JP3160820B2 - 研磨剤組成物 - Google Patents
研磨剤組成物Info
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- JP3160820B2 JP3160820B2 JP09721792A JP9721792A JP3160820B2 JP 3160820 B2 JP3160820 B2 JP 3160820B2 JP 09721792 A JP09721792 A JP 09721792A JP 9721792 A JP9721792 A JP 9721792A JP 3160820 B2 JP3160820 B2 JP 3160820B2
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- alumina
- polishing
- abrasive composition
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- abrasive
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- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は研磨剤組成物に関する。
詳しくは、研磨能率が著しく高く、すぐれた研磨表面を
形成することができる研磨剤組成物に関する。
詳しくは、研磨能率が著しく高く、すぐれた研磨表面を
形成することができる研磨剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水とアルミナからなる研磨剤組成
物は知られているが、研磨速度が十分でなく、研磨速度
を上げる目的でアルミナの粒径を大きくすると、研磨表
面に荒れが生ずるようになり、研磨速度と表面状態の両
方を満足するものとは言えなかった。
物は知られているが、研磨速度が十分でなく、研磨速度
を上げる目的でアルミナの粒径を大きくすると、研磨表
面に荒れが生ずるようになり、研磨速度と表面状態の両
方を満足するものとは言えなかった。
【0003】かかる状況下、研磨速度や表面状態の改良
のため、水とアルミナの系に種々の物質を添加すること
が提案されている。例えば特開昭54−89389号に
は水とアルミナに研磨促進剤として硝酸アルミニウム、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム
塩を添加した合成樹脂用研磨剤が提案されている。一
方、過去10年間に於いて、工業的規模の生産が飛躍的
に増加したシリコン及び化合物半導体基板、各種の磁気
メモリーハードディスク、レーザー部品等の材料の精密
研磨加工においては、特に加工面の平滑度、無欠陥性
(スクラッチ、オレンジピール、ピット、突起、クラッ
ク等の欠陥がないこと)に対する要求水準が、過去の研
磨加工技術水準に比して遙かに高度化すると共に、他
方、生産、検査設備等に多額の投資が必要な為、生産ス
ピードの向上、不良欠陥ロスの低減に依るコストカット
も重要な課題となっている。従って、これらの分野で使
用される研磨剤に就いても表面状態及び研磨速度の向上
に対する要望が極めて強いものとなっている。
のため、水とアルミナの系に種々の物質を添加すること
が提案されている。例えば特開昭54−89389号に
は水とアルミナに研磨促進剤として硝酸アルミニウム、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム
塩を添加した合成樹脂用研磨剤が提案されている。一
方、過去10年間に於いて、工業的規模の生産が飛躍的
に増加したシリコン及び化合物半導体基板、各種の磁気
メモリーハードディスク、レーザー部品等の材料の精密
研磨加工においては、特に加工面の平滑度、無欠陥性
(スクラッチ、オレンジピール、ピット、突起、クラッ
ク等の欠陥がないこと)に対する要求水準が、過去の研
磨加工技術水準に比して遙かに高度化すると共に、他
方、生産、検査設備等に多額の投資が必要な為、生産ス
ピードの向上、不良欠陥ロスの低減に依るコストカット
も重要な課題となっている。従って、これらの分野で使
用される研磨剤に就いても表面状態及び研磨速度の向上
に対する要望が極めて強いものとなっている。
【0004】かかる精密研磨加工に関しては、例えば特
開昭62−25187号には、メモリーハードディスク
の研磨の際も硝酸アルミニウムが研磨促進効果を奏する
ことが開示されている。更に硫酸ニッケル、蓚酸アルミ
ニウム等の無機酸あるいは有機酸の塩類、硫酸等のアン
モニウム塩類、金属の亜硝酸塩、キレート性化合物等が
研磨速度、表面状態を向上させる添加物として記載され
ている。また、特開平3−277683号には、砥粒と
して有機アルミニウムの加水分解によって得られたアル
ミナ水和物をか焼して得た平均1次粒子径0.35μm
以下、α相含有率95%以上で、形状が角状であるアル
ミナを用いると、研磨速度、表面状態が向上することが
記載されている。
開昭62−25187号には、メモリーハードディスク
の研磨の際も硝酸アルミニウムが研磨促進効果を奏する
ことが開示されている。更に硫酸ニッケル、蓚酸アルミ
ニウム等の無機酸あるいは有機酸の塩類、硫酸等のアン
モニウム塩類、金属の亜硝酸塩、キレート性化合物等が
研磨速度、表面状態を向上させる添加物として記載され
ている。また、特開平3−277683号には、砥粒と
して有機アルミニウムの加水分解によって得られたアル
ミナ水和物をか焼して得た平均1次粒子径0.35μm
以下、α相含有率95%以上で、形状が角状であるアル
ミナを用いると、研磨速度、表面状態が向上することが
記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
公知の研磨剤においても、研磨速度及び表面状態が必ず
しも十分ではなく、更に性能の改良された研磨剤が望ま
れている。本発明は研磨速度が向上し、しかも表面状態
の優れた研磨物が得られる研磨剤組成物の提供を目的と
するものである。
公知の研磨剤においても、研磨速度及び表面状態が必ず
しも十分ではなく、更に性能の改良された研磨剤が望ま
れている。本発明は研磨速度が向上し、しかも表面状態
の優れた研磨物が得られる研磨剤組成物の提供を目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を満足するよりすぐれた研磨剤組成物を得るべく鋭意
検討を重ねた結果、砥粒として特定の物性を有するアル
ミナを使用した時に、前記目的を満足する非常に優れた
研磨剤組成物が得られることを見い出し、本発明に到達
した。即ち、本発明の要旨は、1次粒子の形状が角状
で、平均1次粒子径が2μm以下、好ましくは0.4〜
1μmで、平均2次粒子径が10μm以下であり、しか
も、α相含有率が10〜80%、好ましくは20〜60
%であるアルミナを、水性媒体中に分散させてなる研磨
剤組成物に存する。
的を満足するよりすぐれた研磨剤組成物を得るべく鋭意
検討を重ねた結果、砥粒として特定の物性を有するアル
ミナを使用した時に、前記目的を満足する非常に優れた
研磨剤組成物が得られることを見い出し、本発明に到達
した。即ち、本発明の要旨は、1次粒子の形状が角状
で、平均1次粒子径が2μm以下、好ましくは0.4〜
1μmで、平均2次粒子径が10μm以下であり、しか
も、α相含有率が10〜80%、好ましくは20〜60
%であるアルミナを、水性媒体中に分散させてなる研磨
剤組成物に存する。
【0007】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明の研磨剤組成物は、砥粒成分としてアルミナを含有す
るものであるが、該アルミナとしては1次粒子の形状が
角状で、平均1次粒子径が2μm以下、平均2次粒子径
が10μm以下であり、α相含有率が10〜80%のも
のが用いられる。アルミナは、上記規定を満足するもの
であれば特に限定されないが、例えば、アルミナ水和物
をか焼して得られるアルミナには、原料及びその製造条
件によって、その1次粒子の形状が、板状、針状、角状
(粒子のエッジ部分が角ばった形状)、丸状(粒子のエ
ッジ部分が丸みを帯びた形状)等があり、本発明で用い
られるアルミナの1次粒子はその形状が角状である必要
がある。
明の研磨剤組成物は、砥粒成分としてアルミナを含有す
るものであるが、該アルミナとしては1次粒子の形状が
角状で、平均1次粒子径が2μm以下、平均2次粒子径
が10μm以下であり、α相含有率が10〜80%のも
のが用いられる。アルミナは、上記規定を満足するもの
であれば特に限定されないが、例えば、アルミナ水和物
をか焼して得られるアルミナには、原料及びその製造条
件によって、その1次粒子の形状が、板状、針状、角状
(粒子のエッジ部分が角ばった形状)、丸状(粒子のエ
ッジ部分が丸みを帯びた形状)等があり、本発明で用い
られるアルミナの1次粒子はその形状が角状である必要
がある。
【0008】また、本発明に用いられるアルミナの平均
一次粒子径は2μm以下、好ましくは0.4〜1.0μ
mである。あまりに小さいと研磨速度が小さくなり、逆
にあまりに大きいと研磨表面にスクラッチ等の荒れが生
じ、好ましくない。一方、アルミナ水和物は、加熱する
と脱水反応が起こり、γ、δ、θ相等の各種中間相を経
て、最終的にα相となるが、本発明に用いられるアルミ
ナのα相含有率は10〜80%である必要がある。α相
含有率があまりに小さいと研磨速度は小さくなる。逆に
あまりに大きくても研磨速度は小さくなる。好ましいα
相含有率は20〜60%である。
一次粒子径は2μm以下、好ましくは0.4〜1.0μ
mである。あまりに小さいと研磨速度が小さくなり、逆
にあまりに大きいと研磨表面にスクラッチ等の荒れが生
じ、好ましくない。一方、アルミナ水和物は、加熱する
と脱水反応が起こり、γ、δ、θ相等の各種中間相を経
て、最終的にα相となるが、本発明に用いられるアルミ
ナのα相含有率は10〜80%である必要がある。α相
含有率があまりに小さいと研磨速度は小さくなる。逆に
あまりに大きくても研磨速度は小さくなる。好ましいα
相含有率は20〜60%である。
【0009】なお、本発明のアルミナは、平均一次粒子
径が2μm以下であれば焼結等によりこれらの1次粒子
がいくつか結合した2次粒子の状態となっていてもよ
い。この場合、平均2次粒子径は通常、10μm以下、
好ましくは0.4〜2μmである。あまりに小さいと研
磨速度が小さくなり、逆にあまりに大きいと研磨表面に
スクラッチ等の荒れが生じる。
径が2μm以下であれば焼結等によりこれらの1次粒子
がいくつか結合した2次粒子の状態となっていてもよ
い。この場合、平均2次粒子径は通常、10μm以下、
好ましくは0.4〜2μmである。あまりに小さいと研
磨速度が小さくなり、逆にあまりに大きいと研磨表面に
スクラッチ等の荒れが生じる。
【0010】本発明において使用するアルミナは、通常
1次粒子が角状のアルミナ水和物(ジブサイト、バイヤ
ライト、ノストランダイト、ベーマイト等)や中間アル
ミナ(γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ等)
を、1次粒子の形状が角状であること及びアルミナ中の
α相含有率が10〜80%であることを維持しながらか
焼することによって得られる。か焼は、通常約1050
℃〜約1250℃の比較的低温で行なうのが好ましい。
か焼温度が高すぎると、焼結の進行により一次粒子が次
第に丸みを帯び、かつ、アルミナ中のα相含有率が80
%以上になるので好ましくない、特に、ジブサイトの水
熱処理により製造した1次粒子が角状のベーマイトを、
1100〜1200℃の比較的低温で均一な温度条件下
においてか焼したものが好適に使用される。
1次粒子が角状のアルミナ水和物(ジブサイト、バイヤ
ライト、ノストランダイト、ベーマイト等)や中間アル
ミナ(γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ等)
を、1次粒子の形状が角状であること及びアルミナ中の
α相含有率が10〜80%であることを維持しながらか
焼することによって得られる。か焼は、通常約1050
℃〜約1250℃の比較的低温で行なうのが好ましい。
か焼温度が高すぎると、焼結の進行により一次粒子が次
第に丸みを帯び、かつ、アルミナ中のα相含有率が80
%以上になるので好ましくない、特に、ジブサイトの水
熱処理により製造した1次粒子が角状のベーマイトを、
1100〜1200℃の比較的低温で均一な温度条件下
においてか焼したものが好適に使用される。
【0011】本発明の研磨剤組成物は、かかるアルミナ
を砥粒成分として含有する研磨剤組成物である。砥粒を
含有させる媒体としては、水、鉱物油、脂肪油、脂肪、
油脂、ろう、金属石けん、樹脂、アルコール類等が挙げ
られるが、本発明の研磨剤組成物は、特に水性媒体系で
あるのが好ましく、水性媒体を使用した場合半導体基
板、磁気メモリーハードディスク、レーザー部品等の材
料の精密研磨加工において、良好な表面状態が得られ易
く好ましい。なお、水性研磨媒体としては、通常水を主
体とするものが用いられるが、研摩性能を損わない範囲
で後述の添加剤を含んでいることも可能である。
を砥粒成分として含有する研磨剤組成物である。砥粒を
含有させる媒体としては、水、鉱物油、脂肪油、脂肪、
油脂、ろう、金属石けん、樹脂、アルコール類等が挙げ
られるが、本発明の研磨剤組成物は、特に水性媒体系で
あるのが好ましく、水性媒体を使用した場合半導体基
板、磁気メモリーハードディスク、レーザー部品等の材
料の精密研磨加工において、良好な表面状態が得られ易
く好ましい。なお、水性研磨媒体としては、通常水を主
体とするものが用いられるが、研摩性能を損わない範囲
で後述の添加剤を含んでいることも可能である。
【0012】研磨剤組成物中のアルミナの含有量は、通
常、1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%であ
る。あまりに少ないと研磨速度が小さくなり、逆にあま
りに多いと均一分散が保てなくなり、また、組成物が液
状の場合、スラリーの粘度が過大となって取扱いが困難
となる。なお、かかる濃度範囲は、実際の研磨加工時に
好ましい濃度範囲であり、本発明の研磨剤組成物は、比
較的高濃度の原液を調製し、実際の研磨加工時に希釈し
て使用することも可能である。
常、1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%であ
る。あまりに少ないと研磨速度が小さくなり、逆にあま
りに多いと均一分散が保てなくなり、また、組成物が液
状の場合、スラリーの粘度が過大となって取扱いが困難
となる。なお、かかる濃度範囲は、実際の研磨加工時に
好ましい濃度範囲であり、本発明の研磨剤組成物は、比
較的高濃度の原液を調製し、実際の研磨加工時に希釈し
て使用することも可能である。
【0013】また、本発明の研磨剤組成物は、研磨促進
等の目的で各種の公知の添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アル
ミニウム、硫酸ニッケル、蓚酸アルミニウム等の無機酸
あるいは有機酸の塩類、エチレンジアミンテトラ酢酸、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸等のキレート性化合
物、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム等の酸
あるいは塩基類、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコール等の水溶性アルコール類、アルキルベルゼン
スルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸のホルマリン
縮合物等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース
塩、ポリアクリル酸塩等の有機ポリアニオン系物質、セ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
類、ベーマイト等があげられる。
等の目的で各種の公知の添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アル
ミニウム、硫酸ニッケル、蓚酸アルミニウム等の無機酸
あるいは有機酸の塩類、エチレンジアミンテトラ酢酸、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸等のキレート性化合
物、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム等の酸
あるいは塩基類、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコール等の水溶性アルコール類、アルキルベルゼン
スルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸のホルマリン
縮合物等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース
塩、ポリアクリル酸塩等の有機ポリアニオン系物質、セ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース
類、ベーマイト等があげられる。
【0014】なお、本発明者らは、先にアルミナを砥粒
成分として含有する研磨剤組成物にキレート性化合物、
またはこれに加えてアルミニウム塩若しくはベーマイト
を添加することにより、高い研磨速度と良好な表面状態
を得ることができることを見い出したが(特願平3−5
2750号)、本発明の研磨剤組成物にこれらの添加剤
を添加することにより更に良好な研磨性能を発揮するこ
とができる。
成分として含有する研磨剤組成物にキレート性化合物、
またはこれに加えてアルミニウム塩若しくはベーマイト
を添加することにより、高い研磨速度と良好な表面状態
を得ることができることを見い出したが(特願平3−5
2750号)、本発明の研磨剤組成物にこれらの添加剤
を添加することにより更に良好な研磨性能を発揮するこ
とができる。
【0015】本発明の研磨剤組成物は、金属、ガラス、
プラスチック等の研磨に使用されるが、欠陥のない研磨
表面が得られることから、メモリーハードディスク等の
研磨に特に好適である。
プラスチック等の研磨に使用されるが、欠陥のない研磨
表面が得られることから、メモリーハードディスク等の
研磨に特に好適である。
【0016】
【作用】本発明の研磨剤組成物において、アルミナが特
定のα相含有率である場合に最も高い研磨速度を示す理
由の詳細は不明であるが、α相含有率があまりに小さい
場合は、研磨に十分な硬度と分散性が得られないため研
磨速度が低下し、逆に、あまりに大きい場合には、焼結
の進行により角状であった一次粒子のエッジ部が丸みを
帯び、本発明のもう一つの特徴である形状が角状である
ことを維持できなくなり、研磨速度が低下するものと考
えられる。すなわち、アルミナのα相含有率が、研磨に
最も適当な硬度、分散性、形状を与えるものと考えられ
る。
定のα相含有率である場合に最も高い研磨速度を示す理
由の詳細は不明であるが、α相含有率があまりに小さい
場合は、研磨に十分な硬度と分散性が得られないため研
磨速度が低下し、逆に、あまりに大きい場合には、焼結
の進行により角状であった一次粒子のエッジ部が丸みを
帯び、本発明のもう一つの特徴である形状が角状である
ことを維持できなくなり、研磨速度が低下するものと考
えられる。すなわち、アルミナのα相含有率が、研磨に
最も適当な硬度、分散性、形状を与えるものと考えられ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例によって本発明の具体的態様を
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例により何等限定されるものではない。なお、本発明
において用いられるアルミナの物性値は、以下に記述す
る方法に従って測定した。
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例により何等限定されるものではない。なお、本発明
において用いられるアルミナの物性値は、以下に記述す
る方法に従って測定した。
【0018】1次粒子の形状:電子顕微鏡写真(3万
倍)により観察した。 平均1次粒子径:電子顕微鏡写真により、個々の1次粒
子径(長径と短径の平均)を読み、それを平均して(n
=10)、平均1次粒子径とした。 α相含有率 :試料となるアルミナのX線回折測定に
より、(113)面回折線の積分強度を求め、予めα相
含有率既知のアルミナを用い同様の測定をして得られた
検量線から、α相含有率を算出した。
倍)により観察した。 平均1次粒子径:電子顕微鏡写真により、個々の1次粒
子径(長径と短径の平均)を読み、それを平均して(n
=10)、平均1次粒子径とした。 α相含有率 :試料となるアルミナのX線回折測定に
より、(113)面回折線の積分強度を求め、予めα相
含有率既知のアルミナを用い同様の測定をして得られた
検量線から、α相含有率を算出した。
【0019】実施例1〜4 〔アルミナの製造〕ジブサイトをオートクレーブ内にお
いて200℃で4時間、水熱処理し、これを濾過、乾燥
してベーマイトを得た。このベーマイトを電気炉におい
て1100℃〜1200℃の範囲内の均一な温度で2時
間か焼した後、乾式粉砕機にて粉砕整粒して平均2次粒
子径1μm、最大粒子径3μmのアルミナ(a)、
(b)、(c)及び(d)を得た。このアルミナの物性
を表−1に示す。実施例1〜4の代表として、実施例2
のアルミナ(b)の電子顕微鏡写真(3万倍)を図1に
示す。実施例1,3,4のアルミナ(a)、(c)及び
(d)も同様の形状であった。
いて200℃で4時間、水熱処理し、これを濾過、乾燥
してベーマイトを得た。このベーマイトを電気炉におい
て1100℃〜1200℃の範囲内の均一な温度で2時
間か焼した後、乾式粉砕機にて粉砕整粒して平均2次粒
子径1μm、最大粒子径3μmのアルミナ(a)、
(b)、(c)及び(d)を得た。このアルミナの物性
を表−1に示す。実施例1〜4の代表として、実施例2
のアルミナ(b)の電子顕微鏡写真(3万倍)を図1に
示す。実施例1,3,4のアルミナ(a)、(c)及び
(d)も同様の形状であった。
【0020】〔研磨剤組成物の調製〕上記の如くして得
られたアルミナ(a)、(b)、(c)及び(d)を夫
々高速ミキサーを用いて水に分散させてスラリーとし、
さらに研磨促進剤としてジエチレントリアミンペンタ酢
酸五ナトリウム塩、硫酸アルミニウム及びベーマイトを
添加混合させて夫々研磨剤組成物を調製した。この際、
各成分の割合は、研磨剤組成物中、アルミナが5重量
%、ジエチレントリアミンペンタ酢酸五ナトリウム塩が
0.25重量%、硫酸アルミニウムが1重量%、ベーマ
イトが0.25重量%、水が93.5重量%となるよう
にした。なお、ベーマイトとしてはCondea Ch
emie社製DISPERAL(登録商標)を使用し
た。
られたアルミナ(a)、(b)、(c)及び(d)を夫
々高速ミキサーを用いて水に分散させてスラリーとし、
さらに研磨促進剤としてジエチレントリアミンペンタ酢
酸五ナトリウム塩、硫酸アルミニウム及びベーマイトを
添加混合させて夫々研磨剤組成物を調製した。この際、
各成分の割合は、研磨剤組成物中、アルミナが5重量
%、ジエチレントリアミンペンタ酢酸五ナトリウム塩が
0.25重量%、硫酸アルミニウムが1重量%、ベーマ
イトが0.25重量%、水が93.5重量%となるよう
にした。なお、ベーマイトとしてはCondea Ch
emie社製DISPERAL(登録商標)を使用し
た。
【0021】〔研磨テスト〕被加工物としてアルミニウ
ム基板にニッケル・リンの無電解メッキ(ニッケル90
〜92%、リン10〜8%の合金メッキ層)を施した
3.5インチメモリハードディスク(外径約95mm)
の基板を使用した。研磨は、両面研磨機(定盤径φ64
0mm)を使用して行なった。
ム基板にニッケル・リンの無電解メッキ(ニッケル90
〜92%、リン10〜8%の合金メッキ層)を施した
3.5インチメモリハードディスク(外径約95mm)
の基板を使用した。研磨は、両面研磨機(定盤径φ64
0mm)を使用して行なった。
【0022】研磨機の上下定盤にはスエードタイプの研
磨パッド(第1レース(株)製ドミテックス25−3)
を貼りつけ、ディスク5枚を装填して3分間研磨した。
研磨条件は加工圧力125g/cm2 、下定盤回転数5
0rpm、研磨剤供給量150cc/分とした。研磨
後、ディスクを洗浄、乾燥し、重量減から、研磨速度を
求めた。また、研磨後のディスクの表面状態を表面観察
し、評価した。表面観察は、微分干渉顕微鏡を用い、5
0倍〜400倍においてスクラッチ、オレンジピール、
ピット、突起等の有無を観察した。このテスト結果を表
−1に示す。
磨パッド(第1レース(株)製ドミテックス25−3)
を貼りつけ、ディスク5枚を装填して3分間研磨した。
研磨条件は加工圧力125g/cm2 、下定盤回転数5
0rpm、研磨剤供給量150cc/分とした。研磨
後、ディスクを洗浄、乾燥し、重量減から、研磨速度を
求めた。また、研磨後のディスクの表面状態を表面観察
し、評価した。表面観察は、微分干渉顕微鏡を用い、5
0倍〜400倍においてスクラッチ、オレンジピール、
ピット、突起等の有無を観察した。このテスト結果を表
−1に示す。
【0023】比較例1 実施例1のアルミナの製造において、ベーマイトのか焼
条件を、1080℃、2時間とした以外は、実施例1と
同様にして、表−1に記載する物性を有するアルミナ
(e)を製造し、実施例1と同様にして研磨剤組成物を
調製し、研磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
条件を、1080℃、2時間とした以外は、実施例1と
同様にして、表−1に記載する物性を有するアルミナ
(e)を製造し、実施例1と同様にして研磨剤組成物を
調製し、研磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
【0024】比較例2 実施例1のアルミナの製造において、ベーマイトのか焼
条件を、1220℃、2時間とした以外は、実施例1と
同様にして、表−1に記載する物性をアルミナ(f)を
製造し、実施例1と同様にして研磨剤組成物を調製し、
研磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
条件を、1220℃、2時間とした以外は、実施例1と
同様にして、表−1に記載する物性をアルミナ(f)を
製造し、実施例1と同様にして研磨剤組成物を調製し、
研磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
【0025】比較例3 実施例1のアルミナの製造において、ベーマイトのか焼
条件を、1230℃、5時間とした以外は、実施例1と
同様にして、表−1に記載する物性を有するアルミナ
(g)を製造し、実施例1と同様にして研磨組成物物を
調製し、研磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
条件を、1230℃、5時間とした以外は、実施例1と
同様にして、表−1に記載する物性を有するアルミナ
(g)を製造し、実施例1と同様にして研磨組成物物を
調製し、研磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
【0026】比較例4 実施例1において、アルミナとして、有機アルミニウム
の加水分解法により得た水和アルミナを、1100℃で
2時間か焼し、乾式粉砕機にて粉砕、整粒して得た、表
−1に記載する物性を有するアルミナ(h)を用いた以
外は、実施例1と同様にして研磨剤組成物を調製し、研
磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
の加水分解法により得た水和アルミナを、1100℃で
2時間か焼し、乾式粉砕機にて粉砕、整粒して得た、表
−1に記載する物性を有するアルミナ(h)を用いた以
外は、実施例1と同様にして研磨剤組成物を調製し、研
磨テストを行なった。結果を表−1に示す。
【0027】比較例5 比較例4において、水和アルミナのか焼条件が、120
0℃、2時間である以外は比較例4と同様にして、表−
1に記載する物性を有するアルミナ(i)を製造し、比
較例4と同様にして研磨組成物を調製し、研磨テストを
行なった。結果を表−1に示す。また、比較例5のアル
ミナの電子顕微鏡写真(3万倍)を図2に示した。
0℃、2時間である以外は比較例4と同様にして、表−
1に記載する物性を有するアルミナ(i)を製造し、比
較例4と同様にして研磨組成物を調製し、研磨テストを
行なった。結果を表−1に示す。また、比較例5のアル
ミナの電子顕微鏡写真(3万倍)を図2に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の研磨剤組成物によれば、極めて
高い研磨速度と、良好な表面状態が得られ、研磨加工能
率を著しく高めることができる。特に、水性媒体に分散
してなる本発明の研磨剤組成物は、精密研磨加工用とし
て極めて有用である。
高い研磨速度と、良好な表面状態が得られ、研磨加工能
率を著しく高めることができる。特に、水性媒体に分散
してなる本発明の研磨剤組成物は、精密研磨加工用とし
て極めて有用である。
【図1】実施例2のアルミナ(b)の粒子構造を電子顕
微鏡写真(3万倍)で表わした図面である。
微鏡写真(3万倍)で表わした図面である。
【図2】比較例5のアルミナ(i)の粒子構造を電子顕
微鏡写真(3万倍)で表わした図面である。
微鏡写真(3万倍)で表わした図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 敏男 新潟県上越市福田町1番地 三菱化成株 式会社直江津工場内 (72)発明者 小島 純夫 新潟県上越市福田町1番地 三菱化成株 式会社直江津工場内 (56)参考文献 特開 平3−277683(JP,A) 特開 平3−234785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/14 550 C01F 7/02
Claims (5)
- 【請求項1】 1次粒子の形状が角状で、平均1次粒子
径が2μm以下で、しかも、α相含有率が10〜80%
であるアルミナを水性媒体中に分散させてなる研磨剤組
成物。 - 【請求項2】 アルミナの平均1次粒子径が0.4〜1
μmであることを特徴とする請求項1記載の研磨剤組成
物。 - 【請求項3】 アルミナの平均2次粒子径が10μm以
下であることを特徴とする請求項1または2記載の研磨
剤組成物。 - 【請求項4】 アルミナのα相含有率が20〜60%で
あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の
研磨剤組成物。 - 【請求項5】 アルミナが、ジブサイトの水熱処理によ
り製造したベーマイトをか焼して得られたものであるこ
とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の研磨剤
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09721792A JP3160820B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 研磨剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09721792A JP3160820B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 研磨剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271647A JPH05271647A (ja) | 1993-10-19 |
JP3160820B2 true JP3160820B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=14186465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09721792A Expired - Lifetime JP3160820B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 研磨剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3160820B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101585249B1 (ko) * | 2008-08-18 | 2016-01-13 | 가부시키가이샤 후지미인코퍼레이티드 | 뵈마이트 입자의 제조 방법 및 알루미나 입자의 제조 방법 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6007592A (en) * | 1996-11-14 | 1999-12-28 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Polishing composition for aluminum disk and polishing process therewith |
JPH11268911A (ja) * | 1998-01-08 | 1999-10-05 | Nissan Chem Ind Ltd | アルミナ粉末及びその製造方法並びに研磨用組成物 |
JP5063339B2 (ja) * | 2007-12-28 | 2012-10-31 | 花王株式会社 | ハードディスク基板用研磨液組成物、並びにこれを用いた研磨方法及びハードディスク基板の製造方法 |
KR101268007B1 (ko) | 2008-06-13 | 2013-05-27 | 가부시키가이샤 후지미인코퍼레이티드 | 알루미늄 산화물 입자 및 이를 포함하는 연마용 조성물 |
-
1992
- 1992-03-24 JP JP09721792A patent/JP3160820B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101585249B1 (ko) * | 2008-08-18 | 2016-01-13 | 가부시키가이샤 후지미인코퍼레이티드 | 뵈마이트 입자의 제조 방법 및 알루미나 입자의 제조 방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05271647A (ja) | 1993-10-19 |
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