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JP3041155B2 - ルーパ制御装置 - Google Patents

ルーパ制御装置

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Publication number
JP3041155B2
JP3041155B2 JP5086217A JP8621793A JP3041155B2 JP 3041155 B2 JP3041155 B2 JP 3041155B2 JP 5086217 A JP5086217 A JP 5086217A JP 8621793 A JP8621793 A JP 8621793A JP 3041155 B2 JP3041155 B2 JP 3041155B2
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JP
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looper
control
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tension
engine speed
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JP5086217A
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JPH06297016A (ja
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成 宏 幸 今
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5086217A priority Critical patent/JP3041155B2/ja
Publication of JPH06297016A publication Critical patent/JPH06297016A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム熱間圧延機の
スタンド間に配置されたルーパの高さと圧延材のスタン
ド間張力とを同時に制御するルーパ制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延や冷間圧延における最終製品の
評価基準のひとつとして板厚および板幅がある。この板
厚や板幅は圧延中に材料にかかる張力の影響を受けるた
め、張力をある値に保つ制御が行われる。
【0003】とくに熱間圧延における圧延材料は加熱処
理されて高温になり、圧延材料の変形抵抗が小さくなっ
ているので、大きな張力がかかると材料の破断を起こし
やすくなっている。この破断を防止するために張力を小
さく設定すると、外乱や誤設定により無張力の状態にな
ることがあり、その状態が続くと圧延機スタンド間に大
きなループが発生して事故を起こすことになりかねな
い。そこで、熱間圧延機ではスタンド間にとくにルーパ
装置が設けられ、このルーパ装置によって張力制御が行
われ、また、材料の通板性を良くするという観点から同
時にルーパの高さ制御が行われる。
【0004】しかるに圧延材張力およびルーパ高さを制
御する制御装置においては、圧延材張力からルーパ高さ
への干渉、およびルーパの回転速度から張力への干渉が
生ずる。従来からのルーパ制御では、それらの干渉を抑
える手段をとくに設けることなく、PID(比例積分微
分動作)制御により圧延材張力およびルーパ高さを制御
する方式(以下、「個別制御方式」という)がとられて
いる。
【0005】これに対して前記の干渉系を多変数系とし
て扱い、それらの干渉を抑えるような非干渉化補償装置
を付加して圧延材張力およびルーパ高さを互いに独立に
制御する非干渉制御や、圧延材張力およびルーパ高さを
協調して制御するように最適制御理論(LQ)を適用す
る最適制御、LQの逆問題を解いて制御ゲインを数式で
求めることのできるILQ(逆LQ)制御、制御系のロ
バスト性を考慮することができるH∞制御などの多変数
制御が知られており、それぞれ実機に適用されている。
ここでロバスト性とは、制御系にノイズが加わったり、
制御対象が変化したりしても不安定になりにくい性質の
ことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の多変数制御は、
それぞれの特徴を活かすため圧延材張力およびルーパ角
度を検出することを前提としており、そのため張力計を
備えていない圧延機では適用困難である。また、圧延機
の第iスタンド(上流側からi番目のスタンド)と第i
+1スタンド間の張力は、圧延材の先端が第i+1スタ
ンドに噛み込まれてから、すなわち第i+1スタンド通
板の後に発生する。この通板時は外乱が非常に大きく、
第i+1スタンド通板後しばらくしないと張力計による
張力検出値が安定せず、この間、多変数制御に必要な張
力の検出値を得ることができないため、張力計を必要と
しない個別制御方式が必要になってくる。
【0007】さらに圧延材料によっては、多変数制御に
よる張力制御ではカバーしきれず、十分調整された個別
制御方式の方がむしろ良好な制御性能を示す場合もあ
り、個別制御方式はルーパを良好に制御する上で必要な
ものとなっている。
【0008】従来の個別制御方式は、すでに述べた通り
圧延材張力およびルーパ高さの相互干渉を抑える機能は
持っていないため、速応性や安定性の点で多変数制御に
劣ることがあるが、これは以下の理由によりルーパ高さ
制御の制御応答を十分上げられないことに起因してい
る。
【0009】張力およびルーパ系を伝達関数で表すと2
次の共振系を包含する形になる。2次共振系の特徴は、
共振周波数ωn および減衰定数ζで表され、ルーパ高さ
制御応答の交差角周波数が共振周波数ωn に近付くと、
この周波数の近傍で共振を起こし、減衰定数ζが小さい
と振動的になる。このためルーパ高さ制御の応答は共振
周波数ωn の1/4程度以下に制限され、減衰定数ζの
値いかんによってはさらに低く抑えなければならない。
【0010】これに対して従来からルーパ回転速度にあ
る定数を乗じて電流基準の変更値に変換したものをルー
パ電流基準値に加算し、等価的にルーパのダンピングを
大きくする考え方の方式もある。しかし、この方式では
ルーパ電動機の応答が遅くなり、圧延材の張力制御に悪
影響を与える。
【0011】本発明は前述の個別制御方式を基本として
その問題点を解決すべく、張力計を必要とせず、しかも
張力制御とルーパ高さ制御との間の相互干渉を解消し、
高精度かつ安定したルーパ制御を可能とするルーパ制御
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンデム熱間
圧延機のスタンド間に配置されたルーパの高さをルーパ
高さ目標値に一致させるべく主機速度指令値を演算し、
その主機速度指令値に従い主機速度制御手段を介してル
ーパ電動機を駆動制御するルーパ高さ制御手段と、スタ
ンド間の圧延材張力を張力目標値に一致させるべく張力
目標値およびルーパ高さに基づいてルーパ電流指令値を
演算し、そのルーパ電流指令値に従いルーパ電流制御手
段を介してルーパ電動機を駆動制御するルーパ張力制御
手段とを備えたルーパ制御装置であって、ルーパ制御系
の共振周波数を変更するための第1の主機速度変更量指
令値を演算する共振周波数変更手段と、ルーパ制御系に
おける共振周波数の変更による減衰定数の変動を補償す
るようにルーパ制御系の減衰定数を変更するための第2
の主機速度変更量指令値を演算する減衰定数変更手段
と、第1の主機速度変更量指令値と第2の主機速度変更
量指令値とを主機速度指令値に加算し新たな主機速度指
令値として主機速度制御手段に入力する手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明においては、共振周波数変更手段におい
てルーパ制御系の共振周波数を変更するための主機速度
変更量指令値を演算し、減衰定数変更手段において共振
周波数の変更による減衰定数の変動を補償するようにル
ーパ制御系の減衰定数を変更するための主機速度変更量
指令値を演算し、それら2つの主機速度変更量指令値に
より主機速度指令値を補正し新たな主機速度指令値とし
て主機速度制御装置に入力する。こうすることにより、
ルーパ制御系の制御応答を上げ、高精度かつ安定したル
ーパ制御を実施することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
さらに詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は本発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。図1において、圧延材1は上流側から数え
てi番目のスタンドの圧延機すなわち第iスタンド圧延
機2およびそれに続く第i+1スタンド圧延機3の順で
圧延される。ここでタンデム圧延機の全スタンド数をn
とすると、n=5〜7が一般的である。以下に示すルー
パ等の装置は各隣接スタンド間に設置されるが、特定の
隣接2スタンド間の挙動を考察すれば、その考察結果を
他のスタンド間の挙動にも容易に拡張適用することがで
きるので、ここでは第iスタンドおよび第i+1スタン
ド間の挙動についてのみ考察することにする。なお、i
は、1≦i≦n−1 とする。
【0015】第iスタンド圧延機2および第i+1スタ
ンド圧延機3間にルーパ4が設けられている。ルーパ4
の高さがルーパ高さ検出器5で検出される。ルーパ高さ
検出器5で検出されたルーパ高さはルーパ4のアームす
なわちルーパアームの角度に換算される。ルーパ4を駆
動するルーパ電動機6にはルーパ電流検出器9が設けら
れ、その検出値IL をルーパ電流制御手段(CC)8に
帰還させる。ルーパ電流制御手段8は、検出値IL をル
ーパ張力制御手段(LTC)10により設定される電流
指令値ILREFに追従させるように制御動作する。また、
ルーパ電動機6には速度検出器7が取り付けられてお
り、その検出信号は後述の共振周波数変更手段15およ
び減衰定数変更手段16に送出される。
【0016】両圧延スタンド間の実際の圧延材張力を張
力指令値tfREF(kg/mm2 )に追従させるような電流指
令値ILREFをルーパ張力制御手段10が次の演算式に従
って演算する。 Fo * (θ,tfREF)=g[(R1 /gL )tfREFA{sin(θ+β) −sin(θ−α)}+(R2 /gL )WS cos θ +(R3 /gL )WL cos θ]×10-3 …(1) とおいて、 ILREF=Fo * (θ,tfREF) …(2) ここで、 θ : ルーパ角度 (rad) g : 重力加速度(mm/s2 )=9.8 R1 : ルーパ回転中心からルーパロール中心までの
距離(mm) R2 : ルーパロール半径(mm) R3 : ルーパ回転中心からルーパ重心までの距離
(mm) gL : ルーパ機械とルーパ電動機の間のギア比 A : 圧延材の断面積(mm2 ) (板厚と板幅との
積) α : 第iスタンド出側でパスラインと圧延材のな
す角度 (rad) β : 第i+1スタンド入側でパスラインと圧延材
のなす角度 (rad) WS : スタンド間の圧延材の質量(kg) (圧延材
の断面積、長さ、および比重から求められる) WL : ルーパ質量(kg) (1),(2)式により、ルーパ角度θと張力指令値t
fREFが設定されれば、電流指令値をILREFを計算するこ
とができる。
【0017】一方、第iスタンドの圧延機主電動機(以
下、圧延機主電動機を主機という)11の速度VM は主
機速度制御手段(ASR)13によって制御される。主
機速度制御手段13は、主機速度検出器12によって検
出された主機速度検出値VM(後述のロール周速VR
同一次元を持つように換算した速度とする)が速度指令
値VMREFに追従するように第iスタンド主機11を電流
制御する。
【0018】ルーパ高さ検出器5で検出されたルーパ高
さに対応するルーパ角度θをルーパ高さ目標値θREF
追従させるように主機速度変更量指令値ΔVRREFをルー
パ高さ制御手段(LHC)14が演算し、それを当初の
主機速度指令値に代数的に加算し新たな主機速度指令値
として主機速度制御手段13に設定する。
【0019】共振周波数変更手段15はルーパ電動機速
度検出器7によって検出されたルーパ電動機速度ωL
入力し、ルーパ制御系の共振周波数を変更するような第
1の主機速度変更量指令値ΔVR1を演算し、また減衰定
数変更手段16は同様にルーパ電動機速度ωL を入力
し、ルーパ制御系の減衰定数を変更するような第2の主
機速度変更量指令値ΔVR2を演算し、主機速度変更量指
令値ΔVRREFと共に当初の主機速度指令値に代数的に加
算し新たな主機速度指令値として主機速度制御手段13
に設定する。
【0020】次に共振周波数および減衰定数を変更する
方法について述べる。
【0021】図2はルーパの個別制御方式の一例を記述
した制御ブロック図であり、ルーパ高さ制御の制御対象
は破線で囲まれた部分になる。
【0022】一般に制御すべきルーパ角度θと操作量で
ある主機速度VM とは非線形の関係にある。そこで、ル
ーパ角度θを、主機速度VM と線形の関係にあるスタン
ド間の圧延材ループ量LP に変換し、このループ量LP
を用いてルーパ高さ制御系を構成する。ルーパ角度θを
ループ量LP に変換する非線形の関数F2 * (θ)は
(3)式で表される。 F2 * (θ)={(L1 +R1 cos θ)/cos α} −{(L−L1 −R1 cos θ)/cos β}−L …(3) ループ量LP は、 LP =F2 * (θ) …(4) ここで、 L : スタンド間距離(mm) L1 : ルーパ回転中心から第iスタンドまでの距離
(mm) この(3),(4)式に従ってブロック17がルーパ角
度目標値θREF をループ量目標値LPREFに変換し、ブロ
ック18がルーパ角度θをループ量LP に変換する。
【0023】ループ量LP とループ量目標値LPREFとの
差すなわちループ量偏差を小さくするようにルーパ高さ
制御手段(LHC)14がロール周速変更量ΔVRREF
演算する。ルーパ高さ制御手段14はPI制御型に構成
され、制御ゲインT1 ,T2をもって表現される。
【0024】ロール周速変更量ΔVRREFは主機速度制御
系19に入力される。主機速度制御系19は主機の速度
応答を一次遅れ時定数TV (S)を用いて表され、図2
ではロール周速変更量ΔVRREFからロール周速変化分Δ
R までの伝達関数として表現されている。これは図1
におけるブロック11,12,13で構成される部分に
相当する。
【0025】ロール周速変化分ΔVR は先進率をfとし
た場合のブロック20により材料速度ΔVS (mm/s)
に変換され、ブロック21で表される積分器を通って材
料速度によるループ量変化ΔLPV(mm)になる。このル
ープ量変化ΔLPVとルーパによるループ量変化ΔLPL
の和がブロック22を通って張力変化Δtf に寄与する
分となる。なお、ブロック22中のEは圧延材料のヤン
グ率である。また、張力変化による材料速度の変化を表
すため張力フィードバック係数K10をブロック23とし
て表す。
【0026】張力tf の変化はルーパ電動機6にかかる
張力分トルクTT の変化すなわち張力分トルク変化ΔT
T として現れる。ブロック25はこれを線形表現するた
めのもので、それのための関数F3 (θ)は(5)式で
表される。 F3 (θ)=d{F3 * (θ)}/dθ …(5) ここで、 F3 * (θ)=g(R1 /gL )A{sin (θ+β) −sin (θ−α)}×10-3 …(6) 次のブロック26はルーパ電動機6に印加されるトルク
の変化分ΔTT からルーパ電動機の回転速度変化ΔωL
までの伝達関数であり、JL はルーパの慣性モーメント
である。回転速度変化ΔωL はルーパ角度変化Δθを起
こすためその表現をブロック29で行っている。また、
ブロック27のZはルーパダンピング、ブロック28は
ルーパ角度変化Δθからルーパ電動機6のトルク変化Δ
T までの伝達関数F1 (θ)を示すものであり、
(7)式で表される。 F1 (θ)=d{F1 * (θ)}/dθ …(7) ここで、 F1 * (θ)=g[(R1 /gL )WS cos θ +(R3 /gL )WL cos θ]×10-3 …(8) ルーパ角度変化Δθからループ量変化ΔLPLへの伝達関
数がブロック24であり、(9)式で表される。 F2 (θ)=d{F2 * (θ)}/dθ …(9) ただし、F2 * (θ)は(3)式によるものとする。
【0027】ルーパ張力制御手段10は線形表現する
と、Fo (θ,tfREF)/Φで表される。ここで、Φは
トルク定数(N・m/A)であり、またFo (θ,t
fREF)は(10)式で表される。 Fo (θ,tfREF)=dFo * (θ,tfREF)/dθ …(10) ただし、Fo * (θ,tfREF)は(1)式によるものと
する。
【0028】ルーパ電流制御手段8はPI動作型に構成
され、制御ゲインT1CおよびT2Cを用いて表現される。
ブロック32はサイリスタ装置ゲインKSCR を表し、ブ
ロック33はルーパ電動機電機子を表す。ここで、Ra
は電機子抵抗、Ta は電機子コンダクタンスをそれぞれ
表している。ブロック30はルーパ電流の変化がトルク
変化に変換される場合の影響係数を表しており、どちら
も同じ値であるので同一符号Φで表している。
【0029】図2のブロック8,32,33で表される
部分は図1のルーパ電動機6、ルーパ電流制御手段8、
およびルーパ電流検出器9、並びに図2のブロック2
6、ブロック27、ブロック30、およびブロック31
で表される部分に相当する。
【0030】図2で表される個別制御系のうち、ロール
周速変更量ΔVRREFからルーパ角度変化Δθまでの伝達
関数で表した場合、次の二次共振系の伝達関数G(S)
を含む。 G(S)=ωn 2 /(S2 +2ζ・ωn ・S+ωn 2 ) …(11) ここで、 共振周波数ωn =[(E/LJL ){F2 (θ)・F3 (θ) +K10Z}]1/2 (rad/s) …(12) 減衰定数 ζ =1/(2ωn )[(K10E/L) +(Z/JL )] …(13) (12)式において、共振周波数を変更するためには右
辺の各パラメータE,L,JL ,F2 ,F3 ,K10およ
びZのうちの少なくとも一つを変更できればよいことが
分かる。しかし以下に示すように、それらのパラメータ
はF2 およびZが間接的に変更可能である以外はルーパ
の制御系に固有の値を持つものであり、それらの値を直
接変更することはできない。
【0031】図3に(12)式の右辺中のF2 (θ)を
等価的に変更する手段を示す。図3においてブロック3
4は図2のブロック20の符号を変えただけのものであ
り、ブロック35および36は図1のブロック21,2
2,24を等価変換したものである。ブロック37は図
1におけるブロック10および30をまとめて表現した
ものであり、ブロック38は図1においてブロック8,
31,32,33で表されるルーパ電流制御系を一次遅
れ時定数TCCを用いて表現したものである。
【0032】図3のブロック39におけるK1 はルーパ
制御系に固有の値を有するブロック36の関数F
2 (θ)と並列に入れた定数制御ゲインであり、このゲ
インK1 を入れることにより等価的に関数F2 (θ)を
変更することができるようにしている。
【0033】ここで共振周波数は次のように変化する。 共振周波数ωn =[(E/LJL ){(F2 (θ)+K1 )・F3 (θ) +K10Z}]1/2 (rad/s) …(14) 一方、図3にブロック27で示されているルーパダンピ
ングZを間接的に変更する方法として、Zと並列にブロ
ック40の補正係数τを加えるが、実際はトルクを直接
変更することはできないので、τ・ΔωL を電流基準の
変更値に換算してルーパ電流基準値に加算することによ
り、等価的にルーパのダンピングを大きくする方法がと
られている。しかし、この方法ではルーパ電動機の応答
が遅くなり、圧延材の張力制御に悪影響を与えるため好
ましくない。
【0034】上記のように関数F2 (θ)を等価的に変
更することが共振周波数の変更に対して有効ではある
が、材料速度VS を直接的に変更することは不可能であ
り、ロール周速VR を介して材料速度VS を変更する。
【0035】図4における共振周波数変更手段15は、
図3におけるブロック39をそれと同様の機能を有し、
かつ制御をより実際的に実現できるように変更したもの
である。図4におけるブロック15の関数K1 * と図3
におけるブロック39の関数K1 との関係は、過渡応答
を無視すれば、(15)式で表される。 K1 * =K1 /(1+f) …(15) ここで、fは先進率であり、正確な値は分からないた
め、関数K1 * は実圧延機で調整すべき値である。
【0036】さて、一般に共振周波数ωn の大きい方
が、ルーパ高さ制御系の応答を速くすることができるた
め、望ましい。ところが、(13)式からして共振周波
数ωnを大きくすると減衰定数ζが小さくなり、ルーパ
高さ制御系が振動的になる。このため、共振周波数ωn
を大きくする場合は、それに応じて減衰定数ζも大きく
する方策を講じた方がルーパ制御にとっては安定性が増
すことになる。そこで、図1に示す減衰定数変更手段1
6を以上の考え方に従って構成した具体例を以下に示
す。
【0037】減衰定数ζを大きくする方法の一つとし
て、特公平3−10406号公報「電動ルーパの制御装
置」に示されている方法がある。これは図4のブロック
41および42に示すように、ルーパ回転速度ΔωL
ブロック41で微分し、ブロック42で定数K2 を乗ず
るものである。この方法により減衰定数ζを実質的に大
きくすることができる。
【0038】図5は図1において共振定数変更手段15
および減衰定数変更手段16の出力がともになし、すな
わちΔVR1=0、かつ、ΔVR2=0 とした場合につい
て、図2の主機速度変更量ΔVRREFからルーパ角度Δθ
までの周波数応答を示すものである。これは図4におい
て、K1 * =0,K2 =0 とした場合に相当する。同
図(a)はゲイン線図を、(b)は位相線図をそれぞれ
示すものである。これによると、共振周波数は約4rad/
s であり、ルーパ高さ制御の応答も、4rad/sの1/4
程度以下に抑えられているこいとが分かる。
【0039】図6は図1における共振周波数変更手段1
5の出力ΔVR1を活かし、かつ、減衰定数変更手段16
の出力なし、すなわちΔVR2=0とした場合について、
図2の主機速度変更量ΔVRREFからルーパ角度Δθまで
の周波数応答を示すものである。これは、図4におい
て、K1 * >0,K2 =0とした場合に相当する。図6
(a)はゲイン線図、(b)は位相線図をそれぞれ示す
ものである。図6によれば、共振周波数は約8rad/s と
なり、図5の場合より高くなっている。このためルーパ
高さ制御の応答を図5の場合より速くすることができ
る。しかし、減衰定数も小さくなるため周波数8rad/s
付近のピーク突出量は図5における突出量よりやや大き
くなっている。
【0040】図7は図1における共振周波数変更手段1
5の出力ΔVR1を活かし、かつ、減衰定数変更手段16
の出力ΔVR2も活かした場合について、図2の主機速度
変更量ΔVRREFからルーパ角度Δθまでの周波数応答を
示すものである。これは図4において、K1 * >0,K
2 >0 とした場合に相当する。図7(a)はゲイン線
図、(b)は位相線図をそれぞれ示すものである。図7
によれば、共振周波数は約8rad/s で、図6の場合と変
わらないが、減衰定数が大きくなるため、周波数8rad/
s 付近のピーク突出量はほとんど無くなっており、振動
しにくくなっている。 (第2の実施例)減衰定数を大きくする方法として、特
公平3−10406号公報に開示されている方法を示し
たが、この方法では図4のブロック41に示すようにル
ーパ回転速度の微分値を使用する。しかし、実際上、完
全微分を達成することは困難であり、ブロック41は
(16)式のような不完全微分で行われることが多い。 S/(1+TD ・S) …(16) (16)式は本来の微分の近似であるため、精度劣化の
影響があり、また実際の測定値に含まれるノイズを増長
する結果となるため、微分を用いることは好ましくない
場合もある。
【0041】そこで、減衰定数を変更する別の方法とし
て、図8に示すように、ルーパ電流検出器9によって検
出されたルーパ電動機電流IL に基づいてルーパトルク
推定手段43により推定したトルクを減衰定数変更手段
16に入力し、上記と同等の効果を得ることができる。
【0042】図9は図8の機能ブロック図を伝達関数の
形に表現した図であり、ルーパトルク変化分ΔTLPにブ
ロック44で表されるK2 /JL を乗じて主機速度変更
量指令値ΔVR2を演算している。ブロック44は図1の
減衰定数変更手段16の別の実現手段である。
【0043】図8のルーパトルク推定手段43における
ルーパトルクTLPの推定は、ルーパ電動機電流IL およ
びトルク定数Φを用いて次のように行う。 TLP=Φ・IL …(17) ルーパトルクの変化分ΔTLPは、ルーパ4に対してルー
パ電動機6から与えられるトルクTL から、張力目標値
分の張力によるトルクTT 、スタンド間板重量によるト
ルクTW 、およびルーパの自重によるトルクTM を差し
引いて求められる。 ΔTLP=TL −(TT +TW +TM ) …(18) TT =F3 * (θREF ,tfREF)/Φ …(19) ただし、F3 * は(5)式による。 TW +TM =F1 * (θREF )/Φ …(20) ただし、F1 * は(8)式による。
【0044】図9において、K1 * =0,K2 >0(K
2 は図7のK2 と同一値)とした場合につき、図9の主
機速度変更量ΔVRREFからルーパ角度Δθまでの周波数
応答を図10に示す。図10(a)はゲイン線図、
(b)は位相線図である。これは図5において、K2
0、すなわち減衰定数変更手段16の出力のみを活かし
た場合に相当する。図5と比較して減衰定数が大きくな
るため、周波数8rad/s 付近のピーク突出量がほとんど
無くなっており、振動しにくくなっていることが分か
る。 (第3の実施例)これに対してルーパ機械あるいはルー
パ電動機に対して加速度計が設置されている場合は、そ
れによって得られた加速度信号を利用することができ
る。ルーパ電動機の加速度を表す加速度信号が得られる
場合、図4においてブロック42の入力信号としてブロ
ック41の出力の代わりにルーパ電動機の加速度信号を
使用する。その場合、図4においてブロック42の入力
信号としてブロック41の出力の代わりに、ルーパ機械
の加速度信号にルーパギア比を乗じたものを使用すれば
よい。
【0045】以上3つの実施例について本発明を説明し
たが、減衰定数変更手段の実現手段としては、ルーパ装
置に設置されている検出器の種類やその精度などによっ
て3つの方式を適宜使い分けることも可能である。例え
ば、加速度計ないし速度計としていかなる種類のものが
設けられているか、あるいは加速度計の検出精度が悪い
ときには速度検出値を微分したものを加速度値として用
いることができる。
【0046】また上記実施例では4重圧延機を例示して
説明したが、本発明はそれと異なる圧延機に対しても適
用可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、熱間圧延におけるルー
パ高さと張力の制御を、特別に干渉制御手段を設けるこ
となく実施する場合において、共振周波数および減衰定
数を変更してルーパ制御系の制御応答を上げ、高精度か
つ安定したルーパ制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるルーパ制御装置の
全体構成を示すブロック図。
【図2】張力制御およびルーパ制御を干渉抑制策なしの
制御の下で行われる場合の動作を説明するためにルーパ
制御系の構成を伝達関数で示した図。
【図3】共振周波数の変更の原理を示すためにルーパ制
御系の構成を伝達関数で示した図。
【図4】本発明の第1の実施例によるルーパ制御装置の
詳細構成を示すブロック図。
【図5】干渉抑制策なしの場合の動作を説明するために
主機速度変更量からルーパ角度変化への周波数応答を示
す線図。
【図6】第1の実施例の動作を説明するために主機速度
変更量からルーパ角度変化への周波数応答を示す線図。
【図7】第1の実施例の動作を説明するために主機速度
変更量からルーパ角度変化への周波数応答を示す線図。
【図8】本発明の第2の実施例によるルーパ制御装置の
全体構成を示すブロック図。
【図9】第2の実施例によるルーパ制御装置の詳細な構
成を示すブロック図。
【図10】第2の実施例の動作を説明するために主機速
度変更量からルーパ角度変化への周波数応答を示す線
図。
【符号の説明】
1 圧延材 2 第iスタンド圧延機 3 第i+1スタンド圧延機 4 ルーパ 5 ルーパ高さ検出器 6 ルーパ電動機 7 回転速度検出器 8 ルーパ電動機電流制御手段 9 ルーパ電動機電流検出器 10 ルーパ張力制御手段 11 第iスタンド主機 12 主機速度検出装置 13 主機速度制御装置 14 ルーパ高さ制御手段 15 共振周波数変更手段 16 減衰定数変更手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンデム熱間圧延機のスタンド間に配置さ
    れたルーパの高さをルーパ高さ目標値に一致させるべく
    主機速度指令値を演算し、その主機速度指令値に従い主
    機速度制御手段を介してルーパ電動機を駆動制御するル
    ーパ高さ制御手段と、スタンド間の圧延材張力を張力目
    標値に一致させるべく張力目標値およびルーパ高さに基
    づいてルーパ電流指令値を演算し、そのルーパ電流指令
    値に従いルーパ電流制御手段を介してルーパ電動機を駆
    動制御するルーパ張力制御手段とを備えたルーパ制御装
    置であって、 ルーパ制御系の共振周波数を変更するための第1の主機
    速度変更量指令値を演算する共振周波数変更手段と、 ルーパ制御系における共振周波数の変更による減衰定数
    の変動を補償するようにルーパ制御系の減衰定数を変更
    するための第2の主機速度変更量指令値を演算する減衰
    定数変更手段と、 第1の主機速度変更量指令値および第2の主機速度変更
    量指令値により主機速度指令値を補正し新たな主機速度
    指令値として前記主機速度制御手段に入力する手段とを
    設けたことを特徴とするルーパ制御装置。
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