[go: up one dir, main page]

JP3090459B2 - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JP3090459B2
JP3090459B2 JP4291590A JP4291590A JP3090459B2 JP 3090459 B2 JP3090459 B2 JP 3090459B2 JP 4291590 A JP4291590 A JP 4291590A JP 4291590 A JP4291590 A JP 4291590A JP 3090459 B2 JP3090459 B2 JP 3090459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
sulfide resin
polyarylene sulfide
tetrafluoroethylene
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4291590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03263464A (ja
Inventor
俊次 大西
嘉紀 市川
Original Assignee
東燃化学株式会社
俊次 大西
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東燃化学株式会社, 俊次 大西 filed Critical 東燃化学株式会社
Priority to JP4291590A priority Critical patent/JP3090459B2/ja
Publication of JPH03263464A publication Critical patent/JPH03263464A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3090459B2 publication Critical patent/JP3090459B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリアリーレンサルファイド樹脂と、フッ
素系樹脂とを含有するポリアリーレンサルファイド樹脂
組成物の製造方法に関し、特にポリアリーレンサルファ
イド樹脂と、フッ素系樹脂とが良好に相溶し、耐熱性、
耐薬品性、低摩擦性、耐摩耗性等に優れたポリアリーレ
ンサルファイド樹脂組成物の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ポリフェニレンサルファイド樹脂等のポリアリーレン
サルファイド樹脂は、一般的な機械的物性や耐熱性等に
優れているが、摺動部品材料、例えばギアー、軸受、シ
ール材等に用いる場合には、低摩擦性ではあるが耐摩耗
性が十分でない。
一方ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
等のフッ素系樹脂は、耐薬品性、非粘着性、耐熱性を有
する材料として知られているが、低摩擦性ではあるもの
の耐摩耗性については十分ではないという問題がある。
このようなポリアリーレンサルファイド樹脂と、ポリ
テトラフルオロエチレン又はテトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とを混合
することにより、摺動性を付与することが種々提案され
ている。
特開昭52−129761号は、ポリフェニレンサルファイド
樹脂に、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン及び潤滑油
を添加してなる要滑部材を開示しいる。
特開昭55−45704号は、ポリフェニレンサルファイド
樹脂に低結晶性熱可塑性樹脂組成物、炭素繊維、黒鉛及
びフッ素樹脂を含む組成物を開示している。
特開昭60−228558号は、ポリフェニレンサルファイド
樹脂にポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデ
ン、無機充填材及び繊維状強化材を含有する組成物を開
示している。
さらに特開昭61−266451号は、(a)テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合樹脂及びフルオロエチレンプロピレンエーテ
ル樹脂よりなる少なくとも一種の樹脂と、ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂とからなる摺動部材用組成物を開示
している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前述の各組成物ではその製造の際に、
ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフ
ッ素系樹脂を粉体の状態で、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂と配合し、その融点以上の温度で混練しているの
で、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の
粉体は集合してマクロ的自己層を形成し、相溶性が良好
でないという問題がある。
一方、ポリフェニレンサルファイド樹脂とポリテトラ
フルオロエチレン等のフッ素系樹脂の粉体を混合して、
ラム押出機等により成形したり、あるいは圧縮成形する
方法もあるが、ポリフェニレンサルファイド樹脂中にフ
ッ素系樹脂が必ずしも均一に分散しているとはいえない
状態にある。
上述のように、従来のポリフェニレンサルファイド樹
脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂とポリテトラフ
ルオロエチレン又はテトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体とを含有する組成
物は、両者が親和性を有さないため、均一に分散し得る
相溶性の良好なものはなかった。
したがって本発明の目的は、ポリアリーレンサルファ
イド樹脂中にポリテトラフルオロエチレンやテトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体等が微細に分散し、相溶性が良好で、耐熱性、耐
薬品性、低摩擦性及び耐摩耗性に優れたポリアリーレン
サルファイド樹脂組成物を製造する方法を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ポリ
アリーレンサルファイド樹脂とポリテトラフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂とを含有する
樹脂組成物において、ポリテトラフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体等に、相溶化剤としてテトラフルオロエ
チレン−オレフィン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、
フッ化ビニリデン共重合体から選ばれた一種または二種
以上を配合して、あらかじめ溶融混練し、得られた混合
物に、ポリアリーレンサルファイド樹脂を所定の温度
で、溶融混練することにより、上記問題点を解消した組
成物が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂
組成物の製造方法は、(a)ポリテトラフルオロエチレ
ン、及び/又はテトラフルオロエチレン及びフルオロビ
ニルモノマーを含む共重合体5〜30容量部と、(b)テ
トラフルオロエチレン−オレフィン共重合体、ポリフッ
化ビニリデン、フッ化ビニリデン共重合体から選ばれた
一種又は二種以上95〜70容量部とを、前記(a)及び前
記(b)の融点以上の温度で溶融混練し、次いで得られ
た混練物5〜30容量部と、(c)ポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂95〜70容量部とを、前記(b)及び前記
(c)の融点以上、前記(a)の融点未満の温度で溶融
混練することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、(a)のポリテトラフルオロエチレ
ンとは、テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)を重合し
て得られるポリマーであり、一般式: CF2−CF2 で表されるものである。上記ポリテトラフルオロエチレ
ンは通常1011〜1013のポイズ(380℃)の溶融粘度を有
し、その融点は327℃である。このようなポリテトラフ
ルオロエチレンは、デュポン社の「テフロン」の商標名
で知られているものであるが、粉体の市販品として例え
ば、ダイキン工業(株)製「ルブロンL−5」(商品
名)、同社製「ポリフロンTFE」(商品名)、三井デュ
ポンフロロケミカル(株)製「テフロンTE914J」(商品
名)等が挙げられる。
また、本発明においてテトラフルオロエチレンと共重
合するフルオロビニルモノマーとは、ビニル基の水素原
子がフッ素置換されたもので、フッ素化された置換基を
有する。上記フルオロビニルモノマーとしては、パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
上記テトラフルオロエチレン及びフルオロビニルモノ
マーを含む共重合体としては、例えばテトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)等の二元共重合体の他に、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフ
ルオロプロピレンとの三元共重合体(EPE)等が挙げら
れる。
なお、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)は、一般式: (式中、RfはCF3、C2F5、C3F7などのパーフルオロ置換
基を示す。) で表されるものである。
上記テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体は、通常104〜105ポイズ(380
℃)の溶融粘度を有し、その融点は302〜310℃である。
このようなテトラフルオロエチレンとフルオロビニル
モノマーとの共重合体の市販品としては、例えば三井デ
ュポンフロロケミカル社(株)製「テフロンPFA」(商
品名)、ダイキン工業(株)製「ネオフロンPFA」(商
品名)等が挙げられる。
また本発明において、(b)のテトラフルオロエチレ
ン−オレフィン共重合体は、テトラフルオロエチレンと
エチレン、プロピレン、ブテン−1等のオレフィンとの
共重合体である。その代表的な例としては、エチレン−
テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が挙げられ
る。このエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
は、一般式: CF2−CF2 CH2−CH2 で表されるものである。
上記エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ET
FE)は、通常104〜105ポイズ(300〜330℃)の溶融粘度
を有し、その融点は260℃である。
上記エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体の市
販品としては、例えば、ダイキン工業(株)製「ネフロ
ンBTFE EP520」(商品名)等が挙げられる。
本発明において、(b)のポリフッ化ビニリデン(PV
DF)は、フッ化ビニリデン(CH2=CF2)を重合して得ら
れるポリマーであり、一般式: CH2−CF2 で表されるものである。
上記分子構造を有するポリフッ化ビニリデンは、通常
2×103〜2×106(210〜270℃)の溶融粘度を有し、そ
の融点は160〜180℃である。このようなポリフッ化ビニ
リデンとしては、射出成形用、押出成形用等の各種グレ
ードのものが製造されているが、本発明においては特に
制限されない。
上記ポリフッ化ビニリデンの市販品としては、呉羽化
学工業(株)製「KFポリマー」(商品名)、ダイキン工
業(株)製「ネオフロンPVDF」(商品名)等を挙げるこ
とができる。
また、フッ化ビニリデン共重合体とは、上述のフッ化
ビニリデンと四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン等
のパーフロロモノマー類を主要モノマーとする共重合体
である。共重合体はブロック又はランダムの共重合体に
限らず、グラフト共重合体でもよく、放射線照射または
パーオキサイド触媒により製造することができる。
本発明で用いる(c)ポリアリーレンサルファイド樹
脂は、一般式:Ar−S(ただしArは芳香族残基であ
り、Sは硫黄である。)により表される繰り返し単位を
有するものである。ここで上記一般式中の芳香族残基
(−Ar−)として、例えば、 (ただし式中、Xはフッ素、塩素、臭素及びCH3であ
り、mは1〜4の正の整数である。) 等が挙げられる。
上記のポリアリーレンサルファイド樹脂のうち代表的
なものとして、一般式: で表されるポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)が
挙げられる。また、上記ポリフェニレンサルファイド樹
脂に、他のモノマーを10モル%以下程度共重合体したも
のも用いることができる。また上記樹脂は鎖状分子間に
おいて未架橋のものであるが、加熱処理などの方法で部
分架橋したものを使用することもできる。
このような、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、30
0℃における溶融粘度が20〜30,000ポアズであり、好ま
しくは100〜15,00ポアズである。またその融点は通常28
0〜290℃である。
このようなポリフェニレンサルファイド樹脂として
は、射出成形用、押出成形用等の各種グレードのものが
製造されているが、本発明においては特に制限されな
い。
上記ポリフェニレンサルファイド樹脂の市販品として
は、例えば(株)トープレン製「トープレンPPS」(商
品名)、旭硝子(株)製「ASAHI PPS」(商品名)、信
越化学工業(株)製「信越PPS」(商品名)、保土谷化
学(株)製「サスティール」(商品名)等が挙げられ
る。
上述の(a)成分、(b)成分及び(c)成分の配合
比は、まず(a)成分/(b)成分が容積比で5/95〜70
/30、好ましくは15/85〜50/50である。(a)成分/
(b)成分が5/95未満では、(a)成分の含有の効果が
不十分であり、一方70/30を超えると(a)成分がポリ
アリーレンサルファイド樹脂中で、単独で凝集しやすく
なり、ポリアリーレンサルファイド樹脂とフッ素系樹脂
との相溶性の良好な組成物が得られない。
また(c)ポリアリーレンサルファイド樹脂の配合比
は、((a)成分+(b)成分)/(c)成分の容積比
で5/95〜30/70、好ましくは15/85〜30/70である。上記
容積比が5/95未満では、(a)成分及び(b)成分は
(c)成分との混練時に凝集化傾向を示し、(c)成分
中に安定して均一に分散しなくなる。一方30/70を超え
ると、フッ素系樹脂含有による耐熱性、耐薬品性、低摩
擦性、及び耐摩耗性等の向上効果が不十分である。
なお、本発明においては各種構成成分の配合比率を容
積比で示しているが、容積比は、各成分の重量をその密
度で除して得られる。
本発明の組成物は上記各成分以外に、必要に応じてシ
リコンオイルや二硫化モリブデン、離型剤、滑剤、熱安
定剤、発泡剤、無機充填剤等を添加することができる。
次に本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
を製造する方法について説明する。
本発明においては、まず(a)成分と(b)成分とを
混練する(第一の混練工程)。第一の混練工程は(a)
成分及び(b)成分の融点以上、熱分解開始温度未満の
温度で行う。具体的には310〜340℃が好ましく、特に32
0〜340℃が好ましい。また混練に要する時間は、樹脂の
混合比や使用する混練装置により異なるが、例えばワイ
ゼンベルグ押出機を用いる場合は1〜30分が好ましく、
特に5〜15分が好ましい。
次いで、このようにして得られた混練物と、ポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物及び必要に応じて添加さ
れる各種添加剤等とを混練する(第二の混練工程)。第
二の混練工程は(a)成分の融点未満で、かつ(b)及
び(c)成分の融点以上の温度で行う。具体的にはポリ
アリーレンサルファイド樹脂としてポリフェニレンサル
ファイド樹脂を用いた場合、280〜300℃が好ましく、特
に285〜290℃が好ましい。また混練に要する時間は前記
ワイゼンベルグ押出機を用いる場合、1〜30分が好まし
く、特に5〜15分が好ましい。
なお、上記第一及び第二の混練の方法は特に限定され
ないが、(a)成分は第一の溶融混練の際、溶融状態に
あっても、高い粘度を有するため、例えばワイゼンベル
グ押出機やスクリュー型押出機等を使用するのが好まし
い。また溶融混練に先だち各種成分は、通常の熱可塑性
樹脂の混合の場合と同様に粉体やペレットの状態で予め
混合しておくことが好ましい。
このようにして得られる本発明のポリアリーレンサル
ファイド樹脂組成物の模式図を第1図に示す。第1図中
において、(a)成分2は、(b)成分により包含され
た状態で、ポリアリーレンサルファイド樹脂のマトリッ
クス1中に分散している。なお、上記(a)成分はその
全域が(b)成分により包含されている必要はなく(図
中の4′)、一部が露出した状態であってもよい(図中
の4)。また3は(b)成分単独の粒子である。
上記(b)成分に包含された(a)成分粒子の粒径は
通常5〜50μm、好ましくは5〜15μmである。また
(b)成分単独の粒子の粒径は通常5μm未満である。
なお、第1図中においては、それぞれその特徴が顕著
な粒子にのみ番号をつけてある。
〔作 用〕
本発明の製造方法により得られたポリアリーレンサル
ファイド樹脂組成物は、(a)成分と(c)成分の相溶
化剤として(b)成分を含有しているため、(a)成分
が(c)成分マトリックス中に均一に分散した相溶性の
良好な濃茶褐色または黒褐色のポリアリーレンサルファ
イド樹脂特有の外観を呈する。
このような樹脂組成物を、電子顕微鏡により観察する
と、(a)成分の微粒子を相溶化剤の(b)成分が包み
こんだ形の粒子状物(島構造)が(c)ポリアリーレン
サルファイド樹脂組成物の相(海構造)中に均一に分散
している。
このような効果が得られる理由は、その製造方法にお
いて、(a)成分及び(b)成分をまず溶融混練し、
(a)成分を(b)成分中に分散させてから、この混練
物を(c)成分と所定の温度で、さらに溶融混練してい
るため、(a)成分が(b)成分に包含されたまま
(c)成分中に存在し、(c)成分と親和性のある
(b)成分を介して(a)成分が良好に相溶化するため
であると考えられる。
なお、本発明の組成比の各成分を同時に混練した組成
物を、観察すると白色分離物が認められる。この白色分
離物を走査型X線マイクロアナライザーで解析したとこ
ろ、(a)成分及び(b)成分のフッ素系樹脂であるこ
とがわかった。これは(a)成分がポリアリーレンサル
ファイド樹脂に相溶化していないため、凝集して均一な
組成物を得ることができないためであると考えられる。
また本発明のように第一の混練工程と、第二の混練工
程とを有する場合でも、第二の混練工程の温度が(a)
成分の融点以上である場合には、同様に白色分離物が認
められる。これは、第二の混練工程の際の温度が(a)
成分の融点より高いと、(a)成分を(b)成分中に結
合分散させた状態を維持したまま、(c)成分中に均一
に分散させるのが困難となり、(a)成分及び(b)成
分が凝集してしまうためであると考えられる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、各実施例及び比較例において用いた原料樹脂は
以下の通りである。
(a)成分 ポリテトラフルオロエチレン PTFE:〔ダイキン工業(株)製「ルブロンL−5」、融
点327℃] テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体 PFA:〔三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン
PFA340J、融点302〜310℃〕 (b)成分 エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体 ETFE:〔ダイキン工業(株)製「ネオフロンETFE EP52
0、融点260℃〕 ポリフッ化ビニリデン PVDF:〔ベルギーソルベー社製「solef#1010」、融点17
7℃〕 (c)成分 ポリフェニレンサルファイド樹脂 PPS:〔(株)トープレン製「トープレンT−4」融点28
0℃〕 実施例1〜7及び比較例1〜3 第1表に示す割合で、(a)成分のポリテトラフルオ
ロエチレン又はテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体と、(b)成分のエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体又はポリフッ化
ビニリデンとを、ワイゼンベルグ押出機に供給し、70rp
mで溶融混練してペレット化した。
次に得られた各ペレットと、(c)成分のポリフェニ
レンサルファイド樹脂とを、第1表に示す割合で溶融混
練し、さらにワイゼンベルグ押出機に供給し、回転速度
70rpmで溶融混練してポリフェニレンサルファイド樹脂
組成物のペレットを得た。
このようにして得られたポリフェニレンサルファイド
樹脂組成物のペレットを、プレスして70mmφ×0.3mmの
円板として外観を観察した。またこのポリフェニレンサ
ルファイド樹脂組成物の冷凍破断法による試料を、走査
型電子顕微鏡により観察した。上記各観察結果に基づ
き、以下の基準により相溶性を評価した。
◎:外観が茶褐色又は黒褐色の均一であり、かつ顕微
鏡観察においてもフッ素系樹脂の島構造が均一に分散し
たもの。
△:外観にフッ素系樹脂の白色線状物がわずかに認め
られるもの。
×:外観にフッ素系樹脂の白色分離物が認められるも
の。
結果を混練温度とともに、第1表にあわせて示す。
また、比較のために(a)成分、(b)成分及び
(c)成分の配合比率が本発明の範囲外である組成物
(比較例1、2)、及び各成分を一段階で混合した組成
物(比較例3)についても、同様にしてペレット化し
て、同様に相溶性を評価した。結果を第1表にあわせて
示す。
第1表より明らかなように、本発明の製造方法により
得られたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、外
観が茶褐色又は黒褐色で均一であり、フッ素系樹脂と、
ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物とが良好に相溶
化している。
これに対し、比較例1乃至3の組成物は、その外観に
白色線状物あるいは白色分離物が観察された。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の製造方法により得られ
たポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、(a)ポ
リテトラフルオロエチレン、及び/又はテトラフルオロ
エチレン及びフルオロビニルモノマーを含む共重合体
と、(b)テトラフルオロエチレン−オレフィン共重合
体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン共重合体
から選ばれた一種又は二種以上とを、(a)及び(b)
の融点以上の温度で溶融混練した後、得られた混練物
と、(c)ポリアリーレンサルファイド樹脂とを前記
(c)の融点以上、前記(a)の融点未満の温度で溶融
混練してなるので、(a)成分と(c)成分の相溶性が
良好である。
このような本発明の製造方法により得られたポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性、
低摩擦性、耐摩耗性等に優れており、ギアー、軸受、シ
ール材等の摺動部材に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法により得られたポリアリーレ
ンサルファイド樹脂組成物の相溶化状態を示す模式図で
ある。 1……ポリアリーレンサルファイド樹脂マトリックス 2……(a)成分 3……(b)成分 4、4′……(b)成分により包含された(a)成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 27/12 - 27/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリテトラフルオロエチレン、及び
    /又はテトラフルオロエチレン及びフルオロビニルモノ
    マーを含む共重合体5〜30容量部と、(b)テトラフル
    オロエチレン−オレフィン共重合体、ポリフッ化ビニリ
    デン、フッ化ビニリデン共重合体から選ばれた一種又は
    二種以上95〜70容量部とを、前記(a)及び前記(b)
    の融点以上の温度で溶融混練し、次いで得られた混練物
    5〜30容量部と、(c)ポリアリーレンサルファイド樹
    脂95〜70容量部とを、前記(b)及び前記(c)の融点
    以上、前記(a)の融点未満の温度で溶融混練すること
    を特徴とするポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリアリーレンサルファ
    イド樹脂組成物の製造方法において、前記テトラフルオ
    ロエチレン−オレフィン共重合体がエチレン−テトラフ
    ルオロエチレン共重合体であることを特徴とする方法。
JP4291590A 1990-02-23 1990-02-23 ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JP3090459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4291590A JP3090459B2 (ja) 1990-02-23 1990-02-23 ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4291590A JP3090459B2 (ja) 1990-02-23 1990-02-23 ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03263464A JPH03263464A (ja) 1991-11-22
JP3090459B2 true JP3090459B2 (ja) 2000-09-18

Family

ID=12649317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4291590A Expired - Lifetime JP3090459B2 (ja) 1990-02-23 1990-02-23 ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3090459B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3448867B2 (ja) * 1992-12-10 2003-09-22 ダイキン工業株式会社 熱可塑性樹脂組成物
JP3829885B2 (ja) * 1997-06-18 2006-10-04 旭硝子株式会社 有機オニウム化合物含有樹脂組成物
US20050250908A1 (en) * 2004-05-07 2005-11-10 3M Innovative Properties Company Polymer melt additive composition and use thereof
WO2014115536A1 (ja) 2013-01-23 2014-07-31 東レ株式会社 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法および成形品
US10889714B2 (en) 2016-01-26 2021-01-12 Toray Industries, Inc. Polyphenylene sulfide resin composition and manufacturing method of the same
EP3612594A1 (en) 2017-04-21 2020-02-26 Solvay Specialty Polymers Italy S.p.A. Polymer alloy comprising a sulphur-containing aromatic polymer and a vdf-based polymer

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03263464A (ja) 1991-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4406099B2 (ja) フツ素プラステイツクスとポリエーテルケトンケトンとの配合物
US20030109646A1 (en) Resin composition and method of producing shaped articles
JP2518079B2 (ja) 芳香族ポリスルフォン樹脂組成物
JP3090459B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法
JP3235223B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の製法
US5604285A (en) Resin composition for sliding part
JPS59202258A (ja) ポリエ−テルイミド樹脂組成物
US20240026140A1 (en) Compression molding composition, method for producing the same, and molded product
JP3948313B2 (ja) 摺動部材
WO2018193019A1 (en) Polymer alloy comprising a sulphur-containing aromatic polymer and a thermoplastic vulcanizate
US3434996A (en) Polytetrafluoroethylene extrusion compositions and extrusion process
EP3612593A1 (en) Polymer alloy comprising a sulphur-containing aromatic polymer and a fluoroelastomer
JPS58160347A (ja) 樹脂組成物
JPH07252410A (ja) スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物
JPH0160509B2 (ja)
JPH04234450A (ja) ポリアセタール樹脂組成物および摺動部材
JP2589714B2 (ja) 摺動材組成物
JPS6153349A (ja) 四フツ化エチレン樹脂組成物
JPH03273083A (ja) スクロール型コンプレッサー用シール部材料
JP2002323044A (ja) 軸受け成形材料
JP3646678B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物
JPH07500869A (ja) フルオロポリマー類の組成物
JPS63264672A (ja) 潤滑性樹脂組成物
EP1678253A1 (en) Melt processible copolymer composition
JP2001123063A (ja) 直鎖状ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物及び摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080721

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 10