JP3020538B2 - 連続鋳造時における幅拡大方法 - Google Patents
連続鋳造時における幅拡大方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は連続鋳造時における幅拡大方法に係り、詳し
くは、連続鋳造中に鋳型短辺を移動させて鋼片幅を変更
する際に、その鋳造時間率を向上させる連続鋳造時にお
ける幅拡大方法に係る。
くは、連続鋳造中に鋳型短辺を移動させて鋼片幅を変更
する際に、その鋳造時間率を向上させる連続鋳造時にお
ける幅拡大方法に係る。
従来の技術 近年、鋼の連続鋳造においては、稼動率ならびに鋳片
歩留の向上等から鋳込を停止することなく、連続鋳型の
鋳片幅を変更する連続鋳造法が実施されている。なかで
も、連続鋳造工程と圧延工程とを直結する方法が実用化
されていることからして、製品板幅に応じて連続鋳造中
の鋳片幅を変更することが望まれている。
歩留の向上等から鋳込を停止することなく、連続鋳型の
鋳片幅を変更する連続鋳造法が実施されている。なかで
も、連続鋳造工程と圧延工程とを直結する方法が実用化
されていることからして、製品板幅に応じて連続鋳造中
の鋳片幅を変更することが望まれている。
このように連続鋳造機の運転を止めずに鋳片幅を変更
する場合には、幅変更時間を極力短かくし、鋳片の幅変
更部分をできるだけ短かくし、要求される幅に直ちに変
更することが重要である。また、このような条件が充足
されると、連続鋳造機の幅変更設備の能力が活用でき、
幅変更時間を短縮できる。
する場合には、幅変更時間を極力短かくし、鋳片の幅変
更部分をできるだけ短かくし、要求される幅に直ちに変
更することが重要である。また、このような条件が充足
されると、連続鋳造機の幅変更設備の能力が活用でき、
幅変更時間を短縮できる。
一般に用いられている連続鋳造機の幅変更装置は第4
図に示すとおりである。
図に示すとおりである。
第4図に示す幅変更装置は鋳型長辺を固定し短辺を移
動させる型式のものである。
動させる型式のものである。
すなわち、一対の短辺1a、1bは図示しない鋳型振動テ
ーブルに固定された長辺2a、2bの間に挾持され、各短辺
1a、1bに取付けられた電動若しくは油圧式の2つの駆動
装置3a、3bにより駆動され、鋳造を止めることなく、鋳
造される鋳片4の幅が変更される。このような装置によ
り幅変更するときに、その速度を高めると、短辺の駆動
力が増加して鋳片欠陥が発生し、このことが幅変更の高
速化を阻んでいる。
ーブルに固定された長辺2a、2bの間に挾持され、各短辺
1a、1bに取付けられた電動若しくは油圧式の2つの駆動
装置3a、3bにより駆動され、鋳造を止めることなく、鋳
造される鋳片4の幅が変更される。このような装置によ
り幅変更するときに、その速度を高めると、短辺の駆動
力が増加して鋳片欠陥が発生し、このことが幅変更の高
速化を阻んでいる。
従来から、幅変更方法として、(1)、特開昭60−68
137号公報記載のように、短辺の幅縮少区間を前傾、並
行移動、後傾に区分し、各期間において短辺移動速度を
短辺の上部と下部とで変更し鋳片幅を縮少する方法、
(2)、特開昭61−115656号公報記載のように、短辺の
幅縮少区間を前傾、後傾に区分し、各期間における短辺
の上下端部の水平方向移動速度の増速率αを許容シェル
変更抵抗力のパラメータとして求めるとともに、短辺の
上下端部の速度差を一定の数式によって定め、増速率α
ならびに速度差ΔVを一定に維持して幅変更を行なう方
法、(3)、特開昭61−137659号公報記載のように、幅
変更の開始時と終了時のテーパの違いによる誤差を前傾
と後傾の間に平行期間をおいて吸収する方法、(4)、
特開昭61−144255号公報記載のように、圧延条件および
/または短辺駆動装置の制約条件により短辺の最大許容
移動速度Vmaxを設定し、幅変更の前傾または後傾におけ
る短辺の上端部速度Vが最大許容移動速度Vmaxを越える
ようになったとき、幅変更前半部と後半部との間に特定
範囲の移動速度Vpで短辺を平行移動する方法などが提案
されている。
137号公報記載のように、短辺の幅縮少区間を前傾、並
行移動、後傾に区分し、各期間において短辺移動速度を
短辺の上部と下部とで変更し鋳片幅を縮少する方法、
(2)、特開昭61−115656号公報記載のように、短辺の
幅縮少区間を前傾、後傾に区分し、各期間における短辺
の上下端部の水平方向移動速度の増速率αを許容シェル
変更抵抗力のパラメータとして求めるとともに、短辺の
上下端部の速度差を一定の数式によって定め、増速率α
ならびに速度差ΔVを一定に維持して幅変更を行なう方
法、(3)、特開昭61−137659号公報記載のように、幅
変更の開始時と終了時のテーパの違いによる誤差を前傾
と後傾の間に平行期間をおいて吸収する方法、(4)、
特開昭61−144255号公報記載のように、圧延条件および
/または短辺駆動装置の制約条件により短辺の最大許容
移動速度Vmaxを設定し、幅変更の前傾または後傾におけ
る短辺の上端部速度Vが最大許容移動速度Vmaxを越える
ようになったとき、幅変更前半部と後半部との間に特定
範囲の移動速度Vpで短辺を平行移動する方法などが提案
されている。
しかしながら、これらの幅変更方法は、一応鋳片の幅
の変更には有効であるが、幅変更時間、鋳片の幅変更部
分の長さ、幅変更速度などで十分に満足できる条件を具
えるものでなく、幅変更設備の能力を最大限に活用でき
るものでもない。
の変更には有効であるが、幅変更時間、鋳片の幅変更部
分の長さ、幅変更速度などで十分に満足できる条件を具
えるものでなく、幅変更設備の能力を最大限に活用でき
るものでもない。
発明が解決しようとする課題 本発明は上記問題を解決を目的とし、具体的には、連
続鋳造時の鋳片幅変更において、鋳片短辺を移動させ幅
拡大する際に短辺のメニスカス部により幅を変更するよ
うにし、鋳造時の幅変更時間を短縮し、しかも、幅変更
設備能力を最大限に活用する連続鋳造時における幅拡大
方法を提案することを目的とする。
続鋳造時の鋳片幅変更において、鋳片短辺を移動させ幅
拡大する際に短辺のメニスカス部により幅を変更するよ
うにし、鋳造時の幅変更時間を短縮し、しかも、幅変更
設備能力を最大限に活用する連続鋳造時における幅拡大
方法を提案することを目的とする。
課題を解決するための手段ならびにその作用 すなわち、本発明は、連続鋳造時に鋳型短辺を移動さ
せて幅を変更する方法において、短辺のメニスカス部に
より幅を変更するときに、短辺移動速度が下記(1)な
らびに(2)の式を満足すること、 このときにできた短辺と鋳片とのテーパを目標テーパに
合わせるときに、短辺の移動速度が下記(3)ならびに
(4)の式を満足すること 但し、(1)、(2)、(3)、(4)の各式中の記号
は次のものを示す。
せて幅を変更する方法において、短辺のメニスカス部に
より幅を変更するときに、短辺移動速度が下記(1)な
らびに(2)の式を満足すること、 このときにできた短辺と鋳片とのテーパを目標テーパに
合わせるときに、短辺の移動速度が下記(3)ならびに
(4)の式を満足すること 但し、(1)、(2)、(3)、(4)の各式中の記号
は次のものを示す。
Vu(t) :短辺のメニスカス部における移動速度 V (t):短辺の下端における移動速度 Vc :鋳造速度 m :鋳型のメニスカス部から下端までの長さ T(t) :短辺のテーパ長さ θ1、θ2:歪許容量 φ、ψ :メニスカス部変形余裕 t :時刻 を特徴とする。
以下、更に本発明の手段たる構成ならびにその作用に
ついて詳しく説明すると、次の通りである。
ついて詳しく説明すると、次の通りである。
まず、連続鋳造時の幅変更中における鋳片の変形挙動
をみると、メニスカス部の方が変形しやすく、鋳込まれ
る鋳片は溶鋼静圧によって変形する。
をみると、メニスカス部の方が変形しやすく、鋳込まれ
る鋳片は溶鋼静圧によって変形する。
このようなメニスカス部の変形と溶鋼静圧による変形
とを有効に利用すると、設備能力的にも幅変更所要時間
的にも好ましい。
とを有効に利用すると、設備能力的にも幅変更所要時間
的にも好ましい。
このようなところから、短辺の移動速度はこのような
ところを配慮したパラメータφ、θを代入した(1)式
ならびに(2)式にもとずいて決めることがれき、これ
によって幅変更中において鋳型短辺と鋳片との間にはエ
アーギャップがなく、鋳片の変形が許容歪以内である条
件のもとで、迅速に短辺を移動させて幅方向を達成でき
る。
ところを配慮したパラメータφ、θを代入した(1)式
ならびに(2)式にもとずいて決めることがれき、これ
によって幅変更中において鋳型短辺と鋳片との間にはエ
アーギャップがなく、鋳片の変形が許容歪以内である条
件のもとで、迅速に短辺を移動させて幅方向を達成でき
る。
すなわち、幅変更のときの短辺の移動速度V(ε、
t)は(5)式であらわされる。
t)は(5)式であらわされる。
なお、(5)式においてξは短辺長さ方向の変数であ
り、ξ=0はメニスカス部、ξ=mは鋳型下端、V
(ξ、t)はξ、tにおける短辺移動速度を示す。
(5)式を2つに分けると、左辺項はエアーギャップ無
の状態の条件であり、右辺項は鋳片変形許容歪以内の状
態を示す条件であり、短辺移動速度がこれら条件から外
れると、幅移動のときにエアーギャップが生成し、鋳片
の変形が許容歪以内から外れることになる。しかしなが
ら、本発明はこのような(5)式の条件で短辺の移動速
度を定めなくとも、メニスカス部の変形を配慮したパラ
メータφを上限に加えることにより、その上限まで短辺
の移動速度を高められることを知見し、このところから
成立したものである。
り、ξ=0はメニスカス部、ξ=mは鋳型下端、V
(ξ、t)はξ、tにおける短辺移動速度を示す。
(5)式を2つに分けると、左辺項はエアーギャップ無
の状態の条件であり、右辺項は鋳片変形許容歪以内の状
態を示す条件であり、短辺移動速度がこれら条件から外
れると、幅移動のときにエアーギャップが生成し、鋳片
の変形が許容歪以内から外れることになる。しかしなが
ら、本発明はこのような(5)式の条件で短辺の移動速
度を定めなくとも、メニスカス部の変形を配慮したパラ
メータφを上限に加えることにより、その上限まで短辺
の移動速度を高められることを知見し、このところから
成立したものである。
そこで、(5)式から説明すると次の通りである。
第1図(a)に示す状態から第1図(b)の状態に短
辺を移動させる際の短辺移動速度をV(ξ、t)とする
と、V(ξ、t)は次のとおりである。
辺を移動させる際の短辺移動速度をV(ξ、t)とする
と、V(ξ、t)は次のとおりである。
すなわち、第1図(b)の斜線部分の三角形は第1図
(b)に示される短辺と矩辺深さを示す線とメニスカス
部の線とにより囲まれた三角形と相似関係にあり、この
三角形を用い とすれば水平方向の移動速度が求められる。これを時間
△tにおけるものとして考えれば、斜線部分の三角形英
の中の短辺速度V(ξ、t)×△tは、 と表現することができる。これを△tの概念を外すと、 となり、(5)式の左辺項の表現になる。
(b)に示される短辺と矩辺深さを示す線とメニスカス
部の線とにより囲まれた三角形と相似関係にあり、この
三角形を用い とすれば水平方向の移動速度が求められる。これを時間
△tにおけるものとして考えれば、斜線部分の三角形英
の中の短辺速度V(ξ、t)×△tは、 と表現することができる。これを△tの概念を外すと、 となり、(5)式の左辺項の表現になる。
また、(5)式はT(t)とVcが入れ替っているもの
で、 となっているもの、又は、′mとあるのは、短辺角度
が大きくならない限り、mとほぼ同等としても誤差は
少ないため との表現が用いられていが、これを正確に表現すると
′mとなる。
で、 となっているもの、又は、′mとあるのは、短辺角度
が大きくならない限り、mとほぼ同等としても誤差は
少ないため との表現が用いられていが、これを正確に表現すると
′mとなる。
また、V(ξ、t)で表現する短辺移動速度が、 を超えるとエアーギャップが発生するため、エアーギャ
ップ無しの条件下におくために不等号を与えると、 の式で表現され、これに鋳片の凝固シェルの変形許容歪
を加味すると、右辺が成立し、(5)式となる。
ップ無しの条件下におくために不等号を与えると、 の式で表現され、これに鋳片の凝固シェルの変形許容歪
を加味すると、右辺が成立し、(5)式となる。
これを単位的に述べると、これらの各記号は、 Vc :鋳造速度(mm/min) m :メニスカスから下端までの距離(mm) T(t):メニスカス部と短辺下端との短辺テーパ量
(mm) を示すものであり(5)式の右辺は移動速度で表現され
る。
(mm) を示すものであり(5)式の右辺は移動速度で表現され
る。
(5)式を幅変更のステップに分けると、鋳型短辺が
鋳片に比べれば剛体であるので、鋳型短辺のメニスカス
部と下端の条件を押さえれば良いから、鋳型下端では、 また、メニスカス部では、 の各式を得ることになる。この(1)′〜(4)′の式
で、 Vc=一定 ……(6) θ1=θ2=θ ……(7) という条件を付加し、さらにテーパ量を最も速く動かす
ことを目標にすれば、(1)′〜(4)′の等号を採用
することになり、 の各式を得る。
鋳片に比べれば剛体であるので、鋳型短辺のメニスカス
部と下端の条件を押さえれば良いから、鋳型下端では、 また、メニスカス部では、 の各式を得ることになる。この(1)′〜(4)′の式
で、 Vc=一定 ……(6) θ1=θ2=θ ……(7) という条件を付加し、さらにテーパ量を最も速く動かす
ことを目標にすれば、(1)′〜(4)′の等号を採用
することになり、 の各式を得る。
そこで、(1)″−(2)″および(3)″−
(4)″を計算すると、 △V≡Vu(t)−V (t)=θ ……(8) となり、結果的に特開昭61−115656号公報で言うところ
の △V=α・L/Uc(=const) ……(9) △V:短辺上端と下端の速度差(=const) α :短辺上・下端の増速率 (=const) L :鋳型短辺長さ (=const) Uc :鋳造速度 (=const) を得る。なお、(9)式の(=const)は本願発明者が
仮定したものである。
(4)″を計算すると、 △V≡Vu(t)−V (t)=θ ……(8) となり、結果的に特開昭61−115656号公報で言うところ
の △V=α・L/Uc(=const) ……(9) △V:短辺上端と下端の速度差(=const) α :短辺上・下端の増速率 (=const) L :鋳型短辺長さ (=const) Uc :鋳造速度 (=const) を得る。なお、(9)式の(=const)は本願発明者が
仮定したものである。
ところが一般的に連続鋳造操業でVc=一定である必然
はなく、また、メニスカス部歪許容量θ2と下端歪許容
量θ1とはθ1=θ2ではなく、高温で凝固シェルの薄
いメニスカス部と該部に比べ厚い凝固シェルを持ち、冷
却の進んだ下部とではメニスカス部も変形しやすく、θ
2>θ1である(メニスカス部が変形しやすい)。
はなく、また、メニスカス部歪許容量θ2と下端歪許容
量θ1とはθ1=θ2ではなく、高温で凝固シェルの薄
いメニスカス部と該部に比べ厚い凝固シェルを持ち、冷
却の進んだ下部とではメニスカス部も変形しやすく、θ
2>θ1である(メニスカス部が変形しやすい)。
従って、このθ2>θ1である事実のみを用いても
(9)式の制約で幅変更する((1)″〜(4)″で速
度を与える)よりも、より速くテーパ量を動かすことが
できることになる。なぜならば、(1)″〜(4)″を
導くとき、θ1=θ2を仮定しなければならないが、前
記技術では実際はθ2>θ1であるにもかかわらず、い
ずれか小さい方、すなわち、θ1の値を採用しなければ
ならないからである。なお、(8)式より△V=θであ
るが、本発明においてはθ2を採用できる部分では△V
=θ2とでき、(9)式の制約から開放され、高速とす
ることができる。
(9)式の制約で幅変更する((1)″〜(4)″で速
度を与える)よりも、より速くテーパ量を動かすことが
できることになる。なぜならば、(1)″〜(4)″を
導くとき、θ1=θ2を仮定しなければならないが、前
記技術では実際はθ2>θ1であるにもかかわらず、い
ずれか小さい方、すなわち、θ1の値を採用しなければ
ならないからである。なお、(8)式より△V=θであ
るが、本発明においてはθ2を採用できる部分では△V
=θ2とでき、(9)式の制約から開放され、高速とす
ることができる。
更に、本発明者らが実験によって確認したところ、
(1)′式の右辺に更にパラメータφを付加できること
を見出した。(1)′式はそもそも鋳型短辺と鋳片の間
でエアーギャップを生じない条件を表現した式である。
(1)′式の右辺に更にパラメータφを付加できること
を見出した。(1)′式はそもそも鋳型短辺と鋳片の間
でエアーギャップを生じない条件を表現した式である。
ここで、エアーギャップの発生を防止する条件として
は、幅変更に伴う鋳片の変形部と鋳型短辺が常にエアー
ギャップ無しで密着するように鋳型短辺は鋳片の鋳造速
度に応じた移動速度を採るようになっている。
は、幅変更に伴う鋳片の変形部と鋳型短辺が常にエアー
ギャップ無しで密着するように鋳型短辺は鋳片の鋳造速
度に応じた移動速度を採るようになっている。
しかし、連続鋳造において観察されるように、鋳片は
バルジングを伴いやすく、メニスカス部は若干の静鉄圧
によってもバルジングを生じる。従って、このバルジン
グも加えエアーギャップ無しの条件が形成され得るもの
であり、このパラメータをφとして採り込むことにより
下記式が得られる。
バルジングを伴いやすく、メニスカス部は若干の静鉄圧
によってもバルジングを生じる。従って、このバルジン
グも加えエアーギャップ無しの条件が形成され得るもの
であり、このパラメータをφとして採り込むことにより
下記式が得られる。
上記式によりバルジングによる変形を利用した高速幅
変更条件が設定される。同様に(3)′、(4)′式に
対しても、短辺下端部の静鉄圧を利用したバルジングを
考慮し、(4)′式パラメータψを付加することができ
る。
変更条件が設定される。同様に(3)′、(4)′式に
対しても、短辺下端部の静鉄圧を利用したバルジングを
考慮し、(4)′式パラメータψを付加することができ
る。
従って、次の下記式が得られる。
ここでも同等にして高速幅変更条件が設定される。
なお、パラメータφ及びψは凝固シェルがバルジング
により膨出する速度を示すパラメータであり、静鉄圧に
比例すると共に、鋼種、鋳造条件に応じ予め実験的に求
めておけば良い。
により膨出する速度を示すパラメータであり、静鉄圧に
比例すると共に、鋼種、鋳造条件に応じ予め実験的に求
めておけば良い。
最も速く幅変更を行なうには、(1)〜(4)式を満
足する必要があり、下記の形となる。
足する必要があり、下記の形となる。
つまり、(1)〜(4)式を常に満足するように
Vu(t)、V (t)を決める必要がある。第2図よ
り、溶鋼製鉄圧の水平方向分力P′は、 として求められる。
Vu(t)、V (t)を決める必要がある。第2図よ
り、溶鋼製鉄圧の水平方向分力P′は、 として求められる。
(1)式のφはP′に比例するから (Eは定数)と表すことができる。
さて、短辺テーパT(t)の時間微分 は、テーパの変化する速度を表し、これは、モールド短
辺が剛体と仮定できることから、短辺上端速度Vu(t)
と短辺下端速度V (t)との差で表される。
辺が剛体と仮定できることから、短辺上端速度Vu(t)
と短辺下端速度V (t)との差で表される。
すなわち、 (1)、(2)式を用いると、 を得る。
この微分方程式を解くことにより、エアーギャップな
し、変形抵抗以下の幅変更を実施するための短辺テーパ
の動きが求められる。
し、変形抵抗以下の幅変更を実施するための短辺テーパ
の動きが求められる。
(1)〜(2)、(14)の式よりこれから容易に
Vu、V が求まり、 を得ることできる。
Vu、V が求まり、 を得ることできる。
ゆえに、(I)メニスカス部を利用して幅変更する期
間(以下第I期という)では、上記(15)、(16)の式
で移動速度が考えられる。
間(以下第I期という)では、上記(15)、(16)の式
で移動速度が考えられる。
同様に、 (17)式より とすると、 (3)、(4)(19)式より (なお、T20は前半から後半に遷移するときのテーパの
値である。) テーパを目標値に合わせる期間(以下第II期という)
では、(20)、(21)式によって移動速度が求められ
る。
値である。) テーパを目標値に合わせる期間(以下第II期という)
では、(20)、(21)式によって移動速度が求められ
る。
以上説明したように幅拡大における各期の移動速度
は、 第I期では 第II期では の基礎式として与えられる。(15)、(16)、(20)、
(21)式を見やすくするために、 (22)〜(25)式により短辺移動速度を決める場合、
幅変更量△Wを与えると、最も速い幅変更を行なう短辺
移動速度パターンは一定に決まる。すなわち、第I期、
第II期の所要時間をそれぞれt1、t2で表わし、それぞれ
の幅変更量を2△W1、2△W2、トータルの幅変更量を2
△Wとすると、 △W=△W1+△W2 である。
は、 第I期では 第II期では の基礎式として与えられる。(15)、(16)、(20)、
(21)式を見やすくするために、 (22)〜(25)式により短辺移動速度を決める場合、
幅変更量△Wを与えると、最も速い幅変更を行なう短辺
移動速度パターンは一定に決まる。すなわち、第I期、
第II期の所要時間をそれぞれt1、t2で表わし、それぞれ
の幅変更量を2△W1、2△W2、トータルの幅変更量を2
△Wとすると、 △W=△W1+△W2 である。
ここで、△W1、△W2はそれぞれ短辺移動速度の時間積
分であるから、 となる。同様に、 となる。ここで、T20は定義により、第I期から第II期
へ遷移する際のテーパ量、すなわち、第I期終了時のテ
ーパ量である。これは、 を積分した より求めることができ、 を得る。
分であるから、 となる。同様に、 となる。ここで、T20は定義により、第I期から第II期
へ遷移する際のテーパ量、すなわち、第I期終了時のテ
ーパ量である。これは、 を積分した より求めることができ、 を得る。
幅変更終了後、テーパは初期状態に戻るとすると、 t=t2でT(t)=0であるから、(19)の式より (29)、(30)の式よりt1が決まればt2が決まる。従っ
て、また、(26)、(27)、(28)の式よりt1が一意に
求まることになる。t1、t2は繰返し計算によって解くこ
とができる。ゆえに、すべてのパラメータが決まり、△
Wが与えられれば、t1、t2が求まり、第I期、第II期の
幅変更量が求められる。
て、また、(26)、(27)、(28)の式よりt1が一意に
求まることになる。t1、t2は繰返し計算によって解くこ
とができる。ゆえに、すべてのパラメータが決まり、△
Wが与えられれば、t1、t2が求まり、第I期、第II期の
幅変更量が求められる。
なお、幅変更終了時のテーパが初期状態と異なる場合
でも、速度パターンはここで示した方法で与え、幅変更
終了時近傍にてテーパと幅を監視し、短辺の上または下
の移動のみを停止すればよい。
でも、速度パターンはここで示した方法で与え、幅変更
終了時近傍にてテーパと幅を監視し、短辺の上または下
の移動のみを停止すればよい。
例えば、下記の条件で幅変更を行なうと、次の通りと
なる。
なる。
なお、この場合の幅変更時間と短辺移動速度との関係
をグラフに示すと第3図のようになる。
をグラフに示すと第3図のようになる。
△W=100mm(両短辺で200mmの幅変更) θ1=30mm/分 θ2=50mm/分 A =3mm/分 A′=1.5mm/分 m=900mm Vc =1.5m/分=1500mm/分 (26)〜(30)の式を用いて繰返し計算を行なって第
I期ならびに第II期の所要時間t1ならびにt2をそれぞれ
求めると、t1=1.72分、t2=1.17分となる。これを用い
て(27)、(28)式より第I期ならびに第II期の幅変更
量△W1ならびに△W2をそれぞれ求めると、△W1=99mm、
△W2=1mmを得る。
I期ならびに第II期の所要時間t1ならびにt2をそれぞれ
求めると、t1=1.72分、t2=1.17分となる。これを用い
て(27)、(28)式より第I期ならびに第II期の幅変更
量△W1ならびに△W2をそれぞれ求めると、△W1=99mm、
△W2=1mmを得る。
<発明の効果> 以上詳しく説明したように、本発明は、連続鋳造時に
鋳型短辺を移動させて鋳片幅を変更する方法において、
鋳造幅を拡大する際に、短辺の移動速度を短辺のメニス
カス部の移動速度により幅を変更する期間を有し、しか
も、短辺と鋳片間の各所でエアーギャップを生じないよ
うにかつ鋳片の変形が許容される歪の範囲内に維持する
ようにすることを特徴とする。
鋳型短辺を移動させて鋳片幅を変更する方法において、
鋳造幅を拡大する際に、短辺の移動速度を短辺のメニス
カス部の移動速度により幅を変更する期間を有し、しか
も、短辺と鋳片間の各所でエアーギャップを生じないよ
うにかつ鋳片の変形が許容される歪の範囲内に維持する
ようにすることを特徴とする。
従って、本発明によれば短辺の移動速度を特定の条件
下メニスカス部の移動速度により幅変更するようにした
ため、要求される幅に直ちに移行でき、しかも、幅変更
時間が極力短縮され、鋳片の幅変更部の長さを短かくす
ることができ、かつ幅変更設備の能力を最大限に活用す
ることができる。
下メニスカス部の移動速度により幅変更するようにした
ため、要求される幅に直ちに移行でき、しかも、幅変更
時間が極力短縮され、鋳片の幅変更部の長さを短かくす
ることができ、かつ幅変更設備の能力を最大限に活用す
ることができる。
第1図(a)ならびに(b)は本発明に基づく幅変更時
における短辺の上部の水平方向移動速度を説明するため
の線図、第2図は本発明に基づく幅変更時における溶鋼
静鉄圧の水平方向分力を説明するための説明図、第3図
は本発明の実施例の一例の幅変更時間と短辺移動時間と
の関係を示すグラフ、第4図は連続鋳造鋳型の幅変更装
置の一例を概念的に示す説明図である。
における短辺の上部の水平方向移動速度を説明するため
の線図、第2図は本発明に基づく幅変更時における溶鋼
静鉄圧の水平方向分力を説明するための説明図、第3図
は本発明の実施例の一例の幅変更時間と短辺移動時間と
の関係を示すグラフ、第4図は連続鋳造鋳型の幅変更装
置の一例を概念的に示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−33855(JP,A) 特開 昭62−263857(JP,A) 特開 昭62−192245(JP,A) 特開 昭61−9956(JP,A) 特開 平2−59158(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/16 106
Claims (1)
- 【請求項1】連続鋳造時に鋳型短辺を移動させて幅を変
更する方法において、短辺のメニスカス部により幅を変
更するときに、短辺移動速度が下記(1)ならびに
(2)の式を満足すること、 このときにできた短辺と鋳片とのテーパを目標テーパに
合わせるときに、短辺の移動速度が下記(3)ならびに
(4)の式を満足すること 但し、(1)、(2)、(3)、(4)の各式中の記号
は次のものを示す。 Vu(t) :短辺のメニスカス部における移動速度 V (t):短辺の下端における移動速度 Vc :鋳造速度 m :鋳型のメニスカス部から下端までの長さ T(t) :短辺のテーパ長さ θ1、θ2:歪許容量 φ、ψ :メニスカス部変形余裕 t :時刻 を特徴とする連続鋳造時における幅拡大方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2048295A JP3020538B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 連続鋳造時における幅拡大方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2048295A JP3020538B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 連続鋳造時における幅拡大方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03248758A JPH03248758A (ja) | 1991-11-06 |
JP3020538B2 true JP3020538B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=12799450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2048295A Expired - Fee Related JP3020538B2 (ja) | 1990-02-27 | 1990-02-27 | 連続鋳造時における幅拡大方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3020538B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106270436B (zh) * | 2016-09-20 | 2018-06-29 | 中冶连铸技术工程有限责任公司 | 一种提高结晶器调宽精度的方法 |
-
1990
- 1990-02-27 JP JP2048295A patent/JP3020538B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03248758A (ja) | 1991-11-06 |
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