JP3124910B2 - シクロトリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents
シクロトリシロキサン及びその製造方法Info
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Description
に優れたグリース、シーリング材等に用いることができ
るシリコーンオイルを合成するための出発原料として有
用なトリメチルシロキシ基を有する新規なシクロトリシ
ロキサン及びその製造方法に関する。
例えば、下記一般式:
3のアルキル基であり、Xはシクロヘキシル基又は下記
一般式: −Cn H2n+1 (式中、nは4〜15の整数である)で表されるアルキ
ル基である]で表されるものが知られている(特開平6
−279466号公報参照)。しかし、環を構成するケ
イ素原子に結合するトリメチルシロキシ基を有するシク
ロトリシロキサンは知られていない。
構成するケイ素原子に結合するトリメチルシロキシ基を
有する新規なシクロトリシロキサン及びその製造方法を
提供することにある。
般式(1):
基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基又は(メタ)
アクリロイルオキシプロピル基であり、R2 はメチル基
又はフェニル基である)で表されるシクロトリシロキサ
ンである。
記一般式(3): R1 R2 SiCl2 (3) (式中、R1 及びR2 は前記と同じである)で表される
ジクロロシランを塩酸捕捉剤の存在下に反応させる前記
一般式(1)に記載のシクロトリシロキサンの製造方法
である。
表され、式中、R1 は、アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基又は
(メタ)アクリロイルオキシプロピル基であり、R2 は
メチル基又はフェニル基である。前記R1 のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基
等の炭素原子数1〜12のアルキル基が挙げられ、さら
に代表的なものは炭素原子数1〜8のメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基である。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフ
ェニリル基等の炭素原子数6〜18のアリール基が挙げ
られ、さらに代表的なものは炭素原子数6〜12のフェ
ニル基、トリル基、ナフチル基である。前記R1 のアラ
ルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチ
ル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等の炭素
原子数7〜12のアラルキル基が挙げられ、さらに代表
的なものは炭素原子数7〜9のベンジル基、フェニルプ
ロピル基である。
は、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3
−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフル
オロヘキシル基等の炭素原子数1〜12のハロゲン化ア
ルキル基が挙げられ、さらに代表的ものは炭素原子数1
〜6の3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−
ノナフルオロヘキシル基である。
ば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ
ル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シ
クロヘキセニル基等の炭素原子数2〜12のアルケニル
基が挙げられ、さらに代表的なものは炭素原子数2〜6
のビニル基、アリル基、ヘキセニル基である。
れたシリコーンオイルが得られる点で、メチル基、ビニ
ル基、フェニル基が特に好ましい。本発明のシクロトリ
シロキサンの具体例としては、特にこれらに限定される
ものではないが、例えば、下記式で表されるものが挙げ
られる。
ル基含有オルガノシロキサンと、前記一般式(3)で表
されるジクロロシランを塩酸捕捉剤の存在下に反応させ
る方法である。前記ジクロロシランとしては、例えば、
ジメチルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラ
ン、メチルプロピルジクロロシラン、メチルヘキシルジ
クロロシラン、メチルオクチルジクロロシラン、メチル
デシルジクロロシラン、メチルドデシルジクロロシラ
ン、メチルフェニルジクロロシラン、ジフェニルジクロ
ロシラン、メチルベンジルジクロロシラン、(2−フェ
ニルプロピル)メチルジクロロシラン、(3,3,3−
トリフルオロプロピル)メチルジクロロシラン、メチル
ビニルジクロロシラン、(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルメチルジクロロシラン、フェニルジクロロシラ
ン、エチルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジ
クロロシラン等が挙げられる。
ル基含有オルガノシロキサン1モル当たり、通常0.8
〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.0モルである。
前記塩酸捕捉剤としては、塩酸と安定な塩を形成するも
のであれば特に制限はなく、例えば、アンモニア、ジメ
チルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン化
合物が挙げられる。前記塩酸捕捉剤の使用量は、前記ジ
クロロシラン1モル当たり、2〜3モル、好ましくは2
〜2.5モルである。前記シラノール基含有オルガノシ
ロキサンとジクロロシランの反応は、溶媒を用いなくて
も進行するが、溶媒を用いることにより収率良く本発明
のシクロトリシロキサンを得ることができる。前記溶媒
としては、前記シラノール基含有オルガノシロキサン及
びジクロロシランと相溶性がある溶媒であれば特に制限
はなく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン;キシレ
ン;ヘキサン等の有機溶媒が挙げられ、これらは単独で
或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。反
応温度は、0〜20℃が好ましく、温度をこの範囲に設
定することにより反応を良好に進行させることができ
る。反応時間は、所定の原料を反応容器に投入した後、
10分〜4時間程度でよい。
リシロキサンは、特に、低温特性に優れたグリース、シ
ーリング材等に用いることができるシリコーンオイルを
合成するための出発原料として有用である。
モル)及びトルエン500gを投入しこれらが均一にな
るように攪拌した。次にフラスコの内容物の温度を0〜
10℃に保ちながら、フラスコ内に前記式(2)で表さ
れるシラノール基含有オルガノシロキサン250g
(0.79モル)をメチルエチルケトン200gに溶解
した溶液、及びジメチルジクロロシラン102g(0.
79モル)をトルエン350gに溶解した溶液を同時に
2時間かけて滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物
を1時間攪拌し、得られた反応混合物を水洗し、64℃
(沸点)/2.5Torrで減圧蒸留して無色透明の液状の
反応生成物167gを得た(収率:55%)。この反応
生成物は、ガスクロマトグラフ質量分析(以下、GC−
MS分析という)、 1H−NMR及びIR吸収測定の結
果、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3,
5,5−テトラメチルシクロトリシロキサンであること
が確認された。なお、GC−MS分析、IR吸収及び 1
H−NMR測定の結果を以下に示し、GC−MSチャー
トを図1に、IRチャートを図2に、 1H−NMRチャ
ートを図3に示す。 (GC−MS分析) [M−CH3 ]+ =355 (IR吸収分析) 1020cm-1 : Si−O 1085cm-1 : O−SiCH3 ( 1H−NMR測定) δ0.15〜0.5 ppm(Si−CH3 30H)
ル)及びトルエン500gを投入しこれらが均一になる
ように攪拌した。次にフラスコの内容物の温度を0〜1
0℃に保ちながら、フラスコ内に前記式(2)で表され
るシラノール基含有オルガノシロキサン314g(1.
0モル)をトルエン100gに溶解した溶液、及びビニ
ルメチルジクロロシラン141g(1.0モル)をトル
エン250gに溶解した溶液を同時に2時間かけて滴下
した。滴下終了後、フラスコの内容物を30分間攪拌
し、得られた反応混合物を水洗し、74℃(沸点)/3
Torrで減圧蒸留して無色透明の液状の反応生成物156
gを得た(収率:41%)。この反応生成物は、GC−
MS分析、 1H−NMR及びIR吸収測定の結果、1,
3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3,5−トリメ
チル−5−ビニルシクロトリシロキサンであることが確
認された。なお、GC−MS分析、IR吸収及び 1H−
NMR測定の結果を以下に示し、IRチャートを図4に
示す。 (GC−MS分析) [M−CH3 ]+ =367 (IR吸収分析) 1020cm-1 : Si−O 1085cm-1 : O−SiCH3 1595cm-1 : Si−CH=CH2 ( 1H−NMR測定) δ0.15〜0.5 ppm(Si−CH3 27H) δ5.5 〜5.8 ppm(Si−CH=CH2 3H)
びトルエン50gを投入しこれらが均一になるように攪
拌した。次にフラスコの内容物の温度を0〜10℃に保
ちながら、フラスコ内に前記式(2)で表されるシラノ
ール基含有オルガノシロキサン20g(64ミリモル)
をトルエン50gに溶解した溶液、及びジフェニルジク
ロロシラン16.1g(64ミリモル)をトルエン50
gに溶解した溶液を同時に30分間かけて滴下した。滴
下終了後、フラスコの内容物を15分間攪拌し、得られ
た反応混合物を水洗し、150℃(沸点)/1Torrで減
圧蒸留して無色透明の液状の反応生成物20gを得た
(収率:65%)。この反応生成物は、GC−MS分
析、 1H−NMR及びIR吸収測定の結果、1,3−ビ
ス(トリメチルシロキシ)−5,5−ジフェニル−1,
3−ジメチルシクロトリシロキサンであることが確認さ
れた。なお、GC−MS分析、IR吸収及び 1H−NM
R測定の結果を以下に示す。
得られた1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,
3,5,5−テトラメチルシクロトリシロキサン30g
(80ミリモル)及びテトラヒドロフラン100gを投
入した。次に、フラスコ内容物を0〜10℃に保持し、
フラスコ内にリチウムトリメチルシラノレート0.96
g(10ミリモル)をフラスコ内容物を攪拌しながら投
入した後、10分間熟成を行った。次いで、フラスコ内
にトリメチルクロロシラン1.3gを添加してフラスコ
内容物を30分間攪拌し、反応を停止した。得られた反
応生成物を水洗した後、溶媒を留去して無色透明のシリ
コーンオイルを得た(収率80%)。得られたシリコー
ンオイルについて示差熱分析(DSC)を行い、該シリ
コーンオイルの低温特性を評価した。結果を表1に示
す。なお、対照として、下記式: Me(Me2 SiO)85SiMe3 で表されるジメチルポリシロキサンの示差熱分析(DS
C)による低温特性を評価した。結果を表1に併記す
る。
は、示差熱分析により融点ピークが−39℃及び−51
℃に認められた。これに対し、本発明のシクロトリシロ
キサンから得られたシリコーンオイルは、融点ピークが
認められず、常温から低温領域まで固化することなく流
動性を示し、極めて低温特性に優れている。
化合物であり、低温特性に優れたシリコーンオイルを合
成するための出発原料として有用である。従って、本発
明によると、低温特性に優れたグリース、シーリング材
等を得ることができる。
GC−MSチャートである。
IRチャートである。
1H−NMRチャートである。
IRチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基又は(メタ)
アクリロイルオキシプロピル基であり、R2 はメチル基
又はフェニル基である)で表されるシクロトリシロキサ
ン。 - 【請求項2】下記式(2): 【化2】 で表されるシラノール基含有オルガノシロキサンと、下
記一般式(3): R1 R2 SiCl2 (3) (式中、R1 は、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基又は(メタ)
アクリロイルオキシプロピル基であり、R2 はメチル基
又はフェニル基である)で表されるジクロロシランを塩
酸捕捉剤の存在下に反応させる請求項1に記載のシクロ
トリシロキサンの製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07199012A JP3124910B2 (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | シクロトリシロキサン及びその製造方法 |
US08/678,755 US5693735A (en) | 1995-07-12 | 1996-07-11 | Trimethylsiloxy group-containing polysiloxane and a process for producing the same |
US08/923,082 US5852153A (en) | 1995-07-12 | 1997-09-04 | Trimethylsiloxy group-containing polysiloxane and a process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07199012A JP3124910B2 (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | シクロトリシロキサン及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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ID=16400649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07199012A Expired - Fee Related JP3124910B2 (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | シクロトリシロキサン及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3124910B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5990909B2 (ja) * | 2011-12-28 | 2016-09-14 | 信越化学工業株式会社 | 片末端官能基含有オルガノポリシロキサン及びその製造方法 |
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1995
- 1995-07-12 JP JP07199012A patent/JP3124910B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
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J.Organomet.Chem.,314(1986)p39−45 |
J.Organomet.Chem.,377(1989)p9−17 |
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---|---|
JPH0925283A (ja) | 1997-01-28 |
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