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JP3059491B2 - 非線形素子およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

非線形素子およびそれを用いた液晶表示装置

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JP3059491B2
JP3059491B2 JP41866390A JP41866390A JP3059491B2 JP 3059491 B2 JP3059491 B2 JP 3059491B2 JP 41866390 A JP41866390 A JP 41866390A JP 41866390 A JP41866390 A JP 41866390A JP 3059491 B2 JP3059491 B2 JP 3059491B2
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Japan
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liquid crystal
thin film
crystal display
display device
electrode
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JP41866390A
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晃 間瀬
俊司 迫
直哉 斎藤
舜平 山崎
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピューター、ワー
ドプロセッサー、テレビ受像機等の表示画面として用い
ることが出来、階調表示を必要とする分野への応用が可
能である。
【0002】
【従来の技術】従来コンピューター、ワードプロセッサ
ー等の表示画面にはSTN(スーパーツイストネマチッ
ク)型の液晶表示装置が多く用いられている。STNは
以前のTN(ツイストネマチック)型の液晶表示装置に
比べて、液晶材料の電気光学特性に急峻性があるため
に、TNでは難しかった情報量の多い高時分割駆動が可
能となり、現在のノートパソコン、ノートワープロの火
付け役となった。しかしながら時分割駆動を行なうがた
めに、操作線の数が増加すると走査線中の選択と非選択
部での印加電圧比がとりにくくなり、表示品質特にコン
トラストの低下が起きてしまった。
【0003】これを解消するために、TFT(薄膜トラ
ンジスタ)を用いてTN液晶を駆動させるアクティブマ
トリックスの開発が行なわれて現在に到っている。アク
ティブマトリックス型の液晶表示装置は、書込みを行な
いたい操作線につながるTFTのゲートのみをON状態
にするために、他の操作線への影響を極力押さえる事が
出来、クロストークフリーな表示が可能になった。ま
た、一度書き込んだ後は、実質的に容量成分である液晶
部分に電荷がチャージされるために、他の操作線を書き
込んでいる間でも、コントラストの低下が発生しないス
タティック駆動が可能になり、格段に表示品質が向上し
た。また、ソース・ドレイン間電圧を調整することで容
易に階調表示が可能になっている。しかしながら、TF
Tの作製工程において、6〜8枚のフォトマスクを使用
するために歩留りの低下が否めなかった。さらにゲート
酸化膜のピンホール等から正常動作しない素子も多く、
やはり歩留りの点から全体の製造コストを上げる要因の
一つとなっていた。そこで、簡易な構造で表示品質の良
い液晶表示装置が求められていた。
【0004】そこでクラーク・ラグァウォールらによっ
て提案されたものが、強誘電性液晶を用いたディスプレ
イであった。図1にその概念図を示す。強誘電性液晶は
自発分極を有するために、螺旋がほどけるまで液晶層の
厚みを薄くした場合、界面安定状態(SSFLC)が出
来、一度電界を加えたあとは、その電界を取り去っても
透過または非透過の状態が継続するメモリー効果を得る
ことが出来た。このメモリー状態を利用することによっ
て、TFTのアクティブマトリックスLCDと同じよう
な、スタティック的な駆動が可能になっている。
【0005】しかしながらこのメモリー性を強調した場
合、現実的には『焼け』と呼ばれる現象が起き、表示不
良をひきおこしている。『焼け』は一度透過となり、非
透過となり、その状態をメモリーさせて長時間放置した
場合、次にその逆の状態を表示しようとしても完全な非
透過または透過の状態が得られず、コントラストの低下
を引き起こしていた。これを解決する手段として、メモ
リー性を極力押さえた液晶材料を用いて、表示を行なう
ことが有効であることが判った。強誘電性液晶におい
て、全くメモリー性の無いまたは自発分極を持たない組
成物は存在しえないが、『焼け』を解消するためにそれ
らを極力押さえた場合、数画面分のメモリー性はあるも
のの、時分割数が増加したりした場合に表示品質を落と
すという欠点がクローズアップしてきた。しかし、強誘
電性液晶の持つ高速応答性については捨てがたく、この
特徴を生かしたまま『焼け』現象が解決されるような方
法が求められていた。
【0006】また、強誘電性液晶の場合、透過、非透過
の2個の安定状態しかとらないために、情報の多様化に
ともなう階調表示を苦手としていた。これを解決する方
法として、単位画素を面積的に多分割して複数のドット
で構成することにより、階調を表示することがなされて
いる。例えば、単位画素を面積比で1:2:4に分割
し、それらのON/OFFの組み合わせで8階調を得る
等が考案されている。図2(a)、(b)に2階調表示
の時の電極構造と、8階調表示の時の電極構造を示す。
【0007】 しかしながら、1つの単位画素につき3個
のデーター信号を加えなければならないため、外部回路
が非常に複雑になってきてしまい、コストの上昇および
外部回路接続時の歩留りの低下が生じてしまった。また
さらに、分割のために電極間の絶縁区間をとるため、開
口率の低下が起きてしまっている。例えば、250μm
ピッチ、25μmギャップの単位画素を考えた場合、分
割をしない場合の開口率は81%であるのに対して、同
一ギャップで分割した場合、63%まで低下してしまう
ことが判る。またさらに、分割のために一番細い電極
(103)の幅は、前記ピッチ、ギャップの場合、25
μmとなってしまう。液晶表示装置として1000×1
000画素のものをITOのシート抵抗が5Ω以下のも
のを使い作製した場合でも、データー方向の電極は端か
ら端まで約50kΩの抵抗を有することになる。これで
は、電極の両端における液晶にかかる電界強度が異な
り、均一な表示が出来なくなってしまうことになった。
そこで、アナログ的に階調が制御できる方法が求められ
ていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】 本願発明は、強誘電性液晶の自発分極と電
気的相互作用をすることがなく、強誘電性液晶の高速応
答に影響を与えない非線形素子を得ることを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、Si X Y
Z (X+Y+Z=1、Y≪1)で示される組成物を含む
薄膜およびDLC薄膜からなる積層膜を有する非線形素
子において、前記Si X Y Z (X+Y+Z=1、Y≪
1)で示される組成物を含む薄膜またはDLC薄膜には
ハロゲンまたはリンが含まれている非線形素子を用いる
ことを特徴とする。以下に実施例を示し、さらに詳細な
説明を加える。
【0010】
【液晶表示装置の作製方法の例1】 本作製方法の例 は、
図7にその構造を示すように、可視光を透過する絶縁性
基板(1)上に、可視光を透過する第1の電極(2)およびリ
ードを有し、該電極上をSixYZ(X+Y+Z=
1)で示される組成物を含む薄膜(3)で覆い、該薄膜上
に、可視光を透過する第2の電極(4)を有する第一の基
板(10)と、可視光を透過する絶縁性基板(9)上に、可視
光を透過する第3の電極(8)およびリードを有する第2
の基板(11)を使用し、それら、第1の基板(10)と第2の
基板(11)の内側に、強誘電性を示す液晶組成物(7)と、
該液晶組成物を一定方向に配向させる手段(5)とを有す
る液晶表示装置の作製方法の例である。
【0011】 以下、本作製方法の例に用いた液晶表示装
置の作製法を最初に示す。まず1.1mmのソーダライム
ガラス(1)に、DCスパッタ法によって、ITOを100n
成膜し、その後、フォトリソ法を用いて、表示画素電
極の一方の辺と、概略同一寸法とする幅のストライプ状
に、パターニングをして、第一の電極(2) とした。
【0012】 その後、下記条件の下にグロー放電を行
い、SixYZ(X+Y+Z=1)膜(3)を50nm成膜
した。成膜条件は、ガス混合比C24が2SCCM、N
3が1SCCM、H2 が10SCCMであり、反応圧
力が50Pa、RFパワーが100Wである。
【0013】 本作製方法の例 においてNF3を添加する
のは、膜(3)の導電率を変化させ、非線型特性を制御す
るためであり、30体積%以下の割合で添加すると効果が
ある。この非線型性を制御する方法としては、熱アニー
ルを加える方法がある。これは、MIM型素子のI(in
sulator)部分に相当する薄膜(3) の脱水素化を計るこ
とによって膜中の水素含有量をコントロールし、MIM
型素子の非線型性を制御するものである。この熱アニー
ルの処理条件は、温度が380℃、圧力が100Pa、
処理雰囲気がAr、処理時間が1時間でる。また、本
発明においてはこのSixYZ(X+Y+Z=1)で
示される組成物を含む薄膜(3)の厚さを200nm以下、好
ましくは50nm以下にすることによって、その光透過性
を高めることができた。図8にSixYZ(X+Y+
Z=1)で示される組成物を含む薄膜の50nm時の分光
透過率を示す。
【0014】 従来はMIM型素子のinsulator 部分に、
例えばTaO 5 (5酸化タンタル)膜を用いようとする
場合、その光透過性が問題となるので、なるべくその面
積を小さくする等の工程上の制約があった。その後,再
びDCスパッタ法によって、膜(3)上にITOを100nm
成膜し、フォトリソ法を用いて、第2の電極(4)を得
た。この場合、マグネトロン型RFスパッタ法を用いて
もよい。
【0015】 画素電極の一方である第2の電極の寸法
は、一辺が250 μmの正方形とし、画素間のギャップ
は、25μmとした。この第2の電極(4) は表示の際、単
位画素となる大きさを有するものであり、薄膜(3)に加
わる電界が各画素において均一になるように作用するも
のである。この様にして、第1の基板(10)を得た。
【0016】 他方の第2の基板(11)も、1.1mmのソー
ダライムガラス(9)に、DCスパッタ法によって、IT
Oを100nm成膜した。その後、フォトリソ法を用い
て、表示画素電極の一方の辺と、概略同一寸法とする幅
のストライプ状に、パターニングをして、第3の電極
(8)とした構造となっている。
【0017】 前記第1の基板(10)上に、印刷法によりポ
リイミド薄膜を20nm成膜し、その後,ラビング法によ
って、液晶分子をある一定方向に並べる手段として配向
膜(5)を設けた。
【0018】 第1の基板(10)と第2の基板(11)の間に、
強誘電性液晶(7)、および樹脂からなる基板間の間隔を
保持するためのスペーサー(6)を入れ、その周囲をエポ
キシ系の接着剤で固定した。
【0019】 その後,第1の電極(2)、第3の電極(4)に
つながるリードに、COG法を用いて液晶駆動用LSI
を接続し、液晶表示装置を得た。
【0020】作製方法の例において成膜した薄膜(3)
は光透過性を有しており50nmの厚さであれば光学的に
なんら問題はなかった。
【0021】 図14、図15に本作製方法の例の非線形
素子の電流電圧特性を示す。
【0022】
【実施例】
【0023】 本実施例に用いた液晶表示装置の構造を図
11に示す。本実施例は、可視光を透過する絶縁性基板
(1)と、該絶縁性基板上に設けられた金属酸化物で可視
光を透過する第1の電極(2)およびリードと、前記電極
およびリード上を覆う少なくともSixYZ(X+Y
+Z=1)で示される組成物を含んだ2層からなる薄膜
(71),(72)と、該薄膜上に設けられた強誘電性を示す液
晶組成物(7)と、該液晶層上に設けられた金属酸化物で
可視光を透過する第2の電極(8)およびリード、そして
可視光を透過する第2の絶縁性基板(9)からなる液晶表
示装置において、前記SixYZ(X+Y+Z=1)
で示される組成物を含んだ薄膜の液晶層側の面上にこの
薄膜上に設けられる強誘電性を示す液晶組成物を一定方
向に配向させる機能を持たせた液晶表示装置の実施例で
ある。
【0024】 本実施例ではSiXYZ(X+Y+Z
=1)で示される組成物を含んだ薄膜、すなわち非線形
素子のinsulatorとして、第1の薄膜としてSiXYZ
(X+Y+Z=1)においてY≪1として炭素を含んだ
SiO2に近い膜(71)を、第2の薄膜としてSi X Y Z
(X+Y+Z=1)においてX=0,Z=0でDLC膜
(72)を設け、この2層を用いた。
【0025】 マグネトロン型RFスパッタ法によって、
まず第1の薄膜(71)を以下の条件で5〜200nmの厚さ、
本実施例においては30nmの厚さに形成した。成膜条
件は、基板温度が150℃、RFパワーは400W、成
膜圧力は0.5Pa、成膜雰囲気はO2体積95%、NF3
体積5%であり、ターゲットはSiにCを微量に添加し
たインゴットを用いた。また、成膜法としては、公知の
光CVD法を用いてもよい。なお、上記スパッタ時の雰
囲気中に水素を添加することにより各画素における非線
型特性を制御することができる。
【0026】 つぎに、この薄膜(71)の液晶層に接する面
上に炭素を主成分とする(以下DLCと称する)薄膜(7
2)を以下の条件で2〜200nm、本実施例では30nmの厚
さに成膜した。成膜条件は、ガス混合比がC26:NF
3:H2=2:1:10であり、RFパワーが100Wで
ある。このDLC薄膜(72)の液晶層に接する面上(12)に
配向処理を施し、後は液晶表示装置の作製方法の例1
同様にして本実施例を完成させた。
【0027】 本実施例の特性は液晶表示装置の作製方法
の例1と同様であったが、その電気的安定性が高く、特
性の変化が小さかった。本実施例においては、薄膜(71)
と薄膜(72)でMIM型素子のinsulatorに相当する部分
を形成しようとするものである。この際、弗素、窒素元
素の混入した酸化珪素膜である薄膜(71)は、水素が含ま
れておらず極めて電気的に安定しているという特徴を有
する。また、DLC膜である薄膜(72)はIV族元素が主
体であるので極性をもたず、しかも水素、窒素、弗素の
作用で低抵抗率を有しているので、液晶層として強誘電
液晶層を用いた場合、強誘電性液晶の自発分極と電気的
相互作用をすることがなく、強誘電性液晶の高速応答に
影響を与えないという特徴を有する。
【0028】 これらの薄膜(71)と薄膜(72)は全くパター
ニングする必要がないので、従来の単純マトリックス型
式の液晶表示表示装置の作製工程に上記2枚の薄膜を作
製する工程が増えるだけですむという作製工程上の特徴
も有する。さらに、insulator部分となるいずれかの膜
中にハロゲン元素、リンを20原子パーセント以下混入
せ、ガラス基板から拡散するナトリウムイオンが固定電
荷となり電気的不安定性の原因となる結合から離れた水
素イオン等のゲッタリング(取り込んでしまう作用)効
を得る
【0029】 本実施例は、図11に示すように液晶表示
装置の作製方法の例1においてSixYZ(X+Y+
Z=1)で示される組成物を含んだ薄膜上に設けられた
第2の電極がないものである。
【0030】 本実施例における液晶表示装置の 作製方法
は、液晶表示装置の作製方法の例1における各画素に対
応する第2の電極(4)、配向膜(5)がないこと、SixY
Z(X+Y+Z=1)で示される組成物を含んだ薄膜
(3)の成膜法と構成が違うこと、この薄膜(3)の液晶層に
接する面に配向処理がなされること、以外は液晶表示装
置の作製方法の例1とその作製法は同様である。
【0031】
【液晶表示装置の作製方法の例2】本作製方法の例で
は、実施例のinsulatorの第2の薄膜として、Si x Y
Z (X+Y+Z=1)で示される組成物を含む薄膜を
Z=0としてSiC膜を設けてもよい。
【0032】 また、本作製方法の例では、実施例の膜(7
1)と膜(72)の何れか一方のみを用いて、この膜上に配向
処理を施してもよい。
【0033】
【液晶表示装置の駆動方法の例】 『焼け』現象を回避す
るためのメモリー性の低下策は、図3(201)に示す
時分割駆動時における非選択時の透過率の揺らぎを生
じ、コントラストの低下を招いている。図3に駆動波形
と液晶表示装置の光学応答を示す。
【0034】 さらに階調表示を行なうため、信号パルス
の波高(電圧)を変化させた場合、任意の画素が非選択
の場合でも通常の2階調表示時に比べて大きな電圧が加
わるために、図4(202)に示す揺らぎをさらに生
じ、コントラストの低下を生じていた。図4に通常の強
誘電液晶に階調表示を行なう場合における駆動波形と液
晶表示装置の光学応答を示す。
【0035】 時分割駆動時の非選択時の透過率の揺らぎ
を解決する方法として、抵抗成分がオームの法則にのら
ない非線型特性を有する素子を、液晶表示素子電極に直
列接合する方法がある。
【0036】 また 、強誘電性液晶を狭持する2枚の基板
のうち、少なくとも何方か一方の液晶層側の面上にSi
XYZ(X+Y+Z=1)で示される組成物質を含む
薄膜を有する液晶表示装置を用いる。また、前記液晶表
示装置を駆動する際に、走査側電極に単位時間内に単相
よりなる電気信号を加え、情報側電極に単位時間内に単
相以上の相数よりなる電気信号を加える駆動方法におい
て、最終相分のパルス高さを変化させることによって、
液晶パネルの透過率を任意に制御する。
【0037】 強誘電性液晶は図5に示す様に、応答速度
と加えるパルスの電圧値との積がほぼ一定の特性を有し
ている。つまり、低い電圧パルスの時の応答速度と電圧
値との積と、高い電圧パルスの時の応答速度と電圧値と
の積とが概略等しくなるのである。これを、メモリー性
が極力少ない強誘電性を示す液晶組成物に適用した場
合、パルス幅を一定にして電圧を変化させると、一定期
間内の透過率を制御できることが判った。図6に駆動パ
ルス(波形)と液晶表示装置の光学応答を示す。
【0038】 そこで、階調表示を実現させるために、駆
動方法として本効果を利用した。(駆動方法例1) 液晶表示装置に 対し走査側電極に単位時間内に4相より
なる電気信号を加え、情報側電極に単位時間内に4相よ
りなる電気信号を加える駆動方法において、後半2相分
または最終相分のパルス高さを変化させることによっ
て、液晶パネルの透過率を任意に制御する液晶電気光学
装置の駆動方法を示す。
【0039】図 9に本駆動方法の例における液晶装置に
加える駆動波形を示す。走査側電極に単位時間内に4相
よりなる電気信号(301)を加え、情報側電極に単位
時間内に4相よりなる電気信号(302)を加え後半2
相分または最終相分のパルス高さを変化させることによ
って(303a、303b)、液晶パネルの透過率を任
意に制御している。選択時ONのときの信号(304)
は4相中の最後の相を3Vから4Vの間で変化させるこ
とによって、透過率を制御するものである。
【0040】 図10に駆動信号と本駆動方法の例1によ
る液晶表示装置の光学応答を示す。これらの図を見ると
明らかなように、非線形素子の効果によって液晶セルに
は、ある一定以上の強さの信号電界が液晶装置に加わっ
た場合にのみ電界が加わっているために非選択時におい
ても揺らぎが観測されない。また、最終相または最終相
の前の相の電圧を変化させることで、光学応答が制御で
きていることが判る。
【0041】(駆動方法例2) 前記液晶表示装置に 対し、走査側電極に単位時間内に3
相よりなる電気信号を加え、情報側電極に単位時間内に
3相以上の相数よりなる電気信号を加える駆動方法にお
いて、後部2相分または最終相分のパルス高さを変化さ
せることによって、液晶パネルの透過率を任意に制御す
る液晶電気光学装置の駆動方法を示す。
【0042】図 12に本駆動方法の例2における液晶装
置に加える駆動波形を示す。走査側電極に単位時間内に
3相よりなる電気信号(305)を加え、情報側電極に
単位時間内に3相よりなる電気信号(306)を加え後
半2相分または最終相分のパルス高さを変化させること
によって(307a、307b)、液晶パネルの透過率
を任意に制御している。選択時ONのときの信号(30
8)は3相中の最後の相を3Vから4Vの間で変化させ
ることによって、透過率を制御するものである。
【0043】駆動方法例3) 本駆動方法の例 は実施例と同じ構造の液晶表示装置を用
い、図13に示す駆動波形を加えることによって、階調
表示をおこなわせている。走査側電極に単位時間内に2
相よりなる電気信号を加え、情報側電極に単位時間内に
2相以上の相数よりなる電気信号を加える駆動方法にお
いて、後部2相分または最終相分のパルス高さを変化さ
せることによって、液晶パネルの透過率を任意に制御す
ることを特徴とする液晶電気光学装置の駆動方法を示す
ものである。
【0044】
【発明の効果】本発明の構成をとることによって、非線
形素子の絶縁膜としてSi X Y Z を用いることによっ
て高い電気的安定性を得ることができ、またDLC膜を
用いると低抵抗率を有する膜を得ることができる。さら
に、液晶層として強誘電液晶層を用いた場合、強誘電性
液晶の自発分極と電気的相互作用をすることがなく、強
誘電性液晶の高速応答に影響を与えないという特徴を有
することができる。
【0045】 また、 各画素に非線形性を持たせることが
でき、簡単な構造でありながら時分割駆動時の非選択時
の透過率の揺らぎが生ぜず、しかも表示コントラストの
高い液晶ディスプレイ、特に強誘電性液晶ディスプレイ
を得ることができた。
【0046】さらに、insulator部分となるいずれかの
膜中にハロゲン元素、リンを20原子パーセント以下混入
させることにより、ガラス基板から拡散するナトリウム
イオンが固定電荷となり電気的不安定性の原因となる結
合から離れた水素イオン等のゲッタリング(取り込んで
しまう作用)に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 強誘電性液晶の概念図
【図2】 画素電極面積の変化による階調表示方式
【図3】 通常の強誘電性液晶に時分割駆動させた時の
駆動波形と光学応答
【図4】 通常の強誘電性液晶に本発明の駆動方法で動
作させた時の駆動波形と光学応答
【図5】 強誘電性液晶の電圧と応答速度の関係
【図6】 メモリー性が極力少ない強誘電性液晶に、電
圧を変化させて動作させた時の光学応答
【図7】 本実施例に用いた液晶表示装置の構造図
【図8】 本実施例に用いた非線形素子用の絶縁膜の透
過率
【図9】 本発明による駆動波形
【図10】 本発明による駆動波形と光学応答
【図11】 本実施例に用いた液晶表示装置の構造図
【図12】 本発明による駆動波形
【図13】 本発明による駆動波形
【図14】 本実施例に用いた非線形素子の電気光学特
【図15】 本実施例に用いた非線形素子の電気光学特
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−50489(JP,A) 特開 昭64−53425(JP,A) 特開 昭64−47076(JP,A) 特開 平2−289828(JP,A) 特開 昭57−197592(JP,A) 特許2945947(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1365 H01L 49/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiXYZ(X+Y+Z=1、Y<<
    )で示される組成物を含む薄膜およびDLC薄膜から
    なる積層膜を有する非線形素子において、 前記SiXYZ(X+Y+Z=1、Y<<1)で示さ
    れる組成物を含む薄膜またはDLC薄膜にはハロゲンま
    たはリンが含まれていることを特徴とする非線形素子。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記Si X Y Z (X+Y+Z=1、Y<<1)で示さ
    れる組成物を含む薄膜は5〜200nmの膜厚であり、
    DLC薄膜は2〜200nmの膜厚であることを特徴と
    する非線形素子。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の非線形素子
    を用いた液晶表示装置。
JP41866390A 1990-12-29 1990-12-29 非線形素子およびそれを用いた液晶表示装置 Expired - Fee Related JP3059491B2 (ja)

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