JP3118055B2 - 微粒子コーティング方法および装置ならびに噴霧用ノズル - Google Patents
微粒子コーティング方法および装置ならびに噴霧用ノズルInfo
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Description
子よりも微小な微粒子とを均一に分散媒に分散し、この
スラリーを噴霧乾燥することにより、母体粒子表面に前
記微粒子をコーティングする微粒子コーティング方法、
およびこのような噴霧乾燥による微粒子コーティングに
適用される噴霧用ノズル、ならびに前記微粒子コーティ
ング方法および噴霧用ノズルを適用する微粒子コーティ
ング装置に関する。
いて、各種の特性を付与するため、母体(被コーティン
グ粒子)となる粉粒体の表面への微粒子(コーティング
粒子)のコーティングが行われている。例えば、トナー
では流動性の悪いトナー粒子に流動性を付与するため
に、トナー粒子表面への良好な流動性を有する微粒子の
コーティングが、化粧品粉末では紫外線防止化粧品とす
るために化粧品粉末の表面に紫外線を通さない微粒子の
コーティングが、さらに塗料では安価な顔料原料を製造
するために安価な粒子表面高価な顔料微粒子のコーティ
ングが行われている。
ングは、各種の方法によって行われているが、特に粒子
径の小さな粒子を用いたコーティング、例えば平均粒子
径が3μm〜1mm程度の母体粒子に、微粒子をコーテ
ィングする方法として、各原料粒子が分散されたスラリ
ーを作製し、このスラリーを噴霧乾燥することにより母
体粒子表面に微粒子をコーティングする方法が用いられ
ている。
コール等の有機溶媒や水等、蒸発可能な溶媒を分散媒と
して用い、この分散媒に所定量の母体粒子とコーティン
グ粒子となる微粒子とを混入、分散してスラリーを作製
する。次いで、このスラリーを1流体ノズルや2流体ノ
ズル等を用いた噴霧機によって乾燥チャンバー内に噴霧
する。噴霧された状態では、母体粒子の表面に、微粒子
を含有するスラリーが存在する状態となっている。従っ
て、乾燥チャンバー内で熱風等によって分散媒を蒸発す
ることにより、母体粒子を微粒子でコーティングした粉
体が造粒される。
よって母体粒子に微粒子をコーティングする際に、均一
で良好なコーティングを行うためには、母体粒子および
コーティング粒子共に均一に分散媒中に分散された状態
で噴霧乾燥に供される必要がある。
ィングにおいては、比較的粒子径の小さな粒子を対象と
しているため、分散媒中で微粒子が凝集してしまい、確
実かつ良好に分散させることができない。特に、前述の
ように微粒子は分散媒中でも凝集し易く、好適に分散す
ることが困難である。微粒子が凝集した状態でコーティ
ング(噴霧乾燥)を行うと、母体粒子への微粒子のコー
ティングが均一にならないばかりか、目的物とは異な
る、微粒子の凝集体が造粒されてしまう。
ル、2流体ノズル等によって行われているが、従来の噴
霧器は一個の液滴径を十分に小さくすることができず、
特に母体粒子の粒子径が3μm〜1mmと小さい場合に
は多数の母体粒子が一個の液滴中に含まれてしまうた
め、母体粒子が多数集まった造粒物ができてしまう。さ
らに、噴霧した状態で液滴径が均一にならないため、コ
ーティング膜(母体粒子上に微粒子が作る層の厚さ)の
厚さが不均一になるという問題点もある。他方、1流体
ノズル、2流体ノズルの場合には、液滴径を小さくする
ためにはノズル径を小さくする必要があるが、ノズル径
を小さくすると凝集塊がノズルに詰まりやすく、これに
よるトラブルが発生しやすくなってしまう。
解決することにあり、微粒子を母体粒子にコーティング
する際に、例え粒子径が小さな場合であっても、微粒子
や母体の凝集物等を造粒することなく、単一の母体粒子
に微粒子が均一にコーティングされた目的物を良好につ
くることができる、噴霧乾燥による微粒子コーティング
方法および装置、ならびに噴霧乾燥による微粒子のコー
ティングに用いられる、母体粒子およびコーティング粒
子を含むスラリーを微細で、かつ液滴径が均一な良好な
噴霧とすることができる噴霧用ノズルを提供することに
ある。
に、本発明の微粒子コーティング方法は、分散媒中に母
体粒子と前記母体粒子より微小な微粒子とを分散し、こ
の分散溶液を噴霧乾燥させることにより、前記母体粒子
の表面に前記微粒子をコーティングするに際し、分散媒
中に前記微粒子を分散したスラリーを作製し、次いで、
このスラリーを分散機にかけて前記微粒子をさらに分散
した後、前記母体粒子を前記スラリーに加え、これらを
十分に混合した後、直ちに噴霧乾燥することを特徴とす
る微粒子コーティング方法を提供する。
は、噴霧乾燥によって、母体粒子の表面に、前記母体粒
子より微細な微粒子をコーティングする装置であって、
前記微粒子を分散媒に分散したスラリーを作製する手段
と、前記スラリー中の微粒子の分散をさらに高度にする
分散機と、前記分散機によって分散されたスラリー溶液
に母体粒子を添加し分散する手段と、前記母体粒子が添
加、分散されたスラリーを送液する送液手段と、前記送
液手段によって送られたスラリを噴霧する、ノズル本
体、前記ノズル本体に形成される前記スラリーの流路
と、前記流路の途中に気体を噴出する第1ノズル、およ
び前記流路の出口近傍で流路の外周部より中心方向に向
けて気体を噴出する第2ノズルを有する噴霧ノズルを用
いる噴霧器と、前記噴霧器によって噴霧されたスラリー
を乾燥する手段とを有することを特徴とする微粒子コー
ティング装置を提供する。
置において、前記分散器が、前記スラリーを作製する手
段によって作製されたスラリーの流入口および流出口、
ならびに前記流入口と流出口とを連通する流路を有する
分散器本体と、前記流路の途中に形成されるオリフィス
と、前記流路の途中の前記オリフィスの下流側かつ近傍
に設けられる超音波発生手段とを有する湿式分散器であ
るのが好ましい。
と前記母体粒子より微小な微粒子とが分散されたスラリ
ーを噴霧乾燥することにより、前記母体粒子の表面への
前記微粒子のコーティングを行う噴霧用ノズルであっ
て、ノズル本体と、前記ノズル本体に形成される前記ス
ラリーの流路と、前記流路の途中で前記スラリーの流れ
の方向に気体を噴出する第1ノズルと、前記流路の出口
近傍で流路の外周部より中心方向に向けて気体を噴出す
る第2ノズルとを有することを特徴とする噴霧用ノズル
を提供する。
よび噴霧用ノズル、ならびにこれらを用いる本発明の微
粒子コーティング装置について、添付の図面に示される
好適実施例をもとに詳細に説明する。
および噴霧用ノズルを用いる、本発明の微粒子コーティ
ング装置が概念的に示される。
10は、母体粒子(被コーティング粒子)とコーティン
グ粒子である微粒子(以下、微粒子とする)とを含有す
る混合スラリー12を作製し、これを噴霧器14によっ
て噴霧、次いで乾燥する、いわゆる噴霧乾燥による微粒
子コーティング装置10(以下、コーティング装置10
とする)であって、まず、コーティング粒子である微粒
子を分散媒に分散して微粒子スラリー16とする。微粒
子スラリー16を作製する方法には特に限定はなく、撹
拌槽を用いる方法、超音波槽を用いる方法等、公知の方
法がいずれも適用可能である。
く、母体粒子や微粒子に応じて、各種アルコール等の有
機溶媒、水等、蒸発可能な分散媒を適宜選択すればよ
い。微粒子と分散媒の混合比は、母体粒子および微粒子
の粒子径、母体粒子表面への微粒子の付着量、噴霧ノズ
ルの種類や噴霧する際の粘度等に応じて設定すればよ
い。
リー16は分散機18に送られ、さらにに高度に分散さ
れる。前述のように、噴霧乾燥によって母体粒子への微
粒子のコーティングを行う際に、微粒子(コーティング
粒子)として小さな粒子径のものを用いると、従来の方
法ではスラリー中において微粒子が凝集して良好に分散
することができず、母体粒子への微粒子のコーティング
が不均一であったり、微粒子の凝集体が造粒されてしま
う等が発生し、高品質な製品を得ることが困難であると
いう問題点があった。
方法においては、微粒子スラリー16を作製した後、さ
らに分散機18によって高度に分散することにより、混
合スラリー12中の微粒子の分散状態を均一でかつ凝集
の無い良好なものとして、母体粒子に微粒子が均一にコ
ーティングされた高品質の製品を製造可能としたもので
ある。
に限定はなく、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分
散器等、公知の各種の分散機がいずれも適用可能であ
る。好ましくは、超音波とオリフィスとを併用した湿式
分散機が適用される。
略断面図が示される。湿式分散器100は、スラリー1
6の流路を構成する分散器本体116と、微粒子スラリ
ー16の流路途中に配備されるオリフィス128を有す
るニードル弁118と、オリフィス128の下流側に配
置される、スラリーの流路途中で超音波を発生する超音
波発生器120と、ニードル弁118の流量調整を行う
マイクロメータ122とを有する。
入口124から流出口126に至る微粒子スラリー16
の流路が形成されており、微粒子スラリー16は流入口
124流入し、流出口126より流出されて混合槽20
に流入される。
口124より流入した微粒子スラリー16は、まず、流
路径が大きな空間部129を経て、空間部129に比べ
て流路が大幅に絞られたオリフィス128(図示例にお
いてはオリフィス128とニードル130とが形成する
間隙)を通過する。その結果、微粒子スラリー16の流
速が急激に早くなり、微粒子スラリー16中の微粒子
(凝集粒子)に下流側に引き伸ばす力が加わることによ
り分裂破壊が起こり、、微粒スラリー16中の微粒子が
より高度に分散される。
ィス128の形成材料には特に限定はないが、オリフィ
ス128には微粒子が分散された微粒子スラリー16が
高速で流れるので、耐摩耗性に優れた材料を適用するの
が好ましく、特にセラミック材料が好適に適用される。
様としてオリフィス128の開口面積を調整するニード
ル130を有し、ニードル弁118を構成する。このよ
うなニードル130は、ニードル130を液密に保持す
るベアリング132、および固定部材134によって保
持されて、オリフィス128の開口面積を微調整するマ
イクロメータ122に係合される。
ドル130等のオリフィス128の開口面積の調整手段
を有するものに限定はされず、流路が大幅に絞られたオ
リフィスのみを有する構成であってもよい。
粒子スラリー16(中の微粒子)は、流路を上昇しつ
つ、次いで、超音波発生器120より発生される超音波
によってより高度に分散され、空間部146を経て流出
口126より流出する。超音波発生器120は、超音波
発信部138と、微粒子スラリー16の流路内に配置さ
れる超音波ホーン140とから構成される。また、超音
波発信部138は、発生する超音波を制御するコントロ
ーラ(図示せず)に接続される。
によって超音波ホーン140より超音波を発生し、この
超音波によって微粒子スラリー16中の微粒子をより高
度に分散するものであり、前述のオリフィス128によ
る分散と超音波による分散とを組み合わせ、オリフィス
128による分散の後に、続けて超音波による分散を行
って微粒子スラリー16中の微粒子を分散することによ
り、異なる分散機構(オリフィスは分裂分散、超音波は
侵食分散によると考えられる)を有する両者の相乗効果
によって、短時間で、しかも個々の分散では不可能な、
より高度な微粒子の分散を行うことができる。また、図
示例の湿式分散器100は、オリフィス128による分
散の後に、超音波による分散を行う構成を有することに
より、より、短時間で高度な分散が可能である。
力には特に限定はなく、微粒子スラリー16に含まれる
微粒子の粒子径や微粒子スラリー16の濃度、目的とす
る分散の程度に応じて適宜決定すればよいが、通常、周
波数は5kHz〜100Hz程度で、出力は10W〜1
0kW程度である。
粒子スラリー16中の微粒子の分散状態は、微粒子の分
離がより確実であるのがよいのはもちろんであるが、好
ましくは、微粒子の見掛け上の平均粒子径が母体粒子の
1/3以下、より好ましくは1/10となるまで分散を
行う。微粒子スラリー16中の分散状態をこのようにす
ることにより、微粒子の造粒体等を含まない、母体粒子
表面に微粒子が均一にコーティングされた高品質な製品
を造粒することができる。
よる微粒子スラリー16の分散は、微粒子スラリー16
を分散機18に連続的に供給して、高度な分散状態とさ
れた微粒子スラリー16を順次後述する混合槽20に供
給してもよく、あるいは、微粒子の分散が所定の状態に
なるまで微粒子スラリー16を分散機18を含む経路で
循環して、高度な分散状態とされた微粒子スラリー16
をバッチ的に混合槽20に供給するものであってもよ
い。
散された微粒子スラリー16は、次いで混合槽20に送
られ、粉粒体供給装置23より供給される母体粒子25
と混合され、母体粒子と微粒子とを分散した混合スラリ
ー12とされる。
粒子との混合(分散)方法は特に限定はなく、撹拌によ
る方法、超音波による方法等、公知の方法によればよ
い。また、混合槽20への母体粒子の供給量は、前述の
微粒子の量と同様、母体粒子および微粒子の粒子径、母
体粒子表面への微粒子の付着量、噴霧ノズルの種類や噴
霧する際の粘度等に応じて設定すればよい。
粒子と微粒子との接着を強固にするためのバインダーと
して、でんぷん、エチルセルロース、各種のポリマー等
を添加してもよい。また、混合槽20において、さらに
分散媒を追加する等によって混合スラリー12の濃度
(母体粒子と微粒子との含有量)、粘度等を調整しても
良いのはもちろんである。
2は、直ちに、送液ポンプ22によって噴霧器14に送
られ、乾燥チャンバ24内に噴霧される。なお、送液ポ
ンプ22には特に限定はなく、噴霧器14による混合ス
ラリー12の噴霧を可能とする吐出圧(輸送圧)を有す
るものであれば、各種のスラリーポンプ等、公知の送液
手段がいずれも適用可能である。
調整後、「直ちに」とは、1時間程度以内を示すもので
ある。
ンプ22から輸送された混合スラリー12を乾燥チャン
バ24内に噴霧する。本発明に適用される噴霧ノズルと
しては、アトマイザー、1流体ノズル、2流体ノズル
等、公知の各種の噴霧ノズルがいずれも適用可能である
が、好ましくは、以下に説明する本発明の噴霧用ノズル
が適用される。
される。本発明の噴霧用ノズルは、基本的に、ノズル本
体と、このノズル本体に形成される混合スラリー12の
流路と、この流路の途中で混合スラリー12の流れ方向
にに気体を噴出する第1ノズルと、同流路の出口近傍で
流路の外周部より中心方向に気体を噴出する第2ノズル
とを有するものであり、図示例の噴霧用ノズル26は、
円筒形状のノズル本体28に、スラリー投入口30から
噴霧口32まで貫通する円形断面を有するスラリー流路
34と、スラリー流路34の途中に気体を噴出する第1
ノズル36と、噴霧口32近傍のスラリー流路34に、
気体を噴出する第2ノズル38が形成されてなるもので
ある。
中に、このスラリー流路34を囲むように、つまりリン
グ状に形成されるものであり、第1ノズル36と同心円
的に環状に形成される気体流路40を介して気体導入口
42より圧縮気体Aを供給されることにより、スラリー
流路34内に混合スラリー12の流れ方向に気体を噴出
する。第2ノズル38は、噴霧口32近傍にスラリー流
路34を囲むように、つまりリング状に形成されるもの
であり、前述の第1ノズル36と同様に、第2ノズル3
8と同心円的に形成される気体流路44を介して気体導
入口46より圧縮気体Aを供給され、スラリー流路34
の外周部より中心方向に向けてスラリー流路34内に気
体を噴出する。また、スラリー流路34は第1ノズル3
6の若干下方より噴霧口32に向けて漸次拡径してい
く。
入口30よりスラリー流路34内に混合スラリー12を
供給し、まず第1ノズル36より気体を噴出することに
より、噴射された気体の粉砕力によって混合スラリー1
2を微細化して噴霧状にして噴射する。微細化された混
合スラリー12は、第2ノズル38によってより確実に
分散される。ここで、一部の液滴はスラリー流路34の
内壁に付着して、この壁を伝わって大きな液滴として落
下するが、この液滴は第2ノズル38より噴出される気
体によって粉砕されて噴霧状にされる。従って、噴霧用
ノズル26によれば、供給される混合スラリー12全部
を好適に微細化することができ、大きな液滴等のない、
均一な液滴径の良好な噴霧を実現することができる。
8はスラリー流路34を囲むリング状に限定はされず、
スラリー流路34を囲んで4方、あるいは8方等より気
体を噴射するものであってもよい。
6からスラリー流路34への気体の噴射角度、すなわち
第1ノズル36の角度θ1 には特に限定はないが、混合
スラリー12に効果的な剪断力を与えて、液滴径を均一
化した良好な噴霧を行えるという点で、5°〜20°の
間に設定するのが好ましい。さらに、図示例の噴霧用ノ
ズル26においては、スラリー流路34は第1ノズル3
6の若干下方より噴霧口32に向けて漸次拡径していく
構成を有するが、気流の乱れがなく(気流が乱れると、
液滴が合体して大きな液滴が発生する)、良好な噴霧を
行えるという点で、この拡径(図3 θ2 )をスラリー
流路34の軸線方向に対して1°〜15°に設定するの
が好ましい。
略断面図が示される。図3に示される噴霧用ノズル26
は、第1ノズル36および第2ノズル38共にスラリー
流路34の外周より中心に向かって気体を噴射するもの
であったが、図4に示される噴霧用ノズル48は、第1
ノズルはスラリー流路の中央より外方向に気体を噴射す
る構成を有する。一般的に、図3に示される噴霧用ノズ
ル26は混合スラリー12の粘度が低い時に好適に用い
られ、他方、図4に示される噴霧用ノズル48は混合ス
ラリー12の粘度が高い時に好適に用いられる。
の閉塞する円筒状のノズル本体50を用い、側方より混
合スラリー12を供給するように経路を形成して、スラ
リー投入口52から噴霧口54に至るスラリー流路56
を構成する。スラリー流路56の断面方向の中心部に
は、スラリー流路56の途中に気体を噴射する円筒状の
第1ノズル58が配備され、ノズル本体50の上面より
形成された直管状の気体流路60より圧縮空気Aが供給
される。ここで、第1ノズル58は気体の噴出方向に向
かってθ3 の角度で漸次拡径する構成を有する。また、
噴霧口54の近傍にはスラリー流路56を囲むように、
つまりリング状に第2ノズル62が形成され、同心円的
に形成される気体流路64を介して気体導入口66より
圧縮気体Aを供給され、スラリー流路56の外周部より
中心方向に向けて気体を噴出する。
においては、混合スラリー12はスラリー投入口52よ
り供給され、スラリー流路56内を送液される。ここ
で、ここで第1ノズル58は前述のようにスラリー流路
56の中心に配備され、かつ、θ3 の角度で拡径してい
るので、混合スラリー12はここより噴射される気体に
よってスラリー流路56の内壁に押し付けられて薄膜化
する。薄膜化した混合スラリー12は、次いでリング状
の第2ノズル62より、スラリー流路56の外周より中
央方向に噴射される気体によって分断されて霧状にさ
れ、噴霧口54より噴霧される。
ノズル58の拡径角度θ3 には特に限定はないが、スラ
リー流路56の内壁に形成される薄膜をより好適なもの
とできる点で、5°〜30°に設定するのが好ましい。
を囲むリング状に限定はされず、スラリー流路34を囲
んで4方、あるいは8方等より気体を噴射するものであ
ってもよい。
いて、各気体導入口に供給する圧縮気体Aの圧力および
供給量には特に限定はないが、第1および第2ノズルを
より噴射される気体の流速が50m/s 以上となるように
調整するのが好ましい。両ノズルより噴射される気体流
速を50m/s 以上とすることにより、液滴径を均一とし
たより良好な噴霧をより確実に行うことができる。な
お、噴霧用ノズル26に適用される気体としては、空
気、あるいは窒素ガス等の不活性ガス等、通常の2流体
ノズルに適用されるものがいずれも適用可能である。
ば、十分に微細化され、かつ液滴径が均一な良好な噴霧
を行えるのみならず、スラリー流路の径を小さくしなく
ても十分に微細化された液滴の噴霧を行うことができる
ので、ノズル詰り等のトラブルが発生することなく、安
定して微粒子コーティングを行うことができる。また、
各第1および第2ノズルから噴射される気体の流速を調
整する等によって発生できる液滴径を調整することがで
き、しかもその調整幅も広いので、広範な母体粒子径に
渡る適用が可能である。
ンバ24内に噴霧された混合スラリー12の液滴は、母
体粒子1個を核にして、その表面に微粒子を含有するス
ラリーが付着した状態となっている。そのため、乾燥チ
ャンバ24内でヒータ68によって加熱された気体によ
って乾燥されることにより、スラリーの分散媒が蒸発し
て、母体粒子を微粒子でコーティングした粒子となる。
乾燥チャンバ24内への混合スラリー12の噴霧を下方
に向かって行う、いわゆる下吹きの噴霧であるが、本発
明はこれには限定されず、図5に示されるように、噴霧
を上方に向かって行う、いわゆる上吹きの噴霧によるも
のであってもよいのはもちろんである。なお、図5に示
される例は、乾燥チャンバ24における噴霧の方法が異
なる以外は、図1に示される例と全く同様の構成を有す
るので、同じ部材には同じ番号を付し、詳細な説明は省
略する。
霧される液滴の重量が小さい(液滴径が小さい、母体粒
子や微粒子の比重が小さい等)場合に用いられ、図5に
示されるような上吹きは噴霧される液滴の重量が大きな
場合に用いられる。
は、サイクロン70によって回収されて製品粒子とされ
る。また、サイクロン70で回収できなかった粒子は、
ブロワー72によって吸引され、フィルタ74によって
回収される。なお、母体粒子と微粒子との接着力が弱い
場合には、製品粒子の回収はサイクロンで行わず、フィ
ルタ74によって回収される構成としてもよいのはもち
ろんである。
よび噴霧用ノズル、およびこれらを用いた本発明の微粒
子コーティング装置について説明したが、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲において、各種の改良および変更を行っても
よいのはもちろんである。
をより詳細に説明する。
0を用い、平均粒径10μmのアルミナを母体粒子、平
均粒径0.1μmのラテックス(粒子)を微粒子(コー
ティング粒子)として、アルミナ表面へのラテックスの
コーティングを行った。
に投入して混合・分散し、微粒子スラリー16を調整し
た。この微粒子スラリー16を、図2に示される湿式分
散器100を含む系で循環し、湿式分散器100によっ
てより高度に分散した。なお、循環は循環ポンプによる
流量が100kg/h、湿式分散器100からの吐出圧
が30kg/cm2 となるようにニードル弁118を調
整して行った。また、超音波発生器120は、発信周波
数15kHz、最大出力37Wのものをもちいた。
リー16を循環した後、高度に分散された微粒子スラリ
ー16を、混合槽20に送って母体粒子であるアルミナ
を添加し、混合・分散して混合スラリー12とした。な
お、アルミナの添加量は、300gとした。
を送液ポンプ22によって噴霧器14に送り、図3に示
される噴霧用ノズル26によって乾燥チャンバ24内に
噴霧し、サイクロン70によって回収した。なお、送液
ポンプ22による流量は0.2kg/h、吐出圧は3k
g/cm2、さらに、圧縮空気の気体流速は150m/s
とした。得られた製品は、母体粒子であるアルミナの表
面にラテックスが均一に分散された良好な製品品質を有
するものであった。以上の結果より本発明の効果は明ら
かである。
粒子コーティング方法によれば、噴霧乾燥による微粒子
コーティングにおいて、例え粒子径が小さな母体粒子お
よびコーティング粒子(微粒子)を用いた場合であって
も、微粒子や母体の凝集物等を造粒することなく、母体
粒子に微粒子が均一にコーティングされた目的物を好適
に造粒することができる。また、噴霧乾燥による微粒子
コーティングにおいて、本発明の噴霧用ノズルを適用す
ることにより、母体粒子およびコーティング粒子を含む
スラリーを微細で、かつ液滴径が均一な良好な噴霧とす
ることができ、高品質な製品を造粒するこことができ
る。
コーティング装置の一例を概念的に示す線図である。
断面図である。
ある。
である。
コーティング装置の別の例を概念的に示す線図である。
Claims (4)
- 【請求項1】分散媒中に母体粒子と前記母体粒子より微
小な微粒子とを分散し、この分散溶液を噴霧乾燥させる
ことにより、前記母体粒子の表面に前記微粒子をコーテ
ィングするに際し、 分散媒中に前記微粒子を分散したスラリーを作製し、次
いで、このスラリーを分散機にかけて前記微粒子をさら
に分散した後、前記母体粒子を前記スラリーに加え、こ
れらを十分に混合した後、直ちに噴霧乾燥することを特
徴とする微粒子コーティング方法。 - 【請求項2】噴霧乾燥によって、母体粒子の表面に、前
記母体粒子より微細な微粒子をコーティングする装置で
あって、 前記微粒子を分散媒に分散したスラリーを作製する手段
と、前記スラリー中の微粒子の分散をさらに高度にする
分散機と、前記分散機によって分散されたスラリー溶液
に母体粒子を添加し分散する手段と、前記母体粒子が添
加、分散されたスラリーを送液する送液手段と、前記送
液手段によって送られたスラリーを噴霧する、ノズル本
体、前記ノズル本体に形成される前記スラリーの流路
と、前記流路の途中に気体を噴出する第1ノズル、およ
び前記流路の出口近傍で流路の外周部より中心方向に向
けて気体を噴出する第2ノズルを有する噴霧ノズルを用
いる噴霧器と、前記噴霧器によって噴霧されたスラリー
を乾燥する手段とを有することを特徴とする微粒子コー
ティング装置。 - 【請求項3】前記分散器が、前記スラリーを作製する手
段によって作製されたスラリーの流入口および流出口、
ならびに前記流入口と流出口とを連通する流路を有する
分散器本体と、前記流路の途中に形成されるオリフィス
と、前記流路の途中の前記オリフィスの下流側かつ近傍
に設けられる超音波発生手段とを有する湿式分散器であ
る請求項2に記載の微粒子コーティング装置。 - 【請求項4】母体粒子と前記母体粒子より微小な微粒子
とが分散されたスラリーを噴霧乾燥することにより、前
記母体粒子の表面への前記微粒子のコーティングを行う
噴霧用ノズルであって、 ノズル本体と、前記ノズル本体に形成される前記スラリ
ーの流路と、前記流路の途中で前記スラリーの流れの方
向に気体を噴出する第1ノズルと、前記流路の出口近傍
で流路の外周部より中心方向に向けて気体を噴出する第
2ノズルとを有することを特徴とする噴霧用ノズル。
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JP04014855A JP3118055B2 (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 微粒子コーティング方法および装置ならびに噴霧用ノズル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04014855A JP3118055B2 (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 微粒子コーティング方法および装置ならびに噴霧用ノズル |
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JPH05208127A JPH05208127A (ja) | 1993-08-20 |
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JP (1) | JP3118055B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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IT201800004768A1 (it) * | 2018-04-20 | 2019-10-20 | Stefano Cassani | Impianto di atomizzazione |
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1992
- 1992-01-30 JP JP04014855A patent/JP3118055B2/ja not_active Expired - Lifetime
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IT201800004768A1 (it) * | 2018-04-20 | 2019-10-20 | Stefano Cassani | Impianto di atomizzazione |
WO2019202384A3 (en) * | 2018-04-20 | 2019-11-28 | Stefano Cassani | Atomization plant |
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