JP3255202B2 - 画像記録方法 - Google Patents
画像記録方法Info
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- JP3255202B2 JP3255202B2 JP18075893A JP18075893A JP3255202B2 JP 3255202 B2 JP3255202 B2 JP 3255202B2 JP 18075893 A JP18075893 A JP 18075893A JP 18075893 A JP18075893 A JP 18075893A JP 3255202 B2 JP3255202 B2 JP 3255202B2
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- Japan
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- reversible thermosensitive
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像記録方法に関し、詳
しくは、温度による可逆的な透明度変化をもたらす可逆
性感熱記録媒体を長期にわたって使用しうるようにした
画像記録方法に関する。
しくは、温度による可逆的な透明度変化をもたらす可逆
性感熱記録媒体を長期にわたって使用しうるようにした
画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成が行なえ、不要
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録媒体が注目されている。その代表的なものと
しては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のごとき樹脂
母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散した
可逆性感熱記録媒体が知られている(特開昭54−11
9377号、特開昭55−154198号などの公
報)。この種の可逆性感熱記録媒体による記録、即ち画
像形成及び消去は感熱層の温度による透明度変化を利用
したものであり、従来の不可逆な感熱記録媒体と同様に
サーマルヘッドやホットスタンプなどによる画像形成が
可能で、消去も可能という特徴を有している。
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録媒体が注目されている。その代表的なものと
しては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のごとき樹脂
母材中に高級脂肪酸のような有機低分子物質を分散した
可逆性感熱記録媒体が知られている(特開昭54−11
9377号、特開昭55−154198号などの公
報)。この種の可逆性感熱記録媒体による記録、即ち画
像形成及び消去は感熱層の温度による透明度変化を利用
したものであり、従来の不可逆な感熱記録媒体と同様に
サーマルヘッドやホットスタンプなどによる画像形成が
可能で、消去も可能という特徴を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この可
逆性感熱記録媒体は繰り返し使用していると、サーマル
ヘッドの熱や特に圧力のために可逆性感熱記録媒体が除
々に劣化して、正確な記録、消去ができなくなるといっ
たことが見受けられる。本発明の目的はそうした不都合
の生じるのを極力解消せしめ、可逆性感熱記録媒体の耐
久性を向上させることによって、効率よくかつ長期にわ
たって記録・消去が行なえる画像記録方法を提供するも
のである。
逆性感熱記録媒体は繰り返し使用していると、サーマル
ヘッドの熱や特に圧力のために可逆性感熱記録媒体が除
々に劣化して、正確な記録、消去ができなくなるといっ
たことが見受けられる。本発明の目的はそうした不都合
の生じるのを極力解消せしめ、可逆性感熱記録媒体の耐
久性を向上させることによって、効率よくかつ長期にわ
たって記録・消去が行なえる画像記録方法を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度に依存し
て透明度が可逆的に変化する可逆性感熱記録媒体を用
い、これに画像形成及び画像消去を繰り返す画像記録方
法において、該可逆性感熱記録媒体の白濁化又は透明化
を行なった後、ペルチェモジュールで冷却すると共に該
白濁化又は透明化された可逆性感熱記録媒体を保管する
ものであることを特徴とする。
て透明度が可逆的に変化する可逆性感熱記録媒体を用
い、これに画像形成及び画像消去を繰り返す画像記録方
法において、該可逆性感熱記録媒体の白濁化又は透明化
を行なった後、ペルチェモジュールで冷却すると共に該
白濁化又は透明化された可逆性感熱記録媒体を保管する
ものであることを特徴とする。
【0005】これまで、可逆性感熱記録媒体の白濁化又
は透明化を何らかの加熱処理(前記のサーマルヘッドの
他、例えばヒートロール、ヒートブロックなど)に続き
冷却(冷却ロール、冷却板、冷風などによる)して行な
ってきたが、そうした手段が採られると記録装置は大型
化し、加えて、処理速度は遅くなりがちになるのが避け
られない。更に、この可逆性感熱記録媒体を回収保管す
る場合には加熱処理後の可逆性感熱記録媒体の熱および
加熱処理機の熱によって保管温度が高くなり、この状態
で可逆性感熱記録媒体を再利用すると、耐久性が劣化す
るおそれがある。本発明者らは、こうした事情を配慮し
たうえで、前記の冷却手段としてペルチェモジュールを
採用すれば、前記のごとき不都合が生じることなく、良
好な結果が得られることを確めた。本発明の方法はそれ
によりなされたものである。
は透明化を何らかの加熱処理(前記のサーマルヘッドの
他、例えばヒートロール、ヒートブロックなど)に続き
冷却(冷却ロール、冷却板、冷風などによる)して行な
ってきたが、そうした手段が採られると記録装置は大型
化し、加えて、処理速度は遅くなりがちになるのが避け
られない。更に、この可逆性感熱記録媒体を回収保管す
る場合には加熱処理後の可逆性感熱記録媒体の熱および
加熱処理機の熱によって保管温度が高くなり、この状態
で可逆性感熱記録媒体を再利用すると、耐久性が劣化す
るおそれがある。本発明者らは、こうした事情を配慮し
たうえで、前記の冷却手段としてペルチェモジュールを
採用すれば、前記のごとき不都合が生じることなく、良
好な結果が得られることを確めた。本発明の方法はそれ
によりなされたものである。
【0006】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】ところで、本発明における「可逆性感熱記
録媒体」とは、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分とし、温度に依存した透明度
が可逆的に変化する材料、又はこの材料の層(感熱層)
を支持体上に設けたものである。
録媒体」とは、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分とし、温度に依存した透明度
が可逆的に変化する材料、又はこの材料の層(感熱層)
を支持体上に設けたものである。
【0008】透明度に変化を生じせしめる透明状態と白
濁状態とが可逆的に変化する感熱層又は可逆性感熱記録
材料は、後述するように、透明になる温度の範囲があ
る。ここでの可逆性感熱記録材料は、前記のごとき透明
度変化を利用しており、この透明状態と白濁不透明状態
との違いは次のように推測される。すなわち、(I)透明
の場合には樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒
子は有機低分子物質の大きな粒子で構成されており、片
側から入射した光は散乱されること無く反対側に透過す
るため透明に見えること、また、(II)白濁の場合には有
機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集
合した多結晶で構成され、個々の結晶の結晶軸がいろい
ろな方向を向いているため片側から入射した光は有機低
分子物質粒子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱される
ため白く見えること、等に由来している。
濁状態とが可逆的に変化する感熱層又は可逆性感熱記録
材料は、後述するように、透明になる温度の範囲があ
る。ここでの可逆性感熱記録材料は、前記のごとき透明
度変化を利用しており、この透明状態と白濁不透明状態
との違いは次のように推測される。すなわち、(I)透明
の場合には樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒
子は有機低分子物質の大きな粒子で構成されており、片
側から入射した光は散乱されること無く反対側に透過す
るため透明に見えること、また、(II)白濁の場合には有
機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集
合した多結晶で構成され、個々の結晶の結晶軸がいろい
ろな方向を向いているため片側から入射した光は有機低
分子物質粒子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱される
ため白く見えること、等に由来している。
【0009】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0以
下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加
熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻
しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に至
るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から
単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3以
上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との
中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行く
と、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態
に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融後、
冷却されることにより多結晶が析出するためであると考
えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温
度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合
には透明と不透明との中間の状態をとることができる。
また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度
に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻
る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその中
間状態をとることができる。従って、熱を選択的に与え
ることにより感熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画
像、白濁地に透明画像を形成することができ、その変化
は何回も繰り返しすることが可能である。
る)において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0以
下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加
熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻
しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に至
るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から
単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3以
上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との
中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行く
と、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態
に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融後、
冷却されることにより多結晶が析出するためであると考
えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温
度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合
には透明と不透明との中間の状態をとることができる。
また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度
に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻
る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその中
間状態をとることができる。従って、熱を選択的に与え
ることにより感熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画
像、白濁地に透明画像を形成することができ、その変化
は何回も繰り返しすることが可能である。
【0010】この可逆性感熱記録媒材料の透明−白濁化
のメカニズムは次のように推察される。即ち、白濁化温
度に加熱後、冷却法の違いで白濁化に差が生じる現象
は、感熱層中の有機低分子物質が加熱〜冷却工程、即ち
溶融〜凝固の過程で有機低分子物質の結晶構造に違いが
生じ白濁化に差が発生したと考える。具体的には、白濁
化温度に加熱後低い温度で冷却、即ち急冷条件で冷却す
ると、感熱層中に溶融した有機低分子物質が凝固する過
程で結晶が短時間で成長し、多結晶構造に近い結晶に成
長し析出するため、白濁濃度が向上するためと考えられ
る。逆に高い温度で冷却、即ち徐冷条件で冷却すると、
感熱層中に溶融した有機低分子物質の結晶の成長がおさ
えられ、単結晶構造として析出するため白濁濃度が低く
なると考えられる。
のメカニズムは次のように推察される。即ち、白濁化温
度に加熱後、冷却法の違いで白濁化に差が生じる現象
は、感熱層中の有機低分子物質が加熱〜冷却工程、即ち
溶融〜凝固の過程で有機低分子物質の結晶構造に違いが
生じ白濁化に差が発生したと考える。具体的には、白濁
化温度に加熱後低い温度で冷却、即ち急冷条件で冷却す
ると、感熱層中に溶融した有機低分子物質が凝固する過
程で結晶が短時間で成長し、多結晶構造に近い結晶に成
長し析出するため、白濁濃度が向上するためと考えられ
る。逆に高い温度で冷却、即ち徐冷条件で冷却すると、
感熱層中に溶融した有機低分子物質の結晶の成長がおさ
えられ、単結晶構造として析出するため白濁濃度が低く
なると考えられる。
【0011】図2、図3及び図4は本発明方法の実施に
有用な装置の幾つかを表わしたもの、1はペルチェモジ
ュール冷却部、1′はペルチェモジュール加熱部、21
は消去ブロック、22は印字又は消去サーマルヘッド、
3は可逆性感熱記録媒体、4は保管ケースを示してい
る。
有用な装置の幾つかを表わしたもの、1はペルチェモジ
ュール冷却部、1′はペルチェモジュール加熱部、21
は消去ブロック、22は印字又は消去サーマルヘッド、
3は可逆性感熱記録媒体、4は保管ケースを示してい
る。
【0012】図2(a)(b)にみられるように、印字
又は消去部(21,22)を通過した可逆性感熱記録媒
体3は、冷却部を通して処理されると、既述のごとく、
透明・白濁が良好になり、更に繰り返し耐久性にもすぐ
れたものとなる。その際、前記の冷却部にペルチェモジ
ュール1を用いて可逆性感熱記録媒体3を冷却すると、
高速、多量に、印字・消去ができる。冷却ロール、冷却
ブレードの使用では、環境に左右されやすく、これをコ
ントロールするためには、冷風、冷水をもうけなければ
ならない。ペルチュモジュール1は薄形で電力でコント
ローができるため、すぐれた効果を示す。
又は消去部(21,22)を通過した可逆性感熱記録媒
体3は、冷却部を通して処理されると、既述のごとく、
透明・白濁が良好になり、更に繰り返し耐久性にもすぐ
れたものとなる。その際、前記の冷却部にペルチェモジ
ュール1を用いて可逆性感熱記録媒体3を冷却すると、
高速、多量に、印字・消去ができる。冷却ロール、冷却
ブレードの使用では、環境に左右されやすく、これをコ
ントロールするためには、冷風、冷水をもうけなければ
ならない。ペルチュモジュール1は薄形で電力でコント
ローができるため、すぐれた効果を示す。
【0013】図3(a)及び(b)は冷却したカード状
の可逆性感熱記録媒体3を保管ケース4に収納する様子
を表わしている。いま、印字又は消去部(21,22)
を通過した逆性感熱記録媒体3の保管を何等の手段も講
じることなく行なった場合には、印字又は消去部(2
1,22)の熱源で加熱処理された可逆性感熱記録媒体
3が保管ケース4に収納されるため、ケース温度が上昇
して可逆性感熱記録媒体3の冷却が思うようにならない
と、いった不都合が生じる。そこで、保管ケース4の入
口のペルチェモジュール冷却部1を設けるようにすれ
ば、可逆性感熱記録媒体3は冷却されるとともに低温下
での保存が可能になり、可逆性感熱記録材料中の有機低
分子の粒径が軟化し変化しなくなって繰り返し耐久性が
よくなる。さらに保管温度を40℃以下におさえると、
感熱層の有機低分子の粒径が完全に硬化し、繰り返し、
耐久性がさらによくなる。また、保管ケース4に熱伝導
率0.1cal/cm・sec℃以上の金属(例えばA
l、Au、Ag、Cuなど)を使用すれば更に効率のよ
い冷却が可能になる。なお、冷却ファンでの冷却も考え
られるが、記録装置が大きくなり、印字又は消去部への
温度低下を促進する副作用がある。
の可逆性感熱記録媒体3を保管ケース4に収納する様子
を表わしている。いま、印字又は消去部(21,22)
を通過した逆性感熱記録媒体3の保管を何等の手段も講
じることなく行なった場合には、印字又は消去部(2
1,22)の熱源で加熱処理された可逆性感熱記録媒体
3が保管ケース4に収納されるため、ケース温度が上昇
して可逆性感熱記録媒体3の冷却が思うようにならない
と、いった不都合が生じる。そこで、保管ケース4の入
口のペルチェモジュール冷却部1を設けるようにすれ
ば、可逆性感熱記録媒体3は冷却されるとともに低温下
での保存が可能になり、可逆性感熱記録材料中の有機低
分子の粒径が軟化し変化しなくなって繰り返し耐久性が
よくなる。さらに保管温度を40℃以下におさえると、
感熱層の有機低分子の粒径が完全に硬化し、繰り返し、
耐久性がさらによくなる。また、保管ケース4に熱伝導
率0.1cal/cm・sec℃以上の金属(例えばA
l、Au、Ag、Cuなど)を使用すれば更に効率のよ
い冷却が可能になる。なお、冷却ファンでの冷却も考え
られるが、記録装置が大きくなり、印字又は消去部への
温度低下を促進する副作用がある。
【0014】図4(a)及び(b)はペリチュモジュー
ル加熱部1′によって印字又は消去部(21,22)の
熱をコントロールして、可逆性感熱記録材料3の印字・
消去を安定化を図ったものである。図4(c)はペルチ
ュモジュール加熱部1′を例えば60〜80℃に加熱し
て消去専用にも利用とするものである。
ル加熱部1′によって印字又は消去部(21,22)の
熱をコントロールして、可逆性感熱記録材料3の印字・
消去を安定化を図ったものである。図4(c)はペルチ
ュモジュール加熱部1′を例えば60〜80℃に加熱し
て消去専用にも利用とするものである。
【0015】さらに、本発明では、可逆性感熱記録媒体
をサーマルヘッドで印字し、ペルチェモジュールで冷却
して画像を得た後、再びペリチェモジュールが加熱する
ことにより効果的に画像消去が行なうことができる。
をサーマルヘッドで印字し、ペルチェモジュールで冷却
して画像を得た後、再びペリチェモジュールが加熱する
ことにより効果的に画像消去が行なうことができる。
【0016】本発明に係る可逆性感熱記録媒体を作るに
は一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解
した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低
分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを用
いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液を
例えばプラスチックフィルム、ガラス板、金属板などの
支持体上に塗布乾燥して可逆性の感熱層を形成せしめれ
ばよい。
は一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解
した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低
分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを用
いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液を
例えばプラスチックフィルム、ガラス板、金属板などの
支持体上に塗布乾燥して可逆性の感熱層を形成せしめれ
ばよい。
【0017】感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤として
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0018】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-
酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢
酸ビニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレー
ト共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリ
デン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニ
リデン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン
系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレー
ト又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタク
リレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これ
らは単独で或いは2種以上混合して使用される。
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-
酢酸ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢
酸ビニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレー
ト共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリ
デン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニ
リデン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン
系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレー
ト又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタク
リレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これ
らは単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0019】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ールカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれら
のエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよ
く、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにして
も有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロ
ゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH-、-COO
R、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等を含む化
合物であることが好ましい。
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ールカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれら
のエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよ
く、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにして
も有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロ
ゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH-、-COO
R、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等を含む化
合物であることが好ましい。
【0020】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 ,C18H37-S-C18
H37 , C12H25-S-C12H25 ,C19H39-S-C19H39 , C12H
25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 ,C18H37-S-C18
H37 , C12H25-S-C12H25 ,C19H39-S-C19H39 , C12H
25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
【0021】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63-3
9378号、特開昭63-130380号などの公報や、特願昭63-14
754号、特願平1-140109号などの明細書に開示されてい
るが、これらに限定されるものではない。なお、感熱層
中の有機低分子物質と樹脂母材との割合は、重量比で2:
1〜1:16程度が好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。樹
脂母材の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹
脂母材中に保持した膜を形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63-3
9378号、特開昭63-130380号などの公報や、特願昭63-14
754号、特願平1-140109号などの明細書に開示されてい
るが、これらに限定されるものではない。なお、感熱層
中の有機低分子物質と樹脂母材との割合は、重量比で2:
1〜1:16程度が好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。樹
脂母材の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹
脂母材中に保持した膜を形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
【0022】感熱層の厚さは厚すぎると層内での熱の分
布が発生し均一に透明化することが困難となる。逆に感
熱層が薄すぎると白濁度が低下しコントラストが低くな
る。更に、感熱層中の有機低分子物質の量を増加させる
と白濁度を増すことができる。
布が発生し均一に透明化することが困難となる。逆に感
熱層が薄すぎると白濁度が低下しコントラストが低くな
る。更に、感熱層中の有機低分子物質の量を増加させる
と白濁度を増すことができる。
【0023】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。
【0024】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ-又はジ-エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレ
ート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメタク
リレート;長鎖アルキルメタクリレート〜アミン含有モ
ノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;
オレフィン−無水マレイン酸共重合体。
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ-又はジ-エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレ
ート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメタク
リレート;長鎖アルキルメタクリレート〜アミン含有モ
ノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;
オレフィン−無水マレイン酸共重合体。
【0025】また、感熱層上には、サーマルヘッド等の
書込みにより表面が変形して透明部の透明度が低下する
のを防ぐために保護層を設けることができる。保護層
(厚さ1〜15μm好ましくは2〜10μm程度)の材料
としては、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭6
3-221087号公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリ
マー(特願昭62-152550号明細書に記載)や紫外線硬化樹
脂又は電子線硬化樹脂(特願昭63-310600号明細書に記
載)等が挙げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を
用いるが、その溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分
子物質を溶解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及
び有機低分子物質を溶解しにくい溶剤としてはn-ヘキサ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤が
コスト面から望ましい。
書込みにより表面が変形して透明部の透明度が低下する
のを防ぐために保護層を設けることができる。保護層
(厚さ1〜15μm好ましくは2〜10μm程度)の材料
としては、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭6
3-221087号公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリ
マー(特願昭62-152550号明細書に記載)や紫外線硬化樹
脂又は電子線硬化樹脂(特願昭63-310600号明細書に記
載)等が挙げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を
用いるが、その溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分
子物質を溶解しにくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及
び有機低分子物質を溶解しにくい溶剤としてはn-ヘキサ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤が
コスト面から望ましい。
【0026】更に、保護層形成液の溶剤やモノマー成分
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができる(特開平1−13378
1号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹
脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリ
エステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層との間
に中間層を設けることができる(特開平1−13378
1号公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹
脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリ
エステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
【0027】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。ここでの部は重量基準である。
説明する。ここでの部は重量基準である。
【0028】参考例 図5に示したように、樹脂シート34を例えば約50μ
m厚のポリエステル樹脂フィルム(帝人社製)上に バイロン200(東洋紡社製) 5部 THF 95部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、110℃で乾燥
して約0.5μmの接着層35を形成した。接着層35
上に ステアリン酸(ミヨシ油脂社製) 5部 エイコサン2酸(岡村製油社製) 5部 フタル酸ジイソデシル 2部 10000MT(電気化学社製) 40部 THF 140部 トルエン 60部 からなる混合液をワイヤーバーで塗布し、120℃で乾
燥して約15μm厚の記録層(可逆性感熱記録材料層)
36を形成した。更にこの上にウレタンアクリレート系
紫外線硬化性樹脂の酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディック C7−157) 10部 イソプロピルアルコール 10部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、80℃で乾燥
後、80W/cmのUVランプで硬化させて約3μm厚
の保護層37を形成した。一方、基材31(ポリエチレ
ンベース、磁気ベースなど)上に印字層32を設け、そ
の上に接着層33を設けた後、前記の樹脂シート34と
貼り合せて可逆性感熱記録媒体3を作成した。
m厚のポリエステル樹脂フィルム(帝人社製)上に バイロン200(東洋紡社製) 5部 THF 95部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、110℃で乾燥
して約0.5μmの接着層35を形成した。接着層35
上に ステアリン酸(ミヨシ油脂社製) 5部 エイコサン2酸(岡村製油社製) 5部 フタル酸ジイソデシル 2部 10000MT(電気化学社製) 40部 THF 140部 トルエン 60部 からなる混合液をワイヤーバーで塗布し、120℃で乾
燥して約15μm厚の記録層(可逆性感熱記録材料層)
36を形成した。更にこの上にウレタンアクリレート系
紫外線硬化性樹脂の酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディック C7−157) 10部 イソプロピルアルコール 10部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、80℃で乾燥
後、80W/cmのUVランプで硬化させて約3μm厚
の保護層37を形成した。一方、基材31(ポリエチレ
ンベース、磁気ベースなど)上に印字層32を設け、そ
の上に接着層33を設けた後、前記の樹脂シート34と
貼り合せて可逆性感熱記録媒体3を作成した。
【0029】グローリ社製JR−10の印字装置内のサ
ーマルヘッド横にフジタカ製TECI−1703タイプ
のペリチェ・モジュールをセットして前記の可逆性感熱
記録媒体3に記録を施し冷却したところ、良好な濃度
(マクベス濃度計で光学濃度1.70の印刷層に対し
0.55)をもつ記録が得られた。
ーマルヘッド横にフジタカ製TECI−1703タイプ
のペリチェ・モジュールをセットして前記の可逆性感熱
記録媒体3に記録を施し冷却したところ、良好な濃度
(マクベス濃度計で光学濃度1.70の印刷層に対し
0.55)をもつ記録が得られた。
【0030】実施例1 参考例 で用いたのと同じ可逆性感熱記録媒体を使用し、
グローリー社製JS−10の消去装置内の保管ケース下
に、フジタカ製TECI−3105タイプのペリチェモ
ジュールをセットして、冷却保管したところ、すぐに可
逆性感熱記録媒体は冷却され再使用するまで、温度上昇
せず、40〜50℃で維持された。これを前記の装置と
印字装置(JR−10)とで繰り返し、耐久性を調べ
た。その結果、200回繰り返しで、光学濃度は0.2
5しか低下しなかった。
グローリー社製JS−10の消去装置内の保管ケース下
に、フジタカ製TECI−3105タイプのペリチェモ
ジュールをセットして、冷却保管したところ、すぐに可
逆性感熱記録媒体は冷却され再使用するまで、温度上昇
せず、40〜50℃で維持された。これを前記の装置と
印字装置(JR−10)とで繰り返し、耐久性を調べ
た。その結果、200回繰り返しで、光学濃度は0.2
5しか低下しなかった。
【0031】実施例2 実施例1の保管温度を40℃以下にコントロールするよ
うにブロック温度を、消去下限にしてさらに、ペリチュ
モジュールの面積を大きくしたTECI−4903タイ
プを使用した以外は実施例1と同様な繰り返し耐久性を
行ったところ、全く、濃度低下みられなかった(200
回繰り返しで光学濃度の低下は0.05であった)。
うにブロック温度を、消去下限にしてさらに、ペリチュ
モジュールの面積を大きくしたTECI−4903タイ
プを使用した以外は実施例1と同様な繰り返し耐久性を
行ったところ、全く、濃度低下みられなかった(200
回繰り返しで光学濃度の低下は0.05であった)。
【0032】実施例3 熱伝導度の大きい銅を、フジタカ社製のTECI−12
703ペルチェモジュールに図4(c)のように取りつ
けた以外は実施例1と同様にして消去を行ったところ、
良好な消去が行なえ、装置の小型化が可能になった。
703ペルチェモジュールに図4(c)のように取りつ
けた以外は実施例1と同様にして消去を行ったところ、
良好な消去が行なえ、装置の小型化が可能になった。
【0033】比較例1参考例 で用いたと同じ可逆性感熱記録媒体を使用し、ペ
ルチェモジュールを省略したJR−10で印字したとこ
ろ、光学濃度が0.62となった。
ルチェモジュールを省略したJR−10で印字したとこ
ろ、光学濃度が0.62となった。
【0034】比較例2 ペルチェモジュールを省略した以外は実施例1と同様に
して(但し、150℃で以上の高温保管とした)ところ
濃度低下が顕著であった(100回での繰り返しで光学
濃度の低下は0.60であった)。
して(但し、150℃で以上の高温保管とした)ところ
濃度低下が顕著であった(100回での繰り返しで光学
濃度の低下は0.60であった)。
【0035】
【発明の効果】請求項1及び3の発明によれば、記録装
置(画像形成・消去装置)の小型化が図られる、可逆性
感熱記録媒体の劣化が抑えられるだけでなく、ペルチェ
モジュールによる冷却並びに予備加熱が行なえ、記録の
スピード化がもたらされる。請求項2の発明によれば、
可逆性感熱記録媒体の繰り返し使用がさらに多数回行な
えるようになる。
置(画像形成・消去装置)の小型化が図られる、可逆性
感熱記録媒体の劣化が抑えられるだけでなく、ペルチェ
モジュールによる冷却並びに予備加熱が行なえ、記録の
スピード化がもたらされる。請求項2の発明によれば、
可逆性感熱記録媒体の繰り返し使用がさらに多数回行な
えるようになる。
【図1】熱可塑性感熱記録材料の特性説明図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明方法の実施の2つの
態様を表わした図である。
態様を表わした図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明方法の他の実施の2
つの態様を表わした図である。
つの態様を表わした図である。
【図4】(a)、(b)及び(c)は本発明方法のまた
他の実施の3つの態様を表わした図である。
他の実施の3つの態様を表わした図である。
【図5】本発明方法の実施で用いられる可逆性感熱記録
媒体の一例を表わした図である。
媒体の一例を表わした図である。
1 ペルチェモジュール冷却部 1′ ペルチェモジュール加熱部 3 可逆性感熱記録媒体 4 保管ケース 21 消去ブロック 22 印字又は消去サーマルヘッド 31 基材 32 印字層 33 接着層 33′ 空気層 34 樹脂シート層 35 接着層 36 記録層(可逆性感熱記録材料層) 37 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−330244(JP,A) 特開 平6−155858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/32 B41M 5/26 B41M 5/36
Claims (3)
- 【請求項1】 温度に依存して透明度が可逆的に変化す
る可逆性感熱記録媒体を用い、これに画像形成及び画像
消去を繰り返す画像記録方法において、該可逆性感熱記
録媒体の白濁化又は透明化を行なった後、ペルチェモジ
ュールで冷却すると共に該白濁化又は透明化された可逆
性感熱記録媒体を保管するものであることを特徴とする
画像記録方法。 - 【請求項2】 前記の白濁化又は透明化された可逆性感
熱記録媒体の保管温度が40℃以下に維持される請求項
1記載の画像記録方法。 - 【請求項3】 前記ペルチェモジュールを記録の予備熱
源、消去の熱源又は白濁化あるいは可逆性感熱記録媒体
の保管温度の熱源として使用する請求項1又は2記載の
画像記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18075893A JP3255202B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 画像記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18075893A JP3255202B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 画像記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0781230A JPH0781230A (ja) | 1995-03-28 |
JP3255202B2 true JP3255202B2 (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=16088810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18075893A Expired - Fee Related JP3255202B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 画像記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3255202B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2743440B1 (fr) * | 1996-01-05 | 1998-04-24 | Dol Christian | Dispositif portable d'affichage et d'effacement d'informations sur une etiquette de papier thermostasensible et a effacement par le froid |
US7405171B2 (en) | 2002-08-08 | 2008-07-29 | Chisso Corporation | Elastic nonwoven fabric and fiber products manufactured therefrom |
JP5784675B2 (ja) * | 2013-07-01 | 2015-09-24 | 株式会社幸立工業 | 電子掲示装置の制御方法 |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP18075893A patent/JP3255202B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0781230A (ja) | 1995-03-28 |
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