JP2987787B2 - スイッチング素子 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラングミュア・ブロジェ
ット法(LB法)によって成膜された有機絶縁層を有す
るMIM型スイッチング素子に関する。
ット法(LB法)によって成膜された有機絶縁層を有す
るMIM型スイッチング素子に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、有機絶縁層を一対の電極で
サンドイッチしたMIM型構造素子において、新規なス
イッチングメモリ特性が発現することを示し、このスイ
ッチング素子を提案してきている(特開昭63−969
56号公報)。
サンドイッチしたMIM型構造素子において、新規なス
イッチングメモリ特性が発現することを示し、このスイ
ッチング素子を提案してきている(特開昭63−969
56号公報)。
【0003】具体的には、有機絶縁層として、例えば、
LB法により形成したπ電子準位を持つ群とσ電子準位
のみを有する群を併用する分子を積層した絶縁性もしく
は半絶縁性を示す有機単分子膜あるいはその累積膜を用
いている。また、支持電極および上部電極については、
導電性を有する材料、例えば、Au,Pt,Ag,P
d,Al,In,Sn,Pbなどの金属や、これらの合
金さらにはグラファイトやシリサイドまたさらにはIT
O等の導電性酸化物といった数多くの材料を用い、従来
公知の薄膜形成技術、例えば、真空蒸着法・EB蒸着法
・スパッタ法等を利用して形成している。
LB法により形成したπ電子準位を持つ群とσ電子準位
のみを有する群を併用する分子を積層した絶縁性もしく
は半絶縁性を示す有機単分子膜あるいはその累積膜を用
いている。また、支持電極および上部電極については、
導電性を有する材料、例えば、Au,Pt,Ag,P
d,Al,In,Sn,Pbなどの金属や、これらの合
金さらにはグラファイトやシリサイドまたさらにはIT
O等の導電性酸化物といった数多くの材料を用い、従来
公知の薄膜形成技術、例えば、真空蒸着法・EB蒸着法
・スパッタ法等を利用して形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スイッチング素子にお
いて有機化合物の単層膜または累積膜を支持するための
導電性電極の形態に制限はないが、LB膜の分子オーダ
ーの凹凸は望ましくないため任意の形状で平面性が良い
ことが望ましい。しかしながら、電極材料を公知の薄膜
技術で作製した場合、多くの場合において電極を構成す
る多結晶粒子による凹凸が電極表面に生じる。また単結
晶膜を得る場合には、基板が限定され汎用性に乏しい。
このような電極表面上にLB膜を形成する際、LB膜の
成膜条件や累積数によってはスイッチング素子の歩留ま
りの低下や、スイッチング素子に関する電気特性の安定
性の欠如等が生じるという問題があった。このため、L
B膜を形成する際の支持電極の平坦性の向上が望まれて
いた。
いて有機化合物の単層膜または累積膜を支持するための
導電性電極の形態に制限はないが、LB膜の分子オーダ
ーの凹凸は望ましくないため任意の形状で平面性が良い
ことが望ましい。しかしながら、電極材料を公知の薄膜
技術で作製した場合、多くの場合において電極を構成す
る多結晶粒子による凹凸が電極表面に生じる。また単結
晶膜を得る場合には、基板が限定され汎用性に乏しい。
このような電極表面上にLB膜を形成する際、LB膜の
成膜条件や累積数によってはスイッチング素子の歩留ま
りの低下や、スイッチング素子に関する電気特性の安定
性の欠如等が生じるという問題があった。このため、L
B膜を形成する際の支持電極の平坦性の向上が望まれて
いた。
【0005】そこで、本発明の目的は、かかる支持電極
の平坦性の向上を図って信頼性に優れたスイッチング素
子を提供することにある。
の平坦性の向上を図って信頼性に優れたスイッチング素
子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は上記の
問題を解決するために以下のような方法で支持電極表面
の平坦性を向上させた。
問題を解決するために以下のような方法で支持電極表面
の平坦性を向上させた。
【0007】すなわち、支持電極表面にカーボンを蒸着
することによってアモルファスカーボン膜を形成した。
することによってアモルファスカーボン膜を形成した。
【0008】前記アモルファスカーボン膜は、下地であ
る支持電極の材料に拘わらず該支持電極表面に存在した
凹凸を緩和し平坦化する作用がある。しかも、LB法に
より単分子累積膜を形成するためにITO等の親水性を
有する支持電極を疎水化する必要がある場合にアモルフ
ァスカーボン膜は疎水性であるために、平坦化と同時に
疎水化も実現可能となる。
る支持電極の材料に拘わらず該支持電極表面に存在した
凹凸を緩和し平坦化する作用がある。しかも、LB法に
より単分子累積膜を形成するためにITO等の親水性を
有する支持電極を疎水化する必要がある場合にアモルフ
ァスカーボン膜は疎水性であるために、平坦化と同時に
疎水化も実現可能となる。
【0009】本方法により、支持電極の材質に拘わるこ
となく表面を平坦化することが可能となり(特に、LB
の分子オーダーの凹凸は消失)、且つ疎水化が同時に実
現される。その結果、LB膜の累積数に拘わらず極めて
信頼性に優れたMIM素子の提供が可能となる。尚、ア
モルファスカーボンは導電性材料であり、支持電極とし
ての役割も同時に果たしている。また、本発明で用いる
アモルファスカーボンの形成方法は従来公知の薄膜作製
技術で十分であり、例えば真空蒸着法、EB蒸着法、ス
パッタ法等が挙げられる。
となく表面を平坦化することが可能となり(特に、LB
の分子オーダーの凹凸は消失)、且つ疎水化が同時に実
現される。その結果、LB膜の累積数に拘わらず極めて
信頼性に優れたMIM素子の提供が可能となる。尚、ア
モルファスカーボンは導電性材料であり、支持電極とし
ての役割も同時に果たしている。また、本発明で用いる
アモルファスカーボンの形成方法は従来公知の薄膜作製
技術で十分であり、例えば真空蒸着法、EB蒸着法、ス
パッタ法等が挙げられる。
【0010】本発明で用いる有機絶縁層としては、電流
−電圧特性に於いてメモリースイッチング現象(電気メ
モリー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ
群とσ電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上
に積層した絶縁性もしくは半絶縁性を示す有機単分子膜
あるいはその累積膜を用いることが可能となる。また、
これらの有機材料の電気メモリー効果は数10μm以下
の膜厚のもので観測されているが、数オングストローム
以上1000オングストローム以下が好ましい。
−電圧特性に於いてメモリースイッチング現象(電気メ
モリー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ
群とσ電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上
に積層した絶縁性もしくは半絶縁性を示す有機単分子膜
あるいはその累積膜を用いることが可能となる。また、
これらの有機材料の電気メモリー効果は数10μm以下
の膜厚のもので観測されているが、数オングストローム
以上1000オングストローム以下が好ましい。
【0011】本発明における記録層たる有機絶縁層の形
成に関しては、制御性、容易性そして再現性から公知の
従来技術の中ではLB法が極めて好適である。このLB
法によれば、1分子中に疎水性部位と親水性部位とを有
する有機化合物の単分子膜またはその累積膜を基板上に
容易に形成することができ、分子オーダーの厚みを有
し、かつ大面積にわたって均一、均質な有機超薄膜を安
定に供給することができる。
成に関しては、制御性、容易性そして再現性から公知の
従来技術の中ではLB法が極めて好適である。このLB
法によれば、1分子中に疎水性部位と親水性部位とを有
する有機化合物の単分子膜またはその累積膜を基板上に
容易に形成することができ、分子オーダーの厚みを有
し、かつ大面積にわたって均一、均質な有機超薄膜を安
定に供給することができる。
【0012】本発明に用いる支持電極および上電極の材
料は、導電性を有する材料であれば何でも良く、例え
ば、Au,Pt,Ag,Pd,Al,In,Sn,Pb
などの金属や、これらの合金、あるいはITO等の導電
性酸化物といった数多くの材料の適用が考えられる。ま
た、係る材料を用いた支持電極および上電極の形成方法
としても、従来公知の薄膜作成技術で十分であり、例え
ば、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタ法等が挙げられ
る。
料は、導電性を有する材料であれば何でも良く、例え
ば、Au,Pt,Ag,Pd,Al,In,Sn,Pb
などの金属や、これらの合金、あるいはITO等の導電
性酸化物といった数多くの材料の適用が考えられる。ま
た、係る材料を用いた支持電極および上電極の形成方法
としても、従来公知の薄膜作成技術で十分であり、例え
ば、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタ法等が挙げられ
る。
【0013】また、本発明に係る基板は、金属、ガラ
ス、セラミックス材料等、いずれの材料でもよい。上記
の如き基板は任意の形状でよく、平板状であるのが好ま
しいが、平板になんら限定されない。すなわち前記成膜
法(LB法)においては、基板の表面の形状に沿って膜
を形成し得る利点を有するからである。
ス、セラミックス材料等、いずれの材料でもよい。上記
の如き基板は任意の形状でよく、平板状であるのが好ま
しいが、平板になんら限定されない。すなわち前記成膜
法(LB法)においては、基板の表面の形状に沿って膜
を形成し得る利点を有するからである。
【0014】
【実施例】実施例1 〈支持電極の詳細〉ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)の飽和蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス
基板(コーニング社製#7059)上に電極層1として
真空蒸着法によりITOを厚さ1000Å成膜した後、
さらにカーボンを同法により成膜して幅1mmのストラ
イプ状の支持電極4を形成した(図1)。これによりカ
ーボンはITO電極上にアモルファス状に成膜される。
アモルファスカーボン膜の膜厚は5nm,10nm,2
0nm,30nmの4種類を成膜した。ITO表面の性
質は本来親水性であるがアモルファスカーボンの被覆に
より疎水性を示した。係る基板を担体として以下に記し
たLB法によりポリイミドの単分子膜(図3)を累積し
(図4)、これを絶縁層とした。 〈LB法の詳細〉ポリアミック酸(分子量約20万)を
濃度1×10-3%(vol/vol)で溶かしたジメチ
ルアセトアミド溶液を、水温20℃の純水水相上に展開
し、水面上に単分子膜を形成した。この単分子膜の表面
圧を25mN/mまで高め、更にこれを一定に保ちなが
ら前記基板を水面に横切る方向に5mm/minで浸
漬、引き上げを行い、Y型単分子膜の累積を行った(図
4)。係る操作を繰り返すことにより6,12,24,
36層の4種類の累積膜を上記4種類の支持基板上に各
々成膜し合計16種類の試料を作製した。さらにこれら
の膜を300℃で10分加熱を行うことによりポリイミ
ド化した。この際ポリイミド1層当たりの厚さはエリプ
ソメトリー法により約3.6Åと求められた。次に以下
に記した方法により上部電極を成膜した。図5に本素子
の断面図を示す。 〈上部電極の詳細〉係る基板上に支持電極と直交するよ
うに幅1mmのストライプ状のAl電極(膜厚1500
Å)を基板温度を室温以下に保持し真空蒸着法で成膜し
た。尚、本素子の構成概略図を図7に示す。
S)の飽和蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス
基板(コーニング社製#7059)上に電極層1として
真空蒸着法によりITOを厚さ1000Å成膜した後、
さらにカーボンを同法により成膜して幅1mmのストラ
イプ状の支持電極4を形成した(図1)。これによりカ
ーボンはITO電極上にアモルファス状に成膜される。
アモルファスカーボン膜の膜厚は5nm,10nm,2
0nm,30nmの4種類を成膜した。ITO表面の性
質は本来親水性であるがアモルファスカーボンの被覆に
より疎水性を示した。係る基板を担体として以下に記し
たLB法によりポリイミドの単分子膜(図3)を累積し
(図4)、これを絶縁層とした。 〈LB法の詳細〉ポリアミック酸(分子量約20万)を
濃度1×10-3%(vol/vol)で溶かしたジメチ
ルアセトアミド溶液を、水温20℃の純水水相上に展開
し、水面上に単分子膜を形成した。この単分子膜の表面
圧を25mN/mまで高め、更にこれを一定に保ちなが
ら前記基板を水面に横切る方向に5mm/minで浸
漬、引き上げを行い、Y型単分子膜の累積を行った(図
4)。係る操作を繰り返すことにより6,12,24,
36層の4種類の累積膜を上記4種類の支持基板上に各
々成膜し合計16種類の試料を作製した。さらにこれら
の膜を300℃で10分加熱を行うことによりポリイミ
ド化した。この際ポリイミド1層当たりの厚さはエリプ
ソメトリー法により約3.6Åと求められた。次に以下
に記した方法により上部電極を成膜した。図5に本素子
の断面図を示す。 〈上部電極の詳細〉係る基板上に支持電極と直交するよ
うに幅1mmのストライプ状のAl電極(膜厚1500
Å)を基板温度を室温以下に保持し真空蒸着法で成膜し
た。尚、本素子の構成概略図を図7に示す。
【0015】以上の工程により作製されたMIM素子の
上下電極間に電圧を印加し、図8および図9に示したス
イッチング特性を測定し安定性、バラツキ、歩留まりを
調べた。その結果、表1に示したように上記工程で作製
した16種類のMIM素子はいずれもアモルファスカー
ボンを成膜しない場合と比べ、特性の向上が見られた。
ただし、表1中C膜厚は、カーボン層の膜厚を示し、
[◎]はスイッチング特性の安定性等が特に良かったも
の、[○]は良かったもの、[△]は若干安定性等にバ
ラツキがあるものを示している。特にアモルファスカー
ボンの膜厚が10nmおよび20nmの時において極め
て良好なMIM素子が得られた。これは支持ITO電極
表面に存在した数nm〜数10nmの凹凸(透過電子顕
微鏡による断面観察の測定結果)がアモルファスカーボ
ン膜の成膜によって平坦化した結果である。実際、平面
性を確認するためのアモルファスカーボン膜成膜前後の
支持ITO電極の表面を走査型電子顕微鏡により比較観
察した結果、支持ITO電極の結晶粒界部分に存在した
数nm〜数10nmの凹凸が、アモルファスカーボン膜
によって緩和され平坦性が向上していることが確認され
た。
上下電極間に電圧を印加し、図8および図9に示したス
イッチング特性を測定し安定性、バラツキ、歩留まりを
調べた。その結果、表1に示したように上記工程で作製
した16種類のMIM素子はいずれもアモルファスカー
ボンを成膜しない場合と比べ、特性の向上が見られた。
ただし、表1中C膜厚は、カーボン層の膜厚を示し、
[◎]はスイッチング特性の安定性等が特に良かったも
の、[○]は良かったもの、[△]は若干安定性等にバ
ラツキがあるものを示している。特にアモルファスカー
ボンの膜厚が10nmおよび20nmの時において極め
て良好なMIM素子が得られた。これは支持ITO電極
表面に存在した数nm〜数10nmの凹凸(透過電子顕
微鏡による断面観察の測定結果)がアモルファスカーボ
ン膜の成膜によって平坦化した結果である。実際、平面
性を確認するためのアモルファスカーボン膜成膜前後の
支持ITO電極の表面を走査型電子顕微鏡により比較観
察した結果、支持ITO電極の結晶粒界部分に存在した
数nm〜数10nmの凹凸が、アモルファスカーボン膜
によって緩和され平坦性が向上していることが確認され
た。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 〈支持電極の詳細〉ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)の飽和蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス
基板(コーニング社製#7059)上に真空蒸着法によ
りAgを厚さ1000Å成膜した後、さらにカーボンを
同法により成膜し幅1mmのストライプ状の支持電極を
形成した(図1)。これにより、カーボンはAg電極上
にアモルファス状に成膜される。アモルファスカーボン
膜の膜厚は5nm,10nm,20nm,30nmの4
種類を成膜した。Ag表面の性質は本来親水性である
が、アモルファスカーボンの被覆により疎水性となって
いた。係る基板を担体として実施例1と全く同様にして
LB法によりポリイミドの単分子膜(図3)を累積
(6,12,24,36層)した後、真空蒸着によりア
ルミニウム電極を積層して合計16種類のスイッチング
素子を作製した。
S)の飽和蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス
基板(コーニング社製#7059)上に真空蒸着法によ
りAgを厚さ1000Å成膜した後、さらにカーボンを
同法により成膜し幅1mmのストライプ状の支持電極を
形成した(図1)。これにより、カーボンはAg電極上
にアモルファス状に成膜される。アモルファスカーボン
膜の膜厚は5nm,10nm,20nm,30nmの4
種類を成膜した。Ag表面の性質は本来親水性である
が、アモルファスカーボンの被覆により疎水性となって
いた。係る基板を担体として実施例1と全く同様にして
LB法によりポリイミドの単分子膜(図3)を累積
(6,12,24,36層)した後、真空蒸着によりア
ルミニウム電極を積層して合計16種類のスイッチング
素子を作製した。
【0018】以上の工程により作製されたMIM素子の
上下電極間に電圧を印加し、スイッチング特性を測定し
安定性、バラツキ、歩留まりを調べた。その結果、表2
に示した様に上記工程で作製した16種類のMIM素子
はいずれもアモルファスカーボンを成膜しない場合と比
べ、特性の向上が見られた。特にアモルファスカーボン
の膜厚が5nm,10nmおよび20nmにおいて極め
て良好なMIM素子が得られた。これは支持Ag電極表
面に存在した5nm以下の段差(透過電子顕微鏡による
断面観察の測定結果)がアモルファスカーボン膜の成膜
によって平坦化した結果である。平面性を確認するため
アモルファスカーボン膜成膜前後の支持Ag電極の表面
を走査型電子顕微鏡により比較観察した結果、支持Ag
電極の結晶粒界部分に存在した凹凸が、アモルファスカ
ーボン膜によって緩和され平坦性が向上していることが
確認された。
上下電極間に電圧を印加し、スイッチング特性を測定し
安定性、バラツキ、歩留まりを調べた。その結果、表2
に示した様に上記工程で作製した16種類のMIM素子
はいずれもアモルファスカーボンを成膜しない場合と比
べ、特性の向上が見られた。特にアモルファスカーボン
の膜厚が5nm,10nmおよび20nmにおいて極め
て良好なMIM素子が得られた。これは支持Ag電極表
面に存在した5nm以下の段差(透過電子顕微鏡による
断面観察の測定結果)がアモルファスカーボン膜の成膜
によって平坦化した結果である。平面性を確認するため
アモルファスカーボン膜成膜前後の支持Ag電極の表面
を走査型電子顕微鏡により比較観察した結果、支持Ag
電極の結晶粒界部分に存在した凹凸が、アモルファスカ
ーボン膜によって緩和され平坦性が向上していることが
確認された。
【0019】
【表2】
【0020】実施例3 〈支持電極の詳細〉ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)の飽和蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス
基板(コーニング社製#7059)上に下引き層3とし
てCrを真空蒸着法により厚さ50Å成膜させ、更にA
uを同法により成膜(膜厚1000Å)した後、さらに
カーボンを同法により成膜し、幅1mmのストライプ状
の支持電極を形成した(図2)。これにより、カーボン
はAu電極上にアモルファス状に成膜される。アモルフ
ァスカーボン膜の膜厚は5nm,10nm,20nm,
30nmの4種類を成膜した。係る基板を担体として実
施例1と全く同様にLB法によりポリイミドの単分子膜
(図3)を累積(6,12,24,36層)した後(図
4)、真空蒸着法によりアルミニウム電極を積層して合
計16種類のスイッチング素子を作製した(図6)。
S)の飽和蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス
基板(コーニング社製#7059)上に下引き層3とし
てCrを真空蒸着法により厚さ50Å成膜させ、更にA
uを同法により成膜(膜厚1000Å)した後、さらに
カーボンを同法により成膜し、幅1mmのストライプ状
の支持電極を形成した(図2)。これにより、カーボン
はAu電極上にアモルファス状に成膜される。アモルフ
ァスカーボン膜の膜厚は5nm,10nm,20nm,
30nmの4種類を成膜した。係る基板を担体として実
施例1と全く同様にLB法によりポリイミドの単分子膜
(図3)を累積(6,12,24,36層)した後(図
4)、真空蒸着法によりアルミニウム電極を積層して合
計16種類のスイッチング素子を作製した(図6)。
【0021】以上の工程により作製されたMIM素子の
上下電極間に電圧を印加し、スイッチング特性を測定し
安定性、バラツキ、歩留まりを調べた。その結果表3に
示したように上記工程で作製した16種類のMIM素子
はいずれもアモルファスカーボンを成膜しない場合と比
べ、特性の向上が見られた。特にアモルファスカーボン
の膜厚が5nm,10nmおよび20nmの時において
極めて良好なMIM素子が得られた。これは支持Au電
極表面に存在した5nm以下の段差(透過電子顕微鏡に
よる断面観察の測定結果)がアモルファスカーボン膜の
成膜によって平坦化した結果である。平面性を確認する
ためアモルファスカーボン膜成膜前後の支持Au電極の
表面を平面性を確認するため、走査型電子顕微鏡により
比較観察した結果、支持Au電極の結晶粒界部分に存在
した凹凸が、アモルファスカーボン膜によって緩和され
平坦性が向上していることが確認された。
上下電極間に電圧を印加し、スイッチング特性を測定し
安定性、バラツキ、歩留まりを調べた。その結果表3に
示したように上記工程で作製した16種類のMIM素子
はいずれもアモルファスカーボンを成膜しない場合と比
べ、特性の向上が見られた。特にアモルファスカーボン
の膜厚が5nm,10nmおよび20nmの時において
極めて良好なMIM素子が得られた。これは支持Au電
極表面に存在した5nm以下の段差(透過電子顕微鏡に
よる断面観察の測定結果)がアモルファスカーボン膜の
成膜によって平坦化した結果である。平面性を確認する
ためアモルファスカーボン膜成膜前後の支持Au電極の
表面を平面性を確認するため、走査型電子顕微鏡により
比較観察した結果、支持Au電極の結晶粒界部分に存在
した凹凸が、アモルファスカーボン膜によって緩和され
平坦性が向上していることが確認された。
【0022】
【表3】 以上の実施例より、支持電極上にアモルファスカーボン
を積層することにより、支持電極の平坦性が向上し、な
おかつ疎水面を保つことができるため、MIM型スイッ
チング素子の安定性・歩留まり等の向上が可能となっ
た。ただし、成膜するアモルファスカーボン膜の膜厚は
電極の材料、成膜方法、成膜条件等によって変える必要
がある。これは支持電極上に存在する段差(凹凸)に応
じて平坦化に必要なアモルファスカーボンの膜厚が異な
るためである。
を積層することにより、支持電極の平坦性が向上し、な
おかつ疎水面を保つことができるため、MIM型スイッ
チング素子の安定性・歩留まり等の向上が可能となっ
た。ただし、成膜するアモルファスカーボン膜の膜厚は
電極の材料、成膜方法、成膜条件等によって変える必要
がある。これは支持電極上に存在する段差(凹凸)に応
じて平坦化に必要なアモルファスカーボンの膜厚が異な
るためである。
【0023】
【発明の効果】1)MIM構造素子において、支持電極
表面にアモルファスカーボン膜を成膜することにより、
支持電極表面の凹凸を平坦化することが可能となり、平
面性の優れた支持電極の作製が実現できた。
表面にアモルファスカーボン膜を成膜することにより、
支持電極表面の凹凸を平坦化することが可能となり、平
面性の優れた支持電極の作製が実現できた。
【0024】平坦化の実現によって歩留まり良く安定性
の高いMIM型スイッチング素子を作製することが可能
となった。
の高いMIM型スイッチング素子を作製することが可能
となった。
【0025】2)支持電極が親水性を有する場合、アモ
ルファスカーボン膜を成膜することによって平坦化と同
時に疎水化が可能となり、疎水処理工程を省くことが可
能となった。
ルファスカーボン膜を成膜することによって平坦化と同
時に疎水化が可能となり、疎水処理工程を省くことが可
能となった。
【図1】本発明に係る支持電極の構成を模式的に示す説
明図である。
明図である。
【図2】図1の支持電極に下引層を設けた支持電極を示
す説明図である。
す説明図である。
【図3】支持電極上に成膜されたLB単層膜の模式図で
ある。
ある。
【図4】LB単層膜を支持電極上に累積して成膜した模
式図である。
式図である。
【図5】MIM素子の断面図である。
【図6】別のMIM素子の断面図である。
【図7】本発明のMIM素子の具体例の構成概略図を示
したものである。
したものである。
【図8】MIM素子において得られた電気特性(V1特
性)を示す特性図である。
性)を示す特性図である。
【図9】MIM素子において確認されたON状態および
OFF状態の電気的特性図を示すものである。
OFF状態の電気的特性図を示すものである。
1 電極層 2 カーボン膜 3 下引き層 4 支持電極 8 累積膜 9 上部電極
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 49/02 G11B 9/00 G11B 31/00 H01L 51/00
Claims (1)
- 【請求項1】 支持電極上にσ電子準位及びπ電子準位
を有する有機化合物からなる有機絶縁層を有し、さらに
該有機絶縁層上に上部電極を有するスイッチング素子に
おいて、支持電極の有機絶縁層側の表面の一部または全
部がアモルファスカーボンであることを特徴とするスイ
ッチング素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204553A JP2987787B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | スイッチング素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204553A JP2987787B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | スイッチング素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0529681A JPH0529681A (ja) | 1993-02-05 |
JP2987787B2 true JP2987787B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=16492399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3204553A Expired - Fee Related JP2987787B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | スイッチング素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2987787B2 (ja) |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP3204553A patent/JP2987787B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0529681A (ja) | 1993-02-05 |
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