JP3049253B2 - 猫その他の愛玩動物用の敷き材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は例えば猫更にはハム
スター、兎、鳥、フェレット等の小動物のペットを飼育
する場合、その飼育場所に敷かれることで排泄物、その
臭い等を除去でき、またこれらを簡単に処理できるいわ
ゆるトイレ砂と称される猫その他の愛玩動物用の敷き材
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から猫または各種の小動物等をペッ
トとして飼育する場合に尿、糞等の排泄物及びその臭い
等を処理するために、その飼育容器、場所等にいわゆる
猫砂・トイレ砂等と称される各種の敷き材が敷き詰めら
れている。これらのトイレ砂、敷き材等は排泄物がある
とそれらを吸収することで適宜に凝固化されるから、凝
固化されたものを適当に排除する一方、新規に補充しな
がら使用しているものである。

【０００３】このトイレ砂、敷き材等として従来提供さ
れているものは、吸水性に富む紙材等の植物性繊維質物
質、鉱物性物質、合成された高分子吸水性合成樹脂物質
等を主たる材料として造粒、固形化したものである。そ
して鉱物を主たる素材としたものはベントナイトを破砕
し、乾燥したベントナイト系、同じくゼオライトを破砕
し、乾燥したゼオライト系のものがあり、パルプを主た
る素材としたものは純正パルプを凝固した純パルプ系、
再生紙を凝固した再生紙系、パルプにポリマー、ＣＭＣ
を練り込んだポリマー系のものがあり、木粉を主たる素
材としたものは木粉にポリマー、ＣＭＣを練り込んだポ
リマー系、木粉の核の表面をポリマー、ＣＭＣでコーテ
ィンクした非ポリマー系のものがあり、おからを主たる
素材としたものはおから原料にポリマー、ＣＭＣを練り
込んだポリマー系のものがある。またシリカゲルを素材
としているシリカゲル系のものがあり、その他にピート
モスの核をポリマー、ＣＭＣを練り込んだパルプで包ん
だピートモス系、緑茶の粕の核をポリマー、ＣＭＣを練
り込んだパルプで包んだ緑茶系、ピーナツを素材として
いるピーナツ系、おが屑を素材としているおが屑系のも
のがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが従来のこうし
た繊維物、鉱物、合成樹脂物によるものは吸水性が確保
されても、それ自体には吸臭性が備わっていないために
尿、糞等の臭いを除去する脱臭剤を添加しなければなら
ないものであった。そればかりでなくこれらには抗菌性
がないために尿、糞等に存する各種雑菌の繁殖を防止で
きず、これに伴なう悪臭の発生等も未然に阻止できない
ものであった。

【０００５】また上記した従来の鉱物のベントナイト
系、パルプのポリマー系、木粉のポリマー系、非ポリマ
ー系、おからのポリマー系、その他のピートモス系、緑
茶系のものはペット類からの排尿等の水分によって固ま
り、それが次第に大型化するものである。ただこの大型
化した凝固物をそのまま廃棄するときにはこれ自体が糞
尿物を含むと共に、形成時に含有させる各種の添加物そ
の他を含むものであるから二次公害を生じ得る危険性が
あるものである。逆に固まらないものの場合には糞尿等
で汚染されたものと汚染されていないものとの選別区分
けが困難であり、汚染されたもののみを除去することは
極めて面倒であって、その面倒さのためにそのまま長期
に亙って使用する場合には不衛生なものであった。

【０００６】そこで本発明は叙上のような従来存した諸
事情に鑑み創出されたもので、例えばヒバ材、米松材、
アメリカヒノキ材を主とする北欧、北米等に産する針葉
樹の抗菌性を利用し、これの細粉化されているおが屑の
如き挽素材を粒状に凝固化したものとすることにより、
吸水性に富むと共に脱臭性に優れ、また雑菌等の繁殖を
防止し、糞尿等の吸収後は自己崩壊されることでそれの
みを除去させることにより衛生的に使用できるようにし
た猫のその他の愛玩動物用の敷き材を提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明にあっては、天然針葉樹のおが屑から成る
挽素材を加熱圧縮してペレット状とし、水分の吸収によ
って自己崩壊されるものとしたのであり、その敷き材１
自体は直径が４．０〜６．０ｍｍ程度で、長さが３〜３
０ｍｍ程度で、比重が０．６０程度の小径円柱状のもの
としてある。また加圧成形されるときの挽素材夫々は
２．５ｍｍ程度のメッシュの篩によって選別したものを
使用するものとし、更には加熱圧縮に際し、挽素材に所
定量の結合剤を混入することができる。

【０００８】以上のように構成された本発明に係る猫そ
の他の愛玩動物用の敷き材にあって、細粉状の挽素材が
加熱圧縮されたペレット状であるから適当量で敷き詰め
ることで小動物ペット類の敷き砂となり、ペレット内部
に形成されている細かな空隙が猫、ペット類等から排尿
される糞尿等を吸収させる。また素材自体が有する樹木
成分による抗菌性、脱臭性が糞尿等の悪臭を減少させ
る。糞尿等の水分を吸収することで膨潤した後に自身が
崩壊し、加熱圧縮前の挽素材の細かい粒状になるから、
例えば篩状の簀の子の下方に落下することでそのまま廃
棄させ得る。また挽素材夫々が２．５ｍｍ程度のメッシ
ュの篩によって選別された天然針葉樹のおが屑のみから
成る挽素材としておくことで自己崩壊後でも飛散させ
ず、しかも化学剤その他の各種の添加物を含有していな
いことで二次公害等を生じさせない。直径が４．０〜
６．０ｍｍ程度で、長さが３〜３０ｍｍ程度である小径
円柱状の敷き材１自体は適当厚さとなるように敷き詰め
ておくことで飼育する猫、小動物ペット類等に付着され
ず、比重が０．６０程度の軽量なものであることと相俟
ち猫、ペット類等の快適な住環境を形成させる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するに、図において示される符号１は本
発明に係る敷き材であり、この敷き材１自体は例えばヒ
バ材、米松材、アメリカヒノキ材を主とする北欧系、北
米系その他の北方系の針葉樹の樹体を粉砕して得た細粉
状のおが屑の如き挽素材を小径の円柱状に凝固化したも
のである。挽素材としてはフィトンチッドの分泌が良好
な樹木によるものが望ましく、前記の北欧系、北米系の
針葉樹が好ましいものであっても、これ等に限定される
ものではない。

【００１０】この敷き材１自体は例えば直径が４．０〜
６．０ｍｍ程度で、長さが３〜３０ｍｍ程度で、比重が
０．６０程度のものとして形成され、１リットル当りの
重量は約２５０〜２７０ｇ程度の細粉状の挽素材を適当
な湿気分を含有した状態の下で加圧成形したものであ
る。この加圧成形された敷き材１自体は細粉状の挽素材
を素材としていることで猫、ペット類等から排出される
糞尿、水分その他が吸収されることで膨潤し、その後に
自己崩壊し、成形された形状が維持されずに成形前の細
粉状の挽素材に分解されるものとなっている。また細粉
状の挽素材の加圧成形によるもので自身の中に多数の空
隙を有しているから、毛細管現象による水分の吸収性に
も富み、吸収することで互いの結合作用が解除されるこ
とで崩壊されるものである。なお敷き材１は１リットル
当りの重量は約６５０〜６７０ｇ程度のものである。

【００１１】敷き材１自体はその素材の１００％が挽素
材であることを予定しているも、必要があれば適当な結
合剤を混入し、加圧成形後の保形性を向上させるように
することも可能である。このときに混入される結合剤は
天然自然物であることが望ましく、吸収される糞尿等に
よって挽素材相互間の結合作用が解除されることを阻害
せず、自己崩壊されるときに有害、有毒な成分を生成し
ないものとしてある。もとより結合剤が天然自然物であ
ることに限定されるものではない。

【００１２】また、加圧成形されるときの挽素材夫々は
２．５ｍｍ程度のメッシュの篩によって選別したもの、
すなわち篩によって選別して篩い落した細紛状のものを
使用するものとしてあり、これによって自己崩壊後の廃
棄処理を容易にさせるものである。

【００１３】また本発明に係る敷き材１は例えば図２、
図３に示される製造装置１０によって製造されるもの
で、その製造装置１０の概略は次の通りである。すなわ
ちベース１１上に配置固定され、上部に設けたフィーダ
１２から挽素材が加圧供給されるケーシング１３と、ベ
ース１１上に配置した駆動源１４の駆動力によって伝動
手段１５を介して従動回転されるようケーシング１３内
に回転自在に支承配装され、自身の径方向に沿って開穿
された多数のダイ孔１６を有するドーナツ状のダイ１７
と、このダイ１７の内周面に当接されることで従動回転
され、ダイ孔１６内に挽素材を押圧注入する左右一対の
溝付きローラ１８を支持しているローラ支持部材１９に
設けられ、ダイ１７の内周面に当接するスクレーパ２１
と、ダイ１７のダイ孔１６から強制的に押し出される成
形後の線条挽素材をダイ１７の外周面に当接することで
適当長さで切断するカッター２２と、成形切断後に得ら
れる敷き材１をケーシング１３外に取り出すようケーシ
ング１３下部に開閉自在に形成された取出口２３とを備
えているものである。そしてフィーダ１２から加圧供給
された挽素材は加熱されてダイ１７内部からダイ孔１６
を経てダイ１７の外部に所定径の線条状になって押し出
され、カッター２２で切断されることで敷き材１が得ら
れるのであり、取り出し後で加熱されている敷き材１は
適当に冷却された後に適当量毎に袋詰めされるものとな
っているのである。

【００１４】なおこの製造装置１０によって製造する場
合、通常はヒバ材、米松材、アメリカヒノキ材を主とす
る北欧系、北米系の針葉樹の樹体を粉砕して得た細粉状
のおが屑のみを挽素材として使用し、化学剤その他の各
種の添加物を混入せずにこれのみの加圧成形によって製
造するものとされる。ただ必要があれば適当な結合剤が
混入されることもあり、それらは任意に選択される。

【００１５】次に本発明に係る敷き材１の使用の一例を
説明すると、例えば小動物ペット類の敷き砂として使用
する場合には簀の子付きのトイレ容器においての簀の子
上に適当な厚さで敷き詰めておくのであり、小動物ペッ
ト類の糞尿等を吸収した敷き材１は自己崩壊して簀の子
下方に落下され、その落下分を除去すると共にそれに相
当する分を補充すればよいものである。また猫のトイレ
砂として適当に置いておいて同様に使用すればよいので
あり、猫のトイレ砂としての敷き材１の吸収量は自重の
約２．５〜３．０倍であることから、猫１匹当りの使用
量は約６リットル（約３．７５Ｋｇ）で、約２５〜３０
日間使用できるものである。

【００１６】もとより使用対象は猫、更には例えばハム
スター、兎、鳥、フェレットその他の小動物ペット類で
あっても同様に使用すればよく、敷き材１自体の長さは
飼育する猫、小動物ペット類等の足に付着しにくく、飛
散しにくいサイズのものとし、例えば１０〜１５ｍｍ程
度のものとしておくとよいものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているた
め、素材となる挽素材が天然針葉樹のものであることに
よりそれの抗菌性を利用して長時間に亙って腐敗臭の発
生を抑制できて脱臭性に優れ、また細分化されている粒
状の挽素材が凝固化されたものによることで吸水性に富
み、しかも糞尿等の吸水後では自己崩壊して細分化され
てその廃棄も容易となるばかりでなく、雑菌等の繁殖も
防止でき、衛生的に使用できるものである。

【００１８】すなわちこれは本発明において、天然針葉
樹のおが屑から成る挽素材を加熱圧縮してペレット状と
し、水分の吸収によって自己崩壊されるものとしたから
であり、素材となる針葉樹が備えている抗菌力が長期間
に亙って作用して糞尿等の腐敗臭等の悪臭の発生を抑制
し、これらを脱臭減少させるのであり、また廃棄の容易
性が得られ、衛生的な処理を可能にしているからであ
る。

【００１９】また加熱圧縮後の敷き材１自体の成形形態
は直径が４．０〜６．０ｍｍ程度で、長さが３〜３０ｍ
ｍ程度のものとしてあるから、これが多数で適当な厚さ
で敷き詰められた場合には、これらの上に猫、小動物ペ
ット類等が乗っても敷き材１自体が猫、小動物ペット類
等に付着されることはなく、周囲に散乱せず、比重が
０．６０程度の軽量なもので取扱いが容易であることと
相俟ち猫、小動物ペット類等に対しての快適な住環境を
形成しているものである。特に水分の吸収性に優れてい
ることでハムスター、兎、鳥等の湿気を嫌う小動物ペッ
ト類の敷き砂として最適なものである。

【００２０】敷き材１として加圧成形されるときの挽素
材夫々は２．５ｍｍ程度のメッシュの篩によって選別し
たものを使用するものとしてあるから、これが加熱成形
によってペレット状となってもそれ自体には毛細管現象
を生じさせる細かな空隙が形成されていて糞尿その他の
水分を吸収するものとなっているのである。しかもその
吸収力は極めて大きいから、僅かな使用量でも大量の糞
尿に対しても十分に対処できると共に、水分吸収で膨潤
した後の自己崩壊によって粒状態に復しても飛散される
ことはなく、周囲を汚損させることもないのである。

【００２１】糞尿等を吸収した場合には自身で崩壊する
ことから、それのみを廃棄すればよく、極めて簡単であ
り、また糞が付着のものと共にそのまま例えば水洗トイ
レに流しても、可燃廃棄物としてそのまま廃棄してもよ
く衛生的に処理できる。特に敷き材１自体は化学薬品を
使用せずに天然針葉樹の挽素材のみで成形することで、
自己崩壊後で細分化されても各種ポリマー、シリカ等の
添加物によるような二次公害が生じる虞れもなく、それ
らを吸引することもないから、猫、小動物ペット類等更
には飼育者にとっても安全なものである。

【００２２】使用に際し糞尿等を吸収したときには崩壊
するから、崩壊されたもののみを廃棄し新たなものを補
充すればよいから取扱いが容易である。

【００２３】また挽素材に結合剤を混入して加熱圧縮す
ることで得た敷き材１は、成形後のペレットの保形性が
向上したものとなり、猫、小動物ペット類等の自重その
他によっても容易に破損されないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るトイレ砂、敷き材の実施の一形態
における斜視図である。

【図２】同じく本発明に係るトイレ砂、敷き材を製造す
る製造装置の一例における一部切欠の概略側面図であ
る。

【図３】同じく一部切欠の概略正面図である。

【符号の説明】

１…敷き材１０…製造装置 １１
…ベース １２…フィーダ １３…ケーシン
グ １４…駆動源 １５…伝動手段 １６…ダイ孔 １７…ダイ １８…ローラ １９…ローラ支
持部材 ２１…スクレーパ ２２…カッター ２３…取出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01K 1/015

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天然針葉樹のおが屑から成る挽素材を加
   熱圧縮してペレット状とし、水分の吸収によって自己崩
   壊されるようにした猫その他の愛玩動物用の敷き材であ
   って、２．５ｍｍ程度のメッシュの篩によって選別した
   細紛状の挽素材を加熱圧縮して、直径が４．０〜６．０
   ｍｍ程度で、長さが３〜３０ｍｍ程度で、比重が０．６
   ０程度の小径円柱状に形成したことを特徴とする猫その
   他の愛玩動物用の敷き材。