JP3053666U - 印刷機 - Google Patents
印刷機Info
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- JP3053666U JP3053666U JP1998002910U JP291098U JP3053666U JP 3053666 U JP3053666 U JP 3053666U JP 1998002910 U JP1998002910 U JP 1998002910U JP 291098 U JP291098 U JP 291098U JP 3053666 U JP3053666 U JP 3053666U
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 印刷オーダの変更等に伴い無駄に廃棄される
インキや洗浄に伴い発生する廃液の量を抑制すると共
に、回収・洗浄作業を短時間で行なう。 【解決手段】 インキ転移ロール17と絞りロール18
の間に画成されるインキ貯留部Aの上方に移動自在に配
設される載置板35に、フレキソインキが貯留されるイ
ンキポット36が装着される。また載置板35に、イン
キ貯留部Aへのフレキソインキの供給または該貯留部A
に貯留されるフレキソインキの回収を選択的に行なう第
1インキ供給・回収装置25と第2インキ供給・回収装
置26とが配設される。そして、両装置25,26を相
反する方向に駆動することで、インキポット36のフレ
キソインキがインキ貯留部Aに供給されると共に、該貯
留部Aに貯留されているフレキソインキがインキポット
36に回収される循環が行なわれる。
インキや洗浄に伴い発生する廃液の量を抑制すると共
に、回収・洗浄作業を短時間で行なう。 【解決手段】 インキ転移ロール17と絞りロール18
の間に画成されるインキ貯留部Aの上方に移動自在に配
設される載置板35に、フレキソインキが貯留されるイ
ンキポット36が装着される。また載置板35に、イン
キ貯留部Aへのフレキソインキの供給または該貯留部A
に貯留されるフレキソインキの回収を選択的に行なう第
1インキ供給・回収装置25と第2インキ供給・回収装
置26とが配設される。そして、両装置25,26を相
反する方向に駆動することで、インキポット36のフレ
キソインキがインキ貯留部Aに供給されると共に、該貯
留部Aに貯留されているフレキソインキがインキポット
36に回収される循環が行なわれる。
Description
【0001】
この考案は、印刷機に関し、更に詳細には、印刷オーダの変更等に伴い無駄に 廃棄されるインキ量を抑制することのできる印刷機に関するものである。
【0002】
段ボールシートの印刷に用いられるフレキソ印刷機は、例えば実開平4−87 244号公報に開示されるように、回転自在に配設されたインキロールと絞りロ ールとの間に供給されたフレキソインキを、版胴に装着された印版にインキロー ルを介して転移させるよう構成される。このフレキソ印刷機で使用されるフレキ ソインキは高度に速乾性であるため、常に循環させて乾燥固化を防止する必要が ある。そのため該印刷機では、インキタンク中のインキを、ポンプおよび供給管 を介して前記両ロールの間に供給すると共に、ここに滞留したインキを、両ロー ルの両端部から樋部材および回収管を介して前記タンクに回収する循環機構が採 用されている。
【0003】
前述した従来のフレキソ印刷機では、印刷オーダの変更等に伴う色替えを容易 に行なう観点から、印刷機における操作側(両ロールの軸方向一端部側)の下方に インキタンクを設置している。このため、インキタンクから両ロール間の上方に おける軸方向略中央にまで配管している供給管の管路が長くなっている。また両 ロールの間に滞留しつつ両端から流出するインキを、その両端部に設けた樋部材 で夫々受けているため、両樋部材からインキタンクまで配管している回収管の管 路も長くなっているのが現状である。
【0004】 ところで最近の業界は、多品種かつ少量の段ボールシートを加工する小ロット 対応に迫られており、その傾向は年を追って顕著なものとなっている。これを印 刷機に関して考察すると、多種・少量の段ボールシートの印刷に対応するために 、限られた時間内で色替えを行なう必要があることを意味する。しかるに、前述 したようにインキの循環系が長い従来のフレキソ印刷機では、色替えの際は多量 の水でロールおよび循環系を洗浄する必要があり、インキの完全回収は無理でか なりの損失を生ずると共に、公害防止対策の見地から洗浄廃液の処理設備が必要 となってコスト高となる問題があった。また色替えに時間を要するため、ロスタ イムが多くなって生産能率の低下を招いていた。
【0005】
この考案は、前述した従来の技術に内在する欠点に鑑み、これを好適に解決す るべく提案されたものであって、印刷オーダの変更等に伴い無駄に廃棄されるイ ンキや洗浄に伴い発生する廃液の量を抑制すると共に、回収・洗浄作業を短時間 で行ない得る印刷機を提供することを目的とする。
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本考案に係る印刷機は 、 印版を装着した版胴と、この版胴に対向配置した圧胴とを備え、前記印版にイ ンキを転移させると共に、相互に反対方向に回転する前記版胴と圧胴との間に段 ボールシートを通過させて、該シートに所要の印刷を行なうよう構成した印刷機 において、 印刷時に前記版胴の印版と接触して回転するインキ転移ロールと、 印刷時に前記インキ転移ロールと接触してインキ量の絞り調整を行なう調節手 段と、 前記インキ転移ロールと調節手段の軸方向両側に配置され、インキ転移ロール と調節手段との間にインキ貯留部を画成する一対の規制部材と、 前記インキ貯留部に近接して配置され、インキの供給および回収に共用される インキ供給・回収源と、 前記インキ供給・回収源に一方の開口部が挿入されると共に、他方の開口部を インキ貯留部に臨ませた第1管体および第2管体とを備え、 前記第1管体および第2管体の夫々にはインキ移送手段が装備されていること を特徴とする。
【0007】
次に、本考案に係る印刷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照し ながら以下説明する。図1は、実施例に係るフレキソ印刷機の段ボールシートへ の印刷状態で示す概略側面図であって、図示のフレキソ印刷機10は、段ボール シート11の給送方向と交差する方向に所定間隔離間した機枠12,12(一部の み図示)の間に、印版13が着脱自在に装着されて段ボールシート11のパスラ インの上方に配置された版胴14と、段ボールシート11のパスラインを挟む下 方に対向配置した圧胴15とを回転自在に備えていて、これら版胴14および圧 胴15は相互に反対方向への回転がなされる。
【0008】 前記版胴14の上方には、印版13にフレキソインキを転移させるインキ転移 機構16が配設されている。このインキ転移機構16は、供給されたフレキソイ ンキを印版13に直接転移させるインキ転移ロール17と、該ロール17に圧接 されてインキ量の絞り調節を行なう調節手段としての絞りロール18と、絞りロ ール18の回転軸を中心としてインキ転移ロール17を所要の角度範囲で変位さ せ得る揺動機構19とから基本的に構成されている。そして該揺動機構19を選 択的に作動させることにより、後述する如くインキ転移ロール17を、前記印 版13に接触させてフレキソインキを該印版13に転移させるインキ転移位置と 、前記印版13から離間してインキ転移不能状態とするインキ洗浄位置とに変 位させ得るようになっている。
【0009】 すなわちインキ転移ロール17は、前記版胴14に対し近接・離間自在に配設 され、近接時には該版胴14に装着した印版13に接触して回転可能となってい る。このインキ転移ロール17の表面には、微細な窪みを所要のパターンで凹設 したアニロックスが形成され、これら微細窪みは、一定量のフレキソインキを溜 めると共にロール回転時のインキ飛散を防止するべく機能している。なおインキ 転移ロール17には鉄系金属材質が採用されるが、金属ロールの表面にセラミッ クス被膜を爆発溶射等の手段により形成し、このセラミックス被膜にアニロック スを彫刻するようにしてもよい。更に、インキ転移ロール17として、アニロッ クスの彫刻を施してない鉄ロール(メッキだけを施したもの)や、単なるゴムロー ルも好適に使用可能である。
【0010】 前記インキ転移ロール17に隣接して配設される絞りロール18は、インキ転 移ロール17と運転中は常に接触すると共に、該転移ロール17より低速で回転 して、インキ転移ロール17の表面における余剰インキの絞り調節を行なうべく 機能する。この絞りロール18は、鉄系の金属材質またはゴム等の柔軟な材質の ものとするのが好適である。なおゴム系材質を使用する場合は、その硬度を、ロ ールの長短に応じて例えばショアー硬度50〜75度の範囲内で適宜選択するこ とが推奨される。
【0011】 前記インキ転移ロール17および絞りロール18を備えるインキ転移機構16 において、絞りロール18の回転軸を中心として、前記インキ転移ロール17を 所要角度範囲で変位させ得る前記揺動機構19が設けられている。すなわち、機 枠12,12に回転自在に配設した絞りロール18の機枠12内部に臨む両軸端 部に、支持ブラケット20,20(一方のみを図示)が回転自在に枢支され、該支 持ブラケット20,20間にインキ転移ロール17が回転自在に枢支されている 。各支持ブラケット20におけるインキ転移ロール17が枢支される側の上端部 に、対応する機枠12に一端が枢支されたエアシリンダ21のピストンロッド2 1aが回動自在に連結されており、一対のエアシリンダ21,21を同期して付 勢することで、インキ転移ロール17を、印版13に接触させてフレキソイン キの転移を行なうインキ転移位置と、印版13から離間してフレキソインキの 転移を不能とするインキ洗浄位置とに選択的に位置させ得るよう構成してある。 なお揺動機構19は、適宜の検知手段(図示せず)により前記版胴14と圧胴15 との間に段ボールシート11が通紙されているか否かを検出して、該シート11 が通紙されていないときは、インキ転移ロール17を印版13から自動的に離間 させるよう設定されている。また両方のロール17,18に異なる回転を与える 機構については、それ自体は公知であるので説明は省略する。
【0012】 前記各支持ブラケット20の下端にストッパボルト22が配設されると共に、 支持ブラケット20,20の下方に臨む機枠12,12間に調節軸23が回転自在 に枢支され、前記インキ転移ロール17をインキ転移位置に位置決めした際に、 前記各ストッパボルト22が、調節軸23に偏心的に配設した対応の偏心輪24 に当接するよう構成される。この調節軸23は、図示しないモータまたはエアシ リンダ等の作動手段により回動されるようになっており、該作動手段で偏心輪2 4,24を所要中心角で回動することで、インキ転移位置におけるインキ転移ロ ール17の位置を微調節し得るようになっている。
【0013】 前記インキ転移ロール17および絞りロール18においては、両ロール17, 18を圧接させた際に、これら両ロールの長手方向の接触領域にインキ貯留部A を画成し得るよう構成される。そして、このインキ貯留部Aへのフレキソインキ の供給または該貯留部Aに貯留されるフレキソインキの回収を選択的に行なう2 基のインキ移送手段として機能するインキ供給・回収装置25,26が、前記両 ロール17,18の上方に近接して配設されている。なお、実施例ではインキ供 給・回収装置25,26の夫々が、インキ供給手段およびインキ回収手段を兼ね るよう構成される。
【0014】 実施例のインキ供給・回収装置25,26は、インキ貯留部Aの全幅(両ロール 17,18の軸方向全長)に亘って移動自在に配設されているので、その移動機構 につき先ず説明する。前記機枠12,12の上端間にインキ転移ロール17およ び絞りロール18と平行な横桁27が架設され、図2に示す如く、該横桁27の 上面に形成したガイドレール28に、ローラ29,29を介して移動台30が移 動自在に支持されている。横桁27には、長手方向に所定間隔離間して一対のス プロケット31,31(一方のみ図示)が回転自在に枢支されると共に、一方のス プロケット31は駆動モータ32により正逆回転されるよう構成してある。また 両スプロケット31,31間に無端チェン33が巻掛けられると共に、該無端チ ェン33の所要部位が前記移動台30に固定されている。従って、駆動モータ3 2を正逆付勢して無端チェン33を走行させることにより、該チェン33の走行 に伴って移動台30はガイドレール28に沿って往復移動する。また前記駆動モ ータ32は、移動台30の移動方向に離間して配設された一対の位置センサ(図 示せず)の何れか一方が移動台30を検出した条件で回転方向が切換え制御され 、該移動台30は前記インキ貯留部Aの幅方向の所要の領域を往復移動するよう 構成される。なお、駆動モータ32の回転系に配設したエンコーダ等の回転検出 器からの信号を基に、該モータ32の回転方向を制御して移動台30の往復移動 範囲を規定するようにしてもよい。
【0015】 前記移動台30には、図2に示す如く、該移動台30の移動方向に離間する一 対のブラケット34,34が、前記絞りロール18の上方に垂下し、その下端に 載置板35が水平に配設されている。そして両ブラケット34,34の間に臨む 載置板上に、所定量のフレキソインキが貯留されるインキの供給および回収に共 用されるインキ供給・回収源としてのインキポット36が着脱自在に装着され、 オーダ変更に伴う色替えに際してはインキポット36を交換することで対応し得 るようになっている。また色替えに伴う洗浄運転に際しては、載置板上に洗浄液 (水)が貯留される洗浄液ポットを装着し、後述するように該洗浄液ポットに貯留 されている洗浄液を用いてインキ転移ロール17および絞りロール18の洗浄を 行なうよう構成される。なお、前記載置板35の底面に案内ローラ37,37が 回転自在に枢支され、この案内ローラ37,37は、前記両ロール17,18と平 行に設けたガイド38に摺動自在に当接し、移動台30および載置板35が円滑 に移動し得るよう構成されている。
【0016】 前記一方(図2右側)のブラケット34から外方に延出する載置板35に、第1 インキ供給・回収装置25が配設される。この第1インキ供給・回収装置25は 、第1チュービングポンプ39および該ポンプ39を駆動する第1可逆モータ4 0を備え、該第1チュービングポンプ39には、可撓性の第1チューブ(第1管 体)41が着脱自在に介挿されている。この第1チューブ41の一方の開口部4 1aは、前記インキポット36に貯留したフレキソインキに浸漬されていると共 に、他方の開口部41bは、第1ホルダ42に装着されて前記インキ貯留部Aに 臨んでいる。第1ホルダ42は、載置板35に配設された第1昇降装置43によ り上昇位置と下降位置との間を昇降移動され、その上昇位置では、後述する液面 センサ44,44でインキ貯留部Aに貯留される液位が規定されるフレキソイン キに、第1チューブ41の他方の開口部41bを浸漬させる位置に臨ませるよう 設定される。また第1ホルダ42の下降位置では、第1チューブ41の他方の開 口部41bを、インキ貯留部Aの底部に臨ませて、残留しているフレキソインキ を最大限回収し得るよう構成されている。
【0017】 また、他方(図2左側)のブラケット34から外方に延出する載置板35に、第 2インキ供給・回収装置26が配設される。この第2インキ供給・回収装置26 は、前記第1インキ供給・回収装置25と同一の構成を有するものであって、第 2チュービングポンプ45および該ポンプ45を駆動する第2可逆モータ46を 備え、該第2チュービングポンプ45に着脱自在に介挿された可撓性の第2チュ ーブ(第2管体)47の一方の開口部47aは、前記インキポット36に貯留した フレキソインキに浸漬されていると共に、他方の開口部47bは第2ホルダ48 に装着されて前記インキ貯留部Aに臨んでいる。また第2ホルダ48も、第1ホ ルダ42と同様に載置板35に配設された第2昇降装置49により上昇位置と下 降位置との間を昇降移動され、第2チューブ47の他方の開口部47bを、フレ キソインキに浸漬させる位置またはインキ貯留部Aの底部に臨ませ得るよう構成 してある。なお、前述したように実施例では両装置25,26は、インキ供給お よびインキ回収の両機能を備えるものであるので、各装置25,26におけるチ ューブ41,47における他方の開口部41b,47bが、夫々インキ供給のため の供給口およびインキ回収のための回収口として機能するようになっている。
【0018】 前記第1および第2チュービングポンプ39,45の基本構造は公知のもので あるので、第1チュービングポンプ39について説明すると、所定の軌道に沿っ て移動する複数のローラ50により第1チューブ41をしごくことにより、該チ ューブ内のフレキソインキを所定方向に押出すものである。そして、前記第1可 逆モータ40を正転駆動して第1チュービングポンプ39のローラ50を図2お よび図4において時計方向に回転すると、第1チューブ41内のフレキソインキ が他方の開口部41b側に押出され、これによりインキポット36のフレキソイ ンキをインキ貯留部Aに供給する。また第1可逆モータ40を逆転駆動してロー ラ50を反時計方向に回転すると、第1チューブ41内のフレキソインキは一方 の開口部41a側に押出され、これによりインキ貯留部Aのフレキソインキをイ ンキポット36に回収することができるようになっている。なお、第2チュービ ングポンプ45においては、第2可逆モータ46を正転駆動してローラ50を時 計方向に回転すると、インキ貯留部Aのフレキソインキをインキポット36に回 収し、第2可逆モータ46を逆転駆動してローラ50を反時計方向に回転すると 、インキポット36のフレキソインキをインキ貯留部Aに供給するよう設定され ている。
【0019】 すなわち、第1および第2可逆モータ40,46を相反する方向に駆動するこ とで、インキポット36のフレキソインキが第1チュービングポンプ39または 第2チュービングポンプ45でインキ貯留部Aに供給されると共に、該貯留部A に貯留されているフレキソインキが第2チュービングポンプ45または第1チュ ービングポンプ39でインキポット36に回収される循環が行なわれ、高度に速 乾性であるフレキソインキの乾燥固化を防止するようになっている。また前記駆 動モータ32により移動台30を左右方向に移動させつつ、両可逆モータ40, 46を駆動すれば、インキ貯留部Aの全幅に亘ってフレキソインキの供給と回収 とが行なわれ、該貯留部Aに貯留されているフレキソインキ全体の循環が効率的 に達成される。なお実施例では、移動台30の移動方向によって、前記第1およ び第2可逆モータ40,46の駆動方向が選択されるようになっている。例えば 図4において移動台30が左方向(第2インキ供給・回収装置26が前進側とな る方向)に移動する際には、第1インキ供給・回収装置25でインキ供給を行な うと共に第2インキ供給・回収装置26でインキ回収を行ない、移動台30を右 方向(第1インキ供給・回収装置25が前進側となる方向)に移動する際には、第 1インキ供給・回収装置25でインキ回収を行なうと共に第2インキ供給・回収 装置26でインキ供給を行なうよう設定される。すなわち、一方の第1チューブ 41がインキ供給管として機能している場合は、他方の第2チューブ47がイン キ回収管として機能し、逆に第1チューブ41がインキ回収管として機能してい る場合は、第2チューブ47がインキ供給管として機能するよう構成される。ま た前記第1可逆モータ40および第2可逆モータ46は、インキ回収時よりイン キ供給時の方が能力(回転数)が高くなるよう設定され、インキ回収を行ないつつ インキ貯留部Aにフレキソインキが貯留されるよう構成される。
【0020】 前記各支持ブラケット20には、図1に示す如く、支持部材51を介してエア シリンダ52が倒立配置され、該エアシリンダ52のピストンロッド52aに板 状の規制部材53が配設されて昇降可能に構成される。そして、各エアシリンダ 52の付勢により規制部材53を下降することで、図3に示す如く、インキ転移 ロール17と絞りロール18の軸方向端部に密着させて両ロール17,18の間 に画成されるインキ貯留部Aを閉成し、前記インキ供給・回収装置25,26か ら供給されるフレキソインキを、該貯留部Aに貯留し得るようになっている。ま たインキ転移ロール17および絞りロール18の軸方向両端部より下方に樋部材 54が配設され、洗浄運転に際して前記規制部材53をエアシリンダ52の逆付 勢により上昇させてインキ貯留部Aを開放することで、該貯留部Aから流出する 洗浄液をこの樋部材54で受けて、後述するインキパン55に回収するようにな っている。
【0021】 前記インキ貯留部Aにおける幅方向の両端近傍の上方に、印刷運転時に該貯留 部Aに貯留されるフレキソインキの液位(液面レベル)を検出する液面センサ44 ,44が配設され、該センサ44,44の検出条件によって第1および第2インキ 供給・回収装置25,26の運転を制御し、常に一定量のフレキソインキをイン キ貯留部Aに貯留するよう構成される。
【0022】 前記絞りロール18に近接した略接線位置には、オーダ変更等による色替えに 際し、フレキソインキの洗浄を行なうための長尺のブレード状板体からなるスク レーパ56が配設されている。このスクレーパ56は、絞りロール18の回転方 向に対し逆らう方向に、その先端を接線方向に沿って指向させており、エアシリ ンダ57により正逆方向に揺動されてロール表面に接離自在となっている。そし て洗浄運転に際しては、前記エアシリンダ57を付勢してスクレーパ56を絞り ロール18に接触させることにより、該ロール18に転移している洗浄液が掻き 上げ除去される。この除去された洗浄液は、スクレーパ56の下方に設けたイン キパン55に排出される。またインキパン55には、廃液タンク(図示せず)に連 通する廃液管58が接続され、該インキパン55に排出された廃液は所要部位に 設けた廃液タンクに集められるようになっている。なお洗浄運転時には、前記イ ンキ転移機構16に関連して設けた前記揺動機構19により、絞りロール18の 回転軸を中心として前記インキ転移ロール17が変位されて、印版13から離間 するインキ洗浄位置に臨ませられるよう設定される。
【0023】
次に、前述した構成に係るフレキソ印刷機の作用につき説明する。印刷運転に 際し、前記インキ転移ロール17および絞りロール18の軸方向の両端部に設け た規制部材53,53は下降位置にあって、前記インキ貯留部Aにおける長手方 向の両端部を閉成している。また、前記移動台30はインキ貯留部Aの右端部側 に位置すると共に、第1および第2インキ供給・回収装置25,26の第1およ び第2ホルダ42,48が対応の昇降装置43,49により上昇位置に夫々位置決 めされ、第1および第2チューブ41,47の他方の開口部41b,47bを、夫 々インキ貯留部Aに貯留されるフレキソインキに浸漬可能な位置に臨ませている 。なお、第1および第2チューブ41,47の一方の開口部41a,47aは、前 記載置板35に装着されたインキポット36に貯留されているフレキソインキに 浸漬されている。
【0024】 この状態で前記駆動モータ32を所要方向に回転して移動台30を左方に移動 させると共に、第1可逆モータ40および第2可逆モータ46を夫々正転方向に 回転駆動する。この場合は、第1チュービングポンプ39のローラ50が時計方 向に回転し、第1チューブ41をしごいて内部のフレキソインキを他方の開口部 41b側に押出す。すなわち、ローラ50による第1チューブ41の連続的なし ごきによって、インキポット36中のフレキソインキは、第1チューブ41を介 して回転中のインキ転移ロール17と絞りロール18との間(インキ貯留部A)に 供給される。このフレキソインキは、両ロール17,18の軸端に臨む規制部材 53,53に規制された状態で貯留される。また第2チュービングポンプ45の ローラ50が時計方向に回転し、第2チューブ47をしごいて内部のフレキソイ ンキを一方の開口部47a側に押出す。すなわち、ローラ50による第2チュー ブ47の連続的なしごきによって、第1インキ供給・回収装置25からインキ貯 留部Aに供給されて貯留しているフレキソインキは、第2チューブ47を介して インキポット36に回収される。
【0025】 このように第1インキ供給・回収装置25でインキ貯留部Aにフレキソインキ を供給しつつ、該貯留部Aに貯留されたフレキソインキを第2インキ供給・回収 装置26でインキポット36に回収することで、インキ貯留部Aのフレキソイン キは循環される。これにより、高度に速乾性であるフレキソインキの乾燥固化は 確実に防止される。なお、前述したように第1および第2可逆モータ40,46 の回転が制御されて、インキ回収量よりインキ供給量の方が多くなるよう設定さ れているので、インキ貯留部Aには次第にフレキソインキが貯留される。
【0026】 また、前記移動台30が左側の位置センサで検出されると、前記駆動モータ3 2が逆転されて移動台30が右方に移動すると共に、第1可逆モータ40および 第2可逆モータ46が夫々逆転方向に回転駆動される。そしてこの場合は、第1 チュービングポンプ39によってインキ貯留部Aに貯留されているフレキソイン キが、第1チューブ41を介してインキポット36に回収されると共に、第2チ ュービングポンプ45によってインキポット36中のフレキソインキが、第2チ ューブ47を介してインキ貯留部Aに供給される。
【0027】 前記インキ貯留部Aにフレキソインキが貯留されている状態で、図示しない上 流側のストッカより、段ボールシート11を1枚づつ版胴14と圧胴15との間 に供給すると、前記揺動機構19が適宜の検知手段によるシート検出により作動 し、インキ転移機構16のインキ転移ロール17が版胴14(印版13)に接触し て、印版13の表面に適正量のフレキソインキが転移されて、該シート11に所 要の印刷が施される。フレキソインキは高度に速乾性であるから、印刷後は直ち に後工程のダイカッタやフォルダグルワ等に送り込むことができる。またフレキ ソインキはインキ転移ロール17と絞りロール18の間全体に行き渡っているの で、印刷時に幅方向の色ムラを生ずることがなく、従ってオペレータは印刷状態 を常に監視する必要がない。
【0028】 印刷オーダの変更等に伴う色替えのために、使用するフレキソインキを替える 場合は、以下の手順でインキ回収および洗浄がなされる。なお、印刷運転が終了 して前記版胴14と圧胴15との間に段ボールシート11が通紙されなくなった 時点で、インキ転移機構16のインキ転移ロール17は、前記揺動機構19によ り版胴14(印版13)から離間するインキ洗浄位置に移動されている。先ず、前 記インキ転移ロール17と絞りロール18の回転を停止したもとで、前記第1お よび第2ホルダ42,48を下降位置まで下降し、第1および第2チューブ41, 47の他方の開口部41b,47bをインキ貯留部Aの底部に夫々臨ませる。そ して、第1可逆モータ40を逆転駆動すると共に第2可逆モータ46を正転駆動 し、両チューブ41,47を介してインキ貯留部Aに貯留されているフレキソイ ンキをインキポット36に回収する。また、このとき前記移動台30を左右方向 に移動し、インキ貯留部Aの幅方向の全体にチューブ41,47の他方の開口部 41b,47bを臨ませることで、フレキソインキを短時間で回収することがで きる。すなわち、使用されることなくインキ貯留部Aに残留しているフレキソイ ンキを効率的に回収することができ、該インキが無駄に廃棄されるのを防止し得 る。
【0029】 次に、未使用のフレキソインキが回収された前記インキポット36を、洗浄液 が貯留されている洗浄液ポットと交換し、該ポットの内部に両チューブ41,4 7の一方の開口部41a,47aを挿入して洗浄液に浸漬させる。また、前記エ アシリンダ57を付勢して、スクレーパ56を絞りロール18に適正圧で接触さ せると共に、前記両規制部材53,53をエアシリンダ52,52の逆付勢により 上昇させてインキ貯留部Aを開放する。そして、前記インキ転移ロール17およ び絞りロール18を同一周速で空回転させると共に、前記移動台30を左右方向 に移動させつつ、両インキ供給・回収装置25,26で洗浄液ポットの洗浄液を インキ貯留部Aに供給する。これにより、インキ貯留部Aに供給されて両ロール 17,18に付着するフレキソインキを洗浄した洗浄液は、貯留部Aの幅方向両 端部から流出して前記樋部材54,54を介してインキパン55に排出されると 共に、絞りロール18の表面に付着している洗浄液は、前記スクレーパ56によ り掻き上げ除去され、該洗浄液はインキパン55に排出される。なお、両インキ 供給・回収装置25,26で洗浄液ポットの洗浄液をインキ貯留部Aに供給する ことで、前記両チューブ41,47(フレキソインキの循環系)も同時に洗浄され る。また洗浄運転に際しては、前記移動台30を移動させることなく、定位置( 例えば両ロール17,18の軸方向略中央)で洗浄液の供給を行なうようにしても よい。
【0030】 前述した洗浄運転が完了した後、前記載置板35に装着されている洗浄液ポッ トを、新たなオーダに係るフレキソインキを貯留したインキポット36に替え、 前記第1および第2チューブ41,47の一の開口部41a,47aをインキポッ ト36に貯留したフレキソインキに浸漬することにより、色替えが完了する。
【0031】 実施例のフレキソ印刷機では、インキ貯留部Aに近接する上方に配設した2基 のインキ供給・回収装置25,26によりインキ供給とインキ回収とを同時に行 なうことで、インキ貯留部Aに貯留される高度に速乾性であるフレキソインキを 常に循環させて乾燥固化を防止することができる。しかもインキポット36とイ ンキ貯留部Aとは近接しているので、インキ循環系を構成する2本のチューブ4 1,47の長さ寸法は短く、該チューブ41,47内に付着残留するインキを少な くすることができると共に、チュービングポンプ39,45自体の洗浄は必要な いので、インキロスを少なく抑えることができる。更に、インキ循環系が短かい のでその洗浄を短時間で行なうことができ、従って短時間でオーダチェンジがで きて多種少量の小ロット印刷に好適に対応することができる。またインキ洗浄に 使用される洗浄液の量は、従来のフレキソ印刷機においては約60リットル程度 必要であったのに対し、当該印刷機では2リットル程度で済み、洗浄廃液を極め て少なく抑えることができ、公害防止に大きく貢献することができる。
【0032】 なお実施例では、第1インキ供給・回収装置25および第2インキ供給・回収 装置26は、何れもインキ供給とインキ回収とを行なう場合につき説明したが、 一方の装置をインキ供給の専用機とし、他方の装置をインキ回収の専用機とする こともできる。また、洗浄運転に際してインキ貯留部Aに洗浄液を供給する手段 としては、前述したように洗浄液ポットを用いることなく、洗浄液供給源に接続 してインキ貯留部Aの方に配設した洗浄液供給管を用いることが可能である。但 し、この場合はインキ供給・回収装置25,26におけるチューブ41,47は同 時に洗浄できないので、インキポット36の交換作業と併せてチューブ41,4 7を外部で洗浄したり、あるいは別のチューブと交換する必要がある。更には、 洗浄液供給管を載置板35に配設し、洗浄液の供給に際して移動台30を左右方 向に移動してインキ貯留部Aの全体に洗浄液を迅速に供給させることも可能であ る。
【0033】 また、前記載置台35に圧縮空気の吹出口を設け、移動台30を左右方向に移 動させつつ吹出口から吹出される圧縮空気でインキ貯留部Aに残留している洗浄 液を軸端側に移動させて、前記樋部材54,54に排出させることもできる。こ の場合は、洗浄運転をより短時間で行なうことができて好適である。なお、イン キ転移ロールへのインキ量を調節する調節手段としては、実施例の絞りロールに 限定されるものでなく、長尺板体からなる調節板の先端を、インキ転移ロールに 対してその回転方向に対して順方向に沿って指向させ、該調節板の先端とロール 表面との間隔を調節することでインキ転移ロールの表面におけるインキ量を調節 する構成を採用することが可能である。
【0034】
図5〜図8は、フレキソ印刷機におけるインキ供給・回収機構部の別実施例を 夫々示す概略図であって、その基本構成は図1〜図4に関連して説明したところ と同一であるので、異なる部分についてのみ説明するものとする。また、同一部 材には同じ符号を付すものとする。
【0035】
【第1別実施例】 図5に示す第1別実施例では、前記載置板35に1基のインキ供給・回収装置 25(例えば第1インキ供給・回収装置、これがインキ供給手段として機能する) を配設し、印刷運転時にはこのインキ供給・回収装置25で、インキポット36 のフレキソインキをインキ貯留部Aに供給する運転のみを行なうよう構成する。 また、回収専用チューブ(第2管体)59の一方の開口部59bがインキポット3 6に挿通されると共に、該チューブ59の他方の開口部59aは、前記一方(イ ンキポット36を挟んでインキ供給・回収装置25の配置側とは反対側)の規制 部材53の所要部位に挿通されてインキ貯留部Aに臨むよう構成される。この回 収専用チューブ59は、機枠12の所定部位に配設された回収用チュービングポ ンプ60に介挿され、該ポンプ60をモータ67で所要方向に駆動することでイ ンキ貯留部Aに貯留されているフレキソインキを回収専用チューブ59を介して インキポット36に回収するよう構成されている。すなわち、第1別実施例では 、回収専用チューブ59、回収用チュービングポンプ60およびモータ67から インキ回収手段としてのインキ回収装置(インキ移送手段)68が構成される。
【0036】 第1別実施例においては、前記インキポット36のフレキソインキをインキ供 給・回収装置25によりインキ貯留部Aに供給するのと同時に、該貯留部Aのフ レキソインキをインキ回収装置68の回収専用チューブ59を介してインキポッ ト36に回収することで、フレキソインキを循環させるようになっている。なお この別例においては、印刷運転に際してインキ供給・回収装置25(移動台30) を左右方向に移動させることは必須でなく、定位置でフイキソインキを供給すれ ばよい。また洗浄運転に際しては、インキ供給・回収装置25の運転を停止した もとで、インキ回収装置68のみを駆動してフレキソインキを回収してもよいし 、インキ供給・回収装置25を逆転駆動して該装置25でもインキ回収を並行し て行なうことも可能である。なお洗浄運転は、前述した実施例と同様に行ない得 る。
【0037】
【第2別実施例】 図6に示す第2別実施例では、前記第1インキ供給・回収装置25および第2 インキ供給・回収装置26が、印刷運転時には専らインキ回収のみを行なうよう 構成されている。前記載置板35におけるインキポットの装着部位に、所要量の フレキソインキが貯留されるインキタンク(インキ供給・回収源)61が装着され ると共に、該タンク61の底部に接続されてインキ貯留部Aの上方に臨む供給管 (管体)62の開口部(供給口)62aは、ソレノイドバルブ63を介して開閉可能 に構成される。すなわち、この別実施例では、供給管62およびソレノイドバル ブ63からインキ供給手段としてのインキ供給装置69が構成される。またイン キタンク61は、インキ貯留部Aの幅方向中央上部に位置すると共に、両インキ 供給・回収装置25,26のチューブ41,47における回収口として機能する他 方の開口部41b,47bは、インキ貯留部Aにおける幅方向の対応する端部近 傍に臨むよう設定されている。なお、第2別実施例では、両インキ供給・回収装 置25,26がインキ回収手段として機能するものである。
【0038】 第2別実施例においては、印刷運転に際して前記インキ供給装置69のソレノ イドバルブ63により供給管62の開口部62aを開放し、前記インキタンク6 1からフレキソインキをインキ貯留部Aに供給するのと同時に、該貯留部Aのフ レキソインキを2基のインキ供給・回収装置25,26でインキタンク61に回 収することで、フレキソインキを循環させる。なおこの別例においては、印刷運 転に際してインキ供給・回収装置25,26を左右方向に移動させることなく、 定位置でフレキソインキの回収が行なわれる。また回収・洗浄運転に際しては、 インキ供給装置69のソレノイドバルブ63により供給管62の開口部62aを 閉成することで、インキ貯留部Aのフレキソインキは2基のインキ供給・回収装 置25,26によりインキタンク61に回収される。なお、このインキ回収に際 しては、前記昇降装置43,49によりチューブ41,47の他方の開口部41b ,47bは、夫々下降位置に位置決めされる。この第2別実施例における洗浄運 転は、インキタンク61を洗浄液が貯留された洗浄液タンクに替えて、該タンク の洗浄液をインキ貯留部Aに供給したり、外部供給源に接続する洗浄液供給管を 介してインキ貯留部Aに洗浄液を供給することで行なわれる。
【0039】
【第3別実施例】 図7に示す第3別実施例は、基本的には第2別実施例と同一の構成で、装置全 体を、インキ貯留部Aの幅方向に往復移動しつつフレキソインキの供給と回収と を行なうよう構成されたものである。
【0040】
【第4別実施例】 図8に示す第4別実施例では、前記移動機構の載置板35に配設されたモータ 70により所要方向に回転駆動される1基のチュービングポンプ64に、可撓性 の供給用チューブ(第1管体)65および回収用チューブ(第2管体)66が共通的 に介挿されている。そしてこの別実施例では、モータ70およびチュービングポ ンプ64からなる作動装置(インキ移送手段)71と供給用チューブ65でインキ 供給手段が構成され、また作動装置71と回収用チューブ66でインキ回収手段 が構成される。供給用チューブ65の一方の開口部65aは、載置板35に装着 されるインキポット36に貯留したフレキソインキに浸漬されると共に、供給口 としての他方の開口部65bはインキ貯留部Aの上方に臨んでいる。また回収用 チューブ66の一方の開口部66bがインキポット36内に臨むと共に、回収口 としての他方の開口部66aは、インキ貯留部Aに貯留されるフレキソインキに 浸漬されている。チュービングポンプ64に対する供給用チューブ65および回 収用チューブ66の介挿状態は、図に示す如く、該チュービングポンプ64をモ ータ70で一方向に回転駆動した際に、供給用チューブ65を介してインキポッ ト36のフレキソインキがインキ貯留部Aに供給されると共に、回収用チューブ 66を介してインキ貯留部Aのフレキソインキがインキポット36に回収される よう設定されている。
【0041】 第4別実施例においては、印刷運転に際してチュービングポンプ64を一方向 に回転駆動することで、供給用チューブ65を介してインキポット36のフレキ ソインキがインキ貯留部Aに供給されるのと同時に、回収用チューブ66を介し てインキ貯留部Aのフレキソインキがインキポット36に回収されて、フレキソ インキは循環する。なお印刷運転に際しては、前記移動台30を左右方向に移動 させつつインキ供給と回収とを行なうことで、インキ貯留部Aの全幅に亘ってフ レキソインキを効率的に循環することができる。またこの別例における回収・洗 浄運転に際しては、適宜の手段により供給用チューブ65の一方の開口部65a をインキポット36のフレキソインキから引上げた状態で、移動台30を左右方 向に移動させつつチュービングポンプ64を印刷運転時と同一方向に回転駆動す れば、回収用チューブ66でインキ貯留部Aのフレキソインキがインキポット3 6に回収される。この第4別実施例における洗浄運転に際しては、インキポット 36を洗浄液が貯留された洗浄液ポットに替えたもとで、供給用チューブ65の 一方の開口部65aのみを洗浄液ポット中の洗浄液に浸漬してチュービングポン プ64を駆動することで、該ポットの洗浄液をインキ貯留部Aに供給することが できる。
【0042】
実施例および別実施例に係る印刷機においては、循環を必要とするフレキソイ ンキを用いる場合を前提としているが、当該印刷機の機構では、インキ循環させ る必要のない、低粘度かつ高度に速乾性のグリコール系インキを用いて印刷を行 なうことが可能である。例えば図1〜図4に示す実施例では、前記グリコール系 インキが貯留されたインキポットを載置板に装着し、例えば第1インキ供給・回 収装置における第1チューブの一方の開口部をグリコール系インキに浸漬すると 共に、他方の開口部をインキ貯留部の上方に臨ませる。そして、第2インキ供給 ・回収装置を停止した状態で、印刷運転に際しては、第1インキ供給・回収装置 のみを作動してグリコール系インキをインキポットからインキ貯留部に供給し、 回収・洗浄運転に際しては、インキ貯留部に残留しているグリコール系インキを 第1インキ供給・回収装置を作動してインキポットに回収する。このグリコール 系インキは循環を必要としないので、従来循環のために必要であったインキを省 くことができ、インキ購入時のロット単位を少なくすることができ、在庫費用を 軽減さることができるものである。そして、このような構成では、第1インキ供 給・回収装置の第1チューブが、インキ供給回路およびインキ回収回路を兼用す ることとなる。
【0043】 前記インキ供給・回収装置に採用されるチュービングポンプに代えて、正逆付 勢可能な異なる型式のポンプを採用することができる。例えば、フレキソインキ を貯留したタンク内を加圧状態とすることでインキ供給を行ない、またタンク内 を負圧状態とすることでインキ回収を行なうものを採用し得る。
【0044】
以上に説明した如く、本考案に係る印刷機によれば、インキ転移ロールと調節 手段との間に画成したインキ貯留部に近接して、インキの供給および回収に共用 されるインキ供給・回収源を配置したことで、インキの循環系を短かくすること ができ、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく抑制することができ、インキの 大幅な節約が図られる。また、インキ循環系が短いので洗浄運転に際しての洗浄 液の量を少なくすることが可能となり、洗浄廃液は極めて少量となり、公害防止 の見地からも極めて有利である。更に、印刷オーダの変更等に伴う色替えに際し ての洗浄時間を短縮することができ、多種少量の小ロット印刷に好適に対応する ことができる。
【図1】本考案の実施例に係るフレキソ印刷機の概略側
面図である。
面図である。
【図2】実施例に係るフレキソ印刷機におけるインキ供
給・回収装置を示す要部概略正面図である。
給・回収装置を示す要部概略正面図である。
【図3】実施例に係るフレキソ印刷機におけるインキ転
移機構を示す要部概略斜視図である。
移機構を示す要部概略斜視図である。
【図4】実施例に係るフレキソ印刷機におけるインキ供
給・回収装置の概略構成図である。
給・回収装置の概略構成図である。
【図5】第1別実施例に係るインキ供給・回収機構の概
略構成図である。
略構成図である。
【図6】第2別実施例に係るインキ供給・回収機構の概
略構成図である。
略構成図である。
【図7】第3別実施例に係るインキ供給・回収機構の概
略構成図である。
略構成図である。
【図8】第4別実施例に係るインキ供給・回収機構の概
略構成図である。
略構成図である。
11 段ボールシート 13 印版 14 版胴 15 圧胴 17 インキ転移ロール 18 絞りロール(調節手段) 25 第1インキ供給・回収装置(インキ移送手段) 26 第2インキ供給・回収装置(インキ移送手段) 36 インキポット(インキ供給・回収源) 41 第1チューブ(第1管体) 41a 一方の開口部 41b 他方の開口部 47 第2チューブ(第2管体) 47a 一方の開口部 47b 他方の開口部 53 規制部材 59 回収専用チューブ(第2管体) 59a 他方の開口部 59b 一方の開口部 61 インキタンク(インキ供給・回収源) 65 供給用チューブ(第1管体) 65a 一方の開口部 65b 他方の開口部 66 回収用チューブ(第2管体) 66a 他方の開口部 66b 一方の開口部 68 インキ回収装置(インキ移送手段) 71 作動装置(インキ移送手段) A インキ貯留部
Claims (2)
- 【請求項1】 印版(13)を装着した版胴(14)と、この版
胴(14)に対向配置した圧胴(15)とを備え、前記印版(13)
にインキを転移させると共に、相互に反対方向に回転す
る前記版胴(14)と圧胴(15)との間に段ボールシート(11)
を通過させて、該シート(11)に所要の印刷を行なうよう
構成した印刷機において、 印刷時に前記版胴(14)の印版(13)と接触して回転するイ
ンキ転移ロール(17)と、 印刷時に前記インキ転移ロール(17)と接触してインキ量
の絞り調整を行なう調節手段(18)と、 前記インキ転移ロール(17)と調節手段(18)の軸方向両側
に配置され、インキ転移ロール(17)と調節手段(18)との
間にインキ貯留部(A)を画成する一対の規制部材(53,53)
と、 前記インキ貯留部(A)に近接して配置され、インキの供
給および回収に共用されるインキ供給・回収源(36,61)
と、 前記インキ供給・回収源(36,61)に一方の開口部(41a,65
a,47a,59b,66b)が挿入されると共に、他方の開口部(41
b,65b,47b,59a,66a)をインキ貯留部(A)に臨ませた第1
管体(41,65)および第2管体(47,59,66)とを備え、 前記第1管体(41,65)および第2管体(47,59,66)の夫々
にはインキ移送手段(25,26,68,71)が装備されているこ
とを特徴とする印刷機。 - 【請求項2】 前記第1管体(41,65)および第2管体(4
7,59,66)の内、少なくともインキ回収に用いられる管体
(41,47,59,66)の開口部(41b,47b,59a,66a)は、前記イン
キ貯留部(A)に貯留されるインキに浸漬している請求項
1記載の印刷機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1998002910U JP3053666U (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 印刷機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1998002910U JP3053666U (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 印刷機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3053666U true JP3053666U (ja) | 1998-11-04 |
Family
ID=43187738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1998002910U Expired - Lifetime JP3053666U (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 印刷機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3053666U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3523499B2 (ja) | 1998-09-08 | 2004-04-26 | 株式会社イソワ | 印刷機 |
-
1998
- 1998-04-30 JP JP1998002910U patent/JP3053666U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3523499B2 (ja) | 1998-09-08 | 2004-04-26 | 株式会社イソワ | 印刷機 |
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---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |