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JP3090586B2 - システインプロテアーゼ遺伝子欠損バキュロウイルスおよびその製造法並びにこれを利用する有用タンパク質の製造法 - Google Patents

システインプロテアーゼ遺伝子欠損バキュロウイルスおよびその製造法並びにこれを利用する有用タンパク質の製造法

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JP3090586B2
JP3090586B2 JP07023296A JP2329695A JP3090586B2 JP 3090586 B2 JP3090586 B2 JP 3090586B2 JP 07023296 A JP07023296 A JP 07023296A JP 2329695 A JP2329695 A JP 2329695A JP 3090586 B2 JP3090586 B2 JP 3090586B2
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JP
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gene
virus
cysteine protease
deficient
fragment
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健夫 鈴木
昭宏 宇佐美
耕平 小田
肇 森
利道 金谷
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Katakura Industries Co Ltd
Original Assignee
Katakura Industries Co Ltd
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Publication date
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    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12N2710/14011Baculoviridae
    • C12N2710/14111Nucleopolyhedrovirus, e.g. autographa californica nucleopolyhedrovirus
    • C12N2710/14141Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カイコ等の昆虫あるい
はその細胞を用いる遺伝子操作において有用な、システ
インプロテアーゼ遺伝子欠損ウイルスおよびその製造法
並びにこれを利用する有用タンパク質の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子組換え技術を利用し、カイ
コやヨトウ蛾等の昆虫やその培養細胞を用いて有用タン
パク質を生産する技術が盛んに研究されている。 これ
らの昆虫や昆虫細胞を用いる遺伝子組換え手法において
は、バキュロウイルス、特にその中の核多角体病ウイル
ス(以下、「NPV」と略称することがある)をベクタ
ーとして利用する方法が一般的である(特開昭61−9
288号、同62−208276号等)。
【0003】このような昆虫を利用した遺伝子組換えの
技術は、宿主となる昆虫細胞が従来用いられている大腸
菌や酵母と比べて遺伝的に人間に近いものであるため、
産生有用タンパク質の活性や抗原性の点等から好ましい
とされ、研究が進められている。
【0004】これらの遺伝子組換えの手法のうち、例え
ばカイコ生体を用いる方法は、カイコ多角体病ウイルス
(以下、「BmNPV」と略称することがある)の有す
る多角体遺伝子を他の有用タンパク質をコードする遺伝
子に置き換えて組換えウイルスを調製し、これを5齢カ
イコに接種して感染させ、4〜6日後に組換え体ウイル
スが増殖の過程でカイコ細胞中で産生し、体液中に分泌
した有用タンパク質を採取、分離、精製するというもの
であり、細胞培養によることなく通常のカイコの飼育で
有用タンパク質が得られること、また多量に発現するこ
とから、経済性の面から極めて有利なものと期待されて
いる。
【0005】しかしながら、実際にカイコに組換え体ウ
イルスを接種し、有用タンパク質を産生させようとする
と、感染後5日目程度までは飼育期間に従って有用タン
パク質の量が増加して行くが、その後は減少してしまう
という現象が起き、期待した通りに有用タンパク質が得
られないことが知られてきた。また、飼育期間が長い場
合は、有用タンパク質以外の不純物量も多くなり、精製
に困難が伴ったり、収量が減少するということも知られ
てきた。
【0006】このような現象は、カイコの体液中に有用
タンパク質を分解するプロテアーゼが存在すると考えれ
ば説明がつくが、更に、このプロテアーゼが何に起因す
るのか、また、このカイコ生体中でのプロテアーゼの作
用を阻害あるいは生成自体を防ぐ手段等については何も
知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、カイコ等を利
用する遺伝子操作において、一旦生成された有用タンパ
ク質のプロテアーゼによる分解を有効に防ぐ方法の提供
が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カイコの
体液中に存在するプロテアーゼについて種々検討したと
ころ、有用タンパク質を分解するプロテアーゼは、カイ
コが本来保有するpH2程度に至適pHを有する酸性プ
ロテアーゼとは異なるシステインプロテアーゼであるこ
とを見出した。
【0009】そして、このプロテアーゼの由来について
も研究を進めたところ、これは目的遺伝子の発現に利用
された組換えウイルスが産生するものであるとの結論を
得、更に詳しいDNAレベルでの検討を行なったところ
ウイルスゲノム中に当該プロテアーゼをコードする部分
を検出した。
【0010】本発明者らは、これらの知見に基づき更に
研究を行った結果、システインプロテアーゼをコードす
る部分の全部または一部を欠損したウイルスを利用すれ
ばカイコ生体中で産生された有用タンパク質が分解され
ることなく、また、精製手段も簡略化されることを見出
し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の目的は、核多角体病ウ
イルスゲノム由来のDNA断片上に存在するシステイン
プロテアーゼ遺伝子の一部若しくは全部を欠損またはマ
ーカー遺伝子で置換した遺伝子組換え用システインプロ
テアーゼ欠損ウイルスを提供することである。また、本
発明の別の目的は、システインプロテアーゼ遺伝子の一
部若しくは全部を、システインプロテアーゼ欠損となる
ようマーカー遺伝子で置換した核多角体病ウイルスゲノ
ムのDNA断片と、プラスミドベクター断片よりなるシ
ステインプロテアーゼを欠損したウイルスを作製するた
めのトランスファーベクターを提供することである。更
に、本発明の他の目的は、上記のシステインプロテアー
ゼを欠損したウイルスを外来 (目的)遺伝子発現のための親株ウイルスとして用いて
有利に有用タンパク質を製造する方法を提供することで
ある。
【0012】本発明は、前記したように核多角体病ウイ
ルスのゲノム上にはカイコ由来のものとは別のプロテア
ーゼをコードする遺伝子が存在し、これにより産生され
るシステインプロテアーゼが遺伝子組換えの手法により
産生される有用タンパク質を分解するとの知見に基づく
ものである。
【0013】このシステインプロテアーゼをコードする
遺伝子は、BmNPV(T3株(Maeda et al)1985)
のDNAをBamHI切断したウイルスゲノムの4.2
kbのF断片(77.5−80.6map units;
図1(Maeda & Majima)1990)中に存在した。
【0014】すなわちBamHI F断片の塩基配列の
決定の結果、BmNPVのBamHIのF断片のマップ
上には、gp64遺伝子の一部が存在し、そのマップ上
で左側にオープンリーディングフレームが存在した(図
2)。 そして、その推定アミノ酸配列(図3)を他の
アミノ酸配列と比較すると、パパイン様のシステインプ
ロテアーゼの配列と高い相同性を示した。 同じ核多角
体病ウイルスに属するヨトウ蛾NPV(AcNPV)の
ウイルスゲノム上に見出されたパパイン様のシステイン
プロテアーゼの配列(Whitford et al,1989,J,Virol.6
3,1393-1399)と高い相同性を有するものであったが、
ローリングスらはAcNPV感染細胞において特異的な
システインプロテアーゼ活性は認められないと報告して
いる(Rawlings et al.; Biol. Chem. Hopper-Seyler,
373, 1211-1215(1992))。
【0015】一方我々の研究では、核多角体病ウイルス
が感染した細胞および幼虫の体液からはウイルス特異的
なシステインプロテアーゼが検出されている。このBm
NPVのシステインプロテアーゼ遺伝子に関する知見に
基き、当該システインプロテアーゼ遺伝子の一部若しく
は全部を欠損せしめるか、またはこれをマーカー遺伝子
で置換することにより、まず、システインプロテアーゼ
を産生しない組換えウイルス調製のためのトランスファ
ーベクターを得ることができる。
【0016】具体的には、以下のようにしてシステイン
プロテアーゼ欠損ウイルスを作製することができる。ま
ず、カイコ核多角体病ウイルスを用いてBmNPV D
NA(T3株)をBamHIで切断し、得た断片のう
ち、F断片をpUC19等のベクタープラスミドを用い
てクローニングする。この下断片を含むプラスミドを、
決定した塩基配列を基にして適当な制限酵素を選び切断
し、システインプロテアーゼの蛋白質の塩基配列の一部
を取り除く。
【0017】利用しうる制限酵素の例としては、Apa
IとXcmIの組合せを挙げることができ、この組合せ
でクローニングベクターを消化することにより、システ
インプロテアーゼの最初のアミノ酸より114番目から
187番目までに対応する塩基配列をApaI−Xcm
I断片として切り出すことができる。このApaI−X
cmI配列の中には、システインプロテアーゼの活性中
心を形成するシステイン残基(136番目のアミノ酸)
周辺の配列が含まれており、少なくともこれらの配列を
除くことで、プロテアーゼの活性は消失するはずである
(図3参照)。また、ApaI−HpaI断片も同様利
用できる。
【0018】このように、システインプロテアーゼの蛋
白質領域の一部(または全部)を含むDNA断片、例え
ばApaI−XcmI断片を除去した後、クローニング
ベクターの他の断片を常法にしたがって再結合させるこ
とによっても、プロテアーゼ遺伝子欠損型ウイルス株
(BmNPVCP-)を調製するためのトランスファー
ベクターが得られる。
【0019】しかし、BmNPV中からのBmNPVC
-の選抜を容易にするため、除去したシステインプロ
テアーゼ遺伝子に代え、適当なマーカー遺伝子を組み込
むことが好ましい。
【0020】マーカー遺伝子としては、公知のマーカー
遺伝子を利用できるが、例えば、マーカー遺伝子として
β−ガラクトシダーゼ遺伝子を利用する場合は次の如く
すれば良い。 すなわち、pLacZ(Kamita et al,
J. Virol. 1993)のXbaI−BamHI断片(Lac
Zとhsp70のプロモーターを含む)を切り出し、D
NAポリメラーゼIのクレノウ断片で平滑末端化した
後、これをシステインプロテアーゼ遺伝子と置換するこ
とによりマーカーとしてβ−ガラクトシダーゼを産生す
るトランスファーベクタープラスミド(pBmFCP
(−)LZ)が得られる。
【0021】かくして得られる本発明のトランスファー
ベクタープラスミドを親株ウイルス(BmNPV)のD
NAとともに、カイコの培養細胞にコトランスフェクト
し、適当な期間培養することによりシステインプロテア
ーゼ遺伝子を欠失したシステインプロテアーゼ遺伝子の
欠損ウイルス(BmNPVCP-)を得ることができ
る。また、BmNPVのかわりに組換えBmNPVのD
NAを用いれば、直接システインプロテアーゼを欠損し
た組換えウイルス(BmNPVCP-)を得ることがで
きる。このシステインプロテアーゼ欠損のBmNPVお
よび組換えBmNPVCP-は、マーカーを産生するプ
ラーク、例えば、pBmFCP(−)LZを用いた場合
はβ−ガラクトシダーゼの働きで青色に発色したプラー
クをプラークアッセイにより選択し、純化することによ
り容易に得ることができる。
【0022】本発明により、カイコを利用して効率良く
有用タンパク質を産生させるためには、次の様にすれば
良い。以下は組換えウイルスのシステインプロテアーゼ
遺伝子を欠損するための方法を記述するが、野生株ウイ
ルス(BmNPV)も同様にすればよい。
【0023】すなわち、まず上記の様にして調製された
トランスファープラスミド、例えばpBmFCP(−)
LZを、核多角体の構造遺伝子部分を他の有用タンパク
質に置き換えた組換えBmNPVとともにカイコ培養細
胞にコトランスフェクトする。 次いで、コトランスフ
ェクトされたカイコ培養細胞を所定期間培養した後、シ
ステインプロテアーゼを産生しない組換えBmNPVC
-のプラークを選抜し、再度カイコ培養細胞に感染さ
せて培養し、増殖せしめる。 最後に、増殖された組換
えBmNPVCP-をカイコに接種し、カイコ体内で増
殖させ、カイコ体液中から有用タンパク質を採取すれば
良い。上記の有用タンパク質の産生方法は、組換えBm
NPVCP-を利用する以外は全て公知の方法またはこ
れに準じて行うことができる。従って、遺伝子組換え用
ウイルスの多角体遺伝子プロモーター、グラニュリン遺
伝子プロモーターまたはp10プロモーターの下流に挿
入された有用タンパク質遺伝子を発現させることで有用
蛋白が得られる。
【0024】
【作用】本発明は、BmNPV遺伝子上のシステインプ
ロテアーゼ遺伝子の全部又は一部を除去し、システイン
プロテアーゼの産生を防ぐ技術であるが、このシステイ
ンプロテアーゼ遺伝子は、BmNPV遺伝子上で核多角
体遺伝子部分と遠く隔たった部位に存在するので、核多
角体プロモーターや、その後の構造遺伝子部分に置換さ
れた有用タンパク質遺伝子にはなんら影響するものでは
ない。
【0025】従って、本発明の組換えBmNPVCP-
の製造には、従来提供されている組換えBmNPVのい
ずれをも利用することができ、その結果、これら組換え
BmNPVで産生されるすべての有用タンパク質、例え
ば、成長ホルモン、インターフェロン、エイズウイルス
エンベーブ糖タンパク質、C型肝炎外被タンパク質、ル
シフェラーゼ等を有利に得ることができる。なお、もと
もとカイコ体液中には至適pH2付近の酸性プロテアー
ゼが存在するが、このプロテアーゼによっては体液中の
タンパク質は分解されないことも明らかになった。
【0026】
【発明の効果】本発明の組換えBmNPVCP-を利用
して有用タンパク質を生産した場合、生産タンパク質の
分解が起こらずに効率のよいタンパク質生産が行え、特
にシステインプロテアーゼに感受性の高いタンパク質を
生産させる際には、非常に有用である。
【0027】また、組換えBmNPVCP-を利用した
場合、産生タンパク質のみならずカイコの細胞組織の破
壊も抑制されるため、細胞由来の不純物もなく純度の高
いものとして得ることができ、産生タンパク質の精製も
容易である。従って、本発明によれば、カイコを利用す
る遺伝子組換え技術を利用した有用遺伝子の発現におい
て極めて有効に利用できるものである。 また、他の昆
虫や昆虫細胞においても同様の効果が期待できる。
【0028】
【実施例】
実 施 例 1 BmNPVゲノム上でのシステインプロテアーゼ遺伝子
の検出:カイコ核多角体病ウイルス(BmNPV T3
株:Maeda et al., 1985, Nature)をカイコ虫体に感染
させて、大量のウイルスを得た。ウイルス粒子をショ糖
密度勾配遠心により精製し、プロテイナーゼ(proteina
se) K および1%SDSで処理してフェノール抽出を
行なうことによって、ウイルスDNAを精製した。 精
製したウイルスDNAを制限酵素のBamHIで切断
し、アガロース電気泳動によりA−Fまでの断片に分離
した(BmNPVゲノムの物理地図は図1に示す)。
このうちのF断片(77.5−80.6 map unit
s;3.9kb、図2)を精製し、pUC19ベクター
のBamHIサイトに連結(ライゲーション)した。
ライゲーション反応は、例えば宝酒造社のライゲーショ
ンキットを用いて16℃で一晩反応して行なった。 こ
うして得られたプラスミド(pBmFCP)は、コンピ
テントセル(大腸菌、例えばJM109)に形質転換
し、クローニングした。
【0029】次いで、F断片の塩基配列は、シークエン
シングキット(例えば東洋紡社のシーケナーゼ(sequena
se)など)を用いてジデオキシ法(Sanger et al.)によ
り決定し、その配列を解析した。
【0030】その結果、F断片のマップ上でgp64遺
伝子のマップ上での左側(gp64遺伝子の下流)に9
73bpの塩基により構成されるオープンリーディング
フレームの存在が示され、そのアミノ酸配列を推定した
ところ、それは生物一般に普遍的に認められるシステイ
ンプロテアーゼの配列と類似するものであった。 シス
テインプロテアーゼオープンリーディングフレームの塩
基配列および推定アミノ酸配列を図3に示す。
【0031】実 施 例 2 システインプロテアーゼ遺伝子欠損ウイルスの作製:ウ
イスルゲノム中のシステインプロテアーゼ遺伝子を欠損
したウイルス株を以下のようにして作製した(図5)。
【0032】(1) まず、BmNPVのF断片をクロ
ーニングしたベクタープラスミド(pBmFCP)を例
えばアルカリ法により精製し、制限酵素ApaIとXc
mIで切断した。
【0033】この切断により生じるApaI−XcmI
断片中には、システインプロテアーゼ配列の最初のアミ
ノ酸より114番目から187番目までの配列に対応す
る塩基配列が含まれており、ここには、システインプロ
テアーゼの活性中心を形成するシステインプロテアーゼ
残基周辺の配列が含まれている。
【0034】(2) 次に、pLacZプラスミド(kam
ita et al.)を XbaI−BamHIで切断し、キイ
ロショウジョウバエのhspプロモーターをともなった
β−ガラクトシダーゼ遺伝子カセットを切り出し、DN
Aポリメラーゼのクレノウ断片を用いて37℃で30分
間処理し平滑末端化した。
【0035】一方、ApaIとXcmIで切断したpB
mFCPプラスミドはT4 DNAポリメラーゼ(例え
ば宝酒造社の blunting kit)で平滑末端化し、さらに
アルカリホスファターゼ(例えば Calf intestine由
来)で脱リン酸化した。この平滑化したpBmFCPプ
ラスミドに、平滑末端化したβ−ガラクトシダーゼ遺伝
子カセットを挿入し連結した。 これにより、ウイルス
システインプロテアーゼ遺伝子のうち、アミノ酸114
番目から187番目までの配列がβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子に置き換わったトランスファーベクター(pBm
FCP-LZ)を得た。 β−ガラクトシダーゼ(マーカ
ー遺伝子)を挿入することにより、プラーク法によるプ
ロテアーゼ遺伝子欠損型組換えウイルスの選抜が容易に
なる。
【0036】(3)塩化セシウム密度勾配遠心により精
製したpBmFCP-LZプラスミドとBmNPV DN
Aを混合し、25℃でMGM−448(10%FBS添
加)培地を用いて培養したBm細胞(BmN細胞あるい
はBoMo15A llc細胞)にリン酸カルシウム法
を用いてコトランスフェクトした。 リン酸カルシウム
法を行なうにあたっては、例えばセルフェクト・トラン
スフェクションキット(CellPhect Transfection Kit
(ファルマシア社製))を利用して行なった。16−20
時間培養後新しい培地に交換して、さらに4〜5日間2
5℃で培養してウイルス原液を得た。
【0037】このウイルス原液の中から、システインプ
ロテアーゼ遺伝子を欠損した(β−ガラクトシダーゼ遺
伝子に置き換わった)ウイルスを選択するために、次の
方法でプラークアッセイを行なった。 すなわち、ウイ
ルス原液を適当に希釈したものとBmN細胞を混合し、
室温で感染させる。 それを寒天培地に重層してβ−ガ
ラクトシダーゼの基質であるX−gal(25μg/m
l)を添加することにより、青色に発色したプラークを
選択した。 さらにプラーク純化を繰り返して、システ
インプロテアーゼ遺伝子を欠失し、マーカー遺伝子を組
み込んだ組換えウイルスの単一のクローン(BmNPV
CP-)を得た。
【0038】実 施 例 3 システインプロテアーゼ遺伝子欠損ウイルスの特性:実
施例2により得られるシステインプロテアーゼ遺伝子欠
損ウイルス(BmNPVCP-)について、その増殖状
態、プロテアーゼの産生の有無を試験した。なお、従来
の遺伝子操作に用いられる組換えBmNPV DNA
は、野生株NPV DNAの核多角体遺伝子部分が他の
タンパクの構造遺伝子に変換されているだけで、プロテ
アーゼ遺伝子部分に関しては変わりないので、以下の試
験では核多角体を形成する野性株のBmNPV(蚕糸昆
虫農業技術研究所より入手)を用いた。
【0039】(1) 増殖 BmNPVCP-は、野性株BmNPVと比較し、増殖
過程などに特に大きな変化は認められず、増殖に有意な
差はなかった。また多角体の形成能も野性株BmNPV
と同様であり、正常であった。
【0040】(2) システインプロテアーゼ活性 システインプロテアーゼ遺伝子欠損ウイルス(BmNP
VCP-)に感染した細胞あるいはカイコ虫体におい
て、システインプロテアーゼ活性が消失するかどうかを
試験するため、プロテアーゼ活性の測定を行なった。
例えば、以下の2つの方法を用いることができる。1つ
の方法は、基質にアゾコール(Azocoll(シグマ社製))
を用い、pH4.0あるいはpH4.5の緩衝液(0.1
M Succinic acid buffer)に3mg/mlの濃度で懸
濁し、この懸濁液に試料を加え、数時間37℃で攪拌し
ながら反応させる方法である。 反応系に2倍量の10
%SDSを添加して反応を停止し、3,000rpmで
遠心して上清みを採取する。 これについて520nm
での吸光度を測定する。
【0041】もう1つは天然基質を用いる方法で、例え
ばヘモグロビン(MERCK製など)を基質に用いる。
酸変性させたヘモグロビンを1%(w/v)の濃度で
上記緩衝液に溶解し基質液とする。 基質液20μlと
(緩衝液+試料)60μlを混合して37℃で一定時間
反応させる。10%TCA(トリクロロ酢酸)を80μ
l添加して反応を停止し、10,000rpmで5分間
遠心して上清を採取する。上清100μlに0.55M
NaCO3 625μlを加えて5分間放置し、次に1N
のフェノール試薬を125μl加えて37℃で30分間
保温して発色させ、660nmにおいて吸光度を測定す
る。
【0042】カイコ培養細胞(BmN細胞あるいはBo
Mo細胞)にBmNPVCP-を感染させ、(約1×1
5細胞)、感染後72時間の細胞を採取し、界面活性
剤を含む緩衝液100μlで処理して可溶化し、15,
000rpmで遠心して上清を得た。 このサンプルに
ついてプロテアーゼ活性を測定したところ、プロテアー
ゼの活性は野性株BmNPVを感染させたものより顕著
に減少していた。 非感染の細胞(control)においても
有意なレベルでプロテアーゼ活性が認められるが、これ
は細胞のリソゾーム内に存在するプロテアーゼに由来す
るものであると思われ、野性株ウイルスの感染した細胞
ではこの活性に加えてさらにウイルス由来のシステイン
プロテアーゼ活性が付加されていることになる。
【0043】ウイルス感染により、もともと細胞が持っ
ているプロテアーゼ活性は減少する傾向にあり、それは
BmNPVCP-に感染した細胞では非感染のものと比
較して、さらに活性が低下していることから示される。
さらに、反応液中にシステインプロテアーゼの阻害剤
であるE−64を添加するとこれらの活性はほぼ完全に
消失し、これらがシステインプロテアーゼに分類される
ことがわかる。また、カイコの幼虫に感染させても、カ
イコ体液中のシステインプロテアーゼの活性は感染時期
を通じて上昇することはなかった(図4)。
【0044】このことは、カイコ体液中のタンパク質を
SDS−PAGE(Laemmli et. al.)で分析、比較す
ることにより、より明らかにされる。 すなわち、野性
株BmNPVに感染したカイコでは感染が進むに従い体
液タンパクが分解されていくが、BmNPVCP-に感
染したものでは体液タンパクは全く分解されていなかっ
た(図6)。 カイコの幼虫体液において至適pH2〜
3の酸性プロテアーゼが存在しているが、これらが体液
タンパクの分解には作用せず、ウイルス由来のシステイ
ンプロテアーゼが分解に関与していることがこの結果か
ら明らかである。
【0045】さらに、カイコ体液の状態を観察したとこ
ろでは、野性株BmNPVに感染したカイコの体液に
は、感染が進むにつれて白く濁り、脂質が浮いてくるの
が観察されるが、BmNPVCP-に感染したカイコ体
液では、透明のままで脂質も少ないことが観察された。
さらにまた、BmNPVCP-に感染したカイコの気管
被膜細胞を観察すると、多角体がぎっしりとつまった被
膜細胞が見られ、ウイルス感染による細胞破壊は野性株
に比べて極めて少なかった(図7)。
【0046】実 施 例 4 有用タンパク質の生産:システインプロテアーゼ遺伝子
欠損ウイルス(BmNPVCP-)にヒト成長ホルモン
遺伝子及びホタルルシフェラーゼ遺伝子を組換えて、そ
の発現量を従来のウイルスと比較した。
【0047】(1) 組換え操作:ヒト成長ホルモン遺
伝子及びホタルルシフェラーゼ遺伝子の各々をトランス
ファーベクタープラスミドに導入し、そのプラスミドを
アルカリ法及び塩化セシウム密度勾配遠心により精製、
調製した。 一方、BmNPVCP-ウイルス(以下、
「CP-ウイルス」という)はショ糖密度勾配遠心によ
り精製し、プロティナーゼK及び1%SDSで処理して
フェノール抽出を行い、ウイルスDNAを調製した。得
られたプラスミドとCP-ウイルスDNAを混合し、先
に記述したように25℃で培養したBm細胞にリン酸カ
ルシウムを用いてコトランスフェクトした。16〜20
時間培養後、新しい培地に交換し、さらに4〜5日培養
してウイルス原液を得た。このウイルス原液の中から、
限界希釈法を用い目的の有用タンパク質遺伝子を組換え
たウイルスを選択した。 すなわち、ウイルス原液を適
当に希釈して、96穴プレート上に培養したBm細胞に
対して感染させ、4〜5日25℃で培養した。 顕微鏡
下で多角体マイナスのウイルスを選抜することにより、
組換え体を得た。
【0048】(2)ヒト成長ホルモンの発現調査 まず、ヒト成長ホルモン遺伝子を組換えた従来の野生型
のウイルス(CP+hGH)およびヒト成長ホルモン遺
伝子組換えCP-ウイルス(CP-hGH)を培養Bm細
胞に感染させ、72時間後の細胞を集めてSDS−PA
GEでタンパク質を分離した。 成長ホルモンタンパク
質の検出にはイムノブロッティング(Immno-blotting)
の手法を利用した。 すなわち、ゲルからタンパク質を
ニトロセルロース膜に電気的に転写し、ヒト成長ホルモ
ンに対する特異抗体(HycorBiomedical Inc.)を用いて
免疫学的に検出した。検出には酵素抗体法を用い、アマ
シャム社のECL デテクション・キット(Detection K
it)を利用した。
【0049】図8の左側の写真に示すように、CP+
GHにおいては本来の成長ホルモンのバンド(22kD
a及び25kDa)よりも低分子側に分解物のバンドが
見られるが、CP-hGHではそのようなバンドはまっ
たく見られなかった。同様に、カイコ5令幼虫に両ウイ
ルスを感染させて体液中のヒト成長ホルモンを検出した
場合、CP+hGHでは感染が進むとともに16kDa
の位置に大量の分解物が現われるが、CP-hGHでは
ほとんど分解物は見られず、完全な大きさのヒト成長ホ
ルモンが生産されていた(図8の右側の写真)。 この
ように、CP-ウイルスではプロテアーゼによると思わ
れる分解が起こっておらず、生産性が向上することが確
認された。
【0050】(3)ホタルルシフェラーゼの発現調査 ホタルルシフェラーゼ遺伝子を組換えた従来のウイルス
(CP+PL)とCP- ウイルス(CP-PL)をカイコ
5令幼虫に感染させ、体液中に蓄積されるルシフェラー
ゼをイムノブロッティングにより分析した。その結果、
図9に示すようにCP+PLでは感染が進むとともに本
来のルシフェラーゼのバンド(66kDa)のほかにそ
の分解物である50kDaのタンパクバンドが見られ、
分解が進むが、CP-PLではそのようなバンドがまっ
たく見られず、完全な大きさのルシフェラーゼタンパク
のみが見られ、その量もCP+PLより1.5〜3倍高か
った。 このようにルシフェラーゼの生産においても、
CP-ウイルスではカイコ体内での分解が起こらず生産
性が大きく向上することが明らかとなった。
【0051】
【配列表】
配列の長さ: 5883 配列の型: 核 酸 鎖の数: 2本鎖 トポロジー: 直鎖状 配列の種類: Genomic DNA
【0052】起 源: 生物名: カイコ核多角体病ウイルス 株 名: BmNPVCP- 配列の特徴: 特徴を表わす記号: TATA signal 存在位置: 798..805 存在を決定した方法: E 配列の特徴: 特徴を表わす記号: peptide 存在位置: 1032..4642 存在を決定した方法: E
【0053】配 列
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 BmNPVのゲノム上におけるBamHIの
F断片の位置を示す図。
【図2】 BmNPVのFフラグメント上のシステイン
プロテアーゼの位置を示す図。
【図3】 システインプロテアーゼをコードする遺伝子
とそれから推定されるアミノ酸配列を示す図面。
【図4】 野生型BmNPVとBmNPVCP に感染
したカイコ体液中のシステインプロテアーゼ活性の変化
を示す図。
【図5】 システインプロテアーゼ遺伝子欠損ウイルス
の作製手順を示す図。
【図6】 野生型BmNPVとBmNPVCPに感染
したカイコ体液タンパクの分解状態を示す電気泳動の写
真。
【図7】 野生型BmNPVとBmNPVCP-に感染
したカイコの気管被膜細胞の状態を示す生物形態の写
真。
【図8】 カイコ細胞培養液中およびカイコ幼虫体液中
に発現したヒト成長ホルモンタンパク質の電気泳動によ
るイムノブロッティングの結果を示す写真。
【図9】 カイコ幼虫体液中に発現したホタルルシフェ
ラーゼの電気泳動によるイムノブロッティングの結果を
示す写真。 以 上
フロントページの続き (72)発明者 金谷 利道 長野県松本市中央4丁目5番地25号 片 倉工業株式会社生物科学研究所内 (56)参考文献 Journal of Virolo gy,68(10),p.6619−6625,Oc t.1994 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS/WPI(DIALOG) GENBANK/DDBJ/EMBL/G ENESEQ

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バキュロウイルスのゲノム上に存在する
    システインプロテアーゼ遺伝子の一部若しくは全部を欠
    失またはマーカー遺伝子で置換した外来遺伝子発現のた
    めのシステインプロテアーゼ欠損ウイルス。
  2. 【請求項2】 バキュロウイルスが核多角体病ウイルス
    である請求項第1項記載の外来遺伝子発現のためのシス
    テインプロテアーゼ欠損ウイルス。
  3. 【請求項3】 バキュロウイルスがカイコ核多角体病ウ
    イルスである請求項第1項または第2項記載の外来遺伝
    子発現のためのシステインプロテアーゼ欠損ウイルス。
  4. 【請求項4】 欠失またはマーカー遺伝子で置換される
    システインプロテアーゼ遺伝子部分が、プラスミドにク
    ローンされたバキュロウイルスゲノムのDNA断片であ
    る請求項第1項記載の外来遺伝子発現のためのシステイ
    ンプロテアーゼ欠損ウイルス。
  5. 【請求項5】 欠失またはマーカー遺伝子で置換される
    システインプロテアーゼ遺伝子部分が、プラスミドにク
    ローンされたカイコ核多角体病ウイルスゲノムのDNA
    断片である請求項第3項記載の外来遺伝子発現のための
    システインプロテアーゼ欠損ウイルス。
  6. 【請求項6】 欠失またはマーカー遺伝子で置換される
    システインプロテアーゼ遺伝子部分が、カイコ核多角体
    病ウイルスのBamHI酵素消化DNA F断片のAp
    aI−XcmI断片である請求項第5項記載の外来遺伝
    子発現のためのシステインプロテアーゼ欠損ウイルス。
  7. 【請求項7】 置換されるマーカー遺伝子がβ−ガラク
    トシダーゼ遺伝子である請求項第1項ないし第6項のい
    ずれかの項記載の外来遺伝子発現のためのシステインプ
    ロテアーゼ欠損ウイルス。
  8. 【請求項8】 システインプロテアーゼ遺伝子の一部若
    しくは全部を、システインプロテアーゼ欠損となるよう
    マーカー遺伝子で置換した核多角体病ウイルスゲノムの
    DNA断片と、プラスミドベクター断片よりなるシステ
    インプロテアーゼ遺伝子を欠損させるためのトランスフ
    ァーベクター。
  9. 【請求項9】 システインプロテアーゼ欠損となるよう
    マーカー遺伝子で置換されるシステインプロテアーゼ遺
    伝子部分が、カイコ核多角体病ウイルスゲノムのBam
    HI酵素消化DNA F断片のApaI−XcmI断片
    またはApaI−HpaI断片である請求項第8項記載
    のトランスファーベクター。
  10. 【請求項10】 システインプロテアーゼ欠損となるよ
    置換されるマーカー遺伝子がβ−ガラクトシダーゼ
    遺伝子である請求項第8項または第9項記載のトランス
    ファーベクター。
  11. 【請求項11】 システインプロテアーゼ遺伝子の一部
    若しくは全部をマーカー遺伝子で置換したバキュロウイ
    ルスのゲノム断片と、プラスミドベクター断片よりなる
    トランスファーベクターを、バキュロウイルスゲノムと
    昆虫細胞にコトランスフェクションさせることにより組
    換えウイルスを作製することを特徴とする請求項第1項
    記載のシステインプロテアーゼ欠損組換えウイルスの製
    造法。
  12. 【請求項12】 システインプロテアーゼ遺伝子の一部
    若しくは全部をマーカー遺伝子で置換した核多角体病ウ
    イルスのゲノム断片と、プラスミドベクター断片よりな
    るトランスファーベクターを、核多角体病ウイルスゲノ
    ムと昆虫細胞にコトランスフェクションさせることによ
    り組換えウイルスを作製することを特徴とする請求項第
    2項記載のシステインプロテアーゼ欠損組換えウイルス
    の製造法。
  13. 【請求項13】 バキュロウイルスのゲノム上に存在す
    るシステインプロテアーゼ遺伝子の一部若しくは全部を
    欠損またはマーカー遺伝子で置換したシステインプロテ
    アーゼ欠損遺伝子組換え用ウイルスを宿主昆虫に感染さ
    せ、遺伝子組換え用ウイルスの多角体遺伝子プロモータ
    ー、グラニュリン遺伝子プロモーターまたはp10遺伝
    子プロモーターの下流に挿入された有用タンパク質遺伝
    子を発現させ、これを採取することを特徴とする有用タ
    ンパク質の製造法。
  14. 【請求項14】 核多角体病ウイルスのゲノム上に存在
    するシステインプロテアーゼ遺伝子の一部若しくは全部
    を欠損またはマーカー遺伝子で置換したシステインプロ
    テアーゼ欠損遺伝子組換え用ウイルスを宿主昆虫に感染
    させ、遺伝子組換え用ウイルスの多角体遺伝子プロモー
    ター、グラニュリン遺伝子プロモーターまたはp10プ
    ロモーターの下流に挿入された有用タンパク質遺伝子を
    発現させ、これを採取することを特徴とする有用タンパ
    ク質の製造法。
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