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JP3079493U - 調理器 - Google Patents

調理器

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JP3079493U
JP3079493U JP2001000524U JP2001000524U JP3079493U JP 3079493 U JP3079493 U JP 3079493U JP 2001000524 U JP2001000524 U JP 2001000524U JP 2001000524 U JP2001000524 U JP 2001000524U JP 3079493 U JP3079493 U JP 3079493U
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ridge
grooves
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JP2001000524U
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政雄 杉山
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杉山金属株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼エネルギーの熱交換を高効率にして、短
時間で所定の煮炊き、焼き等の調理を行う経済的な調理
器を提供する。 【解決手段】 器体1の底部11外表面のみにその全域
に亘って、直線凸条部21…を多数平行状に突設形成し
て火焔との接触面積である外表面伝熱面積を拡張すると
共に各直線凸条部21、21間でその火焔を流す直線条
溝31を平行状に構成し、各直線条溝31…は、流れる
前記火焔が器体1の底部11に熱エネルギーを伝熱し底
部11の外方に放散しない所要の深さ寸法及び溝幅寸法
に設定し、末広がり状の器体1底部11では望めない火
焔の器体1の底部11外方への熱エネルギーの放散を抑
制して無駄を回避し、火焔の流れを阻害しない流路を構
成して対流伝熱係数の低下を防止し、それによって熱交
換効率を向上させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、調理用鍋、調理用釜、ヤカン等の調理器に関するものであって、高 効率の熱交換を可能とするものである。
【0002】
【従来技術】
従来、ガス燃焼器を使用した調理器は、調理上の熱効率を向上させるために、 その底部や周面部に凹凸部を設け、伝熱面積を拡げて達成させた提案が種々なさ れている。 その提案技術としては、特許第2743134号記載の考案のように鍋の底部 外表面の中心部から外周に向う多数の放射状凸条部を突設した構造(A構造)や 、鍋の底部外表面に多数の凸部を設け、該凸部を千鳥状に点在させる構造(B構 造)や、更には、鍋の底部外表面に渦巻き状や同心円状の凸条部を形成した構造 (C構造)が主として挙げられる。
【0003】 前記A構造、B構造、C構造のものは、共に、鍋等の調理器底部の表面積を拡 張し外表面伝熱面積を増加しているものである。加えてA構造の調理器は、器体 に伝わらずに大気中へ無駄なエネルギーとして放散されている燃焼エネルギーを できるだけ捕獲できるようにする観点から、高温の燃焼ガスの流れである火焔が 阻害されないように調理器の底部外表面に中心部から外周に向って多数の放射状 溝を設け、周面部全周に上下方向の多数の溝を設け、これら溝が凸部間に形成さ れることによって、対流伝熱係数の低下を防止することが狙いとされ、この対流 伝熱係数の低下防止機能とともに、外表面伝熱面積の拡張機能とが相俟って、対 流伝熱量を増大させて燃焼エネルギーを有効利用し、それによってエネルギーロ スを防止して熱交換率を高くしている。 言換えれば、高温燃焼ガスの流れである火焔が鍋の底部に流れ、この流れの障 害とならない放射状溝を形成し、対流伝熱係数の低下防止とともに、該放射状溝 で形成される凸部による外表面伝熱面積の増加によって燃焼エネルギーの有効利 用の増大が計られたものである。 これに対して、B構造、C構造のものは、鍋の底部の外表面伝熱面積は増大す るものの、凸部及び凸条部が高温燃焼ガスの流れである火焔に対して大きな障害 となってしまって対流伝熱係数が著しく低下させられて対流伝熱量の増大が図ら れず、結果的には、調理器の内容物に伝達される熱量を増加することができない 。
【0004】 ところで、前記するA構造のように対流伝熱係数が低下されるのを防止するに 際して、放射状溝を形成するのは、その放射状溝が高温燃焼ガス、即ち火焔の流 れ方向と同一方向となるので、放射状溝で形成される放射状凸部が障害にならな いことからすれば、好適な手段と言える。 しかしながら、放射状溝が放射状凸部幅を一定厚さ寸法とすれば、末広がりな 拡開形状となるため、放射状溝は、末広がり状の形状性故に高温燃焼ガス、即ち 火焔が調理器の底部外表面を放射状に拡散するように流れ、その熱エネルギーが 器体に伝熱されないで大気中に無駄な熱エネルギーとして放散され易く(逃げ易 く)なり、特に加熱効率に大きく左右する鍋の底部外表面の外淵部付近が急速に 拡散をするので、効果的に加熱されないばかりでなく、底部中央部で放射状凸部 の間隔が微小になって火焔の捕獲効率が減少し、希求するほどの高効率な熱交換 が期待できない現実があった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、燃焼エ ネルギーの熱交換を高効率にして、短時間で所定の煮炊き、焼き等の調理を行う ことのできる経済的な調理器を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、器体底部の外表面積を拡張して伝熱面積を増大していながら、その 外表面積を拡張する凹凸部、即ち凸条部と溝が高温燃焼ガスの流れである火焔の 流れ抵抗にならないようにして、火焔を器体の底部外淵部から放散させ難くする 。というコンセプトを合理的に達成するに際して鋭意研究実験を重ねた処、平行 溝が最適であることを知見し、調理器の底部の外表面のみに平行状に直線凸条部 を設けることに至ったものである。 即ち、本考案は、外表面積を拡張すると冷却作用を生むことになる器体の周面 部に手をかけずに、器体の底部外表面のみにその全域に亘って、所要厚み寸法の 直線凸条部を多数平行状に突設形成して高温の燃焼ガスの流れである火焔との接 触面積を拡張する共に各直線凸条部間で前記火焔を流す直線条溝を平行状に構成 し、各直線条溝は、その直線条溝で捕獲されて流れる同火焔がその熱エネルギー の殆どが器体の底部に伝熱されかつ器体の底部外方に放散し難くするための所要 の深さ寸法及び溝幅寸法に形成してあることを特徴とするものである(請求項1 )。 本考案は、全長に亘って直線条溝が所要の深さ寸法及び溝幅寸法をもって設け られ、該直線条溝が、高温燃焼ガスの流れである火焔を器体の周面部側に顕出し ないようにすることによって、底部外方への火焔の熱エネルギーの放散を抑制し てエネルギーロスを回避する上に、直線凸条部が火焔の流れを阻害しない流路を 構成して対流伝熱係数の低下を防止し、更に、各直線条溝を隔てる直線凸条部が 表面伝熱面積を増加させ、それによって熱交換の効率を向上させる。 また、この直線凸条部は、器体と一体成形される場合、器体に溶着される場合 等製造パターンは種々存在するが、鋳造成形が一般的である。そして、器体と共 に熱伝導率が高いアルミ鋳鉄製にするものが好適と言えるが、ステンレス製の容 体の底部に前記直線凸条部と直線条溝とを有するアルミ製の底板を適宜手段で貼 り付けたり、上下を開放した胴部をステンレスで製作し、その下方開放部を前記 直線凸条部と直線条溝とを有するアルミ製の底板で被蓋して器体を構成するもの も包含するものである。 そして、鍋、ヤカン、釜等であって、家庭用のもの(例えば直径を16cm〜 29cmとする)においては、その直線条溝の溝幅寸法を3〜6mm、深さ寸法 を8〜17mm、直線凸条部の厚み寸法を、3〜6mmとするのが最も好適なも のであり、特に直線条溝の溝幅寸法4mm、深さ寸法13mm、直線凸条部の厚 み寸法を4mm程度とするのが最適なものである。また、業務用のもの、即ち直 径を30cm以上とする鍋、ヤカン、釜等にあっては、その直線条溝の溝幅寸法 や直線凸条部の厚み寸法は、前記する家庭用のものと同様であるが、業務用は燃 焼器具(ガスコンロ等)の火力が強くて火焔の高さが高くなるため、火焔の器体 底部からの跳ね返り現象が生ぜずに同底部を効果的に加熱するためには、直線条 溝の深さ寸法を火焔の高さに比例する12〜25mm程度にするのが好適なもの である。
【0007】 また、直線凸条部は、その下端縁を全て面一に一致させるとガスコンロの五徳 に安定して載置される(請求項2)。
【0008】 また、例えば各直線凸条部の両端縁を面取りした場合には、両端縁部分での火 焔の接触抵抗が低減されて火焔が器体の底部外方へ放散され易くなり、それによ って熱交換の効率が低下する。この不具合を防止するためには、直線条溝全長に 亘って一様な接触抵抗で火焔の熱エネルギーが捕獲されるようにし、各直線凸条 部のその両端縁を面取りのない角形状に形成することにより、直線条溝の断面積 が大きくされて、底部外淵付近での熱接触面積を増加させることによっての熱エ ネルギーの捕獲が強化され、高効率の熱交換に好適である(請求項3)。
【0009】 また、器体が鍋体にかかわらず、直線凸条部と直交する位置に柄部を設けてい ると柄部の焦げや柄部を把持する場合の手指の火傷を免れることができ、ここま で考慮すると使用勝手のよい設計となる(請求項4)。
【0010】
【考案の実施の形態】
次に、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図1〜図3は、本考案調理器の第1の実施の形態を、図4は、同第2の実施の 形態を、図5は、第3の実施の形態を各々示している。 まず、第1の実施の形態について説明すると、この実施の形態は調理器の深底 な器体、即ち鍋、ヤカン、釜等を対象とするものである。
【0011】 調理器Aは、アルミ鋳造製の器体(後述では鍋体として符号1を付して説明す る)を示し、その底部11外表面にその全域に亘って適宜間隔をおいて直線凸条 部21…を多数平行状に突設形成して、各直線凸条部21、21間が高温燃焼ガ スの流れである火焔をガイドする直線条溝31…を構成している。
【0012】 前記鍋体1は、その底部11を水平形態とする一般的な深底タイプが示されて おり、直線凸条部21は、その鍋体1と一体成形され、下端縁の全てを面一に一 致させ、更に両端部を面取りのない角形状に形成させてある。
【0013】 各直線凸条部21、21間で形成される各前記直線条溝31…は、この直線条 溝31…捕獲されて火焔(高温燃焼ガス)が、その熱エネルギーの殆どを鍋体1 の底部11に伝熱して鍋体1の底部11外方に放散し難くするための所要の深さ 寸法及び溝幅寸法に形成される。 即ち、直線条溝31…で捕獲されて流れる火焔(高温燃焼ガス)が、その熱エ ネルギーの殆どを鍋体1の底部11に伝熱し、鍋体1の底部11外方に放散し難 くする所要の深さ寸法及び溝幅寸法をもって直線条溝31…が形成されるように 、各直線凸条部21…を鍋体1の底部外表面のみにその全域に亘って多数平行状 に突設させる。
【0014】 そして、柄部51aの取付部51を前記直線凸条部21…に対して直交する位 置に設けて、柄部51aの焦げ付きや柄部51aを把持した場合、手指が火傷し ないように配慮している。
【0015】 次に、図4に示す第2の実施の形態を説明すると、この実施の形態は、前記す る第1の実施の形態の底部11に前記直線条溝31…と直線凸条部21…とを有 する底板11’を底部11に一体的に貼付けた場合の実施の形態を示し、図5に 示す第3の実施の形態は、前記直線条溝31…と直線凸条部21…とを有する底 板11’とその底板11’が溶着される上下を開放した胴部1’とで鍋体(容体 )1を構成した実施の形態を示している。 図4は、ステンレス製の鍋体1の底部11にアルミ製の底板11’を貼付け、 図5は、両端を開放したステンレス製の胴部1’の下端開放部にアルミ製の底板 11’を溶着(例えば半田付け)した構成になっている。
【0016】
【実施例】
次に、深底の家庭用の鍋体1において、直線条溝31の幅寸法W、深さ寸法H 、直線条溝31を隔てる直線凸条部21の厚み寸法Tを設定して各種実験を行っ た結果、鍋体1の底部11に形成される凸条部の形態で熱交換効率が異なること をその実験結果に基づいて説明する(表1)。 この実験には、家庭用ガスコンロが使用され、該コンロの火力を強火にし、5 ℃の水道水2リットルを鍋体1に貯水し、室温25℃の環境下で加熱して85℃ (目標温度設定)或いは95℃(目標温度設定)に昇温するまでのそのスピード (秒)を測定するものである。 尚、比較例12は、厚み寸法を4mmとする同心凸部で隔てられた4mmの幅 寸法の同心溝を多数有する深底の鍋を、また比較例9の放射状溝は、厚み寸法を 4mmとする放射状凸部を適宜間隔をおいて放射状に突設形成することによって 24本放射状に形成された深底の鍋体を使用した。 ちなみに、%表示は、実施例1を基準として、目標設定温度である85℃、9 5℃に昇温するまでに要した時間を対比割合として%で示している。即ち、10 0%に対して105%である場合には、5%余分に時間が掛かることを意味する 。
【0017】
【表1】
【0018】 この実施結果によると、直線条溝31の溝幅寸法Wを4mm、深さ寸法Hを1 3mm、直線凸条部21の厚み寸法Tを4mmとする実施例1の深底の鍋体(調 理器)について85℃に昇温するまでに350秒、また95℃に昇温させるまで に430秒要し、この各々の昇温が速やかに行われ、最短所要時間であった。 そして、実施例2〜実施例7の如く直線凸条部21の厚さ寸法Tを実施例1と 同一、1.5倍、3/4倍などにしたり、直線条溝31の深さ寸法Hを実施例1 と同一や略1.3倍、略0.6倍になどし、また溝幅寸法Wを実施例1と同一や 1.5倍、3/4倍等にしたり、更には実施例1の直線凸条部21の両端縁を6 mmのRで面取りなどして、種々実験を行った結果、実施例1に対して103% 〜110%と近似したスピードをもって目標設定温度まで昇温する結果を得た。 この実施例1〜実施例7は、前記した通り直線条溝31の溝幅寸法Wを3〜6m m、深さ寸法Hを8〜17mm、直線凸条部21の厚み寸法Tを3〜6mmとす る範囲内のものであり、熱交換効率が良好なものである。 一方、比較例8は、直線条溝31を底部11の全域に亘って平行状に有してい ながら、目標設定温度(85℃、95℃)まで昇温するに際して実施例1に対し て120%、121%と前記実施例1〜7と比べて熱交換効率が悪いものであっ た。この熱交換効率が悪い理由は、直線条溝31の横幅寸法W、深さ寸法Hが各 々3〜6mm、8〜17mmの範囲内でありながら、直線凸条部21の厚さ寸法 Tが2mmと薄くなっており、この直線凸条部21の薄肉が要因となって同直線 凸条部21の根元部まで熱エネルギーが伝わり難く、それが熱交換を悪くしてい るものと推測される。 また、比較例9〜12は各々放射状溝(アルミ製)、溝無し(アルミ製)、溝 無し(ステンレス製)、同心溝(アルミ製)を設けた場合等であり、目標設定温 度に120%〜141%の時間を要して昇温し、実施例1に対して少なくとも1 0%以上熱交換効率が悪いことも立証された。
【0019】 熱交換効率が悪い例えば比較例9の放射状溝の場合には、末広がりな拡開形状 性故に火焔が鍋体1の底部11外方に放散エネルギーとして放散されて、特に必 要となる鍋体1の外淵側部分の加熱が良好に行えないこと及び表面伝熱面積を拡 張するために設けられる底部の中央部で放射状溝間隔が微小になって火焔の捕獲 効率が著しく減少してしまうことが、熱交換効率を悪くする要因であろうと推測 され、また、比較例12の同心溝の場合には、各溝を囲繞する同心凸条部が火焔 の流れを阻害する隔壁を構成して対流伝熱係数を著しく低下させ、それによって 対流伝熱が良好に行われないこと、それに加えて各溝に滞留する空気層が断熱効 果を生むことなどが熱交換効率を低下させるものと推測される。 また、底部11に直線条溝31を平行状に有する家庭用の調理器において、直 線条溝31の溝幅寸法W(3〜6mm)、深さ寸法H(8〜17mm)、直線凸 条部21の厚み寸法T(3〜6mm)範囲外での比較例については比較例8以外 を明記していないが、直線条溝31の溝幅寸法Wがその下限よりも狭くなると火 焔の捕獲効率が著しく低下し、逆にその上限よりも大きくなると鍋底の表面伝熱 面積が所望する程まで拡張されず、ともに好ましくない。また直線条溝31の深 さ寸法Hがその下限よりも小さくなると希求される表面伝熱面積まで増大できな いばかりでなく火焔の鍋底からの跳ね返り現象が発生して効果的な熱伝達が行え ず、逆にその上限よりも大きくなると、火焔が底部に到達せず鍋底を効果的に加 熱しなくなる。そして、直線凸条部21の厚み寸法Tについてはその下限よりも 薄肉になると、前記のように直線凸条部21の根元部への熱エネルギーの伝達が 鈍く、逆にその上限よりも厚肉になると、表面伝熱面積の減少につながり好まし くなくなり、熱交換効率を悪くしてしまう。
【0020】 また、その他の鍋形状の調理器については詳述しないが、本考案は、容体(容 体)の形状にかかわらず等しく適用できるものである。
【0021】
【考案の効果】
本考案は以上のように、器体の底部外表面のみにその全域に亘って、直線凸条 部を多数平行状に突設形成して火焔との接触面積、即ち外表面伝熱面積を拡張す ると共に各直線凸条部間で高温燃焼ガスの流れである火焔を流す直線条溝を平行 状に構成し、各直線条溝を、火焔の熱エネルギーが器体の底部外方に放散し難い 多数平行状の所要の深さ寸法及び溝幅寸法を設定した構成にすることによって、 高温燃焼ガスの流れである火焔を阻害しない流路を構成して対流伝熱係数の低下 を防止させると共に表面伝熱面積を増加させた上に、底部の末広がり状の放射状 溝を形成した器体が欠点とされていた火焔の熱エネルギーの器体底部外方への放 散や火焔の捕獲効率の低下等を可及的に防止することを見出したものであるから 、実験例記載のように無駄の無い燃焼エネルギーを有効活用して効率的に調理( 煮沸、焼き、蒸す等)が行え、より経済的な調理器を提供することができる。
【0022】 しかも、請求項2のようにその直線凸条部下端縁を全て面一に一致させると、 ガスコンロ(五徳)に載置しても安定し安全である。
【0023】 その上、請求項3のように直線凸条部のその両端縁を面取りのない角形状に形 成して火焔が全長に亘って一様な抵抗で接触する構造のものにあっては、例えば 両端縁をアール状に面取りした場合のように、その部分で火焔の接触抵抗が低下 してその火焔の熱エネルギーが鍋体、ヤカン、釜等の器体底部外方へと放散され て燃焼エネルギーが多量に無駄になる点を改善して、両端縁の面取りのない角形 状部分で火焔の流れを停滞させて熱エネルギーを無駄なく器体へ伝熱させるので 、熱交換を高効率にする上でより有効であり、煮沸時に底部の外淵部が加熱効率 を大きく左右する鍋、ヤカン、釜等においては、その効果絶大である。
【0024】 更に、請求項4のように直線凸条部に直交した位置に柄部を有するものにあっ ては、上記利点に加えて柄部が焦げて使い勝手が悪くなったり、把持する手指が 火傷するようなアクシデントも未然に防止でき、調理器及び調理人に対しても親 切設計である。
【提出日】平成13年2月14日(2001.2.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 この実施結果によると、直線条溝31の溝幅寸法Wを4mm、深さ寸法Hを1 3mm、直線凸条部21の厚み寸法Tを4mmとする実施例1の深底の鍋体(調 理器)について85℃に昇温するまでに350秒、また95℃に昇温させるまで に430秒要し、この各々の昇温が速やかに行われ、最短所要時間であった。 そして、実施例2〜実施例7の如く直線凸条部21の厚さ寸法Tを実施例1と 同一、1.5倍、3/4倍などにしたり、直線条溝31の深さ寸法Hを実施例1 と同一や略1.3倍、略0.6倍などにし、また溝幅寸法Wを実施例1と同一や 1.5倍、3/4倍等にしたり、更には実施例1の直線凸条部21の両端縁を6 mmのRで面取りなどして、種々実験を行った結果、実施例1に対して103% 〜112%と近似したスピードをもって目標設定温度まで昇温する結果を得た。 この実施例1〜実施例7は、前記した通り直線条溝31の溝幅寸法Wを3〜6m m、深さ寸法Hを8〜17mm、直線凸条部21の厚み寸法Tを3〜6mmとす る範囲内のものであり、熱交換効率が良好なものである。 一方、比較例8は、直線条溝31を底部11の全域に亘って平行状に有してい ながら、目標設定温度(85℃、95℃)まで昇温するに際して実施例1に対し て120%、121%と前記実施例1〜7と比べて熱交換効率が悪いものであっ た。この熱交換効率が悪い理由は、直線条溝31の横幅寸法W、深さ寸法Hが各 々3〜6mm、8〜17mmの範囲内でありながら、直線凸条部21の厚さ寸法 Tが2mmと薄くなっており、この直線凸条部21の薄肉が要因となって同直線 凸条部21の根元部まで熱エネルギーが伝わり難く、それが熱交換を悪くしてい るものと推測される。 また、比較例9〜12は各々放射状溝(アルミ製)、溝無し(アルミ製)、溝 無し(ステンレス製)、同心溝(アルミ製)を設けた場合等であり、目標設定温 度に120%〜141%の時間を要して昇温し、実施例1に対して少なくとも1 0%以上熱交換効率が悪いことも立証された。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態である深底鍋の底面図。
【図2】図1の(2)−(2)線断面図。
【図3】図1の(3)−(3)線断面図。
【図4】第2の実施の形態である深底鍋の縦断面図。
【図5】第3の実施の形態である深底鍋の縦断面図。
【符号の説明】
1:器体(鍋体) 11:底部 21:直線凸条部 51:柄部 31:直線条溝 11’:底板

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 器体の底部外表面のみにその全域に亘っ
    て、所要厚み寸法の直線凸条部を多数平行状に突設形成
    して高温の燃焼ガスの流れである火焔との接触面積を拡
    張する共に各直線凸条部間で前記火焔を流す直線条溝を
    平行状に構成し、各直線条溝は、その直線条溝で捕獲さ
    れて流れる同火焔がその熱エネルギーの殆どが器体の底
    部に伝熱されかつ器体の底部外方に放散し難くするため
    の所要の深さ寸法及び溝幅寸法に形成してあることを特
    徴とする調理器。
  2. 【請求項2】 前記器体が深底からなる鍋、ヤカン、釜
    等の容体であり、且つその各直線凸条部の下端縁を全て
    面一に一致させてあることを特徴とする請求項1記載の
    調理器。
  3. 【請求項3】 前記直線凸条部のその両端縁を面取りの
    ない角形状に形成して前記直線条溝の断面積を大きくし
    てあることを特徴とする請求項1または2記載の調理
    器。
  4. 【請求項4】 前記直線凸条部と直交する位置に柄部を
    設けていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項
    記載の調理器。
  5. 【請求項5】 前記直線凸条部の厚み寸法を3〜6m
    m、直線条溝の溝幅寸法を3〜6mm、同直線条溝の深
    さ寸法を8〜25mmとすることを特徴とする請求項1
    〜4いずれか1項記載の調理器。
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