JP3028336B2 - 警報器兼用消火器装架体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、消火器の定置設
備であると同時に、火災警報と消火器の盗難警報との両
方の機能を備えるようにした消火器装架体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の家庭や事務所に備え付けの消火器
のほか、マンシヨンなどの共同住宅の通路や、一般道路
の片隅に消火器を設置する例が多く、これらの場合いた
ずらで取り外してマンシヨンの上層階から投げ落として
人や物を傷つけたり、また密かに持ち去られて急場に間
に合わなかったりする事故が報告されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
ようないたずらや盗難を予防すると共に、火災発生時、
消火器を外した際に火災警報機としての機能をも発揮し
うるような消火器装架体を提供しようとするものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、平
行に配設される前側板と後側板とを貫通する回転軸に、
前記前側板と後側板との間で主歯車を固着し、この主歯
車と噛合う第１の小歯車を備える中間軸に固着した大歯
車に、星形歯車を備える支軸に固着した第２の小歯車を
噛合わせ、前記星形歯車と共働するロッキングエスケー
プメント爪を備える揺動軸に、前記前側板の前面側で前
記回動軸に支承したベルを叩打すべきハンマ体を取り付
け、一方、前記後側板の背後に突出する前記回動軸の端
部に内側端部を係止したぜんまいの外側端を支承する係
止軸に引張ばねの一端を繋止し、この引張ばねの他端
を、前記後側板を固定した枠体に沿って上下動する摺動
板に繋止し、消火器の支持部を備えるこの摺動板には、
前記支持部に消火器を支持した際に、この消火器の重量
により前記摺動板が前記引張ばねの力に抗して下方へ移
動されることによって前記ハンマ体の叩打作用を抑止す
べき抑止片を設けてなる警報器兼用消火器装架体を提案
するものである。

【０００５】

【発明の実施の態様】次にこの発明を図示の実施例にも
とづいて説明する。先ず図１ないし図５は、この発明の
第一実施例を示すもので、図１は全体の正面図、図２は
図１のベル及び前側板を外した状態の正面図、図３はベ
ルの部分を断面で示す要部の側面図で、図４は全体の背
面図である。

【０００６】平行に配設される前側板１と後側板２は３
本の連結軸３によって結合され、これら前側板１と後側
板２を貫通する回動軸４の前端部には、ねじ５が刻設さ
れている。

【０００７】前記ねじ５にねじ込み結合されるベル６
と、前記前側板１を外した状態を示す図２において、前
記回動軸４には主歯車７が固着されており、この主歯車
７と噛合う第１の小歯車８を備える中間軸９には大歯車
１０が固着される。

【０００８】前記大歯車１０は星形歯車１１を備える支
軸１２に固着した第２の小歯車１３が噛合わされてお
り、前記星形歯車１１と共働するロッキングエスケープ
メント爪１４を備える揺動軸１５には、前記ベル６を叩
打すべきハンマ体１６が取り付けられている。なお前記
中間軸９、支軸１２、揺動軸１５はすべて前記前側板１
と後側板２との間に回転可能に支承されるのである。

【０００９】一方において、図５に示すように前記後側
板２の背後へ突出する前記回動軸４の端部側面にピン１
７を突設し、このピン１７にぜんまい１８の内側端部に
設けた細孔１９を係止させ、前記ぜんまい１８の外側端
に形成した眼孔部２０を、前記後側板２に植設した係止
軸２１に支承させる。

【００１０】前記後側板２を固定した枠体２２には、適
宜取付用部分２３を形成すると共に、この枠体２２に沿
って上下動可能な摺動板２４を支承させ、この摺動板２
４には前記係止軸２１に一端を繋止した引張ばね２５の
他端が繋止される。

【００１１】消火器２６の中間部に突設した眼孔片２７
を引掛ける支持部２８を下端部に形成される前記摺動板
２４の上端部には、前記眼孔片２７を前記支持部２８に
引掛けて摺動板２４に消火器２６の重量がかかり、この
摺動板２４が引張ばね２５の力に抗して下方へ摺動した
際に、前記ハンマ体１６の支軸２９に引掛けられて、こ
のハンマ体１６の運動を阻止するようにする抑止片３０
が設けられている。

【００１２】上述の構成からなるこの発明の装架体の支
持部２８に、消火器２６の眼孔片２７を引掛けた状態
で、前記ベル６を把持してまわすと、回動軸４の回動に
つれて、前記ぜんまい１８が捲き込まれて行くが、この
時は消火器２６の重量がかかっているため、摺動板２４
の上端部の抑止片３０はハンマ体１６の支軸２９に係合
しており、そのためロッキングエスケープメント爪１４
は星形歯車１１の歯に噛み込んで、この星形歯車１１の
回転を阻止しているから、前記歯車列を介して主歯車７
の回動も阻止されている。

【００１３】上記のようにして、ぜんまい１８が充分に
捲き込まれた状態において、前記消火器２６を支持部２
８から取り外すと、引張ばね２５の作用で摺動板２４が
上昇し、前記抑止片３０がハンマ体１６の支軸２９を解
放するので、前記ぜんまい１８が巻き解けるまで、回動
軸４が回動し、前記歯車列すなわち前記主歯車７、第１
の小歯車８、大歯車１０、星形歯車１１が回動し、ロッ
キングエスケープメント爪１４の揺動によってハンマ体
１６が繰り返えしベル６を叩打し、ここに連続警報を発
生させるのである。

【００１４】図６は第二実施例であって、大部分の機構
は前記第一実施例と同様であるが、この実施例では装架
体に対する消火器の保持をより堅固にするために、第一
実施例における枠体２２を、大型の枠体３１に代え、こ
の枠体３１に消火器２６の胴部を締着する緊締バンド３
２を取り付けると共に、消火器２６の下端縁を受ける鈎
手部３３を有する受体３４を添設したものであって、こ
の受体３４は大小の消火器に適合させるために、上下に
摺動可能とし、かつ他の引張ばね３４を架設するのであ
る。

【００１５】

【発明の効果】この発明によれば、消火器を設置場所か
ら持ち去られたり、いたずらで取り外したりされるのを
防止しうると共に、火災発生時に、消火器をこの発明の
装架体から外すことによって、同時に火災警報機として
の役割を果たすことができるという効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の消火器装架体の第一実施例の全体正
面図である。

【図２】図１の状態からベル及び前側板を外した状態の
正面図である。

【図３】ベルの部分を断面で示す要部の側面図である。

【図４】全体の背面図である。

【図５】消火器を装架した状態の説明図である。

【図６】第二実施例の説明図である。

【符号の説明】

１ 前側板 ２ 後側板 ４ 回動軸 ６ ベル ７ 主歯車 ８ 第１の小歯車 ９ 中間軸 １０ 大歯車 １１ 星形歯車 １２ 支軸 １３ 第２の小歯車 １４ ロッキングエスケープメント爪 １５ 揺動軸 １６ ハンマ体 １８ ぜんまい ２１ 係支軸 ２２ 枠体 ２４ 摺動板 ２５ 引張ばね

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行に配設される前側板と後側板とを貫
   通する回転軸に、前記前側板と後側板との間で主歯車を
   固着し、この主歯車と噛合う第１の小歯車を備える中間
   軸に固着した大歯車に、星形歯車を備える支軸に固着し
   た第２の小歯車を噛合わせ、前記星形歯車と共働するロ
   ッキングエスケープメント爪を備える揺動軸に、前記前
   側板の前面側で前記回動軸に支承したベルを叩打すべき
   ハンマ体を取り付け、一方、前記後側板の背後に突出す
   る前記回動軸の端部に内側端部を係止したぜんまいの外
   側端を支承する係止軸に引張ばねの一端を繋止し、この
   引張ばねの他端を、前記後側板を固定した枠体に沿って
   上下動する摺動板に繋止し、消火器の支持部を備えるこ
   の摺動板には、前記支持部に消火器を支持した際に、こ
   の消火器の重量により前記摺動板が前記引張ばねの力に
   抗して下方へ移動されることによって前記ハンマ体の叩
   打作用を抑止すべき抑止片を設けてなる警報器兼用消火
   器装架体。