JP3156512B2 - 積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造 - Google Patents
積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造Info
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K2103/00—Materials to be soldered, welded or cut
- B23K2103/02—Iron or ferrous alloys
- B23K2103/04—Steel or steel alloys
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、積層鋼板と普通鋼板
とのレーザー溶接結合部構造の改良に関する。
とのレーザー溶接結合部構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】積層鋼板は、鋼板間に高分子樹脂が存在
するもので、加工性、施工性等は、普通鋼板の場合とは
全く異なり、プレス成形時に表皮鋼板が剥離すること、
曲げ加工時に形状異常(カモメ現象)が起こること、ス
ポット溶接が困難となること、ネジ止め部でトルクダウ
ンが起こること、タップ加工部の強度が低く、充分な締
結強度が得られないこと、積層鋼板端部の耐食性が劣る
こと等、多くの適用上の問題点がある。
するもので、加工性、施工性等は、普通鋼板の場合とは
全く異なり、プレス成形時に表皮鋼板が剥離すること、
曲げ加工時に形状異常(カモメ現象)が起こること、ス
ポット溶接が困難となること、ネジ止め部でトルクダウ
ンが起こること、タップ加工部の強度が低く、充分な締
結強度が得られないこと、積層鋼板端部の耐食性が劣る
こと等、多くの適用上の問題点がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、積層
鋼板そのものを改良する方法がある。例えば、高分子樹
脂の弾性率、伸びを限定し、表皮鋼板との接着力を高め
ることにより、加工性を向上する方法(特開昭60−8
2349号公報)、高分子樹脂に導電性金属粉を添加
し、スポット溶接性を付与する方法(特開昭50−79
920号公報、特公昭60−912号公報、特開昭62
−87341号公報、特開昭57−146649号公
報、特公昭61−29261号公報)、ボルト締め部を
加熱した状態でボルト締めし、高分子樹脂の厚みを薄く
した状態にすることにより、トルクダウンを防止する方
法(特公昭63−34324号公報)、腐食環境下で溶
出の少ない表面処理鋼板を用いて、端面耐食性を向上す
る方法(特公平2−27145号公報)等がある。
鋼板そのものを改良する方法がある。例えば、高分子樹
脂の弾性率、伸びを限定し、表皮鋼板との接着力を高め
ることにより、加工性を向上する方法(特開昭60−8
2349号公報)、高分子樹脂に導電性金属粉を添加
し、スポット溶接性を付与する方法(特開昭50−79
920号公報、特公昭60−912号公報、特開昭62
−87341号公報、特開昭57−146649号公
報、特公昭61−29261号公報)、ボルト締め部を
加熱した状態でボルト締めし、高分子樹脂の厚みを薄く
した状態にすることにより、トルクダウンを防止する方
法(特公昭63−34324号公報)、腐食環境下で溶
出の少ない表面処理鋼板を用いて、端面耐食性を向上す
る方法(特公平2−27145号公報)等がある。
【0004】しかし、積層鋼板そのものを改良する方法
では適用上の問題点がある程度は改良されるものの、適
用にあたってプレス金型の形状調整、スポット溶接条件
の変更、作業工程の増加等が必要であり、積層鋼板の適
用性に関して抜本的な解決には至らない。
では適用上の問題点がある程度は改良されるものの、適
用にあたってプレス金型の形状調整、スポット溶接条件
の変更、作業工程の増加等が必要であり、積層鋼板の適
用性に関して抜本的な解決には至らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、積層鋼板
と普通鋼板とをレーザー溶接により結合することによ
り、積層鋼板で問題となる部分を普通鋼板に置き換える
試みがなされている。しかしこのものは、レーザー結合
部に溶接中に樹脂が分解して生ずるガスが混入して、充
分な接合部強度やプレス成形に耐え得る伸び特性が得ら
れないという問題がある。例えば、特開昭59−330
90号公報では、積層鋼板と普通鋼板とを両鋼板の結合
線よりも普通鋼板側に0.1〜0.5mm偏った線に沿
って、レーザービームを移動させ接合し、積層鋼板の問
題部分を普通鋼板に置き換えることにより、積層鋼板適
用上の欠点を解消する方法が提案されている。しかしこ
の方法では、積層鋼板側の溶け込みが不充分であり、充
分な接合部強度および伸び特性が得られず、積層鋼板と
普通鋼板のレーザー結合材は、未だ実用化にあたっては
結合部の特性に問題がある。
と普通鋼板とをレーザー溶接により結合することによ
り、積層鋼板で問題となる部分を普通鋼板に置き換える
試みがなされている。しかしこのものは、レーザー結合
部に溶接中に樹脂が分解して生ずるガスが混入して、充
分な接合部強度やプレス成形に耐え得る伸び特性が得ら
れないという問題がある。例えば、特開昭59−330
90号公報では、積層鋼板と普通鋼板とを両鋼板の結合
線よりも普通鋼板側に0.1〜0.5mm偏った線に沿
って、レーザービームを移動させ接合し、積層鋼板の問
題部分を普通鋼板に置き換えることにより、積層鋼板適
用上の欠点を解消する方法が提案されている。しかしこ
の方法では、積層鋼板側の溶け込みが不充分であり、充
分な接合部強度および伸び特性が得られず、積層鋼板と
普通鋼板のレーザー結合材は、未だ実用化にあたっては
結合部の特性に問題がある。
【0006】本発明は、上記のような積層鋼板を適用す
る上での問題点を解決した積層鋼板結合部構造を提供す
るもので、積層鋼板本来の特性を失う事なく、かつ普通
鋼板と同一条件で加工が可能な結合部特性を有するレー
ザー溶接にて結合した積層鋼板と普通鋼板との溶接都合
部構造を得ることを目的とする。
る上での問題点を解決した積層鋼板結合部構造を提供す
るもので、積層鋼板本来の特性を失う事なく、かつ普通
鋼板と同一条件で加工が可能な結合部特性を有するレー
ザー溶接にて結合した積層鋼板と普通鋼板との溶接都合
部構造を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の積層鋼板と普通鋼
板等とのレーザー溶接結合部構造において、結合部に必
要なことは双方の鋼板に充分な溶け込みを持たせ、か
つ、結合部におけるガスの混入を防ぎ、プレス成形加工
などに耐え得る充分な結合部強度と伸び特性を確保する
ことである。
板等とのレーザー溶接結合部構造において、結合部に必
要なことは双方の鋼板に充分な溶け込みを持たせ、か
つ、結合部におけるガスの混入を防ぎ、プレス成形加工
などに耐え得る充分な結合部強度と伸び特性を確保する
ことである。
【0008】上記課題を解決するために、本発明者らは
積層鋼板と普通鋼板とをレーザー溶接により接合した積
層鋼板部材に関して検討を行い、本発明を完成した。す
なわち、本発明の積層鋼板部材は、結合部において、大
きさ0.05mm径以上のブローホールが10個/m以
下で、かつ溶込み量イ)、ロ)が下記の範囲にあり、 イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
さ) ロ)板幅方向 0.35×T≦w≦0.75×T (wは結合部の溶込み幅) さらに、結合部の溶接金属中の炭素量を0.07重量%
以下に抑え、あるいは、結合部の硬度を400Hv以下
とした積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造
である。
積層鋼板と普通鋼板とをレーザー溶接により接合した積
層鋼板部材に関して検討を行い、本発明を完成した。す
なわち、本発明の積層鋼板部材は、結合部において、大
きさ0.05mm径以上のブローホールが10個/m以
下で、かつ溶込み量イ)、ロ)が下記の範囲にあり、 イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
さ) ロ)板幅方向 0.35×T≦w≦0.75×T (wは結合部の溶込み幅) さらに、結合部の溶接金属中の炭素量を0.07重量%
以下に抑え、あるいは、結合部の硬度を400Hv以下
とした積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造
である。
【0009】
【作用】本発明の作用について図1を参照しながら説明
する。図1は本発明の基本的な構造を模式的に示す断面
図である。積層鋼板1は表皮鋼板2,2間に高分子樹脂
3を挟んで構成され、この積層鋼板1と普通鋼板4とを
レーザー接合部5で結合している。
する。図1は本発明の基本的な構造を模式的に示す断面
図である。積層鋼板1は表皮鋼板2,2間に高分子樹脂
3を挟んで構成され、この積層鋼板1と普通鋼板4とを
レーザー接合部5で結合している。
【0010】本発明に適用される積層鋼板1には、表皮
鋼板2が例えば板厚0.2〜1.6mmの冷延鋼板、メ
ッキ鋼板、合金化メッキ鋼板等各種の鋼板が挙げられ、
高分子樹脂として、例えば0.02〜2mm程度のポリ
オレフィン、ポリアミド、ナイロン等の熱可塑性樹脂、
あるいはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂およびこれらをゴム変成した
もの等の熱硬化性樹脂等、一般に積層鋼板に用いられて
いるものが挙げられる。特に、結合部へのガスの混入を
抑制するためには、樹脂の厚みは0.02〜0.2mm
が望ましく、特に0.02〜0.1mmが望ましい。
鋼板2が例えば板厚0.2〜1.6mmの冷延鋼板、メ
ッキ鋼板、合金化メッキ鋼板等各種の鋼板が挙げられ、
高分子樹脂として、例えば0.02〜2mm程度のポリ
オレフィン、ポリアミド、ナイロン等の熱可塑性樹脂、
あるいはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂およびこれらをゴム変成した
もの等の熱硬化性樹脂等、一般に積層鋼板に用いられて
いるものが挙げられる。特に、結合部へのガスの混入を
抑制するためには、樹脂の厚みは0.02〜0.2mm
が望ましく、特に0.02〜0.1mmが望ましい。
【0011】また、普通鋼板として冷延鋼板、メッキ鋼
板、合金化メッキ鋼板等各種の鋼板が適用でき、板厚と
しては積層鋼板のトータル厚と同厚であることが望まし
い。次に、本発明の積層鋼板結合部構造は、結合部にお
いて、大きさ0.05mm径以上のブローホールが10
個/m以下で、かつ溶込み量イ)、ロ)が下記の範囲に
あるものである。
板、合金化メッキ鋼板等各種の鋼板が適用でき、板厚と
しては積層鋼板のトータル厚と同厚であることが望まし
い。次に、本発明の積層鋼板結合部構造は、結合部にお
いて、大きさ0.05mm径以上のブローホールが10
個/m以下で、かつ溶込み量イ)、ロ)が下記の範囲に
あるものである。
【0012】 イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは板厚) ロ)板幅方向 0.35×T≦w≦0.75×T その理由を以下に示す。
【0013】まず、ブローホールは亀裂の起点となるも
のであり、そのため、0.05mm以上のブローホール
が10個/m以下では特に問題はないが、10個/mを
越えて存在すると、結合部の引張り強さが著しく低下
し、成形加工に耐え得る強度が不足する。なお、0.0
5mm未満のブローホールは、亀裂の起点とはならない
ので、通常は特に考慮する必要はない。
のであり、そのため、0.05mm以上のブローホール
が10個/m以下では特に問題はないが、10個/mを
越えて存在すると、結合部の引張り強さが著しく低下
し、成形加工に耐え得る強度が不足する。なお、0.0
5mm未満のブローホールは、亀裂の起点とはならない
ので、通常は特に考慮する必要はない。
【0014】溶込み量(板厚方向)は、上記イ)未満で
は、積層鋼板の下板に対する溶接不良を発生し、結合部
の強度が低下する。また、溶込み量(板幅方向)が上記
ロ)の範囲未満では入熱不足のため、充分な溶込み深さ
が得られず、積層鋼板の下板に対する溶接不良を発生
し、結合部の強度が低下し、成形加工時に結合部破断が
起こる。一方、溶込み量(板幅方向)が上記イ)の範囲
を越えると、入熱が大きいため、溶接時に樹脂が分解し
て生ずるガスが多くなり、0.05mm以上のブローホ
ールの発生が多くなり、結合部の強度が低下するととも
に、ビードの溶け落ちも生じやすくなる。
は、積層鋼板の下板に対する溶接不良を発生し、結合部
の強度が低下する。また、溶込み量(板幅方向)が上記
ロ)の範囲未満では入熱不足のため、充分な溶込み深さ
が得られず、積層鋼板の下板に対する溶接不良を発生
し、結合部の強度が低下し、成形加工時に結合部破断が
起こる。一方、溶込み量(板幅方向)が上記イ)の範囲
を越えると、入熱が大きいため、溶接時に樹脂が分解し
て生ずるガスが多くなり、0.05mm以上のブローホ
ールの発生が多くなり、結合部の強度が低下するととも
に、ビードの溶け落ちも生じやすくなる。
【0015】次に、結合部の溶接金属中の炭素量を0.
07重量%以下に抑えまたは結合部の硬度を400Hv
以下より好ましくは300Hv以下とする。その理由
は、以下である。
07重量%以下に抑えまたは結合部の硬度を400Hv
以下より好ましくは300Hv以下とする。その理由
は、以下である。
【0016】結合部の硬度は加工性に大きく影響し、硬
さが大きいと伸び特性が低下する。特に、溶接部の硬さ
が400Hvを越えると、著しい伸びの低下を招き、プ
レス成形時に結合部付近での破断が発生してしまう。な
お、深絞り成形が行われる場合は、時に伸び特性が重要
となるので、溶接部の硬さが300Hv以下がより望ま
しい。ここで、結合部は溶融状態から急速に冷却される
ため、焼きが入りやすく、そのため結合部の硬さは大き
くなりやすい。これを抑制して結合部の硬度を400H
v以下とするために、溶接時のシールドガスを低減して
徐冷したり、また結合部の溶接金属中の炭素量を低減し
て硬度の上昇を抑制するなどの手段を講じることができ
る。溶接条件にもよるが、例えば、炭素量を0.07重
量%以下にすることで溶接部の硬さを400Hv以下に
することが可能である。
さが大きいと伸び特性が低下する。特に、溶接部の硬さ
が400Hvを越えると、著しい伸びの低下を招き、プ
レス成形時に結合部付近での破断が発生してしまう。な
お、深絞り成形が行われる場合は、時に伸び特性が重要
となるので、溶接部の硬さが300Hv以下がより望ま
しい。ここで、結合部は溶融状態から急速に冷却される
ため、焼きが入りやすく、そのため結合部の硬さは大き
くなりやすい。これを抑制して結合部の硬度を400H
v以下とするために、溶接時のシールドガスを低減して
徐冷したり、また結合部の溶接金属中の炭素量を低減し
て硬度の上昇を抑制するなどの手段を講じることができ
る。溶接条件にもよるが、例えば、炭素量を0.07重
量%以下にすることで溶接部の硬さを400Hv以下に
することが可能である。
【0017】なお、注意しなければいけないのは、積層
鋼板の溶接では、単板の溶接とは異なり、結合部には積
層鋼板の溶接特有の現象が起こる。すなわち、従来で
は、ほとんど無視できると考えられていたが、積層鋼板
中の樹脂が分解して生ずる炭素も混入して、炭素量が増
大して大幅な硬度上昇を引き起こし、成形性を低下させ
る。従って、積層鋼板の場合、炭素量を0.07重量%
以下に押さえ込み、溶接部の硬さを400Hv以下にす
るためには、樹脂の溶接金属中への溶込み量をも抑制す
る必要がある。
鋼板の溶接では、単板の溶接とは異なり、結合部には積
層鋼板の溶接特有の現象が起こる。すなわち、従来で
は、ほとんど無視できると考えられていたが、積層鋼板
中の樹脂が分解して生ずる炭素も混入して、炭素量が増
大して大幅な硬度上昇を引き起こし、成形性を低下させ
る。従って、積層鋼板の場合、炭素量を0.07重量%
以下に押さえ込み、溶接部の硬さを400Hv以下にす
るためには、樹脂の溶接金属中への溶込み量をも抑制す
る必要がある。
【0018】以上のことから、本発明では成形性を向上
させるために結合部のビード幅やビード深さ、ブローホ
ール数の限定のみではなくて、結合部の硬度や炭素量を
限定する。そのための溶接条件としては、例えば、シー
ルドガス量を低減して徐冷したり、もともと炭素量の多
い鋼板を使用する場合にビード幅を0.35mmT(T
は板厚)以上確保するもできるだけ小さくする方法があ
る。
させるために結合部のビード幅やビード深さ、ブローホ
ール数の限定のみではなくて、結合部の硬度や炭素量を
限定する。そのための溶接条件としては、例えば、シー
ルドガス量を低減して徐冷したり、もともと炭素量の多
い鋼板を使用する場合にビード幅を0.35mmT(T
は板厚)以上確保するもできるだけ小さくする方法があ
る。
【0019】以上のように、本発明の結合部構造は、結
合部の強度および伸び特性が一層向上し、従来結合部で
割れが発生するような、より厳しい成形加工にも耐え得
ることができる。
合部の強度および伸び特性が一層向上し、従来結合部で
割れが発生するような、より厳しい成形加工にも耐え得
ることができる。
【0020】次に、本発明の積層鋼板結合部構造の適用
例を述べる。図2は、通常の積層鋼板ではプレス成形時
に表皮鋼板のずれにより、剥離が生じる部分への適用例
で、1は積層鋼板、4は普通鋼板である。剥離が生ずる
と、場合によっては、表皮鋼板に割れが発生することが
あるが、結合部がプレス成形に充分耐え得る強度と伸び
特性を保持しているため、剥離する部分を普通鋼板4に
置き換えれば、この問題は解決できる。これにより、剥
離が発生し、適用が困難な部品への適用が可能になる。
例を述べる。図2は、通常の積層鋼板ではプレス成形時
に表皮鋼板のずれにより、剥離が生じる部分への適用例
で、1は積層鋼板、4は普通鋼板である。剥離が生ずる
と、場合によっては、表皮鋼板に割れが発生することが
あるが、結合部がプレス成形に充分耐え得る強度と伸び
特性を保持しているため、剥離する部分を普通鋼板4に
置き換えれば、この問題は解決できる。これにより、剥
離が発生し、適用が困難な部品への適用が可能になる。
【0021】図3〜図5は、成形加工後の適用例であ
る。本発明の積層鋼板結合部構造は、プレス成形に耐え
得る結合部強度を保持しているため、通常鋼板と同一条
件で成形加工が可能である。したがって、適用上、従来
の積層鋼板で問題となる部分を、普通鋼板に置き換える
ことにより、通常鋼板と全く同様の適用が可能となる。
る。本発明の積層鋼板結合部構造は、プレス成形に耐え
得る結合部強度を保持しているため、通常鋼板と同一条
件で成形加工が可能である。したがって、適用上、従来
の積層鋼板で問題となる部分を、普通鋼板に置き換える
ことにより、通常鋼板と全く同様の適用が可能となる。
【0022】図3は、通常の積層鋼板においては高分子
樹脂が電気絶縁体であるためにスポット溶接が困難であ
るスポット溶接部への適用例で、1は積層鋼板、4,4
は普通鋼板、5はレーザー溶接部、6,6は電極であ
る。図4は、通常の積層鋼板においてはネジ止め部にお
いてトルクダウンが発生し問題となるネジ止め部への適
用例で、1は積層鋼板、4,4は普通鋼板、5はレーザ
ー溶接部、7はねじ止め部である。図5は、通常の積層
鋼板ではボルトを固定するに充分な強度が得られないと
いう問題があるタップ加工部への適用例で、1は積層鋼
板、4,4は普通鋼板、5はレーザー溶接部、8はタッ
プ加工部である。これらの問題部分を普通鋼板4に置き
換えることにより、これらの問題は解決できる。
樹脂が電気絶縁体であるためにスポット溶接が困難であ
るスポット溶接部への適用例で、1は積層鋼板、4,4
は普通鋼板、5はレーザー溶接部、6,6は電極であ
る。図4は、通常の積層鋼板においてはネジ止め部にお
いてトルクダウンが発生し問題となるネジ止め部への適
用例で、1は積層鋼板、4,4は普通鋼板、5はレーザ
ー溶接部、7はねじ止め部である。図5は、通常の積層
鋼板ではボルトを固定するに充分な強度が得られないと
いう問題があるタップ加工部への適用例で、1は積層鋼
板、4,4は普通鋼板、5はレーザー溶接部、8はタッ
プ加工部である。これらの問題部分を普通鋼板4に置き
換えることにより、これらの問題は解決できる。
【0023】腐食環境下で使用される場合についても、
通常の積層鋼板においては、端部において、表皮鋼板と
高分子樹脂との界面からの腐食、いわゆる端面腐食が発
生するため、普通鋼板に比べて端面からの腐食速度が速
い欠点がある。端部を普通鋼板に置き換えることにより
この問題も解決できる。
通常の積層鋼板においては、端部において、表皮鋼板と
高分子樹脂との界面からの腐食、いわゆる端面腐食が発
生するため、普通鋼板に比べて端面からの腐食速度が速
い欠点がある。端部を普通鋼板に置き換えることにより
この問題も解決できる。
【0024】以上のように、本発明の積層鋼板結合部構
造は、従来から問題となっていた結合部の強度だけでな
く、伸び特性をも一層向上でき、厳しいプレス成形加工
などに耐え得る接合部強度と伸び特性を両立するレーザ
ー溶接結合材を得ることができる。また、積層鋼板で問
題となる一部分を普通鋼板で置き換えればよいので、積
層鋼板の特長を活かせ、通常の積層鋼板適用時の多くの
問題を解決でき、積層鋼板の用途が大幅に拡大できる。
造は、従来から問題となっていた結合部の強度だけでな
く、伸び特性をも一層向上でき、厳しいプレス成形加工
などに耐え得る接合部強度と伸び特性を両立するレーザ
ー溶接結合材を得ることができる。また、積層鋼板で問
題となる一部分を普通鋼板で置き換えればよいので、積
層鋼板の特長を活かせ、通常の積層鋼板適用時の多くの
問題を解決でき、積層鋼板の用途が大幅に拡大できる。
【0025】
【実施例】本発明の実施例を比較例とともに説明する。 (実施例1)溶接速度を変えて積層鋼板と普通鋼板との
レーザー溶接を行い、ビード幅の異なる結合材を作製し
た。溶接条件を下記に示す。
レーザー溶接を行い、ビード幅の異なる結合材を作製し
た。溶接条件を下記に示す。
【0026】溶接条件 (1)積層鋼板 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.4mmt 2)高分子樹脂 ;熱硬化アクリル系、樹脂厚50μm (2)普通鋼板 1)冷延鋼板、板厚0.8mmt (3)溶接条件 1)レーザーの種類 ;炭酸ガス 2)出力 ;3kW,連続発振 3)シールドガス ;Arガス、5 l/min. 4)溶接速度 ;2〜15 m/min. ビード幅とブローホール(大きさ0.05mm以上)数
を図6に、また、ビード幅と溶込み深さを図7に示す。
さらに、ビード幅と継ぎ手の引張り強さを図8に示す。
を図6に、また、ビード幅と溶込み深さを図7に示す。
さらに、ビード幅と継ぎ手の引張り強さを図8に示す。
【0027】図6から、ビード幅が増すにつれて、ブロ
ーホールの個数が増大することが判る。また、図7か
ら、ビード幅が増すにつれて、溶込み深さが増大するこ
とが判る。次に、図8から、ビード幅が0.3〜0.6
mm程度の範囲で高い引張り強さが得られることが判
る。この範囲では、引張り試験においても、結合部での
破断が認められず、良好な結合部特性を有していた。さ
らに、この範囲は、ブローホール10個/m以下であ
り、かつ溶込み深さが0.64mm以上の範囲に対応し
ている。ビード幅が大きくなると引張り強さが低下する
のは、ブローホール数が増大するためである。一方、ビ
ード幅が小さくなると引張り強さが低下するのは、溶込
み深さが減少するためである。
ーホールの個数が増大することが判る。また、図7か
ら、ビード幅が増すにつれて、溶込み深さが増大するこ
とが判る。次に、図8から、ビード幅が0.3〜0.6
mm程度の範囲で高い引張り強さが得られることが判
る。この範囲では、引張り試験においても、結合部での
破断が認められず、良好な結合部特性を有していた。さ
らに、この範囲は、ブローホール10個/m以下であ
り、かつ溶込み深さが0.64mm以上の範囲に対応し
ている。ビード幅が大きくなると引張り強さが低下する
のは、ブローホール数が増大するためである。一方、ビ
ード幅が小さくなると引張り強さが低下するのは、溶込
み深さが減少するためである。
【0028】以上のことから、充分な引張り強度を得る
ためには、ブローホールの個数が10個/m以下であ
り、溶込み深さが0.64mm(0.8mmT)以上必
要であることが判る。
ためには、ブローホールの個数が10個/m以下であ
り、溶込み深さが0.64mm(0.8mmT)以上必
要であることが判る。
【0029】図9には、表皮鋼板の板厚を変えた場合
(0.2〜1.6mm)の適正引張り強度が得られる範
囲を示す。図から、適正引張り強度はビード幅が0.3
5mmT〜0.75mmTの範囲の場合に得られる、こ
とが判る。
(0.2〜1.6mm)の適正引張り強度が得られる範
囲を示す。図から、適正引張り強度はビード幅が0.3
5mmT〜0.75mmTの範囲の場合に得られる、こ
とが判る。
【0030】(実施例2)同様に積層鋼板と普通鋼板と
をレーザー溶接により接合し、結合部の硬度を調査し
た。溶接条件を下記に示す。
をレーザー溶接により接合し、結合部の硬度を調査し
た。溶接条件を下記に示す。
【0031】溶接条件 (1)積層鋼板 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.5mmt 2)高分子樹脂 ;エチレン−アクリル酸エステル共重
合体(ポリオレフィン)、樹脂厚50μm (2)普通鋼板 1)冷延鋼板、板厚1.0mmt (3)溶接条件 1)レーザーの種類 ;炭酸ガス 2)出力 ;3kW,連続発振 3)シールドガス ;Arガス、20 l/min. 4)溶接速度 ;2〜6 m/min. これらの結合材について、結合部の硬度および炭素量を
測定し、また図10に示すように結合部が側壁部に位置
するように、50H ×100W ×100L mmの角筒に
プレス成形を行った。結果を、表1にまとめて示す。
合体(ポリオレフィン)、樹脂厚50μm (2)普通鋼板 1)冷延鋼板、板厚1.0mmt (3)溶接条件 1)レーザーの種類 ;炭酸ガス 2)出力 ;3kW,連続発振 3)シールドガス ;Arガス、20 l/min. 4)溶接速度 ;2〜6 m/min. これらの結合材について、結合部の硬度および炭素量を
測定し、また図10に示すように結合部が側壁部に位置
するように、50H ×100W ×100L mmの角筒に
プレス成形を行った。結果を、表1にまとめて示す。
【0032】
【表1】
【0033】試験材1,2(比較例)で硬度が大きいの
は炭素量が多いため、焼きが入ったためであり、炭素量
が多くなったのはビード幅が広く、樹脂中の炭素量が多
く溶け込んだためと考えられる。試験材3(実施例)で
は、硬度および炭素量ともに本発明の範囲内であり、成
形性は良好であった。
は炭素量が多いため、焼きが入ったためであり、炭素量
が多くなったのはビード幅が広く、樹脂中の炭素量が多
く溶け込んだためと考えられる。試験材3(実施例)で
は、硬度および炭素量ともに本発明の範囲内であり、成
形性は良好であった。
【0034】以上のことから、溶接部の炭素量を0.0
7重量%以下に抑え、溶接部の硬度を400Hv以下に
抑えることにより、加工性に優れたレーザー溶接結合材
を得ることができる。 (実施例3)上記の結果をもとに、種々の溶接条件でレ
ーザー溶接を行い、評価を行った。実施例および比較例
における、レーザー結合部の評価結果をまとめて、表2
(実施例)、表3(比較例)に示す。
7重量%以下に抑え、溶接部の硬度を400Hv以下に
抑えることにより、加工性に優れたレーザー溶接結合材
を得ることができる。 (実施例3)上記の結果をもとに、種々の溶接条件でレ
ーザー溶接を行い、評価を行った。実施例および比較例
における、レーザー結合部の評価結果をまとめて、表2
(実施例)、表3(比較例)に示す。
【0035】なお、レーザー溶接条件を下記に示す。 溶接条件 (1)積層鋼板 1)表皮鋼板 ;冷延鋼板、板厚0.5mmt 2)高分子樹脂 ;・エチレン−アクリル酸エステル共
重合体(ポリオレフィン)、樹脂厚50μm ・熱硬化アクリル系樹脂、厚み50μm (2)普通鋼板 1)冷延鋼板、板厚1.0mmt (3)溶接条件 1)レーザーの種類 ;炭酸ガス 2)出力 ;2〜5kW,連続発振 3)シールドガス ;Arガス、0〜20 l/min. 4)溶接速度 ;2〜15 m/min. 結合部の評価 プレス成形性(試験条件は実施例2に準拠) ○:結合部近傍の割れなし ×:結合部近傍で割れ発
生 表2から明らかなように、本発明範囲内の実施例1〜6
は、プレス成形試験において、結合部での割れは発生せ
ず、良好な結合部特性であった。
重合体(ポリオレフィン)、樹脂厚50μm ・熱硬化アクリル系樹脂、厚み50μm (2)普通鋼板 1)冷延鋼板、板厚1.0mmt (3)溶接条件 1)レーザーの種類 ;炭酸ガス 2)出力 ;2〜5kW,連続発振 3)シールドガス ;Arガス、0〜20 l/min. 4)溶接速度 ;2〜15 m/min. 結合部の評価 プレス成形性(試験条件は実施例2に準拠) ○:結合部近傍の割れなし ×:結合部近傍で割れ発
生 表2から明らかなように、本発明範囲内の実施例1〜6
は、プレス成形試験において、結合部での割れは発生せ
ず、良好な結合部特性であった。
【0036】これに対して、表3に示すように、比較例
1はブローホール個数、板幅方向の溶込み量が本発明範
囲外であり、プレス成形試験において結合部で割れが発
生した。比較例2および5は結合部中の炭素量が0.0
7重量%を越えており、また硬度も400Hvを越えて
おり、プレス成形試験において結合部で割れが発生し
た。比較例3は、ブローホール個数、板幅方向の溶込み
量、結合部中の炭素量、結合部の硬度ともに本発明範囲
外であり、プレス成形試験において結合部で割れが発生
した。比較例4は板厚方向および板幅方向の溶込み量が
本発明範囲外であり、プレス成形試験において結合部で
割れが発生した。比較例のデータのアンダーライン箇所
は本発明の範囲外であることを示す。なお、ブローホー
ル数は、JIS−Z3104に準拠し、溶接部のX線透
過像から溶接線方向の数(個/m)を求めた。
1はブローホール個数、板幅方向の溶込み量が本発明範
囲外であり、プレス成形試験において結合部で割れが発
生した。比較例2および5は結合部中の炭素量が0.0
7重量%を越えており、また硬度も400Hvを越えて
おり、プレス成形試験において結合部で割れが発生し
た。比較例3は、ブローホール個数、板幅方向の溶込み
量、結合部中の炭素量、結合部の硬度ともに本発明範囲
外であり、プレス成形試験において結合部で割れが発生
した。比較例4は板厚方向および板幅方向の溶込み量が
本発明範囲外であり、プレス成形試験において結合部で
割れが発生した。比較例のデータのアンダーライン箇所
は本発明の範囲外であることを示す。なお、ブローホー
ル数は、JIS−Z3104に準拠し、溶接部のX線透
過像から溶接線方向の数(個/m)を求めた。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、制振性
および軽量性を有する積層鋼板と普通鋼板のレーザー溶
接結合材において、充分な結合部強度と伸び特性を有す
るので、積層鋼板適用上の欠点を普通鋼板でカバーする
ことができ、制振性および軽量性を保持したまま、普通
鋼板と同等の成形加工、施工が可能となる。これによ
り、積層鋼板の用途が大幅に拡大し、工業上有用な効果
がもたらされる。
および軽量性を有する積層鋼板と普通鋼板のレーザー溶
接結合材において、充分な結合部強度と伸び特性を有す
るので、積層鋼板適用上の欠点を普通鋼板でカバーする
ことができ、制振性および軽量性を保持したまま、普通
鋼板と同等の成形加工、施工が可能となる。これによ
り、積層鋼板の用途が大幅に拡大し、工業上有用な効果
がもたらされる。
【図1】本発明の基本的構造を示す説明図。
【図2】本発明をプレス成型部品に適用した例を示す斜
視図。
視図。
【図3】本発明をスポット溶接部品に適用した例を示す
断面図。
断面図。
【図4】本発明をねじ止め部に適用した例を示す図。
【図5】本発明をタップ加工部に適用した例を示す図。
【図6】積層鋼板と普通鋼板とをレーザー溶接する際の
ビード幅とブローホール個数との関係を示す図。
ビード幅とブローホール個数との関係を示す図。
【図7】積層鋼板と普通鋼板とをレーザー溶接する際の
ビード幅と溶け込み深さとの関係を示す図。
ビード幅と溶け込み深さとの関係を示す図。
【図8】積層鋼板と普通鋼板とをレーザー溶接した溶接
継手におけるビード幅と引っ張り強さとの関係を示す
図。
継手におけるビード幅と引っ張り強さとの関係を示す
図。
【図9】表皮鋼板の板厚を変えた場合の積層鋼板のトー
タル板厚とビード幅との関係を示す図。
タル板厚とビード幅との関係を示す図。
【図10】実施例2で成形された角筒プレス成形部品を
示す斜視図。
示す斜視図。
1…積層鋼板、2…表皮鋼板、3…高分子樹脂、4…普
通鋼板、5…レーザー接合部、6…電極、7…ねじ止め
部、8…タップ加工部
通鋼板、5…レーザー接合部、6…電極、7…ねじ止め
部、8…タップ加工部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 恭典 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−210172(JP,A) 特開 平5−245670(JP,A) 特開 平5−318154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/32
Claims (2)
- 【請求項1】鋼板間に高分子樹脂を挟持してなる積層鋼
板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造において、結
合部は大きさ0.05mm径以上のブローホールが10
個/m以下で、かつ溶接溶込み量が下記イ)、ロ)の範
囲にあり、結合部の溶接金属中の炭素量を0.07重量
%以下に抑えたことを特徴とするプレス加工性に優れた
積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造。 イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
さ) ロ)板幅方向 0.35×T≦w≦0.75×T (wは結合部の溶込み幅) - 【請求項2】鋼板間に高分子樹脂を挟持してなる積層鋼
板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造において、結
合部は大きさ0.05mm径以上のブローホールが10
個/m以下で、かつ溶込み量が下記イ)、ロ)の範囲に
あり、結合部の硬度を400Hv以下としたことを特徴
とするプレス加工性に優れた積層鋼板と普通鋼板とのレ
ーザー溶接結合部構造。 イ)板厚方向 0.8×T≦d (Tは積層鋼板のトータル板厚、dは結合部の溶込み深
さ) ロ)板幅方向 0.35×T≦w≦0.75×T (wは結合部の溶込み幅)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18723694A JP3156512B2 (ja) | 1994-08-09 | 1994-08-09 | 積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18723694A JP3156512B2 (ja) | 1994-08-09 | 1994-08-09 | 積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0852580A JPH0852580A (ja) | 1996-02-27 |
JP3156512B2 true JP3156512B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=16202443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18723694A Expired - Fee Related JP3156512B2 (ja) | 1994-08-09 | 1994-08-09 | 積層鋼板と普通鋼板とのレーザー溶接結合部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3156512B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1081971A (ja) | 1996-07-10 | 1998-03-31 | Suzuki Motor Corp | 高分子基材へのプラズマCVDによるSiC薄膜形成方法及び装置 |
DE102010061454A1 (de) * | 2010-12-21 | 2012-06-21 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Hochfrequenzschweißen von Sandwichblechen |
WO2016103385A1 (ja) * | 2014-12-25 | 2016-06-30 | 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 | 表面改質基材の製造方法 |
-
1994
- 1994-08-09 JP JP18723694A patent/JP3156512B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0852580A (ja) | 1996-02-27 |
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---|---|---|---|
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