JP3273821B2 - ポリヒドロキシカルボン酸の精製法 - Google Patents
ポリヒドロキシカルボン酸の精製法Info
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- JP3273821B2 JP3273821B2 JP04104993A JP4104993A JP3273821B2 JP 3273821 B2 JP3273821 B2 JP 3273821B2 JP 04104993 A JP04104993 A JP 04104993A JP 4104993 A JP4104993 A JP 4104993A JP 3273821 B2 JP3273821 B2 JP 3273821B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリヒドロキシカルボン
酸の精製法に関する。更に詳しくは、ポリ乳酸、又は乳
酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーを有機
溶媒中で塩化水素ガスと接触させることにより、触媒を
塩化物の形に変換して除去する方法に関するものであ
る。
酸の精製法に関する。更に詳しくは、ポリ乳酸、又は乳
酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーを有機
溶媒中で塩化水素ガスと接触させることにより、触媒を
塩化物の形に変換して除去する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂で生分解性のあるポリマー
として、ポリ乳酸又は乳酸とその他のヒドロキシカルボ
ン酸のコポリマー(以下乳酸系ポリマーと略称する)が
知られている。これらのポリマーは、動物の体内で数カ
月から1年で100%生分解し、又、土壌や海水中に置
かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め1年
から数年で消滅し、更に分解生成物は、人体に無害な乳
酸と二酸化炭素と水になるという特性を有している。
として、ポリ乳酸又は乳酸とその他のヒドロキシカルボ
ン酸のコポリマー(以下乳酸系ポリマーと略称する)が
知られている。これらのポリマーは、動物の体内で数カ
月から1年で100%生分解し、又、土壌や海水中に置
かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め1年
から数年で消滅し、更に分解生成物は、人体に無害な乳
酸と二酸化炭素と水になるという特性を有している。
【0003】ポリ乳酸は、通常ラクタイドと呼ばれる乳
酸の環状2量体から合成され、その製造法に関してはU
SP1,995,970、USP2,362,511、
USP2,683,136に開示されている。又、乳酸
とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーは、通常
乳酸の環状2量体であるラクタイドとヒドロキシカルボ
ン酸の環状エステル中間体(通常グリコール酸の2量体
であるグリコライド)から合成され、その製造方法に関
しては、USP3,636,956とUSP3,79
7,499に開示されている。しかし、これらの方法で
は溶融重合後そのままペレット化するため、用いた触媒
がポリマー中に残存するという欠点を有する。この場
合、ポリマーは分解しても触媒が残るため、触媒の毒性
の有無によってはポリマーの使用が制限されることにな
る。更にポリマー中に触媒が存在すると、後の加工成形
時に加熱によりポリマーの解重合反応が生じ易く、ポリ
マーの分子量が低下して物性の劣化を招くという問題が
ある。又、重合反応後に触媒を除く方法も考えられる
が、通常この反応で用いられるオクタン酸スズの場合に
は、再沈精製法等では除去が困難である。
酸の環状2量体から合成され、その製造法に関してはU
SP1,995,970、USP2,362,511、
USP2,683,136に開示されている。又、乳酸
とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマーは、通常
乳酸の環状2量体であるラクタイドとヒドロキシカルボ
ン酸の環状エステル中間体(通常グリコール酸の2量体
であるグリコライド)から合成され、その製造方法に関
しては、USP3,636,956とUSP3,79
7,499に開示されている。しかし、これらの方法で
は溶融重合後そのままペレット化するため、用いた触媒
がポリマー中に残存するという欠点を有する。この場
合、ポリマーは分解しても触媒が残るため、触媒の毒性
の有無によってはポリマーの使用が制限されることにな
る。更にポリマー中に触媒が存在すると、後の加工成形
時に加熱によりポリマーの解重合反応が生じ易く、ポリ
マーの分子量が低下して物性の劣化を招くという問題が
ある。又、重合反応後に触媒を除く方法も考えられる
が、通常この反応で用いられるオクタン酸スズの場合に
は、再沈精製法等では除去が困難である。
【0004】従って、充分に高い分子量で且つ触媒を含
まない乳酸系ポリマーを得る際には、精製により触媒を
除去する必要がある。特開昭63−145327号にお
いては、触媒を含むポリマーを水に対して不混和性の有
機溶媒に溶解した後、無機酸、水溶性有機酸又は水溶性
錯化剤を含む水性相又は水と接触させて触媒を除去する
方法が開示されている。しかしこの方法では、ポリマー
溶液が粘稠になると水性相との接触効率が悪くなり、従
って触媒の除去効率が落ちるため、ポリマー濃度が0.
5〜4.0重量%といった希薄溶液で処理しなければな
らないという問題や、有機溶媒溶液と水性相との混合後
の分液性が悪いといった問題がある。更に特開昭63−
254128号では、乱流せん断場内においてポリマー
溶液に沈澱剤を加えて精製する方法が開示されている
が、触媒の除去とポリマーの析出が同時進行であるため
に触媒の除去効率が悪く、又、特殊な設備を必要とする
など工業的に行うには問題があった。
まない乳酸系ポリマーを得る際には、精製により触媒を
除去する必要がある。特開昭63−145327号にお
いては、触媒を含むポリマーを水に対して不混和性の有
機溶媒に溶解した後、無機酸、水溶性有機酸又は水溶性
錯化剤を含む水性相又は水と接触させて触媒を除去する
方法が開示されている。しかしこの方法では、ポリマー
溶液が粘稠になると水性相との接触効率が悪くなり、従
って触媒の除去効率が落ちるため、ポリマー濃度が0.
5〜4.0重量%といった希薄溶液で処理しなければな
らないという問題や、有機溶媒溶液と水性相との混合後
の分液性が悪いといった問題がある。更に特開昭63−
254128号では、乱流せん断場内においてポリマー
溶液に沈澱剤を加えて精製する方法が開示されている
が、触媒の除去とポリマーの析出が同時進行であるため
に触媒の除去効率が悪く、又、特殊な設備を必要とする
など工業的に行うには問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乳酸系ポリ
マー中の触媒を工業的に安価且つ容易に除去する方法を
提供することにある。
マー中の触媒を工業的に安価且つ容易に除去する方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、乳酸系ポリマーを
有機溶媒中で塩化水素ガスと接触させることにより、該
ポリマー中の触媒を塩化物の形に変換して除去できるこ
とを見い出し本発明を完成したものである。
を解決するために鋭意検討した結果、乳酸系ポリマーを
有機溶媒中で塩化水素ガスと接触させることにより、該
ポリマー中の触媒を塩化物の形に変換して除去できるこ
とを見い出し本発明を完成したものである。
【0007】即ち本発明は、ポリ乳酸又は乳酸とヒドロ
キシカルボン酸のコポリマーを有機溶媒中にて塩化水素
ガスで処理した後、沈澱剤と混合してポリマーを析出さ
せることを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の精製
法である。
キシカルボン酸のコポリマーを有機溶媒中にて塩化水素
ガスで処理した後、沈澱剤と混合してポリマーを析出さ
せることを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の精製
法である。
【0008】乳酸系ポリマーは、乳酸又は乳酸と他のヒ
ドロキシカルボン酸から直接脱水重縮合するか、乳酸の
環状2量体であるラクタイド又はヒドロキシカルボン酸
の環状エステル中間体、例えばグリコール酸の2量体で
あるグリコライド(GLD)や6−ヒドロキシカプロン
酸の環状エステルであるε−カプロラクトン(CL)等
の共重合可能なモノマーを適宜用いて触媒の存在下、開
環重合させたものでもよい。直接脱水重縮合する場合
は、乳酸又は乳酸と他のヒドロキシカルボン酸を好まし
くは有機溶媒下、触媒の存在下、特にフェニルエーテル
系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは共沸
により留出した溶媒から水を除き、実質的に無水の状態
にした溶媒を反応系に戻す方法により重合させることが
できる。原料としての乳酸は、L−乳酸又はD−乳酸、
又はそれらの混合物のいずれでもよく、その他のヒドロ
キシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキ
シ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、
5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が
用いられる。
ドロキシカルボン酸から直接脱水重縮合するか、乳酸の
環状2量体であるラクタイド又はヒドロキシカルボン酸
の環状エステル中間体、例えばグリコール酸の2量体で
あるグリコライド(GLD)や6−ヒドロキシカプロン
酸の環状エステルであるε−カプロラクトン(CL)等
の共重合可能なモノマーを適宜用いて触媒の存在下、開
環重合させたものでもよい。直接脱水重縮合する場合
は、乳酸又は乳酸と他のヒドロキシカルボン酸を好まし
くは有機溶媒下、触媒の存在下、特にフェニルエーテル
系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは共沸
により留出した溶媒から水を除き、実質的に無水の状態
にした溶媒を反応系に戻す方法により重合させることが
できる。原料としての乳酸は、L−乳酸又はD−乳酸、
又はそれらの混合物のいずれでもよく、その他のヒドロ
キシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキ
シ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、
5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が
用いられる。
【0009】本発明の反応において通常用いられる触媒
としては、亜鉛、錫、鉄、アルミニウム等の金属、酸化
亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化アルミニウム等の金属酸化
物、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、酸化亜
鉛、酢酸錫、乳酸錫、オクタン酸錫、酢酸アルミニウム
等の有機カルボン酸塩等が挙げられる。その使用量は、
使用するヒドロキシカルボン酸、又はそれらのオリゴマ
ーの0.0001〜10重量%である。
としては、亜鉛、錫、鉄、アルミニウム等の金属、酸化
亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化アルミニウム等の金属酸化
物、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、酸化亜
鉛、酢酸錫、乳酸錫、オクタン酸錫、酢酸アルミニウム
等の有機カルボン酸塩等が挙げられる。その使用量は、
使用するヒドロキシカルボン酸、又はそれらのオリゴマ
ーの0.0001〜10重量%である。
【0010】こうして公知の方法で調製された固体状或
は溶液状のポリマーを適当な有機溶媒に溶解する。用い
る溶媒は乳酸系ポリマーが溶解するものであればよく、
例えばベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン系
溶剤、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性
極性溶剤、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテ
ル系溶剤、又は種々の有機溶媒の混合物であってもよ
い。溶解するポリマーの濃度は通常3〜50重量%で行
うが、ポリマー溶液が攪拌できれば特にその濃度に制限
はない。又、重合時に有機溶媒を用いる場合には、重合
反応終了後、該ポリマーを取り出す事なくそのままの反
応液を使用できる。
は溶液状のポリマーを適当な有機溶媒に溶解する。用い
る溶媒は乳酸系ポリマーが溶解するものであればよく、
例えばベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン系
溶剤、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性
極性溶剤、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテ
ル系溶剤、又は種々の有機溶媒の混合物であってもよ
い。溶解するポリマーの濃度は通常3〜50重量%で行
うが、ポリマー溶液が攪拌できれば特にその濃度に制限
はない。又、重合時に有機溶媒を用いる場合には、重合
反応終了後、該ポリマーを取り出す事なくそのままの反
応液を使用できる。
【0011】次いで、この乳酸系ポリマー溶液を塩化水
素ガスと接触させる。乳酸系ポリマーと塩化水素ガスを
接触させる方法は、乳酸ポリマーの溶液に直接塩酸ガス
を吹き込んでも良いし、塩化水素ガスを溶解した溶液を
混合する方法でも良い。乳酸系ポリマーと塩化水素ガス
を接触させて触媒が塩化物に変換するのに充分な時間だ
け攪拌を継続する。接触させる塩化水素ガスの量は触媒
と塩化物を作るのに充分な量であればよい。塩化水素ガ
スで処理する際の温度は特に制限はないが通常0〜10
0℃で行い、好ましくは10〜60℃が良い。温度が低
いと塩化物への変換速度が遅くなり、高すぎるとポリマ
ーの劣化が起こるためである。
素ガスと接触させる。乳酸系ポリマーと塩化水素ガスを
接触させる方法は、乳酸ポリマーの溶液に直接塩酸ガス
を吹き込んでも良いし、塩化水素ガスを溶解した溶液を
混合する方法でも良い。乳酸系ポリマーと塩化水素ガス
を接触させて触媒が塩化物に変換するのに充分な時間だ
け攪拌を継続する。接触させる塩化水素ガスの量は触媒
と塩化物を作るのに充分な量であればよい。塩化水素ガ
スで処理する際の温度は特に制限はないが通常0〜10
0℃で行い、好ましくは10〜60℃が良い。温度が低
いと塩化物への変換速度が遅くなり、高すぎるとポリマ
ーの劣化が起こるためである。
【0012】塩化水素ガスと接触させた後の溶液と混合
する沈澱剤としては、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、tert−ブタノール等がある。沈澱
剤中でのポリマー溶液の分散性を良くするために、充分
攪拌しながらポリマーを析出させることも可能である。
混合時の温度は低い方が、ポリマーの分解を抑えられる
ので好ましく、通常30℃以下で行う。
する沈澱剤としては、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、tert−ブタノール等がある。沈澱
剤中でのポリマー溶液の分散性を良くするために、充分
攪拌しながらポリマーを析出させることも可能である。
混合時の温度は低い方が、ポリマーの分解を抑えられる
ので好ましく、通常30℃以下で行う。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0014】製造例1 L−ラクタイド10kg及びオクタン酸錫0.1重量%
と、ラウリルアルコール2重量%を、攪拌機を備えた肉
厚の円筒型ステンレス製重合容器へ封入し、真空で2時
間脱気した後窒素ガスで置換した。この混合物を窒素雰
囲気下で攪拌しつつ180℃で3時間加熱した。温度を
そのまま保ちながら、排気管及びガラス製受器を介して
真空ポンプにより徐々に脱気し反応容器内を3mmHg
まで減圧にした。脱気開始から1時間後、モノマーや低
分子量揮発分の留出がなくなったので、容器内を窒素置
換し、容器下部からポリマーを紐状に抜き出してペレッ
ト化し、ポリL−乳酸を得た。このポリマーの平均分子
量は約8万、Sn含有量は500ppmであった。
と、ラウリルアルコール2重量%を、攪拌機を備えた肉
厚の円筒型ステンレス製重合容器へ封入し、真空で2時
間脱気した後窒素ガスで置換した。この混合物を窒素雰
囲気下で攪拌しつつ180℃で3時間加熱した。温度を
そのまま保ちながら、排気管及びガラス製受器を介して
真空ポンプにより徐々に脱気し反応容器内を3mmHg
まで減圧にした。脱気開始から1時間後、モノマーや低
分子量揮発分の留出がなくなったので、容器内を窒素置
換し、容器下部からポリマーを紐状に抜き出してペレッ
ト化し、ポリL−乳酸を得た。このポリマーの平均分子
量は約8万、Sn含有量は500ppmであった。
【0015】尚、ポリマーの平均分子量(重量平均分子
量)はポリスチレンを標準としてゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより以下の条件で測定した。装置
:島津LC−10AD 検出器:島津RID−6A カラム:日立化成GL−S350DT−5+GL−S3
70DT−5 溶媒 :クロロホルム 濃度 :1% 注入量:20μl 流速 :1.0ml/min 又、ポリマー中のSn含有量は蛍光X線分析により測定
した。
量)はポリスチレンを標準としてゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより以下の条件で測定した。装置
:島津LC−10AD 検出器:島津RID−6A カラム:日立化成GL−S350DT−5+GL−S3
70DT−5 溶媒 :クロロホルム 濃度 :1% 注入量:20μl 流速 :1.0ml/min 又、ポリマー中のSn含有量は蛍光X線分析により測定
した。
【0016】製造例2 L−ラクタイド10kgを、L−ラクタイド8kgとD
L−ラクタイド2kgに変えたほかは製造例1と同様に
してペレット化し、ポリDL−乳酸を得た。このポリマ
ーの平均分子量は約7万、Sn含有量は550ppmで
あった。
L−ラクタイド2kgに変えたほかは製造例1と同様に
してペレット化し、ポリDL−乳酸を得た。このポリマ
ーの平均分子量は約7万、Sn含有量は550ppmで
あった。
【0017】製造例3 L−ラクタイド10kgを、L−ラクタイド8kgとグ
リコライド2kgに変えた他は製造例1と同様にしてペ
レット化し、L−ラクタイドとグリコライドのコポリマ
ーを得た。このポリマーの平均分子量は約6万、Sn含
有量は600ppmであった。
リコライド2kgに変えた他は製造例1と同様にしてペ
レット化し、L−ラクタイドとグリコライドのコポリマ
ーを得た。このポリマーの平均分子量は約6万、Sn含
有量は600ppmであった。
【0018】製造例4 90重量%L−乳酸10kgを150℃/50mmHg
で3時間攪拌しながら水を留出させた後、錫末6.2g
を加え、150℃/30mmHgで更に2時間攪拌して
オリゴマー化した。このオリゴマーに錫末28.8gと
ジフェニルエーテル21.1kgを加え150℃/35
mmHgで共沸脱水反応を行い、留出した水と溶媒を水
分離器で分離して溶媒のみを反応器に戻した。2時間
後、反応器に戻す有機溶媒を、4.6kgのモレキュラ
ーシーブ3Aを充填したカラムに通液してから反応器に
戻るようにして、150℃/35mmHgで更に40時
間反応を行い、平均分子量約11万のポリ乳酸溶液を得
た。このポリマー中のSn含有量は1800ppmであ
った。
で3時間攪拌しながら水を留出させた後、錫末6.2g
を加え、150℃/30mmHgで更に2時間攪拌して
オリゴマー化した。このオリゴマーに錫末28.8gと
ジフェニルエーテル21.1kgを加え150℃/35
mmHgで共沸脱水反応を行い、留出した水と溶媒を水
分離器で分離して溶媒のみを反応器に戻した。2時間
後、反応器に戻す有機溶媒を、4.6kgのモレキュラ
ーシーブ3Aを充填したカラムに通液してから反応器に
戻るようにして、150℃/35mmHgで更に40時
間反応を行い、平均分子量約11万のポリ乳酸溶液を得
た。このポリマー中のSn含有量は1800ppmであ
った。
【0019】製造例5 90重量%L−乳酸5kgと70重量%グリコール酸
0.6kgを140℃/50mmHgで3時間攪拌しな
がら水を留出させた後、錫末15gを加え、150℃/
50mmHgで更に3時間攪拌してオリゴマー化した。
このオリゴマーに錫末62gとジフェニルエーテル6k
gを加え、溶媒がモレキュラーシーブ3A(2kg)を
充填したカラムを経て反応器に戻るようにして、140
℃/25mmHgで50時間還流を行い、平均分子量約
7万のコポリマー溶液を得た。このポリマー中のSn含
有量は5400ppmであった。
0.6kgを140℃/50mmHgで3時間攪拌しな
がら水を留出させた後、錫末15gを加え、150℃/
50mmHgで更に3時間攪拌してオリゴマー化した。
このオリゴマーに錫末62gとジフェニルエーテル6k
gを加え、溶媒がモレキュラーシーブ3A(2kg)を
充填したカラムを経て反応器に戻るようにして、140
℃/25mmHgで50時間還流を行い、平均分子量約
7万のコポリマー溶液を得た。このポリマー中のSn含
有量は5400ppmであった。
【0020】実施例1 製造例1で得られたポリL−乳酸4kgを塩化メチレン
36kgに溶解させ、これに塩化水素ガスを1重量%溶
解させた塩化メチレン0.8kgを加え、室温で1時間
攪拌した。次いで20℃で攪拌しているメタノール中に
このポリマー溶液を滴下して、析出したポリマーを濾過
し、ヘキサンで洗浄した後、約60℃の真空乾燥器内で
乾燥した。このポリマーの平均分子量は約8万であり、
Sn含有量は20ppmであった。得られたポリマーを
ペレット化機で処理して、平均分子量約8万のペレット
を製造した。
36kgに溶解させ、これに塩化水素ガスを1重量%溶
解させた塩化メチレン0.8kgを加え、室温で1時間
攪拌した。次いで20℃で攪拌しているメタノール中に
このポリマー溶液を滴下して、析出したポリマーを濾過
し、ヘキサンで洗浄した後、約60℃の真空乾燥器内で
乾燥した。このポリマーの平均分子量は約8万であり、
Sn含有量は20ppmであった。得られたポリマーを
ペレット化機で処理して、平均分子量約8万のペレット
を製造した。
【0021】実施例2 製造例2で得られたポリDL−乳酸2kgをN,N−ジ
メチルホルムアミド18kgに溶解させ、これに塩化水
素ガスをバブリングさせて2gの塩化水素を溶解させ
た。この溶液を40℃で2時間攪拌した後、20℃でメ
タノールにより再沈し、平均分子量約7万、Sn含有量
25ppmのポリマーを得た。このポリマーを再度N,
N−ジメチルホルムアミドに溶解させて同様に処理した
結果、平均分子量約7万、Sn含有量10ppm以下の
ポリマーを得た。
メチルホルムアミド18kgに溶解させ、これに塩化水
素ガスをバブリングさせて2gの塩化水素を溶解させ
た。この溶液を40℃で2時間攪拌した後、20℃でメ
タノールにより再沈し、平均分子量約7万、Sn含有量
25ppmのポリマーを得た。このポリマーを再度N,
N−ジメチルホルムアミドに溶解させて同様に処理した
結果、平均分子量約7万、Sn含有量10ppm以下の
ポリマーを得た。
【0022】実施例3 製造例3で得られたL−ラクタイドとグリコライドのコ
ポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして、平均
分子量約6万、Sn含有量30ppmのコポリマーを得
た。
ポリマーを用いた以外は、実施例1と同様にして、平均
分子量約6万、Sn含有量30ppmのコポリマーを得
た。
【0023】実施例4 製造例4で得られたポリ乳酸溶液2kgをクロロホルム
3kgに溶解させ、これに塩化水素ガスを1重量%溶解
させたジフェニルエーテル100gを加え、室温で1時
間攪拌した。次いで20℃で攪拌しているイソプロパノ
ール中にこのポリマー溶液を滴下し、得られたポリマー
を濾過、洗浄、乾燥した。このポリマーの平均分子量は
約11万であり、Sn含有量は60ppmであった。
3kgに溶解させ、これに塩化水素ガスを1重量%溶解
させたジフェニルエーテル100gを加え、室温で1時
間攪拌した。次いで20℃で攪拌しているイソプロパノ
ール中にこのポリマー溶液を滴下し、得られたポリマー
を濾過、洗浄、乾燥した。このポリマーの平均分子量は
約11万であり、Sn含有量は60ppmであった。
【0024】実施例5 製造例5で得られたL−乳酸とグリコール酸のコポリマ
ー溶液を用いた以外は、実施例4と同様にして、平均分
子量約7万、Sn含有量70ppmのコポリマーを得
た。
ー溶液を用いた以外は、実施例4と同様にして、平均分
子量約7万、Sn含有量70ppmのコポリマーを得
た。
【0025】比較例1 製造例1で得られたポリL−乳酸4kgを塩化メチレン
36kgに溶解させ室温で1時間攪拌した。次いで20
℃で攪拌しているメタノール中にこのポリマー溶液を滴
下し、得られたポリマーを濾過、洗浄、乾燥した。この
ポリマーの平均分子量は約8万であり、Sn含有量は5
00ppmであった。得られたポリマーをペレット化機
で処理して、平均分子量約6万のペレットを製造した。
36kgに溶解させ室温で1時間攪拌した。次いで20
℃で攪拌しているメタノール中にこのポリマー溶液を滴
下し、得られたポリマーを濾過、洗浄、乾燥した。この
ポリマーの平均分子量は約8万であり、Sn含有量は5
00ppmであった。得られたポリマーをペレット化機
で処理して、平均分子量約6万のペレットを製造した。
【0026】比較例2 製造例4で得られたポリ乳酸溶液2kgをクロロホルム
3kgに溶解させ室温で1時間攪拌した。次いで20℃
で攪拌しているイソプロパノール中にこのポリマー溶液
を滴下し、得られたポリマーを濾過、洗浄、乾燥した。
このポリマーの平均分子量は約11万であり、Sn含有
量は1800ppmであった。
3kgに溶解させ室温で1時間攪拌した。次いで20℃
で攪拌しているイソプロパノール中にこのポリマー溶液
を滴下し、得られたポリマーを濾過、洗浄、乾燥した。
このポリマーの平均分子量は約11万であり、Sn含有
量は1800ppmであった。
【0027】比較例3 製造例1で得られたポリL−乳酸40gを塩化メチレン
160gに溶解させ、0.1N塩酸を100ml添加し
て室温で1時間攪拌した。次いで20℃で攪拌している
メタノール中にこの溶媒相を滴下し、得られたポリマー
を濾過、洗浄、乾燥した。このポリマーの平均分子量は
約8万であり、Sn含有量は460ppmであった。
160gに溶解させ、0.1N塩酸を100ml添加し
て室温で1時間攪拌した。次いで20℃で攪拌している
メタノール中にこの溶媒相を滴下し、得られたポリマー
を濾過、洗浄、乾燥した。このポリマーの平均分子量は
約8万であり、Sn含有量は460ppmであった。
【0028】
【発明の効果】触媒を用いて得られた高分子量の乳酸系
ポリマーを、本発明の方法による塩化水素ガスで処理す
ることにより、除去の容易な塩化物の形で触媒を除くこ
とができ、安全で加熱成形加工時にも安定な乳酸系ポリ
マーを得ることができる。
ポリマーを、本発明の方法による塩化水素ガスで処理す
ることにより、除去の容易な塩化物の形で触媒を除くこ
とができ、安全で加熱成形加工時にも安定な乳酸系ポリ
マーを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリ乳酸、又は乳酸とその他のヒドロキ
シカルボン酸のコポリマーを有機溶媒中にて塩化水素ガ
スで処理した後、沈澱剤と混合してポリマーを析出させ
ることを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の精製
法。 - 【請求項2】 乳酸がL−乳酸、D−乳酸又はそれらの
混合物であることを特徴とする請求項1記載の精製法。 - 【請求項3】 ヒドロキシカルボン酸がグリコール酸で
あることを特徴とする請求項1記載の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04104993A JP3273821B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | ポリヒドロキシカルボン酸の精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04104993A JP3273821B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | ポリヒドロキシカルボン酸の精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256492A JPH06256492A (ja) | 1994-09-13 |
JP3273821B2 true JP3273821B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=12597553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04104993A Expired - Fee Related JP3273821B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | ポリヒドロキシカルボン酸の精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3273821B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014171011A1 (ja) | 2013-04-19 | 2014-10-23 | 株式会社武蔵野化学研究所 | 脂肪族ポリエステルの精製方法およびその方法で精製された脂肪族ポリエステル |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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IN2014DN10439A (ja) * | 2006-06-28 | 2015-08-21 | Gunze Kk | |
CN101993529A (zh) | 2009-08-11 | 2011-03-30 | 拜耳材料科技(中国)有限公司 | 用于淬灭聚酯多元醇中的活性杂质的淬灭剂及其用途 |
JP7116169B2 (ja) * | 2018-06-21 | 2022-08-09 | 帝人株式会社 | 乳酸-グリコール酸共重合体及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-03-02 JP JP04104993A patent/JP3273821B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014171011A1 (ja) | 2013-04-19 | 2014-10-23 | 株式会社武蔵野化学研究所 | 脂肪族ポリエステルの精製方法およびその方法で精製された脂肪族ポリエステル |
KR20150144793A (ko) | 2013-04-19 | 2015-12-28 | 가부시키가이샤 무사시노카가쿠겡큐쇼 | 지방족 폴리에스테르의 정제 방법 및 그 방법으로 정제된 지방족 폴리에스테르 |
US9688809B2 (en) | 2013-04-19 | 2017-06-27 | Musashino Chemical Laboratory, Ltd. | Method for purifying aliphatic polyester and aliphatic polyester purified with said method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06256492A (ja) | 1994-09-13 |
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