JP3226377B2 - オルガノポリシロキサン側鎖を有するポリイミドの製造方法 - Google Patents
オルガノポリシロキサン側鎖を有するポリイミドの製造方法Info
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Description
ロキサン側鎖を有するポリイミドの製造方法に関する。
(アラミド)、芳香族ポリイミド等の芳香族系高分子
は、高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性等のために、高
性能高分子材料として重要な地位を占めつつある〔高分
子学会編、高性能芳香族系高分子材料、丸善(199
0)等参照〕。しかし、従来の屈曲性高分子に比べ、こ
れらの剛直鎖高分子は溶媒への溶解性が低く、融点も高
いため、加工性に劣ることからその工業的開発および利
用は近年になって始まったに過ぎない。
上させたり、融点を下げる方法の一つとして、屈曲性高
分子を側鎖として導入することが提案されている〔M.
Ballauff,Angew.Chem.Int.E
d.Engl.,28巻、253ページ(1989)等
参照〕。このような目的で、アルキル、アルキロキシ側
鎖をもった、あるいはエステル結合でアルキル鎖を導入
した芳香族ポリエステル〔R.W.Lenzら、Eu
r.Polym.J.,19巻、1043ページ(19
83)、M.Ballauff,Makromol.C
hem.,Rapid Commun.,7巻、407
ページ、(1986)、B.R.Harknessら、
Macromolecules,24巻、6759ペー
ジ(1991)等〕、ポリスチレン側鎖をもった芳香族
ポリエステル〔T.Heitzら、Makromol.
Chem.,190巻、3295ページ(198
9)〕、アルキロキシ側鎖をもった芳香族ポリイミド
〔M.Ballauffら、Makromol.Che
m.,188巻、2865ページ(1987)〕等が報
告されている。また、分離膜材料を目的として、準剛直
性の芳香族ポリイミドにポリシロキサン側鎖を導入した
例も報告されている〔長瀬ら、Makromol.Ch
em.,193巻、1509ページ(1992)等〕。
ノポリシロキサン側鎖を有し、その側鎖の結合している
ジアミンモノマーに由来するユニットがビフェニル基で
ある芳香族ポリイミドあるいはその共重合体は未だ知ら
れていない。このようなオルガノポリシロキサン側鎖を
有するポリイミドには、上記のような溶解性向上等に加
えて、ポリイミドとポリシロキサンの性質を合わせもつ
新規な特性が期待できる。本発明は、上記のようなオル
ガノポリシロキサン側鎖を有する新規なポリイミドの製
造方法を提供することを目的とする。
下記式Iで示されるジアミノビフェニル基を有するオル
ガノポリシロキサン
ポリシロキサン
は同一又は異なる1価の有機基、nは1以上の整数であ
る。以下同じ。)であり、mは0又は1である。以下同
じ。〕、芳香族ジアミン及び芳香族テトラカルボン酸二
無水物を溶媒中で反応させて、繰り返し単位が下記式II
I 及び式IV
記式Vで示される2価の有機基
下同じ。但しA1 ,A3 ,R1 〜R6,m及びnは繰り
返し単位ごとに異なってもよい。以下同じ。〕からな
り、式III で表わされる繰り返し単位と、式IVで表わさ
れる繰り返し単位のモル比が100/0〜1/99の範
囲にあるオルガノポリシロキサン側鎖を有するポリアミ
ド酸を合成し、これを加熱イミド化して、繰り返し単位
が下記式VI及び式VII
式VII で示される繰り返し単位のモル比が100/0〜
1/99の範囲にあるオルガノポリシロキサン側鎖を有
するポリイミドの製造方法である。
るジアミノビフェニル基を有するオルガノポリシロキサ
ンおよび芳香族ジアミンのアミノ基をあらかじめトリア
ルキルハロシラン又は窒素含有シリル化剤でシリル化し
た後、芳香族テトラカルボン酸二無水物と、溶媒中で反
応させて、繰り返し単位が式VIII及び式IX
り式VIIIで示される繰り返し単位と、式IXで示される繰
り返し単位のモル比が100/0〜1/99の範囲にあ
るオルガノポリシロキサン側鎖を有するシリル化ポリア
ミド酸を合成し、これを加熱イミド化する、繰り返し単
位が上記式VI及び式VII からなり、式VIで示される繰り
返し単位と式VII で示される繰り返し単位のモル比が1
00/0〜1/99の範囲にあるオルガノポリシロキサ
ン側鎖を有するポリイミドの製造方法である。
は、
ものではない。
ものではない。
結合する部位およびポリシロキサン鎖Zの結合位置は、
各ベンゼン環の2位から6位のいずれでもよく、ポリシ
ロキサン鎖Zは、それぞれのベンゼン環に1個ずつ結合
しているかもしくは片方のベンゼン環のみに1個結合し
ている。
ては、アルキレン基、オキシアルキレン基、フェニレン
アルキレン基、フェニレンオキシアルキレン基等を例示
することができるが、入手の容易さからはオキシアルキ
レン基が好ましい。R2 〜R 6 は一価の有機基であり、
これにはメチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基
等のアルキル基、2−フェニルエチル基、2−フェニル
プロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の
置換アルキル基、フェニル基等のアリール基、またはト
リル基等の置換アリール基が例示される。中でもR2 〜
R5 については好ましくはメチル基およびフェニル基で
あり、さらに経済的観点からメチル基であることが好ま
しい。R6 については原料となる下記式X
の原料の入手の容易さから、メチル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびフェニ
ル基が好ましい。nは正の整数であり、好ましくは1〜
5000、さらに好ましくは3〜1000が例示され
る。
するポリイミドの製造は、以下に述べる方法により行な
うことができる。すなわち、下記式XI
式Iで示されるジアミノビフェニル基を有するオルガノ
ポリシロキサンとを当モル量反応させるか、または式I
で示されるジアミノビフェニル基を有するオルガノポリ
シロキサンと下記式XII
モル量がテトラカルボン酸二無水物のモル量と等しくな
るように反応させて、前記式III およびIVからなり、式
III で表される繰り返し単位と、式IVで表される繰り返
し単位のモル比が100/0から1/99の範囲にある
オルガノポリシロキサン側鎖を有するポリアミド酸を合
成し、これを加熱イミド化することにより合成できる。
このイミド化反応はイミド化剤を用いてあるいは用いず
に溶液中でも行なうことができる。
基を有するオルガノポリシロキサンと式XII で表される
芳香族ジアミン化合物をシリル化した後、式XIの芳香族
テトラカルボン酸二無水物と溶媒中で反応させて、繰り
返し単位が前記式VIIIおよび式IXからなり、式VIIIで表
される繰り返し単位と、式IXで表される繰り返し単位の
モル比が100/0から1/99の範囲にあるオルガノ
ポリシロキサン側鎖を有するシリル化ポリアミド酸を合
成し、これを加熱イミド化することによっても製造する
ことができる。
無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル
二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン
酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,5,6−ピラジンテトラカルボ
ン酸二無水物等が例示されるが、これらに限定されるも
のではなく、またこれらの混合物を用いることもでき
る。
しては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジア
ミン、4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジア
ミノビフェニル、2,6−ジアミノナフタレン、1,5
−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノアントラセ
ン、2,7−ジアミノアントラセン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、
2,2−ビス(4−ジアミノフェニル)プロパン、1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
(4−ジアミノフェニル)プロパン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン等が例示されるが、これらに限定
されるものではなく、またこれらの混合物を用いること
もできる。
するオルガノポリシロキサンは、式Xで示される末端ヒ
ドロオルガノポリシロキサンと下記式XIII
合を有する有機基である。〕で示される末端オレフィン
を有する化合物とを、触媒存在下でヒドロシリル化反応
させることにより、下記式XIV
シロキサンを合成し、さらにそのニトロ基を還元するこ
とにより合成できる。
ロキサンは、公知の方法により製造できる。
物はニトロ基がそれぞれのベンゼン環に1個ずつ結合し
ており、末端にエチレン性不飽和結合を有する有機基R
8 はそれぞれのベンゼン環に1個ずつ結合しているか又
は片方のベンゼン環のみに1個結合している。ニトロ
基、R8 とも、各ベンゼン環の2位から6位のいずれの
位置に結合していてもよい。R8 としては、−CH=C
H2 ,−CH2 CH=CH2 ,−CH2 CH2 CH=C
H2 ,−CH(CH3 )CH=CH2 ,−(CH 2)6 C
H=CH2 ,−OCH=CH2 ,−OCH2 CH=CH
2 ,−OCH2 CH2 CH=CH2 ,−OCH(C
H3 )CH=CH2 ,−O(CH2)6 CH=CH2 等が
例示されるが、原料の入手の容易さから−OCH=CH
2 ,−OCH2CH=CH2 ,−OCH2 CH2 CH=
CH2 ,−OCH(CH3 )CH=CH 2 ,−O(CH
2)6 CH=CH2 等が好ましい。これらの化合物は一般
には市販されていないが、後に実施例として示す方法等
により合成することができる。
ロキサンと式XIIIで表されるオレフィン化合物とのヒド
ロシリル化反応は、触媒の存在下で、好ましくは溶媒中
で行なわれる。触媒としては、塩化白金酸、白金−ジビ
ニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金炭素等の白金
系触媒を用いるのがもっとも一般的であるが、(Ph 3
P)3 RhCl,(Ph2 PH)3 RhCl,(Ph3
P)3 (CO)RhH、さらにCo(I),Pd(I
I),Ru(II)などの遷移金属触媒も用いることがで
きる。触媒の量は、通常炭素−炭素二重結合1モルに対
して1/104 から1/102 モル程度でよい。溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶
媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等の
アルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素
等のハロゲン化炭化水素溶媒、さらには、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド等が例示される。反応温度は0〜200℃、好ましく
は40〜110℃で、乾燥した不活性雰囲気下で行なわ
れるが、触媒によっては少量の酸素の混入が望ましい。
有するオルガノポリシロキサンのニトロ基のアミノ基へ
の還元方法としては、白金、ラネーニッケル、白金炭
素、パラジウム炭素、ロジウム−アルミナ、硫化白金炭
素等を触媒として用いた水素による接触還元法が例示さ
れる。反応は溶媒中で行なうのが好ましく、溶媒として
は上記各種溶媒およびこれらの混合溶媒が例示される。
反応温度は室温から溶媒の還流温度の範囲であることが
好ましい。還元方法は上記方法に限定されるものではな
い。
燥した不活性雰囲気下で行なわれる。無溶媒で反応を行
なうこともできるが、好ましくは溶媒中で行なわれ、溶
媒としては上記各種溶媒およびこれらの混合物が例示さ
れる。反応温度は好ましくは−50℃から100℃、さ
らに好ましくは0℃から50℃が例示される。
去後、100℃から400℃、好ましくは150℃から
350℃において加熱することにより行なわれる。この
際、雰囲気は大気中でも不活性ガス下でも減圧下でもよ
い。また溶液中でのイミド化は、上記各種溶媒中で行な
われ、例えば無水酢酸とアミン等の塩基をイミド化剤と
して50℃から150℃程度の反応温度で行なったり、
あるいはイミド化剤を用いずに150℃から200℃程
度の温度で行なうことなどが例示されるが、溶液中での
イミド化の方法はこれらに限定されるものではない。溶
液中でのイミド化では反応条件によりイミド化率を10
0%より小さくすることができるが、さらに上記加熱イ
ミド化の条件での後加熱によりイミド化を完了させるこ
とができる。
するオルガノポリシロキサンと式XII で表される芳香族
ジアミン化合物のシリル化は、シリル化剤により行なわ
れる。シリル化剤としては、トリメチルクロロシラン、
トリエチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、
メチルジエチルブロモシラン等のトリアルキルハロシラ
ン、及びヘキサメチルジシラザン、N,N−ジエチルア
ミノトリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリ
ル)カーバメート、N−トリメチルシリルイミダゾール
等の窒素含有シリル化剤が例示される。トリアルキルハ
ロシランを用いる場合には、塩基を共存させて、副生す
るハロゲン化水素を中和するのが好ましい。窒素含有シ
リル化剤を用いる場合はトリメチルクロロシラン、硫酸
アンモニウム等の触媒を添加してもよい。シリル化の反
応はアルコール溶媒以外の上記各種溶媒中でも行なえる
が、溶媒を省略することもできる。反応温度は0〜20
0℃、好ましくは20〜140℃である。
リル化されたジアミンを用いて、上記ポリアミド酸の合
成と同様にして合成される。さらに、このシリル化され
たポリアミド酸を上記と同様の方法で加熱することによ
りポリイミドが得られる。もちろん、シリルエステルを
加水分解すれば通常のポリアミド酸が得られるので、こ
れを上記と同様に加熱または溶液中でイミド化すること
もできる。
に詳しく説明するが、この発明はこれらの例によってな
んら限定されるものではない。
ェニルの合成)4,4′−ジニトロ−2−アミノビフェ
ニル13.0gに、水15.0mlと濃硫酸11.0mlの
混合物を加え、加熱しながら2時間攪拌した後、粉砕し
た氷26.5gを加えた。氷浴中にてこれに亜硝酸ナト
リウム3.51gの水溶液を滴下し、10分間かき混
ぜ、さらに数分間放置した。水25mlに濃硫酸33.4
mlを加えたものを沸騰させておき、これに前述の反応混
合物をゆっくり滴下し、5分間沸騰を続けた後、氷浴中
のビーカーに注ぎこんだ。これを吸引濾過し、濾過ケー
クを、カラムクロマトグラフィーにより精製し、4,
4′−ジニトロ−2−ヒドロキシビフェニル10.9g
(収率83.9%)を黄褐色の粉末として得た。
ヒドロキシビフェニル10.4gを乾燥したアセトン9
5mlに溶解し、炭酸カリウム5.52g、4−ブロモ−
1−ブテン7.56gを加え、71時間還流させた。常
法により精製し、2−(3−ブテニロキシ)−4,4′
−ジニトロビフェニル5.20g(収率41.4%)を
淡黄色の粉末として得た。
サンの合成)参考例1で合成した2−(3−ブテニロキ
シ)−4,4′−ジニトロビフェニル2.52gを乾燥
トルエン80mlに溶解し、塩化白金酸の3%イソプロピ
ルアルコール溶液100μlを加えた後、式
の平均値14.4)7.88gを乾燥トルエン20mlに
溶解したものを滴下し、100℃で4時間攪拌を続け
た。カラムクロマトグラフィーにより精製し、8.68
gの4,4′−ジニトロビフェニル基を有するポリシロ
キサンを淡黄色ワックス状の固体として得た(収率8
7.1%)。
で、表1に示すように重合度の異なる4,4′−ジニト
ロビフェニル基を有するポリシロキサンを合成した。
サンの合成)パラジウム炭素(5% Pd)270mgを
エタノールとベンゼン1:1混合溶媒14mlに懸濁さ
せ、水素を通じながら、参考例2で合成した4,4′−
ジニトロビフェニル基を有するポリシロキサン(nの平
均値14.4)3.21gを同様の混合溶媒14mlに溶
解したものを加えた。攪拌しながら水素吹き込みを3時
間続けた後、触媒を濾別し、減圧下で溶媒を留去するこ
とにより、4,4′−ジアミノビフェニル基を有するポ
リシロキサンを黄色の粘性液体として得た(収量3.0
0g、97.7%)。
で、表2に示すように重合度の異なる4,4′−ジアミ
ノビフェニル基を有するポリシロキサンを合成した。
参考例5で合成した4,4′−ジアミノビフェニル基を
有するポリシロキサン(nの平均値14.4)0.74
5gを4mlのテトラヒドロフランに溶解し、ピロメリッ
ト酸二無水物0.114gを加え、室温で攪拌した。生
成したポリアミド酸溶液をガラス板上に塗布し、減圧
下、30℃にて溶媒を除去してポリアミド酸フィルムを
得た。
アミド酸の固有粘度は、テトラヒドロフラン中、25℃
で0.17dL/gであった。
(s),1713(m),1669(m),1599
(s),1522(s),1497(m),1400
(s),1256(vs),1076(sh),105
9(sh),1007(vs),789(vs)(33
00付近のN−H、3050付近の芳香族C−Hは強度
が弱く、同定できなかった。sは強い吸収、vsはたい
へん強い吸収、mは中程度の吸収、shは他の吸収の肩
として現われたものをさす。)
3)実施例1と同様の方法で、表3に示すようにポリシ
ロキサンの重合度の異なるポリアミド酸を合成した。実
施例1と同様のIRスペクトルが得られたが、実施例
2,3ともに3290cm-1付近にN−H、3050cm-1
付近に芳香族C−Hが観測された。
施例1で得られたポリアミド酸フィルムをアルゴン雰囲
気下、60℃で20分、100℃で20分、200℃で
2時間加熱し、ポリシロキサン側鎖を有するポリイミド
フィルムを得た。
(s),1782(m),1726(vs),1605
(s),1499(s),1377(s),1258
(vs),1177(m),1069(sh),100
7(vs),785(vs),723(s)
3)実施例4と同様にして、表4に示すように実施例2
および3で得られたポリアミド酸のイミド化を行なっ
た。
施例1と同様に、4,4′−ジアミノビフェニル基を有
するポリシロキサン(nの平均値14.4)0.735
gとピロメリット酸二無水物0.112gをテトラヒド
ロフラン4ml中で反応させ、得られたポリアミド酸溶液
に、トリエチルアミン0.434gと無水酢酸0.44
0gの混合物を滴下し、70℃の油浴中で1時間反応さ
せた。黄色透明のゲルとして得られたポリイミドのIR
スペクトルは次のようで、イミド化率は47%であっ
た。
(s),1779(m),1730(s),1601
(m),1520(w),1499(s),1375
(s),1260(vs),1094(sh),102
2(vs),801(vs),720(m)(wは弱い
吸収を示す。)
加熱すると、イミド化は完了した。
ル基を有するポリシロキサンの合成)参考例6で合成し
たジアミノ基を有するポリシロキサン(nの平均値2
6.7)1.18gを、ベンゼン10mlに溶解し、トリ
エチルアミン0.158gを加えた。これにトリメチル
クロロシラン0.041gをゆっくり加え、室温で1時
間、さらに油浴中60℃で2時間、80℃で38時間攪
拌した。塩を濾別後、溶媒等を減圧下で除去し、4,
4′−ビス(トリメチルシリルアミノ)ビフェニル基を
有するポリシロキサンを得た(収量1.04g、83.
1%)。
合成)反応はすべてアルゴン置換したグローブバッグの
中で行なった。10℃の水浴中で、参考例8で合成した
4,4′−ビス(トリメチルシリルアミノ)ビフェニル
基を有するポリシロキサン1.00gをテトラヒドロフ
ラン4mlに溶解し、あらかじめ用意しておいたピロメリ
ット酸二無水物のテトラヒドロフラン溶液をピロメリッ
ト酸二無水物の量が0.087gになる量だけ滴下し
た。1時間後水浴を油浴に替え、35℃で一晩加熱し
た。生成したポリマー溶液をグローブバッグ中でガラス
板上に塗布し、溶媒を除去してシリル化ポリアミド酸フ
ィルムを得た。
(s),1703(m),1655(m),1608
(m),1534(m),1495(s),1408
(m),1256(vs),1209(s),1009
(vs),823(s),788(vs)
で脱シリル化したポリアミド酸の固有粘度は0.24dL
/gであった。
施例8においてグローブバッグ中にて得られたシリル化
ポリアミド酸フィルムを、実施例4と同様の方法で加熱
イミド化した。
(s),1782(m),1730(vs),1602
(s),1500(s),1377(s),1257
(vs),1177(m),1068(sh),100
7(vs),785(vs),723(s)
参考例5で合成した4,4′−ジアミノビフェニル基を
有するポリシロキサン(nの平均値14.4)0.20
1gと参考例7で合成した4,4′−ジアミノビフェニ
ル基を有するポリシロキサン(nの平均値46.2)
0.496gをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、ピロ
メリット酸二無水物0.062gを加え、室温で攪拌し
た。生成したポリアミド酸溶液をガラス板上に塗布し、
減圧下、30℃にて溶媒を除去して2種類の異なる長さ
の側鎖をもつアミド酸共重合体フィルム(2種のユニッ
トの比1:1)を得た。
アミド酸の固有粘度は、テトラヒドロフラン中、25℃
で0.17dL/gであった。
b),2963(s),1713(m),1669
(m),1601(s),1526(s),1497
(m),1402(s),1258(vs),1080
(sh),1011(vs),785(vs)(bは幅
広の吸収を示す。)
施例10で得られたポリアミド酸フィルムを、実施例4
と同様の方法で加熱イミド化し、2種類の異なる長さの
側鎖をもつイミド共重合体(2種のユニットの比1:
1)を得た。
(s),1784(m),1730(vs),1605
(s),1499(s),1377(s),1258
(vs),1177(w),1073(sh),100
7(vs),785(vs),723(s)
参考例6で合成した4,4′−ジアミノビフェニル基を
有するポリシロキサン(nの平均値26.7)0.85
3gとp−フェニレンジアミン0.040gをテトラヒ
ドロフランとN,N−ジメチルアセトアミドの1:1混
合溶媒14mlに溶解し、ピロメリット酸二無水物0.1
59gを加え、室温で攪拌した。生成したポリアミド酸
溶液をガラス板上に塗布し、減圧下、30℃にて溶媒を
除去して、ポリシロキサン側鎖のあるビフェニル基を含
むユニットと側鎖のないp−フェニレン基を含むユニッ
トの比が1:1のアミド酸共重合体フィルムを得た。
アミド酸の固有粘度は、テトラヒドロフランとN,N−
ジメチルアセトアミドの1:1混合溶媒中、30℃で
0.39dL/gであった。
b),2963(s),1717(m),1676
(m),1601(s),1516(s),1402
(s),1258(vs),1074(sh),100
9(vs),785(vs)
施例12で得られたポリアミド酸フィルムを、実施例4
と同様の方法で加熱イミド化し、ポリシロキサン側鎖の
あるビフェニル基を含むユニットと側鎖のないp−フェ
ニレン基を含むユニットの比が1:1のイミド共重合体
を得た。
(s),1780(m),1728(vs),1605
(s),1516(s),1499(m),1364
(s),1258(vs),1179(w),1078
(sh),1007(vs),785(vs),723
(s)
リイミドは、側鎖の長さ、数等を自由に分子設計できる
ので、ポリイミドの融点の低下や溶解性の向上等に加え
て、ポリイミドとポリシロキサンの性質を合わせもつ新
規な特性を持たせることができる。また、ポリイミドも
しくはポリシロキサンとのブレンドとして、あるいは相
溶性付与剤としての利用もできる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記式Iで示されるジアミノビフェニル
基を有するオルガノポリシロキサン 【化1】 〔式中、Zは下記式IIで示されるオルガノポリシロキサ
ン 【化2】 (ここにR1 は2価の有機基、R2 〜R6 は同一又は異
なる1価の有機基、nは1以上の整数である。以下同
じ。)であり、mは0又は1である。以下同じ。〕、芳
香族ジアミン及び芳香族テトラカルボン酸二無水物を溶
媒中で反応させて、繰り返し単位が下記式III 及び式IV 【化3】 〔式中、A1 は4価の芳香族基、A2 は下記式Vで示さ
れる2価の有機基 【化4】 であり、A3 は2価の芳香族基である。以下同じ。但し
A1 ,A3 ,R1 〜R6,m及びnは繰り返し単位ごと
に異なってもよい。以下同じ。〕からなり、式III で表
わされる繰り返し単位と、式IVで表わされる繰り返し単
位のモル比が100/0〜1/99の範囲にあるオルガ
ノポリシロキサン側鎖を有するポリアミド酸を合成し、
これを加熱イミド化して、繰り返し単位が下記式VI及び
式VII 【化5】 からなり、式VIで示される繰り返し単位と式VII で示さ
れる繰り返し単位のモル比が100/0〜1/99の範
囲にあるオルガノポリシロキサン側鎖を有するポリイミ
ドの製造方法。 - 【請求項2】 前記式Iで示されるジアミノビフェニル
基を有するオルガノポリシロキサンおよび芳香族ジアミ
ンのアミノ基をあらかじめトリアルキルハロシラン又は
窒素含有シリル化剤でシリル化した後、芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物と、溶媒中で反応させて、繰り返し単
位が式VIII及び式IX 【化6】 〔式中R7 はアルキル基である。〕からなり式VIIIで示
される繰り返し単位と、式IXで示される繰り返し単位の
モル比が100/0〜1/99の範囲にあるオルガノポ
リシロキサン側鎖を有するシリル化ポリアミド酸を合成
し、これを加熱イミド化する、請求項1に記載のオルガ
ノポリシロキサン側鎖を有するポリイミドの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のオルガノポリシロキサ
ン側鎖を有するポリアミド酸を、溶液中でイミド化する
こと、又は必要に応じてさらに後加熱によりイミド化を
完了させる、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン
側鎖を有するポリイミドの製造方法。
Priority Applications (4)
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WO2023153087A1 (ja) * | 2022-02-09 | 2023-08-17 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物、フィルム、光学レンズ、回折光学素子、イオン伝導膜、バッテリーセパレータフィルム、二次電池、回路基板、振動板 |
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-
1993
- 1993-05-25 JP JP12282893A patent/JP3226377B2/ja not_active Expired - Lifetime
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J.Polym.Sci.PartA:Polym.Chem.(1994),32(8),1581−92 |
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KR102503179B1 (ko) * | 2021-05-17 | 2023-02-23 | 한국조선해양 주식회사 | 암모니아를 연료로 이용하는 선박 |
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