JP3256990B2 - 文書処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、書式の出力桁数に応じ
て文書データを配置する文書処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にワードプロセッサ等においては、
文書の書式は一行当りの行数を設定することにより規定
される。そして、この書式に従って文書が作成され、作
成された文書はプリンタで印刷される。この場合、編集
機能として改行、改頁、インデント、禁則処理等の機能
により行編集が行われる。一方、この作成された若しく
は作成中の文書はＣＲＴ、ＬＣＤ（液晶デイスプレイ）
等の表示部で表示される。文書の作成にあたって、操作
者はこの表示部を見ながら文書データの入力および編集
を行う。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の文書処理装置にあっては、文書の入力前に入
力文書の書式桁数を決めその桁に従い文字入力を行い出
力まで行うとともに、日本語特有の「禁則処理」など
は、特別な出力、編集処理により補う構成となっていた
ため、この処理によって操作が複雑になるばかりか出力
形式も文字間を調整するなどして文書全体の構成をくず
す要因のひとつになっていた。また、外来語や英語の単
語など２行にまたがるような場合にはなんら考慮される
ことなく処理されていたため、見栄えの悪い文書となっ
てしまうことがある。特に行頭禁則や禁則文字が文頭に
くる場合は勿論のこと、カッコに囲まれた文字や英数文
字、カタカナの単語が２行にまたがっていると見栄えが
悪く読みづらいという問題点があった。本発明の課題
は、文書データの配置状態が適切となる出力桁数の書式
を自動的に決定することができるようにすることであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】文書データを記憶する文
書データ記憶手段と、文書書式として設定可能な複数の
出力桁数の書式毎に、前記文書データをその出力桁数の
書式により行単位で仮配置する配置手段と、前記各出力
桁数の書式毎に、前記文書データを仮配置した各行にお
ける文書データの行頭及び行末部分での文字列の連続状
態を解析して得点を取得する得点取得手段と、前記得点
取得手段によって取得された得点に基づいて、前記文書
データを配置する出力桁数の書式を決定する決定手段と
を備えるものである。したがって、文書データの配置状
態が適切となる出力桁数の書式を自動的に決定し見栄え
の良い文書を出力することができる。

【０００５】

【機能ブロック図の説明】図１は本発明の機能ブロック
図である。文書データ記憶手段１から文書データが読出
されると、読出された文書データは評価手段２により文
書データを出力する際の各出力桁毎の各行における前行
末から当該行頭における文書データの連続状態が評価さ
れ、この評価結果に基づいて出力桁決定手段３は文書デ
ータの出力桁を決定する。

【０００６】

【実施例】以下、図２〜図６を参照して実施例を説明す
る。図２〜図６は文書処理装置の一実施例を示す図であ
る。先ず、構成を説明する。図２は文書処理装置１０の
ブロック図である。この図において、１１は装置全体の
制御、並びに後述する出力桁数評価処理を含む各種の文
書処理を行う制御部であり、制御部１１はＣＰＵ等によ
り構成され図示しないＲＯＭに格納されているマイクロ
プログラムに従って文書処理装置の各種の動作を制御す
る。制御部１１には、文書情報を記憶する文書メモリ１
２に、カウンタ及びフラグからなる制御レジスタ１３、
文書入力のための仮文字キー、アルファベット、文字キ
ー、数字キー及び機能命令のためのファンクションキー
等を備えたキーボードからなる入力部１４、入力及び編
集文書等を表示する表示部１５、文書を印刷出力するプ
リンタ等の印字部１６がそれぞれ接続されている。

【０００７】上記制御レジスタ１３は、最適な出力桁数
を判定するための評価得点等をカウントするためのもの
であり、具体的には、アドレスカウンタ２１、最高値カ
ウンタ２２、最適桁数カウンタ２３、ベース桁カウンタ
２４、桁カウンタ２５、得点カウンタ２６、カタカナ／
英数字フラグ２７及びカッコ（「」）検出フラグ２８か
ら構成されている。

【０００８】また、上記文書メモリ１２及び制御レジス
タ１３は、例えば演算に使用するデータや演算結果など
を一時的に記憶するＲＡＭの記憶領域を分割して使用さ
れる。入力部１４は、英数字、平仮名等を入力するキー
や、カーソル移動キー、実行キー、中止キー等のファン
クションキーが配置された操作盤であり、操作盤上のい
ずれかのキーが操作された場合、制御部１１によってそ
のキーに対応する所定のキーコードに変換される。

【０００９】次に、実施例の動作を説明する。図３は出
力桁数評価判定処理のプログラムを示すフローチャート
であり、本フローは所定の開始キー操作があった後に上
記制御レジスタ１３を用いて実行される。同図中、符号
Ｓｎ（ｎ＝１，２，…）はフローの各ステップを示して
いる。

【００１０】プログラムがスタートすると、先ず、ステ
ップＳ１で最高値カウンタ２２と最適桁数カウンタ２３
をクリアし、ステップＳ２で用紙のサイズ（例えば、Ａ
４サイズ）によって決定されるベース桁の最小値を計算
し、ステップＳ３で、計算した最小値をベース桁カウン
タ２４にセットする。ここでは、その用紙に従って出力
桁の最大値と最小値を計算し、その最小桁数をベース桁
カウンタ２４にセットしておく。次いで、ステップＳ４
で文書メモリ１２の先頭アドレスをアドレスカウンタ２
１にセットし、ステップＳ５で文章評価の点が入る得点
カウンタ２６に" ０" 点をセットして文章評価を行うた
めの初期化を行う。次いで、ステップＳ６で仮出力を行
う。この仮出力処理は何桁と決めたときに桁数に応じた
評価をしていく処理であり、詳細は図４に示される。次
いで、ステップＳ７で最高値カウンタ２２のカウント値
と得点カウンタ２６のカウント値を比較し、最高値カウ
ンタ２２の値が得点カウンタ２６の値以上のときはステ
ップＳ８で得点カウンタ２６の値を最高値カウンタ２２
にセットし、ステップＳ９で桁カウンタ２５の値を最適
桁数カウンタ２３にセットしてステップＳ１０に進む。
また、最高値カウンタ２２の値が得点カウンタ２６の値
より小さいときはステップＳ８，Ｓ９をジャンプしてＳ
１０に進む。すなわち、桁数を決めて評価すると、最初
はその桁数の得点が最高値カウンタ２２に格納される
が、次に桁数を変えて評価した値と最高値カウンタ２２
の値とを比較し、良い評価が出たら順に更新していく。
次いで、ステップＳ１０でベース桁カウンタ２４の値
（最小桁）を１桁増やして最小桁から１桁ずつ大きくし
ていき、ステップＳ１１で用紙最大値に達したか否かを
判別する。用紙最大のときは、本フローの処理を終え、
用紙最大になっていないときはステップＳ４に戻る。こ
のように、仮の桁で仮出力した結果の得点が出てくるの
で、前回の値と比較して得点の低いものが記憶される。
このように、この場合の評価では後述するように良くな
い箇所が出てくると加点されるため得点の低いものの方
が評価が高いことになる。上述した処理がまず１回行わ
れ、その次に仮の桁数を１桁増やして、先に計算したそ
の用紙の最大値まで繰り返してその結果が最適桁数カウ
ンタ２３に出力される。

【００１１】図４は、仮出力処理を示すフローチャート
であり、前記ステップＳ６に対応する。先ず、ステップ
Ｓ１１でカタカナ／英数字フラグ２７及びカッ
コ（「」）検出フラグ２８をＯＦＦ初期化し、ステップ
Ｓ１２で一行処理（図５）を行う。次いで、ステップＳ
１３で一行処理の読出しが終了したか否かを判別し、読
出しが終了したときは仮出力処理を終え、読出しが終了
していないときはステップＳ１２に戻って仮の出力を一
行単位に文書の最後まで行う。このフローを実行するこ
とにより１行毎に仮出力が読出される。ここで、後述す
る図５の一行処理でカッコが２行にまたがっていると
か、カタカナ，アルファベットが２行にまたがっている
とかを判別して仮の桁毎に得点評価を行い、カタカナ等
が２行にまたがっている場合は、評価が悪いものとす
る。本実施例では前述したように２行にまたがっている
ものがあると加点していくようにしているので加点がい
ちばん小さいものが評価が良いことになる。

【００１２】図５は一行処理を示すフローチャートであ
り、前記ステップＳ１２に対応する。この一行処理の最
初では次の項目に関してチェックする。すなわち、 i） ２行にまたがって“「" 、“」" で囲まれた文書が
入っていないか。 ii）２行にまたがって英数文字列（英単語）、カタカナ
の文字列が入っていないか。 iii）行頭禁則文字が来ていないか。 上記のような場合には得点カウンタ２６に加点するよう
にする。

【００１３】具体的には、先ず、ステップＳ１１でカッ
コ（「」）検出フラグ２８がＯＮしているか否かを判別
し、「」検出フラグ２８がＯＮしているときはカッコが
前行にまたがっているときであるからステップＳ１２で
得点カウンタ２６に１を加点し、カタカナ／英数文字フ
ラグ２８がＯＮしていなければそのままステップＳ１３
に進む。ステップＳ１３では先頭一文字を続出し、ステ
ップＳ１４でその文字がカタカナ／英数文字か否かを判
別する。読出した先頭一文字がカタカナ／英数文字のと
きはステップＳ１５でカタカナ／英数文字フラグ２７が
ＯＮしているか否かを判別する。カタカナ／英数字フラ
グ２７がＯＮしているときはカタカナ又は英数字が前行
にまたがっているときであるからステップＳ１６で得点
カウンタ２６に１を加点し、フラグ２７がＯＮしていな
ければそのままステップＳ１７に進む。すなわち、読出
した先頭一文字がカタカナ又は英数文字であっても前行
からまたがるものではなく先頭から始まる場合には、見
栄えが損なわれるものではないと判断して加点対象とは
しない。次いで、ステップＳ１７でカタカナ／英数文字
フラグ２７をＯＮにしてステップＳ２０の一文字処理
（図６）に進む。

【００１４】一方、前記ステップＳ１４でカタカナ／英
数文字でないと判別したときはステップＳ１８で読出し
た文字が行頭禁則文字（例えば“、" “。" “，"
“−" “っ" ）か否かを判別し、行頭禁則文字のときは
ステップＳ１９で得点カウンタ２６に１を加点し、行頭
禁則文字でなければそのままステップＳ２０に進む。ス
テップＳ２０では一文字処理（図６）を行い、ステップ
Ｓ２１で桁カウンタ２５の値がベース桁カウンタ２４の
値より大きいか否かを判断し、桁カウンタ２５の値がベ
ース桁カウンタ２４の値以下のときは一行の処理が終わ
っていないと判断して一行全部終わるまではステップＳ
２０に戻って一文字処理を繰り返す。桁カウンタ２５の
値がベース桁カウンタ２４の値より大きいときは一行処
理が終わったと判断して本フローの処理を終了する。従
って、行の先頭のチェックを行った後は一行分のデータ
が仮出力されることになる。

【００１５】図６は一文字処理を示すフローチャートで
あり、前記ステップＳ２０に対応する。一文字処理は、
行末一文字をみて行末に禁則文字があれば評価を下げる
ようにする処理であり、一文字の処理の中では行末禁則
が得点の対象になる。また、次の行の先頭チェックのた
めに文字単位に“「" 、“」" 、英数字、カタカナのチ
ェックを行いフラグの管理を行う。このような一行分の
処理を順次行うようにする。

【００１６】具体的には、先ず、ステップＳ３１で一文
字づつ文字を読出し、ステップＳ３２で読出した文字が
行末禁則文字か否かを判別する。読出した文字が行末禁
則文字のときはステップＳ３３でベース桁カウンタ２４
の値が桁カウンタ２５の値と等しいか否かを判別し、等
しいときはいま読出した文字が行末の文字であると判断
してステップＳ３４で得点カウンタ２６に１を加点す
る。すなわち、行末禁則文字であって行末であれば加点
し、この条件にないときはステップＳ３４をジャンプし
てステップＳ３５に進む。ステップＳ３５では読出した
文字が開きカッコ“「" か否かを判断し、開きカッコ
“「" のときはステップＳ３６でカッコ（「」）検出フ
ラグ２８をＯＮにしてステップＳ４１に進む。また、読
出した文字が開きカッコ“「" でないときはステップＳ
３７で閉じカッコ“」" か否かを判断し、閉じカッ
コ“」" のときはステップＳ３８でカッコ（「」）検出
フラグ２８をＯＦＦしてＳ４１に進む。すなわち、開き
カッコ“「" があればカッコ（「」）検出フラグ２８の
フラグを立て、閉じカッコ“」" があればカッ
コ（「」）検出フラグ２８のフラグを降ろすことによ
り、カッコ（「」）検出フラグ２８のフラグをみれば前
記一行処理（図５）で開きカッコ“「" があったまま１
行が終了したことが判別できる。

【００１７】前記ステップＳ３７で閉じカッコ“」" で
ないときはステップＳ３９でカタカナ／英数文字か否か
を判別し、カタカナ／英数文字のときはステップＳ４０
でカタカナ／英数文字フラグ２７をＯＮにしてステップ
Ｓ４２に進む。一方、カタカナ／英数文字でないとき、
あるいはステップＳ３４、Ｓ３８から移行したときはカ
タカナ／英数文字等の連続ではなくなっているときであ
るからステップＳ４１でカタカナ／英数フラグ２７をＯ
ＦＦする。次いで、ステップＳ４２で一文字処理を終え
るかどうかの桁数を求める桁数計算を行い、ステップＳ
４３で桁カウンタ２５に計算した桁数を加算し、ステッ
プＳ４４で次の文字のアドレスをアドレスカウンタ２１
に格納して本フローの処理を終了する。

【００１８】以上説明したように、本実施例の文書処理
装置１０は、制御部１１と、文書情報を記憶する文書メ
モリ１２と、最適な出力桁数を判定するための評価得点
等をカウントするカウンタ及びフラグからなる制御レジ
スタ１３と、文書入力のための仮名文字キー、アルファ
ベット文字キー等を備えたキーボードからなる入力部１
４とを設け、入力時に出力結果の桁数を意識することな
く文書を作成し、出力時にその文書の文書データの連続
状態を解析して得点評価するようにしているので、最適
な出力桁数を自動的に出力することができ、見栄えのよ
い綺麗な文書を出力することができる。

【００１９】また、従来であれば見栄えのよい文書を出
力しようとするとオペレータが、適当な行を決めて各行
毎に行末の英数文字等を次の行に割り込ませる、あるい
は、出力桁数を順次変えてみて適当な出力桁数を見付け
出すといった手間のかかる処理が必要であったが、本文
書処理装置１０は自動的に桁数を変えながら入力文書を
評価するようにしているので、見栄えのよい桁数を自動
的に決定することができ、日本語ワープロのような文字
出力装置には有効である。

【００２０】なお、本実施例では、文書データの連続状
態を、行頭禁則、行末禁則、カッコ（「」）、英数文
字、カタカナにより得点評価するようにしているが、こ
れは、一例であって文書の見栄えに関連する連続状態を
表すものであればこれ以外のもの、例えば、カッコの種
類を増やすようにしていてもよい。

【００２１】また、本実施例では、禁則、カッコ、英数
文字等が２行にまたがる場合の加点幅を同一としている
が、これに限らず、項目により加点幅を変えるようにす
ればより適当な得点評価を行うことが可能になる。例え
ば、カタカナは加点幅をより小さく、英数文字等はより
加点幅を大きくするようにして重み付けを変えることに
よって、得点評価に差を付けるようにすることができ
る。

【００２２】

【発明の効果】この発明によれば、複数の出力桁数の書
式毎に文書データを、その出力桁数の書式により行単位
で仮配置した際の各行における文書データの行頭及び行
末部分での文字列の連続状態を解析して得点を取得し
て、その取得した得点に基づいて、文書データを配置す
る出力桁数の書式を自動的に決定するため、文書データ
の配置状態が適切となる出力桁数の書式を自動的に決定
でき、見栄えの良い文書の出力を行うことが容易にでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の機能ブロック図である。

【図２】文書処理装置のブロック構成図である。

【図３】文書処理装置の桁数評価処理を示すフローチャ
ートである。

【図４】文書処理装置の桁数評価処理を示すフローチャ
ートである。

【図５】文書処理装置の桁数評価処理を示すフローチャ
ートである。

【図６】文書処理装置の桁数評価処理を示すフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１０ 文書処理装置 １１ 制御部 １２ 文書メモリ １３ 制御レジスタ １４ 入力部 １５ 表示部 １６ 印字部 ２１ アドレスカウンタ ２２ 最高値カウンタ ２３ 最適桁数 ２４ ベース桁カウンタ ２５ 桁カウンタ ２６ 得点カウンタ ２７ カタカナ／英数字フラグ ２８ 「」検出フラグ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】文書データを記憶する文書データ記憶手段
   と、文書書式として設定可能な複数の出力桁数の書式毎に、
   前記文書データをその出力桁数の書式により行単位で仮
   配置する配置手段と、 前記各出力桁数の書式毎に、前記文書データを仮配置し
   た各行における文書データの行頭及び行末部分での文字
   列の連続状態を解析して得点を取得する得点取得手段
   と、 前記得点取得手段によって取得された得点に基づいて、
   前記文書データを配置する出力桁数の書式を決定する決
   定手段と、 を具備したことを特徴とする文書処理装置。