JP3077377B2 - セメント系成型体塗布用組成物 - Google Patents
セメント系成型体塗布用組成物Info
- Publication number
- JP3077377B2 JP3077377B2 JP04113948A JP11394892A JP3077377B2 JP 3077377 B2 JP3077377 B2 JP 3077377B2 JP 04113948 A JP04113948 A JP 04113948A JP 11394892 A JP11394892 A JP 11394892A JP 3077377 B2 JP3077377 B2 JP 3077377B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cement
- monomer
- weight
- organosilicon
- acrylic polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
メント系成型体塗布用組成物に関し、更に詳細にはセメ
ントコンクリート,セメントモルタル,アスベスト,A
LC(オートクレーブ軽量コンクリート),PC(プレ
キャストコンクリート),スレート,無機ボード等のセ
メント系成型体の中性化防止性,遮塩性,撥水性,耐候
性,耐水性および耐吸水性に優れたセメント系成型体塗
布用組成物に関する。
クリート,セメントモルタル,ALC板,PC板等のセ
メント製品は、環境の変化、例えば、炭酸ガス,亜硫酸
ガス濃度の上昇や酸性雨等の影響による、中性化が原因
で劣化が著しく促進され、このことが社会的に大きな問
題となっている。
これらのセメント製品の製造に当たって、合成ゴム系ラ
テックス,天然ラテックスをセメントに混和して硬化成
型されることが検討され、実施されている。しかし、こ
の方法では、土木構造物全体のセメント製品にラテック
スを含有させることになり、ラテックスの使用量が大き
い割りにはセメント製品の中性化を防止することに関し
てあまり効果的ではなく、また経済的にも困難であっ
た。
チルポリシロキサンを主成分とするシリコーンオイルや
エマルジョンのような撥水性を有する物質を塗布してセ
メントコンクリートの劣化を防止する方法も試みられて
いる。しかし、この方法では成膜性がないこと、並びに
撥水性の経時的低下も大きいことから、中性化防止性,
遮塩性等の性能が持続しないという問題がある。
と表面の美装を兼ねて、コンクリート構造体表面に塗料
やアクリル系重合体エマルジョンを塗布することが知ら
れている。しかし、これらの方法では、塗料あるいはエ
マルジョンをセメントコンクリートの内部に深く浸透さ
せることができず、そのため、中性化防止性,耐吸水
性,遮塩性等の性能が劣る。
術的問題を背景になされたもので、中性化防止性,遮塩
性,浸透性,密着性,耐候性,耐水性,撥水性,耐吸水
性に優れたセメントコンクリート,セメントモルタル等
の各種セメント系成型体に適した塗布用組成物を提供す
ることを目的とする。
体塗布用組成物(以下、「塗布用組成物」という)は、
平均粒子径が150nm以下である、アクリル系重合体
エマルジョン(I)100重量部(固形分換算)に対し
て、加水分解基を有する有機ケイ素系単量体の乳化分散
体(II)を有機ケイ素系単量体成分として5〜1,0
00重量部含有して成り、かつpHが5〜9であること
を特徴とする。
重合体エマルジョンと特定の有機ケイ素系単量体の乳化
分散体とを含む組成物をセメントコンクリート成型体等
に塗布した場合、加水分解基を有する有機ケイ素系単量
体の乳化分散体(II)が表面から前記成型体の奥深く
まで浸透し、セメントコンクリートのアルカリ成分によ
り加水分解反応を経て縮合反応が起こり、ポリシロキサ
ン構造を形成する。そして、このポリシロキサンが吸水
防止層を形成し、その結果セメント系成型体の耐水性,
撥水性を向上させる。
ンクリートの表層で確実に成膜して二酸化炭素,亜硫酸
ガス,塩分などの浸入をくい止めることができ、その結
果、コンクリートの中性化,塩害を防止する機能を有す
る。そして、アクリル系重合体エマルジョンは、その成
膜をより強じんとするために、重合体の平均粒子径が1
50nm以下であることが好ましい。
は、加水分解基を有する有機ケイ素系単量体を乳化分散
体の状態で用いることにより、セメントコンクリート表
層および浸透した領域において撥水性が優れ、その結
果、長期間にわたって吸水防止効果が優れる。
エマルジョン(I)の製造に使用される単量体としては
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が主成分で
あり、必要に応じて芳香族ビニル系単量体,シアン化ビ
ニル系単量体,(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステル単量体,酢酸ビニル単量体,不飽和酸単量体,
エチレン系不飽和カルボン酸アミド系単量体,ハロゲン
含有ビニル系単量体などを共重合することができる。
ルエステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチ
ル,アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル,アクリ
ル酸イソブチル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル
酸イソブチル,アクリル酸ペンチル,メタクリル酸ペン
チル,アクリル酸ヘキシル,メタクリル酸ヘキシル,ア
クリル酸ヘプチル,メタクリル酸ヘプチル,アクリル酸
2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,メタクリル
酸メチル,メタクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸イ
ソブチル,メタクリル酸オクチル,アクリル酸n−ノニ
ル,アクリル酸イソノニル,メタクリル酸ノニル,アク
リル酸デシル,メタクリル酸デシル,アクリル酸ウンデ
シル,メタクリル酸ウンデシル,アクリル酸ドデシル,
メタクリル酸ドデシル,アクリル酸n−アミル,アクリ
ル酸イソアミル,メタクリル酸n−アミル,メタクリル
酸イソアミル,アクリル酸ラウリル,メタクリル酸ラウ
リル,アクリル酸ベンジル,メタクリル酸ベンジル,ア
クリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸シクロヘキシル
等を挙げることができる。
ン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレン,ビニル
トルエン,クロルスチレン,スチレンスルホン酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。
ニトリル,メタクリロニトリル等が挙げられる。
ルキルエステル単量体としては、ヒドロキシエチルアク
リレート,ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げ
られる。
スルホン酸基を有する単量体が挙げられる。カルボン酸
基を含有する単量体としては例えば、イタコン酸,アク
リル酸,メタクリル酸,フマル酸,マレイン酸,無水マ
レイン酸,無水フマル酸などが挙げられる。
体としては、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ノルマル
プロピオキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル
アミド、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
クリルアミドなどを挙げることができる。
化ビニル,塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
タ)アクリル酸アルキルエステル単量体の単独重合体、
あるいは他の単量体との共重合体であってもよい。
として好ましくは、アクリル酸n−ブチルとメタアクリ
ル酸メチル,アクリル酸n−ブチルとスチレンとメタク
リル酸メチル,アクリル酸2−エチルとメタクリル酸メ
チル,あるいはアクリル酸n−ブチルとスチレンとを主
成分とする共重合体エマルジョン,さらに好ましくはア
クリル酸n−ブチルとメタアクリル酸メチルとを主成分
とする共重合体エマルジョンである。
(I)は、前記単量体成分を公知の乳化剤,重合開始
剤,連鎖移動剤などを使用して乳化重合されたものであ
る。
レンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム,ドデシ
ルベンセンスルホン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリ
ウム,ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム,コ
ハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウムなどの
アニオン系乳化剤;あるいはポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルエス
テル,ポリオキシエチレンアルキアリルエーテルなどの
ノニオン系乳化剤;フッ素系界面活性剤を挙げることが
できる。これらは1種または2種以上組合せて使用する
ことができる。
化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウム,ジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウムである。
量に対して、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ま
しくは1〜8重量%である。乳化剤の使用割合が0.5
重量%未満では凝固物が発生するなど、重合安定性が悪
くなり、共重合体エマルジョンの製造に支障があるので
好ましくなく、一方10重量%を越えるとセメントモル
タル,コンクリート等の下地への密着性,耐水性および
耐吸水性が低下するので好ましくない。
ダイマー、好ましくは2−4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン成分を60重量%以上含むα−メチルス
チレンダイマー,ターピノーレン,α−テルピネン,γ
−テルピネン,ジペンテン,オクチルメルカプタン,n
−ドデシルメルカプタン,t−ドテシルメルカプタン,
n−ヘキサデシルメルカプタン,ジエチルキサントゲン
ジスルフィド,ジメチルキサントゲンジスルフィド,ジ
イソプロピルキサントゲンジスルフィド,テトラメチル
チウラムモノスルフィド,テトラエチルチウラムジスル
フィド,テトラブチルチウラムジスルフィド,ジペンタ
メチルチウラムジスルフィドなどを用いることができ、
これらは単量体全体に対し通常0〜15重量%使用され
る。
ウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤,あ
るいは過酸化水素などの無機系開始剤;クメンハイドロ
パーオキサイド,イソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド,パラメンタンハイドロパーオキサイド,ベン
ゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物,あるいはア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤で代表さ
れる有機系開始剤を挙げることができる。
対し好ましくは0.03〜2重量%、特に好ましくは
0.05〜1重量%である。なお、乳化重合を促進させ
るために、例えばピロ重亜硫酸ナトリウム,亜硫酸ナト
リウム,亜硫酸水素ナトリウム,硫酸第一鉄,グルコー
ス,ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート,L
−アスコルビン酸およびその塩,亜硫酸水素ナトリウム
などの還元剤;グリシン,アラニン,エチレンジアミン
四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を併用することもで
きる。
動剤,重合開始剤などのほかに、必要に応じて各種電解
質,pH調整剤などを併用し、前記単量体成分100重
量部に対して水100〜300重量部と前記乳化剤,開
始剤,連鎖移動剤などを前記範囲内の量で使用して、重
合温度10〜90℃、好ましくは40〜80℃、重合時
間は5〜40時間の重合条件で乳化重合される。
のではなく、一括添加法,連続添加法あるいは分割添加
法などの任意の方法が採用される。
転化率は90〜100%、特に95〜100%であるこ
とが好ましい。
本発明のアクリル系重合体エマルジョン(I)の平均粒
子径は、好ましくは150nm以下、より好ましくは1
30〜10nm、特に好ましくは100〜20nmであ
る。
クスを酢酸ウラニルおよびオスミウム酸で処理し、これ
を例えば6万倍で電子顕微鏡写真にとり粒子100個以
上について粒子径を測定し数平均より算出した値であ
る。
均粒子径が150nmを越えると、例えばセメントコン
クリートへの浸透性が悪くなるため、中性化防止性,遮
塩性,耐吸水性等の持続性に欠ける。
ジョン(I)の重合体のガラス転移点は、好ましくは−
50℃〜+40℃、より好ましくは−40℃〜+30℃
である。重合体のガラス転移点が−50℃未満ではセメ
ントコンクリート等の基材に塗布した後の粘着性が著し
く大きいため、ゴミの付着や汚れが生じやすくなる。
を越えるとセメントコンクリート等の基材に塗布した後
の成膜性が悪いために塗膜にクラックが生じ、中性化防
止性,遮塩性,耐吸水性が劣る。
ス転移点は理学電気(株)製の示差走査熱量分析計(D
SC)を用い、次の条件で測定した。
し、25℃で7日間乾燥させ、ポリマーフィルムを得
る。
測定する。
素系単量体(II)の乳化分散体が使用される。
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
プロポキシシラン,テトラブトキシシラン,メチルトリ
メトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,エチルト
リメトキシシラン,エチルトリエトキシシラン,n−プ
ロピルトリメトキシシラン,n−プロピルトリエトキシ
シラン,i−ブチルトリメトキシシラン,i−ブチルト
リエトキシシラン,i−プロピルトリメトキシシラン,
i−プロピルトリエトキシシラン,γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン,γ−クロロプロピルトリエトキシ
シラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキ
シシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキ
シシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,γ
−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン,γ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン,フェニルトリメトキシシ
ラン,フェニルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリエトキシシラン,ジメチルジメトキ
シシラン,ジメチルジエトトキシシラン,ジエチルジメ
トキシシラン等を挙げることができる。好ましくは、テ
トラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,メチルト
リメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,ジメチ
ルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシランであ
る。
または2種以上を併用することができる。
ための界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム,
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ジフェニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム,ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン
系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオ
キシエチレンアルキルアミン,ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンエーテル,ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル,ポリ
オキシエチレンアルキルエステル,ソルビタン脂肪酸エ
ステルなどのノニオン系界面活性剤;フッ素系界面活性
剤などを1種又は2種以上挙げることができ、これらの
うち好ましくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルとの組合せである。
化分散体を得るためには、これらの界面活性剤の使用量
は、有機ケイ素系単量体100重量部に対して、好まし
くは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜18
重量部である。界面活性剤が0.3重量部未満では分散
安定性の良好な有機ケイ素系単量体の乳化分散体を得る
ことができない。一方、界面活性剤が20重量部を越え
るとセメントコンクリートに塗布後の耐吸水性,撥水性
が劣る。
化して分散体を形成する際の分散相(単量体)の濃度
は、好ましくは0.1〜75重量%、より好ましくは
0.5〜50重量%である。この濃度が0.1重量%未
満では、セメント系成型体塗布用組成物としての固形分
濃度が低くなるため、例えばセメントコンクリート表面
に塗布したとき、十分な成膜性が得られない。従って、
中性化防止性,遮塩性が劣る。一方、前記濃度が75重
量%を越えると、有機ケイ素系単量体の乳化分散性が悪
い。
の方法は特に制限されるものではなく、前記有機ケイ素
系単量体,界面活性剤および水を混合した後、機械的撹
拌(ホモミキサー,高速スターラー),超音波,振と
う,噴射等の任意の方法を採用することができる。
系重合体エマルジョン(I)と、加水分解基を有する有
機ケイ素系単量体(II)との混合割合は、アクリル系
重合体エマルジョン(I)100重量部(固形分換算)
に対して、前記有機ケイ素系単量体(II)を有機単量
体成分として5〜1,000重量部、好ましくは7〜8
00重量部、特に好ましくは10〜600重量部であ
る。
部未満では、撥水性,耐吸水性が劣る。一方、前記有機
ケイ素系単量体(II)が1,000重量部を越える
と、撥水性は優れるものの中性化防止性,遮塩性が劣
る。
9、好ましくは6〜8である。pHが5未満では有機ケ
イ素系単量体の加水分解が生起し始めるため好ましくな
い。一方pHが9を越えても同様の理由で好ましくな
い。
単量体はセメントコンクリートに塗布されることによ
り、セメントコンクリートの強アルカリ成分によって加
水分解と縮合反応とが生起されることが好ましく、この
事が撥水性,耐吸水性,中性化防止性,遮塩性等に著し
い効果をもたらす。
ジエチレングリコール,モノエチルエーテル,ジオクチ
ルフタレート等の成膜助剤,防腐剤,着色剤,老化防止
剤,紫外線吸収剤,難ねん剤等を添加することができ
る。
明する。
「%」は特に断らないかぎり、重量基準である。
ガス雰囲気下において表1および表2に示す単量体およ
び乳化剤、さらに、重合開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.5部,キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム0.02部,その他適量の重合安定剤および
水250部を仕込み、重合温度60〜80℃で撹拌しな
がら乳化重合し、4種類のアクリル系重合体エマルジョ
ンA〜Dを製造した。
した。得られたアクリル系重合体エマルジョンの重合転
化率はいずれも99.5%以上で、かつ重合安定性も良
好で凝固物はほとんどなかった。
単量体および比較例として加水分解基を有しないジメチ
ルポリシロキサンを用い、下記に示す配合により、界面
活性剤および水を併用して乳化分散体を得た。乳化分散
は、TKホモミキサー(回転数10,000rmpで3
0分間)を用いて実施した。
有機ケイ素系単量体乳化分散体(II)とを表1および
表2に示す割合で混合し、スターラーを用いて回転数5
00r.p.m.で5分間撹拌し組成物を得た。
系単量体を乳化せずに用いた。 (4)セメント系成型体塗布用組成物の試験方法 中性化防止性 JIS A 1171に従って作製した1/3セメント
モルタル供試体(セメントモルタルを用い、寸法10c
m×10cm×10cmの立方体に成型し、20±2
℃,湿度80%以上の条件下で2日間養生した後、脱型
する。その後、温度20±2℃、湿度60±10%で3
週間養生したもの)の全面に塗布量が300g/m2 に
なるように各セメント系成型体塗布用組成物を刷毛にて
塗布し、24時間後中性化試験槽(CO2 環境槽)にい
れ、温度30℃,湿度80%,CO2 濃度20%の条件
で1ヶ月間放置してサンプルを形成した。
面にフェノールフタレインの1%アルコール液を噴霧し
て、赤変しない部分を中性化域として表面からの距離を
測定した。この距離が長いほど中性化防止性が劣る。 遮塩性 前記中性化防止性の試験で用いたと同様の1/3セメ
ントモルタル供試体を作製し、さらにこの供試体に各セ
メント成型体塗布用組成物を塗布してサンプルを形成し
た。これらのサンプルを3%の塩化ナトリウム水溶液に
1週間浸漬した。その後、サンプルを割裂し、その断面
に0.1%のフルオレセインナトリウム水溶液と0.1
Nの硝酸銀水溶液とを噴霧して変色域を塩化物イオンの
浸透領域として測定した。変色域が多いほど塩化物イオ
ンが多く浸透したことになり、遮塩性が劣る。 耐候性 前記の中性化防止性の試験と同様の方法によって、各
セメント系成型体塗布用組成物を1/3セメントモルタ
ル供試体に塗布してサンプルを形成した。これらのサン
プルにつきカーボンアーク式フェードメータを用いて6
3℃の条件で促進暴露試験を実施した。1ヶ月後のサン
プル表面の変色を目視で観察し、以下の3段階で評価し
た。
組成物を1/3セメントモルタル供試体に塗布してサン
プルを形成した。このサンプルを常温水に48時間浸漬
させた後、表面の白化の程度を観察し、以下の3段階で
評価した。
組成物を1/3セメントモルタル供試体に塗布してサン
プルを形成した。このサンプルについて接触角をゴニオ
メータを用いて測定した。角度が大きいほど撥水性が大
きい。
系成型体塗布用組成物を用いた実施例1〜4は、中性化
防止性,遮塩性,耐光性,耐水性,撥水性のいずれにお
いても良好であることがわかる。
外であり、物性の全般にわたって劣っていることがわか
る。ここで、比較例1は、加水分解基を有しない有機ケ
イ素系単量体を用いた例、比較例2は、有機ケイ素系単
量体の乳化分散体が過少の例、比較例3は、有機ケイ素
系単量体の乳化分散体が過大の例、比較例4は、塗布用
組成物のpHが小さすぎる例、比較例5は、塗布用組成
物のpHが大きすぎる例、および比較例6は有機ケイ素
系単量体を乳化しないで用いた例である。
合体エマルジョンと加水分解基を有する有機ケイ素系単
量体の乳化分散体とを特定の比率で混合することによ
り、セメントコンクリート,モルタル,ALC等のセメ
ント系成型体の表面塗布剤として、撥水性,耐水性およ
び耐光性に優れ、その結果中性化防止性,遮塩性に優れ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 平均粒子径が150nm以下である、ア
クリル系重合体エマルジョン(I)100重量部(固形
分換算)に対して、加水分解基を有する有機ケイ素系単
量体の乳化分散体(II)を有機ケイ素系単量体成分と
して5〜1,000重量部含有して成り、かつpHが5
〜9である、セメント系成型体塗布用組成物。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記アクリル系重合体エマルジョン(I)の平均粒子径
が130〜10nmである、セメント系成型体塗布用組
成物。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記アクリル系重合体エマルジョン(I)の平均粒子径
が100〜20nmである、セメント系成型体塗布用組
成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記加水分解基を有する有機ケイ素系単量体の乳化分散
体(II)を前記アクリル系重合体エマルジョン(I)
100重量部(固形分換算)に対して、有機ケイ素系単
量体成分として7〜800重量部含有している、セメン
ト系成型体塗布用組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記アクリル系重合体エマルジョン(I)の重合体のガ
ラス転移点が−50℃〜+40℃である、セメント系成
型体塗布用組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記有機ケイ素系単量体の乳化分散体の分散相(単量
体)の濃度が、0.1〜75重量%である、セメント系
成型体塗布用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04113948A JP3077377B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | セメント系成型体塗布用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04113948A JP3077377B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | セメント系成型体塗布用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287234A JPH05287234A (ja) | 1993-11-02 |
JP3077377B2 true JP3077377B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=14625224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04113948A Expired - Lifetime JP3077377B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | セメント系成型体塗布用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3077377B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2604105B2 (ja) * | 1993-02-26 | 1997-04-30 | 東洋インキ製造株式会社 | 建築土木用多孔性無機質材料の着色保護材 |
JP2000327722A (ja) * | 1999-05-24 | 2000-11-28 | Clariant Internatl Ltd | 微粒子エマルジョン及びその製造方法 |
JP3911687B2 (ja) * | 1999-10-14 | 2007-05-09 | 関西ペイント株式会社 | 無機質材用水性シーラー及びシーラー塗装無機質材の製造方法 |
JP3852003B2 (ja) * | 2002-04-11 | 2006-11-29 | クボタ松下電工外装株式会社 | 無機建材用水性塗料組成物及びその塗装板 |
CA2648966C (en) | 2006-04-12 | 2015-01-06 | James Hardie International Finance B.V. | A surface sealed reinforced building element |
JP4723433B2 (ja) * | 2006-08-02 | 2011-07-13 | ヤブ原産業株式会社 | 脆弱下地の強化剤およびその製造方法 |
JP5922942B2 (ja) * | 2012-02-08 | 2016-05-24 | 東亞合成株式会社 | コンクリートの保護方法及びこれにより得られるコンクリート構造 |
CN103922800A (zh) * | 2014-03-14 | 2014-07-16 | 上海市建筑科学研究院(集团)有限公司 | 一种用于清水混凝土的保护剂 |
EP3445737A1 (en) | 2016-04-20 | 2019-02-27 | Dow Silicones Corporation | Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same |
JP7120796B2 (ja) * | 2018-04-27 | 2022-08-17 | Ube三菱セメント株式会社 | 建設構造物用塗布剤 |
JP7120798B2 (ja) * | 2018-04-27 | 2022-08-17 | Ube三菱セメント株式会社 | 建設構造物用塗布剤 |
JP7120797B2 (ja) * | 2018-04-27 | 2022-08-17 | Ube三菱セメント株式会社 | 建設構造物用塗布剤 |
EP3856702A1 (en) * | 2018-09-27 | 2021-08-04 | Dow Global Technologies LLC | Coating composition for controlling efflorescence |
EP3856701A1 (en) * | 2018-09-27 | 2021-08-04 | Dow Global Technologies LLC | Coating composition for pourous construction materials |
CN110627950A (zh) * | 2019-10-15 | 2019-12-31 | 淄博广栋化工有限公司 | 一种水性氟改性丙烯酸乳液及其制备方法、应用 |
-
1992
- 1992-04-07 JP JP04113948A patent/JP3077377B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287234A (ja) | 1993-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3077377B2 (ja) | セメント系成型体塗布用組成物 | |
JP5345520B2 (ja) | ポリマー分散液、及びそれの水蒸気バリアとしての使用方法 | |
JPS5971316A (ja) | 水分散性被覆組成物 | |
BRPI0821545B1 (pt) | Processo para preparar dispersões poliméricas aquosas | |
JPH09169879A (ja) | 水性ポリマー分散液及び処方物、これより成る防湿層及び封止用コンパウンド、コーティングされた基材、及びこの分散液の製法 | |
US5250609A (en) | Aqueous coating composition | |
JPH1192708A (ja) | 建築外装塗料用エマルション組成物および該エマルション組成物を用いた建築外装塗料組成物 | |
EP0256144A2 (en) | Alkaline curing emulsions for use in cement admixtures | |
JPS61155474A (ja) | 水性被覆用組成物 | |
JP2915803B2 (ja) | 水系撥水・防水コーティング剤 | |
MXPA04009133A (es) | Molduras para concreto con brillo elevado, su produccion y uso. | |
JP3176831B2 (ja) | コンクリート構造物用塗装用組成物 | |
JP2003212931A (ja) | 水性ポリマー分散液およびその防湿層としての用途 | |
JPH09286676A (ja) | コンクリート用表面仕上げ材 | |
JPH1046099A (ja) | 低汚染型単層弾性塗料用エマルジョン | |
JP2004262748A (ja) | 防水用ポリマーセメント組成物 | |
JPH0545539B2 (ja) | ||
US20040068045A1 (en) | Use of latex for impregnating porous substrates | |
JP4072781B2 (ja) | アクリルシリコーンエマルジョン組成物 | |
ES2293546T3 (es) | Masas de recubrimiento a base de agentes aglutinantes que producen pocas emisiones. | |
US20250059381A1 (en) | Use of polymer dispersions in waterborne coating formulations and polymer dispersions therefor | |
JP4380306B2 (ja) | コンクリート床構造体、及びその施工方法 | |
JPH1190325A (ja) | 建築外装塗料の施工方法 | |
JPH07118570A (ja) | 塗装用水性プライマー | |
JP2626940B2 (ja) | 水性トップコート剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000516 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080616 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090616 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090616 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090616 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120616 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |