JP3188925B2 - レーザイオン化中性粒子質量分析装置 - Google Patents
レーザイオン化中性粒子質量分析装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被分析物である固体
試料にイオンビームを当てることによりスパッタされる
粒子のうち、電荷を持たない中性粒子を光イオン化した
粒子とし、この粒子の質量スペクトルを測定することで
試料の質量分析を行うレーザイオン化中性粒子質量分析
装置に関するものである。
試料にイオンビームを当てることによりスパッタされる
粒子のうち、電荷を持たない中性粒子を光イオン化した
粒子とし、この粒子の質量スペクトルを測定することで
試料の質量分析を行うレーザイオン化中性粒子質量分析
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】質量分析は電磁気的相互作用を利用して
原子・分子のイオンを質量の違いによって分析する方法
であり、原子や分子は通常電子衝撃でイオン化するが、
イオンビームによる衝撃でイオン化する方法もある。質
量分析において、イオンビームにより固体試料表面から
スパッタされる2次イオンを検出する2次イオン質量分
析法は、固体試料中の不純物の濃度を表面から深さ方向
に測定することができる高感度微量分析法である。この
2次イオン質量分析法は、分子量の大きい物質の分析な
ど、電子衝撃では分子イオンが分解し易く、質量の大き
いイオンができにくい場合に用いられ、イオンビームと
してAr+やXe+を照射して試料の分子を発生させて
いる。
原子・分子のイオンを質量の違いによって分析する方法
であり、原子や分子は通常電子衝撃でイオン化するが、
イオンビームによる衝撃でイオン化する方法もある。質
量分析において、イオンビームにより固体試料表面から
スパッタされる2次イオンを検出する2次イオン質量分
析法は、固体試料中の不純物の濃度を表面から深さ方向
に測定することができる高感度微量分析法である。この
2次イオン質量分析法は、分子量の大きい物質の分析な
ど、電子衝撃では分子イオンが分解し易く、質量の大き
いイオンができにくい場合に用いられ、イオンビームと
してAr+やXe+を照射して試料の分子を発生させて
いる。
【0003】しかし、この2次イオン質量分析法は、2
次イオンの発生効率が試料のマトリックスに大きく依存
するため、定量性に問題があることが欠点としてある。
これに対し、イオンビームによるスパッタリングにより
2次イオンと同時に発生する中性粒子の発生効率は、試
料のマトリックスに余り依存しないため、それを検出す
る中性粒子質量分析法は定量性の良い分析法である。し
かし、測定感度は2次イオン質量分析法の方が優れてい
る。このように、感度の点で優れている2次イオンと定
量性に優れる中性粒子を同一の検出装置で検出すること
ができれば、両者の欠点を補う有効な手段になり得る。
次イオンの発生効率が試料のマトリックスに大きく依存
するため、定量性に問題があることが欠点としてある。
これに対し、イオンビームによるスパッタリングにより
2次イオンと同時に発生する中性粒子の発生効率は、試
料のマトリックスに余り依存しないため、それを検出す
る中性粒子質量分析法は定量性の良い分析法である。し
かし、測定感度は2次イオン質量分析法の方が優れてい
る。このように、感度の点で優れている2次イオンと定
量性に優れる中性粒子を同一の検出装置で検出すること
ができれば、両者の欠点を補う有効な手段になり得る。
【0004】本発明者らは、特開平3−291599号
公報よび特開平4−5657号公報に示されているよう
に、2次イオンと中性粒子とを高効率に測定するレーザ
イオン化質量分析装置を発明している。この装置では、
中性粒子をレーザ光により光励起イオンとし、この光励
起イオンと2次イオンとを同一の検出部で検出すること
を特徴とするが、光励起イオンを検出する場合には、2
次イオンの検出がバックグラウンド(ノイズ)となる。
そこで、光励起イオンを検出する場合の2次イオンの除
去が必要となる。
公報よび特開平4−5657号公報に示されているよう
に、2次イオンと中性粒子とを高効率に測定するレーザ
イオン化質量分析装置を発明している。この装置では、
中性粒子をレーザ光により光励起イオンとし、この光励
起イオンと2次イオンとを同一の検出部で検出すること
を特徴とするが、光励起イオンを検出する場合には、2
次イオンの検出がバックグラウンド(ノイズ)となる。
そこで、光励起イオンを検出する場合の2次イオンの除
去が必要となる。
【0005】以下、従来のレーザイオン化質量分析装置
について説明する。図6は、このレーザイオン化質量分
析装置の構成を示す構成図である。同図において、1は
イオンビーム発生部、2はイオンビーム発生部1により
生成されたイオンビーム、3はイオンビーム2を収束す
る静電レンズ、4は収束されたイオンビーム2を走査す
る走査電極、5は分析対象の試料、6は試料5を載置す
る試料台、7はイオンビーム2の照射によるスパッタリ
ングにより試料5より生成する中性粒子、8はイオンビ
ーム2の照射によるスパッタリングにより試料5より生
成する2次イオンである。
について説明する。図6は、このレーザイオン化質量分
析装置の構成を示す構成図である。同図において、1は
イオンビーム発生部、2はイオンビーム発生部1により
生成されたイオンビーム、3はイオンビーム2を収束す
る静電レンズ、4は収束されたイオンビーム2を走査す
る走査電極、5は分析対象の試料、6は試料5を載置す
る試料台、7はイオンビーム2の照射によるスパッタリ
ングにより試料5より生成する中性粒子、8はイオンビ
ーム2の照射によるスパッタリングにより試料5より生
成する2次イオンである。
【0006】また、9aは中性粒子7を光励起するため
のパルスレーザ10を出射するレーザ生成部、11はパ
ルスレーザ10の照射により光励起されてイオン化した
光励起イオン、12は試料台6との電位差により生成し
た2次イオン8,光励起イオン11を引き出して導く引
き出し電極、13は引き出し電極12により導かれた2
次イオン8,光励起イオン11を導入してそれらを質量
分離する質量分析部、14は検出したイオンに対応して
それらを電気パルス化するイオン検出器、15はイオン
検出器14が出力する電気パルスのパルスを計数するパ
ルス計数部、16はパルス計数部15が計数した結果を
記憶するなどの処理をするデータ処理部である。
のパルスレーザ10を出射するレーザ生成部、11はパ
ルスレーザ10の照射により光励起されてイオン化した
光励起イオン、12は試料台6との電位差により生成し
た2次イオン8,光励起イオン11を引き出して導く引
き出し電極、13は引き出し電極12により導かれた2
次イオン8,光励起イオン11を導入してそれらを質量
分離する質量分析部、14は検出したイオンに対応して
それらを電気パルス化するイオン検出器、15はイオン
検出器14が出力する電気パルスのパルスを計数するパ
ルス計数部、16はパルス計数部15が計数した結果を
記憶するなどの処理をするデータ処理部である。
【0007】そして、17はパルスレーザ10を検出す
るレーザ検出部、18はレーザ検出部17がパルスレー
ザ10を検出したときに出力する発光信号、19は発光
信号を検出することにより検出信号20を出力するトリ
ガ信号発生部、21は検出信号20をトリガ信号とする
イオン検出器14とパルス計数部15との間に設けられ
た信号ゲートである。
るレーザ検出部、18はレーザ検出部17がパルスレー
ザ10を検出したときに出力する発光信号、19は発光
信号を検出することにより検出信号20を出力するトリ
ガ信号発生部、21は検出信号20をトリガ信号とする
イオン検出器14とパルス計数部15との間に設けられ
た信号ゲートである。
【0008】イオンビーム発生部1より発生したイオン
ビーム2は、静電レンズ3により収束され、走査電極4
により振動させられて試料5表面上を走査しながら衝撃
する。これにより試料5表面は、イオンビーム2により
均一に衝撃される。イオンビーム2の衝撃により中性粒
子7と2次イオン8が生成し、中性粒子7は、パルスレ
ーザ10によりイオン化され光励起イオン11となる。
これら2次イオン8と光励起イオン11は、引き出し電
極12によりイオン化領域から引き出され、質量分析部
13に入力する。そこで質量分離された後、イオン検出
器14で検出されて電気パルス化され、パルス計数部1
5で計数される。この計数により得られた計数値は、デ
ータ処理部16に記録される。
ビーム2は、静電レンズ3により収束され、走査電極4
により振動させられて試料5表面上を走査しながら衝撃
する。これにより試料5表面は、イオンビーム2により
均一に衝撃される。イオンビーム2の衝撃により中性粒
子7と2次イオン8が生成し、中性粒子7は、パルスレ
ーザ10によりイオン化され光励起イオン11となる。
これら2次イオン8と光励起イオン11は、引き出し電
極12によりイオン化領域から引き出され、質量分析部
13に入力する。そこで質量分離された後、イオン検出
器14で検出されて電気パルス化され、パルス計数部1
5で計数される。この計数により得られた計数値は、デ
ータ処理部16に記録される。
【0009】ここで、中性粒子7による質量分析を行お
うとすると、中性粒子7がパルスレーザ10によりイオ
ン化された光励起イオン11の検出に対して、2次イオ
ン8の存在はノイズとなる。このため、2次イオン8の
除去が必要となる。以下に、このレーザイオン化質量分
析装置における2次イオン8の除去動作を説明する。光
励起イオン11が発生しているときはパルスレーザ10
が照射されているので、これをレーザ検出部17が検出
して発光信号18を出力する。トリガ信号発生部19は
この発光信号18を受けると、所定の時間の後、所定の
時間幅で検出信号20を出力する。
うとすると、中性粒子7がパルスレーザ10によりイオ
ン化された光励起イオン11の検出に対して、2次イオ
ン8の存在はノイズとなる。このため、2次イオン8の
除去が必要となる。以下に、このレーザイオン化質量分
析装置における2次イオン8の除去動作を説明する。光
励起イオン11が発生しているときはパルスレーザ10
が照射されているので、これをレーザ検出部17が検出
して発光信号18を出力する。トリガ信号発生部19は
この発光信号18を受けると、所定の時間の後、所定の
時間幅で検出信号20を出力する。
【0010】そして、信号ゲート21がこの検出信号2
0を受けることによりゲートを開き、これによりパルス
計数部15はイオン検出器14が出力する電気パルスを
うけてこのパルスを計数する。これにより、パルス計数
部15は検出信号20は出力されたときから、この出力
が終了するときまで、イオン検出器14が出力する電気
パルスを計数する。以上のことにより、2次イオン8の
検出は、パルスレーザ10が出射されて光励起イオン1
1が発生しているときだけとなる。
0を受けることによりゲートを開き、これによりパルス
計数部15はイオン検出器14が出力する電気パルスを
うけてこのパルスを計数する。これにより、パルス計数
部15は検出信号20は出力されたときから、この出力
が終了するときまで、イオン検出器14が出力する電気
パルスを計数する。以上のことにより、2次イオン8の
検出は、パルスレーザ10が出射されて光励起イオン1
1が発生しているときだけとなる。
【0011】2次イオン8は、図7に示すように、連続
に発生しているが、光励起イオン11はパルスレーザ1
0によるイオン化の度に発生するため、パルス状に発生
する。単位時間当たりの発生量は、光励起イオンの方が
2次イオンに比べて大きいので、光励起イオン11が発
生しているときだけ、これらのイオンを検出するように
すれば、検出される2次イオン8の量は光励起イオン1
1の量に比較して小さくできる。
に発生しているが、光励起イオン11はパルスレーザ1
0によるイオン化の度に発生するため、パルス状に発生
する。単位時間当たりの発生量は、光励起イオンの方が
2次イオンに比べて大きいので、光励起イオン11が発
生しているときだけ、これらのイオンを検出するように
すれば、検出される2次イオン8の量は光励起イオン1
1の量に比較して小さくできる。
【0012】発生した光励起イオン11は、引き出し電
極12により引き出され、質量分析部13を通過してか
ら検出されるため、光励起イオンの発生と検出との間に
は時間差が生じる。この時間差は、光励起イオンの質量
や引き出し電極12がイオンを引き出すときの引き出し
電極12と試料第4aとの電位差(引き出し電圧)から
予想することができる。そこで、レーザ検出部17は、
パルスレーザ10を検出してから発生した光励起イオン
11がイオン検出器14まで到達するまでの時間後に発
光信号18を出力するようにすれば、光励起イオン11
が発生している時間の間だけイオン検出器14がイオン
検出をするようにできる。
極12により引き出され、質量分析部13を通過してか
ら検出されるため、光励起イオンの発生と検出との間に
は時間差が生じる。この時間差は、光励起イオンの質量
や引き出し電極12がイオンを引き出すときの引き出し
電極12と試料第4aとの電位差(引き出し電圧)から
予想することができる。そこで、レーザ検出部17は、
パルスレーザ10を検出してから発生した光励起イオン
11がイオン検出器14まで到達するまでの時間後に発
光信号18を出力するようにすれば、光励起イオン11
が発生している時間の間だけイオン検出器14がイオン
検出をするようにできる。
【0013】検出信号20(発光信号18)が出力され
ている時間においては、光励起イオン11と同様に2次
イオン8も検出されるが、その他の時間において2次イ
オン8は検出されなくなる。検出信号20の出力される
時間をT1、検出信号20が出力されない時間をT2と
すると(図7)、2次イオン8の検出量Idは発生量I
gに対して以下に示す式により示される。 Id=Ig×T1/(T1+T2) すなわち、T1の値を小さくするほど2次イオン8の検
出量は小さくなるのに対して、光励起イオン11が発生
している時間以下にT1を小さくしなければ光励起イオ
ン11の検出量は変化しない。
ている時間においては、光励起イオン11と同様に2次
イオン8も検出されるが、その他の時間において2次イ
オン8は検出されなくなる。検出信号20の出力される
時間をT1、検出信号20が出力されない時間をT2と
すると(図7)、2次イオン8の検出量Idは発生量I
gに対して以下に示す式により示される。 Id=Ig×T1/(T1+T2) すなわち、T1の値を小さくするほど2次イオン8の検
出量は小さくなるのに対して、光励起イオン11が発生
している時間以下にT1を小さくしなければ光励起イオ
ン11の検出量は変化しない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来は、以上のように
構成されていたので、2次イオンの検出が残るという問
題があった。すなわち、2次イオンの検出を減少させる
ことはできるが、残ってしまうため、より精度を上げた
分析ができないという問題があった。
構成されていたので、2次イオンの検出が残るという問
題があった。すなわち、2次イオンの検出を減少させる
ことはできるが、残ってしまうため、より精度を上げた
分析ができないという問題があった。
【0015】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたものであり、2次イオンの検出量をより
減少させることを目的とする。
ためになされたものであり、2次イオンの検出量をより
減少させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明のレーザイオン
化質量分析装置は、動作信号を受けることによりパルス
レーザ発生手段に所定時間後にレーザ発振をさせるレー
ザ制御手段と、動作信号を受けることにより、光励起イ
オンが生成し始める時刻以前よりその光励起イオンが全
て生成し終わる時刻以後までの時間、試料台とイオン引
き出し手段との間の電位差を光励起イオンを引き出すこ
とが可能となる電位とする電位制御手段と、動作信号を
受けることにより、光励起イオンがイオン検出手段に到
達し始めてから全てが到達し終わるまでの時間、イオン
検出器にイオン検出動作を行わせる検出制御手段とを有
することを特徴とする。
化質量分析装置は、動作信号を受けることによりパルス
レーザ発生手段に所定時間後にレーザ発振をさせるレー
ザ制御手段と、動作信号を受けることにより、光励起イ
オンが生成し始める時刻以前よりその光励起イオンが全
て生成し終わる時刻以後までの時間、試料台とイオン引
き出し手段との間の電位差を光励起イオンを引き出すこ
とが可能となる電位とする電位制御手段と、動作信号を
受けることにより、光励起イオンがイオン検出手段に到
達し始めてから全てが到達し終わるまでの時間、イオン
検出器にイオン検出動作を行わせる検出制御手段とを有
することを特徴とする。
【0017】
【作用】検出は、光励起された光励起イオンを全て検出
する時間の間行われ、イオン検出手段に光励起イオンよ
り早く到達する2次イオンは検出されない。
する時間の間行われ、イオン検出手段に光励起イオンよ
り早く到達する2次イオンは検出されない。
【0018】
【実施例】以下、この発明の1実施例を図を参照して説
明する。図1は、この発明の1実施例であるレーザイオ
ン化質量分析装置の構成を示す構成図である。同図にお
いて、22は信号パルス発生部、23は信号パルス発生
部22より出力されるパルス信号(動作信号)であり、
このパルス信号23によりレーザ生成部9はパルスレー
ザ10を出力する。また、24は試料台6と引き出し電
極12との間の電位差をE1とE2とに制御する電位差
制御部、25はパルス信号23を受けることにより検出
信号20を出力するトリガ信号発生部であり、他は図6
と同様である。
明する。図1は、この発明の1実施例であるレーザイオ
ン化質量分析装置の構成を示す構成図である。同図にお
いて、22は信号パルス発生部、23は信号パルス発生
部22より出力されるパルス信号(動作信号)であり、
このパルス信号23によりレーザ生成部9はパルスレー
ザ10を出力する。また、24は試料台6と引き出し電
極12との間の電位差をE1とE2とに制御する電位差
制御部、25はパルス信号23を受けることにより検出
信号20を出力するトリガ信号発生部であり、他は図6
と同様である。
【0019】光励起イオン11が最も効率的に引き出し
電極12により引き出される状態が電位差E1であり、
電位差E2の状態は2次イオン8が充分に引き出し電極
12により引き出すことはできない状態である。ここ
で、光励起イオン11を最も効率的に引き出すことがで
きる電位差と、2次イオンを最も効率的に引き出すこと
ができる電位差とは異なるものである。
電極12により引き出される状態が電位差E1であり、
電位差E2の状態は2次イオン8が充分に引き出し電極
12により引き出すことはできない状態である。ここ
で、光励起イオン11を最も効率的に引き出すことがで
きる電位差と、2次イオンを最も効率的に引き出すこと
ができる電位差とは異なるものである。
【0020】以下、この実施例1のレーザイオン化質量
分析装置の動作を図2を用いて説明する。図2(a)に
示すように、信号パルス発生部22がパルス信号23を
出力すると、図2(b)に示すように、このパルス信号
23を受けたレーザ生成部9が所定の時間の後にパルス
レーザ10を出力する。このことにより、発生イオン
は、図2(c)に示すように、パルスレーザ10による
光励起イオン9と連続して発生している2次イオン8と
なる。
分析装置の動作を図2を用いて説明する。図2(a)に
示すように、信号パルス発生部22がパルス信号23を
出力すると、図2(b)に示すように、このパルス信号
23を受けたレーザ生成部9が所定の時間の後にパルス
レーザ10を出力する。このことにより、発生イオン
は、図2(c)に示すように、パルスレーザ10による
光励起イオン9と連続して発生している2次イオン8と
なる。
【0021】一方、電位差制御部24は、パルス信号2
3を受けると、図2(d)に示すように、所定時間後に
時間T1のあいだ電位差E1を引き出し電極12と試料
台5との間に設定し、T1時間後にこの電位差をE2に
戻す。このことにより、引き出し電極12が引き出すイ
オンは、図2(e)のようになる。発生したイオンは、
引き出し電極12により引き出されて質量分析部14に
導かれるが、2次イオン8は光励起イオン11より早く
イオン検出器14に到達する。 したがって、このまま
イオン検出をすると、検出されるイオンの状態は図2
(f)に示すようになる。
3を受けると、図2(d)に示すように、所定時間後に
時間T1のあいだ電位差E1を引き出し電極12と試料
台5との間に設定し、T1時間後にこの電位差をE2に
戻す。このことにより、引き出し電極12が引き出すイ
オンは、図2(e)のようになる。発生したイオンは、
引き出し電極12により引き出されて質量分析部14に
導かれるが、2次イオン8は光励起イオン11より早く
イオン検出器14に到達する。 したがって、このまま
イオン検出をすると、検出されるイオンの状態は図2
(f)に示すようになる。
【0022】一方、同時にパルス信号23を受けたトリ
ガ信号発生部25は、図2(g)に示すように、これよ
り所定時間遅れて時間T2のあいだ検出信号20を出力
し、この検出信号20を受けた信号ゲート21はゲート
を開ける。このことにより、イオン検出器14が検出し
て電気パルスに変換されたイオンは、時間T2の間だけ
パルス計数部15で計数されることになる。以上のこと
により、検出されるイオンには、図2(h)に示すよう
に、2次イオンがほとんど無い状態のものとなる。
ガ信号発生部25は、図2(g)に示すように、これよ
り所定時間遅れて時間T2のあいだ検出信号20を出力
し、この検出信号20を受けた信号ゲート21はゲート
を開ける。このことにより、イオン検出器14が検出し
て電気パルスに変換されたイオンは、時間T2の間だけ
パルス計数部15で計数されることになる。以上のこと
により、検出されるイオンには、図2(h)に示すよう
に、2次イオンがほとんど無い状態のものとなる。
【0023】図3は、試料台6と引き出し電極12との
電位差がE1となっている時間T1(図2)と、2次イ
オン8と光励起イオン11の引き出し量を示す相関図で
ある。図3に示すように、光励起イオン11の引き出し
量は、約5μs以下となると急激に減少するが、2次イ
オン8は徐々に減少している。ここで、時間T1を5μ
sとすると、光励起イオン11の方が2次イオン8より
引き出し量が多い状態となる。このように、時間T1を
調節することにより光励起イオン11の検出量を低下さ
せずに、2次イオン8の引き出し量を減少させることが
できる。
電位差がE1となっている時間T1(図2)と、2次イ
オン8と光励起イオン11の引き出し量を示す相関図で
ある。図3に示すように、光励起イオン11の引き出し
量は、約5μs以下となると急激に減少するが、2次イ
オン8は徐々に減少している。ここで、時間T1を5μ
sとすると、光励起イオン11の方が2次イオン8より
引き出し量が多い状態となる。このように、時間T1を
調節することにより光励起イオン11の検出量を低下さ
せずに、2次イオン8の引き出し量を減少させることが
できる。
【0024】ところで、前述したように、発生した2次
イオン8と光励起イオン11とでは2次イオン8の方が
速度が早いので、図4に示すように、イオン検出器14
には2次イオン8の方が早く到達する。したがって、時
間T1と実際にイオン検出器14に到達するイオン到達
量との関係は、図5に示すようになり、時間T1を5μ
sにすると、2次イオン8はほとんど検出されないこと
になる。
イオン8と光励起イオン11とでは2次イオン8の方が
速度が早いので、図4に示すように、イオン検出器14
には2次イオン8の方が早く到達する。したがって、時
間T1と実際にイオン検出器14に到達するイオン到達
量との関係は、図5に示すようになり、時間T1を5μ
sにすると、2次イオン8はほとんど検出されないこと
になる。
【0025】すなわち、図2(d),(f)において、
時間T1を短くすることは、イオン検出器14に到達す
る2次イオンの量を示す幅Wが小さくなることになり、
この幅Wが小さくなると、図2(f)において、2次イ
オン8と光励起イオン11との交わる領域が小さくなる
ことになる。そして、時間Tを図5における5μsとな
るようにすれば、図2(f)における2次イオン8と光
励起イオン11との交わる領域が無くなることになり、
2次イオン8を完全に除去することができる。
時間T1を短くすることは、イオン検出器14に到達す
る2次イオンの量を示す幅Wが小さくなることになり、
この幅Wが小さくなると、図2(f)において、2次イ
オン8と光励起イオン11との交わる領域が小さくなる
ことになる。そして、時間Tを図5における5μsとな
るようにすれば、図2(f)における2次イオン8と光
励起イオン11との交わる領域が無くなることになり、
2次イオン8を完全に除去することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、イオンビームを照射することにより発生する中性粒
子をレーザにより光励起して光励起イオンとして検出す
るとき、同時に発生する2次電子を完全に除去できると
いう効果がある。従って、イオンビームの衝撃で試料の
マトリクスにあまり依存しない中性粒子を、2次イオン
の無い状態で精度良く検出できるので、感度が優れた定
量性の良い質量分析が可能となる。
ば、イオンビームを照射することにより発生する中性粒
子をレーザにより光励起して光励起イオンとして検出す
るとき、同時に発生する2次電子を完全に除去できると
いう効果がある。従って、イオンビームの衝撃で試料の
マトリクスにあまり依存しない中性粒子を、2次イオン
の無い状態で精度良く検出できるので、感度が優れた定
量性の良い質量分析が可能となる。
【図1】この発明の1実施例であるレーザイオン化中性
粒子質量分析装置の構成を示す構成図である。
粒子質量分析装置の構成を示す構成図である。
【図2】図1のレーザイオン化中性粒子質量分析装置の
動作を説明するためのタイミングチャートである。
動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】イオン引き出し時間と引き出されるイオンの量
との相関を示す相関図である。
との相関を示す相関図である。
【図4】2次イオンと光励起イオンの発生してからの時
刻と、イオン検出器が検出するイオン強度との関係を示
す相関図である。
刻と、イオン検出器が検出するイオン強度との関係を示
す相関図である。
【図5】イオン検出器の検出時間と、検出されるイオン
の量との相関を示す相関図である。
の量との相関を示す相関図である。
【図6】従来のレーザイオン化中性粒子質量分析装置の
構成を示す構成図である。
構成を示す構成図である。
【図7】従来のレーザイオン化中性粒子質量分析装置の
動作を説明するためのタイミングチャートである。
動作を説明するためのタイミングチャートである。
1 イオンビーム発生部 2 イオンビーム 3 静電レンズ 4 走査電極 5 試料 6 試料台 7 中性粒子 8 2次イオン 9 レーザ生成部 10 パルスレーザ 11 光励起イオン 12 引き出し電極 13 質量分析部 14 イオン検出器 15 パルス計数部データ処理部 16 データ処理部 20 検出信号 21 信号ゲート 22 パルス発生部 23 パルス信号 24 電位差制御部 25 トリガ信号発生部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/26 G01N 27/62 H01J 49/10
Claims (1)
- 【請求項1】 真空中の試料台上に載置された被分析対
象物に照射することにより、前記被分析対象物から2次
イオンおよび中性粒子を生成させるためのスパッタリン
グを起こすイオンビームを発生するイオンビーム生成手
段と、前記イオンビームの衝撃により生成した中性粒子
を光励起して光励起イオンとするためのパルスレーザを
生成するパルスレーザ発生手段と、前記試料台との電位
差により前記2次イオンおよび光励起イオンをそれぞれ
の発生領域より引き出すイオン引き出し手段と、前記イ
オン引き出し手段により引き出された前記2次イオンお
よび光励起イオンを質量分析する質量分析手段と、前記
質量分析手段により質量分析された前記2次イオンおよ
び光励起イオンの検出,計量などの検出動作をするイオ
ン検出手段とからなるレーザイオン化中性粒子質量分析
装置において、 動作信号を受けることにより前記パルスレーザ発生手段
に所定時間後にレーザ発振をさせるレーザ制御手段と、 前記動作信号を受けることにより、前記光励起イオンが
生成し始める時刻以前よりその光励起イオンが全て生成
し終わる時刻以後までの時間、前記試料台とイオン引き
出し手段との間の電位差を前記光励起イオンを引き出す
ことが可能となる電位とする電位制御手段と、 前記動作信号を受けることにより、前記光励起イオンが
前記イオン検出手段に到達し始めてから全てが到達し終
わるまでの時間、前記イオン検出手段にイオン検出動作
を行わせる検出制御手段とを有することを特徴とするレ
ーザイオン化中性粒子質量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08785193A JP3188925B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | レーザイオン化中性粒子質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08785193A JP3188925B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | レーザイオン化中性粒子質量分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06275232A JPH06275232A (ja) | 1994-09-30 |
JP3188925B2 true JP3188925B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=13926395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08785193A Expired - Fee Related JP3188925B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | レーザイオン化中性粒子質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3188925B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102254490B1 (ko) * | 2019-04-26 | 2021-05-21 | 이진국 | 목도리용 결속구 |
-
1993
- 1993-03-24 JP JP08785193A patent/JP3188925B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102254490B1 (ko) * | 2019-04-26 | 2021-05-21 | 이진국 | 목도리용 결속구 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06275232A (ja) | 1994-09-30 |
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