JP3053292B2 - チタンクラッド鋼線 - Google Patents
チタンクラッド鋼線Info
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Description
価格も安価な炭素鋼線を芯材として使用し、その外表面
に耐食性の高いチタンをクラッド加工したチタンクラッ
ド鋼線に関する。
料の使用環境や使用条件がますます過酷化しており、特
に構造材料には、耐食性が高くかつ高強度で安価な金属
線材料が強く求められている。例えば、海水中や塩害地
域などの腐食環境下で使用される単線、ばね、ロープ、
金網など、耐食性を要求される線は、亜鉛めっき鋼線な
どのめっき線、ステンレス鋼線、チタン線などが使用さ
れている。
食環境下で使用される高強度鋼線である。しかし、強腐
食環境下では、めっき部の溶出が早く長期間の使用に
は、十分な耐食性を有していない。さらにめっき線は、
腐食環境中でめっき部が溶出した場合の環境汚染の問題
も残っている。ステンレス鋼線は、耐食性の面からかな
り使用されてきているが、強腐食環境下では、まだ十分
な耐食性を有していなく、また価格的にも高価である。
チタン線は、耐食性が最も高いことで知られており、腐
食環境下で使用するには最も適した金属材料であるが、
価格が高くまた材料強度が硬鋼線やピアノ線と比較して
低いという問題がある。
工することが考えられ、そのための方法が提案されてい
る。例えば特開昭63−215316号に開示されてい
るように鋼芯材にチタンを連続的に被覆し、これを60
0〜900℃において加熱しながらダイス等で熱間・温
間で加工し、その後冷間伸線する方法である。しかしこ
の方法では熱間加工工程においてダイス等に焼き付きが
生じ易く、また摩耗によるダイスの損傷が激しくなるた
め、ダイス寿命が短くなり、製造コストがアップすると
共に、長時間安定した減面加工が困難となり、その結果
安定した接合性を有するクラッド線が得られないという
問題がある。
な欠点のない優れた特性を有するチタンクラッド鋼線を
安価に提供する事を課題としている。即ち接合性のバラ
ツキの原因となる熱間伸線などの工程を必要とせずに、
鋼線部とチタン部の接合力の高いチタンクラッド鋼線を
製造することを目的とする。
題を解決するために種々検討を重ねた結果、適切な熱処
理条件及び伸線減面率を組み合わせる事により、熱間伸
線などを行うこと無く、チタン部と炭素鋼部での接合力
の高い、高強度チタンクラッド鋼線を冷間伸線加工によ
って製造できることを発明した。
図である。芯材の炭素鋼線にチタンを被覆する方法は、
予め製造したチタンパイプに芯材を挿入する方法がある
が、長尺体を製造する事が難しい。本発明では長尺のク
ラッド素材を製造するために、炭素鋼線の表層にチタン
板を連続的に被覆し継目溶接する。また本発明の方法に
よるとチタン部の厚さのコントロールも容易となる。
フォーミングロールで連続成形しながら炭素鋼線を包み
込み、チタン帯板の継目を連続的に例えばArアーク溶
接する事により、長尺のクラッド素材を製造することが
できる。本発明では芯材として炭素鋼線を用いるが、硬
鋼線やピアノ線で代表される高強度の炭素鋼線を用いる
と、高強度なチタンクラッド鋼線を安価に製造すること
ができる。芯材としてステンレス鋼線なども考えられる
が、ステンレス鋼の熱処理は1000℃以上で高温であ
るため、チタン部の熱処理温度と合わなく、また価格が
高いために芯材としては適さない。
タンの比率は、チタンクラッド素材の横断面でのチタン
の面積率が30%以下とする。本発明者等の知見による
とチタンの面積率が30%以上では、芯材とチタン材の
界面は良好な接合状態が得られないで、例えば引張試験
での破断面で、チタン材の剥離が観察される。またチタ
ンクラッド鋼線の強度は芯材となる炭素鋼線の強度に大
きく依存するが、チタンの面積率が30%以上になる
と、芯材の面積率が低くなってチタンクラッド鋼線の強
度も低下し、その結果所望の強度のチタンクラッド鋼線
の製造が困難となる。
明図である。本発明ではチタンクラッド素材に常温で一
次伸線を施す。この一次伸線は、チタンクラッド素材に
10%以上の減面率の伸線を施すことによって達せられ
る。この一次伸線によってチタンクラッド素材における
芯材とチタン部の密着度が大幅に向上する。本発明では
一次伸線は、熱間や温間では行わないで、常温で行う。
このため一次伸線に際してダイス等の工具は損耗が少な
く、寿命が長い。本発明のチタンクラッド素材は芯材に
チタンを被覆して形成されているため、チタンパイプに
芯材を挿入して製造したクラッド素材に比べて、芯材と
チタン部の隙間が小さい。このために一次伸線は10%
以上の減面率で十分である。
光輝焼鈍の事で600〜950℃の不活性雰囲気中の加
熱をいう。一次伸線後に熱処理を行わないで冷間伸線を
継続して行うと、チタン部と鋼線部の接合力が弱いため
にまた鋼線が硬いために冷間伸線中に剥離が発生する。
また製品線径が細い場合には熱処理を施さないと伸線加
工性能が悪く伸線中に断線が起こる。また熱処理を施さ
ないで伸線加工を行うと、チタン部の延伸が芯材の鋼線
に比べて大きく、チタン部の面積率が低下する。
線加工性が悪く、また950℃以上になると、チタン部
の酸素吸収が多くなって冷間伸線加工性が損なわれる。
このため本発明では600〜950℃の間の温度で熱処
理を行う。熱処理は、線直径1mm当り120秒以下と
する事が好ましい。熱処理に際して加熱時間が長過ぎる
と、チタン部と鋼線部の境界に加工性の悪いチタンと炭
素の化合物ができて、冷間伸線加工性が損なわれる。線
直径1mm当り120秒以下の短時間熱処理により、一
次伸線したチタンクラッド素材に優れた冷間伸線加工性
を付与することができる。
線と冷間伸線の合計で70%以上の減面率の冷間伸線を
施しチタンクラッド鋼線を製造する。減面率が70%未
満ではチタン部と鋼線部の接合力が不十分で剥離が起こ
るが、減面率を70%以上にすることによってチタン部
と鋼線部が剥離することがないチタンクラッド鋼線が得
られる。本発明では製造するチタンクラッド鋼線の目標
強度や線径に応じて、冷間伸線の途中で適宜熱処理を行
う。この際の熱処理は、チタンクラッド素材で述べたと
同じ条件、即ち600〜950℃の温度に、熱処理を施
す線の直径1mm当り120秒以下加熱する熱処理条件
で行うことができる。
を芯材とし、その表層に厚さ0.4mmの純チタンのテ
ープを、図1で示した方法で連続的に被覆し、シーム部
をAr雰囲気中で溶接して、チタンクラッド素材を製造
した。この際のチタンクラッド素材の横断面のチタンの
面積率は15%である。このチタンクラッド素材に、表
1のA〜Iに示した熱処理と冷間伸線を施して、チタン
クラッド鋼線を製造した。冷間伸線結果を表1に併せ示
した。
鋼線の引張試験片の破断面の観察において、○は図3に
示した如く破断面に剥離がない場合、△は図4に示した
剥離がわずかな場合、×は図5に示した剥離が明らかな
場合である。表1の冷間伸線加工性で、良好とはチタン
クラッド素材の線径より最終線径まで表面あれなどを生
じさせることなくチタンクラッド鋼線に冷間伸線できた
場合で、不良はチタンクラッド素材を冷間伸線中に表面
あれや破断が発生した場合である。
10.3mmのチタンクラッド素材を線径が7.5mmに
一次伸線し、700℃〜950℃の温度に線直径1mm
当り90秒(熱処理時間675秒)の熱処理を施し、線
径5.6mmに冷間伸線した(一次伸線と冷間伸線の合
計減面率が約70%)例である。接合状態、および冷間
伸線加工性は何れも良好である。
mの段階で線直径1mm当り60秒(熱処理時間330
秒)の熱処理と、線径が3.0mmの段階で線直径1m
m当り30秒(熱処理時間90秒)の熱処理を行って、
直径が1.0mmチタンクラッド鋼線とした例である。
Dの鋼線は線径1mm時で、引張強さは190kgf/
mm2、絞り38%で、高強度で靭性が優れたチタンク
ラッド鋼線であった。尚人工海水中への浸漬試験を行っ
たが、チタンクラッド鋼線の表面には発錆は全くなかっ
た。
熱処理を行わなかった比較例で、Gは熱処理温度が低過
ぎた比較例で、Hは減面率が70%に満たなかった比較
例で、Iは熱処理時間が長過ぎかつ減面率が不足した比
較例であるが、これ等は何れも、接合状態や冷間伸線加
工性が悪い。
厚さ0.4mmの純チタンテープを図1の方法で巻き付
けながら、シーム部をAr雰囲気中で溶接し、連続的に
チタンクラッド鋼線材を作った。この時のチタン部の面
積率は15%である。その線材を、冷間伸線加工を行っ
た結果は、実施例1と同様な結果であった。
スの摩耗が少なく、チタン部と鋼線部の接合力のバラツ
キが少ない、優れた特性のチタンクラッド鋼線が得られ
る。従って高耐食性と高強度を兼ね備えたチタンクラッ
ド鋼線を安価に製造する事が可能となる。
ンクラッド鋼線の製造工程の説明図、図3は接合状態が
表1の○のチタンクラッド鋼線の破断面の図図4は接合
状態が表1の△のチタンクラッド鋼線の破断面の図、図
5は接合状態が表1の×のチタンクラッド鋼線の破断面
の図、である。
Claims (2)
- 【請求項1】炭素鋼線を芯材としその表層にチタン板を
連続的に被覆し継目溶接してチタンクラッド素材を作成
し、該チタンクラッド素材を常温で一次伸線し、以後熱
処理と冷間伸線の組み合わせを1回あるいは2回以上施
して製造したチタンクラッド鋼線であって、チタンクラ
ッド素材の横断面でチタンの面積率が30%以下であ
る、チタンクラッド鋼線 - 【請求項2】炭素鋼線を芯材としその表層にチタン板を
連続的に被覆し継目溶接してチタンクラッド素材を作成
し、該チタンクラッド素材を常温で一次伸線し、以後熱
処理と冷間伸線の組み合わせを1回あるいは2回以上施
して製造したチタンクラッド鋼線であって、熱処理が6
00〜950℃の温度に線直径1mm当り120秒以下
加熱する熱処理であり、一次伸線と冷間伸線の合計の減
面率が70%以上であり、チタンクラッド素材の横断面
でチタンの面積率が30%以下である、チタンクラッド
鋼線
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---|---|---|---|
JP4094587A JP3053292B2 (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | チタンクラッド鋼線 |
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JPH05285525A JPH05285525A (ja) | 1993-11-02 |
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- 1992-04-14 JP JP4094587A patent/JP3053292B2/ja not_active Expired - Fee Related
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