JP3086110U - ロータリー式流体充填機のパッキン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ビール、清涼飲料等、各種流体食品を一個の
分配ヘッドから複数のボトル等の容器に充填するロータ
リー式流体充填機のパッキン機構であって、特に、パッ
キンおよび摺動面の摩耗を大幅に減少させ、パッキンお
よび摺動面の寿命を向上させる。 【解決手段】取出口５を上下に挟む周面２にはこの周面
２に沿ってパッキン溝９、９が刻設され、このパッキン
溝９、９にパッキンが嵌め込まれた充填機のパッキン構
造において、ケーシング３の回転によって摺動する摺動
面にセラミックスまたはダイヤモンドコーテイング層を
形成してなり、これによりパッキンおよび摺動面の寿命
を向上させることから構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はビール、清涼飲料等、各種流体食品を一個の分配ヘッドから複数のボ トル等の容器に充填するロータリー式流体充填機のパッキン構造に係り、特に、 円筒状分配ヘッドと、この分配ヘッド周面を摺動回転するケーシングとから構成 され、前記分配ヘッドは外部からの充填すべき流体を導入口から導入し、周面の 取出口を通して排出する流体通路を有し、前記ケーシングは回転によってそれぞ れ前記分配ヘッドの取出口と合致して、流体を充填すべき容器に導く複数本の導 管を備えてなるロータリー式流体充填機であって、前記取出口を上下に挟む周面 には該周面に沿ってパッキン溝が刻設され、このパッキン溝にパッキンが嵌め込 まれた前記充填機のパッキン構造に係り、詳細にはパッキンおよび摺動面の摩耗 を大幅に減少させ、パッキンおよび摺動面の寿命を向上させるロータリー式流体 充填機のパッキン構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ビール、清涼飲料等、各種流体食品のボトル等への充填装置として、従来、ロ ータリー式流体充填機が知られている。これを便宜上、図１、図２および図３を 参照して説明すると、Ａはロータリー式流体充填機であって、円筒状分配ヘッド １と、この分配ヘッド１の周面２を摺動回転するケーシング３とから構成され、 分配ヘッド１は外部からの充填すべき流体を導入口４から導入し、周面２の取出 口５を通して排出する流体通路６を有し、前記ケーシング３は回転によってそれ ぞれ分配へッド１の取出口５と合致して、流体を充填すべき複数の容器７、７・ ・・７に導く複数本の導管８、８・・・８を備えてなり、取出口５を上下に挟む 周面２には、周面２に沿ってパッキン溝９、９が刻設され、この溝９、９にはパ ッキン15が嵌め込まれて構成される。

【０００３】

【考案が解決すべき課題】

しかし、上述の公知装置では、各種流体の通過により、パッキンや摺動面にス ケールが付着し、特に、スチーム等の高温流体、あるいはアルカリ性洗浄液等の 流体が通過すると、スケールの付着は著しく、このため、パッキンや摺動面の摩 耗が促進され、これらの寿命が短くなる。

【０００４】 そこで、本考案の目的はパッキンおよび摺動面の摩耗を大幅に減少させてこれ らの寿命を向上させ、上述の公知技術に存する欠点を改良したロータリー式流体 充填機のパッキン構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するため、本考案によれば、円筒状分配ヘッドと、この分配 ヘッド周面を摺動回転するケーシングとから構成され、前記分配ヘッドは外部か らの充填すべき流体を導入口から導入し、周面の取出口を通して排出する流体通 路を有し、前記ケーシングは回転によってそれぞれ前記分配ヘッドの取出口と合 致して、流体を充填すべき容器に導く複数本の導管を備えてなるロータリー式流 体充填機であって、前記取出口を上下に挟む周面には該周面に沿ってパッキン溝 が刻設され、このパッキン溝にパッキンが嵌め込まれた前記充填機のパッキン構 造において、前記ケーシングの回転によって摺動する摺動面にセラミックスまた はダイヤモンドコーテイング層を形成してなり、これによりパッキンおよび摺動 面の寿命を向上させることを特徴とする。

【０００６】

【考案の実施の態様】

以下、本考案を添付図面を用いて詳述する。

【０００７】 図１は本考案にかかるロータリー式流体充填機の全体を表した平面図であり、 図２は本考案にかかる分配ヘッドの断面図であり、図３は図２の部分拡大断面図 である。

【０００８】 本考案にかかるロータリー式流体充填機Ａは図１に示されるように、円筒状分 配ヘッド１と、この分配ヘッド１の周面２を摺動回転するケーシング３とから主 に構成される。

【０００９】 分配ヘッド１は外部から充填すべき流体、例えばビール、飲料水等、あるいは 容器の洗浄の場合には、１３０℃前後の蒸気、金属洗浄用アルカリ性洗浄液、水 等を導入口４から導入し、周面２の取出口５を通して排出する流体通路６を有す る。

【００１０】 また、ケーシング３は分配ヘッド１の周面２を回転し、この回転によってそれ ぞれ分配ヘッド１の取出口５と合致して、流体を充填すべき容器７、７・・・７ に導く複数本の導管８、８・・・８を備える。

【００１１】 さらに、本考案は図２および図３に示されるように、取出口５を上下に挟む周 面２にこの周面２に沿ってパッキン溝９、９が刻設され、このパッキン溝９、９ にそれぞれパッキン15、15が嵌め込まれる。このパッキン15、15はまず、弾性ゴ ム10、10が嵌め込まれ、さらにその上に高硬度パッキン11、11が嵌め込まれてな り、高硬度パッキン11、11は弾性ゴム10、10の弾性圧によって加圧され、ケーシ ング３との摺動面をシールする。

【００１２】 本考案の特徴はケーシング３の回転によって摺動する摺動面、具体的には、ケ ーシング３のパッキン15、15との摺動面、特に、高硬度パッキン11、11との摺動 面にセラミックスまたはダイヤモンドコーテイング層14を形成し、これによりパ ッキンおよび摺動面の寿命を向上させたことに存する。

【００１３】 コーテイング層14はセラミックスの場合、例えば、酸化クロム（Ｃｒ₂ Ｏ₃ ） を溶射し、１００μ〜５００μの厚さに研摩仕上げして形成され、また、ダイヤ モンドの場合、ダイヤモンドライクカーボン（ＤＬＣ）を約１μ厚に低温膜蒸着 して形成される。

【００１４】

【考案の効果】 上述の本考案はケーシングの回転によって摺動する摺動面にセラミックスまた はダイヤモンドコーテイング層を形成したから、パッキンおよび摺動面の摩耗が 減少してこれらの寿命が飛躍的に向上し、この結果、パッキン交換の頻度を下げ 、かつケーシングの交換周期も大幅に延長し、稼動率の向上およびメンテナンス 費用の節減が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるロータリー的流体充填機の全体
を表した平面図である。

【図２】本考案にかかる分配ヘッドの断面図である。

【図３】図２の部分拡大断面図である。

【符号の説明】

Ａ ロータリー式流体充填機 １ 分配ヘッド ２ 周面 ３ ケーシング ４ 導入口 ５ 取出口 ６ 流体通路 ７ 容器 ８ 導管 ９ パッキン溝 10 弾性ゴム 11 高硬度パッキン 14 コーテイング層 15 パッキン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状分配ヘッドと、この分配ヘッド周
   面を摺動回転するケーシングとから構成され、前記分配
   ヘッドは外部からの充填すべき流体を導入口から導入
   し、周面の取出口を通して排出する流体通路を有し、前
   記ケーシングは回転によってそれぞれ前記分配ヘッドの
   取出口と合致して、流体を充填すべき容器に導く複数本
   の導管を備えてなるロータリー式流体充填機であって、
   前記取出口を上下に挟む周面には該周面に沿ってパッキ
   ン溝が刻設され、このパッキン溝にパッキンが嵌め込ま
   れた前記充填機のパッキン構造において、前記ケーシン
   グの回転によって摺動する摺動面にセラミックスまたは
   ダイヤモンドコーテイング層を形成してなり、これによ
   りパッキンおよび摺動面の寿命を向上させることを特徴
   とするロータリー式流体充填機のパッキン構造。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記パッキンがパッ
   キン溝に弾性ゴムを嵌め込み、さらに、その上に高硬度
   パッキンを嵌め込んで形成され、前記コーテイング層が
   ケーシングの前記パッキンとの摺動面に形成される請求
   項１に記載のロータリー式流体充填機のパッキン構造。