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JP3064049B2 - 15−デオキシスパガリン坐剤 - Google Patents

15−デオキシスパガリン坐剤

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Publication number
JP3064049B2
JP3064049B2 JP3200643A JP20064391A JP3064049B2 JP 3064049 B2 JP3064049 B2 JP 3064049B2 JP 3200643 A JP3200643 A JP 3200643A JP 20064391 A JP20064391 A JP 20064391A JP 3064049 B2 JP3064049 B2 JP 3064049B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suppository
deoxyspagarin
dsg
base
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3200643A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0648938A (ja
Inventor
浩信 平賀
高明 大熊
芳久 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP3200643A priority Critical patent/JP3064049B2/ja
Publication of JPH0648938A publication Critical patent/JPH0648938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3064049B2 publication Critical patent/JP3064049B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗癌剤又は免疫抑制剤と
して期待される15−デオキシスパガリン3塩酸塩β型
結晶の新規坐剤に関する。
【0002】
【従来の技術】スパガリンは梅沢らにより見出された制
癌活性を有する抗生物質であり(特開昭57−4895
7)、その後多くの誘導体や類縁化合物が同様の活性を
有する事が見出されている(特開昭58−62152、
同59−42356、同60−185758、同62−
48660など)。
【0003】また作用に関しても免疫抑制作用を有する
事も見出され(特開昭61−129119など)、現在
これらの化合物のうち特に15−デオキシスパガリン
〔N−〔4−(3−アミノプロピル)アミノブチル〕−
2−(7−グアニジノヘプタンアミド)−2−ヒドロキ
シエタンアミド)〕は免疫抑制剤として期待されてい
る。スパガリン類に関する製剤としては、注射用製剤
(特開昭61−165322)や単純脂質又は複合脂質
で主として経口吸収性を上げた経口用製剤が提案されて
いる(特開平2−9816号、同2−11514号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】15−デオキシスパガ
リンは現在免疫抑制剤として開発中であり、免疫抑制剤
が対象とする疾病の治療又は予防のためにはある程度継
続的な薬剤の投与が必要である。従って投与が容易でか
つ低用量で高い血中濃度を得られる注射以外の製剤の開
発が期待されている。
【0005】しかしながら、15−デオキシスパガリン
は上記の経口用製剤でも吸収が不充分であり、注射以外
の投与で免疫抑制効果などの薬効を発現するのに充分な
血中濃度を得ることは困難であった。更に、15−デオ
キシスパガリンは吸湿性をもち、かつ安定性が悪いた
め、保存安定性のよい製剤とすることが困難であった。
本発明の目的は、上記問題点を解決した15−デオキシ
スパガリン製剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討の
結果、従来公知の15−デオキシスパガリン3塩酸塩
(塩酸デオキシスパガリンという。)の粉末または含水
シロップを水及び水混和性有機溶媒の存在下で結晶化さ
せて得られる結晶(β型結晶という)を常温固体の親油
性基剤と組合せて、坐剤とすることにより、15−デオ
キシスパガリンの高い血中濃度が得られるとともに、保
存安定性のよい製剤が得られる事を見い出し、本発明を
完成した。
【0007】従って本発明は、塩酸デオキシスパガリン
のβ型結晶及び常温固体の親油性基剤を含有することを
特徴とする15−デオキシスパガリン坐剤に関するもの
である。本発明の15−デオキシスパガリン坐剤を調製
するには、通常常温固体の親油性基剤を単独又は2種以
上混合して加熱熔融させ、次に塩酸デオキシスパガリン
β型結晶を加えて均一となした後、坐剤のコンテナに充
填したり、ゼラチンカプセルに充填したりして成形し、
これを放冷することにより製造される。
【0008】本製剤中の塩酸デオキシスパガリンβ型結
晶の比率は製剤全量に対し約1〜40%(重量%以下同
じ)程度、好ましくは3〜25%程度、より好ましくは
10〜20%程度が良い。基剤の量は60〜99%程
度、好ましくは75〜97%程度、より好ましくは80
〜90%程度が良い。本製剤中には更に種々の目的で各
種の添加剤を配合する事も差し支えない。これらの添加
剤の添加量は、塩酸デオキシスパガリンβ型結晶と基剤
の混合物1部(重量以下同じ)に対して0〜0.3部程
度の範囲である。塩酸デオキシスパガリンβ型結晶と該
基剤との割合は、該β型結晶1部に対して、該基剤3部
以上が好ましく、より好ましくは4部〜100部程度で
ある。
【0009】本発明で使用する塩酸デオキシスパガリン
のβ型結晶は、例えば従来法で得られた塩酸デオキシス
パガリンの粉末約100部に対して、約500部の95
%エタノールを加えて、よく攪拌した後、5℃で3日間
放置し、析出した結晶を吸引濾過により濾取することに
より得ることができる。本発明で使用する塩酸デオキシ
スパガリンのβ型結晶のX線回折パターン〔グラファイ
トモノクロメータを使用したCu放射装置及びシンチレ
ーションカウンター検出器を備えた島津製作所X線回折
装置(XD−3A)によって測定した。〕は、第1表の
通りである。
【表1】 (電源Cu:グラファイトモノクロメータ。 40kV−30mΛ,λ=1.54051)
【0010】本発明で使用する常温固体の親油性基剤と
しては、常温固体の中鎖脂肪酸トリグリセリド(カプリ
ン酸トリグリセリドなど)又は油脂性基剤、例えばカカ
オ脂、ラウリン脂、ニッケイ脂、硬化油、半合成油脂性
基剤などがあげられる。これらは単独で使用すること
も、また2種以上併用することもできる。通常常温固体
の親油性基剤としてはC8 〜C18の飽和脂肪酸トリグリ
セリドが使用され、C8〜C14の飽和脂肪酸の割合が少
なくとも50%含まれることが好ましい。上記トリグリ
セリドに結合するC8 〜C14の飽和脂肪酸としては
8 ,C10,C12およびC14の直鎖飽和脂肪酸から選ば
れる1種又は2種以上の飽和脂肪酸が好ましい。
【0011】グリセリンに結合している脂肪酸の組成が
下記の割合(油脂性基剤全体に対する割合、重量%)の
範囲内で含む基剤が特に好ましい。 C12の飽和脂肪酸 :約32〜約60%、好まし
くは約44〜約57% C14の飽和脂肪酸 :約14〜約25%、好まし
くは約17〜約23% C16の飽和脂肪酸 :約9〜約20%、好ましく
は約10〜約14% C18の飽和脂肪酸 :約9〜約32%、好ましく
は約10〜約22% その他の脂肪酸 :0〜約4%、好ましくは0
〜約2% 本発明の坐剤は、剤皮としてゼラチンカプセルを用いて
坐剤の形を作り、内部に薬剤(液状又は固形状)を基剤
と混合充填した直腸カプセルとしても良い。
【0012】更に上記成分(15−デオキシスパガリ
ン、坐剤基剤)の他に添加剤例えばミクロクリスタリン
ワックスやミクロクリスタリンセルロース等の粘度調整
剤、更に例えば分画したやし油のような直腸刺激を低下
させる為の物質や脂肪がブルームするのを防ぐ為の少量
のレシチン等も含有させる事が出来る。これらの含有量
は、薬剤と坐剤基剤の総重量に対して0〜30%程度で
ある。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。なお、以下1
5−デオキシスパガリンを単にDSGと略す。 実施例1.(処方) DSGのβ型結晶 1g ファーマゾル H−15 26g 以上20個分とした。ファーマゾル H−15(脂肪酸
の割合:C12:約54%、C14:約22%、C16:約1
2%、C18:約12%)をビーカーに取り水浴中で加熱
熔融し、加温を止め攪拌しながら40℃でDSG 1g
を加えて充分に混和して均一にし、坐剤型(坐剤用コン
テナー)に注入、室温で放冷、冷蔵庫内で冷却、固化し
て製した。
【0014】実施例2. (処方) DSGのβ型結晶 1g パナセート1000* 26g* カプリン酸トリグリセリド、日本油脂製 以上20個分とした。実施例1.と同様に製した。 実施例3. (処方) DSGのβ型結晶 5g ファーマゾル H−15 35g 以上20個分とした。実施例1.と同様に製した。
【0015】対照例1.DSGの粉末をDSG10mg/
mlとなるように水に溶解した。 対照例2.DSGの粉末50mg及びパナセート1000
50mgを混合し日本薬局方3号カプセルに充填した。 対照例3. (処方) DSGの粉末 1g マクロゴール1500 18g マクロゴール4000 8g 以上20個分とした。マクロゴール1500と4000
をビーカーに取り、加温した水浴上で溶解して攪拌しな
がらDSGを少量ずつ加えて充分に混和して均一にし、
坐剤型に注入、冷却、固化して製した。
【0016】試験例1 薬物動態試験 (1) 試験方法 体重9.0〜11.0kgの雄性ビーグル犬各群3頭に実
施例1、2で製造した坐剤各1個を各動物に直腸内投与
した。対照として対照例1の水溶液5mlを経口又は直腸
内投与し、また対照例2のカプセルを経口投与並びに対
照例3の坐剤を直腸内投与した。投与量は全てDSG約
5mg/kgとした。動物は試験前日から試験終了まで絶食
させた。採血は投与後0.5、1、2、4、8時間目に
前肢静脈よりヘパリン処理した注射筒で約5ml採血し、
採血後血液を遠心分離し、血漿を分取した。
【0017】上記血漿1mlを取り、内標準としてN−
〔4−(3−アミノプロピル)アミノブチル〕−2−
(7−グアニジノオクタンアミド)−2−ヒドロキシエ
タンアミド1μgを加え、蒸留水5mlで希釈後、CM
−Sephadex C−25カラム〔Naタイプ
(Pharmacia Fine Chemical
社)5cm×0.5cmφ〕に注入した。カラムを0.
3M塩化ナトリウム水10mlで洗浄後、DSG及び内
標準を0.5M塩化ナトリウム水10mlで溶出した。
Sep−Pak C18カートリッジを用いて脱塩後、
メタノールで溶出し、減圧下溶媒を留去した。残留物を
250μlの蒸留水に溶解し、その100μlを高速液
体クロマトグラフ(HPLC)に注入し、o−フタルア
ルデヒド(OPA)で誘導体とするいわゆるポストカラ
ム誘導体化を行い、蛍光検出器付HPLCで定量した。
【0018】 HPLC :島津液体クロマトグラフ装置 カラム :Cosmosil 5C18−P(15cm
×4.6mmφ) カラム温度 :25℃ 検出波長 :励起波長 335nm、蛍光波長 435
nm 移動相 :10mMリン酸緩衝液(pH3.0)−アセ
トニトリル(80:20)にヘプタンスルホン酸ナトリ
ウム5mMを溶解 流量 :移動相1.0ml/min OPA試薬0.5ml/min
【0019】(2)試験結果 第2表に示す。
【表2】
【0020】試験例2 安定性試験(苛酷試験) (1) 試験方法 DSGのβ型結晶又はDSGの凍結乾燥粉末50mgを密
栓付きバイアルに正確に秤り取り、それに水浴中で加熱
溶融したウィテップゾルH15(脂肪酸の割合:C12
約54%、C14:約22%、C16:約12%、C18:約
12%)の1.25gを加え、よく攪拌した後、密栓を
して、50℃で2週間、35℃で4週間保存した。含量
の測定はDSGを基剤中より抽出した後、HPLC法を
用いて行った。
【0021】(2) 試験結果
【表3】
【0022】試験例3 吸湿性試験 (1) 試験方法 試料 1. DSGのβ型結晶 2g ファーマゾルH−15 26g 以上20個分とした。 2. DSGの凍乾品 2g ファーマゾルH−15 26g 以上20個分とした。 ファーマゾルH−15、26gをビーカーに取り水浴中
で加熱熔融し、加温を止め攪拌しながら40℃でDSG
のβ型結晶又は凍乾品2gを加えて充分に混和して均一
にし、坐剤型に注入、室温で放冷、冷蔵庫内で冷却、固
化して製した。上記調製した坐剤を25°、75%RH
条件下に保存し、重量増加率を測定した。
【0023】(2) 試験結果
【表4】
【0024】
【発明の効果】第2表に示す様に経口投与した場合や、
直腸へ水溶液を投与した場合又は水溶性基剤(マクロゴ
ール)の坐剤を投与した場合と比較して、本発明の坐剤
(DSGのβ型結晶を親油性基剤で坐剤としたもの)
は、DSGの高い血中濃度を得る事ができる。特に実施
例1の油脂性基剤を用いたものは対照例で最も血中濃度
の高い対照例1に比してもCmaxで約3.5倍、AU
C0-8hr で約3倍と著しく高い血中濃度を示している。
【0025】また第3表及び第4表に示すように、DS
Gのβ型結晶を用いた場合、DSGの凍結乾燥粉末を用
いた場合に比して、坐剤基剤中での安定性に優れ、かつ
坐剤の吸湿性も少ないことが判る。以上から明らかなよ
うに、本発明によれば、15−デオキシスパガリンの高
い血中濃度を得ることができ、更には保存安定性がよ
く、吸湿性の少ない15−デオキシスパガリン坐剤が提
供される。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/16 A61K 9/02 A61P 35/00 A61P 37/06 CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15−デオキシスパガリン3塩酸塩β型
    結晶及び常温固体の親油性基剤を含有する事を特徴とす
    る15−デオキシスパガリン坐剤。
JP3200643A 1990-08-10 1991-08-09 15−デオキシスパガリン坐剤 Expired - Lifetime JP3064049B2 (ja)

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JP2-213505 1990-08-10
JP21350590 1990-08-10
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JPH0648938A JPH0648938A (ja) 1994-02-22
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