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JP3004147B2 - 周波数ダイバーシチ伝送装置 - Google Patents

周波数ダイバーシチ伝送装置

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Publication number
JP3004147B2
JP3004147B2 JP14512793A JP14512793A JP3004147B2 JP 3004147 B2 JP3004147 B2 JP 3004147B2 JP 14512793 A JP14512793 A JP 14512793A JP 14512793 A JP14512793 A JP 14512793A JP 3004147 B2 JP3004147 B2 JP 3004147B2
Authority
JP
Japan
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chip
symbol
signal
signals
frequency
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP14512793A
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English (en)
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JPH0723027A (ja
Inventor
繁 冨里
博 鈴木
Original Assignee
エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社 filed Critical エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社
Priority to JP14512793A priority Critical patent/JP3004147B2/ja
Priority to EP93308729A priority patent/EP0599500B1/en
Priority to DE69328406T priority patent/DE69328406T2/de
Priority to FI935149A priority patent/FI110462B/fi
Priority to CA002109530A priority patent/CA2109530C/en
Priority to US08/154,411 priority patent/US5504783A/en
Publication of JPH0723027A publication Critical patent/JPH0723027A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3004147B2 publication Critical patent/JP3004147B2/ja
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移動通信に利用する。特
にフェージング変動を克服するための周波数ダイバーシ
チ伝送に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信などの無線通信においては、フ
ェージング変動を克服するため、従来からダイバーシチ
技術が用いられている。ダイバーシチ技術としては、空
間ダイバーシチと周波数ダイバーシチとが広く知られて
いる。また、周波数ダイバーシチ効果を得る技術とし
て、マルチキャリア伝送方式および周波数ホッピング
(Freqency Hopping: FH)伝送方式が知られている。
さらに、周波数ホッピング伝送方式には、1シンボルの
情報に対して1回以上の周波数ホッピングを行う高速周
波数ホッピング(FFH: Fast FH)と、数シンボル以
上の信号をもとにして形成されたバースト信号ごとに周
波数ホッピングを行う低速周波数ホッピング(SFH:
Slow FH)とがある。特に高速周波数ホッピングは、1
シンボルごとに周波数ダイバーシチ効果が得られるの
で、極めて安定した伝送路を形成できる。
【0003】図20は高速周波数ホッピングを用いた周
波数ダイバーシチ伝送装置の従来例を示すブロック構成
図である。
【0004】この装置は送信装置と受信装置とを備え、
送信装置には、直交変調器201、周波数シンセサイザ
202、周波数制御回路203および帯域通過フィルタ
204を備える。直交変調器201は、入力されたシン
ボル系列を周波数シンセサイザ202の発生したキャリ
ア周波数により変調する。周波数シンセサイザ202の
発生する周波数は周波数制御回路203により制御さ
れ、入力されたシンボル系列の1シンボル期間にK個の
異なる周波数を所定の順序で発生する。直交変調器20
1の出力は帯域通過フィルタ204を通過してアンテナ
から送信される。送信される被変調信号は1シンボルが
Kチップからなる信号である。ここで、K=4とする。
【0005】受信装置はミキサ205、ローカル発振器
206、帯域通過フィルタ207および二乗検波回路2
08をK=4系統備え、この4系統の信号を結合する合
成回路209を備える。アンテナで受信された信号は4
個のミキサ205に分配される。この4個のミキサ20
5にはそれぞれローカル発振器206からのローカル周
波数が供給される。ミキサ205の出力を帯域通過フィ
ルタ207に入力し、高速周波数ホッピング信号のチッ
プ信号を抽出する。この抽出されたチップ信号を二乗検
波回路208により二乗検波してレベルを取り出し、合
成回路209により、1シンボルにわたるチップのレベ
ル和を検出出力とする。
【0006】高速周波数ホッピングの復調方式として
は、コヒーレント検波とノンコヒーレント検波の二つの
方法が考えられる。ノンコヒーレント検波は、チップの
位相をみていないので、位相を含めて検波を行うコヒー
レント型に比べて伝送特性が劣化する。例えばBPSK
(Binary Phase Shift Keying )の場合、ノンコヒーレ
ント検波では、コヒーレント検波に比べて同一の誤り率
を得るのにキャリア対雑音比(CNR:Carrier to Noi
se Ratio)で6dB程度劣化することがわかっている。
しかし、実際の移動無線においては、伝送路のフェージ
ング変動が速いためキャリアの同期が難しく、上述した
ようなノンコヒーレント検波が用いられてきた。
【0007】本発明者らは、周波数ホッピング信号をコ
ヒーレント検波することのできる方式について発明し、
既に特許出願した(特願平4−312317、以下「先
の出願」という)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、さらに優れ
た伝送特性が得られ、しかも同一周波数で複数のシンボ
ル系列を同時に伝送することのできる周波数ダイバーシ
チ伝送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の周波数ダイバー
シチ伝送装置は、個々のシンボルを分割したチップを符
号化して伝送することを特徴とする。
【0010】すなわち、入力シンボル系列の個々のシン
ボルをそれぞれK種類(Kは2以上の整数)のキャリア
周波数により変調して送信する送信装置と、この送信装
置の送信信号を受信してK種類のキャリア周波数にそれ
ぞれ同期するK種類のローカル周波数により復調する受
信装置とを備えた周波数ダイバーシチ伝送装置におい
て、送信装置は、入力シンボル系列の個々のシンボルを
複数のチップに分割してそのチップ列を符号化すること
により1シンボルあたりK個の符号化チップ信号を出力
するチップ符号化手段と、このK個の符号化チップ信号
によりK種類のキャリア周波数を各々変調して1シンボ
ルあたりK個のチップ変調波を生成するチップ変調手段
とを含み、受信装置は、1シンボルあたりK個のチップ
変調波をK個のローカル周波数によりそれぞれ検波して
K個の複素包絡線信号を抽出する準同期検波手段と、こ
のK個の複素包絡線信号から送信シンボルを判定する判
定手段とを含むことを特徴とする。
【0011】チップ変調手段は複数系列の入力シンボル
に対してその系列ごとに互いに直交する信号を乗算する
手段を含み、判定手段はK個の複素包絡線信号にこの直
交する信号の複素共役を乗算する手段を含むことがよ
い。
【0012】判定手段は、K個の複素包絡線信号にそれ
ぞれ複素係数を乗算する手段と、この複素係数が乗算さ
れた複素包絡線信号を合成してシンボルを判定する手段
と、複素係数をあらかじめ定められたパターンのトレー
ニング信号に対する判定結果にしたがって設定する手段
とを含むことがよい。
【0013】また、判定手段は、シンボル候補をチップ
符号化手段と同一論理で符号化する符号器と、この符号
器の出力からK個の複素包絡線信号のそれぞれに対する
推定値を求める手段と、この推定値とK個の複素包絡線
信号とのそれぞれの減算を行って推定誤差を求める手段
と、この推定誤差の二乗和を求める手段と、シンボルパ
ターン候補のある時点から次の時点への遷移に対応した
パスを求め、そのなかから推定誤差の二乗和が最小とな
るパスを選択してシンボル判定を行う最尤推定回路と、
この最尤推定回路で求めたパスに対応してシンボル候補
を出力する信号発生器とを含んでもよい。
【0014】チップ変調手段にキャリア周波数の異なる
K個のチップ変調波を時系列的に生成する手段を設け、
周波数ホッピング形の周波数ダイバーシチを実現するこ
とができる。この場合、送信装置にはK種類のキャリア
周波数を別々に連続的に生成する手段を備え、チップ変
調手段はこのK種類のキャリア周波数を時系列的に選択
する手段を含むことがよい。
【0015】チップ変調手段にキャリア周波数の異なる
K個のチップ変調波を同時かつ並列的に生成する手段を
設け、マルチキャリア形の周波数ダイバーシチを行うこ
ともできる。
【0016】送信装置はK種類のキャリア周波数として
シンボルごとのK個の符号化チップ信号に対する初期位
相がそれぞれ実質的に一定のキャリア信号を発生する手
段を含み、受信装置はローカル周波数としてシンボルご
とのK個の符号化チップ信号に対する初期位相がそれぞ
れ実質的に一定のローカル信号を発生する手段を含むこ
とが望ましい。キャリア信号を発生する手段および上記
ローカル信号を発生する手段はそれぞれ、あらかじめ正
弦波形が記録されたメモリテーブルと、このメモリテー
ブルのアドレス指定を変えることにより出力周波数を設
定する手段とを含むことがよい。
【0017】
【作用】本発明の周波数ダイバーシチ伝送装置は、個々
のシンボルをチップに分割し、それをさらに符号化す
る。これにより、同一周波数で複数のシンボル系列を同
時に伝送することができ、周波数を有効に利用すること
ができる。
【0018】符号化の方法としては、例えば、シンボル
系列ごとに互いに直交する信号を乗算する。このとき受
信側では、K個のチップ変調波をそれぞれ準同期検波し
て得られた複素包絡線信号にその直交する信号の複素共
役を乗算し、それにさらに複素係数を乗算して合成し、
合成された信号からシンボルを判定する。乗算する複素
係数としては、あらかじめ定められたパターンのトレー
ニング信号に対する判定結果にしたがって求めたものを
使用する。
【0019】また、受信側で最尤判定を行うこともでき
る。その場合には、受信側でシンボル候補を求め、それ
に対して送信側と同等の符号化を施し、それから複素包
絡線信号の推定値を求め、それと受信複素包絡線信号と
を比較する。この場合には、受信側での復号は不要であ
る。
【0020】本発明は、個々のシンボルに対するキャリ
ア周波数が時系列的に変化する周波数ホッピング形の周
波数ダイバーシチとして利用することもできるが、同一
のシンボルを複数のキャリア周波数で同時に伝送するマ
ルチキャリア形の周波数ダイバーシチを行うこともでき
る。この場合、同一のシンボルから得られた信号が互い
に異なる周波数で伝送されるが、その信号すなわち符号
化チップ信号は符号化されているので、従来からのマル
チキャリア形周波数ダイバーシチのように同一信号が複
数の周波数で伝送されるわけではない。
【0021】本発明は、先の出願と同様に、受信側でコ
ヒーレント検波を行うことがよい。そのためには、送信
側では符号化チップ信号に対する初期位相がそれぞれ実
質的に一定のキャリア信号を発生し、受信側ではローカ
ル周波数としてシンボルごとのK個の符号化チップ信号
に対する初期位相がそれぞれ実質的に一定のローカル信
号を用いることがよい。このようなキャリア信号および
ローカル信号は、ダイレクト・ディジタル・シンセサイ
ザ(DDS:Direct Digital Synthesizer)を用いるこ
とにより容易に発生できる。
【0022】
【実施例】図1は本発明第一実施例の周波数ダイバーシ
チ伝送装置を示すブロック構成図である。この実施例で
は、周波数ホッピングにより周波数ダイバーシチ効果を
得る。変調方式は直交位相変調(QPSK)であり、チ
ップ数K=4の場合を示す。
【0023】この実施例装置は、入力シンボル系列の個
々のシンボルをそれぞれK種類(Kは2以上の整数)の
キャリア周波数により変調して送信する送信装置1と、
この送信装置1の送信信号を受信してK種類のキャリア
周波数にそれぞれ同期するK種類のローカル周波数によ
り復調する受信装置2とを備える。
【0024】送信装置1には、入力シンボル系列の個々
のシンボルを複数のチップに分割してそのチップ列を符
号化することにより1シンボルあたりK個の符号化チッ
プ信号を出力するチップ符号化手段として符号器11を
備え、このK個の符号化チップ信号によりK種類のキャ
リア周波数を各々変調して1シンボルあたりK個のチッ
プ変調波を生成するチップ変調手段として直交変調器1
2、周波数シンセサイザ13および周波数制御回路14
を備える。直交変調器12の出力は帯域通過フィルタ1
5を通過して送信される。
【0025】受信装置2には、1シンボルあたりK個の
チップ変調波をK個のローカル周波数によりそれぞれ検
波してK個の複素包絡線信号を抽出する準同期検波手段
としてミキサ21、周波数シンセサイザ22、周波数制
御回路23、帯域通過フィルタ24およびIQ検波器2
5を備え、このK個の複素包絡線信号から送信シンボル
を判定する判定手段として復調回路26を備える。
【0026】送信機の入力端子に入力されるシンボル系
列b(t) は、 b(t) =bi (t) +jbq (t) …(1) で表され、これが符号器11に入力される。符号器11
はこのシンボル系列b(t) をK個の符号化されたチップ
に分割し、符号化チップ信号を生成する。符号化にはウ
ォルシュ(Walsh)関数などの直交関数が用いられる。符
号化チップ信号は直交変調器12に入力される。直交変
調器12では、周波数シンセサイザ13から出力された
キャリア信号ct (t) をローカルキャリアとして用い、
チップ変調波S(t) を生成する。k番目(1≦k≦K)
のチップに対するキャリア信号の周波数をωk とし、初
期位相をφk とすると、ct (t) は、 ct (t) =exp〔jω(t) t+φ(t) 〕 …(2) となる。ただし、 ω(t) =ωk ,iT+(k−1)T/K≦t<iT+kT/K …(3a) φ(t) =φk ,iT+(k−1)T/K≦t<iT+kT/K …(3b) である。キャリア信号ct (t) の周波数は周波数制御回
路14から出力される制御信号に応じて切り換えられ
る。チップ変調波S(t) は、 S(t) =b(t) ct (t) …(4) となる。キャリア信号の周波数ωk はあらかじめ定めら
れた順序でチップごとに変化する。その値は、システム
の帯域wR 全体にわたって分布させるとともに、k≠
k’のときにはωk ≠ωk'とし、なるべく周波数を離し
たほうがダイバーシチ効果がある。また、各ホッピング
周波数ごとの位相については保存されており、この位相
制御についても周波数制御回路14により行う。
【0027】図2は以上の変調方法をチップ数K=4の
場合について示したものである。シンボルbi がTごと
に「1」、「−1、「1」に変化している。これらのシ
ンボルを1シンボルあたり4チップに分割する。説明を
簡単にするため、符号化を直流ウォルシュ関数で行うこ
ととする。したがって、符号化チップ信号はシンボルと
同一波形となる。次に、各々のチップに周波数と初期位
相が各々f1 とφ1 、f2 とφ2 、f3 とφ3 、f4
φ4 のキャリア信号を割り当てて変調を行い、チップ変
調波を得る。この動作を各シンボルに対して繰り返すこ
とにより、高速周波数ホッピング方式の送信波が生成さ
れる。
【0028】再び図1を参照して説明する。受信装置に
より受信される受信波は、伝送路のフェージングによる
複素包絡線変動成分A(t) と、熱雑音n(t) とを用い
て、 rx (t) =A(t) S(t) +n(t) …(5) で示される。ただし、 A(t) =Ak (t) ,iT+(k−1)T/K≦t<iT+kT/K …(6a) Ak (t) =|Ak (t) |exp{jArg〔Ak (t) 〕 …(6b) である。受信波はミキサ21に入力され、ここで周波数
シンセサイザ22の出力cr (t) により逆ホッピングさ
れる。cr (t) は、送信機におけるキャリア信号c
t (t) を用いて、 cr (t) =ct (t) exp〔jφ0 (t) 〕 …(7) で示される。φ0 (t) は送受信間における周波数シンセ
サイザ13、22の位相差であるが、ここでは周波数シ
ンセサイザ13、22の初期位相は完全に制御されてい
ると仮定し、 φ0 (t) =φ0 …(8) とする。受信用の周波数シンセサイザ22の周波数は、
周波数制御回路23からの制御信号により送信側のホッ
ピングパターンに同期させて切り換えられる。ミキサ2
1の出力は帯域通過フィルタ24を通過し、IQ検波器
25によって準同期検波される。準同期検波された複素
包絡線信号r(t) は、 r(t) =rx (t) cr *(t) =A(t) S(t) cr *(t) +n(t) cr *(t) =Sr (t) +nr (t) …(9) で表せる。このとき、 Sr (t) =A(t) b(t) exp(−jφ0 ) …(10) である。復調回路26では、この複素包絡線信号r(t)
におけるトレーニング信号を用いてチャネル同定を行
い、その結果に基づいてシンボルを判定することにより
復調を行う。復調の具体例は後述する。
【0029】図3は受信装置における受信無線周波数f
R 、受信中間周波数fIF、システム帯域幅WR 、中間周
波数帯域幅幅WIFの関係を表す。この図はチップ数K=
4の場合の例を示す。Kチップに拡散された信号の帯域
は、拡散しないときの信号帯域幅をWS とすると、その
K倍になっている。ここでは4倍である。この図ではホ
ッピングしている信号はシステム帯域幅WR の帯域に均
等に配置されている。これを中間周波数帯に変換すると
き、そのキャリア周波数がすべてfIFになるように周波
数シンセサイザ22の周波数を制御する。
【0030】図4は周波数シンセサイザ13、22とし
て用いられる高速周波数ホッピング用周波数シンセサイ
ザの一例を示すブロック構成図である。この例はダイレ
クト・ディジタル・シンセサイザ(DDS:Direct Dig
ital Synthesizer)を用いたものであり、フェーズアキ
ュミュレータ41、メモリテーブル42、ディジタル・
アナログ変換器43および低域通過フィルタ44を備え
る。フェーズアキュミュレータ41は、周波数制御入力
に応答してメモリテーブル42の読み出しアドレスを指
定する。メモリテーブル42の出力はディジタル・アナ
ログ変換器43によりアナログ信号に変換され、低域通
過フィルタ44を通って出力される。
【0031】メモリテーブル42としては例えば正弦波
形が記憶された読出専用メモリを用い、その読み出しア
ドレスの指定方法により、任意の周波数のキャリア信号
を生成する。メモリテーブル42には、例えば図5に示
すような正弦波形のサンプル値が書き込まれている。こ
の図では簡略化してサンプリング数を16としており、
各々のサンプルにはアドレス「0」から「15」が対応
している。このサンプル値を一定のクロック周期で読み
出す。比較的低い周波数波形を出力する場合には、例え
ばアドレスを「0」、「2」、「4」、「6」…と指定
して順番に読み出していく。この波形を図6に示す。こ
れより高い周波数波形を出力する場合には、例えばアド
レスを「0」、「4」、「8」、「12」…と指定して
順番に読み出していく。このようにアドレス指定を変え
ることにより、周波数を変えることができる。
【0032】図7はチップ変調手段の別の構成例を示
す。周波数ホッピング時に図2に示したようにキャリア
信号の周波数を瞬間的に切り換えると、チップ変調波の
位相および周波数の変化が急激となる。このため送信ス
ペクトルはサイドローブを多く含み、広い帯域が必要と
なる。そこで、送信スペクトルを狭帯域化することが望
ましい。図7はそのための構成例を示すものである。こ
こでもK=4として説明する。
【0033】この構成例では、チップ変調手段として低
域通過フィルタ72および直交変調器73を4系統備
え、直交変調器73には互いに異なるキャリア周波数が
供給される。また、この系統を切り換えるスイッチ回路
71および合成する合成回路74を備える。符号化チッ
プ信号はスイッチ回路71により各チップごとに4つの
ブランチに分配される。これらの符号化チップ信号を各
々低域通過フィルタ72で波形整形することにより、狭
帯域な符号化チップ信号波形を形成する。これらの波形
整形された符号化チップ信号を直交変調器73で変調
し、それを合成回路74で合成する。
【0034】図8は復調回路26の一例を示すブロック
構成図である。ここでは線形復調方式を用いた例を示
す。
【0035】この復調回路は、送信側の符号器11によ
り符号化された信号を復号化するための復号器81を備
え、K個の複素包絡線信号にそれぞれ複素係数を乗算す
る手段としてスイッチ82、メモリ83および複素乗算
器84−1〜84−4を備え、複素係数が乗算された複
素包絡線信号を合成してシンボルを判定する手段として
合成回路85および判定回路86を備え、複素係数をあ
らかじめ定められたパターンのトレーニング信号に対す
る判定結果にしたがって設定する手段として減算器87
および複素係数制御回路88を備える。
【0036】復号器81は、送信側での符号化に対応し
た復号化を行う。これにより1シンボルに対応するKチ
ップの複素包絡線信号が得られ、これがスイッチ82を
介してメモリ83に蓄積される。スイッチ82は周波数
制御回路23の動作に同期して制御される。複素乗算器
87−1〜87−4はメモリ83に記憶された複素包絡
線信号と複素係数制御回路88により設定された複素係
数w1 〜w4 との乗算を行い、合成回路85はこの乗算
信号を合成する。判定回路86は合成回路85から出力
された合成信号yi の判定を行い、送信シンボルの復調
を行う。
【0037】複素係数制御回路88による複素係数w1
〜w4 の設定は、減算器87により判定回路86の入出
力信号の差分を求め、その誤差をもとに、既知のトレー
ニング信号を用いた最小二乗法により決定する。この具
体的な動作について以下に説明する。
【0038】複素乗算器84−1〜84−4および合成
回路85は、〔i−1〕の時点で求めた複素係数ベクト
ルwi-1 で複素包絡線信号r(t) に重み付けし、それを
合成して合成信号yi を得る。この合成信号yi は、 yi =wi-1 i H …(11) と表される。wi-1 、ri Hはベクトルであり、 ri H=(r1 *,r2 *,r3 *,r4 *) wi-1 =(w1 ,w2 ,w3 ,w4 ) …(12) である。この合成信号yi の判定を行い、判定結果di
を出力する。この判定結果di と合成信号yi とを用い
て、 ei =di −yi …(13) により誤差ei を計算する。この誤差ei を被素係数制
御回路88に入力し、例えば最小二乗法に基づいて複素
係数ベクトルwi を計算する。理想的には、複素係数ベ
クトルwi の各成分wk は複素包絡線成分Ak に対して
ほぼAk * に等しくなる。この複素係数ベクトルwi
用いて次の時点の合成信号yi+1 を求める。以上の動作
を繰り返すことによりシンボルの復調が行われる。
【0039】図9は基地局から移動局への下り伝送時に
おける信号形式を示す。周波数ホッピング方式では、基
地局から移動機への下り伝送時には複数のユーザが時分
割により一つの周波数を使用することになる。図9では
チップ数K=4とし、ユーザ数M=4の場合を示し、m
番目(m=1、…、M)のユーザのk番目(k=1、
…、K)の符号化チップ信号をm−kと表す。例えば1
番目のユーザへの信号について、1番目の符号化チップ
信号を送信するために周波数f1 を使用し、2番目、3
番目、4番目の符号化チップ信号を送信するために、そ
れぞれ周波数f2、f3 、f4 を使用する。
【0040】図10はこのような信号を送信するための
チップ変調手段の構成例を示す。この構成例はTDMA
方式の送信機を利用したものであり、多重化回路101
と、4系統の変調器102および発振器103と、4系
統の信号を結合する合成器104とを備える。4系列の
ユーザ信号b1 (t) 、b2 (t) 、b3 (t) 、b4 (t)
は、それぞれチップごとに周波数f1 (t) 、f2 (t) 、
3 (t) 、f4 (t) に割り当てられ、別々の変調器10
2により変調される。このとき、発振器103の周波数
はそれぞれf1 (t) 、f2 (t) 、f3 (t) 、f4 (t) と
固定でよく、周波数ホッピングする必要はない。
【0041】Kチップの高速周波数ホッピングを行った
場合、信号帯域はK倍となるため、周波数利用効率が1
/Kに低下する。この効率の低下を改善するため、同一
周波数で複数のシンボル系列を同時に送信することが行
われる。すなわち、同一周波数を複数のユーザで同時に
使用する。このとき、単純に同一周波数を複数のユーザ
で使用すると、他のユーザの信号が干渉するため受信側
で復調が困難となる。そこで符号器11では、同一周波
数を使用するシンボル系列において互いに直交する信号
をあらかじめ各々のシンボル系列のチップに乗積する。
このような直交信号としては例えばウォルシュ関数が用
いられる。
【0042】図11はチップ数K=4、同一周波数を使
用するユーザ数M=4の場合の直交関数hm (t) (ただ
しm=1、…、4)の例を示す。4つのシンボル系列の
それぞれのチップにhm (t) を乗算することにより符号
化チップ信号を生成し、それらを加算することにより多
重化する。ただし、hm (t) は、チップkのとき、 hm (t) =hm,k …(14) であり、 Σhm,k m,k * =1 …(15a) Σhm,k m',k =0 …(15b) の正規直交条件を満たすものとする。ただし、Σはk=
1からKの総和であり、hm,k * はhm,k の複素共役、
k’≠kである。
【0043】このような符号化により多重化された信号
を受信するためには、受信装置で直交関数hm (t) の複
素共役hm * (t) を複素乗算して復号する必要がある。
図8に示した復号器81では、複素包絡線信号にhm *
(t) を複素乗算し、乗算された信号をスイッチ82に入
力する。このとき、フェージングの影響が小さく各チッ
プのレベルがほぼ同一の場合は複素包絡線成分Ak の値
がほぼ一定となるため、最小二乗法により得られる複素
係数wk はAk * とほぼ等しくなる。したがって、各複
素包絡線は一定の重みで合成されることとなり、式(1
5a)によりm番目の信号が抽出される。また、m番目
以外の信号は式(15b)により零となる。また、フェ
ージングの影響が大きく各複素包絡線信号にレベル差が
あるときには、最小二乗法により、レベルの大きい複素
包絡線信号に対してはより大きな重み付けが行われる。
この場合、合成される各複素包絡線信号のレベルは等し
くならないため、直交条件が成立せず、m番目以外の信
号を完全にキャンセルすることができなくなる。しかし
ながら、レベルの大きい複素包絡線信号に対してより大
きな重み付けを行う動作は、ダイバーシチ受信における
最大比合成とほぼ等価となるため、ダイバーシチ効果が
期待できる。直交条件が成立せずにキャンセルできない
他チャネルの成分がこのダイバーシチ効果により抑制さ
れ、希望チャネル成分を受信できるようになる。
【0044】以上説明したようにコヒーレント合成にお
いては多重化が可能であり、高速周波数ホッピングに伴
う信号帯域拡大による周波数利用効率の低下を避けるこ
とができる。この性質はコヒーレント処理によるもので
あるから、ノンコヒーレント高速周波数ホッピングには
ない特徴である。
【0045】同一周波数を複数のユーザで使用する場
合、基地局から各移動局への下り伝送においては、同一
周波数を利用するユーザの信号をベースバンドで符号化
して多重化することがよい。このような符号化回路の構
成を図12に示す。この符号回路は複素乗算器121−
1〜121−4と合成器122とを備える。ユーザ信号
1 (t) 〜b4 (t) はそれぞれ複素乗算器121−1〜
121−4に入力し、それぞれ直交関数h1 (t) 〜b4
(t) が乗算される。これらの信号は合成器122により
合成される。このようにベースバンドで合成することに
より、チップ変調手段が1系統ですむ。
【0046】図8に示した線形復調方式では、フェージ
ング変動が大きい場合には複素包絡線レベルが一定でな
いため、上述したように他ユーザの信号のキャンセルが
不十分となることがあり、伝送特性の劣化がある。この
ようなフェージング変動による劣化を抑制しながら復調
を行うには、最尤判定を用いた非線形復調方式が適して
いる。このような構成例を図13に示す。
【0047】図13に示す復調回路は、シンボル候補を
送信側のチップ符号化手段と同一論理で符号化する符号
器140を備え、この符号器140の出力からK個の複
素包絡線信号のそれぞれに対する推定値を求める手段と
して複素乗算器134および複素係数制御回路135を
K系統備え、この推定値と検波されたK個の複素包絡線
信号とのそれぞれの減算を行って推定誤差を求める手段
として減算器133をK個備え、この推定誤差の二乗和
を求める手段としてK個の二乗演算回路136と加算器
137を備え、シンボルパターン候補のある時点から次
の時点への遷移に対応したパスを求め、そのなかから推
定誤差の二乗和が最小となるパスを選択してシンボル判
定を行う最尤推定回路138を備え、この最尤推定回路
138で求めたパスに対応してシンボル候補を出力する
信号発生器139を備える。さらに、検波されたK個の
複素包絡線信号をシリアル・パラレル変換するため、ス
イッチ131およびメモリ132を備える。
【0048】ここで、QPSKを例に説明する。ただ
し、自分の信号が変調されている希望波1波と、他ユー
ザの信号のみが変調されている干渉波がN波あるとし、
希望波には自分の信号以外に〔M−1〕の他ユーザの信
号が多重化され、また、波の干渉波にはそれぞれMのユ
ーザが多重化されているとする。この場合、他ユーザの
信号の総数は〔N+1〕M−1となる。QPSKでは、
自分の信号の送信シンボルパターンとしては4通り考え
られ、他ユーザの信号のシンボルパターンとしては4通
り考えられ、他ユーザの信号のシンボルパターンとして
は4(N+1)M-1通り考えられる。本復調方式では、これら
の4×4(N+1)M-1通りの送信シンボルパターンの候補の
中から、最も確からしいパターンを推定し、シンボルを
判定する。
【0049】まず、準同期検波されたKチップの複素包
絡線信号をスイッチ131を介してメモリ132に蓄積
する。スイッチ131は周波数制御回路23(図1)の
動作に同期して制御される。この復調方式では、複素包
絡線を線形変換して送信シンボルを直接に推定するので
はなく、非線形処理により推定する。このため、最尤推
定回路138では、自分および他ユーザの信号のシンボ
ルパターン候補のある時点から次の時点への遷移に対応
したパスを形成し、そのパスの尤度の比較によりシンボ
ル判定を行う。パスの総数はシンボルパターン候補の総
数である4×4(N+1)M-1となる。
【0050】信号発生器139は、このパス情報に対応
して、自分および他ユーザの信号の総数である(N+
1)M系列のシンボル候補を出力する。符号器140
は、信号発生器139から出力されたシンボル系列候補
を送信側に対応して符号化し、符号化チップ信号候補を
生成する。複素係数制御回路135は、複素包絡線信号
のキャリア成分推定値を求める。この推定値は複素係数
である。また、推定の初期にはトレーニング信号を用い
る。この複素係数と符号化チップ信号候補を複素乗算器
134で複素乗算することにより、自分および他ユーザ
の信号の複素包絡線信号に対するレプリカをそれぞれ生
成する。
【0051】次に、これらの自分および他ユーザの信号
のレプリカと、メモリ132に蓄積されている複素包絡
線信号との減算を減算器133により行い、推定誤差を
求める。この推定誤差をメモリ132に蓄積された複素
包絡線それぞれに対して求めるので、チップ数Kに対し
てK個並列に行われる。これにより、K個の推定誤差が
求められる。この推定誤差は複素係数制御回路135に
帰還され、キャリア成分推定値の更新に用いられる。さ
らに、二乗演算回路136と加算器137とにより、K
個の推定誤差の二乗和を求める。この推定誤差の二乗和
は、パスの総数である4×4(N+1)M-1通りすべてについ
て行う。
【0052】最尤推定回路138は、4×4(N+1)M-1
りのパスの中で、推定誤差の二乗和が最小となるパスを
選択し、この選択されたパスに対応するシンボル候補が
最も確からしいと判定する。これにより送信シンボルが
決定される。
【0053】以上説明した非線形復調方式が図8に示し
た線形復調方式と異なる点は、自分の信号だけでなく干
渉成分となる他のユーザの信号についても各々伝送路推
定を行い、受信信号のレプリカを生成していることであ
る。線形復調方式では、干渉成分となる他のユーザの信
号については雑音と同等に扱うため、フェージング変動
により自分の信号と他のユーザの信号との間の直交性が
不十分となった場合、式(13)で示される推定誤差に
干渉成分が残留することとなる。このため、指定誤差に
基づいて行う伝送路推定が精度よく行えず、伝送特性が
劣化する。これに対して非線形復調方式では、他のユー
ザの信号についても伝送路推定を行っているため、推定
誤差から他のユーザの信号による干渉の影響が取り除か
れ、伝送路推定の精度が向上する。このため、線形復調
方式に比べて伝送特性が改善される。
【0054】ここでは干渉波と希望波に含まれる他ユー
ザの信号成分とをすべてキャンセルしているが、回路規
模が大きくなるので、希望波の他ユーザ信号のみ、干渉
波の中で自分の信号と同一の直交コードを用いている他
ユーザの信号のみ、あるいはそれらの組み合わせなど、
キャンセラの構成についていろいろな簡略化が考えられ
る。
【0055】図14および図15は本発明第二実施例の
周波数ダイバーシチ伝送装置を示すブロック構成図であ
り、図14は送信装置、図15は受信装置を示す。この
実施例でもチップ数K=4としている。第一実施例で
は、周波数ホッピングにより周波数ダイバーシチ効果を
得ていたが、本実施例では複数のキャリア信号を同時に
使用するマルチキャリア方式により周波数ダイバーシチ
効果を得ている。
【0056】すなわち、送信装置は、入力シンボル系列
の個々のシンボルを複数のチップに分割してそのチップ
列を符号化することにより1シンボルあたりK個の符号
化チップ信号を出力するチップ符号化手段として符号器
141を備え、このK個の符号化チップ信号によりK種
類のキャリア周波数を各々変調して1シンボルあたりK
個のチップ変調波を生成するチップ変調手段として直交
変調器142−1〜142−4および発振器143−1
〜143−4を備える。直交変調器142−1〜142
−4および発振器143−1〜143−4は、キャリア
周波数の異なるK個のチップ変調波を同時かつ並列的に
生成する。
【0057】符号器141は、1シンボルを4チップに
分割した符号化チップ信号をタイミングを調節して出力
する。この符号化チップ信号を図16に示す。同じシン
ボルから分割された符号化チップ信号が、ほぼ同じタイ
ミングで並列的に出力される。発振器143−1〜14
3−4は、それぞれ周波数f1 、f2 、f3 、f4 のキ
ャリア信号を出力し、直交変調器142−1〜142−
4はそれぞれのキャリア信号を用いて変調を行う。これ
によりマルチキャリアチップ変調波が生成される。
【0058】受信装置はミキサ151、ローカル発振器
152、帯域通過フィルタ153およびIQ検波器15
4からなる受信機を4系列並べることにより構成され
る。4つのIQ検波器154によりそれぞれ検波された
包絡線信号は図8に示したような復調回路に入力され
る。第一実施例に示した周波数ホッピングにおける復調
回路では、複素包絡線信号がシリアルに入力されるた
め、パラレルに変換するスイッチおよびメモリが必要と
なる。しかし、マルチキャリア伝送の場合には包絡線信
号がパラレルに復調回路に入力されるため、スイッチお
よびメモリは不要であり、また、符号器における符号化
もパラレルに処理される。本実施例では、周波数ホッピ
ング方式と異なり、同時刻に複数の周波数を用いて信号
伝送を行っているため、シンセサイザの周波数を高速に
切り換える必要はない。ただし、図15に示すように複
数のローカル発振器152が必要である。
【0059】図16に示した信号では、チップ長Tc
シンボル長Ts の1/K倍としているが、Ts /K<T
c ≦Ts としてもよい。その場合、1つのチップ変調波
が占有する帯域が狭くなるとともに、変復調における動
作周波数も低くなる。ビットあたりのエネルギは増加す
るので、伝送変復調における動作周波数も低くなる。ビ
ットあたりのエネルギは増加するので、伝送特性も改善
される。したがって、同時ユーザ数の現象とともに適応
的にチップ長を制御することが望ましい。
【0060】図17および図18は本発明第三実施例の
周波数ダイバーシチ伝送装置を示すブロック構成図であ
り、図17は受信装置、図18は復調回路を示す。この
実施例では、周波数ダイバーシチに空間ダイバーシチを
組み合わせて伝送特性をさらに改善するための構成例を
示す。ここでは、移動通信でよく用いられるアンテナ数
L=2の場合の受信装置構成例を示す。チップ数K=2
とする。
【0061】受信装置は二つのアンテナ171、172
を備える。アンテナ171で受信された信号はミキサ2
1−1、帯域通過フィルタ24−1およびIQ検波器2
5−1を経由して復調回路173に入力される。アンテ
ナ172で受信された信号は、同様に、ミキサ21−
2、帯域通過フィルタ24−2およびIQ検波器25−
2を経由して復調回路173に入力される。ミキサ21
−1、21−2には、周波数シンセサイザ22からロー
カルキャリアが入力される。周波数シンセサイザ22の
出力周波数は周波数制御回路23からの制御信号により
切り換えられる。この構成により、アンテナ171およ
び172で受信された信号が各々周波数変換および準同
期検波され、複素包絡線信号が求められる。復調回路1
73はこれらの複素包絡線信号を復調する。
【0062】復調回路173は二つの復号器81−1、
81−2および二つのスイッチ82−1、82−2を備
える。復号器81−1はアンテナ171により受信され
た信号の複素包絡線信号を復号化し、スイッチ82−1
を介してメモリ83の一つめおよび二つめの領域に蓄積
する。復号器81−2はアンテナ172により受信され
た信号の複素包絡線信号を復号化し、スイッチ82−2
を介してメモリ83の三つめおよび四つめの領域に蓄積
する。これらの蓄積された複素包絡線信号を用いて、図
8を参照して説明したK=4の場合と同様の動作により
複素包絡線信号の合成を行う。
【0063】ここで2本のアンテナを用いた例について
説明したが、複数本のアンテナを用いた場合にも同様に
本発明を実施できる。
【0064】図19は本発明第四実施例の周波数ダイバ
ーシチ伝送装置を示すブロック構成図であり、送信装置
の構成例を示す。チップ数K=4としている。この実施
例は、1ユーザの信号を複数のチャネルに分配するシリ
アル・パラレル変換器191を備え、1ユーザの信号を
あたかも複数ユーザが用いているように信号を分配す
る。この例では四つに分配している。このようにする
と、伝送速度は1/4となる。分配された四つの信号に
ついて、例えば図12に示した符号化回路によりチップ
に分割し、符号化チップ信号を生成する。符号化以後の
送信装置動作は同一周波数を複数のユーザで使用する場
合と同じである。受信については、図8に示した復調回
路を送信側の分配数と同数だけ設けて復調してもよく、
図13に示した復調回路を用いて復調してもよい。図1
3に示した復調回路では、希望波信号だけでなく干渉波
信号についても信号パターンを推定して復調しているた
め、第一実施例において干渉波とみなしていた信号を希
望波信号とみなすことにより復調できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の周波数ダ
イバーシチ伝送装置は、個々のシンボルをチップに分割
し、それをさらに符号化することにより、同一周波数で
複数のシンボル系列を同時に周波数ダイバーシチ伝送す
ることができ、周波数を有効に利用することができる。
【0066】また、受信側でコヒーレント検波を行う場
合には、干渉キャンセルが可能となり、従来のノンコヒ
ーレント検波を行う場合に比べて優れた伝送特性が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の周波数ダイバーシチ伝送装
置を示すブロック構成図。
【図2】変調方法を説明する図であり、チップ変調波形
の一例を示す図。
【図3】受信装置における受信無線周波数fR 、受信中
間周波数fIF、システム帯域幅WR 、中間周波数帯域幅
幅WIFの関係を表す図。
【図4】高速周波数ホッピング用周波数シンセサイザの
一例を示すブロック構成図。
【図5】メモリテーブルに書き込まれたサンプル値の一
例を示す図。
【図6】出力波形の一例を示す図。
【図7】チップ変調手段の別の構成例を示す図。
【図8】復調回路の一例を示すブロック構成図。
【図9】基地局から移動局への下り伝送時における信号
形式を示す図。
【図10】このような信号を送信するためのチップ変調
手段の構成例を示す図。
【図11】直交関数の一例を示す図。
【図12】同一周波数を複数のユーザで使用する場合に
同一周波数を利用するユーザの信号をベースバンドで符
号化して多重化する符号化回路の構成例を示す図。
【図13】最尤判定による非線形復調方式により復調を
行う復調回路の一例を示すブロック構成図。
【図14】本発明第二実施例の周波数ダイバーシチ伝送
装置を示すブロック構成図であり、送信装置の構成を示
す図。
【図15】本発明第二実施例の周波数ダイバーシチ伝送
装置を示すブロック構成図であり、受信装置の構成を示
す図。
【図16】マルチキャリア方式の場合の符号化チップ信
号を示す図。
【図17】本発明第三実施例の周波数ダイバーシチ伝送
装置を示すブロック構成図であり、受信装置の構成を示
す図。
【図18】復調回路の構成を示すブロック構成図。
【図19】本発明第四実施例の周波数ダイバーシチ伝送
装置を示すブロック構成図であり、送信装置の構成例を
示す図。
【図20】高速周波数ホッピングを用いた周波数ダイバ
ーシチ伝送装置の従来例を示すブロック構成図。
【符号の説明】
1 送信装置 2 受信装置 11 符号器 12 直交変調器 13 周波数シンセサイザ 14 周波数制御回路 15 帯域通過フィルタ 21、21−1、21−2 ミキサ 22 周波数シンセサイザ 23 周波数制御回路 24、24−1、24−2 帯域通過フィルタ 25、25−1、25−2 IQ検波器 26 復調回路 41 フェーズアキュミュレータ 42 メモリテーブル 43 ディジタル・アナログ変換器 44 低域通過フィルタ 71 スイッチ回路 72 低域通過フィルタ 73 直交変調器 74 合成回路 81、81−1、81−2 復号器 82、82−1、82−2 スイッチ 83 メモリ 84−1〜84−4 複素乗算器 85 合成回路 86 判定回路 87 減算器 88 複素係数制御回路 101 多重化回路 102 変調器 103 発振器 104 合成器 121−1〜121−4 複素乗算器 122 合成器 131 スイッチ 132 メモリ 133 減算器 134 複素乗算器 135 複素係数制御回路 136 二乗演算回路 137 加算器 138 最尤推定回路 139 信号発生器 140 符号器 141 符号器 142−1〜142−4 直交変調器 143−1〜143−4 発振器 151 ミキサ 152 ローカル発振器 153 帯域通過フィルタ 154 IQ検波器 171、172 アンテナ 173 復調回路 191 シリアル・パラレル変換器 201 直交変調器 202 周波数シンセサイザ 203 周波数制御回路 204 帯域通過フィルタ 205 ミキサ 206 ローカル発振器 207 帯域通過フィルタ 208 二乗検波回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−164537(JP,A) 特開 昭61−159837(JP,A) 特開 昭62−179234(JP,A) 特開 昭62−283735(JP,A) 特開 昭62−204633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/00 H04B 7/02 - 7/12 H04B 7/24 - 7/26 113 H04J 1/00 - 1/20 H04J 4/00 - 15/00 H04L 1/02 - 1/06 H04L 5/00 - 5/12 H04L 27/00 - 27/30 H04Q 7/00 - 7/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力シンボル系列の個々のシンボルをそ
    れぞれK種類(Kは2以上の整数)のキャリア周波数に
    より変調して送信する送信装置と、 この送信装置の送信信号を受信して上記K種類のキャリ
    ア周波数にそれぞれ同期するK種類のローカル周波数に
    より復調する受信装置とを備えた周波数ダイバーシチ伝
    送装置において、 上記送信装置は、 入力シンボル系列の個々のシンボルを複数のチップに分
    割してそのチップ列を符号化することにより1シンボル
    あたりK個の符号化チップ信号を出力するチップ符号化
    手段と、 このK個の符号化チップ信号により上記K種類のキャリ
    ア周波数を各々変調して1シンボルあたりK個のチップ
    変調波を生成するチップ変調手段とを含み、 上記受信装置は、 1シンボルあたりK個のチップ変調波を上記K個のロー
    カル周波数によりそれぞれ検波してK個の複素包絡線信
    号を抽出する準同期検波手段と、 このK個の複素包絡線信号から送信シンボルを判定する
    判定手段とを含むことを特徴とする周波数ダイバーシチ
    伝送装置。
  2. 【請求項2】 上記チップ変調手段は複数系列の入力シ
    ンボルに対してその系列ごとに互いに直交する信号を乗
    算する手段を含み、 上記判定手段は上記K個の複素包絡線信号にこの直交す
    る信号の複素共役を乗算する手段を含む請求項1記載の
    周波数ダイバーシチ伝送装置。
  3. 【請求項3】 上記判定手段は、 上記K個の複素包絡線信号にそれぞれ複素係数を乗算す
    る手段と、 この複素係数が乗算された複素包絡線信号を合成してシ
    ンボルを判定する手段と、 上記複素係数をあらかじめ定められたパターンのトレー
    ニング信号に対する判定結果にしたがって設定する手段
    とを含む請求項1または2記載の周波数ダイバーシチ伝
    送装置。
  4. 【請求項4】 上記判定手段は、 シンボル候補を上記チップ符号化手段と同一論理で符号
    化する符号器と、 この符号器の出力から上記K個の複素包絡線信号のそれ
    ぞれの推定値を求める手段と、 この推定値と上記K個の複素包絡線信号とのそれぞれの
    減算を行って推定誤差を求める手段と、 この推定誤差の二乗和を求める手段と、 シンボルパターン候補のある時点から次の時点への遷移
    に対応したパスを求め、そのなかから上記推定誤差の二
    乗和が最小となるパスを選択してシンボル判定を行う最
    尤推定回路と、 この最尤推定回路で求めたパスに対応して上記シンボル
    候補を出力する信号発生器とを含む請求項1記載の周波
    数ダイバーシチ伝送装置。
  5. 【請求項5】 上記チップ変調手段はキャリア周波数の
    異なるK個のチップ変調波を時系列的に生成する手段を
    含む請求項1ないし4のいずれか記載の周波数ダイバー
    シチ伝送装置。
  6. 【請求項6】 上記送信装置にはK種類のキャリア周波
    数を別々に連続的に生成する手段を備え、上記チップ変
    調手段はこのK種類のキャリア周波数を時系列的に選択
    する手段を含む請求項5記載の周波数ダイバーシチ伝送
    装置。
  7. 【請求項7】 上記チップ変調手段はキャリア周波数の
    異なるK個のチップ変調波を同時かつ並列的に生成する
    手段を含む請求項1ないし4のいずれか記載の周波数ダ
    イバーシチ伝送装置。
  8. 【請求項8】 上記送信装置は上記K種類のキャリア周
    波数としてシンボルごとのK個の符号化チップ信号に対
    する初期位相がそれぞれ実質的に一定のキャリア信号を
    発生する手段を含み、 上記受信装置は上記ローカル周波数としてシンボルごと
    のK個の符号化チップ信号に対する初期位相がそれぞれ
    実質的に一定のローカル信号を発生する手段を含む請求
    項1ないし7のいずれか記載の周波数ダイバーシチ伝送
    装置。
  9. 【請求項9】 上記キャリア信号を発生する手段および
    上記ローカル信号を発生する手段はそれぞれ、あらかじ
    め正弦波形が記録されたメモリテーブルと、このメモリ
    テーブルのアドレス指定を変えることにより出力周波数
    を設定する手段とを含む請求項8記載の周波数ダイバー
    シチ伝送装置。
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