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JP3223589B2 - 軽質炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

軽質炭酸カルシウムの製造方法

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JP3223589B2
JP3223589B2 JP21326892A JP21326892A JP3223589B2 JP 3223589 B2 JP3223589 B2 JP 3223589B2 JP 21326892 A JP21326892 A JP 21326892A JP 21326892 A JP21326892 A JP 21326892A JP 3223589 B2 JP3223589 B2 JP 3223589B2
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light calcium
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修 海老沼
龍二 大内
和智 坂元
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Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/40Production or processing of lime, e.g. limestone regeneration of lime in pulp and sugar mills

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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽質炭酸カルシウムの
製造方法に関し、詳しくは、紙用填料として有用なハン
ター白色度91〜98%である軽質炭酸カルシウムの製
造方法に関し、より詳しくは、アルカリ性パルプ蒸解法
におけるカルシウム循環系から産業廃棄物として投棄さ
れている炭酸カルシウムをなくすことができる軽質炭酸
カルシウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ性パルプ蒸解法は、蒸解工程と
蒸解薬液回収工程より成っている。そして、前記の蒸解
薬液回収工程においては、アルカリ性パルプ蒸解法のう
ち、現在最も広く採用されているクラフト蒸解法(蒸解
薬液主成分NaOH+Na2 S)を例にとると、蒸解薬
液のうち回収ボイラーの操業を調節することによってN
2 Sが再生され、苛性化工程において、キルンで焼成
し製造された石灰(CaO+CaCO3 +不純物)と再
生前のクラフト蒸解薬液を混合し、以下の化学反応式で
NaOHが再生されている Na2 CO3 +CaO+H2 O → 2NaOH+CaCO3
【0003】前記化学反応によって生成するCaCO3
が石灰泥キルン(以下、単にキルンともいう)で熱分解
されてCaOに再生されている。このような蒸解薬液回
収工程においては、キルンを中心に苛性化工程を介して
CaOとCaCO3 からなるカルシウムが循環している
が、カルシウムの観点から見れば、該回収工程は完全な
閉鎖系である。
【0004】そして、蒸解工程からのパルプ廃液に随伴
されてきてカルシウムに混入する不純物も、キルンを中
心としたCaO及びCaCO3 からなるカルシウム循環
系に混り込むと全く系外へ出ることがない。一方、キル
ンに張られたレンガがはがれ落ちたり(スポーリング)
サビなどの鉄分が前記カルシウム循環系に混入して不純
物を形成する。これらの全ての不純物がキルンに供給さ
れる固形分中のCaCO3 の重量割合いを低下させてい
る。
【0005】不純物が増加し、CaCO3 の重量割合い
が低下するとCaCO3 から製造されるCaOの製造量
の減少によるパルプ製造量の減少や、キルンの燃料が無
駄になる。それ故、実操業においては、定期的にキルン
へ供給するCaCO3 中の不純物量を実測し、定期的に
不純物を含有するCaCO3 の一定量を系外に取り出す
ことによって混入していた不純物も併せて抜き出すと共
に、取り出されたCaCO3 に相当する量のCaCO3
をカルシウム循環系へ添加することによって、キルンを
中心としたカルシウム循環系の不純物の量を低位に維持
していた。
【0006】以下にカルシウム循環系から取り出され、
投棄されているCaCO3 及び不純物の一般的な分析結
果(重量)を示す。 ・CaCO3 (CaOとして) 100 ・シリカ(SiO2 として) 0.5〜 5(CaCO3 100として) ・鉄,アルミニウム (Fe2 3 +Al2 3 として) 5〜15( 〃 ) ・マグネシウム(MgOとして) 0.5〜 2(CaCO3 100として) ・その他(カーボンなど) 0〜 3( 〃 )
【0007】上記組成を有し、これまで投棄されていた
CaCO3 及び不純物には、人体に対する毒性はほとん
どない。しかし、このようなものであっても産業廃棄物
であって、昨今の情勢から投棄を自主規制せざるを得な
いのが実状である。
【0008】キルンへ供給する前にカルシウム循環系か
ら取り出され、投棄されていた前記の不純物を含んだC
aCO3 の有効利用方法に関しては従来より研究がなさ
れており、既に中性紙用内添填料として使用する技術
(特開昭61−179398号公報)、パルプ漂白工程
より排出される酸性排水の中和剤として使用する技術
(米国特許第3,269,941号明細書)、有機酸お
よび/または無機酸で処理し、pHを5〜12に調整し
あるいは漂白泥と混合し白色度を上げ紙の填料、塗工紙
の顔料として用いられるカオリンの代替原料とする技術
(ドイツ公開特許第2,737,742号公報明細書)
等が提案されている。
【0009】しかし、前記技術で製造されたCaCO3
中に含まれる着色性無機物や着色性有機物(主にカーボ
ン)などの各種不純物のそれぞれの量は、苛性化工程の
操業状態によってそれぞれに大きく変動し、その変動結
果によってCaCO3 の白色度も大きく上下するため、
この様な白色度の変動がはげしいCaCO3 を紙用填料
として使用した場合、紙の白色度低下を引き起こしかね
ない。そのため前記した不純物を含有するCaCO3
紙用填料又は顔料とする技術は、いずれも未だ実用化さ
れるに到っていない。
【0010】また、前記利用技術のうち、酸排水の中和
剤として用いる方法は確かに効果があるものの、脱墨古
紙パルプ製造設備を有する工場などは工場排水のpHが
6〜7になり、中和の必要性がないばかりでなく、キル
ンに供給されるCaCO3 は不純物の作用によって酸排
水との反応性がやや劣り、そのため沈殿物を形成し、ト
ラブルの原因となる場合があることなどの理由から、こ
の方法もあまり実用化されていない。
【0011】また、カルシウム循環系から不純物を取り
出す方法としては、前記したキルンに供給される不純物
含有CaCO3 を取り出す代りに、カルシウム分を生石
灰の状態で取り出し、この生石灰とともに不純物を該循
環系外に抜き出す方法も考えられる。その場合、生石灰
中には着色性有機物はほとんど含まれていない。
【0012】生石灰の有効利用方法に関する技術として
は、75℃以下の温度で水と消和させた後、アルカリあ
るいはクラフト蒸解法の緑液と苛性化反応させて得たC
aCO3 を塗工用顔料として用いる技術(米国特許第
2,062,255号明細書)、アルカリパルプ工場の
石灰泥キルンで製造した石灰を消和し、次いで炭酸ガス
あるいは緑液と反応させ生成したCaCO3 を紙用填料
として用いる技術(米国特許第3,268,387号、
同第3,268,388号明細書)が既に提案されてい
る。
【0013】しかし、これ等の方法は、いずれもCaC
3 が不純物(着色性無機物)を依然として含んでお
り、この着色性無機物に起因するCaCO3 の着色汚染
を解消する技術が提案されていないため実用化されるに
到っていない。
【0014】一方、カルシウムを主体とした無機化合物
の漂白技術も研究がなされてきており、硫酸カルシウム
を酸化漂白剤を用いて酸性のpH領域で漂白する方法
(特開昭55−60024号公報)が開示されている。
しかし、この様な方法を適用すると炭酸カルシウムは分
解してしまうので、前記した着色性無機物を含むCaC
3 の着色汚染解消のための炭酸カルシウムの漂白に直
ちに採用できる方法ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、キルン
を中心としたカルシウム循環系から前記不純物を抜き出
す方法及び抜き出した後の処理方法において、キルンで
焼成されて製造された不純物を含むCaOを該系外へ取
り出すことによって不純物を該系外へ抜き出すととも
に、さらに、それを原料として、紙用填料として利用す
ることのできる白色度を有する軽質炭酸カルシウムを製
造することを目的とするものである。
【0016】本発明は、又、前記カルシウム循環系から
不純物を抜き出すために取り出される。焼成後の不純物
を含むCaOを用いて軽質炭酸カルシウムを製造し、次
いで還元漂白後、紙用内添填料として用いることによっ
て、軽質炭酸カルシウムを不純物ごと有効に利用してキ
ルンからの産業廃棄物をなくすことができる技術を提供
することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、生石灰と水を
混合し、次いで炭酸ガスと反応させて軽質炭酸カルシウ
ムを製造する方法において、アルカリ性パルプ蒸解法に
おける石灰泥キルンで製造された着色性無機物からなる
不純物を含有する生石灰を水と混合し、次いで炭酸ガス
と反応させて、製造された軽質炭酸カルシウムを還元漂
白剤で処理し、ハンター白色度(JIS P 812
3)を91〜98%に調節することを特徴とする軽質炭
酸カルシウムの製造方法に関する。
【0018】本発明におけるキルンは、アルカリ性パル
プ蒸解薬液、特にクラフト蒸解液の回収工程に設置され
ているものであって、加熱によってCaCO3 を熱分解
してCaOを製造する装置であり、そのプロセス等は、
紙パルプ技術協会 昭和56年10月1日発行「クラフ
トパルプ・非木材パルプ」に詳細に述べられている。
【0019】通常、軽質炭酸カルシウムの製造は、Ca
Oが全重量当り80〜99%である石灰を水に入れ、攪
拌分散した液(乳液)に炭酸ガスを吹き込む方法によっ
て行われる。反応に使用される炭酸ガスとしては、キル
ンの排ガスを利用してもよい(特開昭63−30710
8号公報 明細書参照)。
【0020】一方、石灰泥キルンで焼成された石灰は、
CaOを60〜95%(重量)含むものである。60%
未満では、キルンで燃料として使用する重油や天然ガス
などの熱効率が低下して好ましくなく、95%を越える
と、焼成後のCaOが水に分散溶解しづらくなるので好
ましくない。65〜90%が最も好ましい。
【0021】本発明で使用される原料CaOは、シリ
カ、鉄、アルミニウム、マグネシウムなどの化合物を含
んでおり、この石灰を微粉細して測定したハンター白色
度は60〜75%程度である。
【0022】本発明においては前記不純物を含む石灰が
水と反応して生成する濃度5〜20重量%のCa(O
H)2 水溶液に炭酸ガスを80〜220分間吹き込み、
pHが7〜8.5になる時点で止めて軽質炭酸カルシウ
ムを製造する。Ca(OH)2濃度、炭酸ガスの吹き込
み時間及びpHが前記範囲を外れると軽質炭酸カルシウ
ムの形状が変化して、例えば紙用填料に使用した場合、
長網式抄紙機のワイヤー寿命が短かくなったりするので
好ましくない。
【0023】このようにして製造された軽質炭酸カルシ
ウムのハンター白色度は84〜87%である。一方、針
葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプを主
原料として製造される紙の内添填料として通常用いられ
るのは、軽質炭酸カルシウムや他の方法で製造した軽質
炭酸カルシウムであり、ハンター白色度は91〜98%
のものである。前記ハンター白色度が84〜87%の軽
質炭酸カルシウムを填料に用いて紙を製造した場合、通
常の紙よりハンター白色度が低下し、紙の価値が低下す
る。それ故、本発明の軽質炭酸カルシウムも、漂白しな
い限り、紙への使用は難しい。
【0024】軽質炭酸カルシウムを漂白する場合、酸性
の漂白剤を用いたのでは軽質炭酸カルシウムが分解する
ので好ましくない。アルカリ性の漂白剤を用いる場合に
ついても、酸化漂白剤、例えばpH8〜11.5で漂白
を行う過酸化水素などを用いた場合には、白色度はほと
んど変化しないので、本発明の漂白剤として酸化漂白剤
はいずれも使用できない。
【0025】本発明において使用できる漂白剤は還元漂
白剤である。この還元漂白剤としては、例えばpH5〜
10で使用するNa2 2 4 ,ZnS2 4 のいわゆ
るハイドロサルファイト、pH9以上で使用するNaB
4 あるいはNa2 SO3 ,NaHSO3 ,ロンガリッ
トなどを挙げることができる。これ等の還元漂白剤に関
しては、紙パルプ技術協会 昭和61年1月1日発行
「パルプ処理及び漂白」で詳細に述べられている。また
ホルムアミジンスルフィン酸(二酸化チオ尿素)も本発
明に好適である。
【0026】本発明において、例えばハイドロサルファ
イトやホルムアミジンスルフィン酸を用いる場合の各種
条件はpH9〜10、添加率0.05〜0.5重量%、
(対軽質炭酸カルシウム重量当り)温度20〜80℃、
漂白時間は10〜60分である。
【0027】前記条件において、pHが6未満では軽質
炭酸カルシウムの分解が起るし、逆にpHが10を越え
ると漂白効果が低下して好ましくない。
【0028】添加率は、0.05重量%未満では充分な
漂白効果が得られないし、また、0.5重量%を越えて
も、より以上の白色度上昇効果が達成できないので好ま
しくない。
【0029】反応温度は、20℃未満では、漂白作用が
緩慢で白色度を上昇させ難いので好ましくなく、逆に8
0℃を越えると熱コストが上昇して好ましくない。
【0030】軽質炭酸カルシウムに含まれる不純物の組
成と不純物量にもよるが、前記ハイドロサルファイト等
の還元漂白剤及び漂白条件を選択して漂白することによ
り、軽質炭酸カルシウムのハンター白色度を最大11%
も上昇させることができる。漂白処理後の軽質炭酸カル
シウムのハンター白色度が84〜87%から91〜98
%になる様調節することによって、前記軽質炭酸カルシ
ウムを紙用の填料として使用しても紙の白色度低下を伴
うことがなくなる。91%未満では、前記の如く紙の白
色度の低下を伴うので好ましくない。
【0031】本発明によって還元漂白剤を用いて漂白を
行った場合にも、ハンター白色度の上昇は11%が上限
である。薬品を増添し、さらに温度を上げるなど漂白条
件を強化しても11%を越えてハンター白色度は上昇せ
ず、コストのみが上昇する。従って、軽質炭酸カルシウ
ムの漂白後のハンター白色度の上限は98%である。
【0032】キルンより抜き出したカルシウム分の不足
を補うため不純物を2〜5重量%含むCaCO3 原石
(石灰石)で補充するのが一般的である。キルンを中心
に循環するCaCO3 に含まれる不純物を5重量%以下
にすることは難しいが、5重量%に近づくまでCaOを
キルンから抜き出しながら、前記CaCO3 原石を補充
する方法が本発明に好ましい。
【0033】前記したように、本発明はキルンからのC
aOを取り出すことによって、それと共にカルシウム循
環系に混入した不純物を該系外へ抜き出し、この不純物
含有CaOを原料として軽質炭酸カルシウムを製造し、
得られる白色度の低い炭酸カルシウムを選択された漂白
法、すなわち還元漂白法によって漂白することによっ
て、紙用填料として使用できる白色度を有する軽質炭酸
カルシウムを製造するものであるが、加えて、本発明
は、アルカリ性パルプ蒸解法におけるカルシウム循環系
から産業廃棄物として投棄されていた不純物含有炭酸カ
ルシウムを該系から抜き出すことを不要ならしめるもの
でもある。
【0034】従来、不純物混りのCaCO3 が晒クラフ
トパルプ絶乾1トン当り0.05〜3kgで産業廃棄物と
して投棄されていた。0.05kg未満ではキルンを中心
としたカルシウム循環系中に不純物が蓄積されるので好
ましくなく、3kgを越えるとCaCO3 が無駄に投棄さ
れることになるので好ましくなかったためである。
【0035】本発明によって、軽質炭酸カルシウムが晒
クラフトパルプ絶乾1トン当り0.05kg以上製造され
るように、キルンで焼成され製造されたCaOを取り出
すことによって石灰中の不純物増加を抑え、さらにCa
CO3 がベースとした産業廃棄物をなくすことができ
る。
【0036】紙及び紙製品を製造する場合晒クラフトパ
ルプ絶乾1トン当り軽質炭酸カルシウムを紙用填料とし
て10〜200kg程度使用するのが一般的であるので、
CaCO3 に含まれる不純物を低位に抑えるためにキル
ンから石灰が抜き出されて製造された軽質炭酸カルシウ
ム(MAX 3kg/晒クラフトパルプ絶乾トン程度)はすべ
て前記紙の用途に使用できる。
【0037】加えて、本発明によって製造される軽質炭
酸カルシウムは、サンドミルなどによって微粉砕処理し
て塗工紙用の顔料として使用しても、塗工紙の白色度の
低下を引き起こすことがないので顔料としても使用でき
る。
【0038】なお、本発明の漂白方法は石灰泥キルンか
らの石灰(CaO+不純物)から製造された軽質炭酸カ
ルシウムに対して漂白効果があるのみならず、他の方法
で製造された軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウ
ム、タルク、クレーの漂白にも効果を有する。
【0039】本発明において軽質炭酸カルシウムのハン
ター白色度は深さ5cm、及び6cm四方の溝に入れ鏡面金
属板をあてて圧力をかけ溝に粉体を固定して平らになっ
た面をJIS P 8132に準じてハンター白色度を
測定した。またキルンで焼成後のCaOはボールミルで
粉砕後同様の方法で白色度を測定した。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、勿論これによって本発明が限定され
るものではない。
【0041】軽質炭酸カルシウムの製造 軽質炭酸カルシウムの製造に用いた装置は実願平3−0
86792号公報記載の反応装置であり、図1で示され
る構造のものである。
【0042】反応装置1の下部にはブローバルブ2が取
付られており、該反応装置1の前記ブローバルブ2上部
に位置してパンチングプレート3が取付られている。該
パンチングプレート3は、反応槽1の中心部に頂点を有
する円錐形状のものからなる。他方、前記ブローバルブ
2の上側に、清水供給パイプ5と石灰キルンの排ガス供
給パイプ6が取付られている。尚、図1中、符号7は懸
濁液供給口、8はガス排出口である。
【0043】反応装置1に懸濁液供給口7から懸濁液を
供給する。このとき、懸濁液はパンチングプレート3の
下部Aに溜っているため、反応に先立ち清水供給パイプ
5から清水を供給してA部分にある懸濁液を清水で押し
上げて清水と置換した後、排ガス供給パイプ6から排ガ
スを供給してバブリングさせる。他方、清水を介して浮
上する排ガスはパンチングプレート3の多数の孔4から
微細な気泡となって懸濁液中をゆっくりと浮上し、浮上
する間に懸濁液中の水酸化カルシウムと充分に接触して
炭酸化反応が完了する。炭酸化反応が完了した後、ブロ
ーバルブ2を開いて生成した炭酸カルシウムの懸濁液を
取り出す。このとき、パンチングプレート3の多数の孔
4に付着している炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム懸
濁液の逆の流れにより洗い流される。
【0044】本実施例で使用した反応装置は、容量が2
2m3 であって上部が円筒形、下部が円錐形をしており
円筒の直径が2540mm、円錐形の下部から円筒形の頂
部までの高さが7400mmである。反応槽の底部には吹
き込まれた排ガスをCa(OH)2 液中に細粉子化して
分散させるパンチングプレート(目穴径25mm、開口率
6%)が取り付けられている。
【0045】キルンからの着色性無機物を不純物として
5.2%含有するCaOと水の量が調節されてCa(O
H)2 濃度が150g/lの液を20m3 上記反応槽に
入れ、石灰泥キルンの排ガス(CaO濃度 20容量
%)を140分間吹き込み、その後吹き込みを停止し反
応を停止した。この時の液のpHは7.5であった。生
成した軽質炭酸カルシウムを充分水洗して製造した。な
お、石灰泥キルンは、ロングキルン((米)アールスト
ローム社製 L130m×φ4m)である。キルンから
のCaOとしては、CaOが85重量%のものを使用し
た。又、キルンへのCaCO3 原石の補充は抜出し量と
同量行なった。日を変えて以下の2種の軽質炭酸カルシ
ウムを製造した。
【0046】軽質炭酸カルシウム(A) : ハンター
白色度 84.2% 平均粒子径 3.2μm
【0047】軽質炭酸カルシウム(B) : ハンター
白色度 86.8% 平均粒子径 3.2μm
【0048】紙の製造 国内産広葉樹チップ及びダグラスファー15%、国内産
松85%からなる針葉樹チップを原料としてカミヤ式連
続蒸解釜によって広葉樹未晒パルプ(カッパー価18.
5)及び針葉樹未晒パルプ(カッパー価27)を製造し
た。次いで酸素−塩素−苛性ソーダ−Na−ハイポ−二
酸化塩素からなる多段漂白法によってハンター白色度8
4.0の広葉樹晒パルプ(LBKP)及び針葉樹晒パル
プ(NBKP)を製造した。
【0049】LBKPとNBKPを絶乾重量で65:3
5の割合いで混ぜ、混ぜたパルプのフリーネスが340
ml( C.S.F )になる様叩解した。
【0050】このパルプに実施例、比較例の軽質炭酸カ
ルシウムまたは重質炭酸カルシウムを10重量部(対絶
乾パルプ重量当り)加え、さらに以下の薬品を添加し、
米坪44g/m2 ,水分5.5%の中性紙を長網多筒ド
ライヤー式抄紙機で製造した。
【0051】 ・硫酸バンド : 0.5% ・カチオン化デンプン(王子ナショナル社製ケートF) : 1.0% ・ポリアクリルアミド(ハリマ化成社製 ハーメイドEX−360) : 0.4% ・歩留り向上剤(協立有機社製 NR−11 LH) : 0.02% (いずれも対絶乾パルプ重量当り) ・サイズプレス酸化デンプン (王子コンスターチ社製,王子エースA) : 2g/m2
【0052】実施例1 軽質炭酸カルシウム(A)にNa2 2 4 を0.1重
量%添加し、濃度30重量%,40℃,pH7.5で2
0分間漂白後充分水洗した。軽質炭酸カルシウム(A)
の製造量は0.2kg/晒クラフトパルプ絶乾重量トンで
あった。この軽質炭酸カルシウムのハンター白色度は9
1.8%であった。前記軽質炭酸カルシウムを用いて紙
を製造した。
【0053】実施例2 実施例1において、還元漂白剤としてホルムアミジンス
ルフィン酸を用いたこと以外、実施例1と同じであっ
た。得られた軽質炭酸カルシウムのハンター白色度は9
2.0%であった。
【0054】実施例3 軽質炭酸カルシウム(B)にホルムアミジンスルフィン
酸を0.45重量%添加し、75℃,pH9.5で30
分間漂白後充分水洗した。軽質炭酸カルシウム(B)の
製造量は3.5kg/晒クラフトパルプ絶乾重量トンであ
った。この軽質炭酸カルシウムのハンター白色度は9
7.4%であった。前記軽質炭酸カルシウムを用いて紙
を製造した。
【0055】比較例1 軽質炭酸カルシウム(A)を漂白せず、紙を製造した。
軽質炭酸カルシウム(A)の製造量は、0.04kg/晒
クラフトパルプ絶乾重量トンであった。
【0056】比較例2 軽質炭酸カルシウム(B)を漂白せずに紙を製造した。
軽質炭酸カルシウム(B)の製造量は、0.04kg/晒
クラフトパルプ絶乾重量トンであった。
【0057】比較例3 軽質炭酸カルシウムを購入(矢橋工業(株)社製 カル
ピンY ハンター白色度98%)し、紙を製造した。キ
ルンへのCaCO3 中の不純物を一定に保つためにCa
CO3 を取り出し、投棄した。
【0058】比較例4 軽質炭酸カルシウムを購入(矢橋工業(株)社製 LW
600 ハンター白色度92%)し、紙を製造した。キ
ルンへのCaCO3 中の不純物を一定に保つために行わ
れるべきCaCO3 の取り出しを行わなかった。実施
例、比較例とも各40日継続した。
【0059】以下の項目で実施例、比較例を評価し、評
価結果を表1に示した。 ・紙の白色度 : JIS P 8123 ・投棄CaCO3 量 晒クラフトパルプ絶乾1トン当りの投棄量kgで評価し
た。 ・CaCO3 中の不純物量 分析は TAPPI試験法 石灰石の分析 T618hm−84
に従って行ない、(不純物量(g)/(CaCO
3 (g)+(不純物量(g))×100(%)で表示。
【0060】実施例、比較例とも各40日間継続して実
施し、その間35日目〜40日目までの平均値をCaC
3 中の不純物(%)とした。
【0061】表1に示したように、石灰泥キルンで製造
されるCaOを用いて製造された軽質炭酸カルシウムの
白色度は低く、そのため紙の白色度が低下し(目標値7
9%以上)、品質の低下を引き起こしている(比較例
1、2)。又、購入したCaO及び軽質、重質炭酸カル
シウムは、紙の白色度を低下させることはないが、この
ようなCaOの使用によっては、アルカリ性パルプ蒸解
法におけるカルシウム循環系から排出される産業廃棄物
としてのCaOの発生を抑制するという、本発明の重要
な目的の達成には何ら寄与しない。(比較例3)
【0062】また、キルンからCaCO3 またはCaO
とともに不純物を抜き出さないと石灰中の不純物量が増
加する。このことはキルンへ供給される固形分中のCa
CO3 の重量割合を低下させることとなり、好ましくな
い。(比較例4)
【0063】これに対して、本発明の各実施例では、紙
の白色度の低下による品質低下を引き起こすことのない
軽質炭酸カルシウムが得られており、それ故に、石灰泥
キルンに入る前に取り出される不純物含有CaCO3
由来する産業廃棄物をなくすことができると共に、カル
シウム循環系におけるCaCO3 中の不純物を低位に維
持できることは明らかであって、本発明の結果は明白で
ある。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は紙用填料として
使用できるハンター白色度を有する軽質炭酸カルムを得
ると同時に、アルカリ性パルプ蒸解法における産業廃棄
物となっていた不純物含有炭酸カルシウムをなくすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽質炭酸カルシウムの製造法に使用さ
れる反応装置の断面図を示す。
【符号の説明】
1:反応槽、2:ブローバルブ、3:パンチングプレー
ト、4:微細孔、5:清水供給パイプ、6:排ガス供給
パイプ、7:懸濁液供給口、8:ガス排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂元 和智 愛知県春日井市王子町1番地 王子製紙 株式会社 春日井工場内 (56)参考文献 特開 昭63−307108(JP,A) 特開 昭61−183120(JP,A) 特開 昭58−151326(JP,A) 特公 昭41−11528(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 11/00 - 11/14 C01F 11/18 D21H 17/67 D21H 19/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性パルプ蒸解法における石灰泥
    キルンで製造された生石灰を水と混合し、次いで炭酸ガ
    スと反応させて軽質炭酸カルシウムを製造し、引き続い
    て製造された軽質炭酸カルシウムを還元漂白剤を用いて
    漂白処理することを特徴とするハンター白色度(JIS
    P 8123)が91〜98%に調節された軽質炭酸
    カルシウムの製造方法。
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