JP3203313B2 - ポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆化粧金属板 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆化粧金属板Info
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Description
家具等の部材等として使用する好適なポリオレフィン系
樹脂シート及び樹脂被覆化粧金属板に関する。
ば、建材として用いる内外装および家電、家具等の各種
樹脂被覆化粧金属板としては、加工特性、価格等の点か
ら塩化ビニル系樹脂シートで被覆したものが最も一般的
に使用されてきた。しかし、塩化ビニル系樹脂は燃焼時
に塩化水素ガスが発生し、焼却等の廃棄処理をする際に
焼却炉を傷め易い等の問題があった。そこで、近年、こ
のような塩化ビニル系樹脂シートを使用しない樹脂被覆
化粧金属板が要求されつつある。
時に発生するガスによる問題が比較的少ないポリオレフ
ィン系樹脂シートで被覆した金属板が種々検討されてい
る。このような、ポリエチレンやポリプロピレン等のポ
リオレフィン系樹脂は分子構造中に官能基などの極性部
分を有しておらず、さらに結晶性が高いために鋼板等の
金属板との接着性が極めて悪いという問題がある。この
問題に対し、従来種々の方法が検討されてきた。
理、火焔処理、加熱空気処理、酸化処理等の表面処理を
する方法、又は接着される金属表面を機械的に粗面化、
あるいは表面酸化処理する方法、ポリオレフィンをアク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
アクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸又はその無水物
あるいはそのエステル類で変性したポリオレフィンを使
用する方法等が提案されている。
程が繁雑になったり、金属板との十分な接着強度が得ら
れなかったり、さらには樹脂被覆化粧金属板としての折
曲げ加工性や打ち抜き加工性等の二次加工性が悪い、あ
るいはコストが高くなる等の問題があった。
で金属板との密着性や折り曲げ加工性や打ち抜き加工性
等の二次加工性に優れた、ポリオレフィン系樹脂シート
及び樹脂被覆化粧金属板を提供することにある。
解消したポリオレフィン系樹脂シート及び樹脂被覆化粧
金属板を見出したものであり、その要旨とするところ
は、下記の(a)成分と(b)成分の混合物からなる重
合体100重量部に対して(c)成分を2〜10重量部
配合した組成物からなり、(a)、(b)成分の割合が
重量%で(a)/(b)=95〜75/5〜25の範囲
にあるポリオレフィン系樹脂シート、及び、このシート
にコロナ放電処理を施すとともに、(c)成分と反応性
を有する官能基を1種類以上含有した接着剤を介在して
金属板と接着してなるポリオレフィン系樹脂被覆化粧金
属板にある。
トと、(ii)ソフトセグメントとが2段階以上で多段
重合されてなるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー 系熱可塑性エラストマー (i)プロピレン単独重合体ブロック、及び/又はプロ
ピレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック (ii)エチレン単独重合体ブロック、及び/又はエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体ブロック (c)成分;不飽和カルボン酸またはその無水物で変性
されたポリエチレン系共重合体
本発明を構成する(a)成分である結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチ
レン、ブテン、ヘキセンなどのα−オレフィンとのブロ
ック共重合体、あるいはそれらとのランダム共重合体、
又はその混合物の中から任意に選定されるが、シートの
製膜性や樹脂被覆化粧金属板としての折り曲げ加工性等
の二次加工適性などの点からランダム共重合体が好まし
い。
リオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下「TPO」
という)は、重合反応器中で次の(i)ハードセグメン
トと、(ii)ソフトセグメントとが2段階以上で多段
重合されてなる共重合体である。
レン単独重合体ブロック、あるいはプロピレンとα−オ
レフィンとの共重合体ブロック、例えば、プロピレン/
エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/エチ
レン/1−ブテン等の2元又は3元共重合体ブロックが
挙げられる。
は、エチレン単独重合体ブロック、あるいはエチレンと
α−オレフィンとの共重合体ブロック、例えば、エチレ
ン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/プ
ロピレン/1−ブテン等の2元又は3元共重合体ブロッ
クが挙げられる。
プラント化TPOあるいはReactor−produ
cedTPOと言われているタイプのものであり、その
製造方法の特徴は同じ重合反応器中でハードセグメント
とソフトセグメントを2段階以上で多段重合を行うこと
にある。このことにより、複数の種類のポリマーを連続
して、かつ安価に製造することが可能であり、また、通
常の機械的ブレンドで製造するTPOとは全く異なる分
子内ブレンドのような共重合体が得られる。
では、分子量の高いエラストマー成分は溶融粘度が高い
ため、エラストマー成分が微分散したモルホロジーを有
する組成物を得ることは困難であるが、上記の多段重合
法を用いることにより、ハードセグメントとソフトセグ
メントとが微分散したモルホロジーを有する組成物を得
ることができる。また、上記TPOは(a)、(c)成
分と相溶性が良いため、互いにブレンドした場合でもあ
る程度微分散したモルホロジーを有する組成物を得るこ
とができる。このようなTPOの具体例としては、
(株)トクヤマから商品名「P.E.R.」、ハイモン
ト(株)から商品名「キャタロイ」等として市販されて
いる。
飽和カルボン酸又はその無水物で変性されたポリエチレ
ン系共重合体に使用される不飽和カルボン酸又はその無
水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン
酸、イタコン酸、無水イタコン酸あるいはこれらの誘導
体のモノエポキシ化合物と上記酸とのエステル化合物、
分子内にこれらの酸と反応し得る基を有する重合体と酸
との反応生成物などが挙げられる。
れたポリエチレン系共重合体を製造するには、あらかじ
めエチレンを重合する段階でこれらの変性モノマーを共
重合させたり、重合したポリエチレンにこれらの変性モ
ノマーをグラフト共重合させることもできる。また変性
はこれらの変性モノマーを単独又は複数併用し、その含
有量が0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10
重量%の範囲に共重合又はグラフト共重合させる。含有
量が0.01重量%未満では十分な接着性改良効果が発
現し難く、一方20重量%を越えると製造が困難になっ
たり、押出時の熱安定性が悪くなる等の問題が発生し易
い。
水物で変性されたポリエチレン系共重合体の中で、好ま
しい共重合体としてはエチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー、アク
リル酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチ
レン、マレイン酸変性ポリエチレンなどが挙げられる
が、ハンドリング、押出時の熱安定性、コスト等の点で
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体が特に好ましい。さらにこれらの共重合体
は、各々単独に又は混合して使用してもよい。
ートは、上記(a)成分と(b)成分の混合物からなる
重合体100重量部に対して(c)成分を2〜10重量
部配合した組成物からなり、かつ(a)、(b)成分の
割合が重量%で(a)/(b)=95〜75/5〜25
の範囲にあることが必要である。
部未満では金属板との十分な接着強度が発現せず、10
重量部を越えると、ポリオレフィン系樹脂シート全体と
しての耐熱性が低下し、また折り曲げ加工等の二次加工
時に、樹脂シートに割れやクラックが入ったり、加工部
のシートの白化が目立ち易くなり、さらにコストの点か
らも好ましくない。
いて(b)成分が5重量%未満では、シート全体として
の柔軟性や耐衝撃性を改良できず、樹脂被覆化粧金属板
に折り曲げ加工、特に低温高速条件下での加工時に化粧
シートに割れやクラックが入ったり、白化が目立ち易く
なるという問題がある。一方、(b)成分が25重量%
を越える組成領域では、シートが柔軟になりすぎ表面硬
度が低下し、耐擦傷性に劣り易く、また、樹脂被覆化粧
金属板に打ち抜き加工を施すと、樹脂シートにかじりを
生じたり、打ち抜き加工後の樹脂シートの端面にひげ状
の樹脂片が残存することがあるという問題がある。
は、その性質を損なわない程度に、他の樹脂や熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色
剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、充填
材などの各種添加剤を適宣配合しても良い。また、意匠
性を高めるために、ポリオレフィン系樹脂シートの表面
に印刷やエンボス加工等を適宣施すことができる。
オレフィン系樹脂シートを特定の接着剤を用いて金属板
と接着する必要がある。この接着剤は、(c)成分と反
応性を有する官能基を組成中に1種類以上含有したポリ
エステル系及び/またはイソシアネート系接着剤を使用
する。特にイソシアネート基は−OH、−COOH等の
極性基との反応が迅速であり、本発明に用いるポリオレ
フィン系樹脂シート中に含まれている極性基との反応が
可能で、シート/接着剤界面の接着を確保することがで
きる。
可塑性ポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸と多価
アルコールとの縮合によって得られる飽和ポリエステル
樹脂を指す。また、イソシアネート化合物としてはトリ
レイジイソシアネート化合物、ジフェニルメタンジイソ
シアネート化合物、トリス(イソシアネートフェニル)
チオホスフェート化合物等が挙げられる。
のため上記接着剤に、イソシアネート化合物のほかにエ
ポキシ基、メチロール基、アルコキシル基、アジリジニ
ル基、カルボジイミド基等のシート側極性基と反応を有
する官能基を有する化合物を添加しても良い。
被覆金属板用としても一般的に使用されており、前記ポ
リオレフィン系樹脂シートを使用する場合、ポリ塩化ビ
ニル被覆金属板の製造ラインで、特別にポリオレフィン
用接着剤の準備、それに伴う接着剤供給設備および接着
剤コーティング設備の新設・改造等設備変更をせずに製
造設備をそのまま使用することができる。また、プライ
マー処理工程がないため複雑な工程管理も必要なくな
る。
方法について説明する。上述した組成範囲にあるポリオ
レフィン系樹脂シートを予め製膜し、このシートの金属
板との接着面にコロナ放電処理を施し、(c)成分と反
応性を有する官能基を1種類以上含有した接着剤を介在
して金属板と接着させる。
しては公知の方法、例えばTダイを用いる押出キャスト
法やインフレーション法などを採用することができ、特
に限定されるものではないが、シートの製膜性や安定生
産性などの面からTダイを用いる押出キャスト法が好ま
しい。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は組
成物の流動特性や製膜性等によって適宣調整されるが、
概ね融点以上260℃以下、好ましくは180℃〜23
0℃の範囲で行えばよい。
は通常50〜500μmである。シートの厚みが50μ
m未満では金属板に対する保護層としての性能やエンボ
ス加工適性が劣り易く、500μmを越えるものでは樹
脂被覆化粧金属板としての打ち抜き加工等の二次加工適
性が劣り易い。
ポリオレフィン系樹脂シートを金属板と接着させる前に
シートの金属板との接着面にコロナ放電処理を施す必要
がある。コロナ放電処理を全く行わない場合には金属板
との接着強度がほとんど発現しない。コロナ放電処理の
条件は特に限定されるものではないが、通常10〜10
0W/m2 /分程度の条件で行われる。
板とを接着させる方法としては、上記ポリエステルーイ
ソシアネート系接着剤を金属板にリバースコーター、キ
スコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を
使用し、ポリオレフィン系樹脂シートを貼り合せる金属
面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように
塗布し、ついで、赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により
塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板表面温度をポリ
オレフィン系樹脂シートの融点以上に保持しつつ、直ち
にロールラミネータを用いてコロナ放電処理を行ったポ
リオレフィン系樹脂シートを被覆、冷却することにより
ポレオレフィン系樹脂被覆化粧金属板を得ることができ
る。
板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、スズメ
ッキ鋼板、ステンレス鋼板等の各種鋼板やアルミニウム
板が使用でき、通常の化成処理を施した後に使用しても
よい。
に、次に実施例を示すが、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較
例に示した樹脂被覆化粧金属板の物性の測定規格、試験
法は以下の通りである。
幅)の単位で表示した 。(2)エリクセン試験 JISK6744に準拠して行い、被覆樹脂層の剥離が
生じなかったものを(○)、剥離が生じたものを(×)
として表示した。
測定した。
後、上記常態剥離強度を測定した。
の樹脂シートの面状態を目視で判定し、ほとんど変化が
ないものを(○)、若干クラックが発生したものを
(△)、割れが発生したものを(×)とした。なお、折
り曲げ試験は次のようにして行った。樹脂被覆化粧金属
板の長さ方向および幅方向からそれぞれ50mm×15
0mmの試料を作製し、0℃で1時間以上保持した後、
折り曲げ試験機を用いて180°(内曲げ半径2mm)
に折り曲げた。
げ試験を行い、曲げ加工部の樹脂シートの面状態を目視
で判定し、白化現象がほとんど目立たないものを
(○)、若干白化現象が目立ったものを(△)、かなり
白化現象が目立ったものを(×)とした。
粧金属板に樹脂シート面から開口形状100mm×20
0mm(コーナー部R10)、曲げしろ幅10mmにな
るように打ち抜き曲げ加工を行い、加工部の樹脂シート
の面状態を目視で判定し、かじりやひげが生じず、きれ
いに加工できたものを(○)、若干かじりあるいは、ひ
げが出たものを(△)、かじりやひげが目立つものを
(×)とした。
PP EG7」〔日本ポリケム(株)製、メルトインデ
ックス(以下「MI」と略称する):1.7g/10
分〕85重量部と、(b)TPOとして「P.E.R.
T310J」〔(株)トクヤマ製、MI:1.5g/1
0分〕15重量部と(c)変性ポリエチレン系共重合体
としてエチレン−アクリル酸共重合樹脂である「ノバテ
ックEAA A210K」〔日本ポリケム(株)製、ア
クリル酸含有量:7重量%、MI:3g/10分〕5重
量部からなる組成物を白色の着色剤とともにTダイを備
えた二軸混練押出機を用いて均質となるように混練し、
厚さ150μmのポリオレフィン系樹脂シートを製膜し
た。
に50W/m2 /分の条件でコロナ放電処理を行った
後、市販されているポリ塩化ビニル被覆金属板用のポリ
エステル系接着剤をポリオレフィン系樹脂シートを貼り
合せる金属面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度に
なるように塗布し、ついで赤外線ヒーターおよび熱風加
熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、亜鉛めっき
鋼板(厚み0.5mm)の表面温度をポリオレフィン系
樹脂シートの融点以上に保持しつつ、直ちにロールラミ
ネータを用いてコロナ放電処理を行ったポリオレフィン
系樹脂シートを被覆・冷却することによりポレオレフィ
ン系樹脂被覆化粧鋼板を作製し、上記した各項目を評価
した。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。また、折り曲げ加工性、難白化
性、打ち抜き加工性評価においても良好な結果を示し
た。結果を表1にまとめて示した。
フィン系樹脂シートの配合組成を表1に示したように
(a)結晶性ポリプロピレン系樹脂を80重量部、
(b)TPOを20重量部に変更した以外は全く同様に
して樹脂被覆化粧鋼板を得た。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。また、折り曲げ加工性、難白化
性、打ち抜き加工性評価においても良好な結果を示し
た。
フィン系樹脂シートの配合組成を表1に示したように
(a)結晶性ポリプロピレン系樹脂を95重量部、
(b)TPOを5重量部に変更した以外は全く同様にし
て樹脂被覆鋼板を得た。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。しかし、折り曲げ加工性評価にお
いて曲げ加工部の樹脂シートに若干クラックが発生して
いた。
フィン系樹脂シートの配合組成を表1に示したように
(a)結晶性ポリプロピレン系樹脂を75重量部、
(b)TPOを25重量部に変更した以外は全く同様に
して樹脂被覆化粧鋼板を得た。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。しかし、打ち抜き加工性評価にお
いて加工部の樹脂シートに若干かじりとひげが発生して
いた。
フィン系樹脂シートの配合組成を表1に示したように
(c)変性ポリエチレン系共重合体を2重量部に変更し
た以外は全く同様にして樹脂被覆化粧鋼板を得た。
離強度が3.8kg/20mmで密着性が若干劣るもの
のあり、エリクセン試験においては剥離が生じなかっ
た。また、折り曲げ加工性、難白化性、打ち抜き加工性
評価においても良好な結果を示した。
フィン系樹脂シートの配合組成を表1に示したように
(c)変性ポリエチレン系共重合体を10重量部に変更
した以外は全く同様にして樹脂被覆化粧鋼板を得た。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。しかし、難白化性と打ち抜き加工
性評価において、若干劣るものであった。
フィン系樹脂シートの配合組成を表2に示したように
(a)結晶性ポリプロピレン系樹脂を100重量部に変
更した以外は全く同様にして樹脂被覆化粧鋼板を得た。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。しかし、折り曲げ加工性評価にお
いて曲げ加工部の樹脂シートに割れが発生した。
フィン系樹脂シートの配合組成を表2に示したように
(a)結晶性ポリプロピレン系樹脂を70重量部、
(b)TPOを30重量部に変更した以外は全く同様に
して樹脂被覆化粧鋼板を得た。
度、沸水後剥離強度、加熱後剥離強度とも亜鉛メッキ鋼
板との十分な密着性があり、エリクセン試験においても
剥離が生じなかった。しかし、打ち抜き加工性評価にお
いて加工部の化粧シートにかじりやひげが多く発生し
た。
電処理を行わないこと以外は全く同様にして樹脂被覆化
粧鋼板を得た。
が0.05kgf/20mm幅以下で鋼板との密着性が
ほとんどなく樹脂被覆化粧鋼板としては全く機能しない
ものであった。
フィン系樹脂シートの配合組成を表2に示したように
(c)変性ポリエチレン系共重合体を1重量部に変更し
た以外は全く同様にして樹脂被覆化粧鋼板を得た。
度2.5kgf/20mm幅で亜鉛メッキ鋼板との密着
性が不十分であり、エリクセン試験においても剥離が生
じた。
フィン系樹脂シートの配合組成を表2に示したように
(c)変性ポリエチレン系共重合体を15重量部に変更
した以外は全く同様にして樹脂被覆鋼板を得た。
度5.5kgf/20mm幅で鋼板との十分な密着性が
あり、エリクセン試験においても剥離が生じなかった
が、沸水後及び加熱後剥離強度が大幅に低下し、また折
り曲げ加工性と難白化性評価において著しく劣るもので
あった。
接着剤塗布を行わないこと以外は全く同様にして樹脂被
覆鋼板を得た。得られた樹脂被覆化粧鋼板は、常態剥離
強度が0.05kgf/20mm幅以下で鋼板との十分
な密着性がほとんどなく樹脂被覆化粧鋼板として全く機
能しないものであった。
脂被覆化粧金属板に使用するポリオレフィン系樹脂シー
トの組成範囲が本発明の規定範囲にあり、かつコロナ放
電処理を行ったものは、良好な金属板との密着性および
二次加工性を発現することが分かる。これらの性能はい
ずれも従来の半硬質塩化ビニル樹脂を用いた樹脂被覆鋼
板とほぼ同じレベル(例えば、実施例1でポリオレフィ
ン系樹脂シートに変えて半硬質塩化ビニル樹脂シートと
し他は全く同じ構成のものの常態剥離強度5.2kgf
/20mm幅、沸水後剥離強度4.7kgf/20mm
幅及び加熱後剥離強度4.5kgf/20mm幅)であ
った。
オレフィン系樹脂シートの組成範囲が規定範囲外であっ
たり、コロナ放電処理を施さない場合には、金属板との
密着性および折り曲げ加工性、難白化性、打ち抜き加工
性のいずれかが不良となり各特性のバランスが十分に優
れた樹脂被覆化粧金属板を得ることは難しいことが分か
る。
金属板との密着性や折り曲げ加工性や打ち抜き加工性等
の二次加工性に優れた、ポリオレフィン系樹脂シート及
び、樹脂被覆化粧金属板を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の(a)成分と(b)成分の混合物
からなる重合体100重量部に対して(c)成分を2〜
10重量部配合した組成物からなり、(a)、(b)成
分の割合が重量%で(a)/(b)=95〜75/5〜
25の範囲にあるポリオレフィン系樹脂シート。 (a)成分;結晶性ポリプロピレン系樹脂(b)成分;重合反応器中で次の(i)ハードセグメン
トと、(ii)ソフトセグメントとが2段階以上で多段
重合されてなるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー (i)プロピレン単独重合体ブロック、及び/又はプロ
ピレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック (ii)エチレン単独重合体ブロック、及び/又はエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体ブロック (c)成分;不飽和カルボン酸またはその無水物で変性
されたポリエチレン系共重合体 - 【請求項2】 下記の(a)成分と(b)成分の混合物
からなる重合体100重量部に対して(c)成分を2〜
10重量部配合した組成物からなり、(a)、(b)成
分の割合が重量%で(a)/(b)=95〜75/5〜
25の範囲にあるポリオレフィン系樹脂シートを用い、
このシートにコロナ放電処理を施すとともに、(c)成
分と反応性を有する官能基を1種類以上含有したポリエ
ステル系及び/またはイソシアネート系接着剤を介在し
て金属板と接着してなるポリオレフィン系樹脂被覆化粧
金属板。 (a)成分;結晶性ポリプロピレン系樹脂(b)成分;重合反応器中で次の(i)ハードセグメン
トと、(ii)ソフトセグメントとが2段階以上で多段
重合されてなるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー (i)プロピレン単独重合体ブロック、及び/又はプロ
ピレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック (ii)エチレン単独重合体ブロック、及び/又はエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体ブロック (c)成分;不飽和カルボン酸またはその無水物で変性
されたポリエチレン系共重合体 - 【請求項3】 (c)成分のポリエチレン系共重合体
が、エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−メタ
クリル酸共重合体であることを特徴とする請求項1又は
2記載のポリオレフィン系樹脂シート又は樹脂被覆化粧
金属板。
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1997
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