JP3032029B2 - 繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及び装置 - Google Patents
繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及び装置Info
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- JP3032029B2 JP3032029B2 JP3055845A JP5584591A JP3032029B2 JP 3032029 B2 JP3032029 B2 JP 3032029B2 JP 3055845 A JP3055845 A JP 3055845A JP 5584591 A JP5584591 A JP 5584591A JP 3032029 B2 JP3032029 B2 JP 3032029B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続繊維に熱可塑性樹
脂を含浸した繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及
び装置に関する。
脂を含浸した繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】繊維に熱可塑性樹脂を熱溶
融含浸させて繊維補強熱可塑性樹脂シートを製造する方
法としては、特開平1−61561号公報に記載のごと
き、繊維シートを、熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱さ
れ、且つ該熱可塑性樹脂塗膜を有するベルトを含む一対
のベルト間に通して、熱可塑性樹脂を含浸させる方法が
公知である。
融含浸させて繊維補強熱可塑性樹脂シートを製造する方
法としては、特開平1−61561号公報に記載のごと
き、繊維シートを、熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱さ
れ、且つ該熱可塑性樹脂塗膜を有するベルトを含む一対
のベルト間に通して、熱可塑性樹脂を含浸させる方法が
公知である。
【0003】しかしながら、前記特開平1−61561
号公報に記載の方法では、熱可塑性樹脂をベルト上に押
出機に連結したフィルム形成ダイより、薄いフィルム状
にして供給するので、特に、溶融温度が340℃以上の
超耐熱性熱可塑性樹脂の場合、薄いフィルム状に加工す
る際に、樹脂ゲル化物、樹脂の熱劣化分解生成物等の固
形状異物、樹脂の熱分解ガスによる気泡等がフィルム内
に発生し、繊維を含浸させる工程で、繊維の含浸不良の
原因となり問題である。また、超耐熱性熱可塑性樹脂を
溶融して押し出す場合、押出機の運転温度は400℃を
越える様な条件となり、長時間運転を行う場合、押出機
内の樹脂滞留部分が熱分解し、それが原因になり正常な
製膜が不可能になり、連続運転時間が短縮される等の制
約がある。
号公報に記載の方法では、熱可塑性樹脂をベルト上に押
出機に連結したフィルム形成ダイより、薄いフィルム状
にして供給するので、特に、溶融温度が340℃以上の
超耐熱性熱可塑性樹脂の場合、薄いフィルム状に加工す
る際に、樹脂ゲル化物、樹脂の熱劣化分解生成物等の固
形状異物、樹脂の熱分解ガスによる気泡等がフィルム内
に発生し、繊維を含浸させる工程で、繊維の含浸不良の
原因となり問題である。また、超耐熱性熱可塑性樹脂を
溶融して押し出す場合、押出機の運転温度は400℃を
越える様な条件となり、長時間運転を行う場合、押出機
内の樹脂滞留部分が熱分解し、それが原因になり正常な
製膜が不可能になり、連続運転時間が短縮される等の制
約がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した従来
技術が持っている欠点が解決された繊維補強熱可塑性樹
脂シートを得るものである。即ち、本発明に係る繊維補
強熱可塑性樹脂シートの製造方法は、熱可塑性樹脂微粉
末を補強繊維に熱溶融含浸し、繊維補強熱可塑性樹脂シ
ートを製造する方法において、下記構成を有する微粉末
樹脂供給部から供給される熱可塑性樹脂微粉末を振動さ
せることにより下ベルト表面に均一の厚みで供給した
後、熱溶融させて補強繊維に含浸させることを特徴とす
る。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機を有してなる微粉末樹脂供給部。また、本発明に繊
維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法の好ましい実施態
様は、熱可塑性樹脂微粉末の平均粒径が300μm以
下であること、補強繊維が連続繊維であること、を特
徴とする。
技術が持っている欠点が解決された繊維補強熱可塑性樹
脂シートを得るものである。即ち、本発明に係る繊維補
強熱可塑性樹脂シートの製造方法は、熱可塑性樹脂微粉
末を補強繊維に熱溶融含浸し、繊維補強熱可塑性樹脂シ
ートを製造する方法において、下記構成を有する微粉末
樹脂供給部から供給される熱可塑性樹脂微粉末を振動さ
せることにより下ベルト表面に均一の厚みで供給した
後、熱溶融させて補強繊維に含浸させることを特徴とす
る。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機を有してなる微粉末樹脂供給部。また、本発明に繊
維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法の好ましい実施態
様は、熱可塑性樹脂微粉末の平均粒径が300μm以
下であること、補強繊維が連続繊維であること、を特
徴とする。
【0005】さらに本発明に係る繊維補強熱可塑性樹脂
シートの製造装置は、熱可塑性樹脂を補強繊維に熱溶融
含浸し、繊維補強熱可塑性樹脂シートを製造する装置に
おいて、熱可塑性樹脂微粉末を振動させることにより下
ベルト表面に均一の厚みで供給する下記構成の微粉末樹
脂供給部を有することを特徴とする。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機を有してなる微粉末樹脂供給部。
シートの製造装置は、熱可塑性樹脂を補強繊維に熱溶融
含浸し、繊維補強熱可塑性樹脂シートを製造する装置に
おいて、熱可塑性樹脂微粉末を振動させることにより下
ベルト表面に均一の厚みで供給する下記構成の微粉末樹
脂供給部を有することを特徴とする。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機を有してなる微粉末樹脂供給部。
【0006】尚、本発明において粒径とは、球形にあっ
てはその直径をいい、球形以外の形状の場合は、その投
影面積を円形に換算して求めたものである。
てはその直径をいい、球形以外の形状の場合は、その投
影面積を円形に換算して求めたものである。
【0007】
【発明の詳細な開示】本発明に於て使用する補強繊維と
は、繊維を構成するフィラメントの集合体であるロービ
ング、ヤーン、トウという名称で知られているものを単
独で又は複数用いるもので、フィラメントが充分に長く
て、使用する条件で溶融熱可塑性樹脂塗膜に接して引っ
張るのに充分な強さを有するものである。好ましい材料
としては、ガラス繊維、炭素繊維が挙げられるが、無機
繊維の炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン繊維、ボ
ロン繊維及びステンレス繊維等の金属繊維を用いること
が出来る。
は、繊維を構成するフィラメントの集合体であるロービ
ング、ヤーン、トウという名称で知られているものを単
独で又は複数用いるもので、フィラメントが充分に長く
て、使用する条件で溶融熱可塑性樹脂塗膜に接して引っ
張るのに充分な強さを有するものである。好ましい材料
としては、ガラス繊維、炭素繊維が挙げられるが、無機
繊維の炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン繊維、ボ
ロン繊維及びステンレス繊維等の金属繊維を用いること
が出来る。
【0008】前記ガラス繊維や炭素繊維は、使用する熱
可塑性樹脂に合わせて樹脂との密着性を向上させるため
に繊維表面にシラン系やチタン系のカップリング剤等の
表面処理剤を塗布することが好ましい。また、ロービン
グやトウが取扱時にほぐれないように集束剤を用いるこ
とは取扱上好ましい。
可塑性樹脂に合わせて樹脂との密着性を向上させるため
に繊維表面にシラン系やチタン系のカップリング剤等の
表面処理剤を塗布することが好ましい。また、ロービン
グやトウが取扱時にほぐれないように集束剤を用いるこ
とは取扱上好ましい。
【0009】本発明において連続繊維は、複数本が、例
えば機械方向の一方向に並列に配置され、お互いに交叉
しないように制御されて巾方向に広げられ、適当な厚み
に調整されてシート状に形成される。具体的には連続繊
維は複数のボビンに巻かれており、各々のボビンから適
当な張力をかけながら繊維が繰り出され、機械方向の適
当な巾で一列にふるいの目のごとき形状を有した整列機
を通してシート状に配列されることが好ましい。
えば機械方向の一方向に並列に配置され、お互いに交叉
しないように制御されて巾方向に広げられ、適当な厚み
に調整されてシート状に形成される。具体的には連続繊
維は複数のボビンに巻かれており、各々のボビンから適
当な張力をかけながら繊維が繰り出され、機械方向の適
当な巾で一列にふるいの目のごとき形状を有した整列機
を通してシート状に配列されることが好ましい。
【0010】シートの厚みは用いた繊維の太さにも依存
するが、ロービングやトウの巾方向の配列、密度によっ
て制御出来る。厚み精度は含浸状態のバラツキに影響す
るため、目標厚みに対して±10%以内が好ましい。特
に厚みは10μmから1000μmの間であれば、繊維
の破断もなく、含浸性が良好でボイドが少なく、成形欠
陥が生じない。かくして得られたシートは各ロービング
やトウが交叉しないように各ロービングやトウにも均一
な張力が付与されることが必要である。
するが、ロービングやトウの巾方向の配列、密度によっ
て制御出来る。厚み精度は含浸状態のバラツキに影響す
るため、目標厚みに対して±10%以内が好ましい。特
に厚みは10μmから1000μmの間であれば、繊維
の破断もなく、含浸性が良好でボイドが少なく、成形欠
陥が生じない。かくして得られたシートは各ロービング
やトウが交叉しないように各ロービングやトウにも均一
な張力が付与されることが必要である。
【0011】次に該シートに耐熱性熱可塑性樹脂を含浸
するに於て、用いられる耐熱性熱可塑性樹脂は、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
イミド等があるが、これらに限定されない。これらの樹
脂は平均粒径500μm以下、好ましくは、300μm
以下であることが望ましく、この粒径以下で製造出来な
い場合は、機械粉砕処理を行う必要がある。これらの樹
脂を用いる場合、予め乾燥を行うのが好ましい。
するに於て、用いられる耐熱性熱可塑性樹脂は、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
イミド等があるが、これらに限定されない。これらの樹
脂は平均粒径500μm以下、好ましくは、300μm
以下であることが望ましく、この粒径以下で製造出来な
い場合は、機械粉砕処理を行う必要がある。これらの樹
脂を用いる場合、予め乾燥を行うのが好ましい。
【0012】耐熱性熱可塑性樹脂は微粉末状で、加熱さ
れた下ベルトの表面に供給される。微粉末樹脂は、凝集
して流動しなくなり易いので連続的に振動を与えて凝集
を防止する機構を備える必要がある。微粉末樹脂を下ベ
ルト表面に供給する手段としては、下記する構成の微粉
末樹脂供給部によって行われる。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機と、を有してなる構成である。下ベルト表面への供
給は、繊維シートと同じ巾で均一な厚みに成るように行
われることが必要で、その厚みは繊維シートの厚みに対
応しており、最終的に得られた繊維補強シート中の樹脂
含有率の目標設定によって実験的に決められる値である
が、樹脂含有量に大きく影響するために、設定厚みに対
して±10%が好ましく、更に好ましくは±5%以内で
ある。
れた下ベルトの表面に供給される。微粉末樹脂は、凝集
して流動しなくなり易いので連続的に振動を与えて凝集
を防止する機構を備える必要がある。微粉末樹脂を下ベ
ルト表面に供給する手段としては、下記する構成の微粉
末樹脂供給部によって行われる。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機と、を有してなる構成である。下ベルト表面への供
給は、繊維シートと同じ巾で均一な厚みに成るように行
われることが必要で、その厚みは繊維シートの厚みに対
応しており、最終的に得られた繊維補強シート中の樹脂
含有率の目標設定によって実験的に決められる値である
が、樹脂含有量に大きく影響するために、設定厚みに対
して±10%が好ましく、更に好ましくは±5%以内で
ある。
【0013】かくして繊維シートは樹脂塗膜を付与され
た下ベルトを介してロールに圧接され、繊維に樹脂の含
浸が開始される。樹脂塗膜が繊維シートを構成するフィ
ラメント間を通り、繊維シートの裏面まで達することに
よって含浸が達成される。
た下ベルトを介してロールに圧接され、繊維に樹脂の含
浸が開始される。樹脂塗膜が繊維シートを構成するフィ
ラメント間を通り、繊維シートの裏面まで達することに
よって含浸が達成される。
【0014】樹脂を塗布された繊維シートは、次いで上
下ベルトに挟まれた状態で例えば1個又は2個以上の加
熱ロールに圧接され含浸を向上させた後、含浸装置部分
から引き出される。これらの加熱ロールの温度は含浸さ
れる樹脂の軟化点以上である。本明細書において軟化点
とはメルトインデックス測定機を用いて荷重5kgで測
定し得る最低の温度をいう。このようにして得られた繊
維シートの繊維含有率は通常60〜90重量%である。
下ベルトに挟まれた状態で例えば1個又は2個以上の加
熱ロールに圧接され含浸を向上させた後、含浸装置部分
から引き出される。これらの加熱ロールの温度は含浸さ
れる樹脂の軟化点以上である。本明細書において軟化点
とはメルトインデックス測定機を用いて荷重5kgで測
定し得る最低の温度をいう。このようにして得られた繊
維シートの繊維含有率は通常60〜90重量%である。
【0015】次に本発明の詳細を図面に示した代表的実
施例にて説明する。
施例にて説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施態様を示す概略側
面図である。
面図である。
【0017】図1に示すごとく、本発明法を実施するた
めの製造装置は繊維繰り出し部1、供給部2、樹脂含浸
部3、および引き取り部4とから成る。
めの製造装置は繊維繰り出し部1、供給部2、樹脂含浸
部3、および引き取り部4とから成る。
【0018】繊維繰り出し部1は、架台6に取り付けら
れた複数のボビン7に巻かれた連続繊維8を必要な繊維
数だけ繰り出す機能を有するものである。連続繊維8は
ガイドロール9で水平に並べられ、整列機10により任
意繊維間隔及び任意の厚みに整列されて繊維シート11
を形成する。整列機10は額縁状の枠に多数の鋼線を張
ったもので、連続繊維8は該鋼線の間隙を一本ずつ通る
ことにより整列させられる。
れた複数のボビン7に巻かれた連続繊維8を必要な繊維
数だけ繰り出す機能を有するものである。連続繊維8は
ガイドロール9で水平に並べられ、整列機10により任
意繊維間隔及び任意の厚みに整列されて繊維シート11
を形成する。整列機10は額縁状の枠に多数の鋼線を張
ったもので、連続繊維8は該鋼線の間隙を一本ずつ通る
ことにより整列させられる。
【0019】次に繊維シート11はブレーキ12を有す
る張力調整ロール13により巾全体に亘り均一な張力に
制御され、樹脂含浸部3に供給される。張力調整ロール
13の表面は摩擦抵抗による張力調整が行い易いように
材質としてゴム等を用いることが好ましい。張力は特に
規制は無く、繊維シート11が樹脂含浸部3の含浸過程
において繊維間の乱れが無い程度であればよい。繊維シ
ート11は樹脂含浸部3に入る。一方、貯蔵タンク5か
ら搬送されてきた微粉末熱可塑性樹脂は、微粉末樹脂供
給部14に導かれる。微粉末樹脂供給部14の概略図を
図2に示したが、供給トレー30は、水平線に対して1
5〜20°傾けて、板バネ32を介し架台31に固定さ
れており、供給トレー30の後部中央は、該トレーを上
下に±1mmの範囲で連続的に振動させることのできる
振盪機に接続されている。振盪は毎分1000〜300
0回の加振動能力を持っていることが好ましい。供給ト
レー30と下ベルト15の間隙は使用する微粉末樹脂の
粒度分布及びベルト速度により変えなければならないが
通常は0.1〜0.5mmの範囲で調整する。微粉末樹
脂は貯蔵タンク5より定量供給装置34より供給トレー
30に導かれ、更に供給トレーを通常毎分1200回の
割合で振動させることにより、微粉末樹脂を繊維シート
巾に等しい巾で下ベルト15上に供給される。供給され
た該樹脂は、加熱ロール23の熱で溶融して樹脂膜が形
成される。繊維シート11は、下ベルト15を介して加
熱ロール17に圧接されて該樹脂を含浸し、次いで上ベ
ルト16を介して加熱ロール18に、さらに下ベルト1
5を介して加熱ロール19に圧接され樹脂の含浸を完全
に行わせしめる。加熱ロール17、18、19、20、
21、22、及び23は使用する熱可塑性樹脂の溶融粘
度に応じた温度に加熱されており、加熱方法としては伝
熱ヒーター又は誘導加熱ロール等が適している。尚、ロ
ール24、25はベルトの張力を調整するものであり、
加熱する必要はない。ロール17と20、ロール18と
21、ロール19と22の各々向き合う一対のロールは
その間隔を調整することが出来る機構が付属しており、
使用する補強繊維の種類、補強繊維の含有率に応じて間
隔を変えることができる。
る張力調整ロール13により巾全体に亘り均一な張力に
制御され、樹脂含浸部3に供給される。張力調整ロール
13の表面は摩擦抵抗による張力調整が行い易いように
材質としてゴム等を用いることが好ましい。張力は特に
規制は無く、繊維シート11が樹脂含浸部3の含浸過程
において繊維間の乱れが無い程度であればよい。繊維シ
ート11は樹脂含浸部3に入る。一方、貯蔵タンク5か
ら搬送されてきた微粉末熱可塑性樹脂は、微粉末樹脂供
給部14に導かれる。微粉末樹脂供給部14の概略図を
図2に示したが、供給トレー30は、水平線に対して1
5〜20°傾けて、板バネ32を介し架台31に固定さ
れており、供給トレー30の後部中央は、該トレーを上
下に±1mmの範囲で連続的に振動させることのできる
振盪機に接続されている。振盪は毎分1000〜300
0回の加振動能力を持っていることが好ましい。供給ト
レー30と下ベルト15の間隙は使用する微粉末樹脂の
粒度分布及びベルト速度により変えなければならないが
通常は0.1〜0.5mmの範囲で調整する。微粉末樹
脂は貯蔵タンク5より定量供給装置34より供給トレー
30に導かれ、更に供給トレーを通常毎分1200回の
割合で振動させることにより、微粉末樹脂を繊維シート
巾に等しい巾で下ベルト15上に供給される。供給され
た該樹脂は、加熱ロール23の熱で溶融して樹脂膜が形
成される。繊維シート11は、下ベルト15を介して加
熱ロール17に圧接されて該樹脂を含浸し、次いで上ベ
ルト16を介して加熱ロール18に、さらに下ベルト1
5を介して加熱ロール19に圧接され樹脂の含浸を完全
に行わせしめる。加熱ロール17、18、19、20、
21、22、及び23は使用する熱可塑性樹脂の溶融粘
度に応じた温度に加熱されており、加熱方法としては伝
熱ヒーター又は誘導加熱ロール等が適している。尚、ロ
ール24、25はベルトの張力を調整するものであり、
加熱する必要はない。ロール17と20、ロール18と
21、ロール19と22の各々向き合う一対のロールは
その間隔を調整することが出来る機構が付属しており、
使用する補強繊維の種類、補強繊維の含有率に応じて間
隔を変えることができる。
【0020】2個のロール19、22はモーター26に
より駆動され各ロールは同一周速で回転し上下ベルトは
これらのロールの回転により搬送される。
より駆動され各ロールは同一周速で回転し上下ベルトは
これらのロールの回転により搬送される。
【0021】次いで、このようにして得られた繊維補強
熱可塑性樹脂シートは引き取り部4の引き取りロール2
7で張力をかけながら引き取られ、巻き取り軸28に巻
き取られる。29は引き取りロール27と巻き取り軸2
9の駆動モーターである。
熱可塑性樹脂シートは引き取り部4の引き取りロール2
7で張力をかけながら引き取られ、巻き取り軸28に巻
き取られる。29は引き取りロール27と巻き取り軸2
9の駆動モーターである。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0023】実施例1 図1に示した装置の各部の仕様がボビン数100個、押
出機30mmφロール17〜25の巾400mm、ロー
ル径240mm、上下ベルト15、16の厚み0.6m
m、巾350mmのものを用いた。熱ロール17と2
3、18と21、及び19と22の間隔を調整して、上
ベルトと下ベルトの間隙を0.25mmにした。連続繊
維は炭素繊維(フィラメント径7μm、6000本集
束:東レT−300)を用い、微粉末熱可塑性樹脂とし
て平均粒径50μmに粉砕したポリエーテルエーテルケ
トン樹脂(ICI社製VICTREX 150P)を用
いた。前記100個のボビンから繰り出された連続繊維
を整列させて200mm巾の繊維シートと成した。一
方、微粉末樹脂供給部14に供給された微粉末ポリエー
テルエーテルケトン樹脂を400℃に加熱されたロール
23上を2m/分の速度で移動する下ベルト表面に44
g/分の割合で繊維シートと等しい巾で供給した。10
0kgの張力をかけられた前記繊維シートは、上下ベル
ト15、16に挟まれた状態で400℃に加熱されたロ
ール17〜22間を図1に示した状態で通過させて繊維
シート内にポリエーテルエーテルケトン樹脂を含浸さし
め、巻き取りロール34に繊維補強熱可塑性樹脂シート
を巻き上げた。このようにして得られた繊維補強熱可塑
性樹脂シートの繊維含有率は62容量%で含浸性は良好
であった。運転は24時間連続して行ったが、樹脂の熱
劣化などの問題も発生せず順調に運転することができ
た。
出機30mmφロール17〜25の巾400mm、ロー
ル径240mm、上下ベルト15、16の厚み0.6m
m、巾350mmのものを用いた。熱ロール17と2
3、18と21、及び19と22の間隔を調整して、上
ベルトと下ベルトの間隙を0.25mmにした。連続繊
維は炭素繊維(フィラメント径7μm、6000本集
束:東レT−300)を用い、微粉末熱可塑性樹脂とし
て平均粒径50μmに粉砕したポリエーテルエーテルケ
トン樹脂(ICI社製VICTREX 150P)を用
いた。前記100個のボビンから繰り出された連続繊維
を整列させて200mm巾の繊維シートと成した。一
方、微粉末樹脂供給部14に供給された微粉末ポリエー
テルエーテルケトン樹脂を400℃に加熱されたロール
23上を2m/分の速度で移動する下ベルト表面に44
g/分の割合で繊維シートと等しい巾で供給した。10
0kgの張力をかけられた前記繊維シートは、上下ベル
ト15、16に挟まれた状態で400℃に加熱されたロ
ール17〜22間を図1に示した状態で通過させて繊維
シート内にポリエーテルエーテルケトン樹脂を含浸さし
め、巻き取りロール34に繊維補強熱可塑性樹脂シート
を巻き上げた。このようにして得られた繊維補強熱可塑
性樹脂シートの繊維含有率は62容量%で含浸性は良好
であった。運転は24時間連続して行ったが、樹脂の熱
劣化などの問題も発生せず順調に運転することができ
た。
【0024】実施例2 ポリエーテルエーテルケトンの代わりに、30μmの平
均粒径を持つポリイミド樹脂(三井東圧化学製 NEW
−TPI)を使用し、炭素繊維は(フィラメント径5μ
m、12000本集束:東レ製 T−800H)を使用
する以外は実施例1と同様にして繊維補強熱可塑性樹脂
シートを製造した。このようにして得られたシートは、
繊維含有率58容量%で含浸性は良好であった。
均粒径を持つポリイミド樹脂(三井東圧化学製 NEW
−TPI)を使用し、炭素繊維は(フィラメント径5μ
m、12000本集束:東レ製 T−800H)を使用
する以外は実施例1と同様にして繊維補強熱可塑性樹脂
シートを製造した。このようにして得られたシートは、
繊維含有率58容量%で含浸性は良好であった。
【0025】比較例 実施例1と同様の装置を使用したが、微粉末樹脂供給部
14を使用せずに、その代わりに、該供給部14の位置
に押出機に接続されたコートハンガーダイを装着し、押
出機から380℃に加熱溶融されたポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂をコートハンガーダイから、400℃に加
熱されたロール23上を2m/分の速度で移動する下ベ
ルト上に、繊維シートの巾に等しい巾で厚さ90μmで
塗布した以外は、実施例1と同様な方法で運転を行っ
た。運転を開始して3時間後から、熱劣化の結果生じた
ゲル化物がダイから塗膜上に押し出されてくるようにな
った。運転開始後6時間したところでゲル化物がコート
ハンガイーダイのリップに詰まり塗膜が形成出来なくな
り、それ以上の運転が不可能となった。運転開始から3
時間目までの繊維補強熱可塑性樹脂シートは、繊維含有
率が63容量%で含浸性は良好であった。しかしなが
ら、運転開始後3時間以降の繊維補強熱可塑性樹脂シー
トは、繊維含有率は67〜77容量%であり、含浸性に
問題があるものであった。
14を使用せずに、その代わりに、該供給部14の位置
に押出機に接続されたコートハンガーダイを装着し、押
出機から380℃に加熱溶融されたポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂をコートハンガーダイから、400℃に加
熱されたロール23上を2m/分の速度で移動する下ベ
ルト上に、繊維シートの巾に等しい巾で厚さ90μmで
塗布した以外は、実施例1と同様な方法で運転を行っ
た。運転を開始して3時間後から、熱劣化の結果生じた
ゲル化物がダイから塗膜上に押し出されてくるようにな
った。運転開始後6時間したところでゲル化物がコート
ハンガイーダイのリップに詰まり塗膜が形成出来なくな
り、それ以上の運転が不可能となった。運転開始から3
時間目までの繊維補強熱可塑性樹脂シートは、繊維含有
率が63容量%で含浸性は良好であった。しかしなが
ら、運転開始後3時間以降の繊維補強熱可塑性樹脂シー
トは、繊維含有率は67〜77容量%であり、含浸性に
問題があるものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、含浸性に優れた繊維補
強樹脂シートを長時間安定して得ることが出来る。
強樹脂シートを長時間安定して得ることが出来る。
【図1】本発明の一実施態様を示す概略側面図。
【図2】同じく微粉末熱可塑性樹脂供給部を示す概略側
面図。
面図。
1 繊維繰り出し部 2 供給部 3 樹脂含浸部 4 引き取り部 5 微粉末熱可塑性樹脂貯蔵タンク 6 架台 7 ボビン 8 連続繊維 9 ガイドロール 10 整列機 11 繊維シート 12 ブレーキ 13 張力調整ロール 14 微粉末熱可塑性樹脂供給部 15 下ベルト 16 上ベルト 17〜23 加熱ロール 24〜25 ベルト張力調整ロール 26 駆動モーター 27 引き取りロール 28 巻き取り軸 29 駆動モーター 30 供給トレー 31 架台 32 板バネ 33 振盪装置 34 定量供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益田 操 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 岸 智 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 丸子 千明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 田邉 浩史 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−73476(JP,A) 特開 昭64−60517(JP,A) 特開 昭64−61561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58 B29C 70/00 - 70/88
Claims (4)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂微粉末を補強繊維に熱溶融含
浸し、繊維補強熱可塑性樹脂シートを製造する方法にお
いて、下記構成を有する微粉末樹脂供給部から供給され
る熱可塑性樹脂微粉末を振動させることにより下ベルト
表面に均一の厚みで供給した後、熱溶融させて補強繊維
に含浸させることを特徴とする繊維補強熱可塑性樹脂シ
ートの製造方法。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機を有してなる微粉末樹脂供給部。 - 【請求項2】熱可塑性樹脂微粉末の平均粒径が300μ
m以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維補
強熱可塑性樹脂シートの製造方法。 - 【請求項3】補強繊維が連続繊維であることを特徴とす
る請求項1又は2に記載の繊維補強熱可塑性樹脂シート
の製造方法。 - 【請求項4】熱可塑性樹脂を補強繊維に熱溶融含浸し、
繊維補強熱可塑性樹脂シートを製造する装置において、
熱可塑性樹脂微粉末を振動させることにより下ベルト表
面に均一の厚みで供給する下記構成の微粉末樹脂供給部
を有することを特徴とする繊維補強熱可塑性樹脂シート
の製造装置。 [微粉末樹脂供給部の構成] 微粉末樹脂を貯蔵する貯蔵タンクと、該貯蔵タンク内の
微粉末樹脂を供給する定量供給装置と、該定量供給装置
から定量供給される微粉末樹脂を下ベルト表面に供給す
る供給トレーと、該供給トレーを連続的に振動させる振
盪機を有してなる微粉末樹脂供給部。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3055845A JP3032029B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | 繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3055845A JP3032029B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | 繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04272813A JPH04272813A (ja) | 1992-09-29 |
JP3032029B2 true JP3032029B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=13010361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3055845A Expired - Fee Related JP3032029B2 (ja) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | 繊維補強熱可塑性樹脂シートの製造方法及び装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3032029B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW201903013A (zh) | 2017-03-31 | 2019-01-16 | 日商新日鐵住金化學股份有限公司 | 金屬-纖維強化樹脂材料複合體及其製造方法 |
-
1991
- 1991-02-27 JP JP3055845A patent/JP3032029B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04272813A (ja) | 1992-09-29 |
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