JP3026957B2 - 熱的寸法安定性のすぐれたポリイミドの製法 - Google Patents
熱的寸法安定性のすぐれたポリイミドの製法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性樹脂として
知られるポリイミド樹脂に関する。詳しくは、優れた熱
的寸法安定性と、優れた引張り特性を併せ持つ新規なポ
リイミド共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリイミドは優れた耐熱性を有するポリ
マーとして良く知られている。このポリマーはさらにす
ぐれた耐薬品性、電気的特性、機械的特性を有してい
る。代表的なポリイミドはよく知られているように4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸無
水物から得られるポリマーで商業的に大規模に生産され
ている。このポリマーはフレキシブルプリント基板など
耐熱性を要する電気材料として用いられている。このポ
リマーは引張特性など優れた機械的特性を有しているが
熱的寸法安定性が劣る(3×10-5℃-1程度の大きい線
膨張係数)という欠点を有している。熱的寸法安定性が
劣るために生じる問題の一例はフレキシブルプリント基
板の反りやカールである。フレキシブルプリント基板で
はポリイミドフィルムと金属と積層されており、金属の
線膨張係数はポリイミドフィルムより小さいためフレキ
シブルプリント基板の加工時や使用時の温度の変化によ
って反りやカールが生じるのである。 【0003】熱的寸法安定性が劣るために生じる問題の
他の例は磁気記録材料の反りやカールである。最近の高
密度磁気記録材料はベースフィルムに金属を蒸着するこ
とによって製造される。金属の蒸着は高温でなされるた
めポリイミドのような耐熱性ポリマーがベースフィルム
として好ましい。しかしポリイミドフィルムの線膨張係
数が金属の線膨張係数よりも大きいため反りやカールが
生じるのである。 【0004】ポリイミドは耐熱性を有しているので大き
な温度変化をうけることが多い。従って優れた熱的寸法
安定性を有するポリイミドが望まれている。特に最近の
エレクトロニクスの発達と共にこのような要望が増大し
ている。 【0005】熱的寸法安定性の優れたポリイミドの例は
特開昭61−158025号公報、61−181828
号公報、61−241335号公報、61−26402
8号公報に開示されている。特開昭61−158025
号公報及び61−264028号公報に開示されている
ポリイミドはテトラカルボン酸二無水物としてビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物と必要に応じピロメリット
酸二無水物を用い、ジアミンとしてパラフェニレンジア
ミンと必要に応じ4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ルを用いて縮重合により得られるポリイミドである。特
開昭61−181828号公報に開示されているポリイ
ミドはジアミンとして2,5−ジアミノピリジンのよう
な特定の複素環ジアミンを用い芳香族テトラカルボン酸
無水物との縮重合により得られるポリイミドである。特
開昭61−241325号公報に開示されているポリイ
ミドはジアミンとして9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)アントラセンとパラフェニレンジアミンを用い、テ
トラカルボン酸二無水物としてビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物を用いて縮重合により得られるポリイミド
である。これらのポリイミドはいずれもビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、複素環ジアミンあるいは9,9
−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン等の特殊で
あり、高価な化合物を原料として用いている。 【0006】 【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は優れ
た熱的寸法安定性とすぐれた機械的性質を有する従来の
ポリイミドと異なるポリイミドを得ることにある。本発
明の他の目的は金属と積層した場合にソリやカールを生
じない優れた機械的性質を有するポリイミドを得ること
にある。本発明の他の目的は通常の安価な原料から得ら
れる優れた熱的寸法安定性を有するポリイミドを得るこ
とにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は(a)〜(c)
の工程を含むことを特徴とする、一般式(I)及び一般
式(II): 【0008】 【化3】 【0009】(式中R0は芳香族テトラカルボン酸残
基)で示される反復単位を有する共重合ポリイミドの製
法である。 (a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又
はパラフェニレンジアミンを、一般式(III)及び
(IV)で表される反復単位の合計量がポリアミド酸分
子中平均して80重量%以上になるように含むジアミン
とこのジアミンに対して40〜99モル%の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物を反応させることによりアミノ基
末端のアミド酸プレポリマーを合成する工程。 (b)このアミド酸プレポリマーをジアミンの10〜9
0モル%用い一般式(III)及び一般式(IV): 【0010】 【化4】 で示される単位を有するポリアミド酸を合成する工程。 (c)このポリアミド酸を脱水してポリイミドを合成す
る工程。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の共重合ポリイミドの1つ
の例は芳香族テトラカルボン酸二無水物に対し過剰当量
のジアミンを使用してアミノ基末端のアミド酸プレポリ
マーを合成する(a)工程を用いる本発明の製法によっ
て得られる共重合ポリイミドである。例えば有機溶媒
中、全工程で使用されるジアミンに対して10〜90モ
ル%の芳香族ジアミン(A)と、このジアミン(A)に
対して40〜99モル%の芳香族テトラカルボン酸二無
水物を反応させアミノ基末端アミド酸プレポリマーを
得、次いでこのアミド酸プレポリマー溶液に全ジアミン
に対して90〜10モル%の芳香族ジアミン(B)を追
加添加後、全ジアミンと実質的に等モルとなるように、
不足分の芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加して反
応させ共重合ポリアミド酸が得られる。このポリアミド
酸の溶液を、例えば流延又は塗布して膜状となしその膜
を乾燥すると共に該共重合ポリアミド酸を、熱的あるい
は化学的に脱水閉環(イミド化)すると、優れた寸法安
定性と機械的性質を兼ね備えた共重合ポリイミドを得る
ことができる。ジアミン(A),(B)は4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンあ
るいはこれらの混合物から選ばれるが、(A),(B)
が同じアミンになることはない。(A),(B)として
これらのアミンのみを用いることが好ましいが、これら
以外のアミンを併用することもさしつかえない。他のア
ミンを併用する場合には一般式(I)及び(II)で表わ
される反復単位の合計量がポリイミド分子中平均して5
0重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ま
しくは90重量%以上になるようにするのが好ましい。 【0012】本発明の共重合ポリイミドの他の例はジア
ミンに対して過剰当量の芳香族テトラカルボン酸二無水
物を使用して酸無水物基末端のアミド酸プレポリマーを
合成する(a)工程を用いる本発明の製法によって得ら
れる共重合ポリイミドである。たとえば芳香族ジアミン
(A)とこれに対し過剰モル量の芳香族テトラカルボン
酸二無水物を有機極性溶媒中にて反応させ末端に酸無水
物基を有するアミド酸プレポリマーを得、続いてここに
芳香族ジアミン(B)を全ジアミン量が芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物と実質的に等モルになるように添加し
て反応させ共重合ポリアミド酸が得られる。この共重合
ポリアミド酸を前記と同様の方法で脱水閉環(イミド
化)することによりすぐれた寸法安定性と機械的性質を
兼ね備えた共重合ポリイミドを得ることができる。ジア
ミン(A),(B)は4,4′ジアミノジフェニルエー
テル、パラフェニレンジアミンあるいはこれらの混合物
から選ばれるが、(A),(B)が同じアミンになるこ
とはない。(A),(B)としてこれらのアミンのみを
用いることが好ましいが、これら以外のアミンを併用す
ることも差支えない。他のアミンを併用する場合には一
般式(I)及び(II)で表わされる反復単位の合計量が
ポリイミド分子中平均して50重量%以上、好ましくは
80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上にな
るようにするのが好ましい。 【0013】本発明の共重合体ポリイミドにおいては一
般式(I)で示されるパラフェニレンジアミンに基因す
る反復単位と、一般式(II)で示される4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテルに基因する反復単位が分子鎖中
に規則正しく均等に分散されるので、優れた熱的寸法安
定性と機械的性質を有するポリイミドが得られる。本発
明のポリイミドはパラフェニレンジアミンと4,4′−
ジアミノジフェニルエーテルをジアミンとして用いたラ
ンダム共重合ポリイミドやパラフェニレンジアミンをジ
アミンを用いたポリイミドのホモポリマーと4,4′−
ジアミノジフェニルエーテルを用いたポリイミドのホモ
ポリマーの混合物に比較し、熱的寸法安定性と機械的性
質の両者が優れている。本発明のポリイミドは線膨張係
数が(50℃〜300℃において)2.5×10-5/℃
以下で伸度が20%以上、更には2.0×10-5/℃以
下で40%以上、更には1.5×10-5/℃以下で50
%以上のものも得られる。またこのポリイミドは適度の
引張弾性率を有している。本発明で得られるポリアミド
酸やポリイミドは次のブロックを繰り返し単位として有
する重合体である。 【0014】 【化5】 (式中、R1 、R2 は4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、パラフェニレンジアミンから選ばれるジアミン
残基、R0 はテトラカルボン酸残基、m,nは正の整
数) m,nの値は分子鎖中にわたってほぼ一定であるものが
好ましく、特に酸無水物末端アミド酸プレポリマーを用
いると分子鎖中にわたってnが1のものを得ることがで
き、このものの機械的性質は特にすぐれている。本発明
の共重合ポリイミドの分子量としては特に制限はない
が、物性上、数平均分子量が5万以上、さらには8万以
上、特には10万以上、更には12万以上が好ましい。
共重合ポリイミドの分子量は前駆体である共重合ポリア
ミド酸の数平均分子量からの推定値である。従って前駆
体である共重合ポリアミド酸の分子量は上記の値に対応
する値が好ましい。 【0015】本発明には必須の芳香族ジアミン成分とし
て、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとパラフェ
ニレンジアミンが用いられる。使用割合は1/9〜9/
1、好ましくは1/7〜7/1、更に好ましくは1/4
〜4/1(モル比)である。 【0016】本発明に用いる芳香族テトラカルボン酸二
無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸
二無水物等が挙げられる。これらを単独あるいは混合し
て用いることができる。これらの芳香族テトラカルボン
酸二無水物のうちではピロメリット酸二無水物が好まし
く、全工程で使用するピロメリット酸二無水物が全工程
で使用する全芳香族テトラカルボン酸二無水物の50重
量%以上、好ましくは70重量%以上、更には90重量
%以上であるように用いるのが望ましい。ジアミンなど
として上記のもの以外に、一般式、 H2 N−R−NH2 [式中、Rは二価の有機基]で表わされる他のジアミン
化合物、例えば、4,4′−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エチル−4−ア
ミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジア
ミノジフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジア
ミノビフェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジア
ミノビフェニル、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジカルボキ
シ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒド
ロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミ
ノオクタフルオロビフェニル、2,4−ジアミノトルエ
ン、メタフェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4
−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒド
ロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロ−アントラセン、オルトトリジンスルホンや3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラアミン、3,3′,
4,4′−テトラアミノジフェニルエーテル等の多価ア
ミン化合物の一部使用も可能である。 【0017】本発明においては重合時の単量体の添加方
法が重要であり、アミノ基末端アミド酸プレポリマーを
中間体として用いる場合には全ジアミン成分に対して1
0〜90モル%、好ましくは15〜85モル%、更に好
ましくは20〜80モル%の4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル及び/又はパラフェニレンジアミンを含む
ジアミン(A)と、このジアミン(A)に対して40〜
99モル%の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応
し、アミノ基の末端アミド酸プレポリマーを得る。次い
でこのアミノ基末端アミド酸プレポリマー溶液に、全ジ
アミンに対して90〜10モル%、好ましくは85〜1
5モル%、更に好ましくは80〜20モル%のジアミン
(B)を一般式(III)及び(IV)で表わされる単位を有
する共重合ポリアミド酸が得られるよう追加添加後、全
ジアミン成分と実質的に等モルとなるように、不足分の
芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加し、反応させて
本発明の共重合ポリアミド酸を得る。酸無水物基末端ア
ミド酸プレポリマーを中間体として用いる場合には、芳
香族テトラカルボン酸二無水物とこの酸無水物に対し、
50〜90%モル%、好ましくは50〜87.5%、更
に好ましくは50〜80モル%の4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル及び/又はパラフェニレンジアミンを
含むジアミン(A)を加え、酸無水物基末端アミド酸プ
レポリマーを得る。次いでここへ酸無水物と全ジアミン
量とが実質的に等モルになるようにジアミン(B)を一
般式(III)及び(IV)で表わされる単位を有する共重合
ポリアミド酸が得られるよう加え、共重合ポリアミド酸
を得る。アミノ基末端アミド酸プレポリマーや酸無水物
基末端アミド酸プレポリマー等の中間体は例えば次のよ
うな化合物である。 【0018】 【化6】 【0019】(式中R0 は前記と同じ) この中間体はアミノ基あるいは酸無水物基末端の低分子
量ポリアミド酸であってもよい。このアミド酸中間体の
数平均分子量は最終的に得られる共重合ポリアミド酸よ
り小さければよいが、2万以下、特には1万以下が好ま
しい。 【0020】共重合ポリアミドの生成反応に使用される
有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジ
エチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトア
ミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル
−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノー
ル、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、
ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶
媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロ
ラクトンなどの有機極性溶媒を挙げることができ、これ
らを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更に
はキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の添加も
可能である。また、この共重合ポリアミド酸は、前記の
有機溶媒中に5〜40重量%、好ましくは5〜30重量
%、更に好ましくは5〜25重量%溶解されているのが
取り扱いの面からも望ましい。 【0021】反応温度は0〜100℃、好ましくは5〜
80℃、更に好ましくは5〜50℃の温度範囲である。
酸無水物基末端アミド酸プレポリマー中間体として用い
る場合には、反応温度は30℃以下、更には10℃以下
が好ましい。反応は10時間以内、好ましくは5時間以
内、更に好ましくは3時間以内が好ましい。 【0022】かくして得られた共重合ポリアミド酸から
共重合ポリイミドを得ることができるが、この製造方法
としては一般に公知の二つの方法が可能である。即ち、 (イ)熱的に脱水閉環(イミド化)する方法 (ロ)化学的に脱水閉環(イミド化)する方法 がある。 【0023】詳しく説明すると、(イ)は例えば共重合
ポリアミド酸溶液を支持板、加熱ドラム或はエンドレス
ベルト等支持体上に流延し乾燥した後、自己支持性の膜
を得る。これを更に加温し、乾燥イミド化し、ポリイミ
ド膜を得る方法である。加温の際の温度は200〜50
0℃の範囲の温度が好ましく、更には300〜500
℃、特には400〜500℃が好ましい。加温の際の加
温速度は特に限定はないが徐々に加温し最高温度が上記
温度になるようにするのが好ましい。加温時間は最高温
度によって異なり、その温度に応じた時間加熱すればよ
いが、最高温度に到達してから10秒〜1分の範囲が好
ましい。 【0024】(ロ)では例えば共重合ポリアミド酸溶液
に無水酢酸などの脱水剤及びピリジン、ピコリン類、キ
ノリン類などの三級アミン類を混合後、(イ)と同様に
してポリイミド膜が得られる。自己支持性の膜を加熱す
る際、膜は支持体上に保持したままでもよく、支持体か
ら引き剥がした状態でもよいが、支持体から引き剥が
し、その状態で端部を固定して加熱すると、線膨張係数
が小さい共重合体が得られるので好ましい。また熱的に
イミド化する方法と、化学的にイミド化する方法を比較
すると、化学的方法の方が生成するポリイミドの機械的
強度、線膨張係数とも優れたものになる。 【0025】このようにして得られる共重合ポリイミド
は、極めて優れた熱的寸法安定性を有し、しかも従来市
販のポリイミド樹脂と同様に、伸度等の機械的特性に優
れている。具体的には、線膨張係数2.5×10-5以下
で且つ伸度20%以上を保持しており、例えば、一般式
(I)や(II)の反復単位を有するポリイミドや共重合
ポリイミドよりも優れた熱的寸法安定性と機械的性質を
有しているのである。 【0026】本発明のポリイミド共重合体は優れた熱的
寸法安定性、機械的性質及び適度の引張弾性率を有し、
フィルムの型状でフレキシブルプリント基板、一般磁気
記録用や垂直磁気記録用の磁気テープ、磁気ディスクな
ど磁気記録材料用ベース、IC、LSI、太陽電池等半
導体素子のパッシベーション膜等に極めて有用である。 【0027】 【実施例】次に、本発明を例に基づいて説明する。 参考例1 500ml四ツ口フラスコに4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル(以下ODAという)10.31gを採取
し、145.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、50mlナスフラスコにピロメリ
ット酸二無水物(以下PMDAという)16.90gを
採取し、前記ODA溶液中に固形状で添加した。更にこ
の50mlナスフラスコ中の壁面に残存付着するPMD
Aを10.00gのN,N−ジメチルアセトアミドで反
応系(四ツ口フラスコ)へ流し入れ、更に1時間撹拌を
続け酸無水物基末端アミド酸プレポリマーを得た。一
方、50ml三角フラスコにパラフェニレンジアミン
(以下p−PDAという)2.79gを採取し、15.
00gのN,N−ジメチルアセトアミドを加え溶解し
た。この溶液を反応系(四ツ口フラスコ)内へ添加し、
共重合ポリアミド酸溶液を得た。以上の反応操作に於
て、反応温度は5〜10℃に、またPMDAとp−PD
Aの取り扱い及び反応系内は乾燥窒素気流下にて行っ
た。 【0028】次にこれらのポリイミド酸溶液をガラス板
状に流延塗布し約100℃にて約60分間乾燥後、ポリ
アミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に
固定し、その後約100℃で約30分間、約200℃で
約60分間、約300℃で約60分間加熱し、脱水閉環
乾燥後15から25ミクロンのポリイミド膜を得た。 【0029】このフィルムは表1に示す線膨張係数、引
張伸度及び引張弾性率を示した。なお表1中の線膨張係
数は200℃における値である。 参考例2 ODAを8.07g、PMDAを17.58g、p−P
DA4.35gを用いた外は、参考例1の方法に従い、
共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1に示す
性質を示した。 【0030】参考例3 500ml四ツ口フラスコにp−PDA4.35gを採
取し、110.00gのN,N−ジメチルアセトアミド
を加え溶解した。他方、50mlナスフラスコにPMD
Aを17.58gを採取し、前記p−PDA溶液中に固
形状で添加した。更にこの50mlナスフラスコ中の壁
面に残存付着するPMDAを10.00gのN,N−ジ
メチルアセトアミドで反応系(四ツ口フラスコ)へ流し
入れ、更に1時間撹拌を続け酸無水物基末端アミド酸プ
レポリマーを得た。一方、100ml三角フラスコにO
DA8.07gを採取し、50.00gのN,N−ジメ
チルアセトアミドを加え溶解した。この溶液を反応系
(四ツ口フラスコ)内へ添加し、ポリアミド酸共重合体
溶液を得た。以上の反応操作に於て、反応温度は5〜1
0℃に、またPMDAとODAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下にて行った。次に、参考例1の方法に
従い、共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1
に示す性質を示した。 【0031】参考例4 ODAを12.02g、PMDAを16.36g、p−
PDAを1.62gを用いた外は、参考例1の方法に従
い、共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1に
示す性質を示した。 【0032】参考例5 p−PDAを6.06g、PMDAを18.33g、O
DAを5.61gを用いた外は、参考例3の方法に従
い、共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1に
示す性質を示した。 【0033】参考例6 参考例2の方法により得られたポリイミド酸溶液に、無
水酢酸33.88g及びピリジン5.32gを加えた。 【0034】次にこのポリアミド酸溶液組成物をガラス
板状に流延塗布し約100℃にて約10分間乾燥後、こ
の半硬化塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に
固定し、その後約200℃で約10分間、約300℃で
約20分間加熱し、15から25ミクロンのポリイミド
膜を得た。このフィルムは表1に示す性質を示した。 【0035】実施例1 500ml四ツ口フラスコにp−PDA2.43gを採
取し、135.00gのN,N−ジメチルアセトアミド
を加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPM
DA3.92gを採取し、前記p−PDA溶液中に固形
状で添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端ア
ミド酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナス
フラスコにODA18.03gを採取し、このアミノ基
末端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加
したODAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、別
途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA20.
62gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固形状
で添加した。引き続き、1時間撹拌を続け共重合ポリア
ミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。但
し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾燥
窒素気流下に置いた。 【0036】次に参考例1の方法に従い、この共重合ポ
リアミド酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 実施例2 500ml四ツ口フラスコにODA15.47gを採取
し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A16.01gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で
添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド
酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラ
スコにp−PDA4.19gを採取し、このアミノ基末
端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加し
たp−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA9.
34gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固形状
で添加した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポリアミ
ド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。但し
以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾燥窒
素気流下に置いた。 【0037】更にこの共重合体ポリアミド酸溶液に無水
酢酸47.39gとピリジン9.17g加え充分に混合
した後、参考例1の方法に従い、この共重合ポリアミド
酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは
表1に示す性質を示した。 【0038】実施例3 500ml四ツ口フラスコにODA12.11gを採取
し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A11.88gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で
添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド
酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラ
スコにp−PDA6.53gを採取し、このアミノ基末
端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加し
たp−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA1
4.49gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固
形状で添加した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポリ
アミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。
但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾
燥窒素気流下に置いた。 【0039】得られた共重合ポリアミド酸混合溶液をガ
ラス板状に流延塗布し約100℃にて約60分間乾燥
後、共重合ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その
塗膜を支持枠に固定し、その後約150℃で約30分
間、約300℃で約60分間加熱し、脱水閉環乾燥後1
5〜25ミクロンの共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 【0040】実施例4 500ml四ツ口フラスコにp−PDA6.53gを採
取し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミド
を加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPM
DA11.86gを採取し、前記p−PDA溶液中に固
形状で添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端
アミド酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナ
スフラスコにODA12.11gを採取し、このアミノ
基末端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添
加したODAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA1
4.51gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固
形状で添加した。引き続き、1時間撹拌を続け共重合ポ
リアミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保っ
た。但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下に置いた。 【0041】得られた共重合ポリアミド酸混合溶液をガ
ラス板状に流延塗布し約100℃にて約60分間乾燥
後、共重合ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その
塗膜を支持枠に固定し、その後約150℃で約10分
間、約200℃で約60分間、約300℃で約60分間
加熱し、脱水閉環乾燥後15〜25ミクロンの共重合ポ
リイミド膜を得た。このフィルムは表1に示す性質を示
した。 【0042】実施例5 500ml四ツ口フラスコにODA8.42gを採取
し、855.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A4.59gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で添
加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド酸
プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラス
コにp−PDA9.09gを採取し、このアミノ基末端
アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加した
p−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、別
途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA22.
91gを採取した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポ
リアミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保っ
た。但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下に置いた。 【0043】次に参考例1の方法に従い、この共重合ポ
リアミド酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 実施例6 500ml四ツ口フラスコにODA6.45gを採取
し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A6.32gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で添
加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド酸
プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラス
コにp−PDA10.44gを採取し、このアミノ基末
端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加し
たp−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA2
1.79gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固
形状で添加した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポリ
アミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。
但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾
燥窒素気流下に置いた。 【0044】次に参考例1の方法に従い、この共重合ポ
リアミド酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 比較例1 500ml四ツ口フラスコにODA21.54gを採取
し、245.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A23.46gを採取し、ODA溶液中に固形状で添加
した。更に、この100mlナスフラスコ中の壁面に付
着残存するPMDAを10.00gのN,N′−ジメチ
ルフセトアミドで反応系(四つ口フラスコ)内へ流し入
れた。更に引き続き1時間撹拌を続け、15重量%のポ
リアミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保っ
た。但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下に置いた。 【0045】次に参考例1の方法に従い、このポリアミ
ド酸溶液よりポリイミド膜を得た。このフィルムは表1
に示す性質を示した。 比較例2 500ml四ツ口フラスコにp−PDA4.35g及び
ODA8.07gを採取し、160.00gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加え溶解した。比較例1の方法
に従い17.58gのPMDAを反応させ、15重量%
のポリアミド酸溶液を得た。但し、最終の壁面に付着残
存するPMDAは10.00gのN,N−ジメチルアセ
トアミド反応系(四ツ口フラスコ)内へ流し入れ、ラン
ダム共重合によるコポリアミド酸を得た。 【0046】次に実施例1の方法に従い、これらのポリ
アミド酸溶液よりポリイミド膜を得た。これらのフィル
ムは表1に示す性質を示した。 比較例3 500ml四ツ口フラスコにp−PDA6.96g及び
ODA4.30gを採取し、160.00gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加え溶解した。比較例1の方法
に従い18.73gのPMDAを反応させ、15重量%
のランダム共重合によるポリアミド酸溶液を得た。但
し、最終の壁面に付着残存するPMDAは10.00g
のN,N−ジメチルアセトアミド反応系(四ツ口フラス
コ)内へ流し入れた。 【0047】次に参考例1の方法に従い、これらのポリ
アミド酸溶液よりポリイミド膜を得た。これらのフィル
ムは表1に示す性質を示した。 比較例4 500ml四ツ口フラスコにODA21.54gを採取
し、245.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A23.46gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で
添加した。更に、この100mlナスフラスコ中の壁面
に付着残存するPMDAは10.00gのN,N−ジメ
チルアセトアミド反応系(四ツ口フラスコ)内へ流し入
れた。更に引き続き1時間撹拌を続け、15重量%のポ
リアミド酸溶液(I)を得た。 【0048】一方、500ml四ツ口フラスコにp−P
DA14.91gを採取し、245.00gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加え溶解し、前記と同様の方法
に従い30.09gPMDAを反応させ15重量%のポ
リアミド酸溶液(II)を得た。但し、最終の壁面に付着
残存するPMDAは10.00gのN,N−ジメチルア
セトアミドで反応系(四ツ口フラスコ)内へ流し入れ
た。いずれの場合も反応温度は5〜10℃に保ち、また
以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾燥窒
素流下に置いた。 【0049】次に別途に、前記の方法により得られたポ
リアミド酸溶液(I)112.35gを500nl四ツ
口フラスコに採取し、更にポリアミド酸溶液(II)8
7.65gを混入し、乾燥窒素気流下5〜10℃で約1
0分間撹拌した。次に参考例1の方法に従い、このポリ
アミド酸混合溶液よりポリイミド膜を得た。このフィル
ムは表1に示す性質を示した。 【0050】 【表1】 【0051】 【発明の効果】本発明の共重合体ポリイミドは優れた熱
的寸法安定性と機械性質を有する。
知られるポリイミド樹脂に関する。詳しくは、優れた熱
的寸法安定性と、優れた引張り特性を併せ持つ新規なポ
リイミド共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリイミドは優れた耐熱性を有するポリ
マーとして良く知られている。このポリマーはさらにす
ぐれた耐薬品性、電気的特性、機械的特性を有してい
る。代表的なポリイミドはよく知られているように4,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸無
水物から得られるポリマーで商業的に大規模に生産され
ている。このポリマーはフレキシブルプリント基板など
耐熱性を要する電気材料として用いられている。このポ
リマーは引張特性など優れた機械的特性を有しているが
熱的寸法安定性が劣る(3×10-5℃-1程度の大きい線
膨張係数)という欠点を有している。熱的寸法安定性が
劣るために生じる問題の一例はフレキシブルプリント基
板の反りやカールである。フレキシブルプリント基板で
はポリイミドフィルムと金属と積層されており、金属の
線膨張係数はポリイミドフィルムより小さいためフレキ
シブルプリント基板の加工時や使用時の温度の変化によ
って反りやカールが生じるのである。 【0003】熱的寸法安定性が劣るために生じる問題の
他の例は磁気記録材料の反りやカールである。最近の高
密度磁気記録材料はベースフィルムに金属を蒸着するこ
とによって製造される。金属の蒸着は高温でなされるた
めポリイミドのような耐熱性ポリマーがベースフィルム
として好ましい。しかしポリイミドフィルムの線膨張係
数が金属の線膨張係数よりも大きいため反りやカールが
生じるのである。 【0004】ポリイミドは耐熱性を有しているので大き
な温度変化をうけることが多い。従って優れた熱的寸法
安定性を有するポリイミドが望まれている。特に最近の
エレクトロニクスの発達と共にこのような要望が増大し
ている。 【0005】熱的寸法安定性の優れたポリイミドの例は
特開昭61−158025号公報、61−181828
号公報、61−241335号公報、61−26402
8号公報に開示されている。特開昭61−158025
号公報及び61−264028号公報に開示されている
ポリイミドはテトラカルボン酸二無水物としてビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物と必要に応じピロメリット
酸二無水物を用い、ジアミンとしてパラフェニレンジア
ミンと必要に応じ4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ルを用いて縮重合により得られるポリイミドである。特
開昭61−181828号公報に開示されているポリイ
ミドはジアミンとして2,5−ジアミノピリジンのよう
な特定の複素環ジアミンを用い芳香族テトラカルボン酸
無水物との縮重合により得られるポリイミドである。特
開昭61−241325号公報に開示されているポリイ
ミドはジアミンとして9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)アントラセンとパラフェニレンジアミンを用い、テ
トラカルボン酸二無水物としてビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物を用いて縮重合により得られるポリイミド
である。これらのポリイミドはいずれもビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、複素環ジアミンあるいは9,9
−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン等の特殊で
あり、高価な化合物を原料として用いている。 【0006】 【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は優れ
た熱的寸法安定性とすぐれた機械的性質を有する従来の
ポリイミドと異なるポリイミドを得ることにある。本発
明の他の目的は金属と積層した場合にソリやカールを生
じない優れた機械的性質を有するポリイミドを得ること
にある。本発明の他の目的は通常の安価な原料から得ら
れる優れた熱的寸法安定性を有するポリイミドを得るこ
とにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は(a)〜(c)
の工程を含むことを特徴とする、一般式(I)及び一般
式(II): 【0008】 【化3】 【0009】(式中R0は芳香族テトラカルボン酸残
基)で示される反復単位を有する共重合ポリイミドの製
法である。 (a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又
はパラフェニレンジアミンを、一般式(III)及び
(IV)で表される反復単位の合計量がポリアミド酸分
子中平均して80重量%以上になるように含むジアミン
とこのジアミンに対して40〜99モル%の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物を反応させることによりアミノ基
末端のアミド酸プレポリマーを合成する工程。 (b)このアミド酸プレポリマーをジアミンの10〜9
0モル%用い一般式(III)及び一般式(IV): 【0010】 【化4】 で示される単位を有するポリアミド酸を合成する工程。 (c)このポリアミド酸を脱水してポリイミドを合成す
る工程。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の共重合ポリイミドの1つ
の例は芳香族テトラカルボン酸二無水物に対し過剰当量
のジアミンを使用してアミノ基末端のアミド酸プレポリ
マーを合成する(a)工程を用いる本発明の製法によっ
て得られる共重合ポリイミドである。例えば有機溶媒
中、全工程で使用されるジアミンに対して10〜90モ
ル%の芳香族ジアミン(A)と、このジアミン(A)に
対して40〜99モル%の芳香族テトラカルボン酸二無
水物を反応させアミノ基末端アミド酸プレポリマーを
得、次いでこのアミド酸プレポリマー溶液に全ジアミン
に対して90〜10モル%の芳香族ジアミン(B)を追
加添加後、全ジアミンと実質的に等モルとなるように、
不足分の芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加して反
応させ共重合ポリアミド酸が得られる。このポリアミド
酸の溶液を、例えば流延又は塗布して膜状となしその膜
を乾燥すると共に該共重合ポリアミド酸を、熱的あるい
は化学的に脱水閉環(イミド化)すると、優れた寸法安
定性と機械的性質を兼ね備えた共重合ポリイミドを得る
ことができる。ジアミン(A),(B)は4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンあ
るいはこれらの混合物から選ばれるが、(A),(B)
が同じアミンになることはない。(A),(B)として
これらのアミンのみを用いることが好ましいが、これら
以外のアミンを併用することもさしつかえない。他のア
ミンを併用する場合には一般式(I)及び(II)で表わ
される反復単位の合計量がポリイミド分子中平均して5
0重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ま
しくは90重量%以上になるようにするのが好ましい。 【0012】本発明の共重合ポリイミドの他の例はジア
ミンに対して過剰当量の芳香族テトラカルボン酸二無水
物を使用して酸無水物基末端のアミド酸プレポリマーを
合成する(a)工程を用いる本発明の製法によって得ら
れる共重合ポリイミドである。たとえば芳香族ジアミン
(A)とこれに対し過剰モル量の芳香族テトラカルボン
酸二無水物を有機極性溶媒中にて反応させ末端に酸無水
物基を有するアミド酸プレポリマーを得、続いてここに
芳香族ジアミン(B)を全ジアミン量が芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物と実質的に等モルになるように添加し
て反応させ共重合ポリアミド酸が得られる。この共重合
ポリアミド酸を前記と同様の方法で脱水閉環(イミド
化)することによりすぐれた寸法安定性と機械的性質を
兼ね備えた共重合ポリイミドを得ることができる。ジア
ミン(A),(B)は4,4′ジアミノジフェニルエー
テル、パラフェニレンジアミンあるいはこれらの混合物
から選ばれるが、(A),(B)が同じアミンになるこ
とはない。(A),(B)としてこれらのアミンのみを
用いることが好ましいが、これら以外のアミンを併用す
ることも差支えない。他のアミンを併用する場合には一
般式(I)及び(II)で表わされる反復単位の合計量が
ポリイミド分子中平均して50重量%以上、好ましくは
80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上にな
るようにするのが好ましい。 【0013】本発明の共重合体ポリイミドにおいては一
般式(I)で示されるパラフェニレンジアミンに基因す
る反復単位と、一般式(II)で示される4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテルに基因する反復単位が分子鎖中
に規則正しく均等に分散されるので、優れた熱的寸法安
定性と機械的性質を有するポリイミドが得られる。本発
明のポリイミドはパラフェニレンジアミンと4,4′−
ジアミノジフェニルエーテルをジアミンとして用いたラ
ンダム共重合ポリイミドやパラフェニレンジアミンをジ
アミンを用いたポリイミドのホモポリマーと4,4′−
ジアミノジフェニルエーテルを用いたポリイミドのホモ
ポリマーの混合物に比較し、熱的寸法安定性と機械的性
質の両者が優れている。本発明のポリイミドは線膨張係
数が(50℃〜300℃において)2.5×10-5/℃
以下で伸度が20%以上、更には2.0×10-5/℃以
下で40%以上、更には1.5×10-5/℃以下で50
%以上のものも得られる。またこのポリイミドは適度の
引張弾性率を有している。本発明で得られるポリアミド
酸やポリイミドは次のブロックを繰り返し単位として有
する重合体である。 【0014】 【化5】 (式中、R1 、R2 は4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、パラフェニレンジアミンから選ばれるジアミン
残基、R0 はテトラカルボン酸残基、m,nは正の整
数) m,nの値は分子鎖中にわたってほぼ一定であるものが
好ましく、特に酸無水物末端アミド酸プレポリマーを用
いると分子鎖中にわたってnが1のものを得ることがで
き、このものの機械的性質は特にすぐれている。本発明
の共重合ポリイミドの分子量としては特に制限はない
が、物性上、数平均分子量が5万以上、さらには8万以
上、特には10万以上、更には12万以上が好ましい。
共重合ポリイミドの分子量は前駆体である共重合ポリア
ミド酸の数平均分子量からの推定値である。従って前駆
体である共重合ポリアミド酸の分子量は上記の値に対応
する値が好ましい。 【0015】本発明には必須の芳香族ジアミン成分とし
て、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとパラフェ
ニレンジアミンが用いられる。使用割合は1/9〜9/
1、好ましくは1/7〜7/1、更に好ましくは1/4
〜4/1(モル比)である。 【0016】本発明に用いる芳香族テトラカルボン酸二
無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸
二無水物等が挙げられる。これらを単独あるいは混合し
て用いることができる。これらの芳香族テトラカルボン
酸二無水物のうちではピロメリット酸二無水物が好まし
く、全工程で使用するピロメリット酸二無水物が全工程
で使用する全芳香族テトラカルボン酸二無水物の50重
量%以上、好ましくは70重量%以上、更には90重量
%以上であるように用いるのが望ましい。ジアミンなど
として上記のもの以外に、一般式、 H2 N−R−NH2 [式中、Rは二価の有機基]で表わされる他のジアミン
化合物、例えば、4,4′−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エチル−4−ア
ミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジア
ミノジフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジア
ミノビフェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジア
ミノビフェニル、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジカルボキ
シ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒド
ロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミ
ノオクタフルオロビフェニル、2,4−ジアミノトルエ
ン、メタフェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4
−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒド
ロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロ−アントラセン、オルトトリジンスルホンや3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラアミン、3,3′,
4,4′−テトラアミノジフェニルエーテル等の多価ア
ミン化合物の一部使用も可能である。 【0017】本発明においては重合時の単量体の添加方
法が重要であり、アミノ基末端アミド酸プレポリマーを
中間体として用いる場合には全ジアミン成分に対して1
0〜90モル%、好ましくは15〜85モル%、更に好
ましくは20〜80モル%の4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル及び/又はパラフェニレンジアミンを含む
ジアミン(A)と、このジアミン(A)に対して40〜
99モル%の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応
し、アミノ基の末端アミド酸プレポリマーを得る。次い
でこのアミノ基末端アミド酸プレポリマー溶液に、全ジ
アミンに対して90〜10モル%、好ましくは85〜1
5モル%、更に好ましくは80〜20モル%のジアミン
(B)を一般式(III)及び(IV)で表わされる単位を有
する共重合ポリアミド酸が得られるよう追加添加後、全
ジアミン成分と実質的に等モルとなるように、不足分の
芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加し、反応させて
本発明の共重合ポリアミド酸を得る。酸無水物基末端ア
ミド酸プレポリマーを中間体として用いる場合には、芳
香族テトラカルボン酸二無水物とこの酸無水物に対し、
50〜90%モル%、好ましくは50〜87.5%、更
に好ましくは50〜80モル%の4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル及び/又はパラフェニレンジアミンを
含むジアミン(A)を加え、酸無水物基末端アミド酸プ
レポリマーを得る。次いでここへ酸無水物と全ジアミン
量とが実質的に等モルになるようにジアミン(B)を一
般式(III)及び(IV)で表わされる単位を有する共重合
ポリアミド酸が得られるよう加え、共重合ポリアミド酸
を得る。アミノ基末端アミド酸プレポリマーや酸無水物
基末端アミド酸プレポリマー等の中間体は例えば次のよ
うな化合物である。 【0018】 【化6】 【0019】(式中R0 は前記と同じ) この中間体はアミノ基あるいは酸無水物基末端の低分子
量ポリアミド酸であってもよい。このアミド酸中間体の
数平均分子量は最終的に得られる共重合ポリアミド酸よ
り小さければよいが、2万以下、特には1万以下が好ま
しい。 【0020】共重合ポリアミドの生成反応に使用される
有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジ
エチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトア
ミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル
−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノー
ル、o−,m−,又はp−クレゾール、キシレノール、
ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶
媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロ
ラクトンなどの有機極性溶媒を挙げることができ、これ
らを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更に
はキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の添加も
可能である。また、この共重合ポリアミド酸は、前記の
有機溶媒中に5〜40重量%、好ましくは5〜30重量
%、更に好ましくは5〜25重量%溶解されているのが
取り扱いの面からも望ましい。 【0021】反応温度は0〜100℃、好ましくは5〜
80℃、更に好ましくは5〜50℃の温度範囲である。
酸無水物基末端アミド酸プレポリマー中間体として用い
る場合には、反応温度は30℃以下、更には10℃以下
が好ましい。反応は10時間以内、好ましくは5時間以
内、更に好ましくは3時間以内が好ましい。 【0022】かくして得られた共重合ポリアミド酸から
共重合ポリイミドを得ることができるが、この製造方法
としては一般に公知の二つの方法が可能である。即ち、 (イ)熱的に脱水閉環(イミド化)する方法 (ロ)化学的に脱水閉環(イミド化)する方法 がある。 【0023】詳しく説明すると、(イ)は例えば共重合
ポリアミド酸溶液を支持板、加熱ドラム或はエンドレス
ベルト等支持体上に流延し乾燥した後、自己支持性の膜
を得る。これを更に加温し、乾燥イミド化し、ポリイミ
ド膜を得る方法である。加温の際の温度は200〜50
0℃の範囲の温度が好ましく、更には300〜500
℃、特には400〜500℃が好ましい。加温の際の加
温速度は特に限定はないが徐々に加温し最高温度が上記
温度になるようにするのが好ましい。加温時間は最高温
度によって異なり、その温度に応じた時間加熱すればよ
いが、最高温度に到達してから10秒〜1分の範囲が好
ましい。 【0024】(ロ)では例えば共重合ポリアミド酸溶液
に無水酢酸などの脱水剤及びピリジン、ピコリン類、キ
ノリン類などの三級アミン類を混合後、(イ)と同様に
してポリイミド膜が得られる。自己支持性の膜を加熱す
る際、膜は支持体上に保持したままでもよく、支持体か
ら引き剥がした状態でもよいが、支持体から引き剥が
し、その状態で端部を固定して加熱すると、線膨張係数
が小さい共重合体が得られるので好ましい。また熱的に
イミド化する方法と、化学的にイミド化する方法を比較
すると、化学的方法の方が生成するポリイミドの機械的
強度、線膨張係数とも優れたものになる。 【0025】このようにして得られる共重合ポリイミド
は、極めて優れた熱的寸法安定性を有し、しかも従来市
販のポリイミド樹脂と同様に、伸度等の機械的特性に優
れている。具体的には、線膨張係数2.5×10-5以下
で且つ伸度20%以上を保持しており、例えば、一般式
(I)や(II)の反復単位を有するポリイミドや共重合
ポリイミドよりも優れた熱的寸法安定性と機械的性質を
有しているのである。 【0026】本発明のポリイミド共重合体は優れた熱的
寸法安定性、機械的性質及び適度の引張弾性率を有し、
フィルムの型状でフレキシブルプリント基板、一般磁気
記録用や垂直磁気記録用の磁気テープ、磁気ディスクな
ど磁気記録材料用ベース、IC、LSI、太陽電池等半
導体素子のパッシベーション膜等に極めて有用である。 【0027】 【実施例】次に、本発明を例に基づいて説明する。 参考例1 500ml四ツ口フラスコに4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル(以下ODAという)10.31gを採取
し、145.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、50mlナスフラスコにピロメリ
ット酸二無水物(以下PMDAという)16.90gを
採取し、前記ODA溶液中に固形状で添加した。更にこ
の50mlナスフラスコ中の壁面に残存付着するPMD
Aを10.00gのN,N−ジメチルアセトアミドで反
応系(四ツ口フラスコ)へ流し入れ、更に1時間撹拌を
続け酸無水物基末端アミド酸プレポリマーを得た。一
方、50ml三角フラスコにパラフェニレンジアミン
(以下p−PDAという)2.79gを採取し、15.
00gのN,N−ジメチルアセトアミドを加え溶解し
た。この溶液を反応系(四ツ口フラスコ)内へ添加し、
共重合ポリアミド酸溶液を得た。以上の反応操作に於
て、反応温度は5〜10℃に、またPMDAとp−PD
Aの取り扱い及び反応系内は乾燥窒素気流下にて行っ
た。 【0028】次にこれらのポリイミド酸溶液をガラス板
状に流延塗布し約100℃にて約60分間乾燥後、ポリ
アミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に
固定し、その後約100℃で約30分間、約200℃で
約60分間、約300℃で約60分間加熱し、脱水閉環
乾燥後15から25ミクロンのポリイミド膜を得た。 【0029】このフィルムは表1に示す線膨張係数、引
張伸度及び引張弾性率を示した。なお表1中の線膨張係
数は200℃における値である。 参考例2 ODAを8.07g、PMDAを17.58g、p−P
DA4.35gを用いた外は、参考例1の方法に従い、
共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1に示す
性質を示した。 【0030】参考例3 500ml四ツ口フラスコにp−PDA4.35gを採
取し、110.00gのN,N−ジメチルアセトアミド
を加え溶解した。他方、50mlナスフラスコにPMD
Aを17.58gを採取し、前記p−PDA溶液中に固
形状で添加した。更にこの50mlナスフラスコ中の壁
面に残存付着するPMDAを10.00gのN,N−ジ
メチルアセトアミドで反応系(四ツ口フラスコ)へ流し
入れ、更に1時間撹拌を続け酸無水物基末端アミド酸プ
レポリマーを得た。一方、100ml三角フラスコにO
DA8.07gを採取し、50.00gのN,N−ジメ
チルアセトアミドを加え溶解した。この溶液を反応系
(四ツ口フラスコ)内へ添加し、ポリアミド酸共重合体
溶液を得た。以上の反応操作に於て、反応温度は5〜1
0℃に、またPMDAとODAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下にて行った。次に、参考例1の方法に
従い、共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1
に示す性質を示した。 【0031】参考例4 ODAを12.02g、PMDAを16.36g、p−
PDAを1.62gを用いた外は、参考例1の方法に従
い、共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1に
示す性質を示した。 【0032】参考例5 p−PDAを6.06g、PMDAを18.33g、O
DAを5.61gを用いた外は、参考例3の方法に従
い、共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは表1に
示す性質を示した。 【0033】参考例6 参考例2の方法により得られたポリイミド酸溶液に、無
水酢酸33.88g及びピリジン5.32gを加えた。 【0034】次にこのポリアミド酸溶液組成物をガラス
板状に流延塗布し約100℃にて約10分間乾燥後、こ
の半硬化塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に
固定し、その後約200℃で約10分間、約300℃で
約20分間加熱し、15から25ミクロンのポリイミド
膜を得た。このフィルムは表1に示す性質を示した。 【0035】実施例1 500ml四ツ口フラスコにp−PDA2.43gを採
取し、135.00gのN,N−ジメチルアセトアミド
を加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPM
DA3.92gを採取し、前記p−PDA溶液中に固形
状で添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端ア
ミド酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナス
フラスコにODA18.03gを採取し、このアミノ基
末端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加
したODAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、別
途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA20.
62gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固形状
で添加した。引き続き、1時間撹拌を続け共重合ポリア
ミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。但
し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾燥
窒素気流下に置いた。 【0036】次に参考例1の方法に従い、この共重合ポ
リアミド酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 実施例2 500ml四ツ口フラスコにODA15.47gを採取
し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A16.01gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で
添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド
酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラ
スコにp−PDA4.19gを採取し、このアミノ基末
端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加し
たp−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA9.
34gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固形状
で添加した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポリアミ
ド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。但し
以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾燥窒
素気流下に置いた。 【0037】更にこの共重合体ポリアミド酸溶液に無水
酢酸47.39gとピリジン9.17g加え充分に混合
した後、参考例1の方法に従い、この共重合ポリアミド
酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフィルムは
表1に示す性質を示した。 【0038】実施例3 500ml四ツ口フラスコにODA12.11gを採取
し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A11.88gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で
添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド
酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラ
スコにp−PDA6.53gを採取し、このアミノ基末
端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加し
たp−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA1
4.49gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固
形状で添加した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポリ
アミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。
但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾
燥窒素気流下に置いた。 【0039】得られた共重合ポリアミド酸混合溶液をガ
ラス板状に流延塗布し約100℃にて約60分間乾燥
後、共重合ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その
塗膜を支持枠に固定し、その後約150℃で約30分
間、約300℃で約60分間加熱し、脱水閉環乾燥後1
5〜25ミクロンの共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 【0040】実施例4 500ml四ツ口フラスコにp−PDA6.53gを採
取し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミド
を加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPM
DA11.86gを採取し、前記p−PDA溶液中に固
形状で添加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端
アミド酸プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナ
スフラスコにODA12.11gを採取し、このアミノ
基末端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添
加したODAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA1
4.51gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固
形状で添加した。引き続き、1時間撹拌を続け共重合ポ
リアミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保っ
た。但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下に置いた。 【0041】得られた共重合ポリアミド酸混合溶液をガ
ラス板状に流延塗布し約100℃にて約60分間乾燥
後、共重合ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その
塗膜を支持枠に固定し、その後約150℃で約10分
間、約200℃で約60分間、約300℃で約60分間
加熱し、脱水閉環乾燥後15〜25ミクロンの共重合ポ
リイミド膜を得た。このフィルムは表1に示す性質を示
した。 【0042】実施例5 500ml四ツ口フラスコにODA8.42gを採取
し、855.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A4.59gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で添
加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド酸
プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラス
コにp−PDA9.09gを採取し、このアミノ基末端
アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加した
p−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、別
途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA22.
91gを採取した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポ
リアミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保っ
た。但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下に置いた。 【0043】次に参考例1の方法に従い、この共重合ポ
リアミド酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 実施例6 500ml四ツ口フラスコにODA6.45gを採取
し、255.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A6.32gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で添
加し、そのまま1時間撹拌を続けアミノ基末端アミド酸
プレポリマー溶液を得た。次いで、50mlナスフラス
コにp−PDA10.44gを採取し、このアミノ基末
端アミド酸プレポリマー溶液に固形状で添加し、添加し
たp−PDAが完全に溶解するまで十分に撹拌した後、
別途に100mlナスフラスコに不足分のPMDA2
1.79gを採取し、反応系(四ツ口フラスコ)内へ固
形状で添加した。引き続き1時間撹拌を続け共重合ポリ
アミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保った。
但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾
燥窒素気流下に置いた。 【0044】次に参考例1の方法に従い、この共重合ポ
リアミド酸溶液より共重合ポリイミド膜を得た。このフ
ィルムは表1に示す性質を示した。 比較例1 500ml四ツ口フラスコにODA21.54gを採取
し、245.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A23.46gを採取し、ODA溶液中に固形状で添加
した。更に、この100mlナスフラスコ中の壁面に付
着残存するPMDAを10.00gのN,N′−ジメチ
ルフセトアミドで反応系(四つ口フラスコ)内へ流し入
れた。更に引き続き1時間撹拌を続け、15重量%のポ
リアミド酸溶液を得た。反応温度は5〜10℃に保っ
た。但し以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内
は乾燥窒素気流下に置いた。 【0045】次に参考例1の方法に従い、このポリアミ
ド酸溶液よりポリイミド膜を得た。このフィルムは表1
に示す性質を示した。 比較例2 500ml四ツ口フラスコにp−PDA4.35g及び
ODA8.07gを採取し、160.00gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加え溶解した。比較例1の方法
に従い17.58gのPMDAを反応させ、15重量%
のポリアミド酸溶液を得た。但し、最終の壁面に付着残
存するPMDAは10.00gのN,N−ジメチルアセ
トアミド反応系(四ツ口フラスコ)内へ流し入れ、ラン
ダム共重合によるコポリアミド酸を得た。 【0046】次に実施例1の方法に従い、これらのポリ
アミド酸溶液よりポリイミド膜を得た。これらのフィル
ムは表1に示す性質を示した。 比較例3 500ml四ツ口フラスコにp−PDA6.96g及び
ODA4.30gを採取し、160.00gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加え溶解した。比較例1の方法
に従い18.73gのPMDAを反応させ、15重量%
のランダム共重合によるポリアミド酸溶液を得た。但
し、最終の壁面に付着残存するPMDAは10.00g
のN,N−ジメチルアセトアミド反応系(四ツ口フラス
コ)内へ流し入れた。 【0047】次に参考例1の方法に従い、これらのポリ
アミド酸溶液よりポリイミド膜を得た。これらのフィル
ムは表1に示す性質を示した。 比較例4 500ml四ツ口フラスコにODA21.54gを採取
し、245.00gのN,N−ジメチルアセトアミドを
加え溶解した。他方、100mlナスフラスコにPMD
A23.46gを採取し、前記ODA溶液中に固形状で
添加した。更に、この100mlナスフラスコ中の壁面
に付着残存するPMDAは10.00gのN,N−ジメ
チルアセトアミド反応系(四ツ口フラスコ)内へ流し入
れた。更に引き続き1時間撹拌を続け、15重量%のポ
リアミド酸溶液(I)を得た。 【0048】一方、500ml四ツ口フラスコにp−P
DA14.91gを採取し、245.00gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加え溶解し、前記と同様の方法
に従い30.09gPMDAを反応させ15重量%のポ
リアミド酸溶液(II)を得た。但し、最終の壁面に付着
残存するPMDAは10.00gのN,N−ジメチルア
セトアミドで反応系(四ツ口フラスコ)内へ流し入れ
た。いずれの場合も反応温度は5〜10℃に保ち、また
以上の操作でPMDAの取り扱い及び反応系内は乾燥窒
素流下に置いた。 【0049】次に別途に、前記の方法により得られたポ
リアミド酸溶液(I)112.35gを500nl四ツ
口フラスコに採取し、更にポリアミド酸溶液(II)8
7.65gを混入し、乾燥窒素気流下5〜10℃で約1
0分間撹拌した。次に参考例1の方法に従い、このポリ
アミド酸混合溶液よりポリイミド膜を得た。このフィル
ムは表1に示す性質を示した。 【0050】 【表1】 【0051】 【発明の効果】本発明の共重合体ポリイミドは優れた熱
的寸法安定性と機械性質を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(31)優先権主張番号 特願昭62−8947
(32)優先日 昭和62年1月20日(1987.1.20)
(33)優先権主張国 日本(JP)
(31)優先権主張番号 特願昭62−174126
(32)優先日 昭和62年7月13日(1987.7.13)
(33)優先権主張国 日本(JP)
(31)優先権主張番号 特願昭62−174128
(32)優先日 昭和62年7月13日(1987.7.13)
(33)優先権主張国 日本(JP)
(56)参考文献 特開 平1−131242(JP,A)
特開 昭61−181827(JP,A)
特開 昭60−210629(JP,A)
特開 昭63−166287(JP,A)
特開 昭63−254131(JP,A)
特開 平1−131242(JP,A)
特開 昭61−141734(JP,A)
特開 昭59−164328(JP,A)
特公 昭36−10999(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 73/10
C08J 5/18 CFG
C08L 77/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.(a)〜(c)の工程を含むことを特徴とする一般
式(I)及び(II): 【化1】 (式中R0は芳香族テトラカルボン酸残基)で示される
反復単位を有する共重合ポリイミドの製法。 (a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又
はパラフェニレンジアミンを、一般式(I)及び(I
I)で表される反復単位の合計量がポリイミド分子中平
均して80重量%以上になるように含むジアミンとこの
ジアミンに対して40〜99モル%の芳香族テトラカル
ボン酸二無水物を反応させることによりアミノ基末端の
アミド酸プレポリマーを合成する工程。 (b)このアミド酸プレポリマーをジアミンの10〜9
0モル%用いポリアミド酸を合成する工程。 (c)このポリアミド酸を脱水してポリイミドを合成す
る工程。 2.(a)工程において使用するジアミンが4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルである特許請求の範囲第1
項記載の製法。 3.(a)工程において使用するジアミンがパラフェニ
レンジアミンである特許請求の範囲第1項記載の製法。 4.一般式(I)で示される単位の合計量と一般式(I
I)で示される単位の合計量のモル比が1/9〜9/1
である特許請求の範囲第1項記載の製法。 5.芳香族テトラカルボン酸二無水物がピロメリット酸
二無水物を70重量%以上含む芳香族テトラカルボン酸
二無水物である特許請求の範囲第1項記載の製法。 6.(c)工程における脱水が熱的あるいは化学的脱水
である特許請求の範囲第1項記載の製法。 7.(a)〜(b)の工程を含むことを特徴とする一般
式(III)及び(IV): 【化2】 (式中R0は芳香族テトラカルボン酸残基)で示される
反復単位を有する共重合ポリアミド酸の製法。 (a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び/又
はパラフェニレンジアミンを、一般式(III)及び
(IV)で表される反復単位の合計量がポリアミド酸分
子中平均して80重量%以上になるように含むジアミン
とこのジアミンに対して40〜99モル%の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物を反応させることによりアミノ基
末端のアミド酸プレポリマーを合成する工程。 (b)このアミド酸プレポリマーをジアミンの10〜9
0モル%用いポリアミド酸を合成する工程。
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