JP3042947B2 - ポリエステルループ毛羽糸 - Google Patents
ポリエステルループ毛羽糸Info
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- JP3042947B2 JP3042947B2 JP5252103A JP25210393A JP3042947B2 JP 3042947 B2 JP3042947 B2 JP 3042947B2 JP 5252103 A JP5252103 A JP 5252103A JP 25210393 A JP25210393 A JP 25210393A JP 3042947 B2 JP3042947 B2 JP 3042947B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルループ毛
羽糸およびその製造方法、並びに該ループ毛羽糸からな
る布帛に関し、本発明の糸およびそれよりなる布帛は、
微細で且つランダムな3段階以上の多段の濃淡差または
3色以上の多色相状態を有しており、それによって微妙
で深い色合いの杢調を呈し、優れた外観、風合を有し、
それと共にふくらみ感、弾力性およびソフト感に富んだ
良好な風合および触感を有している。
羽糸およびその製造方法、並びに該ループ毛羽糸からな
る布帛に関し、本発明の糸およびそれよりなる布帛は、
微細で且つランダムな3段階以上の多段の濃淡差または
3色以上の多色相状態を有しており、それによって微妙
で深い色合いの杢調を呈し、優れた外観、風合を有し、
それと共にふくらみ感、弾力性およびソフト感に富んだ
良好な風合および触感を有している。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルマルチフィラメント糸は均
一性の高いことを特徴とするが、裏を返すとそのままで
は変化に乏しく、人工の冷たさを有しており、織編物に
した場合に平坦で風合の劣ったものになりがちである。
そこで、ポリエステルマルチフィラメント糸に紡績糸様
の風合を付与するために、糸を構成するフィラメントに
長さ方向に太細斑を付与したいわゆるシックアンドシン
ヤーン(太細斑糸)が従来から知られている。
一性の高いことを特徴とするが、裏を返すとそのままで
は変化に乏しく、人工の冷たさを有しており、織編物に
した場合に平坦で風合の劣ったものになりがちである。
そこで、ポリエステルマルチフィラメント糸に紡績糸様
の風合を付与するために、糸を構成するフィラメントに
長さ方向に太細斑を付与したいわゆるシックアンドシン
ヤーン(太細斑糸)が従来から知られている。
【0003】従来公知の太細斑糸の多くは、通常未延伸
のマルチフィラメント糸をその2次転移温度以下の温度
で単にそのまま自然延伸倍率以下の延伸倍率に不完全延
伸することにより製造されており、そのため、フィラメ
ントにおける太部と細部との周期が各フィラメントで糸
の横断方向に揃ったものになり易く、その結果糸の横断
方向で重なった未延伸の太部が熱処理時に劣化して糸切
れや布帛における穴あきを生ずるという欠点がある。し
かも、各フィラメントにおける太部も糸の横断方向に重
なり合うために、太部の硬度が大きくなり、しなやかさ
に欠けた風合となり易い。一般に、太細斑糸では太部を
構成する未延伸部分は濃染性で細部を構成する延伸部分
は淡染性になるという特性を有するが、そのような従来
の太細斑糸を染色した場合には、フィラメントにおける
濃染性の未延伸部同士、または淡染性の延伸部同士がそ
れぞれ重なり合って糸の横方向に重なっているために、
濃染部と淡染部との違いが極端になり、杢調が強く現れ
て人工的になり、自然な杢調にならないという欠点があ
る。
のマルチフィラメント糸をその2次転移温度以下の温度
で単にそのまま自然延伸倍率以下の延伸倍率に不完全延
伸することにより製造されており、そのため、フィラメ
ントにおける太部と細部との周期が各フィラメントで糸
の横断方向に揃ったものになり易く、その結果糸の横断
方向で重なった未延伸の太部が熱処理時に劣化して糸切
れや布帛における穴あきを生ずるという欠点がある。し
かも、各フィラメントにおける太部も糸の横断方向に重
なり合うために、太部の硬度が大きくなり、しなやかさ
に欠けた風合となり易い。一般に、太細斑糸では太部を
構成する未延伸部分は濃染性で細部を構成する延伸部分
は淡染性になるという特性を有するが、そのような従来
の太細斑糸を染色した場合には、フィラメントにおける
濃染性の未延伸部同士、または淡染性の延伸部同士がそ
れぞれ重なり合って糸の横方向に重なっているために、
濃染部と淡染部との違いが極端になり、杢調が強く現れ
て人工的になり、自然な杢調にならないという欠点があ
る。
【0004】上記した従来の太細斑糸を改良する目的
で、長さ3cm以下の未延伸部分がフィラメント中にラ
ンダムに存在し、しかもそのような未延伸部分を糸長1
0cm当たり3個以上分散含有させた太細斑糸が提案さ
れている(特公昭51−7207号公報)。この太細斑
糸では、糸を構成する各フィラメントでは未延伸部がラ
ンダムに存在しているが、そられのフィラメントが集合
したマルチフィラメント糸では、未延伸部が平均化され
て変化の極めて少ない糸となり、その糸から製造された
布帛を染色した場合には、杢調が弱く、多様化されてお
らず変化に乏しく、しかも深みのある杢調が得られない
という欠点がある。
で、長さ3cm以下の未延伸部分がフィラメント中にラ
ンダムに存在し、しかもそのような未延伸部分を糸長1
0cm当たり3個以上分散含有させた太細斑糸が提案さ
れている(特公昭51−7207号公報)。この太細斑
糸では、糸を構成する各フィラメントでは未延伸部がラ
ンダムに存在しているが、そられのフィラメントが集合
したマルチフィラメント糸では、未延伸部が平均化され
て変化の極めて少ない糸となり、その糸から製造された
布帛を染色した場合には、杢調が弱く、多様化されてお
らず変化に乏しく、しかも深みのある杢調が得られない
という欠点がある。
【0005】また、平均粒径が0.9〜1.8μの無機
粒子を0.5〜2.5重量%の割合で均一に分散させた
未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸を不均一延伸
して太細斑糸とすることが提案されているが(特開昭5
9−94617号公報)、糸を構成するフィラメントを
細デニールフィラメントにした場合(例えば単繊維繊度
を1デニールにした場合)は、含有している無機粒子の
平均粒径が0.9〜1.8μと大きいことにより紡糸、
延伸時に断糸が多発するという欠点を有する。一方、糸
を構成するフィラメントを単繊維繊度の大きい太デニー
ルフィラメントにした場合には、無機粒子の含有量が少
ないために延伸点の分散が起こりにくくてその太細斑の
出現が長周期となるために、比較的長く集合した杢調と
なり自然さに欠けたものとなる。しかも、フィラメント
の単繊維繊度に関係なく、無機粒子の含有量が少ないた
めに、糸はドレープ性に欠けている。
粒子を0.5〜2.5重量%の割合で均一に分散させた
未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸を不均一延伸
して太細斑糸とすることが提案されているが(特開昭5
9−94617号公報)、糸を構成するフィラメントを
細デニールフィラメントにした場合(例えば単繊維繊度
を1デニールにした場合)は、含有している無機粒子の
平均粒径が0.9〜1.8μと大きいことにより紡糸、
延伸時に断糸が多発するという欠点を有する。一方、糸
を構成するフィラメントを単繊維繊度の大きい太デニー
ルフィラメントにした場合には、無機粒子の含有量が少
ないために延伸点の分散が起こりにくくてその太細斑の
出現が長周期となるために、比較的長く集合した杢調と
なり自然さに欠けたものとなる。しかも、フィラメント
の単繊維繊度に関係なく、無機粒子の含有量が少ないた
めに、糸はドレープ性に欠けている。
【0006】更に、酸化チタンを1重量%以上含有し太
細比が2以上の単繊維を含む、ノーマルテストで得られ
るスペクトルグラフ上の周期50cmでの値(P50)が
周期の最大値(Pmax)の1/2以下である太細斑ポリ
エステルマルチフィラメント糸が知られており(特開昭
62−85021号公報)、この糸に分布している斑は
スペクトルグラフ上の周期の最大値(Pmax)付近の斑
の集合体からなっている。この糸では、各々のフィラメ
ントでは未延伸部がランダムに存在しているが、そられ
のフィラメントが集合した糸では未延伸部が平均化され
て変化の極めて少なく、しかも未延伸部の割合が大幅に
多くなっている。そのため、この糸から布帛を製造した
場合には、自然で多様化された微細な杢調を出現させる
ことができない。
細比が2以上の単繊維を含む、ノーマルテストで得られ
るスペクトルグラフ上の周期50cmでの値(P50)が
周期の最大値(Pmax)の1/2以下である太細斑ポリ
エステルマルチフィラメント糸が知られており(特開昭
62−85021号公報)、この糸に分布している斑は
スペクトルグラフ上の周期の最大値(Pmax)付近の斑
の集合体からなっている。この糸では、各々のフィラメ
ントでは未延伸部がランダムに存在しているが、そられ
のフィラメントが集合した糸では未延伸部が平均化され
て変化の極めて少なく、しかも未延伸部の割合が大幅に
多くなっている。そのため、この糸から布帛を製造した
場合には、自然で多様化された微細な杢調を出現させる
ことができない。
【0007】
【発明の内容】本発明者らは、上記した従来の太細斑ポ
リエステルマルチフィラメント糸(シンアンドシックヤ
ーン)とは異なり、太部が極めて短く、太細斑が短周期
でランダムに且つ多量に糸全体に分布し、それによって
人工的でない、自然な杢調および深みのある微妙な色
調、さらには優れた外観、風合、手触りなどを有する糸
および布帛を得ることを目的として研究を重ねてきた。
その結果、極めて微細でランダムな3段階以上の多段の
微妙な濃淡差および太細斑を有していて、自然で深みの
ある杢調を出現させることのできる、色調、外観、風
合、触感などに優れた太細斑ポリエステルマルチフィラ
メント糸およびそれよりなる布帛を開発することができ
先に出願した(特願平4−258842号公報)。
リエステルマルチフィラメント糸(シンアンドシックヤ
ーン)とは異なり、太部が極めて短く、太細斑が短周期
でランダムに且つ多量に糸全体に分布し、それによって
人工的でない、自然な杢調および深みのある微妙な色
調、さらには優れた外観、風合、手触りなどを有する糸
および布帛を得ることを目的として研究を重ねてきた。
その結果、極めて微細でランダムな3段階以上の多段の
微妙な濃淡差および太細斑を有していて、自然で深みの
ある杢調を出現させることのできる、色調、外観、風
合、触感などに優れた太細斑ポリエステルマルチフィラ
メント糸およびそれよりなる布帛を開発することができ
先に出願した(特願平4−258842号公報)。
【0008】そして更に研究を続けたところ、本出願人
が発明した上記の太細斑ポリエステルフィラメント糸ま
たは本出願人が更に開発したそれに類似した多色相状態
を呈し得る太細斑ポリエステルフィラメント糸に対し
て、糸の糸長25mm当たり3個以上のループ毛羽を形
成させると、多段階の濃淡差または色調差による微妙で
深い色合いの杢調を呈し、優れた外観、風合を有し、併
せてふくらみ感、弾力性、しなやかさに富んだ糸および
布帛が得られることを見出して本発明を完成した。
が発明した上記の太細斑ポリエステルフィラメント糸ま
たは本出願人が更に開発したそれに類似した多色相状態
を呈し得る太細斑ポリエステルフィラメント糸に対し
て、糸の糸長25mm当たり3個以上のループ毛羽を形
成させると、多段階の濃淡差または色調差による微妙で
深い色合いの杢調を呈し、優れた外観、風合を有し、併
せてふくらみ感、弾力性、しなやかさに富んだ糸および
布帛が得られることを見出して本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、平均粒径が0.9μ
m以下の無機微粒子を2〜10重量%含有する太部長さ
が主として5mm以下である長さ方向に太細斑を有する
細デニールポリエステルフィラメント(a)群、および
太部長さが主として1mm以下である長さ方向に太細斑
を有する太デニールポリエステルフィラメント(b)群
により構成され、且つ糸長25mm当たり3個以上のル
ープ毛羽を有することを特徴とするポリエステルループ
毛羽糸である。
m以下の無機微粒子を2〜10重量%含有する太部長さ
が主として5mm以下である長さ方向に太細斑を有する
細デニールポリエステルフィラメント(a)群、および
太部長さが主として1mm以下である長さ方向に太細斑
を有する太デニールポリエステルフィラメント(b)群
により構成され、且つ糸長25mm当たり3個以上のル
ープ毛羽を有することを特徴とするポリエステルループ
毛羽糸である。
【0010】そして、本発明は、平均粒径が0.9μm
以下の無機微粒子を2〜10重量%含有する太部長さが
主として5mm以下である長さ方向に太細斑を有する細
デニールポリエステルフィラメント(a)群、および太
部長さが主として1mm以下である長さ方向に太細斑を
有する太デニールポリエステルフィラメント(b)群を
乱流流体加工装置に送って乱流流体加工して上記のポリ
エステルループ毛羽糸を製造する方法である。更に、本
発明は上記したポリエステルループ毛羽糸よりなる布帛
を包含する。
以下の無機微粒子を2〜10重量%含有する太部長さが
主として5mm以下である長さ方向に太細斑を有する細
デニールポリエステルフィラメント(a)群、および太
部長さが主として1mm以下である長さ方向に太細斑を
有する太デニールポリエステルフィラメント(b)群を
乱流流体加工装置に送って乱流流体加工して上記のポリ
エステルループ毛羽糸を製造する方法である。更に、本
発明は上記したポリエステルループ毛羽糸よりなる布帛
を包含する。
【0011】本発明のポリエステルループ毛羽糸は、長
さ方向に太細斑を有する細デニールポリエステルフィラ
メント(a)[以下「細デニール太細斑フィラメント
(a)」という]群と長さ方向に太細斑を有する太デニ
ールポリエステルフィラメント(b)[以下「太デニー
ル太細斑フィラメント(b)」という]群より構成され
たデニールミックス太細斑糸である。その際に、細デニ
ール太細斑フィラメント(a)群の平均単繊維繊度が
1.5デニール以下、好ましくは0.7〜1.2デニー
ルであり、太デニール太細斑フィラメント(b)群の平
均単繊維繊度が6デニール以下、好ましくは2〜3.5
デニールであるのが望ましい。特に、太デニール太細斑
フィラメント(b)群の平均単繊維繊度と細デニール太
細斑フィラメント(a)群の平均単繊維繊度との差が約
1.5〜3デニールであるのが嵩高性および多様性を付
与でき好ましい。
さ方向に太細斑を有する細デニールポリエステルフィラ
メント(a)[以下「細デニール太細斑フィラメント
(a)」という]群と長さ方向に太細斑を有する太デニ
ールポリエステルフィラメント(b)[以下「太デニー
ル太細斑フィラメント(b)」という]群より構成され
たデニールミックス太細斑糸である。その際に、細デニ
ール太細斑フィラメント(a)群の平均単繊維繊度が
1.5デニール以下、好ましくは0.7〜1.2デニー
ルであり、太デニール太細斑フィラメント(b)群の平
均単繊維繊度が6デニール以下、好ましくは2〜3.5
デニールであるのが望ましい。特に、太デニール太細斑
フィラメント(b)群の平均単繊維繊度と細デニール太
細斑フィラメント(a)群の平均単繊維繊度との差が約
1.5〜3デニールであるのが嵩高性および多様性を付
与でき好ましい。
【0012】また、1本のポリエステルループ毛羽糸に
おける細デニール太細斑フィラメント(a)群:太デニ
ール太細斑フィラメント(b)群の割合は、重量で約5
0:50〜70:30程度にしておくのが、斑の多様性
などの点から好ましい。さらに、1本のポリエステルル
ープ毛羽糸の総デニール数を約50〜150デニール、
総フィラメント数を約48〜96f程度にしておくのが
乱流流体加工時のフィラメント間の混繊交絡性、得られ
るポリエステルループ毛羽糸の風合、布帛を製造する際
の編織性などの点から望ましい。
おける細デニール太細斑フィラメント(a)群:太デニ
ール太細斑フィラメント(b)群の割合は、重量で約5
0:50〜70:30程度にしておくのが、斑の多様性
などの点から好ましい。さらに、1本のポリエステルル
ープ毛羽糸の総デニール数を約50〜150デニール、
総フィラメント数を約48〜96f程度にしておくのが
乱流流体加工時のフィラメント間の混繊交絡性、得られ
るポリエステルループ毛羽糸の風合、布帛を製造する際
の編織性などの点から望ましい。
【0013】そして本発明では、細デニール太細斑フィ
ラメント(a)における太部長さが主として5mm以下
であり、且つ太デニール太細斑フィラメント(b)にお
ける太部長さが主として1mm以下であることが必要で
ある。細デニール太細斑フィラメント(a)および太デ
ニール太細斑フィラメント(b)における太部長さがそ
れぞれ上記のようになっていることにより、糸の強度低
下がおきにくく、且つ未延伸太部の自発伸長性および延
伸細部の高収縮性が相俟って仮撚加工などを施さなくて
も糸自体に潜在微捲縮性を付与することができ、しかも
多段階の濃淡差または多色相状態による微妙で深い色合
いの杢調を呈し、優れた外観、風合を有する糸および布
帛を製造することができる。
ラメント(a)における太部長さが主として5mm以下
であり、且つ太デニール太細斑フィラメント(b)にお
ける太部長さが主として1mm以下であることが必要で
ある。細デニール太細斑フィラメント(a)および太デ
ニール太細斑フィラメント(b)における太部長さがそ
れぞれ上記のようになっていることにより、糸の強度低
下がおきにくく、且つ未延伸太部の自発伸長性および延
伸細部の高収縮性が相俟って仮撚加工などを施さなくて
も糸自体に潜在微捲縮性を付与することができ、しかも
多段階の濃淡差または多色相状態による微妙で深い色合
いの杢調を呈し、優れた外観、風合を有する糸および布
帛を製造することができる。
【0014】本発明において、細デニール太細斑フィラ
メント(a)および太デニール太細斑フィラメント
(b)における太部の長さとは、各フィラメントにおけ
る太部と細部との境界が図1の(イ)に示すように明確
な場合は図1の(イ)のL1で示す長さがこれに相当す
る。また図1の(ロ)に示すように太部から細部へと径
が徐々に変化してその境界が不明瞭な場合は、図1の
(ロ)に示すように、最大径のある点Aと最小径のある
点Bとの間の中間点Cをとり、該点Aを挟む2つの点C
−C間の距離L1をもって太部の長さとする。そして、
細デニール太細斑フィラメント(a)において、「太部
長さが主として5mm以下である」とは、細デニール太
細斑フィラメント(a)の所定長さ当たりに存在する太
部の総数のうちの50%以上が5mm以下の長さになっ
ていることをいう。また太デニール太細斑フィラメント
(b)において、「太部長さが主として1mm以下であ
る」とは、太デニール太細斑フィラメント(b)の所定
長さ当たりに存在する太部の総数のうちの50%以上が
1mm以下の長さになっていることをいう。細デニール
太細斑フィラメント(a)および太デニール太細斑フィ
ラメント(b)フィラメントにおける太部の長さ、並び
に5mm以下または1mm以下の太部の割合の具体的な
測定法は以下の実施例で記載するとおりである。
メント(a)および太デニール太細斑フィラメント
(b)における太部の長さとは、各フィラメントにおけ
る太部と細部との境界が図1の(イ)に示すように明確
な場合は図1の(イ)のL1で示す長さがこれに相当す
る。また図1の(ロ)に示すように太部から細部へと径
が徐々に変化してその境界が不明瞭な場合は、図1の
(ロ)に示すように、最大径のある点Aと最小径のある
点Bとの間の中間点Cをとり、該点Aを挟む2つの点C
−C間の距離L1をもって太部の長さとする。そして、
細デニール太細斑フィラメント(a)において、「太部
長さが主として5mm以下である」とは、細デニール太
細斑フィラメント(a)の所定長さ当たりに存在する太
部の総数のうちの50%以上が5mm以下の長さになっ
ていることをいう。また太デニール太細斑フィラメント
(b)において、「太部長さが主として1mm以下であ
る」とは、太デニール太細斑フィラメント(b)の所定
長さ当たりに存在する太部の総数のうちの50%以上が
1mm以下の長さになっていることをいう。細デニール
太細斑フィラメント(a)および太デニール太細斑フィ
ラメント(b)フィラメントにおける太部の長さ、並び
に5mm以下または1mm以下の太部の割合の具体的な
測定法は以下の実施例で記載するとおりである。
【0015】そして、細デニール太細斑フィラメント
(a)群の複数のフィラメント間、太デニール太細斑フ
ィラメント(b)群の複数のフィラメント間、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)と太デニール太細斑フィラ
メント(b)との間で、その太細斑の周期がランダムに
ずれているのが、糸における太細斑の分散がより完全に
なって好ましい。
(a)群の複数のフィラメント間、太デニール太細斑フ
ィラメント(b)群の複数のフィラメント間、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)と太デニール太細斑フィラ
メント(b)との間で、その太細斑の周期がランダムに
ずれているのが、糸における太細斑の分散がより完全に
なって好ましい。
【0016】そして、ポリエステルループ毛羽糸を構成
する細デニール太細斑フィラメント(a)は、平均粒径
が0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%含有す
るポリエステルから形成されていることが必要であり、
それによって太部長さが主として5mm以下である長さ
方向に微細な太細斑を有する細デニール太細斑フィラメ
ント(a)が得られる。その際の無機微粒子としては、
平均粒径が0.9μm以下、好ましくは0.02〜0.
8μmの硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化
マグネシウム、アルミナ、酸化チタンなどの無機微粒子
を挙げることができ、また無機微粒子の含有量が4〜1
0重量%であるのが微細な太細斑をフィラメントに出現
させる上でより好ましい。
する細デニール太細斑フィラメント(a)は、平均粒径
が0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%含有す
るポリエステルから形成されていることが必要であり、
それによって太部長さが主として5mm以下である長さ
方向に微細な太細斑を有する細デニール太細斑フィラメ
ント(a)が得られる。その際の無機微粒子としては、
平均粒径が0.9μm以下、好ましくは0.02〜0.
8μmの硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化
マグネシウム、アルミナ、酸化チタンなどの無機微粒子
を挙げることができ、また無機微粒子の含有量が4〜1
0重量%であるのが微細な太細斑をフィラメントに出現
させる上でより好ましい。
【0017】一方、太デニール太細斑フィラメント
(b)はそのような無機微粒子を含有していてもまたは
含有していなくてもよい。太部長さが主として1mm以
下である太デニール太細斑フィラメント(b)を円滑に
得るためには、太デニール太細斑フィラメント(b)中
にも上記した無機微粒子を同程度の量で含有させておく
のが望ましい。
(b)はそのような無機微粒子を含有していてもまたは
含有していなくてもよい。太部長さが主として1mm以
下である太デニール太細斑フィラメント(b)を円滑に
得るためには、太デニール太細斑フィラメント(b)中
にも上記した無機微粒子を同程度の量で含有させておく
のが望ましい。
【0018】細デニール太細斑フィラメント(a)およ
び太デニール太細斑フィラメント(b)に用いるポリエ
ステルの種類は特に制限されず、繊維形成性のポリエス
テルであればいずれも使用できる。例えば、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)および太デニール太細斑フ
ィラメント(b)の両方を分散染料可染性のポリエステ
ルから形成しても、細デニール太細斑フィラメント
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)の一
方を分散染料可染性のポリエステルから形成し、もう一
方をカチオン染料可染性のポリエステルから形成して
も、または分散染料可染性またはカチオン染料可染性
以外のポリエステルから形成してもよい。なお、本発明
における「分散染料可染性」とは、カチオン染料に不染
性で分散染料に可染性であることをいう。
び太デニール太細斑フィラメント(b)に用いるポリエ
ステルの種類は特に制限されず、繊維形成性のポリエス
テルであればいずれも使用できる。例えば、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)および太デニール太細斑フ
ィラメント(b)の両方を分散染料可染性のポリエステ
ルから形成しても、細デニール太細斑フィラメント
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)の一
方を分散染料可染性のポリエステルから形成し、もう一
方をカチオン染料可染性のポリエステルから形成して
も、または分散染料可染性またはカチオン染料可染性
以外のポリエステルから形成してもよい。なお、本発明
における「分散染料可染性」とは、カチオン染料に不染
性で分散染料に可染性であることをいう。
【0019】そして、上記の場合には、その明度(濃
淡)が3段階以上の多様な濃淡差のある微妙な色調の染
色物を得ることができる。また、上記の場合には、糸
またはそれよりなる布帛を分散染料およびカチオン染料
で染色した際に、その長さ方向に沿った任意の1点を基
準として、長さ方向に最大で1cmの範囲内で3色以上
に染色される多色相状態になり、多種の色の混ざった微
妙で深みのある色調を発現させることができる。
淡)が3段階以上の多様な濃淡差のある微妙な色調の染
色物を得ることができる。また、上記の場合には、糸
またはそれよりなる布帛を分散染料およびカチオン染料
で染色した際に、その長さ方向に沿った任意の1点を基
準として、長さ方向に最大で1cmの範囲内で3色以上
に染色される多色相状態になり、多種の色の混ざった微
妙で深みのある色調を発現させることができる。
【0020】上記の方式を採用する場合には、細デニ
ール太細斑フィラメント(a)を分散染料可染性のポリ
エステルから形成し、太デニール太細斑フィラメント
(b)をカチオン染料可染性のポリエステルから形成し
ても、または細デニール太細斑フィラメント(a)をカ
チオン染料可染性のポリエステルから形成し、太デニー
ル太細斑フィラメント(b)を分散染料可染性のポリエ
ステルから形成してもよく、特に細デニール太細斑フィ
ラメント(a)を分散染料可染性のポリエステルから形
成し、太デニール太細斑フィラメント(b)をカチオン
染料可染性のポリエステルから形成すると、糸の潜在微
捲縮性が良好になり、ウール様の自然なふくらみの付与
に一層効果があり好ましい。
ール太細斑フィラメント(a)を分散染料可染性のポリ
エステルから形成し、太デニール太細斑フィラメント
(b)をカチオン染料可染性のポリエステルから形成し
ても、または細デニール太細斑フィラメント(a)をカ
チオン染料可染性のポリエステルから形成し、太デニー
ル太細斑フィラメント(b)を分散染料可染性のポリエ
ステルから形成してもよく、特に細デニール太細斑フィ
ラメント(a)を分散染料可染性のポリエステルから形
成し、太デニール太細斑フィラメント(b)をカチオン
染料可染性のポリエステルから形成すると、糸の潜在微
捲縮性が良好になり、ウール様の自然なふくらみの付与
に一層効果があり好ましい。
【0021】細デニール太細斑フィラメント(a)およ
び太デニール太細斑フィラメント(b)に用いるポリエ
ステルの種類は特に限定されず繊維形成性のポリエステ
ルであればいずれでも使用できるが、それらのフィラメ
ントの一方または両方を分散染料可染性とする場合は、
フィラメントをポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、或いはエチレンテレフタレート単
位および/またはブチレンテレフタレート単位を主たる
構成単位としこれに少量の他の共重合単位を含有させた
コポリエステルから形成するのが好ましい。コポリエス
テルを用いる場合には、該他の共重合単位をイソフタル
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族カルボン酸成分、シュウ酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸などの脂肪族カルボン酸成分、トリ
メリット酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸
成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ブタンジオールまたはエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなど
の共重合成分から誘導することができる。
び太デニール太細斑フィラメント(b)に用いるポリエ
ステルの種類は特に限定されず繊維形成性のポリエステ
ルであればいずれでも使用できるが、それらのフィラメ
ントの一方または両方を分散染料可染性とする場合は、
フィラメントをポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、或いはエチレンテレフタレート単
位および/またはブチレンテレフタレート単位を主たる
構成単位としこれに少量の他の共重合単位を含有させた
コポリエステルから形成するのが好ましい。コポリエス
テルを用いる場合には、該他の共重合単位をイソフタル
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族カルボン酸成分、シュウ酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸などの脂肪族カルボン酸成分、トリ
メリット酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸
成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ブタンジオールまたはエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなど
の共重合成分から誘導することができる。
【0022】また、細デニール太細斑フィラメント
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)の一
方または両方をカチオン染料可染性のポリエステルから
形成する場合は、ベンゼン核にスルホン酸金属塩基が結
合しているイソフタル酸単位、すなわちスルホネートイ
ソフタル酸単位を共重合単位として有する共重合ポリエ
ステルを用いるのが好ましく、その場合にポリエステル
中のスルホネートイソフタル酸単位の共重合割合を1〜
3モル%とすると紡糸時の工程性、染色性、一般物性な
どが良好になり望ましい。
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)の一
方または両方をカチオン染料可染性のポリエステルから
形成する場合は、ベンゼン核にスルホン酸金属塩基が結
合しているイソフタル酸単位、すなわちスルホネートイ
ソフタル酸単位を共重合単位として有する共重合ポリエ
ステルを用いるのが好ましく、その場合にポリエステル
中のスルホネートイソフタル酸単位の共重合割合を1〜
3モル%とすると紡糸時の工程性、染色性、一般物性な
どが良好になり望ましい。
【0023】そして、スルホネートイソフタル酸単位を
含有するカチオン染料可染性のポリエステルを用いる場
合は、ポリエステルを構成する主単位がエチレンテレフ
タレート単位、ブチレンテレフタレート単位、またはそ
れらの組み合わせからなっているのが好ましく、必要に
応じてそれらの単位と共に更に少量の他の共重合単位を
含有させることができる。その際の他の共重合単位とし
てはイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタリンジカ
ルボン酸などの芳香族カルボン酸成分、シュウ酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族カルボ
ン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官
能性カルボン酸成分、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオールまたはエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどから誘導された単位を挙げることができ
る。
含有するカチオン染料可染性のポリエステルを用いる場
合は、ポリエステルを構成する主単位がエチレンテレフ
タレート単位、ブチレンテレフタレート単位、またはそ
れらの組み合わせからなっているのが好ましく、必要に
応じてそれらの単位と共に更に少量の他の共重合単位を
含有させることができる。その際の他の共重合単位とし
てはイソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタリンジカ
ルボン酸などの芳香族カルボン酸成分、シュウ酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族カルボ
ン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官
能性カルボン酸成分、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオールまたはエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどから誘導された単位を挙げることができ
る。
【0024】細デニール太細斑フィラメント(a)およ
び太デニール太細斑フィラメント(b)の製法は特に制
限されず、上記した本発明における要件を備えた細デニ
ール太細斑フィラメント(a)および太デニール太細斑
フィラメント(b)であればいずれの方法で製造された
ものであってもよい。特に、細デニール太細斑フィラメ
ント(a)は平均粒径0.9μm以下の無機微粒子を2
〜10重量%含有ポリエステルを用いて、所定の単繊維
繊度を有する中配向未延伸ポリエステルマルチフィラメ
ント糸を製造し、それを2次転移点以下の温度で自然延
伸倍率以下の倍率で延伸することにより円滑に製造する
ことができる。また、太デニール太細斑フィラメント
(b)は、太デニール太細斑フィラメント(a)と同様
にして製造することができる。紡糸混繊法により紡糸す
る場合においては、細デニール太細斑フィラメント
(a)または太デニール太細斑フィラメント(b)のい
ずれか一方に無機微粒子が含有されていれば製造できる
が、太デニール太細斑フィラメント(a)に無機微粒子
を含有させておいた方が、ふくらみが出し易いので好ま
しい。
び太デニール太細斑フィラメント(b)の製法は特に制
限されず、上記した本発明における要件を備えた細デニ
ール太細斑フィラメント(a)および太デニール太細斑
フィラメント(b)であればいずれの方法で製造された
ものであってもよい。特に、細デニール太細斑フィラメ
ント(a)は平均粒径0.9μm以下の無機微粒子を2
〜10重量%含有ポリエステルを用いて、所定の単繊維
繊度を有する中配向未延伸ポリエステルマルチフィラメ
ント糸を製造し、それを2次転移点以下の温度で自然延
伸倍率以下の倍率で延伸することにより円滑に製造する
ことができる。また、太デニール太細斑フィラメント
(b)は、太デニール太細斑フィラメント(a)と同様
にして製造することができる。紡糸混繊法により紡糸す
る場合においては、細デニール太細斑フィラメント
(a)または太デニール太細斑フィラメント(b)のい
ずれか一方に無機微粒子が含有されていれば製造できる
が、太デニール太細斑フィラメント(a)に無機微粒子
を含有させておいた方が、ふくらみが出し易いので好ま
しい。
【0025】そして、上記した細デニール太細斑フィラ
メント(a)群および太デニール太細斑フィラメント
(b)群からなるデニールミックスポリエステル太細斑
マルチフィラメント糸を乱流流体加工して、糸長25m
m当たり3個以上のループ毛羽を有する本発明のポリエ
ステルループ毛羽糸とする。本発明のポリエステルルー
プ毛羽糸は糸長25mm当たり3個以上のループ毛羽を
有することが必要であり、ループ毛羽数が糸長25mm
当たり2個以下であると、糸にふくらみ感および弾力性
を付与することができにくくなる。糸長25mm当たり
5個以上のループ毛羽を有するのが好ましい。ここで、
本発明でいうループ毛羽とは、糸の表面部分や内部にお
いて、糸を構成する細デニール太細斑フィラメント
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)が、
閉ループ状、閉カール状、山形、また場合によっては開
ループ状、開カール状などの屈曲形状をなして糸長さ方
向から突出して毛羽を形成していることをいい、その具
体的な測定法は以下の実施例で記載するとおりである。
メント(a)群および太デニール太細斑フィラメント
(b)群からなるデニールミックスポリエステル太細斑
マルチフィラメント糸を乱流流体加工して、糸長25m
m当たり3個以上のループ毛羽を有する本発明のポリエ
ステルループ毛羽糸とする。本発明のポリエステルルー
プ毛羽糸は糸長25mm当たり3個以上のループ毛羽を
有することが必要であり、ループ毛羽数が糸長25mm
当たり2個以下であると、糸にふくらみ感および弾力性
を付与することができにくくなる。糸長25mm当たり
5個以上のループ毛羽を有するのが好ましい。ここで、
本発明でいうループ毛羽とは、糸の表面部分や内部にお
いて、糸を構成する細デニール太細斑フィラメント
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)が、
閉ループ状、閉カール状、山形、また場合によっては開
ループ状、開カール状などの屈曲形状をなして糸長さ方
向から突出して毛羽を形成していることをいい、その具
体的な測定法は以下の実施例で記載するとおりである。
【0026】本発明のポリエステルループ毛羽糸では、
細デニール太細斑フィラメント(a)および太細斑糸の
両方がループ毛羽を形成しており、太デニール太細斑フ
ィラメント(b)によるループ毛羽は潰れにくいことに
より糸に空間を形成してふくらみ感を付与し、また細デ
ニール太細斑フィラメント(a)によるループ毛羽はし
なやかでソフトなタッチを付与する。
細デニール太細斑フィラメント(a)および太細斑糸の
両方がループ毛羽を形成しており、太デニール太細斑フ
ィラメント(b)によるループ毛羽は潰れにくいことに
より糸に空間を形成してふくらみ感を付与し、また細デ
ニール太細斑フィラメント(a)によるループ毛羽はし
なやかでソフトなタッチを付与する。
【0027】ポリエステルループ毛羽糸の製造法として
は、例えば、(1)紡糸混繊法により細デニール太細斑
フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィラメント
(b)群とからなるデニールミックス太細斑マルチフィ
ラメント糸を製造し、それを乱流流体加工装置に供給し
て乱流流体加工する方法、または(2)細デニール太細
斑フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィラメン
ト(b)群とを別々に製造してそれらを乱流流体加工装
置に供給して乱流流体加工する方法などを挙げることが
できる。そして、(2)の方法による場合は、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィ
ラメント(b)群とを乱流流体加工装置に同じ速度で供
給しても、または互いに異なる速度で供給してもよい。
は、例えば、(1)紡糸混繊法により細デニール太細斑
フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィラメント
(b)群とからなるデニールミックス太細斑マルチフィ
ラメント糸を製造し、それを乱流流体加工装置に供給し
て乱流流体加工する方法、または(2)細デニール太細
斑フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィラメン
ト(b)群とを別々に製造してそれらを乱流流体加工装
置に供給して乱流流体加工する方法などを挙げることが
できる。そして、(2)の方法による場合は、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィ
ラメント(b)群とを乱流流体加工装置に同じ速度で供
給しても、または互いに異なる速度で供給してもよい。
【0028】例えば、上記(2)の方法において、細デ
ニール太細斑フィラメント(a)群の供給速度を太デニ
ール太細斑フィラメント(b)群の供給速度よりも高く
して過剰に供給すると、細デニール太細斑フィラメント
(a)からなるソフトタッチのループ毛羽の生成度合の
多い糸が得られ、反対に太デニール太細斑フィラメント
(b)の供給速度を高くして過剰に供給すると、太デニ
ール太細斑フィラメント(b)からなる弾力性に富むル
ープ毛羽の生成度合いの多い糸が得られ、糸のふくらみ
感のおよび弾力性がより高くなる。
ニール太細斑フィラメント(a)群の供給速度を太デニ
ール太細斑フィラメント(b)群の供給速度よりも高く
して過剰に供給すると、細デニール太細斑フィラメント
(a)からなるソフトタッチのループ毛羽の生成度合の
多い糸が得られ、反対に太デニール太細斑フィラメント
(b)の供給速度を高くして過剰に供給すると、太デニ
ール太細斑フィラメント(b)からなる弾力性に富むル
ープ毛羽の生成度合いの多い糸が得られ、糸のふくらみ
感のおよび弾力性がより高くなる。
【0029】そして、本発明において乱流流体加工装置
に供給する細デニール太細斑フィラメント(a)群と太
デニール太細斑フィラメント(b)群とからなる糸は、
平均粒径0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%
含有する平均単繊維繊度1〜3.5デニールの細デニー
ルフィラメント群および平均単繊維繊度3.5〜8デニ
ールの太デニールフィラメント群よりなる複屈折率(△
n)が0.01〜0.02のデニールミックスマルチフ
ィラメント中配向未延伸糸を下記の式(1)を満足する
倍率で延伸することにより円滑に得ることができる。
に供給する細デニール太細斑フィラメント(a)群と太
デニール太細斑フィラメント(b)群とからなる糸は、
平均粒径0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%
含有する平均単繊維繊度1〜3.5デニールの細デニー
ルフィラメント群および平均単繊維繊度3.5〜8デニ
ールの太デニールフィラメント群よりなる複屈折率(△
n)が0.01〜0.02のデニールミックスマルチフ
ィラメント中配向未延伸糸を下記の式(1)を満足する
倍率で延伸することにより円滑に得ることができる。
【0030】
【数1】 延伸倍率={(DE/100)┼1}×(0.5〜0.6) (1) 式中、 DE=中配向未延伸糸の破断伸度(%)
【0031】乱流流体加工はタスラン加工、インターレ
ース加工などによって行うのがよく、特にタスラン加工
により行うのが多数のループ毛羽を発生させることがで
き好ましい。その際に乱流流体ノズルへの糸の供給量、
流体圧などを変えることによってループ毛羽の数、大き
さ、フィラメント間の絡合数、絡み強度などを適宜変化
・調節することができる。一般に、乱流流体ノズルへの
糸の供給量(供給速度)を該装置からの糸の引き取り量
(引き取り速度)の約1〜1.3倍とし、乱流流体加工
ノズルに供給する流体の流体圧を4kg/cm2以上に
しておくのが望ましい。
ース加工などによって行うのがよく、特にタスラン加工
により行うのが多数のループ毛羽を発生させることがで
き好ましい。その際に乱流流体ノズルへの糸の供給量、
流体圧などを変えることによってループ毛羽の数、大き
さ、フィラメント間の絡合数、絡み強度などを適宜変化
・調節することができる。一般に、乱流流体ノズルへの
糸の供給量(供給速度)を該装置からの糸の引き取り量
(引き取り速度)の約1〜1.3倍とし、乱流流体加工
ノズルに供給する流体の流体圧を4kg/cm2以上に
しておくのが望ましい。
【0032】乱流流体加工にあたっては空気流が好まし
く用いられるが、それに限定されず、窒素ガス、炭酸ガ
スなどの他の気体、場合によっては液体を使用してもよ
い。また乱流流体加工装置としては、従来既知の乱流流
体加工ノズルが使用でき、その形状や構造は特に限定さ
れない。また、乱流流体加工ノズルにおける流体撹乱時
の条件などによって、得られる複合混繊糸には連続的な
混繊絡みまたは間欠的な混繊絡みが形成されるが、その
いずれであってもよい。
く用いられるが、それに限定されず、窒素ガス、炭酸ガ
スなどの他の気体、場合によっては液体を使用してもよ
い。また乱流流体加工装置としては、従来既知の乱流流
体加工ノズルが使用でき、その形状や構造は特に限定さ
れない。また、乱流流体加工ノズルにおける流体撹乱時
の条件などによって、得られる複合混繊糸には連続的な
混繊絡みまたは間欠的な混繊絡みが形成されるが、その
いずれであってもよい。
【0033】また、ポリエステルループ毛羽糸を構成す
る細デニール太細斑フィラメント(a)および太デニー
ル太細斑フィラメント(b)は、その横断面が円形;三
葉形〜八葉形などの多葉形、T字形、V字形、偏平形、
方形などの異形の任意の断面形状であることができ、ま
た必要に応じて酸化防止剤、耐熱性改善剤、蛍光漂白
剤、難燃剤、艶消剤、着色剤などを含有していてもよ
い。
る細デニール太細斑フィラメント(a)および太デニー
ル太細斑フィラメント(b)は、その横断面が円形;三
葉形〜八葉形などの多葉形、T字形、V字形、偏平形、
方形などの異形の任意の断面形状であることができ、ま
た必要に応じて酸化防止剤、耐熱性改善剤、蛍光漂白
剤、難燃剤、艶消剤、着色剤などを含有していてもよ
い。
【0034】そして、上記により製造された本発明のポ
リエステルループ毛羽糸は直接そのまま、または布帛に
して、或いは糸または布帛の状態で染色して流通・販売
することができる。本発明のポリエステルループ毛羽糸
から布帛を製造する場合は、単独で用いても、または他
の天然繊維や合成繊維などと組み合わせて使用してもよ
い。
リエステルループ毛羽糸は直接そのまま、または布帛に
して、或いは糸または布帛の状態で染色して流通・販売
することができる。本発明のポリエステルループ毛羽糸
から布帛を製造する場合は、単独で用いても、または他
の天然繊維や合成繊維などと組み合わせて使用してもよ
い。
【0035】限定されるものではないが、本発明のポリ
エステルループ毛羽糸の好ましい製法の例を挙げると下
記のとおりである。
エステルループ毛羽糸の好ましい製法の例を挙げると下
記のとおりである。
【0036】ポリエステルループ毛羽糸の製造例: (1) 例えば図2に示すような、左右で孔数および孔
径を変えてある分割型の口金を有する紡糸装置を使用し
て紡糸する。その際の紡糸速度は1500〜2500m
/分とするのが好ましく、1700〜1900m/分が
より好ましい。紡糸速度が1500m/分未満である
と、糸または布帛における強度が不足し、一方2500
m/分を超えると延伸後の太細斑の発生が乏しくなり目
的とする太細斑糸を得ることができにくくなる。従来の
太細斑糸の多くは太細斑を発生させるために1500m
/分以下の紡糸速度を採用していたが、本発明では15
00m/分以上の高い紡糸速度を採用することによって
目的とするポリエステルループ毛羽糸用のデニールミッ
クスポリエステル太細斑糸を得ることができ、従来技術
と比べて生産性が高い。
径を変えてある分割型の口金を有する紡糸装置を使用し
て紡糸する。その際の紡糸速度は1500〜2500m
/分とするのが好ましく、1700〜1900m/分が
より好ましい。紡糸速度が1500m/分未満である
と、糸または布帛における強度が不足し、一方2500
m/分を超えると延伸後の太細斑の発生が乏しくなり目
的とする太細斑糸を得ることができにくくなる。従来の
太細斑糸の多くは太細斑を発生させるために1500m
/分以下の紡糸速度を採用していたが、本発明では15
00m/分以上の高い紡糸速度を採用することによって
目的とするポリエステルループ毛羽糸用のデニールミッ
クスポリエステル太細斑糸を得ることができ、従来技術
と比べて生産性が高い。
【0037】細デニール太細斑フィラメント(a)と太
デニール太細斑フィラメント(b)とを例えば共に分散
染料可染性のポリエステルから形成する場合には、平均
粒径が0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%含
有する分散染料可染性ポリエステルを使用して、図2の
紡糸口金の左側と右側の紡糸孔の両方から紡出させて、
細デニールフィラメント群と太デニールフィラメント群
とが混繊したデニールミックスマルチフィラメント未延
伸糸を製造すればよい。
デニール太細斑フィラメント(b)とを例えば共に分散
染料可染性のポリエステルから形成する場合には、平均
粒径が0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%含
有する分散染料可染性ポリエステルを使用して、図2の
紡糸口金の左側と右側の紡糸孔の両方から紡出させて、
細デニールフィラメント群と太デニールフィラメント群
とが混繊したデニールミックスマルチフィラメント未延
伸糸を製造すればよい。
【0038】一方、細デニール太細斑フィラメント
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)の一
方が分散染料可染性のポリエステルよりなり、もう一方
がカチオン染料可染性のポリエステルよりなる場合は、
図2の紡糸口金に分散染料可染性ポリエステルとカチオ
ン染料可染性ポリエステルの2液を供給して、それぞれ
を口金の左側および右側の紡糸孔から紡出させて、分散
染料可染性の細デニールフィラメント群とカチオン染料
可染性の太デニールフィラメント群の混繊したデニール
ミックスマルチフィラメント未延伸糸、またはカチオン
染料可染性の細デニールフィラメント群と分散染料可染
性の太デニールフィラメント群が混繊したデニールミッ
クスマルチフィラメント未延伸糸を製造する。
(a)および太デニール太細斑フィラメント(b)の一
方が分散染料可染性のポリエステルよりなり、もう一方
がカチオン染料可染性のポリエステルよりなる場合は、
図2の紡糸口金に分散染料可染性ポリエステルとカチオ
ン染料可染性ポリエステルの2液を供給して、それぞれ
を口金の左側および右側の紡糸孔から紡出させて、分散
染料可染性の細デニールフィラメント群とカチオン染料
可染性の太デニールフィラメント群の混繊したデニール
ミックスマルチフィラメント未延伸糸、またはカチオン
染料可染性の細デニールフィラメント群と分散染料可染
性の太デニールフィラメント群が混繊したデニールミッ
クスマルチフィラメント未延伸糸を製造する。
【0039】その場合には、上記したように、平均粒径
が0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%含有す
る分散染料可染性ポリエステルを孔数の多い口金部分か
ら紡出させ、必要に応じて無機微粒子を含有するカチオ
ン染料可染性ポリエステルを孔数の少ない口金部分から
紡出させて、分散染料可染性の細デニールフィラメント
群とカチオン染料可染性の太デニールフィラメント群か
らなるデニールミックスマルチフィラメント未延伸糸を
製造するのが好ましい。
が0.9μm以下の無機微粒子を2〜10重量%含有す
る分散染料可染性ポリエステルを孔数の多い口金部分か
ら紡出させ、必要に応じて無機微粒子を含有するカチオ
ン染料可染性ポリエステルを孔数の少ない口金部分から
紡出させて、分散染料可染性の細デニールフィラメント
群とカチオン染料可染性の太デニールフィラメント群か
らなるデニールミックスマルチフィラメント未延伸糸を
製造するのが好ましい。
【0040】また、紡糸を行う際に、下記で記載する延
伸処理中に各フィラメントの延伸点がバラけて分散され
るように(分散延伸が行われるように)、摩擦係数(特
にFF動摩擦係数)の低い油剤を使用するのが望まし
く、その際の油剤の付与量は0.8重量%以上とするの
がよい。油剤の量が0.8重量%未満の場合は、各フィ
ラメントにおける太細の周期が長くなり易く、太細斑が
微細に分散した斑糸が得られにくくなる。
伸処理中に各フィラメントの延伸点がバラけて分散され
るように(分散延伸が行われるように)、摩擦係数(特
にFF動摩擦係数)の低い油剤を使用するのが望まし
く、その際の油剤の付与量は0.8重量%以上とするの
がよい。油剤の量が0.8重量%未満の場合は、各フィ
ラメントにおける太細の周期が長くなり易く、太細斑が
微細に分散した斑糸が得られにくくなる。
【0041】(2) また生産効率が多少劣るが、上記
(1)の直接紡糸によらずに、細デニールフィラメント
群と太デニールフィラメント群とを別々に紡糸して製造
し、それらのフィラメント群を合糸してデニールミック
スマルチフィラメント未延伸糸を製造し、それを乱流流
体加工装置に供給するようにしても、或いは各々のフィ
ラメント群を別々に乱流流体加工装置に供給するように
してもよい。
(1)の直接紡糸によらずに、細デニールフィラメント
群と太デニールフィラメント群とを別々に紡糸して製造
し、それらのフィラメント群を合糸してデニールミック
スマルチフィラメント未延伸糸を製造し、それを乱流流
体加工装置に供給するようにしても、或いは各々のフィ
ラメント群を別々に乱流流体加工装置に供給するように
してもよい。
【0042】(3) 次に、上記(1)または(2)に
より得られたデニールミックスマルチフィラメント未延
伸糸またはそれぞれのマルチフィラメント未延伸糸を低
温で予熱した後延伸し、次いで熱セットして、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィ
ラメント(b)群とが混繊したデニールミックス太細斑
マルチフィラメント糸、或いは細デニール太細斑フィラ
メント(a)糸と太デニール太細斑フィラメント(b)
糸のそれぞれを製造する。この延伸処理は、予熱を約3
5〜55℃の温度で行うのが好ましく、予熱温度が35
℃未満であると季節による太細斑の変動が生じ易くな
り、一方55℃を超えると各フィラメントにおける太細
斑の周期が長くなり、しかも斑の安定性に欠けるように
なる。また、延伸後の熱セット温度は、高いほど伸度低
下に効果があるが、それと同時に糸の強度も低下するの
で、110〜140℃程度の温度とするのが伸度および
強度のバランスの上から好ましい。また、延伸倍率は、
上記した式(1)を満足するようにして行うのが好まし
い。
より得られたデニールミックスマルチフィラメント未延
伸糸またはそれぞれのマルチフィラメント未延伸糸を低
温で予熱した後延伸し、次いで熱セットして、細デニー
ル太細斑フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィ
ラメント(b)群とが混繊したデニールミックス太細斑
マルチフィラメント糸、或いは細デニール太細斑フィラ
メント(a)糸と太デニール太細斑フィラメント(b)
糸のそれぞれを製造する。この延伸処理は、予熱を約3
5〜55℃の温度で行うのが好ましく、予熱温度が35
℃未満であると季節による太細斑の変動が生じ易くな
り、一方55℃を超えると各フィラメントにおける太細
斑の周期が長くなり、しかも斑の安定性に欠けるように
なる。また、延伸後の熱セット温度は、高いほど伸度低
下に効果があるが、それと同時に糸の強度も低下するの
で、110〜140℃程度の温度とするのが伸度および
強度のバランスの上から好ましい。また、延伸倍率は、
上記した式(1)を満足するようにして行うのが好まし
い。
【0043】(4) 上記で得られた細デニール太細斑
フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィラメント
(b)群とが混繊したデニールミックス太細斑マルチフ
ィラメント糸、或いは細デニール太細斑フィラメント
(a)糸と太デニール太細斑フィラメント(b)糸のそ
れぞれをタスラン加工、インターレース加工などにより
乱流流体加工して糸長25mm当たり3個以上のループ
毛羽を有する本発明のポリエステルループ毛羽糸を製造
する。
フィラメント(a)群と太デニール太細斑フィラメント
(b)群とが混繊したデニールミックス太細斑マルチフ
ィラメント糸、或いは細デニール太細斑フィラメント
(a)糸と太デニール太細斑フィラメント(b)糸のそ
れぞれをタスラン加工、インターレース加工などにより
乱流流体加工して糸長25mm当たり3個以上のループ
毛羽を有する本発明のポリエステルループ毛羽糸を製造
する。
【0044】本発明のポリエステルループ毛羽糸は、各
種の織編物や不織布にすることができ、特に衣料用の織
編物に適している。本発明のポリエステルループ毛羽糸
から製造された織編物は、自然で且つ良好な風合、触感
を有し、特に多数のループ毛羽の存在によってウール様
のふくらみ感と弾力性を有し、しかも染色した際にその
染色濃度や色調が多段階になり微妙で深みのある杢調を
呈する。特に分散染料可染性フィラメントとカチオン染
料可染性フィラメントとから形成した場合には、微細で
且つランダムな3色以上の多色相状態に染色されてその
色調が極めて自然な杢調をなし、高級な色調、外観およ
び風合を有する。
種の織編物や不織布にすることができ、特に衣料用の織
編物に適している。本発明のポリエステルループ毛羽糸
から製造された織編物は、自然で且つ良好な風合、触感
を有し、特に多数のループ毛羽の存在によってウール様
のふくらみ感と弾力性を有し、しかも染色した際にその
染色濃度や色調が多段階になり微妙で深みのある杢調を
呈する。特に分散染料可染性フィラメントとカチオン染
料可染性フィラメントとから形成した場合には、微細で
且つランダムな3色以上の多色相状態に染色されてその
色調が極めて自然な杢調をなし、高級な色調、外観およ
び風合を有する。
【0045】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、細デニールフィラメント群および太デニール
フィラメント群の平均単繊維繊度、太細斑フィラメント
における太部長さ、太部の数およびループ毛羽の個数の
測定、並びに染色後の濃淡数または色数の確認は次のよ
うにして行った。
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、細デニールフィラメント群および太デニール
フィラメント群の平均単繊維繊度、太細斑フィラメント
における太部長さ、太部の数およびループ毛羽の個数の
測定、並びに染色後の濃淡数または色数の確認は次のよ
うにして行った。
【0046】各フィラメント群の平均単繊維繊度:細デ
ニールマルチフィラメント群または太デニールマルチフ
ィラメント群のそれぞれを少なくとも100m以上採取
し、その総デニールをフィラメント数で除して平均単繊
維繊度を求めた。
ニールマルチフィラメント群または太デニールマルチフ
ィラメント群のそれぞれを少なくとも100m以上採取
し、その総デニールをフィラメント数で除して平均単繊
維繊度を求めた。
【0047】太部長さおよび数:得られたポリエステル
ループ毛羽糸を20cm採取し、糸を構成するフィラメ
ントを太デニールフィラメント群と細デニールフィラメ
ント群に分ける。太デニールフィラメントの顕微鏡写真
(100〜500倍)を撮影し、その写真から太部の長
さを測定する。細デニールフィラメントについても同様
に行う。フィラメントにおける太細斑が太部から細部ま
たは細部から太部へと次第に移行していて明確な境界が
ない場合は、図1で説明したようにその中間点を境界と
して測定する。細デニール太細斑フィラメント群におけ
る太部の長さとその分布状態を調べ、長さ5mm以下の
太部の数の割合を求める。太デニール太細斑フィラメン
ト群についても同様に行う。
ループ毛羽糸を20cm採取し、糸を構成するフィラメ
ントを太デニールフィラメント群と細デニールフィラメ
ント群に分ける。太デニールフィラメントの顕微鏡写真
(100〜500倍)を撮影し、その写真から太部の長
さを測定する。細デニールフィラメントについても同様
に行う。フィラメントにおける太細斑が太部から細部ま
たは細部から太部へと次第に移行していて明確な境界が
ない場合は、図1で説明したようにその中間点を境界と
して測定する。細デニール太細斑フィラメント群におけ
る太部の長さとその分布状態を調べ、長さ5mm以下の
太部の数の割合を求める。太デニール太細斑フィラメン
ト群についても同様に行う。
【0048】ループ毛羽の個数:得られたポリエステル
ループ毛羽糸を30cm採取し、顕微鏡(30倍)を使
用して、その表面および内側のループ毛羽の個数を目視
により数え、この操作を5回繰り返して糸長25mm当
たりのループ毛羽個数を求める。
ループ毛羽糸を30cm採取し、顕微鏡(30倍)を使
用して、その表面および内側のループ毛羽の個数を目視
により数え、この操作を5回繰り返して糸長25mm当
たりのループ毛羽個数を求める。
【0049】濃淡数または色数の確認:得られた染色物
から糸を解舒し、顕微鏡カラー写真(100〜500
倍)を撮り、目視により判定する。
から糸を解舒し、顕微鏡カラー写真(100〜500
倍)を撮り、目視により判定する。
【0050】《実施例 1》 (1) 平均粒径0.6μmの硫酸バリウムを8重量%
含有する[η]=0.65のポリエチレンテレフタレート
を使用して、図2に示すような分割型の口金(左側12
ホール;右側36ホール)の左側および右側の紡糸孔か
らそれぞれ同時に紡出させ、紡糸速度1850m/分、
油剤(糸−糸動摩擦係数0.29)の付着量1.0重量
%の条件下に紡糸して、60d/12fの太デニールポ
リエステルフィラメント群(単繊維繊度5d)と、60
d/36fの太デニールポリエステルフィラメント群
(単繊維繊度1.7d)とが合糸されたポリエステルデ
ニールミックスマルチフィラメント未延伸糸(120d
/48f;複屈折率△n=0.017;破断伸度224
%)を得た。
含有する[η]=0.65のポリエチレンテレフタレート
を使用して、図2に示すような分割型の口金(左側12
ホール;右側36ホール)の左側および右側の紡糸孔か
らそれぞれ同時に紡出させ、紡糸速度1850m/分、
油剤(糸−糸動摩擦係数0.29)の付着量1.0重量
%の条件下に紡糸して、60d/12fの太デニールポ
リエステルフィラメント群(単繊維繊度5d)と、60
d/36fの太デニールポリエステルフィラメント群
(単繊維繊度1.7d)とが合糸されたポリエステルデ
ニールミックスマルチフィラメント未延伸糸(120d
/48f;複屈折率△n=0.017;破断伸度224
%)を得た。
【0051】(2) 次に、上記(1)で得た未延伸糸
をホットローラ温度35℃で予熱した後、延伸倍率1.
68倍で延伸し、ホットローラ温度120℃で熱セット
した後、引き続いてタスラン加工ノズル(ヘバーライン
社製「ヘマジェット311」)を使用して、糸の12%
の過剰供給率でタスラン加工ノズルに供給し、エアー圧
力5.0kg/cm2の条件下にタスラン加工して、7
5d/48fのポリエステルループ毛羽糸を得た。この
ポリエステルループ毛羽糸は糸長25mm当たり6個の
ループ毛羽を有しており、糸を構成する細デニール太細
斑フィラメント(a)群の平均単繊維繊度は1.0dで
あり、太デニール太細斑フィラメント(b)群の平均単
繊維繊度は3.0d、であった。 また、このポリエステルループ毛羽糸を構成する細デニ
ール太細斑フィラメント(a)における太部の長さは5
0μm〜3mmの範囲でランダムになっていた(長さ5
mm以下の太部の割合100%)。太デニール太細斑フ
ィラメント(b)群における太部の長さは20μm〜8
00μmの範囲でランダムになっていた(長さ1mm以
下の太部の割合100%)。
をホットローラ温度35℃で予熱した後、延伸倍率1.
68倍で延伸し、ホットローラ温度120℃で熱セット
した後、引き続いてタスラン加工ノズル(ヘバーライン
社製「ヘマジェット311」)を使用して、糸の12%
の過剰供給率でタスラン加工ノズルに供給し、エアー圧
力5.0kg/cm2の条件下にタスラン加工して、7
5d/48fのポリエステルループ毛羽糸を得た。この
ポリエステルループ毛羽糸は糸長25mm当たり6個の
ループ毛羽を有しており、糸を構成する細デニール太細
斑フィラメント(a)群の平均単繊維繊度は1.0dで
あり、太デニール太細斑フィラメント(b)群の平均単
繊維繊度は3.0d、であった。 また、このポリエステルループ毛羽糸を構成する細デニ
ール太細斑フィラメント(a)における太部の長さは5
0μm〜3mmの範囲でランダムになっていた(長さ5
mm以下の太部の割合100%)。太デニール太細斑フ
ィラメント(b)群における太部の長さは20μm〜8
00μmの範囲でランダムになっていた(長さ1mm以
下の太部の割合100%)。
【0052】(3) 上記(2)で得たポリエステルル
ープ毛羽糸を用いて1/1平織物を製織して生機を得、
これを常法により精練リラックスした後、下記の表1に
示す染色条件で染色した。
ープ毛羽糸を用いて1/1平織物を製織して生機を得、
これを常法により精練リラックスした後、下記の表1に
示す染色条件で染色した。
【0053】
【表1】 染 色 条 件 染色機:液流染色機 染 料:Sumikaron Red E-RPD(住友化学社製) 2%owf 分散助剤:Disper TL(明成化学工業社製) 1g/リットル pH調整剤:硫酸アンモニウム 1g/リットル 酢 酸: 1g/リットル 浴 比: 1:30 温 度:30分かけて40℃から130℃に昇温し、130℃で30分維持
【0054】その結果、ふくらみ感および弾力性を有す
るウール様のタッチの染色物が得られた。この染色物で
は、少なくとも3段階以上の極めて微細でランダムな濃
淡差が目視により確認でき、深みのある自然な杢調を呈
していた。
るウール様のタッチの染色物が得られた。この染色物で
は、少なくとも3段階以上の極めて微細でランダムな濃
淡差が目視により確認でき、深みのある自然な杢調を呈
していた。
【0055】《比較例 1》 (1) 硫酸バリウムを含有しない[η]=0.65のポ
リエチレンテレフタレートを使用して実施例1の(1)
と同様に紡糸を行って、60d/12fの太デニールポ
リエステルフィラメント群(単繊維繊度5d)と、60
d/36fの太デニールポリエステルフィラメント群
(単繊維繊度1.7d)とが合糸されたデニールミック
スポリエステルマルチフィラメント未延伸糸(120d
/48f;複屈折率△n=0.017;破断伸度234
%)を得た。
リエチレンテレフタレートを使用して実施例1の(1)
と同様に紡糸を行って、60d/12fの太デニールポ
リエステルフィラメント群(単繊維繊度5d)と、60
d/36fの太デニールポリエステルフィラメント群
(単繊維繊度1.7d)とが合糸されたデニールミック
スポリエステルマルチフィラメント未延伸糸(120d
/48f;複屈折率△n=0.017;破断伸度234
%)を得た。
【0056】(2) 次に、上記(1)で得た未延伸糸
を実施例1の(2)と同様にして延伸処理およびタスラ
ン加工して、75d/48fのポリエステルループ毛羽
糸を得た。このポリエステルループ毛羽糸は糸長25m
m当たり6個のループ毛羽を有して、糸を構成する太デ
ニール太細斑フィラメント(b)群の平均単繊維繊度は
3.0d、細デニール太細斑フィラメント(a)群の平
均単繊維繊度は1.0dであったが、細デニール太細斑
フィラメント(a)および太デニール太細斑フィラメン
ト(b)のいずれにも5mm以下の太部が存在せず、そ
の太部長さはいずれも3cm以上であった。
を実施例1の(2)と同様にして延伸処理およびタスラ
ン加工して、75d/48fのポリエステルループ毛羽
糸を得た。このポリエステルループ毛羽糸は糸長25m
m当たり6個のループ毛羽を有して、糸を構成する太デ
ニール太細斑フィラメント(b)群の平均単繊維繊度は
3.0d、細デニール太細斑フィラメント(a)群の平
均単繊維繊度は1.0dであったが、細デニール太細斑
フィラメント(a)および太デニール太細斑フィラメン
ト(b)のいずれにも5mm以下の太部が存在せず、そ
の太部長さはいずれも3cm以上であった。
【0057】(3) 上記(2)で得たポリエステルル
ープ毛羽糸を用いて1/1平織物を製織して生機を得、
これを常法により精練リラックスした後、実施例1と同
様にして染色したところ、その濃淡の差が極めて大きく
極端な杢調を呈し、人工的で深みのない色調であった。
ープ毛羽糸を用いて1/1平織物を製織して生機を得、
これを常法により精練リラックスした後、実施例1と同
様にして染色したところ、その濃淡の差が極めて大きく
極端な杢調を呈し、人工的で深みのない色調であった。
【0058】《実施例 2》 (1) 平均粒径0.6μmの硫酸バリウムを8重量%
含有する[η]=0.65のポリエチレンテレフタレート
を使用して、紡糸速度1850m/分、油剤(糸−糸動
摩擦係数0.29)の付着量1.0重量%の条件下に紡
糸して、60d/36fの細デニールポリエステルフィ
ラメント中配向未延伸糸(単繊維繊度1.7d;複屈折
率△n=0.017;破断伸度225%)を製造した。 (2) 5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2.4モ
ル%共重合した[η]=0.65のカチオン染料可染性エ
チレンテレフタレート共重合体を使用して、紡糸速度1
900m/分、油剤(糸−糸動摩擦係数0.29)の付
着量1.0重量%の条件下に紡糸して、60d/12f
の太デニールポリエステルフィラメント中配向未延伸糸
(単繊維繊度5d;複屈折率△n=0.016;破断伸
度243%)を製造した。
含有する[η]=0.65のポリエチレンテレフタレート
を使用して、紡糸速度1850m/分、油剤(糸−糸動
摩擦係数0.29)の付着量1.0重量%の条件下に紡
糸して、60d/36fの細デニールポリエステルフィ
ラメント中配向未延伸糸(単繊維繊度1.7d;複屈折
率△n=0.017;破断伸度225%)を製造した。 (2) 5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2.4モ
ル%共重合した[η]=0.65のカチオン染料可染性エ
チレンテレフタレート共重合体を使用して、紡糸速度1
900m/分、油剤(糸−糸動摩擦係数0.29)の付
着量1.0重量%の条件下に紡糸して、60d/12f
の太デニールポリエステルフィラメント中配向未延伸糸
(単繊維繊度5d;複屈折率△n=0.016;破断伸
度243%)を製造した。
【0059】(3) 次に、上記(1)および(2)で
得た中配向未延伸糸を同時にホットローラ温度35℃で
予熱した後、延伸倍率1.68倍で延伸し、ホットロー
ラ温度120℃で熱セットして延伸処理を行った後、タ
スラン加工ノズル(ヘバーライン社製「ヘマジェット3
11」)に、両方の延伸糸を12%の過剰供給率で供給
し、エアー圧力5.0kg/cm2の条件下にタスラン
加工して、75d/48fのポリエステルループ毛羽糸
を得た。このポリエステルループ毛羽糸は糸長25mm
当たり6個のループ毛羽を有しており、糸を構成する太
デニール太細斑フィラメント(b)群の平均単繊維繊度
は3.0d、細デニール太細斑フィラメント(a)群の
平均単繊維繊度は1.0dであった。 また、このポリエステルループ毛羽糸を構成する細デニ
ール太細斑フィラメント(a)における太部の長さは1
0μm〜600μmの範囲でランダムになっており、そ
のほぼ100%が長さが5mm以下の太部であった。ま
た、太デニール太細斑フィラメント(b)群における太
部の長さは130μm〜2.5mmの範囲でランダムに
なっており、長さが1mm以下の太部の割合が太部総数
の約80%であった。
得た中配向未延伸糸を同時にホットローラ温度35℃で
予熱した後、延伸倍率1.68倍で延伸し、ホットロー
ラ温度120℃で熱セットして延伸処理を行った後、タ
スラン加工ノズル(ヘバーライン社製「ヘマジェット3
11」)に、両方の延伸糸を12%の過剰供給率で供給
し、エアー圧力5.0kg/cm2の条件下にタスラン
加工して、75d/48fのポリエステルループ毛羽糸
を得た。このポリエステルループ毛羽糸は糸長25mm
当たり6個のループ毛羽を有しており、糸を構成する太
デニール太細斑フィラメント(b)群の平均単繊維繊度
は3.0d、細デニール太細斑フィラメント(a)群の
平均単繊維繊度は1.0dであった。 また、このポリエステルループ毛羽糸を構成する細デニ
ール太細斑フィラメント(a)における太部の長さは1
0μm〜600μmの範囲でランダムになっており、そ
のほぼ100%が長さが5mm以下の太部であった。ま
た、太デニール太細斑フィラメント(b)群における太
部の長さは130μm〜2.5mmの範囲でランダムに
なっており、長さが1mm以下の太部の割合が太部総数
の約80%であった。
【0060】(4) 上記(3)で得たポリエステルル
ープ毛羽糸を用いて1/1平織物を製織して生機を得、
これを下記の表2に示す染色浴組成の染色浴を用いて下
記のようにして染色した。
ープ毛羽糸を用いて1/1平織物を製織して生機を得、
これを下記の表2に示す染色浴組成の染色浴を用いて下
記のようにして染色した。
【0061】
【表2】 染 色 浴 組 成 染 料 : Dianix Poly Navy Blue RN-E(三菱化成工業製)(分散染料) 3%owf Dianix Poly Navy Blue BG-FS(三菱化成工業製)(分散染料) 1%owf Kayacryl Red BL(日本化薬製)(カチオン染料) 2%owf助 剤 : トーホーソルト(東邦化学製) 1g/リットル 酢 酸 /リットル 浴比=1:30
【0062】生機を上記の染色浴に投入した後、1.5
℃/分の割合で浴温度を40〜110℃まで上昇させ、
110℃を保ったまま20分間染色し、次いで2℃/分
の割合で浴温度を135℃まで上昇させ、135℃を保
ったまま15分間染色した。その後染色浴の温度が30
℃になるまで生機を入れたまま冷却し、次いで浴より取
り出して水洗した。水洗後、常法により還元処理し乾燥
した後、160℃でファイナルセットを行った。
℃/分の割合で浴温度を40〜110℃まで上昇させ、
110℃を保ったまま20分間染色し、次いで2℃/分
の割合で浴温度を135℃まで上昇させ、135℃を保
ったまま15分間染色した。その後染色浴の温度が30
℃になるまで生機を入れたまま冷却し、次いで浴より取
り出して水洗した。水洗後、常法により還元処理し乾燥
した後、160℃でファイナルセットを行った。
【0063】上記で得られた染色生地は、ふくらみ感お
よび弾力性を有するウール様のタッチを有し、グレーの
濃淡色の他にブラックの濃淡色の合計4色が微細に入り
交じった微妙で深みのある杢調を呈していた。
よび弾力性を有するウール様のタッチを有し、グレーの
濃淡色の他にブラックの濃淡色の合計4色が微細に入り
交じった微妙で深みのある杢調を呈していた。
【0064】
【発明の効果】本発明のポリエステルループ毛羽糸およ
びそれからなる布帛は、3段階以上の濃淡色または3色
以上の多色相が微細に且つランダムに分散するファジー
で深みのある杢調の色調を有し、その色杢表現が極端に
強すぎたり弱過ぎたりせずに全体に微細に分布している
ために、自然で深みがあり高級感のある色調および外観
を有する。しかも、本発明のポリエステルループ毛羽糸
およびそれからなる布帛は、多数のループ毛羽を有する
ことによりふくらみ感を有している。そして、太デニー
ル太細斑フィラメント(b)に基づくループ毛羽によっ
て糸および布帛に弾力性が付与され、しかも細デニール
太細斑フィラメント(a)に基づくループ毛羽によって
糸および布帛にソフトな触感が付与される。そして、本
発明のポリエステルループ毛羽糸および布帛は、高い生
産性で簡単に製造することができる。
びそれからなる布帛は、3段階以上の濃淡色または3色
以上の多色相が微細に且つランダムに分散するファジー
で深みのある杢調の色調を有し、その色杢表現が極端に
強すぎたり弱過ぎたりせずに全体に微細に分布している
ために、自然で深みがあり高級感のある色調および外観
を有する。しかも、本発明のポリエステルループ毛羽糸
およびそれからなる布帛は、多数のループ毛羽を有する
ことによりふくらみ感を有している。そして、太デニー
ル太細斑フィラメント(b)に基づくループ毛羽によっ
て糸および布帛に弾力性が付与され、しかも細デニール
太細斑フィラメント(a)に基づくループ毛羽によって
糸および布帛にソフトな触感が付与される。そして、本
発明のポリエステルループ毛羽糸および布帛は、高い生
産性で簡単に製造することができる。
【図1】本発明のポリエステルループ毛羽糸を構成する
細デニール太細斑フィラメント(a)および太デニール
太細斑フィラメント(b)における太部の長さの測定法
を示す図である。
細デニール太細斑フィラメント(a)および太デニール
太細斑フィラメント(b)における太部の長さの測定法
を示す図である。
【図2】本発明で使用する、細デニールフィラメント群
と太デニールフィラメント群からなるデニールミックス
マルチフィラメント糸の製造に用いる紡糸口金の一例を
示す図である。
と太デニールフィラメント群からなるデニールミックス
マルチフィラメント糸の製造に用いる紡糸口金の一例を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D02G 3/22 D02G 3/22 D02J 1/00 D02J 1/00 H (56)参考文献 特開 平2−80631(JP,A) 特開 平3−137237(JP,A) 特開 昭61−19891(JP,A) 特開 平5−279933(JP,A) 特開 平4−352834(JP,A) 特開 昭59−94617(JP,A) 特開 昭62−85021(JP,A) 特公 昭51−7207(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/34 D01F 6/62 D01F 6/92 D02G 3/04 D02G 3/22 D02J 1/00
Claims (7)
- 【請求項1】 平均粒径が0.9μm以下の無機微粒子
を2〜10重量%含有する太部長さが主として5mm以
下である長さ方向に太細斑を有する細デニールポリエス
テルフィラメント(a)群、および太部長さが主として
1mm以下である長さ方向に太細斑を有する太デニール
ポリエステルフィラメント(b)群により構成され、且
つ糸長25mm当たり3個以上のループ毛羽を有するこ
とを特徴とするポリエステルループ毛羽糸。 - 【請求項2】 細デニールポリエステルフィラメント
(a)群および太デニールポリエステルフィラメント
(b)群が共に分散染料可染性である請求項1のポリエ
ステルループ毛羽糸。 - 【請求項3】 細デニールポリエステルフィラメント
(a)群および太デニールポリエステルフィラメント
(b)群の一方が分散染料可染性であり、他方がカチオ
ン染料可染性である請求項1のポリエステルループ毛羽
糸。 - 【請求項4】 細デニールポリエステルフィラメント
(a)群の平均単繊維繊度が0.5〜1.5デニールで
あり、太デニールポリエステルフィラメント(b)群の
平均単繊維繊度が1.5〜4.0デニールである請求項
1〜3のいずれか1項のポリエステルループ毛羽糸。 - 【請求項5】 太デニールポリエステルフィラメント
(b)が、平均粒径が0.9μm以下の無機微粒子を含
有するかまたは含有してない請求項1〜4のいずれか1
項のポリエステルループ毛羽糸。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項のポリエス
テルループ毛羽糸よりなる布帛。 - 【請求項7】 平均粒径が0.9μm以下の無機微粒子
を2〜10重量%含有する太部長さが主として5mm以
下である長さ方向に太細斑を有する細デニールポリエス
テルフィラメント(a)群、および太部長さが主として
1mm以下である長さ方向に太細斑を有する太デニール
ポリエステルフィラメント(b)群を乱流流体加工装置
に送って乱流流体加工して請求項1のポリエステルルー
プ毛羽糸を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5252103A JP3042947B2 (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | ポリエステルループ毛羽糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5252103A JP3042947B2 (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | ポリエステルループ毛羽糸 |
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JPH0790739A JPH0790739A (ja) | 1995-04-04 |
JP3042947B2 true JP3042947B2 (ja) | 2000-05-22 |
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JP (1) | JP3042947B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN103541102B (zh) * | 2013-10-18 | 2015-01-14 | 江苏倪家巷集团精毛纺织有限公司 | Cm800弹性精纺花呢 |
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1993
- 1993-09-16 JP JP5252103A patent/JP3042947B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0790739A (ja) | 1995-04-04 |
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