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JP3171225B2 - 油入電気機器内部の異常診断方法 - Google Patents

油入電気機器内部の異常診断方法

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JP3171225B2
JP3171225B2 JP25693695A JP25693695A JP3171225B2 JP 3171225 B2 JP3171225 B2 JP 3171225B2 JP 25693695 A JP25693695 A JP 25693695A JP 25693695 A JP25693695 A JP 25693695A JP 3171225 B2 JP3171225 B2 JP 3171225B2
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芳弘 牧野
隆志 原
成光 岡部
高宏 大野
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三菱電機株式会社
東京電力株式会社
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油入電気機器、
例えば油入変圧器の内部異常診断技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】絶縁油中に溶解する沸点の低い成分、例
えばメタン、アセチレンなどのガスを真空法(縁材料縁
油を収納した容器内に真空空間を作り、この空間に油中
溶解ガスを抽出する方法)やバブリング法(油中に不活
性ガス例えばヘリウムガスを微細気泡にして送り込み、
溶解ガスを抽出する方法)で油中から抽出し、これをガ
スクロマトグラフで分析する。この油中ガス分析方法
は、油入電気機器の内部異常診断方法として報告されて
いる(参考文献1;電気協同研究会「油中ガス分析によ
る油入電気機器の保守管理」,電気協同研究,36,N
o.1(昭60))。
【0003】従来の油中ガス分析の図を図9に示す。図
において、1は試料油を収納する試料油収納容器、2は
試料油収納容器1の注油口、3aおよび3bは流路上に
配置した2方コック、4は試料油収納容器の排油口、5
は試料油、6は試料油中にバブリングガスを微細気泡と
して送り込むためのバブリング管、7は試料油を加温す
るためのヒータ、8aおよび8bはガス流量を調節する
ための流量調節バルブ、9はバブリングガスボンベ、1
0はバブリングガスをボンベから試料油収納容器1に導
くためのバブリング配管、11は抽出ガスをバブリング
ガスと共に、ガス分析装置に導くための抽出ガス配管、
12a〜12cは流路上に配置した3方コック、23は
ガス分析装置、24はガス分析装置23に装着された成
分分離用のカラム、25はガス成分の検出器、26はガ
ス分析装置23のガス排出口である。
【0004】上記のように構成された油中ガス分析装置
の動作および操作手順を以下に示す。 (1) バブリング配管10からボンベ9のバブリングガス
をガス分析装置23および試料油収納容器1に流し、3
方コック12bおよびガス排出口26から排出させて、
配管系内を掃除する。 (2) ガス分析装置が安定した時点で3方コック12a〜
12cを切り替えて、バブリングガスをバブリング配管
10,2方コック3b,流量調節バルブ8a,バブリン
グ管6,抽出ガス配管11,3方コック12a〜12
c,カラム4,検出器25を経由してガス排出口26か
ら排出させる。 (3) 注射器に採取した数mlの試料油を注油口2から試
料油収納容器1に注入する。 (4) 注入した試料油にはバブリングガスがバブリングさ
れて、油中溶解ガスは油面上に抽出された後、バブリン
グガスと共に、ガス分析装置23に導かれ、カラム24
で成分ごとに分離され、検出器25で検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】油入電気機器の内部異
常で発生する分解物は、上記のような方法でガス化させ
て抽出できる。しかし、高沸点の成分は蒸気圧が低いた
め、上記のような方法でガス化させて抽出することが難
しい。例えば、絶縁紙からの分解物であるフルフラール
は、油入電気機器の寿命の指標成分として用いられてい
る。この沸点は162℃であるため、従来の真空法やバ
ブリング法では抽出できない。フルフラールについて
は、溶剤を用いて絶縁油中から抽出した後、液体クロマ
トグラフで分析する方法が報告されている。(参照文献
2;難波,宮本「フルフラールの絶縁紙への吸着現
象」,電学論A,112巻2号,平成4年)
【0006】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、油入電気機器において、内部異
常によって絶縁材料から発生する多種類の高沸点分解物
を絶縁油中から効率よく抽出して、これらの分解物を対
象にして、油入電気機器の内部異常診断を行うことを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る油入電気
機器内部の異常診断方法の発明は、蒸気圧が所定圧力
(53Pa)以下になる温度で絶縁油を加熱し、これに
不活性ガスをバブリングして絶縁油中の溶解成分を抽出
し、所定温度(80〜150℃)に保持した油面上空間
を経由して、低温部に導いて絶縁油溶解成分だけを凝縮
させて補集した後、凝縮物を迅速に加熱して気化させた
ガスを再凝縮させることなく、ガス分析器にすばやく導
いて定性・定量分析し、検出された成分の種類および量
から、機器内部の異常を診断することを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、運転中の平常油入電気
機器からは検出されず、過熱や放電異常時のみに検出さ
れやすい酢酸[CH3COOH],3ペンタノン[CH3
CH2COCH2CH3],2.5ジメチルフラン[C68
O],ブチルアルデヒド[CH3CHCHCHO],2
メトキシエタノール[C382],メタンチオール
[CH3SH],ジメチルサルファイド[(CH3
2],アンモニア[NH3],1.3ジアジン[C44
2],メチルビニルアセチレン[C56],2メチル
1.3ブタジエン[C58]の検出の有無から、機器内
部の過熱異常または放電異常を診断することを特徴とす
る。
【0009】請求項3の発明は、放電分解によって絶縁
油から支配的に生成するメチルビニルアセチレン[C5
6],2メチル1.3ブタジエン[C58]の検出の有
無から、過熱異常と放電異常とを識別することを特徴と
する。
【0010】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、絶縁油中のブチルアルデヒド[CH3CHCHCH
O]の検出の有無から、被分解材料からワニス処理材料
であることを特定し、この被分解材料の適用箇所から内
部異常発生箇所を特定する。
【0011】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、絶縁油中の2メトキシエタノール[C382]検
出の有無から,被分解材料がエポキシ樹脂系材料である
ことを特定し、この被分解材料の適用箇所から内部異常
発生箇所を特定する。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1. この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。図
1は変圧器の絶縁油中の微量成分分析装置を示す構成図
である。図において、1は試料油を収納する試料油収納
容器、2は試料油収納容器1の注油口、3a,3bは流
路上に配置した2方コック、4は試料油収納容器1の排
油口、5は試料油、6は試料油中にバブリングガスを微
細気泡として送り込むためのバブリング管、7a,7b
は試料油又は抽出ガスを加温するためのヒータ、8a〜
8cはガス流量を調節するための流量調節バルブ、9は
バブリングガスボンベ、10はバブリングガスをボンベ
9から試料油収納容器1に導くためのバブリング配管、
11は抽出ガスをバブリングガスと共に、ガス分析装置
に導くための抽出ガス配管、12a〜12cは流路上に
配置した3方コック、15は抽出ガスを濃縮するための
コールドトラップ管、16はコールドトラップ管収納
室、17はコールドトラップ管の冷却用の冷媒入口、1
8は冷媒出口、19は冷媒収納容器、20は冷媒(液体
窒素)、21はコールドトラップ管収納室に冷媒20を
移送するための冷媒供給管、22は冷媒収納容器19内
から冷媒20を排出させるための(窒素ガス)加圧管、
23はガス分析装置、24はガス分析装置23に装着さ
れた成分分離用のカラム、25はガス成分の検出器、2
6はガス分析装置23のガス排出口である。
【0013】以上のように構成されたガス分析装置の操
作手順を以下に示す。 (1) バブリング管6からヘリウムガス(バブリングガ
ス)を試料油5中に供給すると、油中の溶解成分は、ヘ
リウムガスと共に抽出ガス配管11を介して、コールド
トラップ管15に到達する。 (2) コールドトラップ管収納室16は、液体窒素(冷
媒)20で低温に保持されているので、油中溶解成分が
凝縮あるいは固化して、濃縮される。 (3) 一定時間バブリングすると、油中溶解成分は全量が
コールドトラップ管15に補集される。 (4) 液体窒素20の供給を止め、ヒータ7でコールドト
ラップ管収納室16を急速に過熱して、コールドトラッ
プ管15内の凝縮あるいは固化物をガス化させると同時
に、ガスをガス分析装置23に導く。 (5) カラム24において成分を分離し、検出器25で成
分を検出する。
【0014】図2は上記分析方法で絶縁油中の成分を分
析した結果の一例を示したものであり、図3は図2のピ
ークNoの成分を表している。試料油には、油中で絶縁
紙を分解させたものを使用した。分析の条件は、油量1
5ml、油温50℃、バブリング時間7分、コールドト
ラップ温度−130℃、分析器はガスクロマトグラフ質
量分析器である。このような分析によって、従来の油中
ガス分析では、検出が難しいフルフラールも明確に検出
されている。
【0015】以上のように、実施の形態1によれば、バ
ブリングで抽出した油中溶解成分を低温度で凝縮させて
採取するので、蒸気圧の低い(沸点の高い)分解物も十
分に抽出できる。また、凝縮させた分解物を短時間にガ
ス化させると同時に、ガス分析装置に瞬間的に移送する
ので、個々の成分の出力が急峻になり、検出感度が向上
する。
【0016】実施の形態2. 図4〜図6は、絶縁油単独あるいは各種変圧器材料を油
中で熱分解させ、この油を上記実施の形態1に示す方法
で検出した成分を示す。当該分解は、絶縁紙、プレスボ
ード、木材などを絶縁油中で100〜250℃に加熱し
て行った。検出された成分は、 (1)ジアセチル[CH3COCOCH3],2.3ペンタ
ンジオン[CH3CH2COCOCH3],3ペンタノン
[CH3CH2COCH2CH3],アセトイン[CH3
OCH(OH)CH3],4ペンテン2オン[C5
8O],3メチル3ペンテン2オン[(CH32CHC
OCH3],ヒドロキシアセトン[CH3COCH2
H],3メチル2ペンタノン[C612O]等のケトン
化合物、 (2)ギ酸エチル[HCOOC25],プロピオン酸メチ
ル[CH3CH2COOCH3],2−ヒドロキシプロピ
オン酸メチル[C483],1.2エタンジオールジア
セテート[C6104],ブチロラクトン[C4
62],等のエステル化合物、 (3)メタノール[CH3OH],エタノール[C25
H],イソプロピルアルコール[(CH32CHO
H],アリルアルコール[CH2CHCH2OH],2メ
トキシエタノール[C382],1−ブタノール[C
3(CH23OH]等のアルコール化合物、 (4)2メチルプロパナール[(CH32CHCHO],
クロトンアルデヒド[CH3CHCHCHO],ブチル
アルデヒド[CH3(CH22CHO]等のアルデヒド
化合物、 (5)2.5ジメチルフラン[C68O], 5メチルフ
ルフラール[C882]、2フランメタノール[C4
3OCH2OH],テトラヒドロフラン[C48O],ジ
ヒドロ2メチル3フラン[C582],ジヒドロ5メ
チル2フラン[C582]等のフラン化合物、 (6)トルエン[C78],パラクレゾール[C64(C
3)(OH)],フェノール[C65OH],ベンゼ
ン[C66]などのベンゼン化合物、 (7)アンモニア[NH3],N−Nジメチルメタンアミ
ン[C39N],アセトニトリル[CH3CN],プロ
パンニトリル[C35N],1.3ジアジン[C4
42],ピリジン[C55N],1Hピロール[C44
NH],2メチルピリミジン[C562],Nメチル
メタンアミン[C27N]等の窒素化合物、 (8)2メチル1.3ブタジエン[C58], メチル
ビニルアセチレン[C56]等の不飽和炭化水素化合
物、 (9)プロピオン酸[C362]のような有機酸、 (10)メタンチオール[CH3SH], ジメチルサル
ファイド[(CH32S]などの硫黄化合物などであ
り、従来のガス分析では検出が難しい分解物も多種類検
出されている。
【0017】以上のように実施の形態2によれば、多種
類の有機化合物を分析して診断できるので、異常の有無
を判断する精度が向上する。また、分析対象としている
分解物の沸点の高いものが含まれており、これらは油面
上への拡散が少ないので、分解物の検出の見逃しが少な
く、異常の検出精度が高い。
【0018】実施の形態3. 実施の形態3では、新油および平常運転中の変圧器油か
ら検出される成分を調べ、これらの成分を絶縁材料分解
実験で得られた分解物の中から除いて選択した酢酸,3
ペンタノン,2.5ジメチルフラン,ブチルアルデヒ
ド,2メトキシエタノール,メタンチオール,ジメチル
サルファイド,アンモニア,1.3ジアジン,2メチル
1.3ブタジエン,メチルビニルアセチレンを対象に分
析して、これらの分解物が絶縁油中から検出されるかど
うかを調べて、機器内部の異常の有無を判別する。上記
成分は、本発明者の異常模擬実験と実器の調査結果によ
り、運転中の平常油入電気機器からは検出されず、過熱
や放電異常時のみに検出されやすいことがわかってい
る。以上のようにこの実施の形態によれば、機器の内部
異常時(過熱、放電異常時)に発生する可能性の高い成
分(主に上記11成分)を対象にして内部異常の有無を
判断するようにしたので、油入電気機器の異常検出の信
頼性が高くなる。
【0019】実施の形態4. 上記実施の形態3に示す分解物の中で、2メチル1.3
ブタジエンおよびメチルビニルアセチレンは絶縁油固有
の放電分解物(本発明者による放電分解実験により判
明)であることから、これらの分解物が絶縁油中から検
出されるかどうかを調べることにより、機器の異常が過
熱によるものかあるいは放電によるものかを識別する。
以上のように実施の形態4によれば、機器内部の異常の
様相が放電であるか過熱であるかを識別することができ
る。
【0020】実施の形態5. 実施の形態5では、絶縁材料固有の分解物から被分解材
料を特定し、この被分解材料の適用範囲から、内部異常
発生箇所を特定する。以下に被分解材料と分解物との関
係を示す。 ・ガラスエポキシ樹脂 →2メトキシエタノール ・耐熱処理絶縁紙(アミン添加物)→アンモニア(窒素化合物)、1.3シ゛アシ゛ン ・ワニス処理紙 →ブタナール 固有な分解物は、これらの材料の損傷を判定する上で有
用となる。コイル絶縁紙、プレスボード、耐熱処理紙等
のセルロース系材料からは、メタンチオールおよびジメ
チルサルファイドなどの硫黄化合物が検出されたが、同
じセルロース系材料である綿テープおよびカバ材から
は、これらの硫黄化合物は検出されないことが特徴であ
る。上記実施の形態5によれば、固有の分解物を対象に
しているため、被分解材料を特定する精度が向上するの
で、内部異常発生箇所の特定精度が高い。
【0021】実施の形態6. 木材及びコイル絶縁紙を油中で加熱分解させて得られた
絶縁油を、上記実施の形態1に示した方法で分析し、検
出された分解物の中から、ギ酸メチル、エタノール、フ
ラン、酢酸メチル、ジアセチル、2メチルフラン、フル
フラール、ジメチルサルファイドを選択し、それぞれの
分解物の総濃度に対する比率をパターン図に表すと、図
7のようになる。比率のパターンは、木材とコイル縁材
料紙とでは異なっているので、被分解材料を識別でき
る。パターンは、選択する成分で異なるので、パターン
差が大きく表われる成分を選ぶことによって、識別精度
は向上する。上記実施の形態6によれば、上記パターン
法から、容易に被分解材料を識別できる。
【0022】実施の形態7. 固有な分解物(窒素含有の材料では窒素を含む分解物、
例えばアンモニアなど)が既知の固体絶縁材料を、予め
油入電気機器の性能上重要な箇所(例えば変圧器であれ
ばコイル部や鉄心部など)に配置する。この材料の近傍
で過熱や放電の異常が起こると、その熱で材料が分解し
て、固有な分解物が発生する。これを検出する。
【0023】上記実施の形態7によれば、固有な分解物
を検出することによって、電気機器内の異常箇所を特定
できる。固有分解物の異なる材料を多くの箇所に配置す
れば、異常箇所の特定精度が向上する。
【0024】実施の形態8. 上記実施の形態を基に、油入電気機器内部の新しい異常
診断手順(フローチャート)の一例を図8に示す。図8
のステップ100にて、稼働中の正常油入電気機器(変
圧器)および新油からは検出されない異常指標成分(酢
酸、メタンチオールなど)が検出されていないかを請求
項1の分析手法で調べる。次に、ステップ110にて、
上記異常指標成分が、放電で絶縁油から生成する固有な
放電分解成分(メチルビニルアセチレン、2メチル1.
3ブタジエン)であるか、放電分解成分以外の異常指標
成分であるかを調べる。ステップ120では絶縁材料の
固有成分が検出されているか調べ、ステップ140で固
有成分により損傷材料を識別する(実施の形態5)。一
方ステップ130では成分パターン図で損傷材料を識別
する(実施の形態6)。
【0025】なお上記実施の形態では、ガス分析器にガ
スクロマトグラフ質量分析器を使用したが、ガスクロマ
トグラフでも同様の効果を奏する。また、上記実施例
は、寿命診断の指標成分の分析に利用できることは言う
までもない。
【0026】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、絶縁油
中に溶解している比較的高分子、高沸点の異常指標分解
物も分析することができ、油入電気機器内部の異常診断
精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態で使用する絶縁油中の微
量成分分析装置を示す構成図である。
【図2】 実施の形態1の分析方法により絶縁油中の成
分を分析した結果の一例を示したもの。
【図3】 図2のピークNoの成分を表している。
【図4】 絶縁油単独あるいは各種変圧器材料を油中で
熱分解させ、この油を実施の形態1に示す方法で検出し
た成分を示す。
【図5】 図4と同様の検出成分を示す。
【図6】 図4と同様の検出成分を示す。
【図7】 実施の形態6における成分比率パターン図を
示す。
【図8】 実施の形態8による異常診断手順(フローチ
ャート)を示す。
【図9】 従来の絶縁油中の微量成分分析装置を示す構
成図である。
【符号の説明】
1 試料油収納容器、5 試料油、6 バブリング管、
7a,b ヒータ、9不活性ガスボンベ、10 バブリ
ング配管、11 抽出ガス配管、15 コールドトラッ
プ管、16 コールドトラップ管収納室、20 冷媒
(液体窒素)、23 ガス分析装置、24 カラム、2
5 検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 隆志 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 岡部 成光 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 大野 高宏 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−288654(JP,A) 特開 昭63−253250(JP,A) 特開 平7−63741(JP,A) 特開 平6−160379(JP,A) 特開 平5−19005(JP,A) 特開 平7−31801(JP,A) 特開 平6−167482(JP,A) 特開 平5−275243(JP,A) 特開 平7−128056(JP,A) 特開 平6−160329(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気圧が53Pa以下になる温度で絶縁
    油を加熱し、これに不活性ガスをバブリングして絶縁油
    に溶解する高沸点成分を抽出し、80〜150℃に保
    持した油面上空間を経由して、低温部に導いて絶縁油溶
    解成分だけを凝縮させて補集した後、凝縮物を迅速に加
    熱して気化させたガスを再凝縮させることなく、ガス分
    析器にすばやく導いて定性・定量分析し、検出された成
    分の種類および量から、機器内部の異常を診断すること
    を特徴とする油入電気機器内部の異常診断方法。
  2. 【請求項2】 運転中の平常油入電気機器からは検出さ
    れず、過熱や放電異常時のみに検出されやすい酢酸[C
    3COOH],3ペンタノン[CH3CH2COCH2
    3],2.5ジメチルフラン[C68O],ブチルアル
    デヒド[CH3CHCHCHO],2メトキシエタノー
    ル[C382],メタンチオール[CH3SH],ジメ
    チルサルファイド[(CH3)S2],アンモニア[NH
    3],1.3ジアジン[C442],メチルビニルアセ
    チレン[C56],2メチル1.3ブタジエン[C
    58]の検出の有無から、機器内部の過熱異常又は放電
    異常を診断することを特徴とする油入電気機器内部の異
    常診断方法。
  3. 【請求項3】 放電分解によって絶縁油から支配的に生
    成するメチルビニルアセチレン[C56],2メチル
    1.3ブタジエン[C58]の検出の有無から、過熱異
    常と放電異常とを識別することを特徴とする油入電気機
    器内部異常診断方法。
  4. 【請求項4】 絶縁油中のブチルアルデヒド[CH3
    HCHCHO]検出の有無から、被分解材料がワニス処
    理材料であることを特定し、この被分解材料の適用箇所
    から内部異常発生箇所を特定することを特徴とする請求
    項1に記載の油入電気機器内部の異常診断方法。
  5. 【請求項5】 絶縁油中の2メトキシエタノール[C3
    82]検出の有無から,被分解材料がエポキシ樹脂系
    材料であることを特定し、この被分解材料の適用箇所か
    ら内部異常発生箇所を特定することを特徴とする請求項
    1に記載の油入電気機器内部の異常診断方法。
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