JP3119933B2 - 電子管用陰極構体の製造方法 - Google Patents
電子管用陰極構体の製造方法Info
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- JP3119933B2 JP3119933B2 JP10945292A JP10945292A JP3119933B2 JP 3119933 B2 JP3119933 B2 JP 3119933B2 JP 10945292 A JP10945292 A JP 10945292A JP 10945292 A JP10945292 A JP 10945292A JP 3119933 B2 JP3119933 B2 JP 3119933B2
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- Japan
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- coil filament
- cathode assembly
- electron tube
- cathode
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- Solid Thermionic Cathode (AREA)
- Laser Beam Processing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子管用陰極構体、とく
に小型受像管に適した陰極構体の製造方法に関するもの
である。
に小型受像管に適した陰極構体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラのビューファインダ等に用
いられている小型受像管に対しては、速動性および低消
費電力が要求されるので、直熱型陰極が使用されてい
る。この陰極を形成するコイルフィラメントは、線径が
数μm、コイル外径が数十μm、長さが2mmのきわめて
繊細なものであるから、その両端部を加圧することがで
きず、通常は一対のリード線の各先端部に対しレーザ溶
接をしている。
いられている小型受像管に対しては、速動性および低消
費電力が要求されるので、直熱型陰極が使用されてい
る。この陰極を形成するコイルフィラメントは、線径が
数μm、コイル外径が数十μm、長さが2mmのきわめて
繊細なものであるから、その両端部を加圧することがで
きず、通常は一対のリード線の各先端部に対しレーザ溶
接をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コイルフィラ
メントの一端部を一方のリード線の先端部にレーザ溶接
をする過程で、コイルフィラメントが熱歪みによって変
形し、他端部が他方のリード線の先端部上で移動したり
浮き上がったりする。このため、コイルフィラメントの
両端部を一対のリード線の両端部に均等に溶接し難く、
また、前記位置ずれの修正に少なからぬ熟練および時間
を要した。そのうえ、前記修正時にコイルフィラメント
を変形させる危険もあった。また、スポット溶接の間隔
にばらつきを生じることもあるので、所定の電気特性を
有する陰極構体を歩留まりよく量産し難いという課題が
あった。
メントの一端部を一方のリード線の先端部にレーザ溶接
をする過程で、コイルフィラメントが熱歪みによって変
形し、他端部が他方のリード線の先端部上で移動したり
浮き上がったりする。このため、コイルフィラメントの
両端部を一対のリード線の両端部に均等に溶接し難く、
また、前記位置ずれの修正に少なからぬ熟練および時間
を要した。そのうえ、前記修正時にコイルフィラメント
を変形させる危険もあった。また、スポット溶接の間隔
にばらつきを生じることもあるので、所定の電気特性を
有する陰極構体を歩留まりよく量産し難いという課題が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法による
と、陰極ホルダの2本のリード線の両先端部にコイルフ
ィラメントの両端部を載置し、光学レンズ系からの2本
の集束レーザ光線のスポットを前記両先端部に同時に与
えて前記両先端部に溶融領域を持たせ、前記溶融領域で
前記コイルフィラメントを自重で沈下させることによっ
て、前記リード線と前記コイルフィラメントのコイル状
部とを溶接する。
と、陰極ホルダの2本のリード線の両先端部にコイルフ
ィラメントの両端部を載置し、光学レンズ系からの2本
の集束レーザ光線のスポットを前記両先端部に同時に与
えて前記両先端部に溶融領域を持たせ、前記溶融領域で
前記コイルフィラメントを自重で沈下させることによっ
て、前記リード線と前記コイルフィラメントのコイル状
部とを溶接する。
【0005】
【作用】一対のリード線の各先端部に対するコイルフィ
ラメント両端部のレーザ溶接が同時に進行するので、熱
歪みも両端部で同時かつ均等に発生し、一方にだけ偏位
することによる前述のような位置ずれは発生せず、修正
作業は不要となる。そのうえ、溶接に要する時間が半減
するのみならず、スポット溶接間隔が光学レンズ系側で
あらかじめ決められるので、これが不揃いとなることに
よる電気的特性のばらつきをなくすことができる。ま
た、リード線を溶融することでリード線とコイルフィラ
メントとを溶接しているので、溶接時にコイルフィラメ
ントの切断を防止することができる。
ラメント両端部のレーザ溶接が同時に進行するので、熱
歪みも両端部で同時かつ均等に発生し、一方にだけ偏位
することによる前述のような位置ずれは発生せず、修正
作業は不要となる。そのうえ、溶接に要する時間が半減
するのみならず、スポット溶接間隔が光学レンズ系側で
あらかじめ決められるので、これが不揃いとなることに
よる電気的特性のばらつきをなくすことができる。ま
た、リード線を溶融することでリード線とコイルフィラ
メントとを溶接しているので、溶接時にコイルフィラメ
ントの切断を防止することができる。
【0006】
【実施例】つぎに本発明を図示した実施例とともに説明
する。図3および図4に示す陰極ホルダ1は、金属環2
と、これに包囲されたセラミック製絶縁板3と、この絶
縁板3を貫通して延びる一対のリード線4,5と、絶縁
板3の中央部にガス抜き用孔を形成する金属筒6と、タ
ングステン製の繊細なコイルフィラメント7とを有して
いる。一対のリード線4,5は鉄を主成分とする金属か
らなり、その各先端縁は相対向する側へほぼ直角に折り
曲げられ、その水平部分のうち先端部8,9付近が偏平
に加工されている。そして、両先端部8,9の平坦な頂
面は一平面内で隣り合っており、ここを跨ぐ関係に設け
られたコイルフィラメント7の両端部10,11は、図
5にも示すように両先端部8,9にそれぞれレーザ溶接
されている。なお、陰極ホルダ1は帽状の制御格子電極
(図示せず)内に組み込まれる段階において、金属環2
の部分で制御格子電極の側壁に溶接される。
する。図3および図4に示す陰極ホルダ1は、金属環2
と、これに包囲されたセラミック製絶縁板3と、この絶
縁板3を貫通して延びる一対のリード線4,5と、絶縁
板3の中央部にガス抜き用孔を形成する金属筒6と、タ
ングステン製の繊細なコイルフィラメント7とを有して
いる。一対のリード線4,5は鉄を主成分とする金属か
らなり、その各先端縁は相対向する側へほぼ直角に折り
曲げられ、その水平部分のうち先端部8,9付近が偏平
に加工されている。そして、両先端部8,9の平坦な頂
面は一平面内で隣り合っており、ここを跨ぐ関係に設け
られたコイルフィラメント7の両端部10,11は、図
5にも示すように両先端部8,9にそれぞれレーザ溶接
されている。なお、陰極ホルダ1は帽状の制御格子電極
(図示せず)内に組み込まれる段階において、金属環2
の部分で制御格子電極の側壁に溶接される。
【0007】前記レーザ溶接は、図1に示すレーザ溶接
器を用いて得たものである。すなわち、レーザ光源12
で発生したレーザ光線は、直径0.6mmの光ファイバ1
3によって光学レンズ系14に導かれる。光学レンズ系
14は少なくとも2段に配置された収束レンズ15,1
6を有し、後段の収束レンズ16は図2に示すように、
2等分線17を挟んで隣り合う実質的に2個の半円形の
ものからなる。図中の18はレンズ保護用ガラス平板を
示す。
器を用いて得たものである。すなわち、レーザ光源12
で発生したレーザ光線は、直径0.6mmの光ファイバ1
3によって光学レンズ系14に導かれる。光学レンズ系
14は少なくとも2段に配置された収束レンズ15,1
6を有し、後段の収束レンズ16は図2に示すように、
2等分線17を挟んで隣り合う実質的に2個の半円形の
ものからなる。図中の18はレンズ保護用ガラス平板を
示す。
【0008】光ファイバ13を通じて送り込まれ、前段
の収束レンズ15で収束作用を受けたレーザ光線19
は、後段の収束レンズ16を経ることによって2つのレ
ーザビーム20,21に分離される。両レーザビーム2
0,21は、陰極ホルダ1の一対のリード線4,5の各
先端部8,9にそれぞれのスポットを結び該部を加熱す
る。コイルフィラメント7の融点は約3400℃である
のに対し、リード線4,5の融点は約1540℃である
ので、両先端部8,9にのみ溶融領域が生じ、該領域に
コイルフィラメント7の両端部が、コイルフィラメント
7の自重によって沈下する。つまり、前記溶融領域によ
ってコイルフィラメント7の両端部がそれぞれ包み込ま
れ、これによって2か所でのレーザ溶接が同時に完了す
る。
の収束レンズ15で収束作用を受けたレーザ光線19
は、後段の収束レンズ16を経ることによって2つのレ
ーザビーム20,21に分離される。両レーザビーム2
0,21は、陰極ホルダ1の一対のリード線4,5の各
先端部8,9にそれぞれのスポットを結び該部を加熱す
る。コイルフィラメント7の融点は約3400℃である
のに対し、リード線4,5の融点は約1540℃である
ので、両先端部8,9にのみ溶融領域が生じ、該領域に
コイルフィラメント7の両端部が、コイルフィラメント
7の自重によって沈下する。つまり、前記溶融領域によ
ってコイルフィラメント7の両端部がそれぞれ包み込ま
れ、これによって2か所でのレーザ溶接が同時に完了す
る。
【0009】2つのビーム20,21によって生成され
る2つのスポットの間隔すなわちスポット溶接間隔は、
本例の場合1.5mmであり、これは光学レンズ系14の
とくに後段収束レンズ16の配置間隔によって所定値に
決めおくことができる。したがって、常に等間隔にして
同一条件下での2点溶接が同時に進行することになる。
る2つのスポットの間隔すなわちスポット溶接間隔は、
本例の場合1.5mmであり、これは光学レンズ系14の
とくに後段収束レンズ16の配置間隔によって所定値に
決めおくことができる。したがって、常に等間隔にして
同一条件下での2点溶接が同時に進行することになる。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明によると、一対のリ
ード線の各先端部に対してコイルフィラメントの両端部
を同時かつ均等にレーザ溶接でき、所定の電気特性を有
する陰極構体をばらつきなく能率よく製造することがで
きる。また、溶接時にコイルフィラメントの切断を防止
することができる。
ード線の各先端部に対してコイルフィラメントの両端部
を同時かつ均等にレーザ溶接でき、所定の電気特性を有
する陰極構体をばらつきなく能率よく製造することがで
きる。また、溶接時にコイルフィラメントの切断を防止
することができる。
【図1】本発明の製造方法において用いられるレーザ溶
接器の一部破断側面図
接器の一部破断側面図
【図2】同レーザ溶接器の後段の収束レンズの斜視図
【図3】本発明の製造方法を適用して製造された陰極構
体の平面図
体の平面図
【図4】同陰極構体の側断面図
【図5】同陰極構体の一部分を拡大した側面図
1 陰極ホルダ 4,5 リード線 7 コイルフィラメント 8,9 先端部 12 レーザ光源 13 光ファイバ 14 光学レンズ系 15,16 収束レンズ 20,21 レーザビーム
Claims (2)
- 【請求項1】 陰極ホルダの2本のリード線の両先端部
にコイルフィラメントの両端部を載置し、光学レンズ系
からの2本の集束レーザ光線のスポットを前記両先端部
に同時に与えて前記両先端部に溶融領域を持たせ、前記
溶融領域で前記コイルフィラメントを自重で沈下させる
ことによって、前記リード線と前記コイルフィラメント
のコイル状部とを溶接することを特徴とする電子管用陰
極構体の製造方法。 - 【請求項2】光学レンズ系が少なくとも2段に配列され
た収束レンズを備え、後段の収束レンズが2等分線を挟
んで隣り合う実質的に2個の半円形のものからなること
を特徴とする請求項1記載の電子管用陰極構体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10945292A JP3119933B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 電子管用陰極構体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10945292A JP3119933B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 電子管用陰極構体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05303935A JPH05303935A (ja) | 1993-11-16 |
JP3119933B2 true JP3119933B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=14510602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10945292A Expired - Fee Related JP3119933B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 電子管用陰極構体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119933B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112908833A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-06-04 | 重庆佳彩光电科技有限公司 | 一种灯丝导线焊接机及其焊接装置 |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP10945292A patent/JP3119933B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05303935A (ja) | 1993-11-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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