JP3019528B2 - β−ラクトンおよび大環状ケトンの製造法 - Google Patents
β−ラクトンおよび大環状ケトンの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、βラクトンと大環状
ケトンの製造法に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、抗腫瘍剤、抗菌剤、香料等として、あるい
はまたその合成中間体として有用な大環状ケトンの、そ
してこの大環状ケトンの合成中間体であるβ−ラクトン
の高効率での製造法に関するものである。
ケトンの製造法に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、抗腫瘍剤、抗菌剤、香料等として、あるい
はまたその合成中間体として有用な大環状ケトンの、そ
してこの大環状ケトンの合成中間体であるβ−ラクトン
の高効率での製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、各種の大環状ケト
ンは抗腫瘍性や抗菌性、さらには香料までの幅広い活性
を有し、医薬品、香料、化粧料などの製品や合成中間体
として有用なものであることが知られている。このよう
な特徴のある大環状ケトンについては、その生理活性等
についての検討とともに、より効率的で経済的な製造法
についての研究も進められてきている。
ンは抗腫瘍性や抗菌性、さらには香料までの幅広い活性
を有し、医薬品、香料、化粧料などの製品や合成中間体
として有用なものであることが知られている。このよう
な特徴のある大環状ケトンについては、その生理活性等
についての検討とともに、より効率的で経済的な製造法
についての研究も進められてきている。
【0003】たとえばこの大環状ケトンの製造法の一つ
としてβ−ラクトンを合成中間体とする方法も提案され
ている。この方法は、二塩基酸の酸ハロゲン化物をトリ
エチルアミンの存在下に分子内付加環化反応させてβ−
ラクトンを製造し、次いでこれを加水分解および脱炭酸
して大環状ケトンを製造するものである(Journal of t
he American Chemical Society, 70,30 (1948))。
としてβ−ラクトンを合成中間体とする方法も提案され
ている。この方法は、二塩基酸の酸ハロゲン化物をトリ
エチルアミンの存在下に分子内付加環化反応させてβ−
ラクトンを製造し、次いでこれを加水分解および脱炭酸
して大環状ケトンを製造するものである(Journal of t
he American Chemical Society, 70,30 (1948))。
【0004】この方法は、反応が比較的シンプルであっ
て、原料等の入手も比較的容易であることから、大環状
ケトンの製造法として注目されるものである。しかしな
がら、実際には、前記のβーラクトンを経由する製造法
の場合には、β−ラクトンの反応収率が低く、結果とし
て大環状ケトンの収率も低水準に留まることや、反応時
間が長く、しかも高度に希釈した反応系としなければな
らないため、反応効率および経済性の点において工業的
ではないという欠点があった。
て、原料等の入手も比較的容易であることから、大環状
ケトンの製造法として注目されるものである。しかしな
がら、実際には、前記のβーラクトンを経由する製造法
の場合には、β−ラクトンの反応収率が低く、結果とし
て大環状ケトンの収率も低水準に留まることや、反応時
間が長く、しかも高度に希釈した反応系としなければな
らないため、反応効率および経済性の点において工業的
ではないという欠点があった。
【0005】この発明は、以上の通りの事情を踏まえて
なされたものであり、広範囲な応用分野においてその優
れた生理活性等の利用が注目される大環状ケトンの製造
にあたり、従来のトリエチルアミンを使用してのβ−ラ
クトン経由の製造法の欠点を解消し、高効率で、かつ経
済的にβーラクトンおよび大環状ケトンを製造すること
のできる新らしい製造法を提供することを目的としてい
る。
なされたものであり、広範囲な応用分野においてその優
れた生理活性等の利用が注目される大環状ケトンの製造
にあたり、従来のトリエチルアミンを使用してのβ−ラ
クトン経由の製造法の欠点を解消し、高効率で、かつ経
済的にβーラクトンおよび大環状ケトンを製造すること
のできる新らしい製造法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、 次式(I) XCOCH2 −R−CH2 COX (I) (式中のRはアルキレン基を、またXはハロゲン原子を
示す)で表される二塩基酸の酸ハロゲン化物を、含窒素
環状化合物の存在化に分子内付加環化反応させることを
特徴とする次式(II)
を解決するものとして、 次式(I) XCOCH2 −R−CH2 COX (I) (式中のRはアルキレン基を、またXはハロゲン原子を
示す)で表される二塩基酸の酸ハロゲン化物を、含窒素
環状化合物の存在化に分子内付加環化反応させることを
特徴とする次式(II)
【0007】
【化3】
【0008】(式中のRはアルキレン基を示す)で表さ
れるβ−ラクトンの製造法と、さらにこの式(II)のβ
−ラクトンを加水分解し、脱炭酸することを特徴とする
次式(III )
れるβ−ラクトンの製造法と、さらにこの式(II)のβ
−ラクトンを加水分解し、脱炭酸することを特徴とする
次式(III )
【0009】
【化4】
【0010】(式中のRはアルキレン基を示す)で表さ
れる大環状ケトンの製造法を提供する。この発明の製造
法によって、従来法に比べてより短時間で、高度希釈を
必要とすることなく高収率でβ−ラクトンを製造するこ
とができ、定量的に大環状ケトンを優れた効率と経済性
において取得することができる。
れる大環状ケトンの製造法を提供する。この発明の製造
法によって、従来法に比べてより短時間で、高度希釈を
必要とすることなく高収率でβ−ラクトンを製造するこ
とができ、定量的に大環状ケトンを優れた効率と経済性
において取得することができる。
【0011】β−ラクトンの製造に際して使用される式
(I)で表される二塩基酸の酸ハロゲン化物について
は、式中のRとして示したアルキレン基が直鎖または分
岐状のアルキレン基であって、この発明の反応を阻害す
ることのない適宜な置換基を有するそれらのアルキレン
基である二塩基酸からの酸ハロゲン化物を用いることが
できる。このような二塩基酸としては、たとえば、ヘキ
サデカン−1,16−二酸、ペンタデカン−1,15−
二酸、4−メチルペンタデカン−1,15−二酸テトラ
デカン−1,14−二酸、トリデカン−1,13−二
酸、ヘプタデカン−1,17−二酸、オクタデカン−
1,19−二酸、ノナデカン−1,19−二酸、エイコ
サン−1,20−二酸、3−メチルヘキサデカン−1,
16−二酸、9−オクタデセン−1,16−二酸などを
具体例として示すことができる。なお、アルキレン基の
炭素数は10以上のものが好ましい。
(I)で表される二塩基酸の酸ハロゲン化物について
は、式中のRとして示したアルキレン基が直鎖または分
岐状のアルキレン基であって、この発明の反応を阻害す
ることのない適宜な置換基を有するそれらのアルキレン
基である二塩基酸からの酸ハロゲン化物を用いることが
できる。このような二塩基酸としては、たとえば、ヘキ
サデカン−1,16−二酸、ペンタデカン−1,15−
二酸、4−メチルペンタデカン−1,15−二酸テトラ
デカン−1,14−二酸、トリデカン−1,13−二
酸、ヘプタデカン−1,17−二酸、オクタデカン−
1,19−二酸、ノナデカン−1,19−二酸、エイコ
サン−1,20−二酸、3−メチルヘキサデカン−1,
16−二酸、9−オクタデセン−1,16−二酸などを
具体例として示すことができる。なお、アルキレン基の
炭素数は10以上のものが好ましい。
【0012】これら二塩基酸の酸ハロゲン化物を形成す
る式(I)中のXとして示されるハロゲン原子について
は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示すること
ができる。また、含窒素環状化合物としては、窒素原子
を環構成原子として有する単環状および多環状化合物の
適宜なものが使用される。単環状化合物としては、N−
メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、4−(ジメ
チルアミノ)ピリジンなどが例示できる。含窒素多環状
化合物はたとえば次式(IV)
る式(I)中のXとして示されるハロゲン原子について
は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示すること
ができる。また、含窒素環状化合物としては、窒素原子
を環構成原子として有する単環状および多環状化合物の
適宜なものが使用される。単環状化合物としては、N−
メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、4−(ジメ
チルアミノ)ピリジンなどが例示できる。含窒素多環状
化合物はたとえば次式(IV)
【0013】
【化5】
【0014】(式中のAおよびBは、各々、窒素、酸
素、硫黄、その他の異項原子を有してもよい飽和または
不飽和の炭素鎖を示し、R1 およびR2 は、各々、置換
基または水素原子を示し、nおよびmは整数を示す)で
表されるものとすることができる。たとえばより具体的
には、これらの含窒素多環状化合物として、1,4−ジ
アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1−ア
ザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(キヌクリジン)、
そしてそれらの置換基含有化合物を例示することができ
る。
素、硫黄、その他の異項原子を有してもよい飽和または
不飽和の炭素鎖を示し、R1 およびR2 は、各々、置換
基または水素原子を示し、nおよびmは整数を示す)で
表されるものとすることができる。たとえばより具体的
には、これらの含窒素多環状化合物として、1,4−ジ
アザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザ
ビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1−ア
ザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(キヌクリジン)、
そしてそれらの置換基含有化合物を例示することができ
る。
【0015】置換基としては、アミノ基、ニトロ基、ア
ルコキシ基、その他の適宜なものが例示される。好まし
い含窒素環状化合物は多環状のもので、なかでも1,4
−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンおよびその置
換体がより好適なものとして例示される。
ルコキシ基、その他の適宜なものが例示される。好まし
い含窒素環状化合物は多環状のもので、なかでも1,4
−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンおよびその置
換体がより好適なものとして例示される。
【0016】これらの含窒素環状化合物は単独で、もし
くは複数のものを組み合わせて使用してもよい。含窒素
環状化合物は、前記式(I)の二塩基酸の酸ハロゲン化
物に対して、そのモル比として0.5 〜8倍程度の割合で
使用することができる。反応の実施に際しては、この含
窒素環状化合物に対して二塩基酸の酸ハロゲン化物を滴
下することによって添加し、反応させることが好まし
い。
くは複数のものを組み合わせて使用してもよい。含窒素
環状化合物は、前記式(I)の二塩基酸の酸ハロゲン化
物に対して、そのモル比として0.5 〜8倍程度の割合で
使用することができる。反応の実施に際しては、この含
窒素環状化合物に対して二塩基酸の酸ハロゲン化物を滴
下することによって添加し、反応させることが好まし
い。
【0017】上記の二塩基酸の酸ハロゲン化物(式
(I))を含窒素環状化合物の存在下に分子内付加環化
反応させてβ−ラクトン(式(II))を製造するにあた
っては、反応溶媒を使用することが好ましく、溶媒とし
ては、たとえばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジインプロピルエーテル、酢
酸エチル等の含酸素化合物、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル化合物、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、ジクロルエタ
ン等のハロゲン化合物等の溶媒が適宜に使用される。こ
れらは単独、もしくはその複数を組合わせて、さらには
ベンゼン、n−ヘキサン等とともに使用してもよい。
(I))を含窒素環状化合物の存在下に分子内付加環化
反応させてβ−ラクトン(式(II))を製造するにあた
っては、反応溶媒を使用することが好ましく、溶媒とし
ては、たとえばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジインプロピルエーテル、酢
酸エチル等の含酸素化合物、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル化合物、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、ジクロルエタ
ン等のハロゲン化合物等の溶媒が適宜に使用される。こ
れらは単独、もしくはその複数を組合わせて、さらには
ベンゼン、n−ヘキサン等とともに使用してもよい。
【0018】溶媒の使用量は、原料の二塩基酸の酸ハロ
ゲン化物に対して、全体量として、重量部比で30〜30
0 の割合で使用し、かつ、前記した通り、この溶媒の一
部を用いた二塩基酸の酸ハロゲン化物の溶液を、他の一
部を用いた含窒素環状化合物の溶液に滴下添加するよう
にして使用するのが好ましい。もちろん、溶媒の全量に
よって得た二塩基酸の酸ハロゲン化物の溶液を、含窒素
環状化合物に添加することもできる。
ゲン化物に対して、全体量として、重量部比で30〜30
0 の割合で使用し、かつ、前記した通り、この溶媒の一
部を用いた二塩基酸の酸ハロゲン化物の溶液を、他の一
部を用いた含窒素環状化合物の溶液に滴下添加するよう
にして使用するのが好ましい。もちろん、溶媒の全量に
よって得た二塩基酸の酸ハロゲン化物の溶液を、含窒素
環状化合物に添加することもできる。
【0019】反応温度は、使用する原料や含窒素環状化
合物の種類、溶媒の種類や、これらの使用量によっても
相違するが、通常は、0〜80°C程度の温度、より好
ましくは20〜45°C程度の温度において実施する。
反応時間は30分〜10時間、一般的には2〜4時間で
充分である。β−ラクトンの製造のための反応が終了し
た後は、酸を添加し、エーテル等の有機溶媒によって抽
出し、これを蒸留等によって濃縮し、さらにカラムクロ
マトグラフィ等の適宜な手段によって精製することがで
きる。
合物の種類、溶媒の種類や、これらの使用量によっても
相違するが、通常は、0〜80°C程度の温度、より好
ましくは20〜45°C程度の温度において実施する。
反応時間は30分〜10時間、一般的には2〜4時間で
充分である。β−ラクトンの製造のための反応が終了し
た後は、酸を添加し、エーテル等の有機溶媒によって抽
出し、これを蒸留等によって濃縮し、さらにカラムクロ
マトグラフィ等の適宜な手段によって精製することがで
きる。
【0020】得られた式(II)で表わされるβ−ラクト
ンは、常法に従って加水分解および脱炭酸することで定
量的に式(III )で表わされる大環状ケトンに添加する
ことができる。加水分解および脱炭酸は、含水系溶媒、
たとえば水/アルコール系、水/エーテル系等におい
て、さらには塩基の存在下に実施することができる。反
応温度は常温〜80℃程度とすることができる。これに
続く脱炭酸も常温〜130℃程度の温度で実施すること
ができる。
ンは、常法に従って加水分解および脱炭酸することで定
量的に式(III )で表わされる大環状ケトンに添加する
ことができる。加水分解および脱炭酸は、含水系溶媒、
たとえば水/アルコール系、水/エーテル系等におい
て、さらには塩基の存在下に実施することができる。反
応温度は常温〜80℃程度とすることができる。これに
続く脱炭酸も常温〜130℃程度の温度で実施すること
ができる。
【0021】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
明について説明する。
【0022】
【実施例】実施例1 次式 ClCO(CH2 )14COCl で表されるヘキサデカン二酸塩化物 0.30g(0.93mmol)と
テトラヒドロフラン(THF)を混合し、30mlの溶液
とした。これとは別に、1,4-ジアザビシクロ(2,2,
2)オクタン(DABCO)の0.42g(4mmol)を50mlT
HFに溶解した溶液を調整した。このDABCOのTH
F溶液に、前記の酸塩化物のTHF溶液をマイクロフィ
ーダーで2時間かけて滴下し、約40℃で反応させた。
テトラヒドロフラン(THF)を混合し、30mlの溶液
とした。これとは別に、1,4-ジアザビシクロ(2,2,
2)オクタン(DABCO)の0.42g(4mmol)を50mlT
HFに溶解した溶液を調整した。このDABCOのTH
F溶液に、前記の酸塩化物のTHF溶液をマイクロフィ
ーダーで2時間かけて滴下し、約40℃で反応させた。
【0023】滴下終了後、30分攪拌し、1N塩酸でpH
1にして反応を終了させた。これをエーテル抽出し、濃
縮後シリカゲルクロマトグラフィーによって単離精製し
た。その結果、分子内付加環化生成物としてのβ−ラク
トンを0.16g 、収率74%で得た。副生物はほとんど認
められなかった。
1にして反応を終了させた。これをエーテル抽出し、濃
縮後シリカゲルクロマトグラフィーによって単離精製し
た。その結果、分子内付加環化生成物としてのβ−ラク
トンを0.16g 、収率74%で得た。副生物はほとんど認
められなかった。
【0024】実施例2 実施例1と同様にして、8mmolのキヌクリジンを用いて
反応させた。その結果、目的とするβ−ラクトンを収率
55%で得た。比較例1 実施例1のDABCOに代えて、6mmolのトリエチルア
ミンと、環化のための触媒作用を有する求核剤としてト
リブチルホスフィン1mmol を用いて反応させた。
反応させた。その結果、目的とするβ−ラクトンを収率
55%で得た。比較例1 実施例1のDABCOに代えて、6mmolのトリエチルア
ミンと、環化のための触媒作用を有する求核剤としてト
リブチルホスフィン1mmol を用いて反応させた。
【0025】この場合には、β−ラクトンの生成は確認
されなかった。実施例3 次の工程の方法によって、DABCOを用い、実施例1
と同様に反応させた。すなわち、 A:酸塩化物0.30g(0.93mmol)に対して反応容器中の
溶媒を50ml、滴下溶液を10ml B:反応容器中の溶媒を100ml、滴下溶液を10ml C:反応容器中の溶媒を50ml、滴下溶液を30ml。
されなかった。実施例3 次の工程の方法によって、DABCOを用い、実施例1
と同様に反応させた。すなわち、 A:酸塩化物0.30g(0.93mmol)に対して反応容器中の
溶媒を50ml、滴下溶液を10ml B:反応容器中の溶媒を100ml、滴下溶液を10ml C:反応容器中の溶媒を50ml、滴下溶液を30ml。
【0026】このA,B,Cにより溶媒の種類を変えて
反応を実施した。その結果を示したものが表1である。
反応を実施した。その結果を示したものが表1である。
【0027】
【表1】
【0028】実施例4 実施例3における方法Aによって、酸塩化物の滴下速度
を変えて反応を実施した。その結果を示したものが表2
である。滴下時間が長くなるほど収率の向上が見られ
た。
を変えて反応を実施した。その結果を示したものが表2
である。滴下時間が長くなるほど収率の向上が見られ
た。
【0029】
【表2】
【0030】実施例5 ヘキサデカン二酸塩化物0.30g(0.93mmol) を用いて、実
施例1に示す方法で反応を行ない、IN塩酸を加えてp
H1にして反応を終了させた。この反応液を50℃に加温
して1時間攪拌し、冷却後エーテル抽出し、濃縮後シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーによって単離精製し、
シクロペンタデカノン(エキサルトン)0.154g(収率7
4%)を得た。IRスペクトルが標品のそれと一致する
ことにより確認した。
施例1に示す方法で反応を行ない、IN塩酸を加えてp
H1にして反応を終了させた。この反応液を50℃に加温
して1時間攪拌し、冷却後エーテル抽出し、濃縮後シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーによって単離精製し、
シクロペンタデカノン(エキサルトン)0.154g(収率7
4%)を得た。IRスペクトルが標品のそれと一致する
ことにより確認した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−56148(JP,A) 特開 昭48−34891(JP,A) 特開 平4−145042(JP,A) 特開 平4−139144(JP,A) 特開 平4−139143(JP,A) 特開 昭63−243054(JP,A) 特開 昭63−243053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 305/14 C07C 49/385 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 次式(I) XCOCH2 −R−CH2 COX (I) (式中のRはアルキレン基を、また、Xはハロゲン原子
を示す)で表される二塩基酸の酸ハロゲン化物を、含窒
素環状化合物の存在下に分子内付加環化反応させること
を特徴とする次式(II) 【化1】 (式中のRはアルキレン基を示す)で表されるβ−ラク
トンの製造法。 - 【請求項2】 請求項1のβ−ラクトンを加水分解し、
脱炭酸することを特徴とする次式(III ) 【化2】 (式中のRはアルキレン基を示す)で表される大環状ケ
トンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3243855A JP3019528B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | β−ラクトンおよび大環状ケトンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3243855A JP3019528B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | β−ラクトンおよび大環状ケトンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0586044A JPH0586044A (ja) | 1993-04-06 |
JP3019528B2 true JP3019528B2 (ja) | 2000-03-13 |
Family
ID=17109965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3243855A Expired - Lifetime JP3019528B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | β−ラクトンおよび大環状ケトンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3019528B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006151947A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-06-15 | Yokohama National Univ | 末端オレフィンの二量化反応による線状化合物の製法 |
JP5382667B2 (ja) * | 2004-11-02 | 2014-01-08 | 国立大学法人横浜国立大学 | 環状化合物の製法 |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP3243855A patent/JP3019528B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0586044A (ja) | 1993-04-06 |
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