第1給排通路、35…第2給
排通路、36…第1オイルコントロールバルブ(OC
V)、37…供給通路、38…排出通路、39…ケーシ
ング、40…第1給排ポート、41…第2給排ポート、
42…第1排出ポート、43…第2排出ポート、44…
供給ポート、45…弁部、46…コイルスプリング、4
7…電磁ソレノイド、48…スプール、51…タイミン
グプーリの筒部、51a,51b…外周溝、51c…内
周面、52…タイミングプーリの円板部、53…外歯、
54…インナギヤ、54a…大径ギヤ部、54b…小径
ギヤ部、55…ボルト、56…サブギヤ、56a…外
歯、56b…内歯、57…スプリングワッシャ、58…
ボルト、59…ハウジング、59a…内周面、60…カ
バー、60a…穴部、61… ベーンロータ、61a…
外周面、61b…ヘリカルスプライン、61c…円筒状
空間、62,63,64,65…壁部、62a,63
a,64a,65a…凹部、62b,63b,64b,
65b…凹部、66,67,68,69…ベーン、70
…第1圧力室、71…第2圧力室、80…進角用油路開
口部、81…遅角用油路開口部、84,86,88…進
角制御油路、85,87,89…遅角制御油路、90…
潤滑油路、91…内周溝、92…進角制御油路、93…
遅角制御油路、94…第2オイルコントロールバルブ、
95…供給通路、96…排出通路、102…ケーシン
グ、104…第1給排ポート、106…第2給排ポー
ト、107…弁部、108… 第1排出ポート、110
…第2排出ポート、112…供給ポート、114…コイ
ルスプリング、116…電磁ソレノイド、118…スプ
ール、123…クランク角センサ、126…カム角セン
サ、126a…基準用被検出部、126b…移動量用被
検出部、130…ECU。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 AA06 AB07 AB17 BA04 BA33 CA19 CA20 DA03 DA60 DA66 DA77 EA17 EA22 EA31 EA32 EA33 FA01 FA06 FA08 FA16 GA08 GA11 GA32 GA38 GA40 3G084 BA23 DA04 EA11 EB12 EB19 EB20 EB25 FA00 FA20 FA33 FA38 FA39 3G092 AA01 AA11 AB02 DA01 DA04 DA09 DA10 DF04 DF09 DG05 EA03 EA04 EA13 EA14 EA25 EC01 EC05 FA06 HA05Z HA13X HE01Z HE08Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カムプロフィールがカム軸方向に連続的に
    変化する3次元カムが設けられたカムシャフトを有し、
    油圧供給手段からの油圧供給に基づく同カムシャフトの
    カム軸方向への変位位置に応じて機関バルブのバルブリ
    フト量を可変とするバルブリフト量可変機構と、 機関の運転状態に応じて前記バルブリフト量の目標値を
    算出する目標値算出手段と、 前記バルブリフト量を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出される検出値が前記目標値算
    出手段によって算出される目標値近傍となったときのバ
    ルブリフト量が保持されるように、前記油圧供給手段に
    よる油圧供給を制御する保持制御手段と、 前記検出値がある状態を継続するとき、同検出値とその
    ときの目標値とを比較して前記保持制御手段の制御指令
    値を評価し、その評価に基づいて該制御指令値を修正す
    るための学習制御を行う学習制御手段とを備える内燃機
    関のバルブ特性制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の内燃機関のバルブ特性制御
    装置において、 前記学習制御手段は、前記バルブリフト量が相対的に小
    さくなる方向に前記バルブリフト量可変機構を制御する
    ための制御指令値をその学習初期値として記憶する初期
    値記憶手段を備えて構成されることを特徴とする内燃機
    関のバルブ特性制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の内燃機関のバルブ
    特性制御装置において、 当該機関の温度が所定温度以上のときにのみ、前記学習
    制御手段による学習値の更新を許可する学習値更新許可
    手段を更に備えることを特徴とする内燃機関のバルブ特
    性制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    のバルブ特性制御装置において、 前記算出されるバルブリフト量の目標値が前記バルブリ
    フト量可変機構の可変限度近傍となるとき、前記学習制
    御手段による学習値の更新を禁止する禁止手段を更に備
    えることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    のバルブ特性制御装置において、 前記算出されるバルブリフト量の目標値が前記バルブリ
    フト量可変機構の可変限度近傍となるとき、前記学習制
    御手段による学習値の更新を制限する制限手段を更に備
    えることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関
    のバルブ特性制御装置において、 前記学習制御手段は、当該機関の冷間域と温間域との各
    別の温度域において各別に学習値の更新を行うものであ
    り、その中間の温度域については、それら学習値の補間
    を行うことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装
    置。
  7. 【請求項7】カムプロフィールがカム軸方向に連続的に
    変化する3次元カムが設けられたカムシャフトを有し、
    第1の油圧供給手段からの油圧供給に基づく同カムシャ
    フトのカム軸方向への変位位置に応じて機関バルブのバ
    ルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構と、 第2の油圧供給手段からの油圧供給に基づく前記カムシ
    ャフトと機関出力軸との相対回転位相の変更に応じて前
    記機関バルブのバルブタイミングを可変とするバルブタ
    イミング可変機構と、 機関の運転状態に応じて前記バルブリフト量の目標値を
    算出する第1の目標値算出手段と、 前記バルブリフト量を検出する第1の検出手段と、 前記第1の検出手段によって検出される第1検出値が前
    記目標値算出手段によって算出される目標値近傍となっ
    たときのバルブリフト量が保持されるように、前記油圧
    供給手段による油圧供給を制御する第1の保持制御手段
    と、 前記第1検出値がある状態を継続するとき、同第1検出
    値とそのときの目標値とを比較して前記第1の保持制御
    手段の制御指令値を評価し、その評価に基づいて該制御
    指令値を修正するための学習制御を行う第1の学習制御
    手段と、 機関の運転状態に応じて前記バルブタイミングの目標値
    を算出する第2の目標値算出手段と、 前記バルブタイミングを検出する第2の検出手段と、 前記第2の検出手段によって検出される第2検出値が前
    記第2の目標値算出手段によって算出される目標値近傍
    となったときのバルブタイミングが保持されるように、
    前記油圧供給手段による油圧供給を制御する第2の保持
    制御手段と、 前記第2検出値がある状態を継続するとき、同第2検出
    値とそのときの目標値とを比較して前記第2の保持制御
    手段の制御指令値を評価し、その評価に基づいて該制御
    指令値を修正するための学習制御を行う第2の学習制御
    手段とを備え、 前記バルブリフト量可変機構の学習制御時には前記バル
    ブタイミング可変機構を固定制御し、前記バルブタイミ
    ング可変機構の学習制御時には前記バルブリフト量可変
    機構を固定制御することを特徴とする内燃機関のバルブ
    特性制御装置。
  8. 【請求項8】前記バルブリフト量可変機構の学習制御時
    における前記バルブタイミング可変機構の固定制御は、
    前記バルブタイミングの最遅角側にて行われ、前記バル
    ブタイミング可変機構の学習制御時における前記バルブ
    リフト量可変機構の固定制御は、前記バルブリフト量の
    最低リフト側にて行われることを特徴とする請求項7記
    載の内燃機関のバルブ特性制御装置。
  9. 【請求項9】カムプロフィールがカム軸方向に連続的に
    変化する3次元カムが設けられたカムシャフトを有し、
    第1の油圧供給手段からの油圧供給に基づく同カムシャ
    フトのカム軸方向への変位位置に応じて機関バルブのバ
    ルブリフト量を可変とするバルブリフト量可変機構と、 第2の油圧供給手段からの油圧供給に基づく前記カムシ
    ャフトと機関出力軸との相対回転位相の変更に応じて前
    記機関バルブのバルブタイミングを可変とするバルブタ
    イミング可変機構と、 機関の運転状態に応じて前記バルブリフト量の目標値を
    算出する第1の目標値算出手段と、 前記バルブリフト量を検出する第1の検出手段と、 前記第1の検出手段によって検出される第1検出値が前
    記目標値算出手段によって算出される目標値近傍となっ
    たときのバルブリフト量が保持されるように、前記油圧
    供給手段による油圧供給を制御する第1の保持制御手段
    と、 前記第1検出値がある状態を継続するとき、同第1検出
    値とそのときの目標値とを比較して前記第1の保持制御
    手段の制御指令値を評価し、その評価に基づいて該制御
    指令値を修正するための学習制御を行う第1の学習制御
    手段と、 機関の運転状態に応じて前記バルブタイミングの目標値
    を算出する第2の目標値算出手段と、 前記バルブタイミングを検出する第2の検出手段と、 前記第2の検出手段によって検出される第2検出値が前
    記第2の目標値算出手段によって算出される目標値近傍
    となったときのバルブタイミングが保持されるように、
    前記油圧供給手段による油圧供給を制御する第2の保持
    制御手段と、 前記第2検出値がある状態を継続するとき、同第2検出
    値とそのときの目標値とを比較して前記第2の保持制御
    手段の制御指令値を評価し、その評価に基づいて該制御
    指令値を修正するための学習制御を行う第2の学習制御
    手段とを備え、 前記第1の学習制御手段による学習制御が正常になされ
    ることを条件に前記第2の学習制御手段による学習制御
    を行うことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装
    置。
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