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JP3241118B2 - 液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置

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Publication number
JP3241118B2
JP3241118B2 JP25386092A JP25386092A JP3241118B2 JP 3241118 B2 JP3241118 B2 JP 3241118B2 JP 25386092 A JP25386092 A JP 25386092A JP 25386092 A JP25386092 A JP 25386092A JP 3241118 B2 JP3241118 B2 JP 3241118B2
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Japan
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substrate
electrode
crystal display
solidified
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好晴 大井
良典 平井
聡 新山
常生 若林
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶が固化物マトリク
ス中に分散保持された液晶固化物複合体を挟持してなる
液晶表示素子及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、近年その低消費電
力、低電圧駆動等の特長を生かしてパーソナルワードプ
ロセッサー、ハンドヘルドコンピューター、ポケットT
V等に広く利用されている。なかでも注目され、盛んに
開発されているのが、画素電極毎に能動素子を配置した
液晶表示素子である。
【0003】このような液晶表示素子は当初は、DSM
(動的散乱)型の液晶を用いた液晶表示素子も提案され
ていたが、DSM型では液晶中を流れる電流値が高いた
め、消費電流が大きいという欠点があり、現在ではTN
(ツイスト・ネマチック)型液晶を用いるものが主流と
なっており、ポケットTVとして市場に現われている。
TN型液晶では、漏れ電流は極めて小さく、消費電力が
少ないので、電池を電源とする用途には適している。
【0004】このTN型液晶を用いた液晶表示素子で
は、2枚の偏光板を必要とするので、光の透過率が小さ
いという問題がある。特に、カラーフィルターを用いて
カラー表示を行う場合には、入射する光の数%しか利用
できないこととなり、強い光源を必要とし、そのため結
果として消費電力を増加させてしまう。
【0005】このため、ネマチック液晶を樹脂マトリク
ス等の固化物マトリクス中に分散保持した液晶固化物複
合体を使用して、入力される電圧(電極間に発生する電
界)に応じた透過−散乱特性を利用し、10V以下の低
電圧で駆動できるモードが提案されている。この液晶固
化物複合体は、偏光板を使用せずに光の透過−散乱の機
能が得られるので、透過の場合に明るい表示が得られる
ことが期待されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の液晶固
化物複合体を用いた液晶表示素子においては、その印加
電圧−透過率特性にヒステリシスが存在する。すなわ
ち、印加する電圧の昇圧時と降圧時において光の透過率
が異なるという問題があり、そのため、表示画面の変化
時に前画面の情報が残ってしまうという焼き付き現象
(秒単位以上の残像)や、印加電圧に対して透過率が一
意的に決まらないことによる階調性の低下といった画像
品位の低下が生ずることがあるという問題があった。
【0007】さらに、液晶固化物複合体の印加電圧−透
過率特性は一般に、従来のTN型液晶表示素子に比べて
非線形性が強く、階調表示を行う際には、その印加電圧
−透過率特性に応じて印加する電圧、すなわち入力信号
電圧に変調を行うこと、つまり非線形性の強いγ(ガン
マ)補正を行う必要があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題点
を解決するためになされたものであり、電極Aが基板A
に設けられ、電極Bが基板Bに設けられ、電極Aと電極
Bとが対向するように基板A及び基板Bが配置され、こ
れらの電極間に、液晶が固化物マトリクス中に分散保持
された液晶固化物複合体を挟持する液晶表示素子におい
て、基板A及び電極Aが透明とされ、電極Aの液晶固化
物複合体側の表面が微細な凹凸面を有し、電極B又は基
板Bに光を反射する材料を用いて反射面が設けられると
ともに電極Bの液晶固化物複合体側の表面が平坦であ
り、電極Aの凹凸面の中心線平均粗さRは、平均的な
電極間間隙をGとしたときに、 0.03・G < R < 0.3・G の関係を満たし、電極Aの凹凸面のピッチが4μm以上
であることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
た、この液晶表示素子において、基板Aに微細な凹凸面
が設けられ、基板Aの凹凸面に由来した凹凸面が電極A
に形成されてなる液晶表示素子を提供する。また、電極
Aが基板Aに設けられ、電極Bが基板Bに設けられ、電
極Aと電極Bとが対向するように基板A及び基板Bが配
置され、これらの電極間に、液晶が固化物マトリクス中
に分散保持された液晶固化物複合体を挟持する透過−散
乱型の液晶表示素子において、基板A及び電極Aが透明
とされ、電極Aの液晶固化物複合体側の表面が微細な凹
凸面を有し、電極B又は基板Bに光を反射する材料を用
いて反射面が設けられるとともに電極Bの液晶固化物複
合体側の表面が平坦であり、基板Aに微細な凹凸面が設
けられ、基板Aの凹凸面に由来した凹凸面が電極Aに形
成され、基板Aの外面に多層干渉膜による反射防止コー
ティングが施されていることを特徴とする液晶表示素子
を提供する。
【0009】また、上記のいずれかの液晶表示素子にお
いて、基板Bに能動素子が配置されている液晶表示素子
を提供する。
【0010】た、上記のいずれかの液晶表示素子とそ
の駆動回路からなり、駆動回路により飽和電圧以下の値
の電圧を印加することにより中間調を表示することを特
徴とする液晶表示装置を提供する。
【0011】本発明の液晶表示素子では、電極Aが基板
Aに設けられ、電極Bが基板Bに設けられ、電極A及び
基板Aは透明とされ、電極B又は基板Bは反射面(以
下、反射層ともいう。)とされ、さらに電極間に挟持さ
れる液晶を含む材料として、電気的に散乱状態と透明状
態とを直接制御しうる液晶固化物複合体を用いている。
【0012】この構造により偏光板が不要となり光の透
過時の透過率を大幅に向上できる。このため、明るい表
示ができ、特に投射型表示に用いた場合、明るくコント
ラストの良い投射型表示が得られる
【0013】本発明において、一方の側の一組の電極と
基板が透明とされ、残る一方の側に反射面が設けられ
る。反射面は電極そのものを反射性とすること、もしく
は電極は透明とし基板の表面を反射性とすることで達成
できた。又は、基板表面に反射膜を設けても可能であっ
た。また、カラー表示素子として本発明の液晶表示素子
を用いる場合、波長選択吸収又は波長選択反射の機能を
有するカラーフィルターを基板A又は基板Bに形成する
ことにより可能となった。
【0014】また、本発明の液晶表示素子に用いられる
液晶固化物複合体は、透過−散乱型以外のモードであっ
ても液晶と固化物とかなる分散型の液晶であれば、本
発明の最大の効果であるヒステリシスによる画像の焼き
付き抑制の効果を得ることができ。具体的には、2色
性色素を液晶に溶解したゲストホスト型の液晶と固化物
とからなる透過−吸収型の液晶表示素子にも適用でき
た。
【0015】本発明では、液晶固化物複合体を挟持する
電極の一方の電極が液晶固化物複合体側の表面で微細な
凹凸面を有した構造とされ、対向電極の間隙が微小に分
布して設けられたので、液晶固化物複合体固有のヒステ
リシスによる液晶表示画面での焼き付き現象が抑制でき
た。これにより、中間調表示を行う場合においても美し
い表示が可能になった。特に、液晶固化物複合体を電極
の表面と直接に接して電極との界面を凹凸面とし、さら
に反射型の液晶表示素子として使用した場合には、この
凹凸面が正規反射を抑制でき、表示コントラスト比が向
上するという利点も生じた。
【0016】本発明の液晶表示素子は、直視型表示素
子、投射型表示素子の両方で用いることができた。直視
型表示素子として用いる場合、得たい表示特性に応じ
て、バックライト、レンズ、プリズム、ミラー、拡散
板、光吸収体、カラーフィルターなどを組み合わせて表
示装置を構成すればよい。
【0017】液晶固化物複合体の印加電圧−透過率特性
上のヒステリシスを低減し表示品位を向上することは、
用いる液晶材料、硬化により固化物を形成する高分子材
料等の材料、液晶固化物複合体の構造を最適化すること
により可能であった。しかし、そのためには厳密な制御
技術が必要であった。本発明では、多少のヒステリシス
が存在する場合にも、実際の表示上問題とならない程度
に、見かけ上ヒステリシスを(は、ヒステリシスによ
り生ずる光学的な問題点を)低減できた。このため、本
発明は、用いる材料の選択幅が広がる点や、製造上の
マージンを大きく取れるなどの利点がある。
【0018】このため、本発明では一方の電極表面が液
晶固化物複合体側で微細な凹凸面とされた。これによ
り、電極間間隙の望ましい分布が得られ、液晶固化物複
合体を横切る電界が分布した。その結果、印加電圧−透
過特性のしきい値電圧を分散させることとなった。すな
ち、ヒステリシスの存在する液晶固化物複合体を用い
た場合でも、電極間間隙の分布に従った、液晶固化物複
合体を横切る電界の分布のため、しきい値が分散され、
電気光学特性が前述した凹凸面のいろいろな位置での電
極間間隙の平均値として表示され、見かけ上のヒステリ
シスが低減された。
【0019】図1は、本発明の液晶表示素子の断面図で
ある。図1において、1は液晶表示素子、2はガラス、
プラスチック等の凹凸を有する基板、3はITO(In
23 −SnO2 )、SnO2 等の電極、4はガラス、
プラスチック等の他方の平坦な基板、5はITO(In
23 −SnO2 )、SnO2 、Al、Cr等の電極、
6は両基板間(電極間)に挟持された液晶樹脂複合体等
の液晶固化物複合体を示している。ここで電極3として
ITO、SnO2 を用いた場合が透明な電極であり、A
l、Crを用いた場合が非透明電極である。金属電極は
一般的に光に対する反射能を有し反射面として用いるこ
とができる。
【0020】本発明では基A側に凹凸電極面を有す
る。基板自身も電極と同様に凹凸面を有することもで
きる。図1の例では、左側の基板のみが凹凸電極面、
及び凹凸面を有する基板とされた。この凹凸面は通常、
基板自体を微細粒子の吹きつけ、研磨、エッチング等に
より処理して形成し、その後に電極を付着することで得
られた。
【0021】絶縁層や、凹凸電極面を補償し平坦化する
層や、カラーフィルター、もしくはその他目的のため
に設けられる層が、基板面に対応した凹凸面を有する電
極表面上に付着して形成せしめることができた。基本的
には、電極間間隙が変化すればよいので、基板を平坦に
して電極に凹凸をつけてもよい。たとえ電極間間隙
があっても、電極の凹凸表面にそれを補償する平坦化
層を形成することで液晶固化物複合体の厚みを一定にす
ることができた。例えば液晶固化物複合体のフィルム体
を用いる場合に好ましい。
【0022】本発明において、片側の基板は、電極が
属の反射電極とされるか、透明電極と反射膜とを組み合
わせて反射面を設けて光が反射されるようにされればよ
い。また、必要に応じて各画素には、TFT(薄膜トラ
ンジスタ)、薄膜ダイオード、MIM等の能動素子を配
置していてもよいし、画素電極は透明電極にされていて
もよいし、能動素子の基板上での配線は金属による不透
明電極にされていてもよいし、光書き込み用に光導電材
料等の感光体層を積層していてもよい。
【0023】なお、能動素子を配置する場合には、通常
平坦な基板側に配置する。また、能動素子により画素電
極毎に電圧を印加する代わりに、感光体層を有する表示
素子に対してはレーザー光線のような光ビームにより、
は直接電子銃により電荷を画素位置に対応して供給し
てもよい。
【0024】反射型液晶表示素子の場合に、液晶固化物
複合体の実効的な光路長は透過型液晶表示素子のそれに
比して2倍となる。そのため、光の散乱状態において反
射型液晶表示素子の散乱能は透過型液晶表示素子のそれ
より、かなり大きいものとなる。その結果、反射型表示
素子からなる表示装置の能力は、透過型表示素子を用い
た表示装置よりも改善される。例えば、低電圧駆動、高
コントラスト比、広視野角表示、又は高輝度表示が達成
できる。
【0025】射型で用いるときには、表側(光が入射
し出射する側)の基板外面及び内面での光の正規反射が
コントラスト比を低下させる原因となる。このため、こ
の凹凸電極面を有する基板を表側に用いることにより、
凹凸電極を有する基板界面での正規反射を低減させるこ
とができる。すなわち、凹凸電極面を有する基板を用い
ることにより、ヒステリシス改善とグレア抑制(それに
よるコントラスト比向上)の両方の効果を同時に得るこ
とができた。
【0026】特に、投射型の液晶表示装置として用いる
場合には、後述する拡散光を減じる装置としての絞りを
用いる。このため、凹凸電極面を有する基板界面での散
乱による反射光は、ほとんど全てが拡散光になって絞り
を通過しないので、投射画像のコントラスト比向上の
が大きい。この場合、凹凸の形状は平坦面の多い矩形
状の凹凸よりも、適当な傾斜角を有する傾斜面で構成さ
れた凹凸の形状の方が基板界面での散乱を除去するのに
有効である。この傾斜角は反射面に対して2〜30°程
度であることが好ましい。
【0027】反射型液晶表示素子を投射型表示装置に用
いることは、表示装置の散乱能を改善する。それゆえ
同一の投射像コントラスト比を得るために必要な表示装
置への入射光の指向性(平行度)が緩和される。その結
果、透過型液晶表示素子からなる投射型表示装置の場合
に比して、点光源でないランプを用いた場合、光源光学
系の集光率が向上し、高輝度の投射画像が実現できた。
【0028】前述した、液晶固化物複合体からなる透過
−吸収型の液晶表示素子の場合においては、ヒステリシ
スの低減という利、及び拡散反射面を形成するという
の双方が、凹凸電極面を有する基板の凹凸面を反射
面として用いることで同時に得ることができた。
【0029】本発明で電気光学特性が平均化されて観察
者に観察されるためには、表示画素サイズよりも凹凸電
極面を有する基板の凹凸のピッチが細かいことが必要で
ある。例えば、投射型のアクティブマトリクス表示素子
の場合には、画素サイズが比較的小型であり、通常画素
の大きさは30μm200μm程度であるため、この
画素サイズよりも小さな凹凸のピッチを用いることとな
る。通常は、投射型のアクティブマトリクス表示素子の
場合、ピッチは100μm以下が望ましい。
【0030】また、ピッチが細かすぎる場合、電気光学
特性の平均化の効果が減少し、ヒステリシスに基づく画
像の焼き付きの低減が期待できなくなる。液晶固化物複
合体の場合、この電気光学特性の平均化の効果が得られ
最小スケールは、固化物マトリクス中に分散保持され
る液晶粒子のサイズにより決定される。
【0031】本発明の液晶表示素子の透過−散乱特性
液晶粒子内の液晶の分子配列が印加電界によって変
化し、それにより入射光に対する液晶の屈折率が見かけ
上変化することに伴液晶粒子と固化物界面での屈折率
差が変化することによって得られる。したがって、画像
の焼き付きの低減効果を得るためには凹凸のピッチが少
なくともその液晶粒子直径よりも大きいことが必要であ
る。
【0032】さらには、散乱時の散乱性が高い液晶固化
物複合体の構成において、散乱断面積が粒子の断面積の
数倍程度(3〜5倍程度)あることを考慮すると、焼き
付き低減の効果が強く発現するのは、凹凸のピッチPが
液晶粒子の直径の2倍以上である場合である。したが
て、凹凸のピッチPは液晶の平均粒子直径RLCに対し
て、2・RLC≦Pであることが好ましい。
【0033】低電圧で駆動できる液晶固化物複合体にお
いては、通常、RLCはほぼ2μm程度であるが、この場
合、好ましいピッチPの範囲は、ほぼ4μm以上とな
る。このような条件においては、この凹凸と液晶固化物
複合体の界面で生じて素子の透過時の透明性を著しく減
少させる不必要な散乱はほとんど生じないために、高い
透過率が保たれるという利点もる。
【0034】なお、ここでいうピッチPとは、必ずしも
凹凸が周期構造を指すことを意味するわけでなく、「単
位長さ」を「単位長さに存在する断面曲線の山の数」
(なお「断面曲線の山の数」はJIS B0601−1
982で定義されたものを意味する)で割ったものを意
味する。
【0035】また、ヒステリシス低減の効果が発現する
ためには、どの程度液晶固化物複合体の厚さが分布して
いるかが重要である。平均の厚さ(平均的な電極間間隙
G)に対し、凹凸電極面を有する基板の凹凸の深さdが
小さすぎると電圧のしきい値を分散させた効果が現れ
ず、ヒステリシス低減の効果も期待できない。逆に、d
が大きすぎると部分的にかなり厚みの薄い箇所が存在
することとなり、コントラストの低下を引き起こ
【0036】この凹凸の深さdは、均一凹凸であれば簡
単であるが、通常は分布を持っており、本発明ではこれ
を、JIS B0601−1982で規定されるよう
に、凹凸表面の中心線から変位した凹凸として中心線平
均粗さ a で表す。この場合、ヒステリシスの低減効果
を効率良く得るためには、このR a とGとは下記の式
(1)に示すような最適な範囲を有している。 0.03・G < R a < 0.3・G (1)
【0037】このため、平均的な電極間間隙Gが10μ
mの場合、その凹凸の状態を表す中心線平均粗さ a
0.3〜3μmとされる。すなわち、その結果として電
極間間隙が表面粗さに従って相応した分布を有すること
となった。
【0038】本発明では、このようにすることにより、
印加電圧−透過率特性の線形性を向上させ、特殊なγ補
正を用いずに優れた階調表示が得られる。これも、電気
光学特性が平均化されることに起因する。
【0039】図2は、図1の液晶表示素子を用いた反射
型の投射型液晶表示装置の模式図である。この反射型の
液晶表示素子では、反射層と電極とは基板の平坦な面上
に形成されている。図2において、11は投射用光源、
12は反射型の液晶表示素子、13はレンズ、14は拡
散光を減じる装置としての絞りを示しており、図の左側
の図示されていない投射スクリーンに画像を投射する。
【0040】図2の装置において、液晶表示素子の左側
に設けられたランプ、反射鏡、レンズ等からなる投射用
光源11から出射した光はレンズ13を経て液晶表示素
子12に入射する。この入射した光は液晶表示素子12
の裏側(右側)の反射層で反射して左側に出射し、再度
レンズ13を経由して絞られ、拡散光は絞り14によっ
て減じられ、絞り14を通過した光のみが投射スクリー
ンに投射される。
【0041】この投射用光源には公知の投射用光源が使
用でき、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセ
ノンランプ等のランプ、集光のための球面鏡、楕円鏡等
の鏡、レンズ、平行光線化するための絞り等を必要に応
じて組み合わせて用いればよい。また、レーザー光をビ
ームエキスパンダー等を用いて平行光線化して用いても
よい。これをカラー化するためには、例えばレンズ13
と液晶表示素子12との間にはレンズ13と絞り14
との間にダイクロイックプリズムはダイクロイックミ
ラーを配置し、この3面に3個の液晶表示素子を配置す
ればよい。
【0042】投射光学系としては、図2ではレンズ13
と絞り14が設けられている。これは液晶表示素子から
出射した直進光を投射スクリーンに投射するものであれ
ばよい。投射用のレンズはレンズ13単体でもよいし、
レンズ13と絞り14との間に又は絞り14とスクリー
ンとの間にレンズを追加して設けてもよい。投射像の画
質を向上させるためには、絞り14前後にレンズ13
以外に投射用のレンズを設けることが好ましい。
【0043】拡散光を減じる装置は、液晶表示素子から
出射した光のうち、直進する光のみを通過させ、拡散す
る光を除去できるものであればよく、上記例のように小
さな孔の開いたアパーチャーが通常使用される。また、
孔の代わりに小型の反射鏡を配置して、必要な直進光の
みを取り出すようにしてもよい。ここで図2の投射型液
晶表示装置の動作状態を簡単に説明する。液晶表示素子
は、印加される電圧の大きさにより各画素毎に透明状
態、散乱状態、及びその中間状態をとる。
【0044】透明状態の部分では、表示素子の表側の基
板から入射した光は通常そのまま表示素子の裏側に位置
し基板の平坦な面上に設けられた反射層で反射して入射
側に出射する。この光は光軸が正規反射と同じであるの
で、絞り14を通過する。これにより投射スクリーン上
では明るい光点となる。一方、散乱状態の部分では、入
射した光は散乱され拡散光として直接又は反射層で反射
した後で入射側に出射する。この光大部分は光軸が正
規反射と異なるので、絞り14を通過できない。
【0045】これにより投射スクリーン上では暗い暗点
となる。中間状態の部分はその中間となり、一部の入射
光が絞り14を通過する。これにより投射スクリーン上
では中間調となる。この際に、液晶表示素子として図1
に示したような液晶表示素子を用いると、ヒステリシス
に基づく画像の焼き付きを抑制できるとともに、高コン
トラスト比の表示が可能になる。なお、この場合、液晶
表示素子の基板外面(図1の左側の基板の左側面)での
入射光の反射もコントラスト比を低下させるため、この
基板外面に多層干渉膜による反射防止コーティングを施
すことでグレアを抑制しておくことが好ましい。
【0046】本発明は、反射型の代わりに透過型で用い
てもヒステリシスに基づく画像の焼き付きを抑制でき
る。この場合には、図2の左側に投射用光源を設け、右
側に投射光学系を設けて、液晶表示素子に左側から光を
入射させ、右側に出射するようにすればよい。
【0047】本発明では、一方が凹凸電極面を有する基
板である電極付基板間に、液晶が固化物マトリクス中に
分散保持された液晶固化物複合体を挟持している。この
液晶固化物複合体は、細かな孔の多数形成された固化物
マトリクスとその孔の部分に充填されたネマチック液晶
とからなることが好ましい。この場合、この液晶固化物
複合体は、それを挟持している電極間への印加電圧によ
り、透過状態と散乱状態とをとる。すなわち、印加され
る電圧の大きさにより、入射光に対する液晶の見かけ上
の屈折率が変化し、固化物マトリクスの屈折率と液晶の
屈折率との関係が変化し、両者の屈折率が一致した時に
は透過状態となり、屈折率が異なった時には散乱状態と
なる。
【0048】この細かな孔の多数形成された樹脂マトリ
クスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶固
化物複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液晶
が封じ込められたような構造であるが、個々のマイクロ
カプセルが完全に独立していなくてもよく、多孔質体の
ように個々の液晶の液泡が細隙を介して連通していても
よい。
【0049】本発明の液晶表示素子に用いる液晶固化物
複合体を得るためには、ネマチック液晶と、固化物マト
リクスを構成する硬化性化合物とを混ぜ合わせて溶液状
はラテックス状にしておいて、これを光硬化、熱硬
化、溶媒除去による硬化、反応硬化等させてネマチック
液晶と硬化物を分離し、固化物マトリクス中にネマチッ
ク液晶が分散した状態をとるようにすればよい。
【0050】この硬化性化合物を、光硬化は熱硬化タ
イプにすることにより、密閉系内で硬化できるため好ま
しい。特に、光硬化タイプの硬化性化合物を用いること
により、熱による影響を受けなく、短時間で硬化させる
ことができ好ましい。
【0051】具体的な製法としては、従来の通常のネマ
チック液晶と同様にシール材を用いてセルを形成し、注
入口からネマチック液晶と硬化性化合物との未硬化の混
合物を注入し、注入口を封止して後、光照射をするか加
熱して硬化させることもできる。
【0052】また、本発明の液晶表示素子の場合には、
シール材を用いなく、例えば、一方の電極付の基板上
に、ネマチック液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物
を供給し、その後、他方の電極付の基板を重ねて、光照
射等により硬化させることもできる。
【0053】もちろん、その後、周辺にシール材を塗布
して周辺をシールしてもよい。この製法によれば、単に
ネマチック液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物をロ
ールコート、スピンコート、印刷、ディスペンサーによ
る塗布等の供給をすればよいため、注入工程が簡便であ
り、生産性が極めてよい。
【0054】また、これらのネマチック液晶と硬化性化
合物との未硬化の混合物には、基板間隙制御用のセラミ
ック粒子、プラスチック粒子、ガラス繊維等のスペーサ
ー、顔料、色素、粘度調整剤、その他本発明の性能に悪
影響を与えない添加剤を添加してもよい。
【0055】電圧非印加時に散乱状態である素子に、こ
の硬化工程の際に特定の部分のみに分高い電圧を印加
した状態で硬化させることにより、その部分を常に光透
過状態にすることができるので、固定表示したいものが
ある場合には、そのような常透過部分を形成してもよ
い。逆に、電圧非印加状態に透過状態である素子の場合
には、同様にして常散乱部分を形成できる。
【0056】液晶固化物複合体の比抵抗としては、5×
109 Ωcm以上のものが好ましい。さらに、漏れ電
流等による電圧降下を最小限にするために、1010Ω
cm以上がより好ましく、消費電力が少なくてすむ。特
に、各画素に能動素子を用いた場合、大きな蓄積容量を
画素電極毎に付与する必要がない。
【0057】また、この液晶固化物複合体を使用した液
晶表示素子の透明状態での透過率は高いほどよく、散乱
状態でのヘイズ値は80%以上であることが好ましい。
【0058】本発明では、電圧印加状態は非印加状態
のいずれかで、固化物マトリクス(硬化後の)の屈折率
が、使用する液晶の屈折率と一致し、逆の状態では固化
物マトリクスの屈折率が、使用する液晶の屈折率と一致
しないようにされることが好ましい。
【0059】これにより、固化物マトリクスの屈折率と
液晶の屈折率とが一致した時に光が透過し、一致しない
時に光が散乱(白濁)することになる。この素子の散乱
能は、従来のDSM型の液晶表示素子の場合よりも高
く、高いコントラスト比の表示が得られる。
【0060】本発明では、特に、電圧を印加している状
態で、硬化後の固化物マトリクスの屈折率が、使用する
液晶の常光屈折率 o と一致するようにされることが好
ましい。これにより、電圧印加時に透明状態になるの
で、光が透過する透明時の透過率が高くなりかつ均一に
透過するので、表示のコントラスト比が向上する。
【0061】使用する液晶の屈折率異方性Δn(=ne
−no 、ここで、n o は常光屈折率、n e は異常光屈折
率。)は、無電圧時における散乱能に寄与し、高い散乱
性を得るには、ある程度以上大きいことが好ましく、具
体的にはΔn>0.18が好ましく、特にΔn>0.2
2が好ましい。また、使用する液晶の常光屈折率no
固化物マトリクスの屈折率np とほぼ一致することが好
ましく、このとき電圧印加時に高い透明性が得られる。
具体的にはno −0.03<np <no +0.05の関
係を満たすことが好ましい。
【0062】また、無電圧時の散乱能を向上させるに
は、液晶固化物複合体の動作可能な液晶の体積分率Φを
増加させることが有効であり、Φ>20%が好ましく、
より高い散乱能を有するにはΦ>35%が好ましく、さ
らにはΦ>45%が好ましい。一方Φがあまり大きくな
ると、液晶固化物複合体の構造安定性が悪くなるため、
Φ<70%が好ましい。
【0063】本発明の液晶表示素子で、固化物マトリク
スの屈折率が、使用する液晶の常光屈折率 o と一致す
るようにされた液晶表示素子は、電圧が印加されていな
い場合は、一定方向に平行に揃って配列していない液晶
と、固化物マトリクスの屈折率の違いにより、散乱状態
(つまり白濁状態)を示す。
【0064】このような液晶表示素子を投射型表示装置
として用いる場合には、電極のない部分は光が散乱さ
れ、画素電極以外の部分に遮光膜を設けなくても、光が
投射スクリーンに到達しないため、黒く見える。このこ
とにより、画素電極以外の部分からの光の漏れを防止す
るために、画素電極以外の部分を遮光膜等で遮光する必
要がな、遮光膜の形成工程が不要となるという利点も
る。
【0065】液晶表示素子の所望の画素に電圧を印加す
る。この電圧を印加された画素部分では、液晶が配列
し、液晶の常光屈折率 o と固化物マトリクスの屈折率
p とが一致することにより透過状態を示し、当該所望
の画素で光が透過することとなり、投射スクリーンに明
るく表示される。
【0066】本発明では、前述の液晶固化物複合体を構
成する未硬化の硬化性化合物として光硬化性化合物を用
いる場合、光硬化性ビニル系化合物の使用が好ましい。
具体的には、光硬化性アクリル系化合物が例示され、特
に、光照射によって重合硬化するアクリルオリゴマーを
含有するものが好ましい。
【0067】本発明で使用される液晶は、正の誘電異方
性を有するネマチック液晶であり、固化物マトリクスの
屈折率が、電圧印加時は非印加時のいずれかにおいて
その液晶の屈折率と一致するような液晶であることが好
ましい。液晶は、単独で用いても組成物を用いても
が、動作温度範囲、動作電圧など種々の要求性能を満た
すには組成物を用いた方が有利といえる。特に、固化物
マトリクスの屈折率が、液晶の常光屈折率 o と一致す
るような液晶の使用が好ましい。
【0068】晶固化物複合体に使用される液晶は、光
硬化性化合物を用いた場合には、光硬化性化合物を均一
に溶解することが好ましく、光露光後の硬化物は溶解し
ないは溶解困難なものとされ、組成物を用いる場合
は、個々の液晶の溶解度ができるだけ近いものが望まし
い。
【0069】本発明では、液晶固化物複合体として液晶
を溶媒として使用し、光露光により光硬化性化合物を硬
化させることにより、硬化時に不要となる単なる溶媒や
水を蒸発させる必要がない。このため、密閉系で硬化で
きるため、従来のセルへの注入という製造法がそのまま
採用でき、信頼性が高く、かつ、光硬化性化合物で2枚
の基板を接着する効果も有するため、より信頼性が高く
なる。
【0070】本発明では、上記のように少なくとも一方
の基板が凹凸電極を有する基板としているが、液晶固化
物複合体となっているので、間隙が狭い部分でも短絡の
危険が少ない。また、通常のTN型の表示素子のように
配向や基板間隙を厳密に制御する必要もなく、透過状態
と散乱状態とを制御しうる液晶表示素子を極めて生産性
良く製造できる。
【0071】また、能動素子としてTFTを用いる場合
には、半導体材料としてはシリコンが好適である。特に
多結晶シリコンは、非結晶シリコンのような高い感光性
がないため、光源からの光を遮光膜により遮光しなくて
も誤動作しにくく、好ましい。この多結晶シリコンは、
本発明のように投射型液晶表示装置として用いる場合、
強い投射用光源を利用でき、明るい表示が得られる。
【0072】本発明では、固化物マトリクスの屈折率
使用する液晶の常光屈折率 o とほぼ一致するようにさ
れた液晶固化物複合体を使用することにより、投射型表
示装置において電圧を印加しない部分では光が散乱して
投射された投射スクリーン上では黒くなるため、画素間
に遮光膜を形成しなくてよい。このため、能動素子とし
て多結晶シリコンを用いた場合、能動素子部分に遮光膜
を形成しなくてもよいか又はその遮光性が弱くてもよい
ので、遮光膜を形成する工程をなくしたり、形成される
遮光膜の厳密さを緩めることができ、生産性が向上す
る。
【0073】本発明の液晶表示素子及び液晶表示装置
は、このほか赤外線カットフィルター、紫外線カットフ
ィルター、カラーフィルター等を積層したり、冷却系を
付加したり、補強用のガラス板を積層したり、文字、図
形等を印刷したりしてもよいし、複数枚の液晶表示素子
を用いたりするようにしてもよい。また、カラー化する
ためにダイクロイックミラー、ダイクロイックプリズ
ム、鏡を用いて光源からの光を分光したり、液晶表示素
子から出射した光を合成してもよい。
【0074】
【作用】本発明では、一方の電極付基板が液晶固化物複
合体側での面で微細な凹凸電極面を有する。このため、
電極間間隙の分散が起こり、そして液晶固化物複合体を
横切る電界が分布することとなる。その結果、液晶固化
物複合体の電圧しきい値が分散される。これにより、液
晶固化物複合体固有のヒステリシスによる画像の焼き付
き現象が抑制できる。これは基板の凹凸の制御のみでよ
く、その許容幅が広いので生産性が良い。これにより、
中間調表示においても美しい表示ができる。
【0075】の凹凸面を入射側の基板に設けることに
より、グレアを抑制する作用がある。すなわち、正規反
射を抑制でき、表示コントラスト比が向上するという利
点も生じる。
【0076】
【実施例】下記の参考例1〜3は、電極付基板が液晶固
化物複合体側での面で微細な凹凸電極面を有するため、
ヒステリシスによる画像の焼き付き現象が抑制できた
過型の例である。比較例1〜4は、電極付基板が液晶固
化物複合体側での面で適当な凹凸電極面を有さないた
め、ヒステリシスによる画像の焼き付き現象の抑制が充
分でない例である。 (参考例1) 誘電率異方性が正のネマチック液晶と、アクリレートモ
ノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、光反応開始
剤を均一に溶解した溶液を作成した。平坦な面上に画素
電極毎にTFTを設けたTFT基板と、透明な対向電極
を設けた対向電極基板と、直径10μmのスペーサーを
用いてセルを構成した。そのセルに前に準備した溶液を
注入した後、紫外線露光により硬化させ、液晶樹脂複合
体とした。平均の液晶粒子径RLCは約2μmであった。
【0077】画素サイズは約200μm×200μmで
あった。なお、対向電極基板の液晶樹脂複合体と接する
部分は凹凸処理され、凹凸ピッチは50μm、凹凸の深
さは約4μmであり、R a 約1μmであった。その凹
凸の上にITOを蒸着して対向電極とした。また、セル
の平均的な電極間間隙は約12μmであった。
【0078】この液晶表示素子の駆動電圧は約7V(ボ
ルト)であり、画像の焼き付きのほとんどない表示が得
られた。この透過型の液晶表示素子と投射用光源、投射
用光学系を用いて投射型表示装置としたところ、投射ス
クリーン上でのコントラスト比が120の動画表示が得
られた。この素子の電圧透過率特性を測定したところ、
7Vでの透過率は70%であった。ヒステリシスは非常
に小さく、0Vから10Vへ昇圧し次に0Vに降圧する
過程で、昇圧時の透過率と降圧時の透過率の差の最大は
2.8%であった。
【0079】(比較例1) 対向基板をITOの蒸着された平坦面基板とし平均的電
極間間隙が12μmとなるように、参考例1とほぼ同様
にセルを構成した。参考例1と同じ液晶樹脂複合体を作
成し、表示セルとした。この素子の駆動電圧は約7Vで
あったが、表示には特定の画面で焼き付きがみられた。
【0080】参考例1と同様に、投射型表示装置とした
ところ、投射スクリーン上でコントラスト比は約130
であった。この素子の電圧透過率特性を測定したとこ
ろ、7Vでの透過率は71%であり、ヒステリシスによ
る透過率の差の最大は5.0%であった。
【0081】(参考例2〜3、比較例2〜3)参考 例1とほぼ同様に、表示素子を作成した。ただし、
平均的電極間間隙G(μm)と凹凸を有する基板の凹凸
のピッチP(μm)、粗さRa(μm)を表1のように
した。投射型表示装置としたときの投射スクリーン上で
のコントラスト比CRと、7Vでの透過率である
7V(%)、ヒステリシスによる透過率の差の最大値ΔT
(%)を表に示す。
【0082】
【表1】
【0083】(実施例参考 例1とほぼ同様に液晶表示素子を構成し、投射用光
源、投射用光学系と組み合わせて投射型の液晶表示装置
とした。ただし、TFT基板の電極をアルミニウム電極
とし反射型の素子として用い、対向電極基板の外面には
多層干渉膜による反射防止コートを施した。また、平均
的電極間間隙は約10μm、凹凸のピッチPは約9μ
m、凹凸の深さは約1.3μm、Raは約0.4μmと
した。この素子の駆動電圧は約6Vであり、ビデオ信号
により駆動したところ焼き付きのない動画表示が得られ
た。スクリーン上のコントラスト比は110であった。
【0084】(比較例4) 実施例1と同様で、ピッチPは3μmに、R a 0.5
μmにした。この結果、コントラスト比は90、T7v
65%、ΔTは4.8%になり、透過率及びコントラス
ト比がやや低下したのみで、ヒステリシス低減の効果は
ほとんどなかった。
【0085】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、液晶樹脂複合
体等の液晶固化物複合体を用い、電極間間隙の分散に従
って、その液晶固化物複合体を横切る電界が分布してい
ることにより、しきい値電圧を分散させ、液晶固化物複
合体の透過率−電圧特性上のヒステリシスを見かけ上低
減できた。これにより、画像の焼き付きを低減でき、再
現性の良い中間調表示が可能になった。また、印加電圧
−透過率特性の線形性向上するため、特殊なγ補正を
用いずに優れた階調表示られた。
【0086】表示素子として一般的に求められる8階調
16階調程度の性能は、分に達成できた。さらに液
晶表示素子の諸パラメータ及び求められる機能によって
は、30階調以上も達成可能となった。
【0087】また、液晶固化物複合体と凹凸面を構成す
る電極とが直接接して、凹凸界面を形成しており、凹凸
の構造である界面が、基板面の平均的な平面に対し傾斜
を持っているために、正規反射を除去できた。特に、投
射型表示装置として、本発明の液晶表示素子を用いるこ
とにより、反射光によるコントラスト比の低下を防止で
きた。
【0088】さらに、反射型の投射型表示装置におい
、透明電極と液晶固化物複合体との界面での正規反射
によるコントラスト比の低下を著しく改善できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の断面図。
【図2】本発明の液晶表示素子を用いた反射型の投射型
液晶表示装置の模式図。
【符号の説明】
1、12:液晶表示素子 2:凹凸を有する基板 3、5:電極 4:基板 6:液晶固化物複合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 常生 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160 番地 エイ・ジー・テクノロジー株式会 社内 審査官 河原 英雄 (56)参考文献 特開 平5−203943(JP,A) 特開 平3−23422(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334 G02F 1/1333 G02F 1/1335

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極Aが基板Aに設けられ、電極Bが基板
    Bに設けられ、電極Aと電極Bとが対向するように基板
    A及び基板Bが配置され、これらの電極間に、液晶が固
    化物マトリクス中に分散保持された液晶固化物複合体を
    挟持する液晶表示素子において、基板A及び電極Aが透
    明とされ、電極Aの液晶固化物複合体側の表面が微細な
    凹凸面を有し、電極B又は基板Bに光を反射する材料を
    用いて反射面が設けられるとともに電極Bの液晶固化物
    複合体側の表面が平坦であり、電極Aの凹凸面の中心線
    平均粗さRは、平均的な電極間間隙をGとしたとき
    に、 0.03・G < R < 0.3・G の関係を満たし、電極Aの凹凸面のピッチが4μm以上
    であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】電極Aが基板Aに設けられ、電極Bが基板
    Bに設けられ、電極Aと電極Bとが対向するように基板
    A及び基板Bが配置され、これらの電極間に、液晶が固
    化物マトリクス中に分散保持された液晶固化物複合体を
    挟持する透過−散乱型の液晶表示素子において、基板A
    及び電極Aが透明とされ、電極Aの液晶固化物複合体側
    の表面が微細な凹凸面を有し、電極B又は基板Bに光を
    反射する材料を用いて反射面が設けられるとともに電極
    Bの液晶固化物複合体側の表面が平坦であり、基板Aに
    微細な凹凸面が設けられ、基板Aの凹凸面に由来した凹
    凸面が電極Aに形成され、基板Aの外面に多層干渉膜に
    よる反射防止コーティングが施されていることを特徴と
    する液晶表示素子。
  3. 【請求項3】基板Aに微細な凹凸面が設けられ、基板A
    の凹凸面に由来した凹凸面が電極Aに形成されている請
    求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】基板Bに能動素子が配置されている請求項
    1、2又は3に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4に記載の液晶表示
    素子とその駆動回路からなり、駆動回路により飽和電圧
    以下の値の電圧を印加することにより中間調を表示する
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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