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JP3343524B2 - 電気絶縁油中ガスの分析装置 - Google Patents

電気絶縁油中ガスの分析装置

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JP3343524B2
JP3343524B2 JP04749299A JP4749299A JP3343524B2 JP 3343524 B2 JP3343524 B2 JP 3343524B2 JP 04749299 A JP04749299 A JP 04749299A JP 4749299 A JP4749299 A JP 4749299A JP 3343524 B2 JP3343524 B2 JP 3343524B2
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pipe
dissolved
insulating oil
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幸雄 林
極 宮島
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Aichi Electric Co Ltd
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Aichi Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器等油入電気
機器に充填されている電気絶縁油中に溶解しているガス
成分の改良された分析装置に係り、特に、油入電気機器
の劣化診断、異常診断を行うために使用する電気絶縁油
中ガスの分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気絶縁油は油入変圧器やリアクトル、
自動電圧調整器等の油入電気機器や油浸ケーブル等に使
用されているが、油中に含まれる二酸化炭素[CO
2 ],一酸化炭素[CO],メタン[CH4 ],水素
[H2 ],エタン[C26 ],エチレン[C2
4 ],アセチレン[C22 ]などの各種ガス量は上記
電気機器や油浸ケーブルの劣化や異常の状況を示すバロ
メータとして重要である。従って、これらの機器の劣化
状況の推定や異常診断には正確な油中ガス分析値を求め
ることが欠かせない。
【0003】そして、前記油入電気機器の電気絶縁油中
ガス分析値は、前述したように、油入電気機器の異常診
断,経年劣化予測を行う上で重要な指標として使用され
ている。即ち、前記ガス分析値において、水素[H
2 ],メタン[CH4 ],アセチレン[C22 ]等か
らは油入電気機器内部の部分放電や過熱等の異常を、
又、二酸化炭素[CO2 ],一酸化炭素[CO]等から
は、絶縁紙等の異常や経年劣化状態を推測することがで
きる。
【0004】前記の診断や予測を行うためには、電気絶
縁油中ガスの分析値を正確に把握する必要がある。前記
電気絶縁油中ガス(以下、油中ガスという)を分析する
装置は、一般に油中ガスを気中に抽出するための油中ガ
ス抽出装置(以下、抽出装置という)と、抽出したガス
を定性・定量するガスクロマトグラフを用いた分析装置
とによって構成されている。
【0005】前記ガスクロマトグラフは、分析装置とし
て完成されたもので、標準ガスによる校正も容易であ
り、かつ、分析精度も非常に高く特に問題となることは
ない。
【0006】一方、前記抽出装置においては、種々の方
式のものが提案されているが、一般に使用されている抽
出装置としては、例えば、トリチェリー真空、テプラー
ポンプ真空,真空ピストン等、真空中に油中ガスを静的
に抽出するようにした方式と、油中にアルゴン[A
r],ヘリウム[He]等の不活性ガスを吹き込んで油
中ガスを強制的に追い出して抽出する方式とがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した油中ガスの抽
出方式において、静的な抽出方式においては、油中ガス
の濃度や検出量が異なると、油中ガス中の成分の抽出率
が少なかったり,変動が大きくなることによって、抽出
率自体が低いものとなる結果、分析値はその都度抽出率
補正係数を用いて補正を行っていたので、油中ガスの分
析に時間と手間がかかることはもとより、分析値の信頼
性に問題を生じていた。その上、分析作業に際しては、
水銀を使用している抽出装置においては、環境、特に、
作業環境面での注意が必要であった。
【0008】又、不活性ガスを用いて油中ガスを強制的
に追い出して抽出する方式においては、油中ガスを抽出
する際、例えば試料である電気絶縁油が、空気に触れた
状態で採油ビンに注入された場合、この状態で、真空引
きされた配管内を不活性ガスに後押しされるようにして
ガスクロマトグラフに送出される結果、油中ガスに多量
の空気(窒素N2 と酸素O2 )が混在していることによ
り、正確な分析値を得ることは難しかった。
【0009】この問題を解決するために、配管途中に絶
縁油中の不純物を除去するオイルミストトラップや水分
吸着剤を設置したり、あるいは、絶縁油を加熱手段によ
り加熱して溶存ガスの抽出量拡大を図るようにしている
が、これでは、抽出装置の構成自体が複雑化し、抽出装
置が大形化してその製作コストを高くしたり、抽出装置
のメンテナンスが煩雑化するという問題があった。
【0010】本発明は、前記の種々な問題点に鑑み、油
入電気機器において、機器の内部異常や経年劣化等によ
って絶縁材料から発生する多種類の分解物である電気絶
縁油中に溶解している溶存ガスを、電気絶縁油中から効
率よく抽出し、ガスクロマトグラフによる定性・定量分
析を迅速に、かつ、精度向上を図るようにした、改良さ
れた電気絶縁油中ガスの分析装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電気絶縁
油中ガス分析装置は、電気絶縁油の収納容器と、前記収
納容器に第1のキャリアガスを一定の圧力で供給するガ
ス供給管と、前記収納容器から抽出される溶存ガスを貯
留するガス貯留管及び前記貯留管と連通されて溶存ガス
を流通させるガス流通管並びに第2のキャリアガスを一
定圧力で通流させるガス通流管とを個別に具備し、か
つ、前記溶存ガスの貯留管及び流通管、ガス通流管を任
意に連通可能に切換接続する電磁切換弁と、前記収納容
器及び溶存ガスの流通路を減圧する手段と、前記第2の
キャリアガスによりガス貯留管に貯留された溶存ガスを
定性・定量分析するガス分析手段と、前記ガス分析手段
により分析された溶存ガスのガス成分を演算処理して油
入電気機器の異常・劣化判断に必要な基準データを取出
可能に格納するデータ処理手段とによって構成した。
【0012】請求項2記載の電気絶縁油中ガス分析装置
は、請求項1記載の電気絶縁油中ガス分析装置におい
て、前記電磁切換弁は、溶存ガスの流入側を、第2のキ
ャリアガスを通流するガス通流管を具備した状態で、電
気絶縁油の収納容器に対して複数個並列にガス流通管を
介して連接し、かつ、溶存ガスの流出側は、ガス分析装
置に内蔵した所定ガスの検知器に前記ガス通流管を介し
て個別に連接して構成した。
【0013】請求項3記載の電気絶縁油中ガス分析装置
は、請求項2記載の電気絶縁油中ガス分析装置におい
て、前記電磁切換弁は、ガス貯留管に貯留する溶存ガス
をガス貯留管毎に均等に貯留するように配設して構成し
た。
【0014】請求項4記載の電気絶縁油中ガス分析装置
は、請求項2記載の電気絶縁油中ガス分析装置におい
て、前記電磁切換弁は、ガス貯留管に貯留する溶存ガス
をガス貯留管毎に不均一に貯留するように配設して構成
した。
【0015】請求項5記載の電気絶縁油中ガス分析装置
は、請求項2記載の電気絶縁油中ガス分析装置におい
て、前記ガス流通管はガス貯留管よりも小径な配管を用
いて構成した。
【0016】請求項6記載の電気絶縁油中ガス分析装置
は、請求項1記載の電気絶縁油中ガス分析装置におい
て、前記溶存ガスの流通経路及び貯留部位は、それぞれ
溶存ガスの抽出・通流に適合する所定の温度に維持する
加熱手段を具備して構成した。
【0017】本発明は、前記のように電気絶縁油から抽
出した溶存ガスをガスクロマトグラフに送出する際、前
記溶存ガスに悪影響を与えることの少ないキャリアガス
の圧力を利用して送出するように構成されているので、
溶存ガスを送出するためにテプラーポンプ方式、ピスト
ン方式、ベローズ方式でみられるような機械的な特別の
抽出装置を全く必要としないので、溶存ガスの抽出シス
テムを簡素に構成することができる。
【0018】又、本発明では、溶存ガスの抽出に当って
は、これを均一、あるいは不均一な状態で抽出できるよ
うに構成したので、溶存ガスをガスクロマトグラフにて
定性・定量分析を行う場合、溶存ガスを常に最適な抽出
量(抽出率)で分析可能となるため利便である。
【0019】更に、抽出した溶存ガスが流通するガス流
通管は、溶存ガスを一時的に貯留するガス貯留管より径
小に配管されているので、溶存ガスは拡散が抑制されて
抽出率を高めることができるため、ガスクロマトグラフ
による分析感度を良好に維持・拡大することが可能とな
り利便である。
【0020】しかも、溶存ガスの流通経路や貯留部位
は、常時所定の温度で保温されているので、電気絶縁油
の粘度を良好に保ち、かつ溶存ガスを凝縮させることな
く、円滑に、しかも、抽出量を減少することなく供送す
ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1ない
し図8によって説明する。最初に、図1は電気絶縁油
(以下絶縁油という)を使用した変圧器等油入電気機器
(以下、変圧器という)1の概略断面図であり、従来か
ら知られている鉄心にコイルを巻回して形成した変圧器
本体2をケース3に収容し、電気絶縁油4を一定量充填
・密封することにより構成されている。5はケース3の
下部に設けたケース3内の絶縁油を抜き取るための排油
コックである。
【0022】図2に示す6はケース3内の絶縁油4をほ
ぼ大気に晒すことなく所定量抜取ることができるシリン
ジであり、このシリンジによる絶縁油4の抜取りは、注
射器と同様の操作を行って絶縁油4の抜き取りを行うも
のである。
【0023】次に図3〜4において、11は本発明の油
中ガス分析装置を示し、このガス分析装置11は、図3
に示すように、絶縁油に溶存する溶存ガスの抽出手段1
2と抽出した溶存ガスを一時保存(貯留)するガス貯留
手段21と、前記貯留した溶存ガスを定性・定量分析す
る分析手段(ガスクロマトグラフ)31と、前記分析手
段31から送出される検出信号を演算処理して、異常診
断、劣化診断を行うに必要な基準データを格納、表示、
取得するためのデータ格納手段35とによって概略構成
されている。
【0024】つづいて、前記ガス分析装置11の各手段
12,21,31,35について説明する。最初に、抽
出手段12の構成について説明する。図3において、1
3は変圧器1から抜取った絶縁油4を収納する絶縁油収
納容器(以下、採油ビンという)、14は採油ビン13
内に絶縁油4を注入する絶縁油注入管で、シリンジ6を
図示しないバルブを介してほぼ気密状態で取付けること
ができるように形成されており、採油ビン13の胴部に
水平状態で連接されている。15は採油ビン13の排出
管を示し、排出バルブ16を介して採油ビン13内の用
済みとなった絶縁油4を廃油ドレン17に排出させる。
【0025】18はバブリング用の第1のキャリアガス
(例えば、ヘリウムHe,アルゴンAr等のガス)を微
細気泡として採油ビン13内に一定の圧力で注入するガ
ス供給管で、注入バルブ19を介して採油ビン13の上
端に、噴出口を採油ビン13内の絶縁油4中に浸漬でき
る長さを備えて装着されている。20は絶縁油4中の溶
解成分から抽出された溶存ガスを流通させる細径のガス
流通管で、このガス流通管20は図3に示すように、後
述する複数の電磁切換弁(例えば、6方弁で本例では3
個)22,22a,22bと、前記採油ビン13とを並
列(3本の流通管20を用いて個別に接続する)に、か
つ、連通可能な状態で配管接続されている。
【0026】そして、前記電磁切換弁22〜22bは、
溶存ガスの流通経路を構成するガス供給管18と、第2
のキャリアガスを一定圧力でガス分析手段31に通流さ
せるガス通流管23と、前記電磁切換弁22〜22bの
近傍において、溶存ガスを1時貯留するガス貯留管24
とによって、溶存ガスの貯留手段21を構成するもので
ある。なお、前記電磁切換弁に代えて、空気圧や油圧方
式の切換弁を使用してもよい。
【0027】そして、前記ガス貯留手段21において
は、電磁切換弁22〜22bにより、溶存ガスを各ガス
貯留管24に収集・貯留させるとともに、前記貯留して
いる溶存ガスをガス分析手段31にて分析する場合は、
電磁切換弁22〜22bを図示しない制御装置からの指
令信号により切換操作し、第2のキャリアガスを通流さ
せるガス通流管23と前記ガス貯留管24とを連通さ
せ、溶存ガスを第2のキャリアガスの圧力にてガス分析
手段31に第2のガス流通管23aを介して送出できる
ように構成されている。
【0028】図3において、25はガス流通管20の終
端位置に取付けた圧力計であり、26は真空ポンプを示
し、この真空ポンプ26は絶縁油4中から溶存ガスを抽
出する際、事前に採油ビン13をはじめ、溶存ガスの流
通経路を所定の圧力で減圧させる。27は切換コックで
ある。なお、前記溶存ガスの抽出手段12とガス貯留手
段21は、絶縁油4中から抽出した溶存ガスが流通経路
において、凝縮するのを阻止するために保温手段(約5
0〜60℃)28により囲繞されており、この保温手段
28は、例えば、囲繞した筐体内に温風を給送するか、
ヒータ等の熱源を付設する等公知の技術手段により形成
すればよい。
【0029】又、ガス貯留手段21において、ガス通流
管23,23aはガス貯留管24に対して細径に形成さ
れており、その割合はガス通流管23,23aの径寸法
を1とした場合、ガス貯留管24は2〜4倍の大きさの
径寸法で形成されている。これは、ガス貯留管24に対
してガス通流管23,23aを径小にすることにより、
溶存ガスが凝縮・液化したり拡散するのを防いで迅速
に、かつ、精選した状態でガス貯留管24に収集・貯留
させ、ガス分析手段31によってガス分析・検出を効率
よく行うために他ならない。
【0030】次に、ガス分析手段31について説明す
る。このガス分析手段31は、例えば一般にガスクロマ
トグラフを使用するもので、その構成は溶存ガスを定性
・定量分析する。即ち、溶存ガス中の各ガス成分を検出
器により検出し、検出結果を電気信号に変換する機能を
有する、熱伝導度検出器(TCD)と水素炎イオン化検
出器(FID)とが具備されている。
【0031】そして、前記熱伝導度検出器(TCD)
は、一般に無機系のガスを分析検出する場合に用いるも
ので、水素[H2 ],酸素[O2 ],窒素[N2 ]ガス
等が対象となる。又、水素炎イオン化検出器(FID)
は、炭化水素系のガスを分析検出する時に使用し、一酸
化炭素[CO],二酸化炭素[CO2 ],メタン[CH
4 ],エタン[C26 ],エチレン[C24 ],ア
セチレン[C22 ]ガスが対象となる。
【0032】前記各検出器(TCD),(FID)は、
溶存ガスを導入・通過させて分析するもので、この分析
結果を対象ガス毎にガス検知時間に対する出力電圧に変
換する。即ち、分析したガスをガス成分毎に出力電圧に
変換させるものである。
【0033】つづいて、データ格納手段35は、通常の
演算装置,表示装置,プリンター等を具備して構成され
ており、前記ガス分析手段31により分析して検出され
た検出信号(出力電力)を演算処理し、この演算処理さ
れたデータは、必要に応じて表示装置にて表示したり、
プリンターにより打出して記録することが可能である。
又、記憶装置を具備させることにより、劣化診断,異常
判断を把握するに必要な基準データを格納し、このデー
タを基にして劣化・異常診断を行う機能を備えている。
【0034】次に、動作について説明する。最初に、電
磁切換弁22,22a,22bは図示しない制御装置か
らの指令信号により図3に示すように、第2のキャリア
ガスが通流するガス通流管23,23aと溶存ガスが流
通するガス流通管20とが連通しない方向で切換えられ
ている。この状態で、ガス供給管18の注入バルブ19
及び絶縁油注入管14の図示しないバルブを閉じてか
ら、切換コック27を開放して真空ポンプ26を起動す
る。真空ポンプ26の起動により、溶存ガスが流通する
採油ビン13,はじめ,ガス流通管20,ガス貯留管2
4の各内部を所定の真空度(例えば、133Pa以下)に
減圧する。
【0035】前記溶存ガスの流通経路を所定の減圧状態
に減圧したら、切換コック27を閉じる。つづいて、図
2に示すように、変圧器1のケース3下部に設けた排油
コック5のフランジに、絶縁油拭取り用の小径な排出管
7を具備した第2の排油コック5aを油密に装置する。
この後、シリンジ6先端の小径な噴油筒を排出管7に密
に嵌合した状態で、排油コック5,5aを順次開放す
る。排油コック5,5aの開放によりケース3内の絶縁
油4は排出管7に流出するが、排出管7にはシリンジ6
の先端部が密に嵌合しているので、絶縁油4は排出管7
から外部に漏出することはない。
【0036】この状態で、シリンジ6を注射器の要領で
ピストン杆6aを徐々に後退させて、シリンジ6の容器
6b内に絶縁油4をほとんど大気と触れることなく、例
えば、5〜10ml注入させる。絶縁油4をシリンジ6に
注油したら排油コック5,5aを閉じ、排出管7よりシ
リンジ6の先端の噴油筒を抜き取ることによって、絶縁
油4の採油を終える。次に、前記シリンジ6により絶縁
油4を所定量採油したら、シリンジ6の噴油筒を採油ビ
ン13の絶縁油注入管14に油密に嵌合する。つづい
て、絶縁油注入管14の図示しないバルブを開放し、シ
リンジ6のピストン杆6aを押動して容器6b内の絶縁
油4をほぼ外気と接触させることなく、採油ビン13に
定量注入する。
【0037】前記のように、シリンジ6により絶縁油4
を採油ビン13に充填したら、絶縁油注入管14を図示
しないバルブを閉じて採油ビン13を気密に封止する。
この場合、即ち、絶縁油4の採油ビン13への注入は、
真空ポンプ26により事前に採油ビン13をはじめ、溶
存ガスの流通経路が減圧保持されているため、絶縁油4
は採油ビン13に円滑に充填することができる。なお、
この状態では、排油バルブ16,切換コック27は事前
に閉じている。
【0038】つづいて、注入バルブ19を開放して第1
のキャリアガス(例えばヘリウムガスHe等)を、所定
のガス圧力(絶縁油4中の溶解成分)を抽出するだけの
圧力で、ガス供給管18を通して採油ビン13内の絶縁
油4中に噴出させる。
【0039】前記のように、第1のキャリアガスを採油
ビン13内の絶縁油4中に噴出させることにより、変圧
器1からほぼ外気を接触させることなく抜き取り採油ビ
ン13に封入した絶縁油4中の溶解成分を、溶存ガスと
して抽出する。この抽出方式は、一般にバブリング方式
といわれている。そして、前記絶縁油中から抽出された
溶存ガスは、図3に示すガス貯留手段21に順次給送さ
れ、その配管途中に設けたガス貯留管24に貯留され
る。
【0040】前記抽出される溶存ガスの濃度は、一般に
その開始時点から約1分を経過した時点が最大に増加
し、以後は順次抽出濃度が減少する。そして、前記絶縁
油4からの溶存ガスの抽出率Yは、一般に次のように算
出する。
【0041】
【数1】
【0042】ここで、X1 は抽出された溶存ガス量、X
0 は絶縁油(採油ビン内)中の溶存ガス量、Fは抽出ガ
ス流量、tは抽出時間、Kは平衡定数、V0 は絶縁油の
体積、Vvは減圧部(ガス貯留手段)の容積をそれぞれ
示す。
【0043】前記計算式に基づく抽出率は溶存ガスを給
送・貯留する配管系統の容積が溶存ガスのガス貯留管2
4の貯留容積に比べて小さければ小さいほど抽出率を高
くすることができる。これは、抽出した溶存ガスの拡散
防止と、気液平衡による再溶解を確実に阻止するためで
ある。即ち、溶存ガスを絶縁油4中から効率よく抽出さ
せるためのものである。
【0044】そして、前記溶存ガスの抽出時間は、例え
ば、一般に抽出開始から約1分経過した時点でピークを
迎え、2分を経過した当りではほとんど抽出が停滞気味
(ほぼ終了)となるため、本例では、次に説明する溶存
ガスの貯留との関係から3〜5分の間で行うことによ
り、溶存ガスの抽出効率向上,抽出時間の短縮化を図る
ようにしている。なお、各配管系統に設置したバルブ,
コック類の開閉手段の操作及び真空ポンプの運転を手動
で行うか、自動で行うかは任意に設定すればよい。
【0045】前記のようにして抽出した溶存ガスは、図
1に示すように、細径のガス流通管20内を給送され、
順次ガス貯留手段21に設けた複数(本例では3個)の
ガス貯留管24,24,24にそれぞれ貯留される。こ
の場合、ガス流通管20は細径で、かつ、事前に減圧さ
れているので、迅速に溶存ガスを流通させてガス流通管
20より径太な各ガス貯留管24に送出され1時貯留さ
れる。溶存ガスは前記のように、ガス貯留管24内に貯
留されるものの、ガス分析手段31において、各ガス貯
留管24を連通させているガス流通管20にも、1部の
溶存ガスが滞留していることは言うまでもない。
【0046】溶存ガスは事前に設定した所定の抽出時間
が経過すれば、その抽出は停止される。これは、第1の
キャリアガスの供給を、注入バルブ19を閉じることに
よって行われる。溶存ガスの抽出を停止させると、前記
抽出された溶存ガスは、これを流通させるガス流通管2
0が、抽出手段12とガス貯留手段21とを図3のよう
に、並列接続させている関係上、各ガス貯留管24にほ
ぼ同一圧力で均一に貯留されている。
【0047】又、前記溶存ガスの抽出手段12とガス貯
留手段21は、所定の保温手段28により囲繞され、常
時抽出に適した温度に維持されているので、溶存ガスは
細径なガス流通管20内を流通する間に凝縮してその流
通を妨げるようなことは全くなく、円滑・良好に、か
つ、迅速にガス貯留管24に給送させることができる。
【0048】更に、前記溶存ガス成分の種類は、主に酸
素[O2 ],窒素[N2 ],水素[H2 ],一酸化炭素
[CO],二酸化炭素[CO2 ],メタン[CH4 ],
エタン[C26 ],エチレン[C24 ],アセチレ
ン[C22 ]ガス等が溶存しており、これらの溶存ガ
スの検出量に応じて、変圧器の故障(異常)や経年劣化
の度合い等を判断するものである。
【0049】次に、前記抽出手段12によって抽出した
溶存ガスをガス貯留手段21に定量貯留させたら、図3
において、3個の電磁切換弁22〜22bを、図示しな
い制御装置からの指令信号により、これまでガス流通管
20とガス貯留管24とを連通させた流路を閉じ、図4
に示すように、3本のガス通流管23と3本のガス貯留
管24とを連通させる流路に切換える。前記ガス通流管
23,23,23には、第2のキャリアガスが溶存ガス
の抽出中常に一定の圧力でガス分析手段31に通流され
ているので、前記電磁切換弁22〜22bの切換操作に
よる流路変更に伴い、第2のキャリアガスは各ガス貯留
管24内の溶存ガスを、一定のガス圧力にて第2のガス
通流管23aを通してガス分析手段31に給送する。
【0050】ガス分析手段31に送り込まれた各ガス貯
留管24,24,24内の溶存ガスは、ガス分析手段3
1内に設けた図示しないガス分離部に順次送り込まれ、
この分離部を通過する時点では、前記溶存ガスはガス分
離部の分離作用により、それぞれ単一成分のガスに分離
される。そして、前記単一成分に分離された溶存ガス
は、ガス分析手段31内に設置した、水素炎イオン化検
出器(以下、FIDという),熱伝導度検出器(以下,
TCDという)を順次通過し、FID,TCDの各検出
器によってそれぞれ対応する種類のガスを検出する。
【0051】そして、前記検出ガス,即ち、FIDによ
って検出されるガスは、一般に炭化水素系が主体のC
O,CO2 ,CH4 ,C26 ,C24 ,C22
スであり、逆に、TCDにて検出されるガスは、無機系
のH2 ,O2 ,N2 ガスが検出される。そして、前記F
IDによるガス検出において、CO,CO2 のガスは現
状のFIDによるガス検出が難しいので、即ち、検出さ
れにくいため、前記FIDにメタナイザーを付設するこ
とによってCO,CO2 のガス検出を行っている。
【0052】前記ガス検出を行うFID,TCDの各検
出器は、検出したガスに対応してそれぞれガス検出時間
に対する出力電圧を出力するように構成されているの
で、溶存ガスがFID,TCDの各検出器を通過するこ
とにより検出されるガスに応じて前記FID,TCDか
ら出力される出力電圧は、検出信号として順次データ格
納手段35に送出され、演算処理される。そして、この
データ格納手段35においては、演算処理したデータを
格納するとともに、必要に応じて表示器により表示した
り、プリンタに印字し、例えば、前記表示、印字された
データと、あらかじめ検知対象となるガス成分毎に設置
した、劣化・異常(異常)のしきい値とを対比すること
により、変圧器1における劣化・異常判断を行うもので
ある。
【0053】前記図3,4に示す方式による溶存ガスの
抽出は、抽出手段12とガス貯留手段21とが並列接続
されているので、絶縁油4から抽出される溶存ガスが、
3個のガス貯留管24にそれぞれ均一(均等)の濃度で
貯留される。このため、溶存ガスのなかで、例えば、水
素ガス[H2 ]は検出器としてTCDにより検出される
ことになる。ところが、H2 の場合、キャリアガスとし
てヘリウムガス[He]を使用すると、互いに熱伝導度
が近いので、他のガス成分に比べてガス分析感度が著し
く低くなり、H2 ガス自体の検出が困難となる。このよ
うな場合は、例えば、キャリアガスとして窒素ガス[N
2 ],アルゴンガス[Ar]を用いることにより容易に
2 のガス検出を行うことができる。この場合、溶存ガ
スの濃度を高めてH2 自体が多く含有されておれば、キ
ャリアガスとしてHeを使用してもH2 の検出は行え
る。
【0054】次に、本発明の第2実施例として示すガス
分析装置11aの構成を図5により説明する。図5に示
す第2実施例と、図3に示す第1実施例で説明したガス
分析装置11と異なる点は、電磁切換弁22,22aを
2個設けた点が異なるのみで、他の構成,即ち、溶存ガ
スの抽出手段12,ガス貯留手段21,ガス分析手段3
1(この場合、TCDは1個減)の基本構成は、第1実
施例で説明したガス分析装置11と同じであるので、そ
の説明は省略する。なお、図5において、電磁切換弁2
2の流出口は、ガス貯留管24に貯留した溶存ガスが流
出するのを防ぐために閉止バルブ28が取付けられてい
る。なお、絶縁油4のガス分析に当り、採油ビン13に
絶縁油4を封入したり、溶存ガスが流通するガス流通管
20内が真空ポンプ26によって減圧されていることは
言うまでもない。
【0055】そして、この第2実施例に示すガス分析装
置11aにおいては、採油ビン13に封入した絶縁油4
から、第1のキャリアガスを採油ビン13内に噴出させ
ることにより溶存ガスを抽出し、これを細径のガス流通
管20を通してガス貯留管24,24に貯留させる。こ
の場合、前記ガス流通管20は採油ビン13と各ガス貯
留管(電磁切換弁22,22a)24,24とが並列
(流通管を2本用いて個別)に配管接続されているの
で、溶存ガスは前記ガス貯留管24,24に均等に貯留
されることになる。前記貯留された溶存ガスは、図6の
ように、2個の電磁切換弁22,22aの切換操作によ
り第2のキャリアガスの圧力を得て第2のガス流通管2
3a,23aを通ってガス分析手段31に給送され、順
次単一成分のガスに分離されてガス検出を行う。ガス分
析装置11aにより検出したガスのデータは、データ格
納手段35で演算処理して格納等される。
【0056】前記第2実施例におけるガス分析装置11
aは、ガス貯留管24,24を2本に絞り込むことによ
って、均等に貯留された溶存ガスの抽出濃度を、第1実
施例のガス分析装置11に対して更に高めることに他な
らない。これは、例えば、溶存ガスの中に含まれている
水素ガス[H2 ]の濃度を高め、ガス分析手段31の検
出器としてTCDで前記H2 を検出するのを容易にする
ためである。
【0057】又、H2 のTCDによる検出に不安がある
場合でも、この第2実施例のガス分析装置11aではキ
ャリアガスとして窒素ガス[N2 ]の使用量を軽減する
ことができる。これにより、前記ガス分析装置11aで
は、H2 の検出が溶存ガスの濃度を高めることにより、
第1実施例のガス分析装置11に比べて高効率で溶存ガ
スより単一成分のガス検出が可能となり、溶存ガスから
のガス検出精度を良好に向上させることができる。な
お、第2実施例のガス分析装置11aにおいて、溶存ガ
スを分析するガス分析手段31と分析したガスの検出デ
ータを格納するデータ格納手段35については、第1実
施例で説明したガス分析装置11に用いたガス分析手段
31,データ格納手段35と同じであるので、その構
成,動作の説明は省略する。
【0058】次に、図7において本発明の第3実施例と
して示すガス分析装置11bの構成を説明する。図7に
示す第3実施例のガス分析装置11bと第2実施例に示
すガス分析装置11aとの違いは、溶存ガスを貯留する
方式が異なるものである。即ち、第2実施例のガス分析
装置11aにおいては、ガス流通管20が採油ビン13
と2本のガス貯留管24,24とを並列に管接続を行っ
て溶存ガスを均等にガス貯留管24,24に貯留するよ
うに構成されている。
【0059】一方、本発明の第3実施例のガス分析装置
11bは、図7に示すように、採油ビン13と2個のガ
ス貯留管24,24は、ガス流通管20と2個の電磁切
換弁22c,22dを介して直列に配管接続されてい
る。即ち、図7において更に詳述すると、採油ビン13
から導出する細径のガス流通管20は、電磁切換弁22
cを介してガス貯留管24と接続するとともに、このガ
ス貯留管24の流出口24aから電磁切換弁22dを経
て第2のガス貯留管24と接続し、更に、第2のガス貯
留管24の流出口24bから圧力計25→切換コック2
7を経て真空ポンプ26に接続されている。
【0060】前記第3実施例に示すガス分析装置11b
は、溶存ガスが流通するガス流通管20を図7で示すよ
うに、各ガス貯留管24,24及び電磁切換弁22c,
22dに対して直流配管した点に特徴があり、前記ガス
流通管20以外の溶存ガスの抽出手段12,ガス貯留手
段21,ガス分析手段31(この場合、TCDは1
個),データ格納手段35の各構成については、第1,
第2実施例のガス分析装置11,11aに用いたものと
同じであるので説明は省略する。
【0061】次に、第3実施例に示すガス分析装置11
bの動作について説明すると、第1のキャリアガスのガ
ス圧力にて採油ビン13内の絶縁油4中から抽出される
溶存ガスは、細径のガス流通管20に進入し、このガス
流通管20→電磁切換弁22c→第1のガス貯留管24
→ガス流通管20→電磁切換弁22d→第2のガス貯留
管24に貯留される。この場合、ガス流通管20内は真
空ポンプ26により、事前に設定の圧力で減圧されてい
ることは言うまでもない。
【0062】前記の溶存ガスの抽出時間は、第1実施例
において説明したように、約3〜5分の間で行われる
が、溶存ガス自体の抽出は約2分以内にほぼ完了してい
る。従って、第3実施例のガス分析装置11bにおいて
も、溶存ガスは抽出開始からほぼ2分以内に抽出されて
しまうが、その抽出した溶存ガスの大部分は、第2のガ
ス貯留管24に貯留される。これは、ガス流通管20が
各ガス貯留管24,24を直列(1本の流通管として)
接続しているからである。
【0063】この結果、図7において、溶存ガスの濃度
は第2のガス貯留管24に貯留されるものは濃く、逆に
第1のガス貯留管24に貯留されるものは希薄な状態で
収集・貯留されることとなる。この第3実施例のガス分
析装置11bにより抽出した溶存ガスをガス分析手段3
1に供送する場合は、図8に示すように、電磁切換弁2
2c,22dの切換操作により、第2のキャリアガスを
通流するガス流通管23とガス貯留管24とを連通さ
せ、ガス貯留管24内の溶存ガスを、第2のガス流通管
23a,23aを介してガス分析手段31に送る。
【0064】ガス分析手段31のFIDには、第1のガ
ス貯留管24濃度が比較的希薄な溶存ガスが送られる
が、TCDには第2のガス貯留管24に貯留されている
濃密な溶存ガスが送られる。そして、各検出器に送られ
た溶存ガスは図示しない分離部で単一成分のガスに分離
され、その分離された単一成分のガスは、対応するそれ
ぞれのFID,TCDの各検出器で検出され、その検出
データ(出力電圧)をデータ格納手段35に送出し、演
算処理を行って格納される。
【0065】この第3実施例のガス分析装置11bで
は、前記したように、溶存ガスを濃・淡に分離・貯留し
ながらガス分析手段31に送るように構成されているの
で、ガス分析手段31では、特に希薄な状態では検出さ
れにくい水素ガス[H2 ]が、第2のキャリアガスとし
てヘリウムガス[He]を使用しても良好に検出するこ
とができる。即ち、溶存ガスを必要に応じてその濃度を
可変させることにより、分離部における分離精度を確実
に確保することが可能となり、これにより、検出に必要
な単一成分のガス検出精度が確実に行い得、精度の高い
ガス分析を迅速・確実に行うことができる。これによ
り、変圧器1の異常・劣化判断に必要な信頼性の高い基
準データを容易に得ることができるので利便である。
【0066】本発明では、前記のように、一つの試料
(絶縁油)の分析作業が終了したときは、排出バルブ1
6を開設して採油ビン13内の絶縁油4を第1のキャリ
アガスを噴出させた状態で排水管15を通して廃油ドレ
ン17に排出する。絶縁油4の排出が終了したら、排出
バルブ16を閉じるとともに、注入バルブ19を閉じて
第1のキャリアガスの噴出を停止する。この状態で、つ
づいて真空ポンプ26を駆動し、ガス流通管20,電磁
切換弁22,22a,22b,22c,22d,ガス貯
留管24内を洗浄して次の試料のガス分析に備える。
【0067】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように電気絶縁
油から抽出した溶存ガスをガスクロマトグラフに送出す
る際、前記溶存ガスに悪影響を与えることの少ないキャ
リアガスの圧力を利用して送出するように構成したの
で、従来のように、溶存ガスを送出するためにテプラー
ポンプ方式,ピストン方式,ベローズ方式等機械的に構
成した特殊の抽出装置を全く必要としないので、溶存ガ
スの抽出システムを簡素にかつ、経済的に構成すること
ができる。
【0068】又、本発明では、溶存ガスの抽出に当って
は、これを均一、あるいは不均一な状態で抽出できるよ
うに構成したので、溶存ガスをガスクロマトグラフにて
定性・定量分析を行う場合、溶存ガスを常に最適な抽出
量(抽出率)で単一成分のガス検出が可能となるため、
高精度の油入電気機器の故障・劣化判断を行うための基
準データを得ることができ利便である。
【0069】更に、抽出した溶存ガスが流通するガス流
通管は、溶存ガスを一時的に貯留するガス貯留管より径
小なパイプにて配管されているので、溶存ガスは拡散が
良好に抑制されて抽出率を高めることができるため、ガ
スクロマトグラフによる検出ガスの分析感度を良好に維
持・拡大することができる。その上、溶存ガスの流通経
路や貯留部位は、常時所定の温度で保温されているの
で、溶存ガスは凝縮することなく、円滑に、かつ、抽出
量を減少することなく供送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油入電気機器の縦断面図である。
【図2】絶縁油の抜き取り状態を示す説明図である。
【図3】本発明のガス分析装置における溶存ガスの抽出
・貯留手段を概略的に示す配管構成図である。
【図4】溶存ガスをガス分析手段に送出する状態を説明
する配管構成図である。
【図5】本発明のガス分析装置の第2実施例を示す配管
構成図である。
【図6】同じく第2実施例における溶存ガスのガス分析
手段への送出状態を示す配管構成図である。
【図7】本発明のガス分析装置の第3実施例を示す配管
構成図である。
【図8】同じく第3実施例における溶存ガスのガス分析
手段への送出状態を示す配管構成図である。
【符号の説明】
11,11a,11b ガス分析装置 12 検出手段 13 採油ビン 18 ガス供給管 20 ガス流通管 22,22a,22b,22c,22d 電磁切換弁 24 ガス貯留管 31 ガス分析手段 35 データの格納手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 30/86 G01N 30/86 P 33/28 33/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁油の収納容器と、前記収納容器
    に第1のキャリアガスを一定の圧力で供給するガス供給
    管と、前記収納容器から抽出される溶存ガスを貯留する
    ガス貯留管及び前記貯留管と連通されて溶存ガスを流通
    させるガス流通管並びに第2のキャリアガスを一定圧力
    で通流させるガス通流管とを個別に具備し、かつ、前記
    溶存ガスの貯留管及び流通管、ガス通流管を任意に連通
    可能に切換接続する電磁切換弁と、前記収納容器及び溶
    存ガスの流通路を減圧する減圧手段と、前記第2のキャ
    リアガスによりガス貯留管に貯留された溶存ガスを定性
    ・定量分析するガス分析手段と、前記ガス分析手段によ
    り分析された溶存ガスのガス成分を演算処理して油入電
    気機器の異常・劣化判断に必要な基準データを取出可能
    に格納するデータ処理手段とによって構成したことを特
    徴とする電気絶縁油中ガスの分析装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁切換弁は、溶存ガスの流入側
    を、第2のキャリアガスを通流するガス通流管を具備し
    た状態で、電気絶縁油の収納容器に対して複数個並列に
    ガス流通管を介して連接し、かつ、溶存ガスの流出側
    は、ガス分析装置に内蔵した所定ガスの検知器に前記ガ
    ス通流管を介して個別に連接して構成したことを特徴と
    する請求項1記載の電気絶縁油中ガスの分析装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁切換弁は、ガス貯留管に貯留す
    る溶存ガスをガス貯留管毎に均等に貯留するように配設
    して構成したことを特徴とする請求項2記載の電気絶縁
    油中ガスの分析装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁切換弁は、ガス貯留管に貯留す
    る溶存ガスをガス貯留管毎に不均一に貯留するように配
    設して構成したことを特徴とする請求項2記載の電気絶
    縁油中ガスの分析装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス流通管は、ガス貯留管よりも小
    径な配管を用いて構成したことを特徴とする請求項2記
    載の電気絶縁油中ガスの分析装置。
  6. 【請求項6】前記溶存ガスの流通経路及び貯留部位は、
    それぞれ溶存ガスの抽出・通流に適合する所定の温度に
    維持する加熱手段を具備して構成したことを特徴とする
    請求項1記載の電気絶縁油中ガスの分析装置。
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